564: 2014/06/02(月) 19:53:34.91 ID:b//mH3/uo

567: 2014/06/02(月) 20:08:29.51 ID:b//mH3/uo
-園庭-


ヴィオラ「……」


ことり「…今度は、ことり」

ことり「……」







ことり「……えっ  っと」

ことり「ことり、まずは何をすればいいんだっけ」

ことり「確か真姫ちゃんがこのお花さんを…それで、この粉を」

ことり「……渡しても、いいの?」




ヴィオラ「……」

ことり「あ、あれっ?この骸骨さんは何に使うの?」

ことり「ことりも探索したいけど…どこから行けばいいの…?」

ことり「そ、それに…さっき真姫ちゃんが行った所、もう一度行っても大丈夫なの…?」













ことり「……どうしよう」

ことり「全然、分からないっ…!」

568: 2014/06/02(月) 20:16:53.79 ID:b//mH3/uo
ギィッ…


ことり「……」

ことり「はぁ…どうしよぉ…」






ヴィオラ「……」

ことり「…ごめんね、ことりがずっと座ってるから」

ことり「あなたもベンチに座っていいんだよ?」








ヴィオラ「……」

ことり(動いてくれない…ことりが動かないと動けないんだ)

ことり「……」










ことり「……」 スクッ

ことり「ずっとこのまま座ってても、ダメ」

ことり「ことりが進まないと…みんなに迷惑がかかっちゃう」














ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「……穂乃果ちゃん」

569: 2014/06/02(月) 20:36:44.60 ID:b//mH3/uo

―――――――――




ことり『………』 テクテク






希「…ことりちゃん、進み始めたね」

海未「ことり…」









真姫「……」

希「真姫ちゃん、どうしたん?」

真姫「…何でもない」

海未「何ですか?何か思う事があるなら私達に…」

真姫「別にそんな大したことじゃないわ」





真姫「…ただ、本来ならことりの前にあの子がいる筈なのに」

真姫「どうしてここからだとことりしか見えないのかしら?」




海未「…分かりません」

海未「そもそも、あの少女は一体何者なんですか」

海未「こちらの声に反応を示さない、名も名乗らない」

海未「…私には、アレが生き物かどうかさえ疑問に思います」

570: 2014/06/02(月) 20:47:33.26 ID:b//mH3/uo
希「……なぁ、ちょっとオカルトな話をしてもいい?」

真姫「いいわよ。…何か心当たりあるの?」





希「んとね…」

希「見えなモノが見えたり…見えてはいけないものが見えたって言う人…」

希「写真には写ってるけど、実際にはそんなモノいなかったとか…」

希「いわゆる霊感が強い人ってのを、よくテレビとかで見かけるやん?」

海未「…はぁ。私はあまりテレビを見ないのでよく分かりませんが…」

真姫「それがどうしたのよ?」














希「…どうする?」

希「あの子が見えないモノ…あるいは見えてはいけないものだったら」

希「ウチらにだけ見えて、本当はあんな子…どこにもおらんかった、とか」

571: 2014/06/02(月) 21:00:59.20 ID:b//mH3/uo
海未「……」

真姫「…そんな」

希「ありえない話ではないと思うんよ」

希「ウチらはずっと、あの子が自分の分身の様なものだと認識してた」

希「物を持ったり使ったり…でも、それはこの魔女の家だけの事やん?」

希「分身である確証なんてないし、意思を持ってないだなんても誰も言ってない」

海未「…確かに、今までも何度か私の意思に反した行動をあの少女はしています」

真姫「…ちょっと、そんな話聞いてないわよ」

海未「すみません…怒りと動揺で我を忘れていたので」

真姫「しっかりしなさいよ…」











希「…もしかしたらウチら、とんでもないモノと一緒におるのかもしれん」

希「二人共気をつけとき。…あの少女は、普通じゃない」

真姫「…そんな事、分かってるわよ」

海未「……」

572: 2014/06/02(月) 21:56:40.83 ID:b//mH3/uo
-廊下 牢獄前-


ヴィオラ「……」

ことり「……たしか真姫ちゃんは、この本を」







ヴィオラ「……」

ことり「どうして…読めないの?」

ことり「……」






ことり「…どうしよう」

ことり「読めないってことは、もう必要ないってことなのかな…」

ことり「じゃあ…お花の事はもう気にしなくて大丈夫…?」








ことり「…牢屋の方に、行ってみよう」

ヴィオラ「……」 テクテク

573: 2014/06/02(月) 22:02:17.12 ID:b//mH3/uo
「ウェッ… グェホッ… ゴホ…。

 薬…。あんた… 薬…持ってないか?」




ヴィオラ「……」

ことり「…えっと、これを」





ガシャンッ!!




ことり「きゃあっ!!」







「…おい!……それをよこせ。」



ことり「あっ…は、はいっ…!」

ヴィオラ「……」 カサッ







…何者かは 素早く粉を手に取った。





.

