769: 2013/11/11(月) 05:29:12.36 ID:zxeSPfQlo
第348話 撫子と千鶴 1

公園

千鶴「……」ペラ

撫子「(あれ? 池田千歳ちゃんかな?)」

撫子「池田ちゃん?」

千鶴「……」ビクッギロ

撫子「(あれ!? 人違いだった? ていうかすごい睨まれた)」


・・・・・・・・・・・・・・

楓「でね。その人千鶴お姉ちゃんて言うの!」

花子「楓もよくお姉さんに遭遇するし。花子もよく遭遇するけど」

楓「でね! 千鶴お姉ちゃんはね。クールなんだけど、笑った顔がすごいすてきなの!」

花子「撫子お姉ちゃんみたいな感じかし?」

楓「確かに雰囲気は撫子お姉ちゃんそっくりかもしれないの!」

撫子「なに? 何の話?」

楓「撫子お姉ちゃんそっくりのお姉ちゃんがいるの!」

撫子「ドッペルゲンガー!?」

花子「いやいや、そっくりっていうか性格が似てるって話だし」

撫子「ふーん。いくつぐらいなの?」

楓「う~ん、わからないけど、ああ! 思い出した! そういえば京子お姉ちゃんと一緒に話してたから多分同い年か一個上か……」

撫子「いづれにしても中学生か」

花子「もしかしたら櫻子が知ってるかもしれないし」

楓「探してくるの!」

撫子「いや、そこまでしなくても……」

櫻子「アイスアイスー」ガラ

楓「ちょうどいいの!」

花子「捕まえるし!」

櫻子「うぉ! なんだなんだ!」



櫻子「え? 千鶴お姉ちゃん? ああ、多分それ池田先輩の妹だ」

撫子「じゃあいっこ下? 櫻子と同い年?」

櫻子「いやいや違うんだよ。池田先輩は千歳って名前なんだけど、双子の妹がいて千鶴って名前だって聞いた。結局池田先輩だけど」

撫子「ふーん、そうなんだ」

櫻子「京子先輩と仲よかった気がするよ」

撫子「ああ、あの子は誰とでも仲良くなれそうだもんね」

・・・・・・・・・・・・・・

撫子「(という話を5月ぐらいにしたところ。6ヶ月経って例の人物に遭遇したみたいだ)」

千鶴「確かに私は千鶴ですけど? どちら様ですか?」

撫子「(あはは、もう声かけちゃったから自己紹介するか)大室撫子です」

第348話 撫子と千鶴 1 終わり
ゆるゆり: 24【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)
771: 2013/11/11(月) 20:15:02.38 ID:Fy+iNTA3o
第349話 撫子と千鶴 2

