334: 2020/02/22(土) 00:04:30.58 ID:Q5WdXERt.net
栞子「色んな犬種がいますね」

栞子「そうです。動物全般好きですが犬は特に昔から...」

栞子「あ、トイプードルです」

栞子「ふわふわしてます」

栞子「触ってみたいですが..飼うつもりは無いので店員に頼むのも失礼ですね」

335: 2020/02/22(土) 00:04:59.60 ID:Q5WdXERt.net
栞子「...好きな犬種?」

栞子「そうですね、この子みたいな小さい犬が好きです」

栞子「でも柴犬とかレトリバーなんかも好きかもしれないです」

栞子「結局みんな可愛いんですよね」

336: 2020/02/22(土) 00:10:35.25 ID:Q5WdXERt.net
栞子「こちらにはパグいますね」

栞子「えぇ、この子も可愛いです」

栞子「...そうでしょうか?私は良いと思いますが」

栞子「確かにチワワとかと比べると人気は無いかもしれませんが...」

栞子「ずっと見てるとこの子にはこの子の良さが見えてくると思いますよ」

337: 2020/02/22(土) 00:16:55.89 ID:Q5WdXERt.net
栞子「ほら、寝てる姿も愛らしいじゃないですか」

栞子「首をかしげないで下さい」

栞子「この可愛さが分からないとは意外とあなたも見る目がありませんね」

338: 2020/02/22(土) 00:18:37.51 ID:Q5WdXERt.net
栞子「あ、起きました」

栞子「毛づくろいしてます」

栞子「この幸せそうな仕草が好きなんです」

栞子「見ていて癒されます」

栞子「...っと、あんまり見てたらお店の人にも迷惑ですね」

栞子「そろそろ出ましょうか」

栞子「次はどこに行きます?」

339: 2020/02/22(土) 01:00:16.03 ID:Q5WdXERt.net
..............................

栞子「言われるがままに付いて来ましたが」

栞子「正直私はあまりスイーツ屋に興味が無いのですが...」

栞子「クレープが有名なんですか?」

栞子「そうは言ってもお昼を食べてからあまり時間が経ってないのでお腹が空いていません」

340: 2020/02/22(土) 01:00:35.44 ID:Q5WdXERt.net
栞子「...半分こ?」

栞子「いえ、小さいサイズもあるので別々にしましょう」

栞子「言っておきますが奢ってもらう気はありません」

栞子「先程のように脅されても困りますから」

341: 2020/02/22(土) 01:03:20.50 ID:Q5WdXERt.net
栞子「どれにしましょうか」

栞子「決めかねますね」

栞子「あなたはどれにします?」

栞子「抹茶クリーム?」

栞子「正直あまり美味しそうには思えないのですが...」

342: 2020/02/22(土) 01:05:05.56 ID:Q5WdXERt.net
栞子「いえ、私は別のものにします」

栞子「他に美味しそうなのは...」

栞子「...?チョコクリーム?」

栞子「確かに美味しそうですね」

栞子「抹茶ではなくこちらにすれば良いんじゃないんですか?」

栞子「...そうですか。なぜ抹茶にそれ程こだわるかは理解できませんが...」

栞子「では私がチョコクリームにします」

343: 2020/02/22(土) 01:06:07.28 ID:Q5WdXERt.net
今日はここまでです

346: 2020/02/22(土) 23:17:27.14 ID:Q5WdXERt.net
............................

栞子「あの...」

栞子「なぜタピオカも買ったんですか?」

栞子「飲んでみたかった?」

栞子「初めて飲むんですか?」

栞子「はぁ、そうなんですか」

347: 2020/02/22(土) 23:17:50.02 ID:Q5WdXERt.net
栞子「いえ、私も飲んだことがありません」

栞子「流行っているのは知ってはいたのですが、正直興味も無かったので」

栞子「...いえ、別にいらないです」

栞子「あなたが買ったのですから自分で飲んでください」

348: 2020/02/22(土) 23:18:25.52 ID:Q5WdXERt.net
栞子「...美味しい?」

栞子「良かったですね」


栞子「......」ジー


栞子「!...いえ、先程もいらないと言ったではないですか」

栞子「...飲んでみたそうな目?」

栞子「いえ、そんなことは...」

栞子「......」

栞子「一口頂いていいですか?」

349: 2020/02/22(土) 23:35:05.72 ID:Q5WdXERt.net
栞子「飲み物は何にしたんですか?」

栞子「ミルクティーですか。オーソドックスですね」

栞子「では頂きます」



栞子「......」チュー

栞子「......」モギュモギュ

栞子「なるほど、こういう食感ですか」

350: 2020/02/22(土) 23:35:47.29 ID:Q5WdXERt.net
栞子「想像していたよりも弾力があってモニュモニュしてます」

栞子「でもミルクティーがほとんど甘くありませんね」

栞子「...クレープ?」

栞子「分かりました食べてみます」パクッ

栞子「...!」

栞子「結構合いますね」

351: 2020/02/22(土) 23:37:12.60 ID:Q5WdXERt.net
栞子「甘さの少ないミルクティーがクレープと上手く絡み合っています」

栞子「あなたも少しはやるようになりましたね」

栞子「...でもこのタピオカが思ったよりも重いです」

栞子「全部飲めるんですか?」


栞子「...だろうと思いました」

栞子「今回は私も飲みます」

栞子「次はもっと小さいサイズを買って下さい」

353: 2020/02/22(土) 23:56:03.06 ID:Q5WdXERt.net
............................

栞子「...流石にお腹いっぱいです」

栞子「夕飯までに消化しきれる気がしません」

栞子「あなたもよくあんな大きなオムライスの後に食べられましたね」

栞子「...苦しむくらいなら少しは先を見て行動できるようになって下さい」

354: 2020/02/23(日) 00:01:22.08 ID:gRUdgso7.net
栞子「次?」

栞子「あなたの行きたい所で良いですよ」

栞子「...もうありませんか」

栞子「どうしましょう」

栞子「...私の行きたい所?」

栞子「そういきなり言われても特には...」

栞子「......」

栞子「それでは一ヶ所だけ良いですか?」

355: 2020/02/23(日) 00:15:55.82 ID:gRUdgso7.net
...........................

雑貨屋

栞子「私、こういう所を見るのが結構好きなんです」

栞子「日常生活に役立つものでしたりお洒落な小道具とかを見るのが楽しいです」

栞子「あなたもこういう所に来たりするんですか?」

栞子「...そうですね。少し似合わないかもしれないです」

栞子「...? どうしました?」

356: 2020/02/23(日) 00:27:18.52 ID:gRUdgso7.net
栞子「髪飾り?」

栞子「意外ですね。興味があるんですか」

栞子「私?」

栞子「いえ、髪飾り等はあまり持っていません」

栞子「ミディアムなのであまり使うことが無いんです」

栞子「最低限のものを揃えてるだけですね」

357: 2020/02/23(日) 00:27:45.30 ID:gRUdgso7.net
栞子「...このリボンは中学の頃から付けているものです」

栞子「はい、結構気に入っています」

栞子「えぇ、やはりあなたもそう思いますよね」

栞子「髪にアクセントを少し加えるのに便利なんです」

358: 2020/02/23(日) 00:43:41.42 ID:gRUdgso7.net
栞子「...?」

栞子「この中で好きな髪飾り?」

栞子「え、えぇ。いくつか良さそうなのはありますが...」

栞子「全体的に派手めのものが多いので悩みますね」

栞子「私は落ち着いた色やデザインのものが好きなのですが」

栞子「でもこれなんかは良いかもしれません」

栞子「革製の髪留めですね」

359: 2020/02/23(日) 00:44:07.53 ID:gRUdgso7.net
栞子「色も落ち着いていますしサイズも小さいので使いやすそうです」

栞子「...そうですか?私は良いと思うのですが」

栞子「そういうあなたはどれが良いと思うんですか?」

栞子「まぁあなたのセンスですとあまり期待は出来ませんが」

360: 2020/02/23(日) 00:49:32.11 ID:gRUdgso7.net
栞子「...これですか?」

栞子「リボン付きのバレッタですか」

栞子「確かに色も落ち着いてますが...私が付けると少し目立ちそうな気がします」

栞子「...分かりました。付けてみます」



栞子「どうですか?」

栞子「似合い...ますか?」

361: 2020/02/23(日) 01:07:27.38 ID:gRUdgso7.net
栞子「そうですか。ありがとうございます」

栞子「でも他の方が付けるならともかく、私が付けるにはやはり目立ちすぎるような...」

栞子「他の方に見られるのは恥ずかしいです」

栞子「あなたは似合うと言ってくれましたがやはり...」

栞子「!」

栞子「...そんなに迷うならあなたが買う?」

362: 2020/02/23(日) 01:08:01.61 ID:gRUdgso7.net
栞子「先程も言った通りあなたにお金を出してもらうつもりはありません」

栞子「欲しいものがあれば自分のお金で買うと言ったはずです」

栞子「...駄目って...」

栞子「しかしお昼の時みたいに何か条件を突きつけてくるんでしょう?」


栞子「...やはりそうじゃないですか」

栞子「どうせ碌な要求でないことは分かっています」

363: 2020/02/23(日) 01:21:00.65 ID:gRUdgso7.net
栞子「...? 学校に付けてくるのが条件?」

栞子「あなたにメリットが何も無いじゃないですか」

栞子「どういうつもりなんですか?」

栞子「...私に付けて欲しい?」

栞子「どうしてそんなに...」

栞子「...自信を持ってほしい、ですか」

364: 2020/02/23(日) 01:22:02.26 ID:gRUdgso7.net
栞子「別に自信が無いわけではありませんが...」

栞子「......」

栞子「そんなに連呼しなくて良いです。こちらが恥ずかしくなります」

栞子「......」

栞子「はぁ、あなたの押しの強さには負けました」

栞子「それでは受け取らせていただきます」

365: 2020/02/23(日) 01:23:00.96 ID:gRUdgso7.net
栞子「えぇ、学校にも付けていきます」

栞子「それで良いですか?」

栞子「まったく...買ってもらう側なのにこちらが世話を焼いてる気分になります」



栞子「...ありがとうございます」ボソッ

373: 2020/02/23(日) 21:52:50.76 ID:gRUdgso7.net
.....................

栞子「次はどこに行きます?」

栞子「...時間?」

栞子「あ...」

栞子「見て回ってるうちにもうこんな時間になっていたんですね」

栞子「そろそろ解散しましょうか」

374: 2020/02/23(日) 21:53:16.96 ID:gRUdgso7.net
栞子「...そう言われてもこの中は大体歩き尽くしてしまいましたし」

栞子「...外?」

栞子「確かに少し歩いた所に公園がありますが...」

栞子「...そうですね。少しでしたら問題ありません」

栞子「行きましょう」

375: 2020/02/23(日) 21:54:10.62 ID:gRUdgso7.net
.......................

公園

栞子「意外と広いですね」

栞子「はい、公園があるのは知っていましたが来たのは今日が初めてです」

栞子「夕方だからか人も少ないです」

栞子「あそこにベンチがあるので座りましょう」

376: 2020/02/23(日) 22:40:31.90 ID:gRUdgso7.net
栞子「疲れましたね」

栞子「えぇ、ほとんど歩き通しでしたから」

栞子「私と買った服、ちゃんと着てくださいね」

栞子「...そうですか。楽しめたのなら良かったです」

栞子「...私?」

栞子「わたしは...」

栞子「.......」

栞子「大変でした」

377: 2020/02/23(日) 22:41:24.33 ID:gRUdgso7.net
栞子「あなたと一緒ですと楽しい云々よりもそういった気持ちの方が勝ります」

栞子「そうです。もう少し落ち着いてものを考えるようにして下さい」

栞子「...? どうしました?」

栞子「...そうですね。今言った通りあなたといると大変です」

栞子「...!」

栞子「いえ...迷惑というほどでは...」

378: 2020/02/23(日) 22:41:55.86 ID:gRUdgso7.net
栞子「...それは...確かにそう言いましたが...」

栞子「...嫌われてるんじゃないかと不安だと...」

栞子「......」


ガサゴソ


栞子「見て下さい」

栞子「今日あなたに買って頂いた髪飾りです」

栞子「私の後ろ髪に付けていただけますか?」

栞子「はい、お願いします」

379: 2020/02/23(日) 22:42:23.20 ID:gRUdgso7.net
栞子「付け終わりました?」


栞子「それではお聞きしますが」

栞子「嫌いな相手に買って頂いた髪飾りをこんな抵抗もなく付けると思いますか?」

栞子「一緒に服を見て回ったりしますか?」

栞子「恥を晒してあーん、なんてすると思いますか?」

380: 2020/02/23(日) 22:57:15.28 ID:gRUdgso7.net
栞子「先程はあなたといると大変だと言いました」

栞子「それも本心ではあります」

栞子「しかしあなたを嫌う気持ちは湧き上がってきません」

栞子「不思議と不快な気分にはならないんです」

栞子「だからあなたがそんな事で不安になる必要など無いんです」

栞子「それに、そんな自信の無い表情はあなたには似合いません。ですから...」

栞子「いつもみたいに笑って下さい」

381: 2020/02/23(日) 22:59:31.87 ID:gRUdgso7.net
栞子「私もあなたに対しては...」

栞子「まぁ...友人くらいには思えるようにはなりました」

栞子「......」

栞子「どうですか?少しは気分が晴れましたか?」

栞子「...!!?」

栞子「え...!どうして泣いて...」

栞子「と、とりあえずハンカチを...」

382: 2020/02/23(日) 23:06:41.27 ID:gRUdgso7.net
...............................