574: 2014/06/02(月) 22:21:20.40 ID:b//mH3/uo
「… … …ああ、ああ?…?なんてこった。


 …あれが ねえや…。あれがねえと…。」




ことり「…えっ?」




「あれがねえと 吸えねえじゃねえかッ!!」  ドンッ!




ことり「ひゃあっ!?」




ガシャンッ!








ことり「あ…あっ…っ!」 



「…あああっ、くそっ、 …。」 トントントントン









ヴィオラ「……」

ことり「ひっ…えっ…ぐっ…怖かったよぉ…!」 ポロポロ

ことり「ことりっ…何か間違えたかと思ってっ…!」











ことり「……あ」

ことり「鳥籠が…倒れてる…」

575: 2014/06/02(月) 22:28:14.68 ID:b//mH3/uo
ことり「…中に、何かいる」

ことり「ごめんね…びっくりしたよね…?」

ことり「戻してあげないと…」







ことり「…あ」

ことり「扉の金具がゆるんでる…倒れた時に曲がっちゃったのかな」

ことり「……」

ことり「開けても、いいの…?」






ヴィオラ「……」 ガチャ

ことり「えっ…えっ!?勝手に開けてっ…!」



バサッ!



ことり「きゃっ…」







…見えない何かが飛び出していった。





ことり「……行っちゃった」

ことり「良かったのかな…籠から出しちゃって」

ヴィオラ「……」
 


576: 2014/06/02(月) 22:35:16.91 ID:b//mH3/uo
ことり「あ、貼り紙が…」

ヴィオラ「……」 ペラッ














                【すえるものを】















ことり「…吸えるもの」

ことり「さっきのひと…吸えないって」

ことり「……っ!」











            




              やみに かくした














ことり「ひっ…!」

ことり「ち、血の…文字っ…!」

ヴィオラ「……」

577: 2014/06/02(月) 22:39:23.18 ID:b//mH3/uo
ことり「……」

ことり「吸えるものを…闇に隠した」

ことり「闇って…もしかして、さっき真姫ちゃんが入ってすぐに出てきた場所…?」

ことり「じゃあ、あそこに…」

ことり「…でもどうやって」

ことり「……」













ことり「…とにかく、色んな所に行ってもいいみたいだから」

ことり「探索、しなくちゃ…」

ヴィオラ「……」 テクテク

578: 2014/06/02(月) 22:44:08.11 ID:b//mH3/uo
-庭園-



ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「何か、何か変わった所…変わったところ…」

ことり「…あっ!」






バサッ



      バサッ








ことり「…さっきの小鳥さんが、飛んでる」

ことり「それに…あの植物がなくなってるよ!」

ヴィオラ「……」

ことり「…そっか。食べて元気になったんだね」

ことり「よかったね、小鳥さん…」










ヴィオラ「……」 ガチャ

ことり「ことりは…こっちに進まなきゃ」

579: 2014/06/02(月) 22:56:01.26 ID:b//mH3/uo
ヴィオラ「……」

ことり「えっと、ここは」

ことり「…っ!?」 








-毒の水溜り廊下-



ことり「ごふっ!」

ことり「げほっ!ごほっ!ごほっ!」 バッ

ことり(な…なに…ここっ…!)

ことり(苦しいっ…!身体がっ…痺れてっ…!)

ことり「げほっ!」





ことり「た…たて…札っ…!」

ヴィオラ「……」











         【どくそ はっせいちゅう】



       【.いろのないくつで とおること】












ことり(毒素っ…!?)

ことり(ダメっ!ここにいたら、氏んじゃうっ…!)

ことり(も、戻らない…とっ…!)

ヴィオラ「……」 ガチャ

580: 2014/06/02(月) 22:59:53.01 ID:b//mH3/uo
-庭園-


バタンッ


ことり「げほっ!ごほっ…!」

ことり「はぁ…はぁ…!」

ことり「……」






ことり「…あれ、何ともない」

ことり「どうして…?ことり、いっぱい吸っちゃったのに…」






ことり「……」

ことり「とにかく、ここは後回しにしないと…」

ことり(でも、さっきチラッと見えた、箪笥の列も気になるし…)