千鶴「あの? 何か用ですか?」

撫子「あ、いや。千歳ちゃんかと思って声かけちゃった」

千鶴「姉さんと知り合いですか?」

撫子「うん。前に生徒会の人たちで遊びに来たことがあって。うちの妹が生徒会だからさ」

千鶴「確か、大室櫻子さん」

撫子「そうそう櫻子。綾乃ちゃんと松本りせちゃんと西垣先生 が一緒に来たね。それにしても綾乃ちゃんと千歳ちゃんは仲いいねー」

千鶴「杉浦さんと姉さんの話を詳しく!!」ギラギラ

撫子「え? どういうこと?」

千鶴「失礼しました……コホン、杉浦さんと姉さんが大室さんの家に来たときのこと話してもらえませんか?」

撫子「ああ、うちに来た時の話ね」

千鶴「ここではなんですので、ちょっとそこでお茶でもしながら。私がおごりますんで!」

撫子「いや、年下におごってもらうのは悪いよ」

撫子「じゃあ行こうか?」

千鶴「はい! 撫子先輩」ダバー

撫子「うん(よだれ出てる。指摘してあげたほうがいいのかな……)」

喫茶店

千鶴「それで、どんなことがあったんですか!?」

撫子「いや、とりわけ話すことでもないんだけど、前来た時は綾乃ちゃんが櫻子の下の妹の花子に夢中だったね」

千鶴「はい」

撫子「あと、千歳ちゃんもかわいがってくれてたなー」

千鶴「はい」

撫子「うん」

千鶴「はい」

撫子「……」

千鶴「……それだけですか?」

撫子「いや、それだけって何が聞きたいの?」

千鶴「聞きたいのは姉さんと杉浦さんの絡みです!」

撫子「あ、そっち?」

千鶴「当然です!」

撫子「(当然なのか……)」

撫子「うん、すごい仲よかったね。うちに来てた時も花子と話すのをためらう綾乃ちゃんにアドバイスしてたり。2人でコソコソ内緒話してる感じだったね」

千鶴「キマシタワー」ダバー

撫子「ちょっとちょっと、千鶴ちゃん! よだれ出てる! 何か拭くもの!!」

第349話 撫子と千鶴 2 終わり

772: 2013/11/12(火) 21:27:09.38 ID:K+N+xWoL0
第350話 撫子と千鶴 3

千鶴「他にはないんですか!?」ギラギラ

撫子「うーん、今話したことぐらいかなぁ。なによりも結構前だからもう忘れたよ(やっぱり変な子だなぁ)」

千鶴「そうですね。というかこんなこと聞いてごめんなさい」

撫子「いや、いいよいいよ」

撫子「千鶴ちゃんは、綾乃ちゃんと千歳ちゃんがくっつくのが好きなの?」

千鶴「もちろんです!」

撫子「へぇ。変わった子だ。自分はいいの?」

千鶴「私は見てるだけで満足できますから」

撫子「そっか」

千鶴「でも、杉浦さんは歳納京子のことが好きみたいで」

撫子「え? 京子ちゃん?」

千鶴「知ってるんですか?」

撫子「よくうちに遊びに来るよ」

千鶴「クソッ! 歳納なんたらのやつ杉浦さんだけじゃなく大室さんにまで!」

撫子「乱暴な言葉はよくないよ」

千鶴「でも、アイツのこと考えると」

撫子「せっかくの可愛い顔が眉間にしわ寄っちゃうよ」

千鶴「か、かわいい!?」

撫子「あれ? 気づいてなかったの? 千鶴ちゃんすごい可愛らしいよ」

千鶴「そんなこと言われたことなかったので」

撫子「千歳ちゃんは可愛いと思う?」

千鶴「もちろんですよ!」

撫子「じゃあ可愛いよ」

千鶴「そ、そうですか……私なんて姉さんの100分の1にも満たないと思っているので」

撫子「まぁ、もっと自分に自身持ってもいいと思うよ」

千鶴「ありがとうございます」

千鶴「あの! 撫子さん!」

撫子「ん?」

千鶴「私と一緒に杉浦さんと姉さんをくっつけるの手伝ってくれませんか?」

千鶴「姉さん、杉浦さんが歳納京子のことを好きだからって自分は身を引いちゃうんです」

撫子「うーん。あまり無理やりくっつけるのは好きじゃないな。千歳ちゃんも考えあってのことだろうし」

千鶴「はい、わかってます。でもせめて自分の気持ちを伝えるぐらいはしてもいいと思うんです」