栞子「落ち着きました?」

栞子「いきなり泣き出すんですから私も少しばかり慌ててしまいました」

栞子「...そうですか。安心したのでしたら良かったです」

栞子「私もあなたに余計な心配をかけて申し訳ありませんでした」

栞子「...おあいこ?」

栞子「いえ、私の方が割を食ってますね」

栞子「...そうです。そんな風に笑っていてくれた方が私の方も安心して憎まれ口を叩けるんです」

383: 2020/02/23(日) 23:25:53.05 ID:gRUdgso7.net
栞子「...写真?」

栞子「お昼も言いましたがまだ駄目です」

栞子「...友人なんだからそれくらいする?」

栞子「...っ」

栞子「あなたも随分口が回りますね...」

栞子「駄目です」

栞子「お昼に撮ったでしょう」

栞子「確かに消しはしましたが...」

384: 2020/02/23(日) 23:26:15.08 ID:gRUdgso7.net
栞子「...私の携帯?」

栞子「いや、あなたの携帯で撮らないと意味が無いのでは?」

栞子「...髪飾りを付けた写真...」

栞子「そうですね。私の携帯でしたら良いです」

栞子「はい、お願いします」

385: 2020/02/23(日) 23:26:42.28 ID:gRUdgso7.net
栞子「この角度で大丈夫ですか?」

栞子「それではお願いします」


パシャ


栞子「ありがとうございます。写りはどうですか?」

386: 2020/02/23(日) 23:27:17.64 ID:gRUdgso7.net
栞子「...良い感じですね」

栞子「夕日が映えて綺麗に写っています」

栞子「...あなたにはまだあげませんよ」

栞子「この写真が欲しいならもっと私を楽しませられるようになって下さい」

栞子「そうです。まだまだです」

387: 2020/02/23(日) 23:27:37.75 ID:gRUdgso7.net
............................



栞子「それではここで...」

栞子「はい、お疲れ様です。また月曜に」

388: 2020/02/23(日) 23:27:52.37 ID:gRUdgso7.net
栞子「......」

栞子「はぁ、今日も色々と疲れました」



栞子「...楽しかったです」

399: 2020/02/24(月) 22:32:31.24 ID:g1GQv0ls.net
-----------------------------

昼休み 生徒会室

栞子「...あの」

栞子「一つお聞きしたいことがあるのですが」

栞子「私って不愛想ですか?」

400: 2020/02/24(月) 22:32:48.89 ID:g1GQv0ls.net
栞子「......」

栞子「何ですかその顔」

栞子「いえ、今日の朝あなたと別れて自分の靴箱へ向かったのですが」

栞子「そこで...何故か私の上履きにパンを入れようとしてる人がいたんです」

栞子「その人は私の知っている方でしたので何をやってるかのか聞きました」

栞子「ただ...」

栞子「聞いている内にその子が泣いてしまって...」

401: 2020/02/24(月) 22:33:17.63 ID:g1GQv0ls.net
栞子「あの子とは色々とありましたので嫌われてるのは分かるのですが」

栞子「泣くほどのものだったのでしょうか」

栞子「......」

栞子「...怖がられてる?」

402: 2020/02/24(月) 22:34:08.97 ID:g1GQv0ls.net
栞子「確かにその子の前では笑ったことなどは無いです」

栞子「そもそも笑顔を見せるような関係ではありませんし...」

栞子「...笑った方が良い?」

栞子「しかし楽しくもないのに笑うのは変です」

栞子「...だから不愛想に見えると」



栞子「え?ここで?」

栞子「しかし...」

栞子「...笑う練習、ですか?」

403: 2020/02/24(月) 22:34:36.44 ID:g1GQv0ls.net
栞子「......」

栞子「分かりました。それでは...」



栞子「こ、こうですか?」ニコォ

栞子「...目が笑ってなくて余計怖い?」

栞子「......」

栞子「なら良いです」

栞子「無理に笑顔にならずとも困る事なんか無いはずです」

栞子「怒ってません」

栞子「謝らなくて良いです」

栞子「怒っていませんから」

404: 2020/02/24(月) 22:35:08.28 ID:g1GQv0ls.net
...........................

栞子「御馳走様でした」

栞子「あの...」

栞子「まだお腹に余裕はありますか?」

栞子「いえ、実はコッペパンがあるんです」

栞子「先程言った子が、靴箱に入れようとしていたパンです」

栞子「食べてみたのですが意外と美味しかったのであなたもどうですか?」

栞子「...いえ、上履きに入れようとしていただけで実際には入れてないので大丈夫です」

栞子「それに袋が二重になっているので汚れてはいないはずです」

405: 2020/02/24(月) 22:39:40.57 ID:g1GQv0ls.net
栞子「そうですか。それではどうぞ」

栞子「......」

栞子「やはり美味しいですよね」

栞子「あの子にはパン作りの才能があると思うんです」

栞子「料理研究会に入ってライフデザイン科の方達と腕を磨くべきだと考えているのですが...」

栞子「私の言う事をまったく聞いてくれません」

407: 2020/02/24(月) 22:40:57.87 ID:g1GQv0ls.net
栞子「...はい、無理にやらせるのは駄目だと分かってるのですが」

栞子「どうもあの子たち相手だとどうしても...」



栞子「...だから笑顔の話はもういいです。しつこいですよ」

栞子「あなたと違って私には難しいんです」

栞子「ほら、もうすぐ授業が始まります。教室に戻りますよ」

423: 2020/02/26(水) 22:52:19.36 ID:0lGUDxxb.net
--------------------------

放課後

栞子「お待たせしました」

栞子「...どうしました?そんな苦い顔をして」

栞子「外...雨ですね」

栞子「分かりました。傘を忘れたんですね?」

424: 2020/02/26(水) 22:52:52.29 ID:0lGUDxxb.net
栞子「もちろん分かりますよ。外を見ながらそんな表情をしていたんですから」

栞子「朝の天気予報見なかったんですか?夕方は傘が必須と言っていましたよ?」

栞子「...でしょうね」

栞子「天気予報を見た時何となくあなたのことが頭に浮かんだんです」

栞子「あなたなら傘を持って来ない可能性が高いだろうなと」

425: 2020/02/26(水) 22:53:35.45 ID:0lGUDxxb.net
栞子「さぁ、帰りますよ」

栞子「ほら、傘の中に入って下さい」

栞子「...どうしました?早くして下さい」



栞子「...傘?」

栞子「別にいいですよ。私が持ちます」

栞子「...分かりました。それではお願いします。」

栞子「折畳み傘で取手が少し持ちづらいので気をつけて下さい」

栞子「はい、それでは帰りましょう」

426: 2020/02/26(水) 23:02:52.61 ID:0lGUDxxb.net
.................................

栞子「......」

栞子「あの...」

栞子「この、あなたに買って頂いた髪飾り...」

栞子「同じクラスの方から似合うと言われました」

栞子「えぇ、綺麗だと」

栞子「可愛いとも言って頂けました」

栞子「はい、今までそういう事を言われたことが無かったので少し驚きました」

栞子「むずむずしますね」

427: 2020/02/26(水) 23:07:18 ID:0lGUDxxb.net
栞子「...いえ、あなたには言われ慣れてるので何か違う気がします」

栞子「クラスメイトから言われた方が嬉しかったです」

栞子「何度も可愛いと言われれば嬉しさも薄まってしまいますよ」

栞子「えぇ...ただ」

栞子「あなたから言われた時でも不思議と嬉しい時があるんです」

栞子「...!」

栞子「...いえ、別にそういうわけでは...」

栞子「何故こんな事を本人の前で...」ボソッ

428: 2020/02/26(水) 23:09:44 ID:0lGUDxxb.net
栞子「......」

栞子「ほら、ちょっとくっつきすぎですよ」

栞子「少し離れて下さい」

栞子「まったく...」

429: 2020/02/26(水) 23:23:03.39 ID:0lGUDxxb.net
栞子「...あ」

栞子「何だか雨が強くなってきましたね」

栞子「駅まで急ぎましょう」

栞子「それにしても雨の日は寒いですね」

栞子「えぇ、スカートですので余計に...」

栞子「...いえ、ジャージを履くのはちょっと...」

栞子「生徒会長として恥ずかしい恰好はできません」

430: 2020/02/26(水) 23:44:25.81 ID:0lGUDxxb.net
栞子「...どうしました?何だか落ち着きが無いように見えるのですが...」

栞子「!」

栞子「肩...」

栞子「......」

栞子「少し離れすぎですよ」

栞子「あなたの肩に雨が掛かってるじゃないですか」

栞子「コートが駄目になってしまいます」

栞子「少しお互いに寄りましょう」

栞子「多少きついのは仕方がないです」

栞子「もうすぐで駅なんですから我慢して下さい」

431: 2020/02/26(水) 23:47:20.07 ID:0lGUDxxb.net
栞子「......」

栞子「先程私が離れるように言った事で気を使って頂いたのは理解できます」

栞子「しかしそれによってあなたに面倒を掛けてしまうのは私の本意ではありません」

栞子「私でも気が付かないことがあるんですからちゃんと言ってくれないと困ります」

栞子「そうです。余計な気遣いは無用ですよ」

栞子「ただ...感謝はしています」

栞子「...この話は終わりです。もっと早く歩いて下さい」

栞子「風も強くなってきたのでスカートがびしょびしょになってしまいます」

446: 2020/02/29(土) 22:05:51.88 ID:AdGRzmBm.net
----------------------------

某日 放課後

栞子「お待たせしました」

栞子「えぇ、行きましょう」

447: 2020/02/29(土) 22:08:14.32 ID:AdGRzmBm.net
栞子「最近風邪が流行っていますね」

栞子「えぇ、私のクラスメイトの方も何人か休んでいます」

栞子「私たちも風邪をひかないようにしなければいけませんね」

栞子「えぇ、私は手洗いうがいをしっかりしています」

栞子「あなたの方もその辺りは気をつけて下さい」

栞子「風邪をひいて私にうつされても困りますから」

448: 2020/02/29(土) 22:09:36.53 ID:AdGRzmBm.net
栞子「あ...」

栞子「...は」

栞子「クチュン」

栞子「......」

栞子「いえ、今のくしゃみは寒いから出ただけです」

栞子「特にここ数日は寒い日が続いてますから」

栞子「...何ですかその顔は」

栞子「言いたいことがあるならはっきり言ったらどうですか?」

栞子「そうです。寒いだけです」

449: 2020/02/29(土) 22:13:53.57 ID:AdGRzmBm.net
栞子「...え?」

栞子「寄りたい所?」

栞子「下校中の不要な寄り道はあまり褒められる事では無いと思うのですが」

栞子「...確かに校則には厳密に禁止と書かれてはいませんが...」

栞子「そんな事を調べる暇があるなら勉強でもしたらどうですか?」

栞子「...分かりました。短時間でしたら認めます」

栞子「それで、何処に行くんですか?」

450: 2020/02/29(土) 22:28:23.17 ID:AdGRzmBm.net
............................

栞子「......」

栞子「何処に行くかと思えば」

栞子「コンビニじゃないですか」

栞子「何を買うんですか?」

栞子「特別なようが無い限り買い物も...」

栞子「...? ここで待っててって...あっ...!」

栞子「入っていってしまいました」

栞子「はぁ...」

栞子「待ちましょうか」

452: 2020/02/29(土) 23:03:45.77 ID:AdGRzmBm.net
..........................

栞子「...それで」

栞子「寄り道をしてまで買ったものがそれですか」

栞子「あんまんなんかのために...」

栞子「...肉まん?そんな事はどうでも良いです」

栞子「付き合った私が馬鹿でした」

栞子「寄り道ですら余り良いことではないのに、ましてや買い食いをするなんて...」

453: 2020/02/29(土) 23:04:27.83 ID:AdGRzmBm.net
栞子「...私? いりません」

栞子「生徒会長の立場として他の生徒達が見ていなくとも、そういった事に加担するつもりはありません」

栞子「どうぞ、お一人で食べて下さい」

454: 2020/02/29(土) 23:05:24.12 ID:AdGRzmBm.net
栞子「...えぇ、確かに先程寒いとは言いましたが...」

栞子「もしかしてその為に?」

栞子「...半分くらい、ですか」

栞子「......」

栞子「そこは全て私の為と言って欲しかったですね」

栞子「...分かりました」

栞子「少しだけ御馳走になります」

栞子「あなたと一緒にいるには諦めも必要だという事が分かってきました」

栞子「えぇ、お願いします」

455: 2020/02/29(土) 23:05:52.72 ID:AdGRzmBm.net
栞子「...? 何をやってるんですか?」

栞子「...!また...!?」

栞子「あーん、はこの前やったじゃないですか...!」

栞子「その手を早く引っ込めて下さい」

456: 2020/02/29(土) 23:06:17.55 ID:AdGRzmBm.net
栞子「......」

栞子「うぅ...」



パクッ


栞子「...早く残りの分も下さい」

457: 2020/02/29(土) 23:16:26.54 ID:AdGRzmBm.net
.........................

栞子「久しぶりに食べましたがやはり美味しいですね」

栞子「えぇ、肉まんが嫌いな方なんてほとんどいないと思います」

栞子「半分くらいでしたら夕御飯に影響する事も余り無さそうです」

栞子「...会長の立場云々については何も言わないで下さい」

栞子「そもそもあなたが買ったから食べる事になってしまったんです」

栞子「ふんっ...」

458: 2020/02/29(土) 23:22:50.09 ID:AdGRzmBm.net
栞子「...そういえば」

栞子「学園の購買部にも肉まんが売っていましたね」

栞子「はい、学園内の調理場で作っているので出来立てが食べられるらしいです」

栞子「せっかくですので今度買いに行きましょう」

栞子「昼休みは混んでいるので二人で協力しないと買えないかもしれません」

栞子「そうです。あなたにも協力して頂きます」

栞子「買えたら二人でゆっくり食べましょう」

466: 2020/03/01(日) 22:42:29.56 ID:25ginBZJ.net
----------------------------

朝 駅前

栞子「......」

栞子「遅いですね」

栞子「いつもなら先に来ているはずなのですが」



ピコンッ


栞子「!」

467: 2020/03/01(日) 22:43:03.52 ID:25ginBZJ.net
栞子「LINE?」

栞子「何でしょうか...?」

栞子「......」

栞子「風邪?」


栞子「大丈夫でしょうか...?」

栞子「返信してみましょう」トントン

468: 2020/03/01(日) 22:43:31.73 ID:25ginBZJ.net
ピコンッ


栞子「!」

栞子「返信早いですね」

栞子「...朝起きたら熱が出た...」

栞子「結構高くなってますね」

栞子「お大事にして下さい、と...」トントン

栞子「そうなると今日は一人ですか」

栞子「......」

栞子「静かですね」

栞子「今日はゆっくり出来そうです」

栞子「......」

栞子「学校へ向かいますか」

469: 2020/03/01(日) 22:43:59.53 ID:25ginBZJ.net
.............................