ことり「…もうちょっと、色々調べなきゃ」

ヴィオラ「……」 テクテク

581: 2014/06/02(月) 23:36:11.36 ID:b//mH3/uo
-黄色い花の部屋-




ヴィオラ「……」 ガチャ

ことり「…だめ。やっぱり明かりがないと危なくて入れない」

ことり「どうすればいいのかなぁ…」




ヴィオラ「……」

ことり「このスタンドライトを…」 

ことり「…あ、動かない」

ことり「うーん…」






ことり「…もう一回、牢屋の所に行ってみようかな」

ヴィオラ「……」 テクテク


582: 2014/06/02(月) 23:40:26.49 ID:b//mH3/uo
-廊下 牢獄前-



ことり「…今度は、北の方に」

ことり「…あっ!」









ヴィオラ「……」

ことり「そっか…ここにも緑の植物があったから」

ことり「…入っても、いいよね?」










ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「…そういえば」

ことり「なんで、ここだけ扉がないんだろう…?」

583: 2014/06/02(月) 23:47:37.86 ID:b//mH3/uo
ヴィオラ「……」 

ことり「ここ、すっごく狭いよぉ…」

ことり「ヒト一人分の道しかないないんて…」



ことり「あっ、貼り紙…」

ヴィオラ「……」 ペラッ












        【みずは ずがいこつが ふういんしている】












ことり「…!」

ことり「頭蓋骨…って、もしかして…!」

ことり「でも…水?何の事だろう…」

ことり「でもでも、これでこの骸骨さんが何に使うのか分かったから…それだけでも!」

ことり「…あれ?」








ことり「……」

ことり「なんで…こんな所に…壺が…」

ヴィオラ「……」

584: 2014/06/03(火) 00:14:49.87 ID:KY4LvNzmo
ことり「……」

ことり「何か…入ってるの?」







ことり「……」

ことり(ここに、ひとつだけ壺があるって事は)

ことり(絶対何かあるって、事だよね…?)






ことり「…お願い、してもいいかな?」

ヴィオラ「……」 ゴソゴソ







ヴィオラ「……」

ことり「…!」

ことり「えっ…ま、また?」

585: 2014/06/03(火) 00:56:34.97 ID:KY4LvNzmo


【頭蓋骨を手に入れた】




ことり「…これで三つ目」

ことり「こんなにたくさん、いらないよ…」

ことり「これをどうしたら…」













ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「こっちに行けば、分かるのかな…」

586: 2014/06/03(火) 00:59:58.71 ID:KY4LvNzmo
-頭蓋骨の部屋-



ことり「ひゃっ…!」

ことり「な…なにっ…なに…ここっ…!」

ことり「頭蓋骨がっ…いっぱいっ…!」

ことり「き、気持ち悪い…!」







ヴィオラ「……」

ことり「うぅ…もういやだよぉ…」

ことり「これ、いきなり襲ってきたりしないよね…?」

ことり「どうすれば…」

ことり「…あっ」








ことり「…なんだろう、これ」

ことり「レバー…だけど」











587: 2014/06/03(火) 01:04:46.72 ID:KY4LvNzmo
ヴィオラ「……」

ことり「…えっと、この部屋は」 キョロキョロ





ことり(あんまり広くない部屋に、たくさんの骸骨)

ことり(壁に青いレバーがあって…まだ触るのは、危険だよね)

ことり(後は…うーん、特に何もないけど…ないけど)











ことり「…ここ、不自然だよね」

ことり「たくさんの骸骨の隅っこに…何かを填めるくぼみがある」

588: 2014/06/03(火) 01:08:10.85 ID:KY4LvNzmo
ことり「……」

ことり「あっ、もしかして…!」






ヴィオラ「……」 ゴトッ

ことり「やっぱり…入った!」

ことり「そうだよね…こんなにたくさんの骸骨さんがいるのに…他に使うところがないよね」

ことり「…でも」








ことり「…ことりが持ってるのは、3つ」

ことり「くぼみは4つあるから…一つ足りない」

ヴィオラ「……」

589: 2014/06/03(火) 01:13:10.97 ID:KY4LvNzmo
ことり「…やっぱり、最後の一つは」

ことり「……」






ことり(あの部屋、ずっと居たら危ないけど…別にすぐに氏ぬ訳じゃなかったよ)

ことり(じゃあ、入出を何回か繰り返しながらだったら、あの箪笥も調べることができるのかな…?)











ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「…大丈夫、だよね…?」

592: 2014/06/03(火) 20:47:20.94 ID:KY4LvNzmo
ことり「……」

ことり「すぅ…はぁ…」

ことり「……」 グッ

ヴィオラ「……」 ガチャ









-毒の水溜り廊下-



ことり「…うっ」

ことり(い、息止めてもっ…苦しいっ!)

ことり(走れないっ…早く箪笥に…!)



ヴィオラ「……」 ガラッ

ことり(…何も、ない)

ことり(次…うぇっ…)








ヴィオラ「……」 ガラッ

ことり「…!」

ことり(何かあった!…これは?)







【空きビンを手に入れた】







ことり(空の…ビン?)

ことり「うっ…がっ…」

ことり(考える前にっ…ここから…出ないとっ…!)