撫子「告白ってことか。まぁ確かにそのくらいならいいと思うよ。どのくらい私にできることがあるかわからないけど、手伝ってもいいよ」

千鶴「ありがとうございます! じゃああの、メールアドレスとか聞いてもいいですか?」

撫子「ああ、連絡先の交換ね。わかった」

第350話 撫子と千鶴 3 終わり

773: 2013/11/13(水) 20:26:32.55 ID:B25dtyg3o
第351話 撫子と千鶴 4

撫子「じゃあ、何かあったら連絡してね」

千鶴「はい」

撫子「帰ろうか?」

千鶴「」コク

撫子「送っていこっか?」

千鶴「すぐそこなんでいいですよ」

撫子「すぐそこなら尚更送っていくよ」

千鶴「じゃあお言葉に甘えて」



千鶴「大室さんの妹さんっていくつなんですか?」

撫子「花子は8、小学2年」

千鶴「結構歳離れてるんですね」

撫子「一回り近く違うね。でも可愛いよ」

千鶴「うちは1つも違わないので歳の離れた兄弟はどういう感じなのかわからないです」

撫子「普通に話すけどね」

撫子「そして、櫻子は13」

千鶴「櫻子さんの話は姉さんからたまに聞きます。なんでも幼なじみの古谷さんととても仲がいいみたいで」

撫子「千歳ちゃんは見る目あるね。むしろ私はそっちをくっつけたいんだけどね」

千鶴「え? そういう関係なんですか?」

撫子「お互いまだ気づいてないけど、両思いだよ」

千鶴「そうなんですか。って撫子さんも身近な人くっつけたがってるじゃないですか!」

撫子「あはは、ホントだ」

撫子「あ、ついたよ」

千歳「あ、千鶴おかえりー」

千歳「あれ? 撫子さんと一緒にいるん? どうしたん?」

撫子「いや、千歳ちゃんかと思って声かけたら、千鶴ちゃんだった」

千歳「あははは。似てますからねー。そっくりでびっくりしたでしょう?」

撫子「うん、びっくりした」

撫子「じゃあ、またこんどね。千鶴ちゃん、千歳ちゃん」

千歳「はい。お気をつけてー」

千鶴「はい。今日はありがとうございました」

千歳「えー? なにかあったん?」

千鶴「姉さんには内緒」

千歳「うちだけ仲間はずれかー」

第351話 撫子と千鶴 4 終わり

774: 2013/11/14(木) 17:13:45.29 ID:pnGSVuEF0
第352話 撫子と千鶴 5

翌日 撫子帰宅途中

藍「でねーそこのケーキが美味しくて」

美穂「えー、私も行きたーい!」

めぐみ「給料振り込まれれば」

撫子「……(あれは京子ちゃんと結衣ちゃんだ)」

京子「結衣ー!!」

結衣「もう京子ったら、そんなにベタベタくっつくなよ」

撫子「(いつも通り仲がいいな)」

京子「いいじゃん別に。私は結衣の彼女なんだから」

結衣「そ、そういうのは外で大声で言うなって」

撫子「(え!? 2人ってそういう関係だったの!?)」

藍「撫子はどうするー?」

撫子「(なんてことだ。これじゃあ綾乃ちゃんの恋は報われない)」

藍「撫子ー!!」

撫子「あ、ああ。ケーキね、うん私も行くよ」

藍「違うよ今からマック行くかどうかって話」

美穂「さっきから、ぼーっとしたりアンニュイな顔したりなにか悪いものでも食べた?」

撫子「いやごめん」

めぐみ「撫子がぼーっとして人の話聞いてないなんて珍しい」

撫子「めぐみはしょっちゅうだけどね」

めぐみ「なにその私が人の話聞いてないみたいな言い方!?」

藍「あはは」


帰宅

撫子「でもよくよく考えたらタダの恋人ごっこかもしれない。あの2人は幼なじみだしそれくらい冗談でやりそうだ」

ピピピッ

撫子「ん? 携帯?」

From 千鶴

撫子さん、私歳納京子と船見結衣がキスしてるの今日見ました。


To 千鶴

え?千鶴ちゃんも見たの?私も京子ちゃんが結衣ちゃんに彼女だって言ってるところ見た
千歳ちゃんに話した?

