919: 2019/07/22(月) 09:11:04.68 ID:WDd4hgM6O
920: 2019/07/22(月) 09:11:30.56 ID:WDd4hgM6O
――有咲の蔵――
戸山香澄「さーやぁー」イチャイチャ
山吹沙綾「香澄ぃー」イチャイチャ
921: 2019/07/22(月) 09:12:09.84 ID:WDd4hgM6O
――有咲の蔵 階段前――
市ヶ谷有咲「…………」
有咲「……はぁ」
有咲「はいはいさーかすさーかす。りみんとこ行こーっと」
922: 2019/07/22(月) 09:12:59.81 ID:WDd4hgM6O
――牛込家 玄関前――
有咲「はーホント、アイツら本当にもう」
有咲「なーんでわざわざ蔵でイチャつくんだよ、本当にもう」
有咲「あーあー、おかげですっかりりみん家に来慣れちゃったしなぁー、合鍵まで貰っちゃったしなぁー」
有咲「本当参っちゃうよなーったくもーしゃーねーからなぁホント……へへ」ガチャ
有咲「勝手知ったる牛込家っと……おじゃましまーす」
有咲(さってと、りみの部屋行こ)スタスタ
923: 2019/07/22(月) 09:14:24.93 ID:WDd4hgM6O
「……だよ」
「それなら……」
有咲(……ん? りみの部屋から声が聞こえんな)
有咲(この時間は大体ひとりだからいつでも来ていいよ、なんていつも言ってくれてるけど……あれかな、今日はお母さんとかお父さんがいるのかな)
有咲(やべ、リボン曲がってねーよな。みっともないって思われないようにシャンとしないと……)イソイソ
924: 2019/07/22(月) 09:15:08.41 ID:WDd4hgM6O
「それじゃあ始めるね」
「うん……」
有咲(って、あれ? ドア越しでくぐもってるけど……これ、おたえの声か?)
有咲(はぁ~……なんだよ、無駄に緊張しちまったよ)
花園たえ「りみ、緊張してる?」
牛込りみ「えと、ちょっと……」
たえ「大丈夫だよ。痛くしないから、安心して私に全部任せて」
りみ「う、うん……ひゃっ」
有咲「!?」
925: 2019/07/22(月) 09:15:45.11 ID:WDd4hgM6O
有咲(え、ちょ、え!? 何いまの声!?)
たえ「ちょっと力が入ってるかな。もっとリラックスしないとダメだよ」
りみ「で、でも、こんなこと、友達にされたことないから……」
有咲「!?!?」
たえ「そうなんだ、初体験なんだね。それじゃあゆっくり行くよ」
有咲「ちょっと待てぇぇ――!!」ドアバァン
926: 2019/07/22(月) 09:16:39.53 ID:WDd4hgM6O
りみ「きゃっ!?」
たえ「あ、いらっしゃい、有咲」
有咲「いらっしゃい、じゃねぇーっ! おたえ、お前、りみに何してんだよ!!」
たえ「何って、耳かきだよ」
有咲(なんて平然と抜かすおたえは床に置いたクッションの上に正座してて、その上にりみが頭を乗せてる)
有咲(りみは私と目が合うと、ちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめてもじもじしてる。かわいい)
有咲(って、今はそうじゃなくて……)
927: 2019/07/22(月) 09:17:29.54 ID:WDd4hgM6O
有咲「どういうつもりだよ、おたえ!!」
たえ「どういうつもりって? 私はりみに耳かきしてあげてるだけだけど」
有咲「それだよそれ! ずるいぞっ、私がいつかしようと思ってたのに!!」
たえ「残念、早い者勝ちだよ」カキカキ
りみ「ひゃっ」
たえ「りみの耳、綺麗だね」
りみ「え、えっと……ありがとう」
有咲「あああ……!」
たえ「ふんふんふーん♪」カキカキ
りみ「あ、そこ気持ちいいかも……」
たえ「ふふ、耳かき、得意なんだ。いつもオッちゃんたちとかお母さんにしてあげてるから」カキカキ
りみ「そうなんだ……」
有咲「ぐぬぬっ……!」
928: 2019/07/22(月) 09:17:56.77 ID:WDd4hgM6O
有咲(なんだ……なんだこれ!)
有咲(まるでお預けをくらった犬みたいというか……NTRビデオレターを目の前で見せつけられてるみたいな感覚!!)
有咲(いやそんな経験人生で一度もないけど!! でも多分これそんな感覚!!)