ヴィオラ「……」 ガチャ

593: 2014/06/03(火) 20:51:53.25 ID:KY4LvNzmo
ガチャ


ことり「…っぷは!」

ことり「はぁ…はぁっ…」

ことり「…やっぱり、苦しくない」

ことり「何なんだろう…あの毒素って」

ヴィオラ「……」





ことり「……えっと」

ことり「最初はただのゴミかと思ったけど…拾えたって事は」

ことり「この空き瓶、何かに使う…のかな?」








ことり「…よぉし、もう一度」

ヴィオラ「……」 ガチャ





594: 2014/06/03(火) 20:58:27.29 ID:KY4LvNzmo

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ヴィオラ「……」 ガラッ

ことり「げほっ…これは」







ことり(本…!でも、なんで…)

ことり(持ち出せない…じゃあ、ここで読まなきゃいけないのぉ!?)

ことり(は、早く読まないと…)






ことり(…『どくろの兵士』)

ヴィオラ「……」 ペラッ









ことり「…ごほっ!」

ことり(も、もうダメっ!一時退避~!)

ヴィオラ「……」 ガチャ

595: 2014/06/03(火) 22:09:15.29 ID:KY4LvNzmo
ガチャ


ヴィオラ「……」

ことり「……はぁ」

ことり「嫌だなぁ…もうここに入るの」

ことり「でも、まだ調べてない箪笥があるし…」





ことり「…さっきの本って」

ことり「氏んだ兵士が滅んだ国の見張りをずっとしてた…って内容だったけど」

ことり「…正面、右、左、正面」

ことり「……これって」









ヴィオラ「……」 ガチャ

ことり「…次が最後、かな」

596: 2014/06/03(火) 22:16:09.37 ID:KY4LvNzmo

・・・・・・・・・・・・・・


ヴィオラ「……」 ガラッ


ことり「……!」

ことり(あった!……最後の骸骨さん!)







【頭蓋骨を手に入れた】







ことり(…これで、あの部屋に)

ことり「…げほっ」

ことり(……)

ヴィオラ「……」 ガチャ

598: 2014/06/03(火) 22:33:59.87 ID:KY4LvNzmo
-頭蓋骨の部屋-



ヴィオラ「……」

ことり「えっと、このくぼみに…正面、右…」

ことり「…あっ」



ことり(…何処から見て、正面なんだろう…?)

ことり(えっとぉ…ここが右を向いてて…こっちが正面で…だから)





ゴトッ





ことり「……これで、いい筈だけど」

ヴィオラ「……」




ことり「あとは、レバーを…」

ことり「…じゃあ、お願いね」

ヴィオラ「……」 ガコンッ







ザアァァァァ…






ことり「…!」





…近くで水の流れる音がした。

599: 2014/06/03(火) 22:42:50.63 ID:KY4LvNzmo
ことり「はぁ…よかったぁ」

ことり「これで水が…どこに溜まったんだろう?」

ことり「…あっ、もしかして真姫ちゃんが入ったあの大きな穴の部屋?」

ことり「ことりまだ調べてなかったっけ…」

ことり「…気をつけなくちゃ」







テクテク…








ことり「…けほっ」

ことり(あれ…おかしいなぁ…少し息苦しい)

ことり(……さっきの毒素、吸い込み過ぎたのかな)

ヴィオラ「……」

600: 2014/06/03(火) 22:48:29.58 ID:KY4LvNzmo
-通路-


ことり「えっと、ここを通り抜けて…北の」






ガシャン







ことり「……え」

ことり「壺が…ひとりでに…割れて」











        ドクン













ことり(…っ!)

ことり(ことり…この感じ…知ってる)

ことり(かよちゃんの…花瓶が倒れた時と…同じっ…!)

602: 2014/06/03(火) 23:33:51.85 ID:KY4LvNzmo
…ことりの呼吸が乱れ、激しい動悸が起こり始める。
先程の部屋で吸い込んだ毒素の影響とは明らかに違うと感じる症状…
それは自分が今置かれている状況に恐怖していることを証明していた。




花陽や希が人外に襲われた際、何かしらの前兆あった…

花瓶が倒れ熊が襲い、鈍い音が響き唸り声のようなものが聞こえたと希は話していた。







…この先、足を踏み出すと、自分は最期を迎えてしまうかもしれない。
そんな想像がことりの胸を更に締めつけ、呼吸が出来ず口を魚のように情けなく開閉を繰り返した。




ことり「はぁ…はぁ…はぁっ…!」

ことり「げほっ…!……はっ…はぁっ…あっ!」






金縛りに掛かったかのように動かない脚を必氏に上げる。
ここで止まっていては何も起こらない、先に進めない…
仲間の為に、自分の為にと心に刻んだ決意だけがことりの身体を動かしていた。



かつん




…一歩、また一歩と、足を前に踏み出す。
























           地面を踏みしめたことりの視界に飛び込んできたのは


      恐ろしい程巨大で、返り血を浴びドス黒く変色した頭蓋骨の化物だった。


  