生徒会室

栞子「ふぅ...」

栞子「予定よりも仕事が早く終わってしまいました」

栞子「いつもはあの方がいるので話しているといつも授業ギリギリになっていましたが...」


栞子「結構時間が余っていますね」

栞子「......」

栞子「教室に行きますか」

470: 2020/03/01(日) 22:44:25.25 ID:25ginBZJ.net
----------------------------

昼休み 生徒会室

栞子「......」モグモグ

栞子「少しは熱が下がったんでしょうか?」

栞子「...連絡してみましょう」トントン

471: 2020/03/01(日) 22:44:51.84 ID:25ginBZJ.net
ピコンッ


栞子「!」

栞子「...全然みたいですね」

栞子「昼の分の仕事も終わってしまいましたし...」

栞子「...返信しておきましょうか」

栞子「早く元気になって下さい...」トントン

栞子「放課後の分の仕事も進めておきますか」

472: 2020/03/01(日) 22:47:05.15 ID:25ginBZJ.net
--------------------------

放課後 生徒会室

栞子「やはりあの方がいないとスムーズに作業が出来ます」

栞子「いつもより早く仕事が終わってしまいました」

栞子「はぁ」

栞子「今日は特にやる事は残っていませんね」

栞子「......」

栞子「暇ですので同好会の様子でも見に行きましょうか」

栞子「何か落ち度を見つけたら潰しましょう」

473: 2020/03/01(日) 23:01:47.91 ID:25ginBZJ.net
--------------------------

帰り道

栞子「はぁ...」

栞子「やはりあの部長は手強いですね」

栞子「何を言っても反論してきます」

栞子「以前のテストも全員60点以上取っていましたし...」

栞子「少し時間がかかりそうですね」

474: 2020/03/01(日) 23:03:26.71 ID:25ginBZJ.net
栞子「......」

栞子「熱は下がったのでしょうか...」

栞子「聞いてみましょう」トントン



ピコン


栞子「......」

栞子「結構下がったみたいですね」

475: 2020/03/01(日) 23:03:52.84 ID:25ginBZJ.net
栞子「この分だと明日は学校に来れそうですね」

栞子「また騒がしくなりそうです」

栞子「久しぶりにお弁当のおかずでも分けてあげましょうか」

486: 2020/03/02(月) 23:18:45.61 ID:oWy4otbI.net
*************************

栞子「おはようございます」

栞子「風邪の方は治りましたか?」

栞子「えっ?」

栞子「治ってない?」

栞子「...!」

栞子「治ってないならどうして...」

487: 2020/03/02(月) 23:35:57.01 ID:oWy4otbI.net
栞子「あ、ちょっと...大丈夫ですか...!?」

栞子「...!倒れて...!」

栞子「しっかりして下さい!」

栞子「...!」

栞子「意識がない...!?」

栞子「私の声が聞こえますか!?起きて下さい!」

488: 2020/03/02(月) 23:36:27.49 ID:oWy4otbI.net
栞子「誰かいませんか!?人が倒れてしまったんです!」

栞子「...!」

栞子「何でこんな時に誰も...」

栞子「そうだ...携帯で救急車を...」

栞子「...!無い?どうして!?」

489: 2020/03/02(月) 23:36:53.71 ID:oWy4otbI.net
栞子「どうしよう...このままじゃ...!」

栞子「ねぇ!起きて下さい!お願いします!!」

栞子「氏んじゃ嫌っ!逝かないで下さい!!」

栞子「ひとりにしないで...!」

490: 2020/03/02(月) 23:37:24.86 ID:oWy4otbI.net
*************************

栞子「...!」バッ

栞子「えっ...?」

栞子「...夢?」

栞子「時間は...」

栞子「まだ夜中...」

栞子「携帯は...」

栞子「...特に連絡は無いです」

491: 2020/03/02(月) 23:40:52.35 ID:oWy4otbI.net
栞子「どうしてあんな夢を...」

栞子「......」

栞子「風邪の方は大丈夫でしょうか...」

栞子「もしかしたらまた酷くなって...」

栞子「連絡は...流石にこの時間は駄目ですね...」

栞子「家を出る時間くらいに連絡するしかないです...」

492: 2020/03/02(月) 23:45:22.66 ID:oWy4otbI.net
栞子「うぅ...」

栞子「嫌な夢でした...気持ち悪いです」

栞子「汗も凄い...」

栞子「...着替えますか」

栞子「朝までまだ時間はありますね」

栞子「寝られるでしょうか...」

499: 2020/03/04(水) 10:07:16.72 ID:5Lwc0csb.net
--------------------------



栞子「......」

栞子「はぁ...」

栞子「あれからほとんど寝られませんでした」

栞子「朝御飯を食べる気力もありません」

栞子「...そろそろあの人も起きてるかもしれません」

栞子「連絡してみましょう」トントン

栞子「......」

500: 2020/03/04(水) 10:07:44.10 ID:5Lwc0csb.net
ピコンッ


栞子「!」バッ

栞子「......」

栞子「今日も休み?」

栞子「そんな...」

栞子「熱がまだあるのでしょうか」

栞子「...そもそも」

栞子「本当に風邪なのでしょうか...」

501: 2020/03/04(水) 10:08:09.75 ID:5Lwc0csb.net
栞子「......」

栞子「電話...」

栞子「風邪で休んでる相手にするのは失礼でしょうか...?」

栞子「...でも」





プルルルルル



栞子「もしもし。私です」

栞子「はい、おはようございます」

502: 2020/03/04(水) 10:19:47.89 ID:5Lwc0csb.net
栞子「朝早くに申し訳ないです」

栞子「先程の連絡で今日も休むとありましたが...」

栞子「...まだ熱が下がらない」

栞子「病院には行きましたか?」


栞子「...そんなに酷くないから行ってない...」


栞子「......」

栞子「あの」

栞子「一応ですが病院の方に行ったらどうでしょうか?」

503: 2020/03/04(水) 10:20:16.92 ID:5Lwc0csb.net
栞子「いえ、特に理由は無いのですが...」

栞子「もしかしたらただの風邪ではないかもしれないです」

栞子「念の為に行った方が良いのではないでしょうか」

栞子「...心配し過ぎ?」

栞子「そうでしょうか...」

504: 2020/03/04(水) 10:22:59.80 ID:5Lwc0csb.net
栞子「明日は学校に来れそうですか?」

栞子「...それなら、まぁ...」

栞子「...心配?」

栞子「いえ、心配とかでは...」

栞子「......」

栞子「もし私が心配していたとしても、あなたの気にする事ではありません」

栞子「それよりも今日はゆっくり休んで下さい」

栞子「休んでる所すみませんでした」

栞子「はい、それでは」

505: 2020/03/04(水) 10:30:02.27 ID:5Lwc0csb.net
栞子「......」

栞子「はぁ」

栞子「少し安心しました」

栞子「もしかしたら、と不安でしたが」

栞子「杞憂になりそうです」

栞子「時間は...まだ余裕がありますね」

栞子「朝御飯を食べてしまいましょう」

506: 2020/03/04(水) 10:40:29.58 ID:5Lwc0csb.net
栞子「...でも」

栞子「どうも一抹だけ心配が残ります」

栞子「できれば顔を見たいのですが...」

栞子「家に押しかけるのは流石に...」

栞子「それに心配だから来た、と言うのはどうも癪です」

栞子「どうしましょうか」

508: 2020/03/04(水) 10:45:32.56 ID:5Lwc0csb.net
栞子「...! それなら...」

栞子「直接会えるかどうかは分かりませんが...」

栞子「とりあえず登校したら職員室に行きましょう」

509: 2020/03/04(水) 10:45:59.38 ID:5Lwc0csb.net
また夜に

514: 2020/03/04(水) 21:16:18.98 ID:5Lwc0csb.net
-------------------------------

あなた家

栞子「......」

コンコン

栞子「失礼します」ガチャ

栞子「お疲れ様です。具合はどうですか?」

栞子「そうですか。熱は下がりました?」

栞子「...それなら明日は学校に来れそうですか?」

栞子「...なら良かったです」

515: 2020/03/04(水) 21:17:19.57 ID:5Lwc0csb.net
栞子「...はい、あなたのお母様に風邪をうつされるからと言われましたが」


栞子「こちらの、お見舞いの品を持ってきたので少しだけ会う事になりました」

栞子「それと...」


栞子「先生から預かったプリントです、どうぞ」

栞子「そうです。先程連絡したではないですか」

516: 2020/03/04(水) 21:17:48.03 ID:5Lwc0csb.net
栞子「...? どうしました?」

栞子「...別に急ぎでなくても良い内容?」

栞子「......」

栞子「私は先生から頼まれて持ってきただけなので中身は知りません」

栞子「それよりもお見舞いの品ですが...」

栞子「蜜柑と桃を買ってきました」

栞子「桃は後でお母様に剥いてもらって下さい」

栞子「いえ、礼には及びません」

517: 2020/03/04(水) 21:18:15.20 ID:5Lwc0csb.net
栞子「今日は一日ゆっくりしてたのですか?」

栞子「...携帯をいじるくらいなら寝てて下さい」

栞子「また熱が上がってしまいますよ」

栞子「普段もそんなに携帯をいじってるんですか?」

栞子「少しは勉強や読書などもするべきだと思います」

518: 2020/03/04(水) 21:30:12.28 ID:5Lwc0csb.net
栞子「...まぁ、確かにあなたには読書が似合いません」

栞子「ですが読んでみると結構楽しいものですよ」


栞子「...私?」

栞子「えぇ、たまにではありますが読んでいます」

栞子「いえ、特に好きなジャンルはありません」

栞子「評論や小説など色々読みます」

519: 2020/03/04(水) 21:32:00.50 ID:5Lwc0csb.net
栞子「あなたの方は興味のあるジャンルなどはあるんですか?」

栞子「...恋愛もの?」


栞子「...普通、ですね」

栞子「はい、想像通りです」

栞子「もう少し視野を広めるために他のジャンルも読んだ方が良いです」

栞子「...そうですね。そもそも読んでないのですから好きなジャンルから入った方が良いのかもしれません」

520: 2020/03/04(水) 21:38:56.34 ID:5Lwc0csb.net
栞子「いえ、私は恋愛小説は読んだことはないです」

栞子「...今まで興味が出なかっただけです」

栞子「読んだところで学ぶ事が余り無さそうな気がするので」

栞子「...まぁ、いすれ機会が来たら読もうとは思います」

521: 2020/03/04(水) 21:40:13.58 ID:5Lwc0csb.net
栞子「長居すると体にひびきそうなのでそろそろ失礼させて頂きます」

栞子「えぇ、明日また駅前で...」

栞子「携帯をいじるのもほどほどにしてくださいね」


栞子「それでは」

522: 2020/03/04(水) 21:40:50.03 ID:5Lwc0csb.net
...............................

栞子「元気そうでしたね」

栞子「あれなら大丈夫そうです」

栞子「はぁ...」

栞子「一気に疲れがきました」

栞子「寝不足ですし今日は早めに休みましょう」

栞子「......」

栞子「恋愛小説、ですか...」

528: 2020/03/05(木) 23:07:59.24 ID:vQN4bPFL.net
------------------------------

翌日

栞子「けほっ、けほっ」

栞子「...風邪」

栞子「ひいてしまいました...」

栞子「熱もかなり高くなってます」

栞子「昨日のお見舞いでうつされたのでしょうか...」

栞子「...何だか自分が情けなく思えます」

529: 2020/03/05(木) 23:08:22.92 ID:vQN4bPFL.net
栞子「学校の方は休みましょう」

栞子「この程度でしたら一日で良くなるはずです」

530: 2020/03/05(木) 23:09:02.75 ID:vQN4bPFL.net
栞子「......」

栞子「はぁ...」

栞子「今日はあの人は学校に行くみたいですが...」

栞子「結局会えそうにないですね」

栞子「...もし」

栞子「お見舞いに来てくれたら...」

531: 2020/03/05(木) 23:09:35.42 ID:vQN4bPFL.net
栞子「...!」

栞子「何を考えてるのでしょうか」

栞子「それでまたあの人が風邪をひいてしまったら...」

栞子「私が迷惑極まりない人間になってしまうじゃないですか」

栞子「お見舞いには来なくていいと書いておきましょう」

532: 2020/03/05(木) 23:09:51.78 ID:vQN4bPFL.net
栞子「...でも」

栞子「もし来てくれたら...」

栞子「......」

栞子「寝ましょう」

栞子「今日の分の生徒会の仕事も明日にやらないといけません」

栞子「とにかく安静にして体を治しませんと」

540: 2020/03/07(土) 10:32:03.75 ID:wl+O1QUn.net
.............................

夕方

栞子「すぅ...すぅ...」
ガチャッ

栞子「ん...」

栞子「...? ドアの音...?」

栞子「お母様ですか...?」

541: 2020/03/07(土) 10:32:24.79 ID:wl+O1QUn.net
栞子「......」

栞子「ひゃっ...!」

栞子「な、何であなたがここに...!?」

栞子「だ、駄目...寝起きの顔見ないで...」

栞子「...っ」

栞子「と、とにかく少し部屋の外に出てて下さい...」

542: 2020/03/07(土) 10:33:25.52 ID:wl+O1QUn.net
...........................

