480: 2011/04/23(土) 21:36:34.94 ID:46ZTR2nDO
これは、一目惚れだろうか。
よくある話だ。スキルアウトに襲われたところを、助けられた。
それを恩に着せることもなく、また私に興味がないかのように――ならば何故助けたのか――そのまま去ろうとしていたことが気になったのかもしれない。いや。それ以上に、彼の雰囲気に惹かれていたのだろう。
真っ白な、杖をついている少し歳上だろう少年。お姉さまがよく追いかけ回しているあの殿方を思い出す。いつも明るいところにいるような、正義感に溢れた殿方。正反対のようで、よく似ていると。
気づいたら、引き留めていた。普段なら、はしたないと言って他人に注意していただろう強引な行為。
あとから思い出しても顔から日が出るのではないかというほど恥ずかしい。けれど、後悔はしていない。あそこで引き留めていなかったら、きっともう会えなかっただろうから。
とある魔術の禁書目録 32巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
481: 2011/04/23(土) 21:37:08.34 ID:46ZTR2nDO


「別にィ、お前を助けたわけじゃねェよ……あいつらが、俺の邪魔をしたからぶちのめした。それだけだァ」

「けれども、私は助けられましたわ」

ぶちのめすという行為は、誉められたものではない。――けれど。

「しつけェ女だなァ」

彼は眉間を寄せ、溜息を吐く。呆れているのだろうか。

「そうかもしれませんの」

「ふン」
 
けれど、退く気など毛頭無い。

「せめてお名前を……いえ、連絡先を教えていただけませんか?」

「どこらへンが、せめてなンですかァ?」

「私なりの、せめてですわ」

胸を張る。無理矢理だっただろうか。
彼は呆気に取られたかのように、目を丸くした。表情だけで随分と印象が変わるものだ。しばらく考えるかのように首を掻き、こちらを見てもう一度溜息を吐いた。そして口元をニヤリと引き上げ、

「」ポン

私の頭を軽く叩いた。

「へ?」

「……いいぜ、教えてやンよ」

「本当ですの?!」

「根負けってやつだよ……どうせお前聞くまで話してくれねェンだろォ?」

「もちろんですわ」

当たり前だ。
私は精一杯彼のように――ニヤリと、笑い返した。

数分後、彼と別れた私は、先輩に怒られることになる。

彼とお姉さまの確執を知るのも、彼が抱いている闇がどれほどあるのかも――それを知るのはもう少し後の話。

482: 2011/04/23(土) 21:39:27.77 ID:46ZTR2nDO
おわり
お目汚し失礼しました
書いてみて地の文ムリポということに気がついた

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-27冊目-【超電磁砲】