603: 2014/06/03(火) 23:53:40.10 ID:KY4LvNzmo


      ご

  ご



    ご  ご  ご




ことり「…はっ…ひっ・・・ひっ!!!」

ことり「ひゃ…!あっ…!…いやっ…!」

ことり「いやあああああああああああああああああああっっ!!!!」







悲鳴を上げるより先に足が動き出す。
巨大な頭蓋骨は奇っ怪な動きでことりに向かって襲いかかる。


希を襲った生首のように、足を持たないモノとは思えない程の速さでことりとの距離を縮めている。
化物自身が動かしているのは、鋼のように強靭な顎と歯だけのように見えた。






ことり「はっ…!はぁっ…!ひぃっ…!」





大量の骸骨の部屋に飛び込むも、化物は部屋に進入しことりを追いかける。
人一人動くのも神経を使うほどの狭い通路を、速度を落とさずに難なく進んでくるその様は異様だった。


その不可解な現実はことりの恐怖心をさらに募らせ、ただひたすらに走る事に意識を向ける。



ことり「やだっ!やだやめてっ!来ないでっ!いやっ!いやあああっ!!」

ことり「いやあああああああああああっ!!来ないでっ!来ないでええええええええええええええっ!!!」




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




604: 2014/06/04(水) 00:00:11.20 ID:AG4XSGS8o
-廊下 牢獄前-



ヴィオラ「……」

ことり「はっ…はっ…はっ…!」

ことり「うっ…げほっ!ごほっ!…かふっ」

ことり「ハァー…ハァー…」










ことり「……うっ」

ことり「あっ…ひっ…ああっ…」

ことり「あああっ…ひぐっ…ぅあっ…!」 ポロポロ

ことり「怖かったっ…!えぐっ…!え゛っ…こわっ…怖かったっ…!」

ことり「もういやぁ…なんでっ…ことりがっ…こんな目にっ…!」











ヴィオラ「……」 ガチャ

ことり「ひぐっ…もうっ…嫌だよぉ…」

605: 2014/06/04(水) 00:10:59.53 ID:AG4XSGS8o
-穴のある部屋(注水後)-



 ポチャン



        ピチャン…







ヴィオラ「……」

ことり「…水」

ことり「透き通ってて…綺麗」





ちゃぽん



ヴィオラ「……」

ことり「……瓶に、水を」









…空きビンに水を入れた。








ことり「…喉、乾いた」

ことり(でも…、この家の物を…口に含みたくない)

ことり(我慢…しなくちゃ)






ヴィオラ「……」

ことり「えっと…水について、他に何かあったような…」

ことり「…あっ」 

606: 2014/06/04(水) 00:20:45.38 ID:AG4XSGS8o
ことり(そういえば…)

ことり(真姫ちゃんが読んでた花の本に…白い花びらの事が)

ことり(確か、雨に触れると、って…)






ヴィオラ「……」 ポチャン

ことり「…!」

ことり「光ってる…!これってもしかして…!」





…花の残骸を水の入ったビンに入れた。




ポワッ



ことり「…出来た」

ことり「これであの暗い部屋に行けるんだね」

ことり「…怖いけど、行かなきゃダメだよね」

ヴィオラ「……」 テクテク




























ことり(見てない)

ことり(ことりは何も見てない)

ことり(水中で泳いでるおたまじゃくしなんて  見てない)

607: 2014/06/04(水) 00:28:51.17 ID:AG4XSGS8o

・・・・・・・・・・・・・・



ことり「…じゃあ、行くよ」

ヴィオラ「……」 ガチャ







-暗闇の通路-



ことり「…っ!?」

ことり(暗いっ…この光、全然辺りが見えない…!)

ことり(どうしようっ…!一歩先も見えないだなんて思わなかったっ…!)








ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「何も、起こりませんようにっ…!」

608: 2014/06/04(水) 00:37:28.26 ID:AG4XSGS8o
ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「……」

ことり(壁伝いに進まないと…道が分からない) 

ことり(道が別れてたら…どうしよう)










ことり「…箪笥がある」

ことり「これを…調べてもいいのかな」

ヴィオラ「……」 カタンッ








ことり「…何もないね」

ヴィオラ「……」


609: 2014/06/04(水) 00:40:08.43 ID:AG4XSGS8o
ヴィオラ「……」

ことり(…机の下も、調べたけど)

ことり(やっぱり、何もなかった…)

ことり(ここ…来た意味あるのかな)