栞子「......」

栞子「それで、どうして勝手に私の部屋に入っていたんですか?」

栞子「当たり前です。家族以外の人がいたら驚きます」

栞子「...お母様が?」

栞子「本当ですか?同じ学校の生徒だとしても私に会わせるのはどうかと思うのですが...」

543: 2020/03/07(土) 10:38:10.37 ID:wl+O1QUn.net
栞子「...あなたの事を知っていた?母がですか?」

栞子「...あ」

栞子「いえ、分かりました。それ以上は言わなくて大丈夫です」

栞子「だから言わなくて良いです」

栞子「別に母にあなたの事はそれほど詳しくは話していません」

栞子「手間の掛かる知り合いだと言っただけです」

栞子「...違います。頻繁になど話していません」

544: 2020/03/07(土) 10:40:19.65 ID:wl+O1QUn.net
栞子「それよりも、何か用があって来たんではないのですか?」

栞子「...お見舞い?」

栞子「お気持ちは嬉しいですが...今度は私から風邪をうつしてしまいます」

栞子「...いえ、免疫が出来たとしても同じ風邪にかかる時もあります。油断しないで下さい」

栞子「...? 何をしてるんですか?」

栞子「お見舞いの品?」

栞子「わざわざ買って頂いたんですか?」

栞子「ありがとうございます」

545: 2020/03/07(土) 10:40:39.66 ID:wl+O1QUn.net
栞子「ちなみに何を買ったんですか?」

栞子「...スポーツドリンク?」

栞子「今日の朝に母が2Lを3本ほど買ってきてくれましたね」

546: 2020/03/07(土) 10:41:06.16 ID:wl+O1QUn.net
栞子「...他にもある?」

栞子「...レトルトのお粥ですか」

栞子「御飯も基本的に母が作ってくれていますので、風邪をひいている間は食べる事は無いと思います」

547: 2020/03/07(土) 10:41:52.38 ID:wl+O1QUn.net
栞子「......」

栞子「私が昨日、あなたのお見舞いで果物を持って行ったのはそれが理由です」

栞子「飲み物やお粥等は既にあると思ったので、おやつ代りで食べられそうなものを持って行ったんです」

栞子「......」

栞子「ふふっ」

栞子「あなたの好意はアテが外れる事が多いですね」

548: 2020/03/07(土) 10:42:39.76 ID:wl+O1QUn.net
栞子「...? まだある?」

栞子「他に何を買ったんですか?」

栞子「...本?」

栞子「...あっ、それは...」

栞子「最近話題になっている恋愛小説ですよね」

栞子「家の近くの本屋の特集コーナーで売っていました」

栞子「...詳しい?それはそうです」



栞子「私も同じ本を持っていますから」

549: 2020/03/07(土) 10:43:20.60 ID:wl+O1QUn.net
栞子「はい、昨日のお見舞いの後に本屋に行ってみたら、ふと目についたので買ってみたんです」

栞子「えぇ、こちらにあります」

栞子「またアテが外れてしまいました。残念ですね」

栞子「...いえ、持って帰らなくて良いですよ」

栞子「私の方と交換しましょう」

550: 2020/03/07(土) 10:43:40.54 ID:wl+O1QUn.net
栞子「せっかく買って頂いたんですから受け取らないのは失礼です」

栞子「私が買った方はあなたに渡します」

栞子「はい、あの時恋愛小説には少し興味があると言っていたでしょう」

栞子「良い機会だと思って読んでみたらいかがですか?」

栞子「えぇ、それではどうぞ」

551: 2020/03/07(土) 10:44:09.83 ID:wl+O1QUn.net
栞子「...そうですね」

栞子「昨日今日で同じ本を買うなんて凄い偶然です」

栞子「いえ、それは違いますね」

栞子「あなたと私のセンスが同じであるはずがありませんから」

栞子「そうです、偶然ですよ」

栞子「...ただ、あなたがそう思えるのでしたらそう思って良いと思います」

552: 2020/03/07(土) 10:44:34.34 ID:wl+O1QUn.net
栞子「...あっ、もうこんな時間ですね」

栞子「えぇ、あまり長居すると本当に風邪をうつしてしまいます」

栞子「今日はありがとうございました」

栞子「明日は学校に行けると思います」

栞子「はい、お疲れ様です」

栞子「おやすみなさい」

553: 2020/03/07(土) 10:45:22.51 ID:wl+O1QUn.net
.........................

栞子「......」

栞子「来てくれました...」

栞子「しかもお互い知らずのうちに同じ本を...」

栞子「偶然、なんでしょうか...」

栞子「......」

栞子「偶然ではなかったら、嬉しいです」

栞子「...!」

栞子「...いえ、嬉しくなる理由など無いはずです」

栞子「私は何を考えて...」

554: 2020/03/07(土) 10:45:44.49 ID:wl+O1QUn.net
栞子「そういえば、朝と比べると体が楽になったような気がします」

栞子「熱も下がってますね」

栞子「念の為にもう少し寝ましょう」

栞子「明日は絶対学校に行きます...!」

561: 2020/03/08(日) 00:12:28.54 ID:qAgqimpE.net
----------------------------
あだ名

栞子「呼んでほしいあだ名?」

栞子「いえ、別に無くていいです」

栞子「今まで通り名前で呼んでくれて構いません」

栞子「...他の人から?」

栞子「クラスメイトからは基本は三船さんか栞子さん呼びですね」

栞子「家族からは...」

栞子「父と母からはしおりと呼ばれています」

栞子「栞子ですと少し言いづらいようなので子を抜いているんです」

562: 2020/03/08(日) 00:12:53.60 ID:qAgqimpE.net
栞子「...新しい呼び方?」

栞子「正直興味はありませんが...例えば何ですか?」

栞子「しおりん?」

栞子「却下です」

栞子「単純に私には似合いません。可愛すぎです」

栞子「あなたにそう呼ばれるのを想像するとむずむずします」

563: 2020/03/08(日) 00:13:12.95 ID:qAgqimpE.net
栞子「他には無いのですか?」

栞子「...しおちゃん?」

栞子「駄目です。しおりんより酷くなってるじゃないですか」

栞子「もっと呼ばれても恥ずかしくないようなあだ名を考えて下さい」

栞子「...しぃちゃん」

栞子「みぃちゃん...」

栞子「あの...」

栞子「ふざけてます?」

564: 2020/03/08(日) 00:13:34.54 ID:qAgqimpE.net
栞子「ふざけてないならもう少しまともなあだ名を考えて下さい」

栞子「どれもこれも私には可愛すぎるものばかりです」

栞子「...可愛い方が良い?」

栞子「どうしてですか?」

栞子「...!」

栞子「じ、実際に可愛いから...?」

栞子「またあなたはそんな事を平然と...」

565: 2020/03/08(日) 00:13:53.43 ID:qAgqimpE.net
栞子「......」

栞子「分かりました」

栞子「もうあだ名を決めるのはあなたに任せます」

栞子「結局私の事を何と呼びたいんですか?」

584: 2020/03/08(日) 22:11:23.78 ID:qAgqimpE.net
栞子「...しぃちゃん、ですか」

栞子「よりにもよって一番私に似合わないのを...」

栞子「...お世辞は良いです」

栞子「先程も言いましたが可愛すぎるんです」

585: 2020/03/08(日) 22:11:57.44 ID:qAgqimpE.net
栞子「...だからお世辞はいいと言っているでしょう」

栞子「...っ」

栞子「連呼しないで下さい...」

栞子「だから止めて下さいと...!」

栞子「だ、駄目です...!」

栞子「や、止めて...っ!///」

栞子「...!」

栞子「え? 止める...?」

586: 2020/03/08(日) 22:13:27.44 ID:qAgqimpE.net
栞子「い、いや...あの...」

栞子「止めるんですか?」

栞子「...いえ、止めてとは言いましたが...何というか...」

栞子「...? 条件?」

栞子「あだ名を止める代わりの条件、という事でしょうか?」

栞子「...また碌でもない条件を要求してくるんでしょう」

栞子「呑むつもりはありません」

588: 2020/03/08(日) 22:26:48.53 ID:qAgqimpE.net
栞子「...え?」

栞子「呼び捨て?」

栞子「はぁ...あだ名に比べたら特に問題はありませんが...」

栞子「普通に今までと同じちゃん付けでは駄目なんですか?」

栞子「...まぁあなたが呼びたいのでしたらご自由に」

栞子「どうぞ、呼んでみて下さい」







栞子「...!!///」

589: 2020/03/08(日) 22:27:31.76 ID:qAgqimpE.net
栞子「え...?何か声の雰囲気が...え?//」

栞子「あ...」

栞子「...っ//」

栞子「だ、駄目です!」

栞子「呼び捨てだけは絶対に駄目です...!」

栞子「......」

栞子「分かりました...しぃちゃんで良いです」

590: 2020/03/08(日) 22:36:58.88 ID:qAgqimpE.net
栞子「呼び捨てをされる位ならあだ名で呼んで下さった方がまだ耐えられます...」

栞子「はぁ...」

591: 2020/03/08(日) 22:40:33 ID:qAgqimpE.net
栞子「...違います。可愛いから嫌だと何度も言っているでしょう」

栞子「あなたは良くても私が恥ずかしいんです」

栞子「...いえ、慣れる気がしません」

栞子「......」

栞子「あの...」

栞子「一つ聞いて良いですか」

栞子「私の何処が...可愛いと思ってるんですか?」

592: 2020/03/08(日) 22:49:07.72 ID:qAgqimpE.net
栞子「いえ、自分の事を可愛いとは思ったことが無いので」

栞子「...素直じゃない所?」

栞子「どういうことですか?」

栞子「...!」

栞子「あだ名を付けて頂いたところで嬉しくなどありません...!」

栞子「照れてなどいません...」

593: 2020/03/08(日) 22:54:21.18 ID:qAgqimpE.net
栞子「そういう所が可愛いって...」

栞子「本当にあなたはっ...」

栞子「...もういいです」

栞子「これ以上相手にするとキリがありません」

栞子「もうこの話は終わりです」

594: 2020/03/08(日) 22:54:49.71 ID:qAgqimpE.net
栞子「......」

栞子「しぃちゃん...」ボソッ


栞子「...いえ、何でもありません」

栞子「それよりも」

栞子「早く慣れたいので呼ぶならもっと呼んで頂いて構いません」

栞子「はい、どうぞ遠慮なく」

栞子「...//♪」

611: 2020/03/12(木) 23:16:02.68 ID:wy4StrCF.net
-------------------------

生徒会室

栞子「......」ジー

栞子「ほら、こっちを向いてください」

栞子「......」

栞子「はぁ...」

栞子「目すら合わせてくれません」

612: 2020/03/12(木) 23:16:25.32 ID:wy4StrCF.net
栞子「猫を預かることになったのはいいのですが」

栞子「全く私に懐いてくれません」

栞子「認識すらされてないみたいです」

栞子「ねこじゃらし等は...流石にここにはないですね」

栞子「餌も食べてくれませんしどうしましょう」

613: 2020/03/12(木) 23:16:55.37 ID:wy4StrCF.net
栞子「.......」

栞子「猫の鳴き真似をすれば振り向いてくれるでしょうか...」

栞子「......」ジー

栞子「にゃ、にゃあ...」



ガチャ

栞子「にゃ...」

栞子「......」

栞子「入る時はノックくらいしたらどうなんですか?」

栞子「マナー違反ですよ?」

614: 2020/03/12(木) 23:17:25.42 ID:wy4StrCF.net
申し訳ないですが今日はここまでです

620: 2020/03/13(金) 20:50:21.75 ID:ftvB02ps.net
栞子「可愛い鳴き声が聞こえたから思わず?」

栞子「では次から気をつけて下さい」

栞子「...この子猫の鳴き声ですよ」

栞子「えぇ、まだ子猫なこともあって愛らしい鳴き声でしたね」

栞子「いえ、私ではありません」

栞子「私が猫の鳴き真似などするわけがありません」

栞子「...違います」

栞子「それよりも、早く扉を閉めて下さい」

栞子「生徒会室で動物を飼育してるのを他の生徒に見せたくありません」

621: 2020/03/13(金) 20:51:02.81 ID:ftvB02ps.net
栞子「...この子ですか?」

栞子「お守りを頼まれたので世話をしてるんです」

栞子「...確かにペットを飼育するのは禁止ですが...」

栞子「里親を見つけるまでは仕方がないので特別に許可を出しているんです」

栞子「そうです。例のあの同好会です」

栞子「まったく...本当に困った方達です」

622: 2020/03/13(金) 20:51:31.75 ID:ftvB02ps.net
栞子「...名前?」

栞子「はんぺんというらしいです」

栞子「...毛並みが真っ白だから?」

栞子「どうなんでしょうか。名付け親に聞いてみないと分からないです」

623: 2020/03/13(金) 20:52:00.41 ID:ftvB02ps.net
栞子「...? どうしました?」

栞子「...いえ、全然懐いてくれません」

栞子「ずっとそこで寝転んでて、私には全く興味を持ってくれないんです」

栞子「確かあなたは猫を飼っていたんですよね」

栞子「何か猫に懐いてもらう方法など知っていらっしゃるんですか?」

624: 2020/03/13(金) 20:53:00.28 ID:ftvB02ps.net
栞子「...猫の鳴き真似?」

栞子「それは私がさっき...いえ、そのような方法は初耳です」

栞子「しかし、それで猫が懐いてくれるとは思えないのですが...」

栞子「まぁ、無駄とは思いますがやってみてはいかがでしょうか?」

栞子「......」


>ω<......

>ω< !