From 千鶴

というか、姉さんと一緒に見たんです。すごい悲しんでました。

撫子「……」

prrrrr

千鶴『はい』

撫子「ごめん電話掛けちゃって」

千鶴『いえ、大丈夫です』

第352話 撫子と千鶴 5 終わり

775: 2013/11/16(土) 22:33:18.55 ID:sQTCFcQpo
第353話 撫子と千鶴 6

撫子『でもこういっちゃなんだけど、千歳ちゃんにとって綾乃ちゃんをゲットできるチャンスなんでは?』

千鶴「私も……私も最初はそう思いました。これで、姉さんが杉浦さんと付き合えるって! でも……」

千鶴「姉さん、「綾乃ちゃんがなぁー」、「報われないなぁ……ホント」ってずっと言ってて、それだけしか言わないんです。私が話しかけても虚ろな目をしてて」

撫子『……』

千鶴「姉さんにとって、杉浦さんの恋を応援することが本当に大切なことだったから」

千鶴「だから、たぶん自分の失恋のようにショックなんだと思います」

撫子『そっか……邪なことを考えてた自分が恥ずかしいや』

千鶴「いえ、私も同じでしたので」

撫子『綾乃ちゃんはまだ京子ちゃんと結衣ちゃんが付き合ってるってことは知らないんだよね?』

千鶴「はい、そこも難しいところで。じきにバレるとは思うんですけど」

千鶴「こんなことなら、私も姉さんもこんな事実知らなければよかった!!」

撫子『……』

千鶴「撫子さん! 私、どうすればいいのかわかりません!!」

撫子『千鶴ちゃん、まずは落ち着こう』

千鶴「はい、すみません。取り乱してしまって」

撫子『大丈夫。とりあえず、千鶴ちゃんはどうしたいか考えよう』

千鶴「え? どうしたいか? ですか?」

撫子『うん、どうすればじゃなくて、どうしたいかね。これって同じように思えて全然違うことだから』

千鶴「私は……どう、したいんだろう……」

撫子『……』

千鶴「私は……。……姉さんに幸せになってほしいです」

撫子『うん、なるほど。じゃあ、そのためには何をすればいいかな?』

千鶴「何をすればですか?」

撫子『うん、目的が千歳ちゃんの幸せなら、そのために何が必要かってこと』

千鶴「杉浦さんに不幸な思いをしてほしくないんだと思います」

撫子『なるほど、確かにそれが答えだと思うよ。事実として、綾乃ちゃんの恋は報われない。そして、いつか必ずそれを知る日がやってくる。千歳ちゃんにとってそれを自分が知ってしまったということが今苦痛として感じていることだろうね』

千鶴「はい」

撫子『でもね。千鶴ちゃんは大切なものを1つ抜かした』

千鶴「え?」

撫子『千鶴ちゃん、千歳ちゃんと一緒に悩んであげた? どうすればいいのか一緒に考えてあげた?』

千鶴「い、いえ。こういうときの姉さんには何を言っても無駄ですので」

撫子『いや、それは思い込みだよ。千鶴ちゃん。つい姉妹だといつも一緒だから何考えてるのかとか、今なに考えてるのかとか大体分かっちゃうけど、深く悩んでるときには腹を割って話さなきゃわからないことだってあるんだよ』

千鶴「な、なるほど。つまり今姉さんに私ができることっていうのは」

撫子『うん、とりあえず話を聞いてあげるか。出来なかったらそばにいるだけでもいいと思うよ』

千鶴「はい。でも具体的にどうやって聞けばいいのか」

撫子『ただ一緒に悩んであげるだけでいいと思うよ。でももうちょっとヒントというか方針を出すと、いつか綾乃ちゃんが失恋する日がくると思う。そう遠くない日にね。で、その綾乃ちゃんを支えられるのは千歳ちゃんだけだと思うんだ。だから、そのときまでに、綾乃ちゃんを支えられるような強さを千歳ちゃんに持ってもらうことを話しの目標にすればいいんじゃないかな?』