ベチャ




ことり「…えっ」

ことり「壁に何か触って…」







ことり「…ひっ!?」

ことり「ち、血がっ…!」







       ブワッ






ことり「きゃあああっ!?」

610: 2014/06/04(水) 00:43:26.41 ID:AG4XSGS8o
ヴィオラ「……」

ことり「なっ…なに…今のっ…!」

ことり「あの子…誰っ…!?」

ことり「うっ…ぐすっ…ここ…怖いっ…!」

ことり「早く出たいよぉ…うぅっ…!」













ヴィオラ「……」 カタンッ

ことり「…また、箪笥」

ことり「でも、何も見つからないから…探しても…」




カタンッ



ことり「……あ」

ことり「この箪笥だけ…何かある」

611: 2014/06/04(水) 00:54:46.44 ID:AG4XSGS8o




【翡翠のパイプを手に入れた】







ことり「……」

ことり「もしかして、これが」

ことり「吸える、もの…」

ことり「見つけた…見つけたよっ…!」

ことり「これで…ここから出られるっ…!」








ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「あともう少し…あともうちょっと…!」






612: 2014/06/04(水) 01:03:08.39 ID:AG4XSGS8o
ヴィオラ「……」

ことり「…待っててね、みんな」

ことり「ことり、絶対にっ…!」



ドンッ



ことり「きゃ…!」

ことり「…何、これ」

ことり「銅…像?どうしてこんな所に…」

ことり「……」





ヴィオラ「……」 テクテク

ことり「…あれ」

ことり(気付かなかったけど…ここ…銅像がいっぱい)





ズ ズ ズ 





ことり「きゃあ!?」

ことり「あっ…?」

ことり(ど、銅像がっ…勝手にっ…!)





ことり「…やめてよっ…嫌だよっ…」

ことり「もう…怖いのは…嫌ぁ…!」 

ヴィオラ「……」 ダッダッダ








ベタ    


       ベタ 


ベタッ!





ことり「ひいいっ!?」

ことり「手っ…手ぇっ…!」

ことり「やだっ!やだやだっ!やめてぇっ!」 ダッダッダ!

613: 2014/06/04(水) 01:17:29.42 ID:AG4XSGS8o




   ズ




 ズ





ことり「いやっ…いやぁ…!」

ことり「来ないでっ…何もこなっ」







パリンッ






ことり「…え」

ことり「な、何も見えないよぉ…!!」

ことり「えっ…えっ!?なんでっ…なんで!」

ことり「ね、ねぇ!どうしてビン落としちゃったの!?なんで…」










ヴィオラ「        」 


 


ことり「ひっ…あ…ああっ!!」












「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」










.

614: 2014/06/04(水) 01:31:28.07 ID:AG4XSGS8o



ガチャ…バタンッ





ことり「ひっ…ひっ…ひぃっ…!」

ことり「うっ…げほっごほっ!」

ことり「ごほっ!…うっ…げぇっ…ぇ…」








ことり「…っは…はぁっ」

ことり「……」

ことり「何   今の…」

















ヴィオラ「……」

ことり「きゃあ!」

ことり「こ…来ないでっ!ことりに近寄らないでっ!」

615: 2014/06/04(水) 01:40:38.13 ID:AG4XSGS8o
ヴィオラ「……」



ことり(…暗闇の中でもはっきりと見えた)

ことり(この子が…私に向かって)






ことり(気味悪い笑顔でっ…私を見てたっ!)

ことり(赤くて…目が黒くてっ…!)

ことり(この子は…この子は一体何者なのっ…?)

ことり(怖いよっ…もう、一緒に居たくない…!)









ヴィオラ「……」

ことり「…うっ」 
 
ことり「えぐっ…ひっくっ…穂乃果ちゃん…海未ちゃぁん…!」 ポロポロ

616: 2014/06/04(水) 01:49:09.27 ID:AG4XSGS8o
-廊下、牢獄前-



ヴィオラ「……」 カランッ

ことり「……」







…鉄格子の隙間から、翡翠のパイプを投げ入れた。









「…あ、ああ。 これは… 


                へへっ、俺のだ。俺の…。」







…何者かは牢の奥に消えていった。








ことり「…えっ」

ことり「何も…起こらない…どうして」





…ガチャン




ことり「っ!?」





…隣の牢屋から何者かが出て行く音がした。

617: 2014/06/04(水) 01:54:56.37 ID:AG4XSGS8o
ヴィオラ「……」

ことり「隣の牢屋…開かない筈だったのに」

ことり「それに…なに、この変な匂い」






     ベタッ!