テクテク(((>ω<


栞子「!」

栞子「そんな...寄り付いてる」

625: 2020/03/13(金) 20:53:48.41 ID:ftvB02ps.net
栞子「しかも抱きかかえても嫌がってない...」

栞子「私の時は反応すらしなかったのに...」

栞子「どうして...」

栞子「...い、いえ、私は別に触りたくは...」

栞子「......」

栞子「少しだけ抱かせて頂いても良いですか...?」

626: 2020/03/13(金) 20:54:13.22 ID:ftvB02ps.net
栞子「あ、ありがとうございます...」

栞子「では...」

栞子「...あ!」

栞子「私が抱こうとしたら逃げてしまいました...」

栞子「やはり私では...」

栞子「......」シュン

627: 2020/03/13(金) 22:22:06.59 ID:ftvB02ps.net
栞子「...え?」

栞子「私も猫の鳴き真似をする?」

栞子「それは...あの...」

栞子「...いえ、そこまでして触りたくはありません」

栞子「...私の鳴き真似では反応すらしませんよ」

栞子「...さっきよりも高い声で?」

628: 2020/03/13(金) 22:22:33.16 ID:ftvB02ps.net
栞子「だからさっきのは私ではなく...」

栞子「......」

栞子「なぜ高い声なんですか?」

栞子「...なるほど、声を高くした方が猫は警戒しないんですね」

629: 2020/03/13(金) 22:23:00.22 ID:ftvB02ps.net
栞子「...からかわないで下さい」

栞子「...認めます。さっきの猫の鳴き声は私でした」

栞子「分かりました。やってみます」

栞子「声を高くするんですよね」

630: 2020/03/13(金) 22:23:23.84 ID:ftvB02ps.net
栞子「......」

栞子「にゃあ↑...」

栞子「こ、こっちに来て~...」


>ω<......ジー


栞子「......」


テクテク(((>ω<


栞子「!」

栞子「あっ...」ダキッ

栞子「や、やりました...」

631: 2020/03/13(金) 22:24:03.23 ID:ftvB02ps.net
栞子「本当に抱けました...!」

栞子「よしよし、良い子ですね」

栞子「これならこの子の世話も問題なくできそうです」

栞子「ありがとうございます」

632: 2020/03/13(金) 22:24:30.43 ID:ftvB02ps.net
栞子「...え?」

栞子「鳴き真似が可愛かったからもう一回やってほしい?」

栞子「......」

栞子「はんぺん、この人の事を引っ掻いて頂けないでしょうか?」


>ω<ニャー!


栞子「...まったく、隙あらば私の事をからかうのは止めて下さい」

633: 2020/03/13(金) 22:25:06.83 ID:ftvB02ps.net
今日はここまでです

640: 2020/03/14(土) 22:39:01.94 ID:JwNHueh3.net
------------------------------

栞子「遊園地?」

栞子「いきなりどうしたんですか?」

栞子「...割引チケットを貰ったから...」

栞子「家族や他の友人と一緒に行ってはいかがですか?」

栞子「...私と一緒に」

栞子「それなら仕方ないですね」

栞子「あなたが私と一緒に行きたいというなら付き合ってあげます」

641: 2020/03/14(土) 22:39:26.74 ID:JwNHueh3.net
栞子「ちなみにどこの遊園地ですか?」

栞子「...AZUNAランド?」

栞子「一応確認しますが...」

栞子「普通の遊園地ですよね?」

栞子「...それなら構いません」

642: 2020/03/14(土) 22:39:58.97 ID:JwNHueh3.net
栞子「いつ行きます?」

栞子「...来週の土曜ですか」

栞子「いえ、大丈夫です。何とかその日は空けるようにします」

栞子「それにしてもチケットを譲ってくれるなんて親切な人ですね」

栞子「...昨日若い女性の占い師から貰った?」

栞子「あの...大丈夫なんですか?」

栞子「偽物を渡されてはいませんよね?」

栞子「...まぁ、割引が無くても付き合ってあげますので心配しなくても大丈夫です」

栞子「えぇ、楽しみにしていて下さい」

651: 2020/03/15(日) 22:53:37.87 ID:onc39x48.net
----------------------------

土曜日

栞子「お待たせしました」

栞子「待ちました?」

栞子「そうですか」

栞子「...いつもと雰囲気が違う?」

栞子「何処が違うと思います?」

栞子「言ってみて下さい」

652: 2020/03/15(日) 22:54:27.28 ID:onc39x48.net
栞子「...私服だから?」

栞子「いえ、それもありますが他にも秘密があります」

栞子「分かりませんか?」

栞子「...当たりです。メイクの方をしてきてみました」

栞子「目立たない程度ではありますが...今日は少しだけ...」

653: 2020/03/15(日) 22:54:55.13 ID:onc39x48.net
栞子「いえ、普段はしません」

栞子「今年に入って初めてやりました」

栞子「どうです?似合いますか?」

栞子「ありがとうございます」

栞子「あなたならそう言ってくれると思いました」

栞子「えぇ、それでは行きましょうか」

654: 2020/03/15(日) 22:55:28.18 ID:onc39x48.net
今日はここまでです

663: 2020/03/16(月) 23:07:40.92 ID:7n/Gjm+m.net
.............................

AZUNAランド 園内

栞子「割引券、ちゃんと使えましたね」

栞子「占い師の方には感謝しなければいけませんね」

栞子「疑ってしまって申し訳なかったです」

栞子「それにしても...」

栞子「...意外と広いですね」

栞子「もっと小さい所だと思っていました」

栞子「あっ、あそこに看板があります」

栞子「地図が載ってますね」

栞子「近くに行ってみましょう」

664: 2020/03/16(月) 23:08:04.05 ID:7n/Gjm+m.net
栞子「沢山アトラクションがありますね」

栞子「何処に行きましょうか...」

栞子「...私?」

栞子「私、遊園地は子供の頃に行ったきりですので、好きなアトラクションとかは特に無いんです」

栞子「あなたの行きたい所で良いですよ」

栞子「...お化け屋敷?」

栞子「分かりました。そこにしましょう」

栞子「......」

栞子「お化け屋敷ですか...」

665: 2020/03/16(月) 23:08:37.11 ID:7n/Gjm+m.net
栞子「...いえ、子供の頃に入ったことがあるのですが怖くて泣いてしまった記憶があるんです」

栞子「...流石に高校生にもなって泣きはしません」

栞子「所詮は人間が作ったものです」

栞子「それが分かっていれば怖くなどありません」

栞子「あなたこそ怖がって泣いたりしないで下さいよ」

栞子「ほら、行きますよ」

栞子「さっさと入って終わらせてしまいましょう」

666: 2020/03/16(月) 23:09:19.31 ID:7n/Gjm+m.net
...........................

お化け屋敷前

栞子「......」

栞子「想像していたよりも雰囲気がありますね」

栞子「いえ、大丈夫です」

栞子「先程も言いましたが...」

栞子「この世に本物のお化けなどいるわけないんです」

栞子「作りものだと思えば...怖がる必要なんてないんです」

栞子「あっ...もう入るんですか?」

栞子「......」

栞子「いえ、何でもないです」

栞子「入りましょう」

668: 2020/03/16(月) 23:10:07.66 ID:7n/Gjm+m.net
今日はここまでです

673: 2020/03/17(火) 22:53:37 ID:RjAhkJEs.net
.........................

お化け屋敷内

栞子「......」

栞子「......」ブルッ

栞子「暗いですね」

栞子「コンセプトは廃病院でしょうか」

栞子「患者の氏体の人形のようなものが見えます...」

栞子「......」

栞子「いきなり動き出したりなどは...」

674: 2020/03/17(火) 22:53:58 ID:RjAhkJEs.net
栞子「...いえ、思っていたよりもしっかり作りこまれているので驚いているだけです」

栞子「ただ、暗いので足元が危険です」

栞子「慎重に進みましょう...」



ドンッ

栞子「ひっ...!」

栞子「...今の音は?」

675: 2020/03/17(火) 22:54:30 ID:RjAhkJEs.net
栞子「スタッフの方でしょうか...?」

栞子「道具だけではなく人もいるようですね」

栞子「...人ですよね?」

栞子「...あの」

栞子「あなたは怖くないんですか?」

栞子「さっきから驚いている様子も見られませんが...」

676: 2020/03/17(火) 22:55:00 ID:RjAhkJEs.net
栞子「...怖くないのでしたら私の前を歩いて下さい」

栞子「ほら、早く」

栞子「これなら少し安心できま...」



ダダダダダダッ

栞子「え?後ろから足音が...」

栞子「ひゃあ!?お化けが走って...!!」

栞子「逃げましょう!走って下さい!」

栞子「ちょ...何で止まって...!?」

677: 2020/03/17(火) 22:55:30 ID:RjAhkJEs.net
栞子「早く走って下さい!」

栞子「...え?大丈夫?」

栞子「後ろをもう一回見てって...」

栞子「...止まってる?」

栞子「ずっとこちらを向いて呻いています」

栞子「...よかった」

栞子「これ以上は追いかけて来ないみたいです」

栞子「...今のうちに進みましょう」

栞子「今度は私が前を歩きます」

栞子「あなたは後ろに注意していて下さい」

687: 2020/03/18(水) 22:32:53.36 ID:EYOm7qJP.net
.............................

栞子「随分進みましたが...」

栞子「出口はまだでしょうか?」

栞子「...中々広いですね」

栞子「!」

栞子「こんなところに生首の人形が...」



@cメ*◉ _ ◉リ

688: 2020/03/18(水) 22:33:24.60 ID:EYOm7qJP.net
栞子「それに壁に何か書いてあります」

栞子「...ここには激しい恋に苛まれて生まれてしまった哀れな生霊がいます。頭を撫でて魂を鎮めてあげて下さい」

栞子「......」

栞子「絶対にこの人形が動くやつですね」

栞子「...どうぞ」

栞子「...いえ、私はいいです」

栞子「興味がありませんので」

栞子「...そうです。早く撫でてあげて下さい」

689: 2020/03/18(水) 22:34:22.16 ID:EYOm7qJP.net
ナデナデ

栞子「.......」


@cメ*◉ _ ◉リ



@cメ*◉ ᴗ ◉リ


栞子「あ、笑顔になりました」

栞子「でも目が笑ってないのですごく怖いです」

690: 2020/03/18(水) 22:35:33.69 ID:EYOm7qJP.net
栞子「......」

栞子「これ以上は何も起こらなそうなので出口へ...」


@cメ*◉ ᴗ ◉リ
|||  ドンッ!!


栞子「いっっ!!」

栞子「え?...え?」

栞子「首が飛んで...」

栞子「...下からメッセージが出てきましたね」

栞子「...ありがとうございます。生霊は無事主のもとへ還りました。お礼に出口で写真を受け取って下さい」

691: 2020/03/18(水) 22:36:22.82 ID:EYOm7qJP.net
栞子「随分アクティブな還り方をしていましたね...」

栞子「あの生霊の主が誰なのか少し気になります」

栞子「それに写真とは...」

栞子「特に撮られた覚えはありませんが...」

栞子「とりあえず外に出ましょうか」

699: 2020/03/20(金) 11:09:20 ID:JJmRk1bh.net
.............................

出口

栞子「はぁ...」

栞子「やっと出られました」

栞子「それで写真というのは...」キョロキョロ

栞子「あっ、あそこでしょうか」

栞子「テレビ画面に色んな方々の...お化け屋敷に入った人たちの写真が写っていますね」

栞子「私たちのは...これですね」

700: 2020/03/20(金) 11:10:21 ID:JJmRk1bh.net
栞子「...よりによって私が驚いてる所を...」

栞子「角度的に人形のそばにあったみたいですね」

栞子「...持って帰る?」

栞子「しかしこの表情を他の方に見せるのは抵抗があります」

栞子「もし学校の他の生徒に見られたりでもしたら...」

栞子「私のイメージが悪くなりそうです」

栞子「...逆?」

701: 2020/03/20(金) 11:12:06 ID:JJmRk1bh.net
栞子「仮に良くなったとしても、こんな顔は見せたくありません」

栞子「......」

栞子「分かりました」

栞子「他の人に見せないならば...」

栞子「ご自由にして下さい」

栞子「えぇ、私はいりませんのであなたが持って帰って良いです」

702: 2020/03/20(金) 11:12:22 ID:JJmRk1bh.net
栞子「...そんなに嬉しがることでもないでしょう」

栞子「...初めて?」

栞子「あぁ...今までは撮られても消してましたね」

栞子「...そうですね。今回は特別に許可します」

栞子「でも、今言ったように他の方には見せないで下さいね」

703: 2020/03/20(金) 11:12:43 ID:JJmRk1bh.net
また夜に

707: 2020/03/21(土) 02:10:25.17 ID:/POmoXbo.net
..........................

栞子「はぁ」

栞子「何だか凄く疲れました」

栞子「所詮は作り物と油断していましたが、質の方が非常に高かったです」

栞子「あ、もうこんな時間...」

栞子「そうですね。少し早いですがお昼にしましょうか」

708: 2020/03/21(土) 02:11:06.73 ID:/POmoXbo.net
..........................


栞子「良かった。まだ混んではいないようですね」

栞子「席がまだ空いています」

栞子「早くご飯を買って確保しましょう」

栞子「お店は...1店しかないようですね」

栞子「流石にフードコートのように何店舗もあるわけではないようです」

栞子「何があるか見に行きましょう」

709: 2020/03/21(土) 02:11:59.15 ID:/POmoXbo.net
栞子「......」

栞子「カレー、ラーメン、丼物」

栞子「オーソドックスなものが揃っていますね」

栞子「他にはスイスパン、コッペパン、もんじゃ焼き...」

栞子「...遊園地らしくないものもありますね」

栞子「あなたはどれにします?」

栞子「...カレーですか」

栞子「私はどうしましょうか」

栞子「このスイスパンというもの...初めて見たのですが日本のものと何が違うのでしょうか?」

栞子「興味があります」

栞子「...そうですね。これを買ってみましょう」

710: 2020/03/21(土) 02:12:21.11 ID:/POmoXbo.net
...........................

栞子「...買ってはみましたが」

栞子「見た目は普通のパンですね」

栞子「一応チーズとチョコのトッピングも頂きました」

栞子「でも最初は何も付けないで食べてみましょう」

711: 2020/03/21(土) 02:13:09.34 ID:/POmoXbo.net
パクッ

栞子「......」モグモグ

栞子「...!」

栞子「......」パクッ

栞子「......」モグモグ

栞子「確かに日本のパンとはかなり違います」

栞子「食感がかなり固いですね」

栞子「それと小麦粉の風味が強いです」

栞子「嫌いではありませんが...」

栞子「やはり何か味付けがないと...」

栞子「トッピングも付けてみましょう」

栞子「まずはチョコから...」

712: 2020/03/21(土) 02:13:41.42 ID:/POmoXbo.net
栞子「......」モグモグ

栞子「あ...結構合います。美味しいです」

栞子「あなたも食べてみて下さい」

栞子「どうぞ」





栞子「どうですか?」

栞子「...えぇ、あなたもそう思いますよね」

713: 2020/03/21(土) 02:14:02.42 ID:/POmoXbo.net
栞子「チーズの方も付けて食べてみましょう」



モグモグ

栞子「こちらも美味しいです」

栞子「...チーズの方も食べますか?」

栞子「はい、どうぞ」

栞子「...そうですね」

栞子「独特の味ですけど癖になるんです」

栞子「少し不安だったのですが買って正解でした」

714: 2020/03/21(土) 02:15:50 ID:/POmoXbo.net
栞子「...カップルみたい?」

栞子「......」

栞子「いえ、御飯の交換くらいは友人とでもすると思いますよ」

栞子「あなたの勘違いです」

715: 2020/03/21(土) 02:16:40 ID:/POmoXbo.net
栞子「...そういえば」

栞子「以前に買った恋愛小説の方は読んでみましたか?」

栞子「...全部読み切りましたか」

栞子「途中で読むのを止めたりはしなかったんですね」

栞子「あなたにしてはよくやったと思います」

栞子「えぇ、確かに私も面白い小説だとは思いました」

栞子「友人同士だった二人があるきっかけでお互いを意識するようになる」

栞子「王道なストーリーでしたが心理描写が巧みでしたので私も最後まで読み進めてしまいました」

716: 2020/03/21(土) 02:17:03 ID:/POmoXbo.net
栞子「ただ...」

栞子「二人は最後は別れてしまったのが残念でした」

栞子「正直な所、あそこだけは理解できませんでした」

栞子「お互いに好き合っているのでしたらずっと一緒にいたいと思うのが当然ではないですか」

栞子「それなのに...もったいないです」

717: 2020/03/21(土) 02:18:02 ID:/POmoXbo.net
栞子「...合わなかった?」

栞子「確かに...二人の将来の夢が違っていたり、考え方が異なっているのは読んでいて感じてはいましたが...」

栞子「でもそれだけでは別れる理由にならないと思うんです...」

栞子「考え方や進む道が違うからこそ、もっとお互いの事をもっと知って関係を深くしていくべきだと思います」

栞子「せっかく両想いになれたのに...お互いの事を知り切っていないで別れるなんて哀しいです」

718: 2020/03/21(土) 02:19:49 ID:/POmoXbo.net
栞子「...?」

栞子「どうしました?そんな顔して...」

栞子「...嬉しい?何故ですか?」

栞子「...私の優しい心の奥が見えたような気がしたから...」

栞子「......」

栞子「随分とキザなことを言いますね」

栞子「気のせいですよ」

栞子「この程度でしたら少し親しい相手なら話しています」

栞子「...多分、ですが」

719: 2020/03/21(土) 02:20:14 ID:/POmoXbo.net
今日はここまでです

727: 2020/03/21(土) 22:19:55.67 ID:/POmoXbo.net
.............................

栞子「ふぅ」

栞子「お腹いっぱいですね」

栞子「次はどのアトラクションにします?」

栞子「...ジェットコースターですか」

栞子「...いえ、大丈夫です。ただ...」

栞子「私は初めて乗るので少し不安です」

栞子「......」

栞子「あなたの方は大丈夫ですか?」
栞子「まぁ...あなたが良いなら...」

栞子「行きましょうか」

728: 2020/03/21(土) 22:22:56.64 ID:/POmoXbo.net
.........................

ジェットコースター上

カタン...カタン...

栞子「どんどん上がっていきますね」

栞子「風が気持ちいいです」

栞子「...どうしました?」

栞子「...思ったより高い?」

栞子「そうでしょうか?」

栞子「私は逆に想像してたほど高くは感じませんが」

栞子「...顔が青くなってますが大丈夫ですか?」

729: 2020/03/21(土) 22:23:39.24 ID:/POmoXbo.net
栞子「...降りたい?」

栞子「そうは言っても、もう後戻りは出来ませんし...」

栞子「あ、そろそろ頂上です」

栞子「覚悟を決めましょう」

栞子「安心して下さい。屍は拾ってあげます」

栞子「...と、スピードが速くなって...」



ゴーッ!


栞子「きゃあぁ~~!」

730: 2020/03/21(土) 22:24:53.55 ID:/POmoXbo.net
..............................

栞子「意外と楽しかったです」

栞子「スピードも中々速かったですし、コースも長くて迫力がありました」

栞子「次に来るときも絶対に乗りましょう...!」


栞子「...と言いたい所ですが」

栞子「あの、本当に大丈夫ですか?」

栞子「先程から一言も喋っていないのですが...」

731: 2020/03/21(土) 22:25:29.28 ID:/POmoXbo.net
栞子「そんなに怖かったんですか?」

栞子「...怖いなら何故乗ったんですか...?」

栞子「...私の怖がる顔が見たかったから...」

栞子「......」



ペシッ

栞子「自業自得じゃないですか」

栞子「私は普通に楽しめましたよ」

732: 2020/03/21(土) 22:26:19.45 ID:/POmoXbo.net
栞子「結局怖がっていたのはあなたの方だけでした」

栞子「あなたの思惑とは逆になってしまいましたね」

栞子「...しかし」

栞子「あなたの気持ちも少しは分かりました」

栞子「あなたの怖がっている姿は見ていて面白かったです」

栞子「あら、ジェットコースターに乗りたいと言ったのはあなたの方ですよ?」

栞子「そんな不満を言われる筋合いはありませんね」


栞子「ふふっ」

栞子「ほら、しゃきっとして下さい」

栞子「次は少し落ち着いたものを...」


栞子「?」

栞子「あれは何でしょうか...?」

733: 2020/03/21(土) 22:27:32.95 ID:/POmoXbo.net
栞子「ライブ?をやっているようですね」

栞子「遊園地ってああいうイベントもやるものなのでしょうか...?」

栞子「どんなグループが...」




栞子「...へ?」

栞子「......」

栞子「行きましょう」

栞子「あのライブを見る必要はありません」

栞子「何故彼女たちがあんな所に...」

734: 2020/03/21(土) 22:28:39.42 ID:/POmoXbo.net
栞子「...あそこでライブをしているのはスクールアイドルです」

栞子「しかも、よりにもよって私たちの学校のです」

栞子「...特にあそこで声が大きくて人一倍目立っているのが私が会長になる前の...」

栞子「...いえ、何でもありません」

栞子「せっかくの休みなのにあの方たちを見る事になるとは...」

栞子「まったく...」

栞子「行きますよ。まだまだ乗りたいアトラクションがあるんでしょう?」

735: 2020/03/21(土) 22:29:00.53 ID:/POmoXbo.net
今日はここまでです

741: 2020/03/22(日) 22:08:47.53 ID:QxPWhmEk.net
.........................

メリーゴーランド

栞子「馬と馬車がありますね」

栞子「どちらに乗ります?」

栞子「...そうですね。定番の馬の方にしましょうか」




栞子「...あ」

栞子「......」

栞子「あの...」

栞子「やはり馬車の方にしませんか?」

742: 2020/03/22(日) 22:09:08.67 ID:QxPWhmEk.net
栞子「...いえ、それは...」

栞子「今日はスカートなので...」

栞子「...分かりませんか?」

栞子「...そこは察して下さい」

栞子「...ありがとうございます」

栞子「それでは馬車の方に乗りましょう」

743: 2020/03/22(日) 22:10:12.97 ID:QxPWhmEk.net
栞子「メリーゴーランドですと馬に乗るイメージしかありませんでしたが」

栞子「馬車の方もこうやって座れるので良いですね」

栞子「えぇ、特に二人で来ると今のように向かい合えますし」


栞子「あっ、動き出しました」

栞子「回るスピードが結構早いですね」

栞子「もちろんジェットコースターのようなスリルはありませんが...」

栞子「その方があなたには合ってるかもしれないですね」

744: 2020/03/22(日) 22:10:27.80 ID:QxPWhmEk.net
栞子「...からかわないで?」

栞子「駄目です」

栞子「いつもは私の方がいじられることが多いんですから」

栞子「今日は私の方がからかわせて頂きます」

栞子「えぇ、今日くらいは我慢して下さい」

755: 2020/03/23(月) 22:53:24 ID:y4I2O7gA.net
.........................

栞子「何だかんだで色々なアトラクションに乗りましたね」

栞子「次は何処に行きますか?」

栞子「それとも...名残惜しいですが夕方ですのでそろそろ帰りましょうか?」

栞子「...最後?」

栞子「そうですね。最後に何かに乗ってから帰りましょうか」

栞子「......」

栞子「それでは観覧車とかどうですか?」

栞子「はい、遊園地の定番ではないですか」

栞子「それなのに今日はまだ一度も乗っていないので...」

栞子「...良いですか?」

栞子「...はい、行きましょう」

756: 2020/03/23(月) 22:53:56 ID:y4I2O7gA.net
申し訳ないですが今日はここまでです

760: 2020/03/24(火) 23:12:29 ID:Mme8zpNN.net
..........................

観覧車

栞子「よい、しょっと」

栞子「動いているので乗るタイミングが難しいです」

栞子「...少しずつ上がっていきますね」

栞子「今日は久しぶりに沢山遊びました」

栞子「普段の休日は生徒会の仕事や勉強で忙しいので...こうやって思い切り遊んだのは数年ぶりかもしれません」

栞子「...楽しかった?」

栞子「そうですか。それなら良かったです」

761: 2020/03/24(火) 23:13:04 ID:Mme8zpNN.net
栞子「...私の方も」

栞子「楽しくはありました...一応」

栞子「えぇ、また来ましょう」

栞子「...段々と遠くの景色が見えてきましたね」

栞子「綺麗です」

栞子「...どうしました?」

栞子「...え?写真?」

762: 2020/03/24(火) 23:13:34 ID:Mme8zpNN.net
栞子「お化け屋敷に入った時に手に入れたでしょう」

栞子「...ちゃんとした写真を撮りたい?」

栞子「遠慮がありませんね」

栞子「一緒に、ですか」

栞子「......」

栞子「それでしたら私もあなたと並んだ方が撮りやすそうですね」

栞子「隣に座ってもよろしいでしょうか?」

栞子「はい、では」

763: 2020/03/24(火) 23:14:04 ID:Mme8zpNN.net
栞子「背景を綺麗に写したいですね」

栞子「この角度からは...逆光になってしまいますね」

栞子「こちらからはどうでしょうか」

栞子「...良い感じです」

栞子「それでは...」

栞子「...? ピース?」

栞子「...やらなければ駄目ですか?」

栞子「...っ」

栞子「...これで良いですか」

764: 2020/03/24(火) 23:14:59 ID:Mme8zpNN.net
栞子「それでは撮りますね」



パシャ


栞子「どうですか?」

栞子「...上手く撮れましたね」

栞子「後で私の携帯の方にも送って下さい」

765: 2020/03/24(火) 23:15:36 ID:Mme8zpNN.net
栞子「...どうしました?」

栞子「...笑顔?」

栞子「別に笑ってなくてもいいじゃないですか」

栞子「...もう」

栞子「だから笑うのは得意ではないんです...」

773: 2020/03/25(水) 23:02:15.69 ID:wEB5Vvhr.net
栞子「そういうあなたの方はいつも笑ってますね」

栞子「そんなに笑っていて疲れないんですか?」

栞子「....私と一緒だから、ですか」

栞子「またそういう事を平然と...」

栞子「......」

栞子「以前からお聞きしたかったのですが...」

栞子「何故私の事が好きなんですか?」

774: 2020/03/25(水) 23:02:53.01 ID:wEB5Vvhr.net
栞子「...いえ、そもそも私とあなたは告白される前はほとんど関わりがありませんでした」

栞子「それなのにあの日、いきなりあなたは私に告白してきました」

栞子「だからあなたが私に好意を持つようになった切っ掛けが分からないんです」

栞子「......」

栞子「他人の為に一生懸命になれるところ?」

栞子「どういう事ですか?」

栞子「......」

栞子「それはまぁ...生徒の方達の将来を考えて動いてはいますが...」

栞子「他人の素質を見抜く力が備わっている者として当然の事をしているだけです」

栞子「別に私が優しいからなどではありません...」

775: 2020/03/25(水) 23:03:30.61 ID:wEB5Vvhr.net
栞子「...そんなことない?」

栞子「...そうでしょうか」

栞子「私はあなたに特別優しく接したことはないと思っているのですが...」

栞子「むしろ厳しいことを言ったり、不愛想な態度を取ってしまったりしていた事が多いように思います」

栞子「...そういう所も好き、ですか」

栞子「はぁ...」

栞子「何だか腑に落ちたような、落ちないような変な感覚です」

776: 2020/03/25(水) 23:04:09.42 ID:wEB5Vvhr.net
栞子「ですがあなたの気持ちは理解しました」

栞子「あなたも相当変わってますね」

栞子「他人の為に懸命になる人なんて私以外にもいくらでもいると思うのですが」

栞子「...でも」

栞子「人からそう言って頂いたのは初めてです」

栞子「えぇ、嬉しいです。とても...」

栞子「...そろそろ観覧車が終わりますね」

栞子「降りる準備をしましょう」

栞子「......」

777: 2020/03/25(水) 23:04:41.73 ID:wEB5Vvhr.net
............................