千鶴「なるほど。なんだかすっきりしました! ありがとうございます。撫子さん!」

撫子『いやいや、私はアドバイスしか出来ないから。これから頑張るのは千鶴ちゃんと千歳ちゃん。それじゃあ頑張って』

第353話 撫子と千鶴 6 終わり

776: 2013/11/17(日) 22:08:16.28 ID:3RiDLyZNo
第354話 撫子と千鶴 7

千歳「……」

千鶴「姉さん」

千歳「千鶴、うちどうしたらええかわからへん……」

千鶴「うん」

千歳「綾乃ちゃんに伝えるのがええのか。そのまま黙ってる方がええのか」

千歳「でも放っておいてもいずれバレるんよ」

千歳「ホンマ、どうすればええかわからへん……」

千鶴「うん、そうだよね。わからないよね……」

千歳「綾乃ちゃんがこの事実を知ったら悲しむんや! そんな綾乃ちゃん。うち見たくない

!」グスッグス

千歳「どうすればええの! 千鶴!!」ガシッグスッグス

千鶴「姉さん」ナデナデ

千歳「うわぁあああああああん」

千鶴「……」ナデナデ

千鶴「……(こんな姉さん見てるのは辛い! でも今は我慢しないと)」ナデナデ



千歳「ヒッグヒッグ!!」

千鶴「落ち着いた?」

千歳「ごめん千鶴」

千鶴「いや、いいよ」

千鶴「たぶん、姉さんがしなきゃいけないことは」

千歳「うん、わかっとる。綾乃ちゃんが事実を知った時に立ち直れるまでそばにいてあげることや」

千鶴「うん。そうだね(撫子さんの言ったとおりだ。姉さんにはそうであってもらわないと)」

千鶴「でももしかしたら杉浦さんには今日見たこと伝えた方がいいかもしれない」

千歳「そらなんで?」

千鶴「杉浦さんの思いがその間無駄になるからっていうのと、姉さんから伝えたほうが事実を見るよりショックが少ないかなって」

千歳「確かになぁ。そうかもしれへん。でも無理や、うちから伝えることはできへん」

千歳「綾乃ちゃんを悲しませる原因にはなりたくないんや。自分の保身だっちゅうのはわかっとる! でも仕方ないんや」

千鶴「そっか。まぁそういう選択をするのもありだと思うよ」

千歳「千鶴は優しいなぁ……ありがとな、今日は」

千鶴「いや、いつでも悩みがあったら話していいよ。姉妹なんだから」

千歳「せやなー」ニコ

千鶴「(よかった。姉さん元気になって、一応は。撫子さんありがとうございます)」

第354話 撫子と千鶴 7 終わり

777: 2013/11/19(火) 20:03:09.25 ID:XozYpUrBo
第355話 撫子と千鶴 8

千鶴「いきなり電話してすみません」

撫子『いや、いいよいいよ』

千鶴「それで姉さんのことなんですが」

撫子『うん、メールで見る限りいい方向に持っていけてるね』

千鶴「撫子さんのおかげです」

撫子『いや千鶴ちゃんのがんばりだよ』

千鶴「ありがとうございます。……でも1つ懸念が」

撫子『うん、綾乃ちゃんに伝えるかどうかで悩んでるんでしょ?』

千鶴「なっ、なんでわかったんですか?」

撫子『いや、千鶴ちゃんならそう考えそうだなって思って』

千鶴「なんでもお見通しなんですね」

撫子『そんなことないよ。たまたまあたっただけ。……でもこれは難しい問題だね』

千鶴「私は伝えたほうがいいと考えてます。その方がショックが少ないだろうって」

撫子『……。伝えた方がいいのはわかるけど、問題は伝えられるかどうか』

千鶴「……」

撫子『綾乃ちゃんはたぶん落胆するだろうし、ヘタしたら泣いちゃうかもしれない。そんなときに伝えたって罪悪感に押しつぶされないでいられる?』

千鶴「……わ、わからないです。でも姉さんはそれが出来ないって言ってました」

撫子『うん、そうだろうね。自分が傷つける立場にいるんだから』

千鶴「……ですよね」

撫子『あのさ、後1日だけ待っててくれない? そうしたら私がなんとかするから』

千鶴「え? 何をするんですか?」

撫子『まぁ、なんとか丸く収めるからさ。今日はこの辺で』

千鶴「……」

第355話 撫子と千鶴 8 終わり

779: 2013/11/20(水) 18:46:14.69 ID:Yybpadlk0
第356話 撫子と千鶴 9

2日後

池田家 19:00

千鶴「姉さん、今日は遅いな」

千歳「ただいまやで」ドサ

千鶴「姉さん、お帰り」

千歳「千鶴、綾乃ちゃん知ってもうた」

千鶴「え?」

千歳「綾乃ちゃん、歳納さんと船見さんが付き合ってること知ったんや」

千鶴「だ、大丈夫だったの?(なんでこのタイミングで)」

千歳「……撫子さんから聞いたみたいで、そのことを知った後歳納さんに直接確認しにいったんや。それで歳納さんは『うん』って」

千歳「綾乃ちゃん、案の定悲しんでた。その場ではすまし顔でおめでとうなんて言っちゃってたけど、生徒会室に帰ったらワンワン泣いて、大変だったで」

千鶴「そっか(なるほど、撫子さんのなんとかするっていうのは自分から伝えるってことだったんだ。でもなんで撫子さんが……)」

千歳「ちょっと撫子さん呼んでくれへん?」

千鶴「え?」

千歳「うち、知っとるで最近千鶴と撫子さんが仲良くしとったの」

千鶴「わかった」

prrrrr

撫子『はい』

千鶴「あの、姉さんが会いたいって」

撫子『わかった。あの公園でいい?』

千鶴「かまいません」

780: 2013/11/20(水) 18:47:09.04 ID:Yybpadlk0

公園

撫子「千歳ちゃん、千鶴ちゃん」

千歳「わざわざ来てくれてありがとうございます。撫子さん」

千歳「撫子さん、綾乃ちゃんに伝えたんですか? 歳納さんと船見さんが付き合っとること」

撫子「うん、そうだよ。私が伝えた」

千歳「撫子さん、どこでこのことを知ったかしらんけど、なんでこんなとこを!」

千鶴「ちょっと」

撫子「……」

千歳「正直言って余計なお世話や!!」

千鶴「姉さん、そこまでいう必要は」

撫子「……」

千歳「撫子さんは! 綾乃ちゃんの涙は見たんか!? 見てないやろな! 素っ気なくメールで伝えたんやからな!! 綾乃ちゃん悲しがってたんやで!! すっごい泣きわめいて!! もう見てられないぐらい!! うぅ……」ヒッグ