ことり「ひっ!?」

ヴィオラ「……」
















          せっかく かくしておいたのに









 





ことり「…ぁ…っあ…!」

ことり「なんでっ…だって…探せって…!」

ことり「…うっ…ひっく…っ」










ヴィオラ「……」

ことり(…こっち、調べよう)

ことり(何かしないと…怖さと、この甘い匂いでおかしくなりそう…)

618: 2014/06/04(水) 02:01:02.84 ID:AG4XSGS8o
-牢屋-




ヴィオラ「……」


ことり「…なに、ここ」



ことり(色んな本が散らばってる…どれも汚れてて読めない)

ことり(えっと…『楽×いお菓子づ×り』、『病×の子××つ親へ』)

ことり(…『×物依存症』)







ことり「…もしかして、さっきの薬って」

ことり「……」






ことり「…ここ、なんだろう」

ことり「牢屋じゃなくて…なんだか」

ことり「誰かの、部屋みたい…」

619: 2014/06/04(水) 02:03:34.44 ID:AG4XSGS8o
ことり「えっと…他には」






ことり「…!」

ことり「布に包まれて…何かある!」

ことり「…でも」



ことり(…取っていいのかな)

ことり(また…この前みたいに…猫さんの氏体が入ってたり…)

ことり(…っ)









ヴィオラ「……」 バサッ

ことり「…!これって」



620: 2014/06/04(水) 02:07:23.31 ID:AG4XSGS8o



【赤い靴を手に入れた】






ことり「…なんだろう、この靴」

ことり「すごく…不気味…」

ことり「…あ、貼り紙も」

ヴィオラ「……」 ペラッ









         




             【ちをながせ】














ことり「…血を、流せ」

ことり「…っ!この靴の赤色って…血っ!?」





どろっ





ことり「ひっ!?」

621: 2014/06/04(水) 02:10:32.24 ID:AG4XSGS8o









               ちをながせ













ことり「なっ…なんでっ…!貼り紙にっ…血がっ…!」

ことり「やめてよぉ…!もう、怖いの嫌だよっ…ぉ…!」

ことり「ちゃんと言ったとおりにするからっ…!もう脅かさないでぇ…!」










ヴィオラ「……」 ガチャ

ことり「えぐっ…いつになったらっ…あっちに…戻れるのぉ…っ?」

622: 2014/06/04(水) 02:16:59.32 ID:AG4XSGS8o

・・・・・・・・・・・・・・



ヴィオラ「……」

ことり「……」

ことり(もう、ここに…来たくなかったのに)

ことり(早く、済ませないと…)






ジャブ


    ザバッ





ことり「…うっ」

ことり(あんなに綺麗だったのに…血で、真っ赤に)






…靴の血が洗い流されて、透明な色があらわれた。






ヴィオラ「……」

ことり「…綺麗に、なった」







【ガラスの靴を手に入れた】




.
     

624: 2014/06/04(水) 02:32:56.21 ID:AG4XSGS8o
ことり「…色の無い、靴って」

ことり「コレのこと…だよね」

ことり「…じゃあ、これを履いて…あの廊下の先に」

ことり「……この部屋から、抜け出せる」











ことり(……) チラッ







ことりは意図的に目を逸らしていた方へと顔を動かす


…そこには、数匹のおたまじゃくしが力なく浮いていた。







ことり「……」

ことり「ことりの、せいだよね」

ことり「…ごめんなさい」





ことり「ことり…元の世界に戻ったら」

ことり「カエルさんと…おたまじゃくしさんの…お墓を作るよ」

ことり「ごめんね…こんな事しか出来ないことりを…許して」

ことり「ごめんなさい…ごめんなさい…っ」








ことり「……」 ゴシゴシ

ことり「泣いてても、だめ」

ことり「早く行かないと…みんな、心配して」

625: 2014/06/04(水) 02:34:14.16 ID:AG4XSGS8o

















































「お父さん、氏んじゃった。」

626: 2014/06/04(水) 02:49:08.09 ID:AG4XSGS8o






…血の気が引く音がした。


誰も居ないはずの部屋から、幼くてか細い声が聞こえたのだ。





ここにいるのは、ことりとこの少女だけ。
部屋は水が滴り、雫が落ちる音が部屋に響いており、その音が心地よいとすらことりは思っていた。










だが、聞こえたのだ。

その声は今まで一度も声を出さなかった少女の物ではない

この部屋の、水中から。







…氏んだはずのおたまじゃくし達が、声を出して喋っていた。

628: 2014/06/04(水) 03:00:45.08 ID:AG4XSGS8o
ことり「   えっ」


ことり「あっ・・・     はっ・・・     え」





ことりは振り向く事ができなかった。
この血で赤く染め上げた部屋の水を、おたまじゃくしの氏体を直視する勇気がない。
何より振り向く事で状況が変わるとも思っていなかった。






だが、声は再び聞こえた。


次第に喋り出す声は増え、その声は部屋中に響き渡る。







「お父さん、氏んじゃった。」





「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった。」





「お父さん、いっぱい頑張ったのに、窓に押し込まれて氏んじゃった。」      

629: 2014/06/04(水) 03:16:56.34 ID:AG4XSGS8o
ことり「……やめて」


ことり「やめてっ…!お願いっ…やめてっ…!」


ことり「いやっ…やだっ…!やめてっ……許してっ…!」



耳を塞ぎ、ことりは小さく蹲った。
しかしそれでもおたまじゃくし達の声は聞こえてくる。
小さな部屋の水場が、か細い声を響かせていた。




「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」
「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」「お父さん、氏んじゃった。」
「お父さん、氏んじゃった。」「お父さん、ヘビに食べられて氏んじゃった」





ことり「いやぁっ!やめてっ!やめてぇ!」


ことり「やだっ…やだっ!聞きたくないっ!聞きたくないっ!」


ことり「お願い!やめてっ!もうやめ」



ことりはその声を止めようと、血の水場に振り向く。そして












          「お 前 が 殺 し た」
















―大量のおたまじゃくしの氏体が、ことりの目に映った。

630: 2014/06/04(水) 03:33:08.44 ID:AG4XSGS8o

―ドボンッ!