栞子「今日はありがとうございました」

栞子「高校生にもなって楽しめるか不安でしたが、私の杞憂で良かったです」

栞子「......」



栞子「あの」

栞子「月曜日の放課後の方なんですが...」

栞子「時間は空いてますか?」

778: 2020/03/25(水) 23:05:05.86 ID:wEB5Vvhr.net
栞子「もし空いていたら一緒に行きたい所があるんです」

栞子「...ありがとうございます」

栞子「...いえ、別にそんな仰々しい所ではないので安心して下さい」

栞子「はい、お願いします」

栞子「それでは月曜日にまた...」

栞子「おやすみなさい」

779: 2020/03/25(水) 23:05:29.86 ID:wEB5Vvhr.net
栞子「......」

栞子「写真...」

栞子「表情がぎこちないですね...」

栞子「どうもカメラの前だと緊張してしまいます」

栞子「私もあの人みたいに笑って撮れるようになりたいですね」

栞子「ふふっ」

802: 2020/03/29(日) 23:34:26.47 ID:/P4P7Rm/.net
---------------------------

月曜日 放課後

栞子「お待たせしました」

栞子「すみません、授業が少し長引いてしまいました」

栞子「...いえ、今日は生徒会の仕事は昼休みに処理してしまったので大丈夫です」

栞子「はい、行きましょう」

803: 2020/03/29(日) 23:35:06.32 ID:/P4P7Rm/.net
..........................

児童館

栞子「着きました」

栞子「ここでは毎週イベントが開催されていて私達くらいの学生がここの子供たちと遊んだりし

ているんです」

栞子「少し子供たちと遊んで頂くことになると思いますが大丈夫ですか?」

栞子「...えぇ、ちゃんと相手をしてあげて下さいね」

栞子「ふふっ、油断してると泣かれたりしますから」

栞子「それでは入りましょう」

栞子「連絡は入れていますので大丈夫です」

804: 2020/03/29(日) 23:35:32.43 ID:/P4P7Rm/.net
今日はここまでです

809: 2020/03/30(月) 23:07:42.27 ID:THYxjQrc.net
..........................

栞子「どうですか?子供たち遊んだ感想は?」

栞子「そうです。それはもう大変ですなんです」

栞子「私も初めの頃はあなたの様にあたふたしてしまいましたから」

栞子「何人かから同時に引っ張られたりして慌てていました」

810: 2020/03/30(月) 23:08:25.98 ID:THYxjQrc.net
栞子「えぇ、でも何回か遊んでいると子供たちの事が段々と分かってくるんです」

栞子「その子の性格、好きな事や仕草だったりと沢山の子の色々な部分が見えてきます」

栞子「それに子供の方からも私に話してくれるようにもなって...」

栞子「話してるとあの子たちの良い部分や困っている事、得意なこととかも分かってきます」

栞子「良い部分は褒めてあげて...困っている事は相談に乗って助言をしてあげるんです」

栞子「それで少し経った後また私の所に来て、私の助言の通りにして上手くいったと笑顔で話してくれるんです」

811: 2020/03/30(月) 23:08:54.70 ID:THYxjQrc.net
栞子「えぇ、すごく嬉しいですよ」

栞子「そうしてあの子たちの長所を伸ばしてあげて、自分に自信を持ってもらえば...」

栞子「これからのあの子たちの未来はとても明るいものになっていくのだと思います」

栞子「あの子たちにはこの先の人生で後悔して欲しくはありません」

栞子「叶わない夢を追い続けて挫折してほしくはないんです」

栞子「色んな人に応援されてきたのに、才能が無い故に最後は挫折してしまう」

栞子「そしてあの時にああしていれば良かったと後悔してしまう」

栞子「これほど哀しいことは無いと思うんです」

812: 2020/03/30(月) 23:09:17.51 ID:THYxjQrc.net
栞子「......!」

栞子「すみません、少し喋り過ぎましたね」

栞子「ただ、あなたには私の考えを少し知って頂きたかったので...」

栞子「今回はわざわざ付き合ってもらったんです」

栞子「えぇ、ありがとうございます」

813: 2020/03/30(月) 23:10:05.48 ID:THYxjQrc.net
栞子「...違います」

栞子「あくまでも仲の良い友人だから話すんです」

栞子「的外れなことを言わないで下さい...」

栞子「......」

栞子「嘘です」ボソッ

栞子「...っ//」

栞子「そ、外ももう暗くなり始めてますね」

栞子「あまり長居するのも悪いのでそろそろ失礼しましょう」

814: 2020/03/30(月) 23:10:35.93 ID:THYxjQrc.net
...........................

駅前

栞子「それではここで...」

栞子「はい、今日はありがとうございます」

栞子「えぇ、おやすみなさい」





栞子「......」

栞子「私も...あの人のように素直になりたいです」

815: 2020/03/30(月) 23:10:58.41 ID:THYxjQrc.net
今日はここまでです

825: 2020/03/31(火) 22:31:44.80 ID:g+HU4t2E.net
------------------------

生徒会室

栞子「......」

栞子「どうして...」

栞子「どうして皆さんは分かってくれないんでしょうか」

栞子「自分に向いている事をやった方が成功出来るのに」

栞子「将来の役に立つというのに...」

栞子「無駄だと分かっていても、それをやりたいだなんて...」

栞子「私には理解できません」

826: 2020/03/31(火) 22:32:24.30 ID:g+HU4t2E.net
栞子「......」



ポロッ

栞子「...っ」ポロポロ

栞子「うぅ...」




ガチャッ


栞子「!」

栞子「あっ...」

栞子「こ、これは...」

栞子「み、見ないで下さい...!」

827: 2020/03/31(火) 22:33:08.44 ID:g+HU4t2E.net
栞子「お願い...出てって下さい...」

栞子「来ないで下さい...!」

栞子「...!」

栞子「ハンカチ?」

栞子「私が泣き止むまで待ってる...?」

栞子「嫌です...こんな顔をあなたには見られたくないです...」

栞子「後ろを向いてる...?」

栞子「絶対に出て行かないって...」

828: 2020/03/31(火) 22:33:28.26 ID:g+HU4t2E.net
栞子「......」

栞子「少しだけ...」

栞子「少しだけ待っていて下さい...」

829: 2020/03/31(火) 22:33:51.78 ID:g+HU4t2E.net
...........................

栞子「すみません、取り乱してしまって」

栞子「えぇ、もう落ち着きました」

栞子「情けない姿を見せてしまいましたね」

栞子「あなたにあんな表情を見られてしまう日が来るとは思いませんでした」

830: 2020/03/31(火) 22:34:38.41 ID:g+HU4t2E.net
栞子「...泣いていた理由、ですか」

栞子「それは...」

栞子「......」

栞子「あなたは...」

栞子「私が生徒会長になったのか理由を御存知ですか?」

831: 2020/03/31(火) 22:37:31.40 ID:g+HU4t2E.net
栞子「...そうです」

栞子「この学校の生徒の方達の才能を見抜いて、その適正に合った道に導くためです」

栞子「好きな事をやり続けたとしても、それが夢半ばでやぶれてしまって悲しむ人を少なくするためです」

栞子「だから私は選挙であの公約を掲げて前生徒会長と戦い、そして勝ちました」

栞子「会長に就任した後は、学校内の生徒達の中で才能を埋もらせてる方や夢を目指して伸び悩んでる方達を、その適性に合った部活に変更させたりしました」

栞子「必要ならば先生方を説得して、他の学科への編入させたりもしました」

832: 2020/03/31(火) 22:38:08.63 ID:g+HU4t2E.net
栞子「最初は私の見合った通り、皆さんは移動先の部活等で高い成績を収め本人もそれに満足して問題が無いように思えました」

栞子「ですが、最近になってその方たちが、やっぱり自分の夢を追いかけたいと言ってまた元の部活や学科に戻り始めたんです」

栞子「私は戻った方たちに再び説得に行きました」

栞子「ですが、ほとんどの方が自分の好きな事をやりたいと言って私の言うことを聞いてくれませんでした」

833: 2020/03/31(火) 22:38:41.12 ID:g+HU4t2E.net
栞子「......」

栞子「...私のしたことは間違っていたのでしょうか」

栞子「それに...」

栞子「...いえ、これは言うべきことではないですね」

834: 2020/03/31(火) 22:39:05.71 ID:g+HU4t2E.net
栞子「...言って欲しい?」

栞子「......」

栞子「例のスクールアイドル同好会の事です」

835: 2020/03/31(火) 22:39:45.22 ID:g+HU4t2E.net
今日はここまでです!!!
13章最高でしたね!!!!!!
しぃちゃんの可愛さが存分に発揮されてました!!!!!!!!

848: 2020/04/01(水) 22:53:14.38 ID:VTH0WrGC.net
栞子「私はあの同好会が嫌いでした」

栞子「あそこには豊かな才能を持つ方がたくさんいます」

栞子「工学系や料理、演劇などその分野を目指せばトップクラスの人間になれるような方がいるんです」

栞子「本来なら高校生活をその才能を磨くために使うべきだと私は思います」

栞子「それを、スクールアイドルに費やすなんて...」

栞子「あまりにも勿体ないです」

849: 2020/04/01(水) 22:54:04.35 ID:VTH0WrGC.net
栞子「...他に?」

栞子「...どうして他に理由があると思うんですか?」

栞子「...スクールアイドル同好会にだけ攻撃的だから、ですか...」

栞子「そんな事は...ありません...」

栞子「ただ単にあの同好会は無駄なものだと思っているだけです」

850: 2020/04/01(水) 22:54:28.29 ID:VTH0WrGC.net
栞子「......」

栞子「いえ、違います」

栞子「...あなたの言う通りです」

栞子「他にも理由があります」

栞子「...あなたには嘘はつきたくありません」

851: 2020/04/01(水) 22:55:55.10 ID:VTH0WrGC.net
栞子「私は以前、ある人を通してスクールアイドルを見ていました」

栞子「その人はとても頭が良く、様々な才能があり、私にとってあこがれの存在で心から尊敬していました」

栞子「私はその人にスクールアイドルについてたくさん教えてもらったんです」

栞子「正直な所、私はその良さをいまいち理解をする事が出来ませんでした」

栞子「けれど彼女がスクールアイドルについて話すとき、心の底から楽しそうに話すのを見ていたので私はそれほど嫌ってはいませんでした」

栞子「むしろ、彼女をこんなに笑顔にさせてくれるスクールアイドルに対して好意を持っていたくらいです」

852: 2020/04/01(水) 22:56:38.28 ID:VTH0WrGC.net
栞子「ですが、数年前その人はスクールアイドルフェスティバルという大会の運営の一人になったんです」

栞子「理由を聞いたら、大好きなスクールアイドルを近くで支えてあげたいと言っていました」

栞子「先程も言った通りその人は高い才能を持つ方です。本来ならもっと上の立場に立つべき人だと私は考えます」

栞子「運営の企画や方針などは他の方たちと一緒に決めるのであの人の能力が十分に発揮することはできません」

栞子「私はそれが最初からある程度予想はついてました」

栞子「ですが...あの人の気持ちを考えると無理に止める事は出来ませんでした」

853: 2020/04/01(水) 22:57:07.61 ID:VTH0WrGC.net
栞子「結果、オリンピック等の原因もありましたが...彼女の努力も空しく今年のスクールアイドルフェスティバルは中止になってしまいました」

栞子「あの時喧嘩をしてでも止めるべきだったと私は考えています」

栞子「自身の才能に見合う仕事を選んでいたらもっと多くの人の為になれることを成しえたと思うんです」

栞子「それを...自分に向いてない事をやって無駄にするなんて...」

854: 2020/04/01(水) 22:58:17.04 ID:VTH0WrGC.net
栞子「......」

栞子「私はその人の姿を見続けていたのでスクールアイドルの魅力の恐ろしさがよく分かるんです」

栞子「同好会の方達もスクールアイドルというものが本当に好きなんだと思います」

栞子「好きだからこそ自分に向いている事に費やす時間を減らしてまでアイドルをやっているんだと思います」

855: 2020/04/01(水) 22:58:45.04 ID:VTH0WrGC.net
栞子「でも、このままでは彼女たちも無駄な時間を過ごしてしまいます」

栞子「だから私はあの人ようにならないよう同好会の方達を無理やりにでもアイドルを止めさせようとしているんです」

栞子「彼女たちの才能をあの人の様にスクールアイドルで潰させたくはないんです」

栞子「でも...最近はそれも上手くいかなくて...」

栞子「......」

栞子「何もかもが上手くいかないです」

856: 2020/04/01(水) 22:59:18.20 ID:VTH0WrGC.net
栞子「...少し話したらすっきりしました」

栞子「話を聞いてくれてありがとうございます」

栞子「私の方も色々と考えてみます」

栞子「もしかしたら会長を止める事にするかもしれません」

栞子「他の人に才能云々と言いながら、私自身が自分の適性を把握できていなかったようです」

栞子「...駄目ですね」

857: 2020/04/01(水) 22:59:40.78 ID:VTH0WrGC.net
栞子「...?」

栞子「どうしました?」

栞子「...私に告白した理由?」

栞子「あぁ...観覧車に乗った時のことですか」

858: 2020/04/01(水) 23:00:14.51 ID:VTH0WrGC.net
栞子「...もう一つ理由が?」

栞子「何でしょうか?」

栞子「...私の事を支えたい?」

栞子「それは...どういう事でしょうか?」

栞子「何故ほとんど関わりの無かった私に対してそう思ったんですか?」

栞子「...他人の為に一生懸命になり過ぎて無理してるように見えた...」

栞子「そんな...無理なんて...」

栞子「だから私が躓いてしまったときに一緒に居て支えたかった、ですか」

860: 2020/04/01(水) 23:00:49.33 ID:VTH0WrGC.net
栞子「...自分が私と付き合うのはふさわしくないと思っていた?」

栞子「しかし私に付き合ってくれと告白してきたではありませんか」

栞子「...本当に好きだったから...」

栞子「ふふっ、あなたらしいですね」

栞子「...同好会も同じ?」

栞子「本当にスクールアイドルが好きだからフェスティバルを再開させようとしてる...」

栞子「...無理やり止められる事ではない...」

861: 2020/04/01(水) 23:01:20.80 ID:VTH0WrGC.net
栞子「でも、それで失敗して後悔しては本人たちが可哀想です...」

栞子「...しない?」

栞子「本当に好きな事を真剣にやった事は後悔しない、ですか...」

栞子「あの人も後悔はしていないのでしょうか...?」

栞子「姉さん...」

862: 2020/04/01(水) 23:02:01.94 ID:VTH0WrGC.net
栞子「...大丈夫?」

栞子「そういうものなのでしょうか...」

栞子「分からないです」

栞子「でも、何故でしょうか」

栞子「不思議とあなたに言われるとそうなのかもしれないとも思えるんです」

863: 2020/04/01(水) 23:02:32.30 ID:VTH0WrGC.net
栞子「でも、それならば私の今まででやってきた事は全く無駄だったという事ですね...」

栞子「...無駄じゃない?」

栞子「私には私の役割...私にしかできないこと...」

栞子「......」

栞子「分かったような分からないような、変な感じがします」

864: 2020/04/01(水) 23:03:26.28 ID:VTH0WrGC.net
栞子「ですが、少し考えてみます」

栞子「あなたと話してると何か良い方法があるのではないかと思えてくるんです」

栞子「なんだか、知らないうちにあなたの影響を受けてしまったみたいですね」

865: 2020/04/01(水) 23:04:12.45 ID:VTH0WrGC.net
栞子「そうですね。少し彼女達や他の生徒達への接し方も考えてみようと思います」

栞子「時間を取らせてしまいました。申し訳ありません」

栞子「そろそろ帰りましょうか」

栞子「帰りにどこかのカフェにでも行きませんか?あなたともう少しお話ししたいんです」

874: 2020/04/02(木) 22:54:32.25 ID:DJrfFg99.net
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昼休み 生徒会室

栞子「今日はムニエルを作ってきてみました」

栞子「私としてはとても上手くできたと思うので食べてみて下さい」

栞子「...美味しいですか」

栞子「当たり前です。私の自信作なんですから」

栞子「こちらのおかずも食べて下さい」

875: 2020/04/02(木) 22:55:11.58 ID:DJrfFg99.net
栞子「...? あれから、ですか?」

栞子「そうですね。あまり生徒たちに無理を言うのは止めにしました」

栞子「基本的にやりたい事をやらせてその中で自分の適性や進路に悩んでる方に私が何かしら解決法を提示することにしています」

栞子「なので以前ほど反発は無くなりました」

栞子「同好会に関しても...あれから説明会等で色々とありましたので、前よりは嫌がられる事は無くなりましたね」

876: 2020/04/02(木) 22:55:49.94 ID:DJrfFg99.net
栞子「...それと」

栞子「実は今日ライブがあるから見に来てほしいとい誘われました」

栞子「まぁ...興味はそれほどはありませんが、見に来てくれと頼まれたので行ってあげるだけです」

栞子「...別に嬉しくなどありません」

栞子「ほら、早くお弁当を食べてしまいますよ」

877: 2020/04/02(木) 22:56:14.65 ID:DJrfFg99.net
..........................

栞子「ごちそうさまです」

栞子「いえ、あなたのお弁当も中々でした」

栞子「最初の頃よりも随分と腕を上げたと思います」

栞子「...どうしました?」

878: 2020/04/02(木) 22:56:51.51 ID:DJrfFg99.net
栞子「眠い?」

栞子「まだ授業まで時間があるので仮眠でもしたらどうですか?」

栞子「そこのソファーでしたら体を横に出来ると思います」

栞子「...膝まくら?」

栞子「しませんよ。それは恋人同士がするものではないですか」

栞子「授業前には起こしてあげますから」



栞子「はい、おやすみなさい」

879: 2020/04/02(木) 22:57:14.05 ID:DJrfFg99.net
.........................

栞子「......」

栞子「起きてますか?」

栞子「...眠ってしまいましたね」

栞子「凄く落ち着いた寝顔ですね」

栞子「起きてる時の賑やかさが嘘みたいです」

880: 2020/04/02(木) 22:57:37.93 ID:DJrfFg99.net
栞子「......」

栞子「この人に告白されてから大分たちますが」

栞子「色んなことがありましたね」

栞子「良くも悪くもあなたに振り回されっぱなしで」

栞子「本当に大変でした」

881: 2020/04/02(木) 22:58:46.09 ID:DJrfFg99.net
栞子「でも、段々とそれが心地よくなって、楽しくなって...」

栞子「今思えばしかめっ面の私を元気づけようとしていたのかもしれませんね」

栞子「それに、あの日私が取り乱してしまったときも慰め、寄り添って下さいました」

栞子「あなたがいなかったら私はやけになって、周りの人にもっと強固な態度を取っていたかもしれません」

栞子「あなたのおかげで私も少しは変われたのかもしれません」

882: 2020/04/02(木) 22:59:32.95 ID:DJrfFg99.net
栞子「できれば、これからもずっと...」

栞子「......」

栞子「やっぱり私は...」

栞子「この人の事が好きなのかもしれません」

栞子「...しかし直接言うのはやはり恥ずかしいです」

栞子「もう一度告白してくれたら私は...」

883: 2020/04/02(木) 22:59:51.90 ID:DJrfFg99.net
栞子「......」

栞子「いえ、それは卑怯ですね」

栞子「今度は私から...」

884: 2020/04/02(木) 23:00:45.03 ID:DJrfFg99.net
...............................

栞子「起きて下さい」

栞子「もう少しで授業が始まりますよ」

栞子「随分ぐっすり眠っていましたね」

栞子「ほら、しゃきっとして下さい」

栞子「それでは私も教室にもどって...」

栞子「......」


栞子「あの...」

885: 2020/04/02(木) 23:01:09.37 ID:DJrfFg99.net
栞子「今日の放課後なんですが、時間は空いてますか?」

栞子「...もし良ければなんですが」

栞子「先程言った、同好会のライブにあなたも一緒に見に行きませんか?」

栞子「せっかくなので二人で行きたいと思いましたので...」

栞子「...そうですか。それでは一緒に...」

栞子「はい、ではまた放課後に」

886: 2020/04/02(木) 23:01:28.18 ID:DJrfFg99.net
今日はここまでです

896: 2020/04/03(金) 23:03:45 ID:YEkVwsio.net
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放課後 ライブ後

栞子「ライブの方は久々に見ましたが」

栞子「中々迫力がありましたね」

栞子「えぇ、本人たちには直接言えませんが結構楽しかったです」

栞子「...言ってた?」

栞子「あれは悪くなかったと言っただけです」

栞子「良かったとは言っていません」

栞子「それなのにあの人たちは何故か嬉しがってましたが」

897: 2020/04/03(金) 23:04:18 ID:YEkVwsio.net
栞子「...特に好きなアイドル?」

栞子「いえ、良いと思った人はいませんでしたね」

栞子「...嘘ではないです」

栞子「...嘘だと思うのでしたら誰が好きなのか当ててみて下さい」

栞子「...声の大きかった子?」

栞子「...っ」

栞子「それは...まぁ...他の方に比べたらわずかに、ですが...」

898: 2020/04/03(金) 23:05:01 ID:YEkVwsio.net
栞子「そういうあなたはどうなんですか?」

栞子「...みんな良かった?」

栞子「その答えは卑怯ですよ」

栞子「誰か一人を選んでください」

栞子「...あぁ、あの子ですか」

栞子「あの方は以前話した私の靴にコッぺパンを入れようとした子です」

栞子「そうですか、あのようなタイプが好みなのですね」

899: 2020/04/03(金) 23:05:19 ID:YEkVwsio.net
栞子「...はい?」

栞子「私がアイドルをやったら一番のファンになる?」

栞子「なにを冗談言ってるんですか」

栞子「私は見る専門です、今の所は」

栞子「まったく...」

900: 2020/04/03(金) 23:05:39 ID:YEkVwsio.net
栞子「...また」

栞子「誘われたら一緒に見に行きましょう」

栞子「そうですね。ライブの準備くらいは少しだけ手伝ってあげましょう」

901: 2020/04/03(金) 23:06:07 ID:YEkVwsio.net
栞子「......」

栞子「あの」

栞子「また申し訳ないのですが...」

栞子「もう一ヶ所だけ付き合って頂けませんか」

栞子「えぇ、行きたい場所があるんです」

栞子「...ありがとうございます」

栞子「場所は行ってみてのお楽しみです」

栞子「では行きましょう」

910: 2020/04/04(土) 22:22:44.20 ID:H0hq7qCy.net
...............................

栞子「どうですか?この眺め」

栞子「私の秘密の場所なんです」

栞子「ショッピングセンターの屋上なんて来た事ないんじゃないんですか?」

栞子「そうですね。ここは屋上への出口がとても分かりづらいんです」

栞子「だから人もほとんど来ないんですよ」

栞子「平日の今日なんかは特に少ないんです」

911: 2020/04/04(土) 22:23:21.68 ID:H0hq7qCy.net
栞子「ほら、ここからなら海と街が一望できます」

栞子「特に今みたいに夜になるとイルミネーションとかの明かりに照らされて綺麗なんです」

栞子「一人落ち着いてこの景色を見るのが好きで、たまに来ているんです」

栞子「でも、この景色をあなたにも知ってもらいたくて今日は一緒に来て頂いたんです」

912: 2020/04/04(土) 22:28:36.83 ID:H0hq7qCy.net
栞子「他の方には言わないで下さいね」

栞子「あなた以外には教えていないので」

栞子「...今までは一人で見ていただけですが」

栞子「これからはあなたと一緒に見に来たいです」

913: 2020/04/04(土) 22:29:22.28 ID:H0hq7qCy.net
栞子「......」

栞子「あなたが一番最初に私に告白してきたことを覚えていますか?」

栞子「...そうです。あなたからの告白を私が無下にしましたね」

栞子「それはそうですよ。ほとんど関わりの無い相手にいきなり好きだなんて言われたら誰だって警戒するに決まってます」

栞子「ある意味あなたの勇気、というか無謀さには驚きました」

914: 2020/04/04(土) 22:29:42.29 ID:H0hq7qCy.net
栞子「...でも、今だから言いますが...」

栞子「あなたが不誠実な人間でないとは、その時から何となく分かっていました」

栞子「信頼できない方でしたら、告白された当日に一緒に帰ったりはしませんよ」

915: 2020/04/04(土) 22:30:09.57 ID:H0hq7qCy.net
栞子「...あの日からあなたはずっと私の隣にいてくれました」

栞子「確かに世話を焼かされて大変な思いをすることもありますが...」

栞子「それ以上に楽しくて、明るい感情が私の中に湧き上がるんです」

栞子「あなたと一緒にいたことで、今まで私が知らなかった、忘れていた色々な世界を見せてくれるようになりました」

916: 2020/04/04(土) 22:30:53.00 ID:H0hq7qCy.net
栞子「...あの時の返事をさせて下さい」

栞子「私はあなたの事が好きです」

栞子「この先もずっと一緒にいたいです」

栞子「これからもあなたの色んな所を知って、私の良い所も悪い所もあなたに知ってもらいたいんです」

栞子「...つ」

栞子「付き合って...頂けますか?」

917: 2020/04/04(土) 22:31:22.23 ID:H0hq7qCy.net
栞子「......」

栞子「!」

栞子「ど、どうしました?いきなりしゃがんだりして...」

918: 2020/04/04(土) 22:31:58.49 ID:H0hq7qCy.net
栞子「...ホッとした?」

栞子「好きって初めて言ってもらえたから...」

栞子「ふふっ、そうですね」

栞子「あなたからは何度も好きと言われましたが、私の方から言った事は今までありませんでしたね」

栞子「ごめんなさい。素直になれなくて...」

919: 2020/04/04(土) 22:32:39.56 ID:H0hq7qCy.net
栞子「...そうですね。これからは恋人同士です」

栞子「あっ、でもキスとかはまだ駄目です」

栞子「こういうのは段階が大事なんです」

栞子「...そんな焦ることでも無いでしょう」

栞子「急がなくても私があなたから離れることなんてありません」

栞子「もっともあなたの方はどうか知りませんが」

920: 2020/04/04(土) 22:33:08.27 ID:H0hq7qCy.net
栞子「...そうですね。あなたもそう言ってくれると思ってました」

栞子「...そろそろ帰りましょうか」

栞子「帰る時間が遅くなると家族が心配してしまいます」

栞子「えぇ、行きましょう」





ギュッ


栞子「どうしました?そんな驚いて」

921: 2020/04/04(土) 22:33:36.09 ID:H0hq7qCy.net
栞子「恋人同士なんですから手を繋ぐくらい当たり前です」

栞子「先程も言ったようにキスとかはまだ駄目ですが...」

栞子「これくらいでしたら問題ないと思います」

栞子「...そうですね。二人で転ばないようにゆっくり歩きましょう」



栞子「...えぇ、私の方も」

栞子「これからもずっとよろしくお願いします」

922: 2020/04/04(土) 22:38:15.41 ID:H0hq7qCy.net
とりあえずここで一区切りです。
もう少し続く予定ですが、100レス以上続くかもしれないので新しいスレで書こうと考えています。
明日か明後日に書き始めていこうと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

栞子「付き合ってほしい?」【後編】

引用: 栞子「付き合ってほしい?」