撫子「……ごめん」

千鶴「ちょっと姉さん! いい加減にして! 撫子さんは私達がやらなかったことを! 出来なかったことをやっただけなんだよ!!」

千歳「そうやけど!! そうやけど!!! うぅ……ヒッグ、言わなきゃアカンことやったんや!! 知っていながら何も対処できない、うちが最低なのはわかっとるんや!!」

千歳「うわぁあああああああん!!」ヒッグヒッグ

千鶴「姉さん!」

千鶴「ご、ごめんなさい。撫子さん、今日は帰ります」

パシッ

千鶴「姉さん落ち着いて」

千歳「ヒッグヒッグ!」

千鶴「(もし姉さんが杉浦さんに伝えてたら姉さんが綾乃ちゃんに嫌われてたかもしれない。もし私が杉浦さんに伝えてたら私と姉さんの仲がこじれていたかもしれない……)」

千鶴「(自分だけが悪者になることですべてを解決しようとしたんだ撫子さんは……)」

千鶴「(撫子さん、せめて私に相談してくれてもよかったのに……)」

第356話 撫子と千鶴 9 終わり

781: 2013/11/21(木) 06:41:10.02 ID:0tXTRTE5o
第357話 撫子と千鶴 10

池田家

千歳「……」

千鶴「姉さん、落ち着いた?」

千歳「うん、もう大丈夫や。ごめんな心配かけて」

千鶴「いや、いいよ。私は姉さんが倒れそうなときは支えてあげられる。だから、姉さんは

杉浦さんが倒れそうなときに支えてやってあげて」

千歳「うん、そうやな。ありがとうな千鶴」

千鶴「……」

千歳「落ち着いたら撫子さんにとんでもないこと言ってしもうたことに気づいた」

千鶴「いや、しょうがないって。撫子さんはそう言われるのすべて承知で覚悟していたんだ

し。撫子さんなら大丈夫だと思うよ。むしろそのことを気にして姉さんが落ち込むようならそ

れを気にする人だと思うから」

千歳「すまんなぁ。うちが自分勝手で……」

千鶴「いや、大丈夫だよ。姉さんがそう思ってくれたなら撫子さんは多分安心すると思うよ」

千歳「千鶴はいつの間に撫子お姉さんっ子になったんやね~。もう以心伝心かぁ?」

千鶴「なっ/// そんなことない! それよりも姉さんはやらなきゃいけないことあるでしょ?」

千歳「そうやな。うちは綾乃ちゃんを支えてやらなアカンや」

千鶴「そうそう」ホッ

それから、姉さんは杉浦さんのそばにいつもいた。今までも一緒にいることが多かったけど、さらに一緒にいることが多くなった。杉浦さんは前の杉浦さんに戻りつつあった。

そして、幾日が過ぎた

綾乃「おーい、千歳ー! 早くしないと遅刻よー!!」

千歳「うん、いま行くで~千鶴も一緒に行くん?」

千鶴「いや、姉さんの後(うしろ)から(ついて)行くから」ダバー

千歳「あとからくるんやな? まぁそれならええや。あまり家でるの遅れんようにな~」

千鶴「ダバー」フキフキ

千鶴「」キリ

ガチャ

撫子「あっ」

千鶴「あ……」

撫子「おはよう」

千鶴「おはようございます/// 撫子さんっていつもココ通ってましたっけ?」

撫子「いや、久しぶりに1時間目休みだからちょっと遠回りを」

千歳「千鶴に会いに来たんやで~きっとー」ドバー

綾乃「ちょっと! 千歳、2人の邪魔しちゃダメでしょ! 行くわよ!!」

撫子「……///」

千鶴「……あ、あの!」
撫子「……あ、あの!」

千鶴「どうぞ」

撫子「じゃあ、私からよかったら、今日学校終わった後お茶でもしない」

千鶴「はい! 喜んで!!」ニコ
第357話 撫子と千鶴 10 終わり

782: 2013/11/21(木) 06:57:15.67 ID:SgScyZ5I0
第358話 撫子と千鶴 11 エピローグ



撫子「あ、今日の服かわいいね」

千鶴「撫子さんが譲ってくれた服ですよ。覚えてないんですか?」

撫子「あ、そうだったわ。あはは」

千鶴「もう」

撫子「もう桜の咲く時期かぁ」

千鶴「撫子さん、もう大学生なんですね。早いです」

撫子「月日は残酷に過ぎていくもんなんだよ」

千鶴「でも、もう付き合い始めて半年が経つんですね」

撫子「いろいろあったけどね」

千鶴「というか、私達の馴れ合いって何が原因でしたっけ?」

撫子「いや、私が千鶴と千歳ちゃんを間違えてね」

千鶴「ふふふ、そうでした」

撫子「ん、やっぱり千鶴は笑うと可愛いね」

千鶴「え?/// そ、そんなことないです!!」

千鶴「ていうか、あれ完全にナンパでしたよね?」

撫子「言われてみれば……ははは」

「ねぇ見てみてあの2人組、両方共凄いクール」

千鶴「なんだか注目されてますね」

撫子「まぁ髪質も似てるし、もしかしたら姉妹だと思われてるかもね」

千鶴「無表情にしてると怖いッて言われますし」

撫子「それは私も」

千鶴「ぷっふはは」

撫子「ふっあはは」

千鶴「撫子さんも……笑うと可愛い」

撫子「ちょっとー私年上だよー 可愛いじゃなくて美人とかにしてよー」

千鶴「なんかキャラ変じゃないですか?」

撫子「千鶴がクールキャラやってるんで、私は年上キャラ演じようと」

千鶴「でも今のしゃべり方だと、年上だけど年下に見られてる年上みたいなキャラですよ」

撫子「うん、私もそう思った。ていうか、私って元々うちでは一番年上だし、普通にお姉さん

キャラだと思うんだよね」

千鶴「はい、そう思います」

撫子「つまり、千鶴が大人びてるだけかぁ」

千鶴「え? もっと子供っぽい方が撫子さん好みですか?」

撫子「やってみてよ」

千鶴「うち、撫子さんのこと好きなんよ~」

撫子「……」




783: 2013/11/21(木) 06:57:43.24 ID:SgScyZ5I0


千鶴「……」




撫子「……」




千鶴「な、なにか言ってくださいよ。ノーリアクションなのが一番傷つきます」

撫子「いや、あまりの可愛さに言葉を失った。もうずっとそのキャラで行こう!」

千鶴「い、いや無理ですよ! 大体方言とかもう喋れませんし」

撫子「もう一度みたいなぁ」

千鶴「無理です!」

撫子「じゃあ1月に一度程度でいいから」

千鶴「そこまでいうなら……姉さんに教えてもらいます」

撫子「ふふふ。素直でいい子だ」

千鶴「おちょくってるんですか!」

撫子「いや、おちょくってないよ。でも、こんな可愛い彼女を持てて幸せだなって」

千鶴「……あ、ありがとうございます///」

第358話 撫子と千鶴 11 エピローグ 終わり

引用: 【ゆるゆり】撫子「大室家の短編集」花子「だし!」