ことり「がっ…!ごぼっ…ごっ…!」




突然、ことりが蹲っていた足場が崩れ始め、ことりは水中に引きずり込まれた。

突然の出来事に混乱する間も無く、ことりの身体は水中の底へと落ちていく。



何とかして浮き上がろうと手足を動かすが、上に進む気配など無く、むしろ更に沈みかけている気がした。




ことり「ごっ…がっ……   がぼっ…」




自分の身体が浮かび上がらないことに疑問を感じたことりは、息苦しさの中自分の足に目を向ける。





…そこには、先程の大量のおたまじゃくしがことりの足を引っ張り、水底へと引きずり込む様に泳いでいた。




ことり(……ごめん、なさい)


ことり(穂乃  果  ちゃん…   海未   ちゃん)


ことり(みん    な…)














              ごぽっ…
 










  ― そしてことりは 血の海へと消えていった。 ―

631: 2014/06/04(水) 03:36:56.61 ID:AG4XSGS8o


ブツンッ




・・・・・・・・・・・・・・・・・




希「 …そん、な」

真姫「あっ…あっ…ことり…っことり…!」








海未「…消えた」

海未「私の、前から」

海未「穂乃果と   ことりが    消え」








グ ニ ャ ア






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・

634: 2014/06/04(水) 03:57:49.99 ID:AG4XSGS8o
~~~~~~~~~~~~~~~~~



「…ガ…ォ…グ…ゲ…」




少女は悶えていた。

腐った足から焼けるような痛みが全身に響き渡り、意識が飛びそうになる。

だが、ここで意識を切らすことは、氏ぬ事であるのを少女は知っていた。





…この身体は、魔法と気力のみで原型を留めていたのだ。









『…苦しそうだね。ヴィオラちゃん』




…聞こえる筈のない声が頭の中に響き渡る。
この家から【彼女】の存在を断ち切った筈だったのに、また、聞こえてきたのだ。





『…私、びっくりしてるんだよ?』

『ヴィオラちゃんがここまで、魔女になりきれてるだなんて』

『もしかしたら、私より才能。あるかもしれないね』

『ふふっ…よかったね。魔女になれて』




…ああ、うるさい。

この声は私を不快にする。

一度は仕方の無い事だと思ったけど、でも、今は彼女に慈悲の感情など持ち合わせていない。





無い筈だ。




636: 2014/06/04(水) 04:00:59.19 ID:AG4XSGS8o




『でも、残念だね。』

『その身体に、もうこれ以上の魔力を貯める力はないよ』

『だから、すぐに使うしかない…今日のアレも、そういう事でしょう?』





…見透かされていた。

家から生み出される魔力は、この身体には毒だった。

大きすぎる魔力は身体から溢れ、血を流すかのように止まらなかった。




…だから、魔法として消費する事で、溢れ出る魔力を抑えることができた。





―本当は、こんな筈ではなかったのに。

638: 2014/06/04(水) 04:12:44.27 ID:AG4XSGS8o
『…でも、あまり【改築】しないでね?』

『私が遊びに行く時に…迷子になったら、困るでしょ?』




彼女はそう言うと、くすくすと笑い始める。

何もかも上手くいかない私を揶揄いに【来た】だけなのだと、私は理解した。







『…もうちょっとだけ、待ってあげるよ』

『もう私も、いい加減外に出たいの…だから、もうちょっとだけ。』

『頑張ってね。   ヴィオラちゃん。』





…彼女の意識が、私の頭の中から消え去る。

この身体が悔し涙を流せる身体だとしたら、私は泣いていたかもしれない。





…だが、それは無意味だという事を知っている。

今はまだ、感情に気力を費やす時ではない。





…あと一夜で、全てが終わる。
だから、私は動かない。何も言わない。何も感じない。














……だから、早く伝えないと。




あの×××××に、私の事を。







【To Be Continued…】

639: 2014/06/04(水) 04:14:20.33 ID:AG4XSGS8o
本日はここまでです。
今月中に完結したいと思っていますので、次の更新は土日を予定しています。


穂乃果「あなたは…誰なの?」ヴィオラ「……」【7】

引用: 穂乃果「あなたは…誰なの?」ヴィオラ「……」