929: 2019/07/22(月) 09:18:28.94 ID:WDd4hgM6O
りみ「…………」
たえ「りみ? どうかした?」
りみ「あ、えっと……その、おたえちゃん」
たえ「うん」
りみ「もう片方の耳は、有咲ちゃんにしてもらいたいなぁって」
有咲「りみ……」
有咲(りみが私を求めてくれている。うれしい)
有咲(けどおたえがそれをあっさり聞くわけ……)
たえ「いいよー」
有咲「えっ、いいの?」
930: 2019/07/22(月) 09:18:59.52 ID:WDd4hgM6O
たえ「うん。それじゃあちゃっちゃと終わらせちゃうね」カキカキカキ
りみ「んっ……ふわぁ……」
たえ「はい、最後にこのふわふわの部分……ぼんてんって言うんだって。これで軽く掃除しておしまいっ」
りみ「ありがとね、おたえちゃん」ムクリ
たえ「どういたしまして。耳かきするの好きだから、私が恋しくなったらいつでも言ってね」
931: 2019/07/22(月) 09:19:28.01 ID:WDd4hgM6O
たえ「さ、それじゃあ次は有咲の番。このクッションどうぞ」
有咲「あ、ああ……」
有咲(おたえにクッションを譲られて、その上に正座する)
たえ「はい、これ耳かきと綿棒。ティッシュはそこにあるからね」
有咲「う、うん……さんきゅ」
有咲(道具一式を手渡されて、おたえはりみのベッドを背もたれにして座る)
りみ「それじゃあ、その……よろしくお願いします、有咲ちゃん」
有咲「え、えっと……こちらこそ」
有咲(なんかやたらと居住まいを正して、三つ指をつきそうなりみ)
有咲(…………)
有咲(やべぇ、なんかすげー緊張してきた!)
932: 2019/07/22(月) 09:19:55.51 ID:WDd4hgM6O
りみ「膝に頭のせるね?」
有咲「えと、どうぞ……」
りみ「よいしょ、っと」ゴロン
有咲「……っ!」
りみ「お、重くないかな?」
有咲「いやっ、全然、重くないぞ!」
有咲(正直に言うと、人間の頭って意外と重いんだなぁーという気持ちがなくもない)
有咲(けどなんだこれ、りみの重さを膝の上に感じると……なんだこれ!)
有咲(なんでこんな幸せな気持ちが……!)
有咲(やべー! 勢いだけでおたえに対抗したけど、これやべーって!)
有咲(私に身を任せるりみとかもう本当にやべーって!)
有咲(最悪氏ぬぞ、私!)
933: 2019/07/22(月) 09:20:22.02 ID:WDd4hgM6O
りみ「私の耳……変じゃないかな……?」
有咲「い、いや、全然変じゃないぞ! 綺麗な形してるし、それになんか小さくて可愛いっ!」
りみ「そ、そう? えへへ……よかったぁ」
有咲(オイオイオイ、氏ぬわ私)
有咲(褒められたのが嬉しかったのか、膝の上のりみがほにゃりとはにかむりみとか……)
有咲(かわいい。どうすればいいんだよ、こんちくしょう……)
934: 2019/07/22(月) 09:20:52.78 ID:WDd4hgM6O
有咲「…………」
りみ「…………」
たえ「しないの、耳かき?」
有咲「えっ!?」
たえ「しないなら私がそっちもやるよ?」
有咲「わ、私がするから大丈夫! おたえは気にすんな!」
たえ「ん、分かった」
有咲(そうだよな、耳かきだもんな……)
有咲(この棒をりみの小さな場所に入れて……綺麗にするんだよな)
935: 2019/07/22(月) 09:21:22.05 ID:WDd4hgM6O
有咲「え、えーっと、りみ?」
りみ「は、はいっ」
有咲「その……初めてだから下手くそかもだけど……」
りみ「だ、大丈夫っ。私、有咲ちゃんのこと……信じてるから」
有咲「お、おう……ありがとな。それじゃあ……入れるぞ?」
りみ「う、うんっ……!」
有咲「…………」プルプル
有咲(あーやべー手が震えるやばいってこれ下手なことしたらりみが傷付いちゃうじゃんしっかりしろよ私!)
有咲(1回深呼吸して……よ、よしっ!)
936: 2019/07/22(月) 09:21:48.13 ID:WDd4hgM6O
有咲「っ……」ピト
りみ「ひゃっ……!」
有咲「あ、わ、悪ぃ! 痛かったか!?」
りみ「う、ううん、ちょっとびっくりしただけだから……」
有咲「そ、そっか……その、痛かったらすぐに言ってくれよな?」
りみ「うん……」
937: 2019/07/22(月) 09:22:37.05 ID:WDd4hgM6O
たえ「…………」
有咲「……な、なんだよ、おたえ。何か言いたげじゃねーか」
たえ「うん、なんか工口チックだなぁって」
りみ「え、えろ……!?」
有咲「は、はぁ!?」
たえ「別のことしてるみたい」
有咲「うるせー! 黙って見てろ!」
たえ「はーい」
有咲「ったくもー……!」
りみ「…………」
有咲(あーもう! そんなこと言うからりみも真っ赤になって黙っちゃったじゃん!)
有咲(あーもう、ホントもう!! かわいいなぁ!!)
938: 2019/07/22(月) 09:23:24.75 ID:WDd4hgM6O
有咲「その、りみ? 続きやるぞ?」
りみ「うん……」
有咲(痛くならないように、ゆっくりゆっくり……)カキカキ
りみ「んっ……」ピク
有咲(最初は浅いところから、それで徐々に深い場所って方がいいよな……)カキカキ
りみ「ふわっ……」
有咲(……ん、あれ? りみ、この辺掻くと)カリカリ
りみ「んー……はぁ~」
有咲(あ、ここ……好きなんだ。気持ちよさそう)カリカリ
939: 2019/07/22(月) 09:23:53.13 ID:WDd4hgM6O
りみ「んん……」
有咲(あー……やばい、だんだん楽しくなってきちゃった。りみをもっと気持ちよくさせたいな)カキカキ
有咲(他にどこか好きなのかな。あんまり強くするとアレだし、ゆっくりじっくり探してみよう)カリカリ
りみ「……えへへ」
有咲「……へへ」
940: 2019/07/22(月) 09:24:50.76 ID:WDd4hgM6O
たえ「あ、そうだ。急用を思い出した」
有咲「え?」
たえ「そういえば用事があったんだ。私はここらへんでお暇するね」
有咲「え、あ、ああ」
りみ「なんだかごめんね。遊びに来てくれたのに、私ばっかり耳かきとかしてもらって……」
たえ「平気だよ。さっきも言ったけど、私、耳かきしてあげるの好きだから」
たえ「それじゃあね、有咲、りみ。また明日」
有咲「おう……また明日」
りみ「気をつけてね、おたえちゃん」
たえ「ん、ありがと。じゃあね」ガチャ、バタン
941: 2019/07/22(月) 09:25:20.88 ID:WDd4hgM6O
りみ「行っちゃったね、おたえちゃん……」
有咲「そうだな……」
有咲(やけに白々しい言い方だったけど……もしかしておたえのやつ、初めからこのつもりだったのか……?)
有咲「…………」
りみ「……有咲ちゃん」
有咲「え?」
りみ「あの……私から言うのもなんだけど……続き、して欲しいな?」
有咲「あ、お、おう! だんだん要領も分かってきたし、任せとけ!」
有咲(おたえのことだから真相は分からねーけど……でも)
有咲「……サンキュー、おたえ」
942: 2019/07/22(月) 09:26:03.91 ID:WDd4hgM6O
――牛込家近く――
たえ「ふんふふんふふーん♪」
たえ(有咲とりみが楽しそうになってくれて嬉しいなぁ)
たえ(沙綾と香澄も仲良し、有咲とりみも仲良し。みんな仲良しっていいことだ)
たえ(でも……うーん、なんだか私だけちょっと仲間外れな気持ちがして寂しいような、そうじゃないような……)
たえ(誰か知り合いでもいないかなぁ)キョロキョロ
943: 2019/07/22(月) 09:26:44.49 ID:WDd4hgM6O
松原花音「ふえぇ……ここどこぉ……?」
たえ「第一村人発見だ。花音せんぱーい!」
花音「ふぇ? あ……たえちゃん」
たえ「こんにちは。お散歩ですか?」
花音「う、うん……そのつもりだったんだけど……気付いたら知らない場所にいて……」
たえ「ここはりみの家の近くですよ」
花音「そうなの?」
たえ「はい、そうなんです」
944: 2019/07/22(月) 09:27:32.99 ID:WDd4hgM6O
花音「そうなんだ……。え、えっと……たえちゃん?」
たえ「はい?」
花音「もしよかったら、駅まで案内してくれないかな……?」
たえ「任せてください。花園ランド行きの電車にご案内しますね」
花音「え、花園ランド?」
たえ「うさぎもたくさんいますよ」
花音「うさぎさん……?」
たえ「さ、行きましょう」パッ、タタタ
花音「えっ!? た、たえちゃん!?」
たえ「いざーゆけー♪ はなーぞのーでーんきギターぁーとべー♪」
花音「も、もっとゆっくり走ってぇ~……!」
このあとおたえの部屋でめちゃくちゃ耳かきした。
945: 2019/07/22(月) 09:28:09.74 ID:WDd4hgM6O
―電柱の陰―
「いきなり現われて、迷子の花音の手を取って連れ去る……どういうつもりかしらね。これは色々と問い質す必要があるわ」
とか謎の影が言ったり、それからというものかのちゃん先輩がやたらと自分の耳を気にするようになったり、かのちゃん先輩誘拐現場を偶然目撃した千聖さんがおたえに詰め寄ったりするのはまた別のお話。
おわり
946: 2019/07/22(月) 09:29:43.88 ID:WDd4hgM6O
りみりんに耳かきしたいです。そんな感じのアレでした。
この話でスレを終わりにするつもりでしたが、普通にまだ埋まりませんでした。
こういう考えなしなところが自分の人生にそっくりだなぁと思いました。
引用: 【バンドリ】短編



コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります