1: 2009/08/06(木) 20:36:53.25ID:/Qj1vAXq0
唯「だからぁ、あずにゃんうるさいって言ってるの!」

梓「で、でも、最近、全然練習してないし……その……」

律「はあ?もう文化祭も終わったんだからいいだろ」

紬「そうね、文化祭前にあれだけがんばったんだもの、骨休めは必要よ」

澪「まあ、一応軽音部の活動としてはひと段落ついたしな」

梓「み、澪先輩まで……」
映画「けいおん!」【TBSオンデマンド】

4: 2009/08/06(木) 20:40:18.97ID:/Qj1vAXq0
梓「たしかに文化祭は終わりましたけど……反省するところもたくさん……」

律「あのさぁ、なんで梓がそこで仕切るわけ?」

梓「だって……」

律「私が部長なの、わかってる?私がいいって言ってるんだから、今は反省もなにもしなくていいんだよ」

梓「そんな……先輩たちは、今よりもっとうまくなりたくないんですか!?」

唯「うまくなりたいけどぉ……あずにゃんがうるさく言うとやる気なくなるんだよねぇ」

梓「そんな……」

8: 2009/08/06(木) 20:49:49.39ID:/Qj1vAXq0
澪「梓、やる気のないときに練習しても、上達なんてしないだろ?」

梓「……じゃあいつやる気が出るっていうんですか!!」

澪「そ、それは……」

律「ああ、うざいうざい!!梓、お前後輩なんだからもっと立場を考えて発言しろよ」

梓「わ、私はただ……」

紬「梓ちゃん、この際はっきり言うわね」
紬「みんなあなたのその態度に嫌気がさしているのよ」
紬「私たちは私たちなりのペースってものがあるの」
紬「それは梓ちゃんがいない一年の間に確立されたものなのよ」

律「そうだぞ。お前がいなかった一年は、もっとのびのびとできて、しかもちゃんと文化祭も成功させたぞ」

梓「で、でもでも……」

唯「うわ、あずにゃん泣くの?泣いちゃうの?やめてよぉ」

梓「うう……」ぽろぽろ

唯「あーあ」

律「うざ」

11: 2009/08/06(木) 20:54:19.22ID:/Qj1vAXq0
律「真面目ぶるのもいい加減にしてくれよ……そういうの私大嫌いなんだよな」

澪(え?じゃあ私ももうあんまり練習しようとか言わないでおこう……律に嫌われたくないもん)

唯「そうそう、あずにゃんって、KYだよねぇ」

律「もうそのKYってのも廃れてきたよな」

唯「そうなの!?」ガーン

梓「……」

14: 2009/08/06(木) 20:57:21.74ID:/Qj1vAXq0
梓「うう……うええええん……」

律「うわあ、マジ泣きかよw」

唯「もう、こんなところで泣かないでよ、うるさいなぁ」

紬「泣くなら早く帰ったら?」

澪「そ、そうだぞ。雰囲気が悪くなるし……」

梓「わ、わかり……ひぐっ……ました……わたし、もう……やめますから!!」

バタン!!

律「あちゃー」

唯「行っちゃった」

紬「あらまあ」

澪「……」

17: 2009/08/06(木) 21:00:05.41ID:/Qj1vAXq0
梓(うう……勢いで出てきちゃったけど……)
梓(私、先輩たちが……軽音部が好きなんだ……)
梓(本当はやめたくないよぉ……)

憂「あれ、梓ちゃん?」

梓「……憂?」

憂「ど、どうしたの、梓ちゃん……」

梓「うい……ういー!!」

24: 2009/08/06(木) 21:04:59.73ID:/Qj1vAXq0
憂「なるほど、お姉ちゃんたちが……」

梓「うん……やっぱり、私が悪いのかなぁ?」

憂「そんなことないよ!特にお姉ちゃんは練習しないとすぐ忘れちゃうし……」
憂「それに、もう文化祭が終わって一ヶ月だよ?」

梓「憂……」

憂「私からお姉ちゃんたちに言ってあげる」

梓「本当?」

憂「うん。最近お姉ちゃん家でもだらだらしてるし、せっかく軽音部に入ったんだからしっかりやってほしいもん」

梓「あ、ありがとう」

27: 2009/08/06(木) 21:09:25.51ID:/Qj1vAXq0
平沢家

憂「お姉ちゃん」

唯「うーん?」だらだらごろごろ

憂「今日、梓ちゃんにひどいこと言ったんだって?」

唯「……ちぇっ」
唯「ひどいことなんて言ってないよぉ。あずにゃんがうるさいことばっか言うから」

憂「でも、練習を全然しないお姉ちゃんたちに原因があるんじゃない」

唯「……」

憂「お姉ちゃん、軽音部に入ってすごく生き生きしてた」
憂「でも、最近のお姉ちゃんはだらけすぎだよ」
憂「どうしちゃったの、お姉ちゃん」

唯「うるさいなぁ」

憂「え?」

唯「憂のばーか!!憂なんて氏んじゃえ!!」

憂「……へ?」

35: 2009/08/06(木) 21:17:22.18ID:/Qj1vAXq0
憂「な、なんでそんなこと言うの!?」

唯「憂もあずにゃんとおんなじだよ!!年下の癖に偉そうに……」

憂「べ、べつに偉そうになんて」

唯「憂はどうせ私より頭いいし、なんでもできるからそういうことが言えるんでしょっ」
唯「あずにゃんだって、私よりギターうまいから……」

憂「そ、そんな」

唯「うるさい!もう嫌い!憂もあずにゃんも大嫌い!」

憂「」

36: 2009/08/06(木) 21:20:26.35ID:/Qj1vAXq0
憂「や、やだ……いやだよ……お姉ちゃん、嫌わないで……」

唯「ふん」

憂「お姉ちゃん……」ぽろぽろ

唯「……」
唯「じゃあさ、私のお願いきいてよ」

憂「お願い?」

唯「うん、お願い」

38: 2009/08/06(木) 21:27:06.00ID:/Qj1vAXq0
翌日

梓「憂、おはよう」

憂「……」ぷい

梓「憂……?」

ひそひそ

梓「?」
梓「あ、純」

純「ひっ……」

梓「え?」

純「もう……話しかけないで」

梓「な、なんで?」

ひそひそ

梓「な、なんなの……いったい」おどおど

42: 2009/08/06(木) 21:33:07.13ID:/Qj1vAXq0
体育の時間

梓「憂……一緒に」

憂「純ちゃん、一緒に組もうよ」

梓「……」ぽつーん
梓(そういえば私……友だち少なくなったな)
梓(部活ばっかりやってたから、いつの間にか疎遠になっちゃった子もいるし)

46: 2009/08/06(木) 21:38:54.17ID:/Qj1vAXq0
体育が終わり、教室に戻る梓。

梓(なんだろ、教室が騒がしいな)

がやがや

梓「黒板になにか?」

レOビアン・中野梓にご注意!!
彼女に狙われたらいっかんの終わり!!
骨の髄まで犯されます!!

梓「な……な……!!」

ひそひそ

くすくす

梓「~~!!」

梓は目に涙をため、必氏に黒板に書かれた文字を消した。

49: 2009/08/06(木) 21:42:34.37ID:/Qj1vAXq0
『中野さんって実は』
『部活の先輩にマジ惚れで』
『女子高だからって、ありえなくない』
『きもい』
『あたしらのこともいやらしい目で』

梓「……」

瞬時に理解した。
皆のよそよそしい態度が、拒絶する態度が、この噂のせいだということに。

梓(昨日の今日で……どうして私がこんな目に……)

53: 2009/08/06(木) 21:47:26.61ID:/Qj1vAXq0
放課後

梓「……」とぼとぼ
梓(部活に顔出す気分じゃないし、昨日やめるなんて言っちゃったけど)
梓(もう私にはここしか……)
梓「こんにち……」

律「いやぁ、梓マジでざまあみろって感じだよな!」

梓(……え?)

56: 2009/08/06(木) 21:51:42.99ID:/Qj1vAXq0
唯「ぷくくっ、あずにゃん一日中泣きそうな顔してたんだって!」

紬「うふふ、梓ちゃん、これで少しは大人しくなるかしら」

澪「な、なあ、梓がどうかしたのか?」

律「お前知らないのかよw梓のことをガチレOだって憂ちゃんが噂流したんだよ」

梓(そんな)

澪「がち……れずって」

唯「だってあずにゃんいつも澪ちゃんのこと熱いまなざしで見つめてるんだもん」
唯「あながち間違いじゃないよね」

紬(頭弱いくせに、唯ちゃんも見るところはしっかり見てるのね)

58: 2009/08/06(木) 21:54:45.32ID:/Qj1vAXq0
律(まあ実際はムギのほうがレOっ気はあるけどな)

唯(そこは黙っておかないと、サイフが機嫌損ねたらダメだもんね♪)

紬「うふふ」

澪(なんだろう、私だけ場違いなような)

梓(なんで……どうして)
梓(憂……昨日唯先輩たちに言ってくれるって……)

63: 2009/08/06(木) 22:01:54.75ID:/Qj1vAXq0
梓(だめだ、こんな状態で部室に入ることなんてできない)
梓(今日は……帰ろう……)

さわ子「あらぁ、梓ちゃん」

梓「ひっ!!」

さわ子「どうしたの、入らないの?」にやにや

梓「あ、うう……」

律「なんだぁ?」がちゃっ
律「!おい、梓、盗み聞きかよ、おい」

梓「ひう……」

さわ子「こらこら、怖がってるじゃない」
さわ子「さあ、早く入りなさい」

梓「は、はい……」

70: 2009/08/06(木) 22:12:17.05ID:/Qj1vAXq0
パイプ椅子に座らされ、律、唯、紬に囲まれる梓。

梓「……」

唯「あずにゃん、憂に裏切られたとか思ってる?」

梓「……」

唯「なんとか言えよ」ガン!

梓「ひっ……あの……」

唯「あはっ♪冗談だよ。憂はね、私に嫌われるよりあずにゃんに嫌われたほうがマシなんだってさ」

梓「……そうみたいですね」

律「なあ、これでわかったろ?お前がどんだけうざがられてるか」

梓「……」ぽろぽろ

律「また泣き出したよ。いい加減にしろよ!!」ぐいっ

梓「きゃっ!!」

律「この長い触覚さぁ、ゴキブリみたいで気持ち悪いんだよ」
律「切っちまおうぜ」

74: 2009/08/06(木) 22:17:31.36ID:/Qj1vAXq0
律「ムギ、ハサミハサミ」

紬「はーい♪」

梓「や、やめてください!!」

律「いやべこちゃんちゃこりん♪」

梓「やめて!!助けて!!誰か!!」

さわ子「髪は女の命っていうけど、梓ちゃんのは触覚だから問題ないわよね」

澪「あ、梓……」

梓「澪先輩!!助けて!!助けてください!!」

澪「あ……お、おいみんな!!や、やりすぎ……」

律「みおちゃんって、いつもひとりでごほんよんでるねw」

澪「う……あ……」

律「なんでー?ともだちいないのーw」

澪「……」
澪「梓、その触覚気持ち悪いから、切ろう」

84: 2009/08/06(木) 22:24:29.00ID:/Qj1vAXq0
梓(澪先輩の目……焦点があってない……)

律「よーし、じゃあ切るぞー」

梓「う……あ……」

唯「りっちゃん、あとで私にもやらせてよ-」

律「よしよし」

梓「や、やめて……」
梓「うう……」

和「あなたたち!!何やってるの!!」ばん

律「!?」

唯「和ちゃん!!どうして!!」

94: 2009/08/06(木) 22:30:44.82ID:/Qj1vAXq0
和「梓がね、体育館でライブができないかって、前から相談してきたのよ」
和「文化祭終わったあとみんながだらけているから、ライブができればやる気になるんじゃないかってね」

律「そ、そうなのか?」

梓「……」

和「それなのに、あなたたちはなに?練習もせずに、後輩をいじめてるなんて!!」

唯「ち、ちがうんだよ、和ちゃん……」

和「さっきのやり取り、全部録音したわ」ぴっ

『さわ子…まさかてめぇも…
チッ…仕方ねえ…俺は今から二次元空間へと潜り込む!
あんなとこ…二度と行かねえって決めてたが…もう俺は大事なものを失いたくないんだ!
うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!待ってろ梓ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 』

125: 2009/08/07(金) 02:13:59.54ID:nNmGHYR00
和「ま、間違えたわ!!」ぴっ

律『ムギ、ハサミハサミ』

紬『はーい♪』

梓『や、やめてください!!』

律『いやべこちゃんちゃこりん♪』

梓『やめて!!助けて!!誰か!!』

さわ子『髪は女の命っていうけど、梓ちゃんのは触覚だから問題ないわよね』

和「先生までいじめに加担なんて、知られたら大変ですよね?」

さわ子「ぐぬぅ……」

127: 2009/08/07(金) 02:17:05.71ID:nNmGHYR00
和「私も大事にする気はありません……でも先生、このようなことが今後も続くようなら……」

さわ子「ぐっ……わかったわよ!」
さわ子「はやく、梓ちゃんを放してあげなさい」

律「う、うん……」

梓「和先輩……」

唯(和ちゃん、余計なことを……)いらいら

129: 2009/08/07(金) 02:19:20.98ID:nNmGHYR00
律「ちっ……しらけたな……もう今日は解散だ!」

澪「ま、まってよ律……」
澪「……」ちらっ

梓「……」ふいっ

澪「あ、梓……」

紬「私たちも帰りましょう」

唯「うん」
唯(あーあ、和ちゃんはおばかさんだなぁ)

132: 2009/08/07(金) 02:23:45.43ID:nNmGHYR00
翌日

梓(昨日の和先輩、かっこよかったなぁ……)
梓(でも、今日も変な噂でみんなから……)

ざわざわ

梓(!?また教室が騒がしい……まさか……)

中野梓に新恋人!!
お相手は生徒会の真鍋和!!

梓(そんな……なにこの写真……?)

黒板には、梓に抱きつく和の写真が貼られていた。

135: 2009/08/07(金) 02:28:02.72ID:nNmGHYR00
唯「ムギちゃんすごいね」

紬「ふふ、唯ちゃんが梓ちゃんに抱きついてるところを写真に撮って、パソコンでちょいちょいってね……」

律「さすがムギだぜ」
律(いつの間にそんな写真撮ってたんだよ、きめぇ)

唯「ムギちゃんは頼りになるなぁ」
唯(勝手に写真撮らないでよぉ、このたくあん)

140: 2009/08/07(金) 02:35:21.77ID:nNmGHYR00
梓(これじゃあ、和先輩にも迷惑がかかっちゃう……)




放課後

直接何かされたわけではないが、梓の精神は疲弊しきっていた。

梓(みんなの視線が……痛いよ)

和「梓」

梓「和先輩……」

和「大丈夫?」

梓「は、はい……」

和「そう……今度なにかされたら、すぐに言うのよ?」

梓「は、はい」
梓「?」
梓(もしかして、和先輩にはあのこと伝わっていないのかな……?)

145: 2009/08/07(金) 02:40:27.28ID:nNmGHYR00
梓(だとすれば……黙っていたほうが……)
梓(でも、それはなんの解決にもならない……)
梓(私がみんなの前で弁明したときも、まるで信じてくれなかったし……)
梓「あ、あの、和先輩」

和「ん?」

梓「じつは……」

律「あれあれ?二人してなにやってんだ?w」

和「律……」じろっ

律「睨むなよwもう梓をいじめたりしないって」

和「本当なの?」

律「本当だって」
律「なあ、梓?」

梓「!」
梓(……和先輩には……言うなってこと……?)

147: 2009/08/07(金) 02:44:02.75ID:nNmGHYR00
梓「はい……」

和「そう、ならいいんだけど」

唯「あ、和ちゃん」
唯「昨日はごめんね?」
唯「私たちが練習してないのをあずにゃんは窘めてくれただけなのに……」

和「……そういうことは、私じゃなくて、梓に言いなさいよ」ふぅ

唯「うん……あずにゃん、ごめんね?」

梓「え……は、はい……」

唯「えへへ……あずにゃん、これからも、仲 良 く や ろ う ね ?」

梓「!!」ぶるぶる
梓(お、悪寒が……)

153: 2009/08/07(金) 02:47:31.12ID:nNmGHYR00
和「とにかく、もう昨日みたいなことしちゃだめよ」
和「ああいうことしてると、エスカレートしてとんでもないことになっちゃうんだから」

唯「うう、もうしないよぉ」

律「反省してるぜ」

梓(白々しい……でも、和先輩に言えば、もっとひどいめに……)
梓(……私、和先輩よりも自分の心配してる……)
梓(最低だな……)

155: 2009/08/07(金) 02:51:30.54ID:nNmGHYR00
和「じゃあ私、生徒会の仕事があるから」

唯「ばいばーい」

律「じゃあなぁ」

唯律「にやり」

梓「ひっ……」

律「和になに喋ろうとしてた?」

梓「えっと、その……」

唯「はやくいいなよぉ」

梓「け、今朝、教室に行ったら……その……写真が」

唯「どんな写真?」

梓「私と……和先輩の」

唯「ねえ、だからどんな写真?もっとぐたいてきにいってよぉ」

梓「和先輩が……私に抱きついてる……」

唯「えー、和ちゃんとあずにゃんってそんな関係だったの?」

157: 2009/08/07(金) 02:53:31.79ID:nNmGHYR00
梓「ち、違います!!」

唯「その写真どうしたの?」

梓「あ、あんな写真破いて捨てました!」

律「本当か?」

梓「ほ、本当です」

律「唯」

唯「はい!」

梓「え……?」

律「とりあえず、部室で取り調べだ」

唯「ラジャー!」

159: 2009/08/07(金) 02:56:03.67ID:nNmGHYR00




梓「ひ、ひどいです……」ぽろぽろ

梓は取り調べの名のもと、制服を剥ぎ取られていた。

律「なんだ、ちゃっかり写真持ってるじゃんw」

唯「破いて捨てたんじゃなかったの?」

梓「うう……」

下着姿の梓は、恥ずかしさで顔を真っ赤にしている。

161: 2009/08/07(金) 03:02:29.18ID:nNmGHYR00
律「まあご存知のとおり、この写真は私らが捏造したもんだけどさ」
律「まんざらでもない様子じゃないか」

梓「そんな……ちがいます!!」

唯「前も言ったけど、あずにゃんって澪ちゃんのことも変な目で見てたよね」
唯「女の子が好きな変Oさんなんだ?」

梓「ちがい……ます」

唯「ほんとに?」
唯「私がふざけて抱きついてたときも、興奮してたんじゃないの?」

梓「ちがいます……」
梓(本当はしてた……自分が嫌になる……)

168: 2009/08/07(金) 03:08:43.05ID:nNmGHYR00
律「いや、マジでドン引きだわ」
律「女子高だからってさぁ、そういうのに憧れてんのかしらないけど……」
律「ぶっちゃけきもいんだよw」

梓「……」

唯「あずにゃんって、ちっちゃくて可愛い自分に酔ってるんじゃない?」
唯「ふふん、でも思ってるほど可愛くないから、気をつけたほうがいいよ」
唯「こっちは早く軽音部に慣れるように、フレンドリーに接してきてあげたのにさ」
唯「なにを勘違いしたのか、練習練習って」
唯「うざいよ!!」

梓「……」

176: 2009/08/07(金) 03:14:36.20ID:nNmGHYR00
梓「ごめんなさい……調子にのっててごめんなさい……」
梓「謝りますから……だから、私や和先輩の噂……あれ取り消してください……」
梓「お願いします……」

律「ばか、流れた噂は取り消せねえよ」
律「だいたい、写真も貼られたのに、誰がいまさら嘘だって信じるんだよ」
律「もう人の記憶は消せないし、イメージだって簡単に変わらない」
律「まだ和本人には情報は伝わってなくても、いずれ和も知ることになるだろうよ」

唯「和ちゃんがどんな顔するか、今から楽しみだよ」

182: 2009/08/07(金) 03:23:36.15ID:nNmGHYR00
梓「ひどいです……なんでそんなこと言うんですか?」
梓「私……軽音部が好きで……先輩たちが好きだったのに……」

律「仲良しこよしもいい加減うんざりなんだよ」

唯「実際ストレスたまるよねぇ、去年は澪ちゃんがあずにゃんみたいなことばっかり言っててうざかったし」

律「まあ、ちょっと無視したら泣いて謝ってきたけどなwそれ見るの面白いから澪のは大目に見れるんだよ」

唯「あずにゃんのはねえ、ほんとにただただ鬱陶しいよね」

律「私らのうわべだけ見て、仲良くなったつもりの梓は面白かったけどな」

唯「それで先輩に意見するんだから、こっちも怒るよぉ」

252: 2009/08/07(金) 15:00:25.94ID:nNmGHYR00
梓「……」

律「つーわけだからさ、これからは口のきき方に気をつけろよな」
律「まあ、これからも仲良くいこうぜ?」

ひひひ、と下卑た笑いをする律。

梓(私が感じた……先輩たちの一体感も全部……嘘だったってこと?)

254: 2009/08/07(金) 15:05:04.14ID:nNmGHYR00
それから数日後、例の噂は和も知るところとなり……。

和(うそ……なんで?)

梓の場合とは違った仕打ちが、和には待っていた。
和の机に彫られた「レOメガネ」の文字。
ついでとばかりに椅子には件の写真が隙間なくボンドで貼り付けられていた。

257: 2009/08/07(金) 15:16:33.62ID:nNmGHYR00
和「だれ……誰がこんなこと!!」

叫んではみるが、反応はない。
しかし、和には見当がついていた。
この合成写真には、先日いじめられていた後輩の姿があったからだ。

和「澪……!」

軽音部の連中の仕業ではないか。
そう思い澪のほうを向くと、席に座り顔を伏せている。

和(澪が主犯ってわけじゃないだろうけど……やはり)

258: 2009/08/07(金) 15:27:48.20ID:nNmGHYR00
律「でさー……」

唯「きゃはは!!もうりっちゃんったらー」

和「ちょっと唯!」

唯「んあー?なに、和ちゃん?」

ニタニタとした顔で和の顔を見る唯。

和(この子……こんな笑い方だっけ?)

この教室に入る前から、唯と律の馬鹿笑いは聞こえていた。

260: 2009/08/07(金) 15:42:07.57ID:nNmGHYR00
和「あなたちの仕業でしょ?私の机と椅子にあんな……」

唯「えー?なんのこと?」

けらけらと律と笑いあう唯。

和「他に誰がやるっていうのよ!こんな写真作ってまで!!」

唯「へえ、あずにゃんって和ちゃんにも気が合ったんだ」

和「!!……この」

唯「でもさぁ、和ちゃんってひどいよねぇ」

律「だよなぁ、仮にも幼馴染を疑うんだからなぁ」

和「だ、だって……!この間あなたたち、梓をいじめてたじゃない!!」
和「私がそれを止めた仕返しって考えると、あなたたちしか!!」

律「うざうざうざ!!お前本当にそれだけが原因と思ってるわけ?」

和「……え?」

唯「和ちゃんってあずにゃんと一緒で本当に空気読めないよね」
唯「和ちゃんってさぁ、周りからどう思われてるか知らないでしょ?w」

261: 2009/08/07(金) 15:49:43.38ID:nNmGHYR00
律「仕切り屋、ガリベン、キモメガネ(笑)」

唯「なんか辛気臭いしぃ、常に上から目線でうざいよぅ」

和「ゆ、唯……?」

律「特に唯のこと見下してるよな」

唯「うんうん、なんかたまに保護者気取りのときあるし」
唯「そういうとこ、憂と一緒でむかつく!」

和「そん……な」

律「まあ唯のことは抜きにしても、鬱陶しがられてるのはマジだからな?」
律「周り見てみろよ、誰かお前に同情してるやついるか?」

和「う……あ……」

よその教室であるということもあった、和には自分に向けられている視線がすべて敵意あるものに感じられた。

262: 2009/08/07(金) 15:57:39.35ID:nNmGHYR00
その日、和は早退した。
噂はすでに学校中に広まっており、和には周りがすべて敵に見えていた。
中にはそんな噂を真に受けず、単なるいじめだと認識し、同情的になっているものもいたが、
そんなことがなんの慰めになるだろう。
結局和はそれから部屋に引きこもってしまった。
梓がそれを知ったのは、和が引きこもってから二週間後のことだった。

264: 2009/08/07(金) 16:02:09.15ID:nNmGHYR00
梓「和先輩……」

和「……」

ドア越しに話しかけるが、返答はない。

梓「あの……なんて言ったらいいか」
梓「私……和先輩に伝えなきゃダメだったのに……その」

和「……」

梓「ご、ごめんなさい!!」

265: 2009/08/07(金) 16:05:19.47ID:nNmGHYR00
長い長い沈黙。
それを破ったのは和だった。

和「梓のせいじゃないわよ」

梓「!でも、私のせいで、あんな写真……」

和「私がはじめからみんなに快く思われてなかったからよ」

梓「だ、だけど」

和「うるさいわね!!あんたのせいじゃないって言ってるでしょ!!」

梓「ひっ……!!」

和「こんなことする奴らが悪いにきまってるじゃない!!」
和「なんで……あんたが謝るのよ……」

梓「先輩……」

271: 2009/08/07(金) 16:10:35.78ID:nNmGHYR00
和「でもね……お願い、一言だけ、梓に言いたいことがあるの?」

梓「な、なんですか……?」

和「……」



















和「あんたなんか、助けなければ良かった」

276: 2009/08/07(金) 16:15:47.10ID:nNmGHYR00
梓「……」とぼとぼ

唯「和ちゃんの様子はどうだった?」

梓「!!唯……先輩」

唯「和ちゃんもでりけーとだねっ。ひきこもりになっちゃうなんて」
唯「私のことニートとかバカにしてたくせに、いい気味だよぉ♪」

梓「そんな言い方……ないと思います!!」

唯「でもあずにゃんが原因じゃん、和ちゃんがこうなったのも」

梓「……」
梓「うう……ぇ……ぁぅ……」ぽろぽろ

唯「あーあー、また泣くの?」
唯「もううるさいから、私かえるよ、ばいばーい」

梓「うぇええええええぃ!!!!」

梓は人目も憚らず泣いた。

284: 2009/08/07(金) 16:30:36.90ID:nNmGHYR00
梓の日常

味方を完全になくした梓の日常は一変した。

日も昇らない時間帯に、梓は携帯の着信で毎朝起こされる。
画面には非通知とある。

梓「もしもし……」

『梓ちゃん、今度×××して○○しようねぇ』げらげら

笑う男の声。
毎回違う男のようだが、卑猥な言葉を投げかけてくる点は共通している。
どうやら律先輩と繋がりがある男たちのようで、電源を切ったり着信を拒否したりすると学校で律の鉄拳が炸裂する。

288: 2009/08/07(金) 16:38:08.40ID:nNmGHYR00
不愉快な目覚めのあとは、学校に行く準備をする。
しかし梓はこのところ準備の途中でいつも腹痛を起こす。
身体が学校へ行くのを拒否しているようだ。
朝食を摂るのもままならないが、親に心配されたくないので無理矢理胃におさめる。
が、登校途中で具合が悪くなり、結局吐いてしまう。
梓は、朝食を作ってくれた母に申し訳なく思い、涙で頬を濡らしながら学校へ向かうのである。

292: 2009/08/07(金) 16:44:18.22ID:nNmGHYR00
学校に着くと、ちょこんと自分の席に座り、授業が始めるまでしばしの眠りにつく。
その間、ちょっかいをかけてくる者はいないので、梓にとっては心休まる時間である。
授業中も平和だ。
ただ、体育や家庭など、他人と組まなければならない授業だけは苦痛だった。
だが、こんなこと、放課後ティータイムの化け物たちの仕打ちに比べれば、数段マシだった。

299: 2009/08/07(金) 17:02:35.09ID:nNmGHYR00
放課後

律「梓ぁ、はやくこっちこいよ」

梓「せ、先輩……勘弁してください……」

律「猫が人間の言葉喋ってるよw生意気によ!!」がすっ

梓「ぐえ!!」

唯「あずにゃーん、はやくぅ、にゃんにゃんいいなよぉ」

梓「ああ……ああ……」

唯「鳴き声になってないよ」ガン!!

梓「わ、わだじのぎたー!!」

唯「猫にならないと、もっとギターが傷ついちゃうよ?」

梓「うなぁ……」

梓は全裸に猫耳、尻尾をつけられ、放課後ティータイムの飼い猫と化していた。

303: 2009/08/07(金) 17:10:38.16ID:nNmGHYR00
紬「さあさあ、梓ちゃん、エサの時間ですよ?」

そういって紬が用意したのは、小汚いペット用の皿の上に山盛りとなったキャットフード。
キャットフードの中には人間が食べられるものもあるが、明らかにこれは人間が食べられないものであろう。

梓「や、やだ……」

瞬間、紬は梓の頭を踏みつけ、強制的に皿の上のエサに口をつけさせる。

梓「うげえ……」

紬「梓ちゃんは今猫ちゃんでしょう?喋ったらだめよ、本当に物覚えが悪いわね」

314: 2009/08/07(金) 17:18:34.50ID:nNmGHYR00
梓を見つめる六つの瞳。
澪だけは、申し訳なさそうに俯いている。

梓(たべなきゃ、なにされるか……でも……)

しかし抵抗はもちろんある。
以前友人だったクラスメイトから預かった猫――あずにゃん二号の世話をするときに、キャットフードのことについても色々調べていた梓は、
ものによっては酸化防止のために発がん性のある薬を混ぜていることを知っていた。

唯「はやくはやくー」がんがん

梓「!!」
梓(ギターが……もうだめだ)
梓「かり……かり……」

律「おお……食った食った!!」

唯「やったね、ムギちゃん!!」

紬「用意したかいがあったわぁ」

これが本当の猫に向けられた言葉ならどんなに微笑ましいことか。
梓は泣きながら、ときに吐き気を催しながらもキャットフードを食べ続けた。

322: 2009/08/07(金) 17:26:44.75ID:nNmGHYR00
その夜、梓は腹痛を訴えて病院に運び込まれた。
キャットフードはあらかた吐き出していたが、精神的な負担とあわせて梓の身体を蝕むには十分すぎた。
それからしばらくは、梓にとって平穏な時間が訪れた。

323: 2009/08/07(金) 17:30:05.24ID:nNmGHYR00
梓(入院できたのは、ラッキーだったな……あのまま猫の格好させらるのは、寒いし恥ずかしいし……)
梓(でも、退院したらまた……)

退院のことを考えると胃が痛くなる。
梓は唯たちのことを考えるだけでストレスを感じてしまうようになった。

梓(もういやだ……誰か助けてよ……!)

327: 2009/08/07(金) 17:34:23.30ID:nNmGHYR00
十二月二十四日、クリスマスイブの日に、梓は退院した。
入院中に唯たちがお見舞いと称していじめにくるのではないかと懸念していたが、
実際はそんなことはなく、ゆっくりと療養できた梓。
しかし、すでに学校は冬休みに入っていた。

梓(まだ……冬休みの間はなんとか会わなくてもいい……)
梓(携帯も病院では使えなかったし、このまましばらくは……)

332: 2009/08/07(金) 17:46:27.81ID:nNmGHYR00
梓の母親が運転する車は街の中を走っていた。
梓は後部座席から、街の様子を眺める。

梓(いつの間にかクリスマス一色だな……)

まるでタイムスリップしたみたいだ、と梓は思った。

梓(ん?あれは?)

見慣れた姿が目に入る。

梓(……唯先輩たち)

唯、律、紬、澪の四人と、見知らぬ男四人が並んで歩いていた。

336: 2009/08/07(金) 17:59:37.15ID:nNmGHYR00
梓「私、ちょっと用事」

母親が心配するのをよそに、梓は車から降りて唯たちのあとを追う。
ウインドウショッピングを楽しむ八人の姿が、梓には眩しく見える。
やがて喫茶店に入る一行。梓も続いて店に入る。
約一時間、唯たちは男と談笑をしていた。その間、梓は一杯のコーヒーで粘っていたので、店員から白い目で見られた。

338: 2009/08/07(金) 18:06:53.31ID:nNmGHYR00
喫茶店から出ると、お開きといった様子で思い思いの行動を取る八人。
澪が真面目そうな男から電話番号を聞かれているらしきところを見る限り、初めて会った男のようだった。
ただ、唯や律と話をしている軽薄そうな男二人はどうだろう。
梓には、あの男たちこそ朝に下品な電話をかけてくる張本人だという確信があった。

梓(先輩たち、あんなに楽しそうに……私をこんな目にあわせておいて……)

唇をかみ締める。
どうして、自分ばかり。
どうして、先輩たちばかり。
許せない。
梓は初めて、先輩たちに対して恐怖ではなく怒りの感情を抱いた。

345: 2009/08/07(金) 18:13:42.44ID:nNmGHYR00
やがて、唯と律はそれぞれ男を連れてどこかへ歩き出し、残る四人は別の別々の方向へ散っていった。
どうやら性夜を過ごすのは唯と律の二人だけらしい。
チャンスだ、と梓は思った。

梓(まだこいつらは私が退院したことを知らない……)

自由に動けるのは今しかないと思った。
のんびりしていれば、決心が鈍る。

梓(復習――してやる)

352: 2009/08/07(金) 18:16:07.75ID:nNmGHYR00
梓(あれ?復讐のつもりだったのに……)

気を取り直して、梓は行動を開始する。
目的は三つ。
まずは平沢家へ向かう。

梓(唯先輩の家は、たしか両親がクリスマスの日はいつもどっかで二人っきりで過ごすって言ってた)
梓(といことは、今は憂が一人っきり……)

358: 2009/08/07(金) 18:19:38.85ID:nNmGHYR00
平沢家の呼び鈴を鳴らす。
しばらくすると、「はーい」という声とともに憂が姿を現した。

憂「おねえ……!!」
憂「!!う……あ、梓……ちゃん……」

梓「唯先輩じゃなくてごめんね?」

してやったりといった不敵な笑みを浮かべる梓。

憂「な、なんの……用?」

梓「何の用かって?」

362: 2009/08/07(金) 18:25:58.33ID:nNmGHYR00
梓は憂の胸倉を掴み、ドアに身体を叩きつける。

憂「う……」

梓「私が今こんなことになってるの、憂のせいでもあるってことわかってる?」

憂「く、くるしい……あずさ……ちゃん……」

梓「苦しい?苦しいよね?私も苦しかった。この数ヶ月、本当に苦しかったんだから!!」
梓「憂は言ったよね?先輩たちに練習してくれるように話してくれるって……」
梓「私、嬉しかったのに……なのに、憂は唯先輩の言いなりになって私を……!!」

憂「うう……うぐっ……ひぐっ……ごめん、ごめんなさい……」ぽろぽろ
憂「私……お姉ちゃんに嫌われたくなくて……それで……梓ちゃんに……ひどいこと……」ぽろぽろ

367: 2009/08/07(金) 18:31:59.91ID:nNmGHYR00
憂「梓ちゃんと話すのもダメだって……お姉ちゃんに言われて、それで……それで……」

梓「……そっか、憂もつらかったんだよね、ごめんね……」

憂「うわああああああ!!!梓ちゃん、ごめん!!ごめんなさい!!!私が全部悪いの!!!」
憂「う、噂を流したのも、黒板にあんなこと書いたのも私なの!!!!」
憂「ごめんなさい!!!」

ごめん、ごめんと泣きながら謝る憂。

梓「わかった、わかったから、もう泣かないで?」

憂「梓ちゃん……」

梓「憂……」

憂「梓ちゃあああああん……」

私の小さな胸に顔をうずめて泣く憂。
よかった。
これなら我慢せずにすむ。

梓(復讐の始まりですよ、唯先輩?)にやあ

私は今、どんな顔をしているのだろう。

373: 2009/08/07(金) 18:36:01.58ID:nNmGHYR00
憂の背中をさすりながら、泣き止むのを待つ。

憂「ごめんね、服……濡らしちゃった」

梓「気にしないで」

表面上はすっかり仲直りしたように見える私たち。
いや、憂は完全にその気でいるだろう。
私?
許すわけないじゃん、こんな奴。

384: 2009/08/07(金) 18:43:40.24ID:nNmGHYR00
それから、憂はたががはずれたかのごとく唯先輩に対する愚痴を言い始めた。
愚痴と言っても、今年のクリスマスは一緒に過ごせないだの、せっかく料理を作ったのにだの、
今夜は帰らないであろう姉の行動に対してのみだ。

憂「お姉ちゃん、軽音部のみんなとクリスマスを過ごすって言ってたけど……」

きた、と私は思った。

梓「私、さっき街で先輩たちを見かけたよ」

憂「え、本当?」

梓「うん、でも、うーん」

憂「な、なに?どうしたの?」

梓「たしかに軽音部のみんなと一緒だったよ?でも」
梓「男の人もいた」

憂「!!」

憂の顔から血の気が引いていくのがわかる。
目の光は澱み、口元にうっすらと笑みをうかべている。

390: 2009/08/07(金) 18:54:25.78ID:nNmGHYR00
憂「ふーん、そうなんだ、ふーん」

梓「……」

憂は、そうなんだ、そうなんだと繰り返し、台所へ行き、包丁を手にとって笑っている。
思ったとおりだ。

梓(唯先輩が憂に依存してたんじゃなくて、憂が唯先輩に依存してたんだ)

相手の世話を焼くことで、自身の存在価値を確認する。
憂は、唯先輩の面倒を見るしっかりものの妹を演じることで、精神の均衡を保っていた。
その姉が、自分の手の届かないところで男と一緒にいる……憂にとっては、耐え難い苦痛のはずだ。

梓(そもそも、唯先輩に嫌われたくない一心で私を裏切った憂が、唯先輩のこの行動を容認するはずがない)

412: 2009/08/07(金) 19:34:07.97ID:nNmGHYR00
私は憂にそっと耳打ちした。
手に握られている包丁は物騒だが、私にはそれがなんだか頼もしく見えた。

梓「ねえ、唯先輩……ううん、唯先輩を誑かした男なんて、許せないよね?」

憂「うん」

梓「どうする?」

憂「……」

梓「実は、その男を紹介したのは律先輩みたいなんだ」

憂「律さんが……?」

梓「うん」

そっかぁ、そっかぁと呟く憂。

梓「どうする?」

424: 2009/08/07(金) 19:41:54.59ID:nNmGHYR00
憂のことだ、唯先輩を直接傷つけることはしないだろう。
しかし、唯先輩を堕落させた原因が他の先輩にあると吹聴すれば……。

梓「ムギ先輩も、いろいろ唯先輩によくないこと教えてるみたいだし」

憂「そう……」

包丁の柄がみしみしと音を立てる。
憂は、私の言葉を信じ込んでいる。

憂「おしおき……しなくちゃだね」

憂は、完全に堕ちた。

437: 2009/08/07(金) 19:50:59.83ID:nNmGHYR00
私は平沢家をあとにする。
憂が突発的に唯先輩に何かしないか心配だが、今日のうちにあと二つやるべきことがある。

梓「次は……律先輩の家か」

442: 2009/08/07(金) 19:58:58.79ID:nNmGHYR00
田井中家

律先輩には弟がいるらしい。
澪先輩から聞いたことで、律先輩本人から聞いた話ではないが、幼馴染の彼女がいうのだから間違いない。

梓「こんにちは」

聡「こ、こんにちは」

都合のいいことに、律先輩の弟の聡くんは家にいた。
まあまだ中学生みたいだし、彼女とクリスマスデートは早いのかもしれない。
もっとも、それを狙って私はここにきたわけだけど。

聡「あの、姉ちゃんなら今出かけてて」

梓「知ってる」
梓「今日は、聡くんに用があってきたの」

聡「お、俺に?」

460: 2009/08/07(金) 20:06:46.90ID:nNmGHYR00
聡「俺に用って……失礼ですが、初対面ですよね?」

梓「うん。ごめんね、自己紹介がまだで。中野梓です。お姉さんとは部活の先輩後輩の仲なの」

聡「あ、どうも、田井中聡です。あの、やっぱり姉ちゃん関連で?」

梓「うん、まあ、そういうこと」

私はわざともったいつけて話す。

聡(やべえ、まさか姉ちゃん、俺のこと紹介してくれたんじゃ……)
聡(中野さんって、話には聞いてたけど本当にちっちゃくて可愛いな)

466: 2009/08/07(金) 20:10:49.79ID:nNmGHYR00
梓「……」
梓「じつは、私、律先輩に虐められてるんです……」

聡「え?」

梓「それで……私……私……」ぽろぽろ

聡「わー!わー!」
聡「と、とにかくあがってください!!」

まんまと田井中家に上がりこむことができた。
警戒心などまるで皆無だ。

聡「親もいますし、俺の部屋で……」
聡(って、部屋に女の子と二人っきり!?これやべえんじゃ……)
聡(でもこのまま帰すわけにもいかない……よな)

477: 2009/08/07(金) 20:16:40.56ID:nNmGHYR00
私は今まで先輩たちにされた数々のいじめの内容をこと細かに話した。
本来なら、親や先生に話すべきことかもしれない。
しかし、私にはそんなことでいじめが解決するとは思えないし、今はそんなこと眼中にない。
そう、今は、先輩たちが苦しむさまを、ただ見たい。

聡「ひどい……」

脚色などない嘘偽りのない内容に、聡くんは苦虫を噛み潰したような顔をした。

聡「本当に、それ姉ちゃんたちが?」

信じられないといった様子だ。
家でも、あの悪魔は明朗快活な女の子を演じていたのだろうか。

498: 2009/08/07(金) 20:28:28.27ID:nNmGHYR00
私はこくりと頷く。

聡「そんな、あんまりだ……」

涙ぐむ聡くんを見て、私はちょっぴり罪悪感を覚える。
この子は、初めて会った私の話を聞き、信じ、まるで自分のことのように真剣になってくれている。
そんな聡くんに、私はこれからひどいことをする。
でも、もう止まらない。
憂がすでに臨戦態勢にはいっている以上、もうひきかえすことはできない。

502: 2009/08/07(金) 20:31:34.80ID:nNmGHYR00
梓「聡くん……」

私は聡くんの胸に飛び込み、背中に手を回す。

梓「もう頼れるのは聡くんしかいないの?」

どきんどきん……心臓が高鳴る音が聞こえる。
純情な中学生男子にとって、この状況がどれほど緊張するものか、私にだってわかる。

聡「な、中野さん……」

517: 2009/08/07(金) 20:36:20.29ID:nNmGHYR00
聡「お、俺なんかより、もっと力になってくれる人が……」

梓「だめ……親にも先生にも言えないよぉ……もっとひどいことされちゃう……」

聡「で、でも、俺もどうしたらいいか……」

梓「……手伝って?」

なにを、とは聞かれなかった。
聡くんも、利用されるということが薄々わかっていたのかもしれない。
それでも……

聡「わ、わかりました」

聡くんも、堕ちた。
私は礼代わりに、唇を重ねた。

522: 2009/08/07(金) 20:38:12.74ID:nNmGHYR00
田井中家をあとにし、次に向かったのは……。

梓「……帰ってきてるかな?」

軽音部で唯一私に同情的な、秋山澪先輩の家だった。

536: 2009/08/07(金) 20:43:56.34ID:nNmGHYR00
久しぶりに電源を入れた携帯には非通知の着信やいたずらメールで溢れていた。
日付を見ると、私が入院してから数日は繰り返していたらしい。
しかし、病院内では携帯をいじれないということを知ったのか、ある日を境にぱったりと着信はなくなっている。
もしかしたら、飽きただけかもしれないが。
まあ、そんなことはどうでもいい。
私はアドレス帳から澪先輩の番号を検索し、電話をかける。
三度のコール音のあと、澪先輩が電話に出た。

澪『あ、梓……か?』

梓「はい、そうです」

澪『か、からだは……平気なのか?』

やはり、私のことを心配してる。
ふん、心配するだけなら誰にもできますけど?

542: 2009/08/07(金) 20:48:08.31ID:nNmGHYR00
澪『あの……あのな、梓』

まさか謝るつもりだろうか。

澪『わ、私……本当は律たちを止めないといけないって、ずっと考えてた!』

そんなこと、知ってます。
前に一度止めようとしてくれてましたよね?
でも、そのあと、先輩はなんて言いましたっけ。
手のひらを返したように、自分の意見を捨てて、律先輩に従ってましたよね?

558: 2009/08/07(金) 20:55:29.74ID:nNmGHYR00
梓「私、助けてほしかったのに……」
梓「助けてって、言ってたのに!!」

悲痛の叫びを上げるが、もちろん演技だ。
もう助けてほしいなんて思わない。
ただ、私の手足がほしいだけだ。
私の代わりにあいつらに裁きを下す、自由な手足が。

梓「澪先輩は……私を助けてくれなかった……!!」

澪『……!!』

梓「でも、私、澪先輩のこと、まだ信じてます」

澪『……え?』

梓「今、先輩の家の前にいるんですけど」

澪『!!』

二階の窓が開き、澪先輩が私の姿を見つけた。

澪「あ、梓!!」

澪先輩の目には涙がいっぱいたまっていた。
やった、もう無理、もう逃げられない。
澪先輩も氏ぬまでこき使ってあげます。

581: 2009/08/07(金) 21:05:17.26ID:nNmGHYR00
澪先輩を懐柔したのはいいが、律先輩の前ではどうしても私の味方をしてくれるとは思えない。
だから、私は作戦を考えた。
唯先輩には聡くんを。
律先輩には憂を。
ムギ先輩には澪先輩を。
それぞれ担当してもらう。
なにをやらせるか?
まあ、基本は暴力だけど、あとは……。





確信があった。
私の手足たちは、私が思っている以上の成果を上げてくれると。

596: 2009/08/07(金) 21:12:02.09ID:nNmGHYR00
私は結構貪欲な女なんです。
結果はすぐほしい。
ギターをかき鳴らしながら、私は明日の惨状を想像していた。
唯先輩のせいで傷がついたギター。
音が変わっている気がする。
このギターを見ると、唯先輩への怒りが沸々と湧き上がってくる。

そして翌日。
復讐のときがきた。

607: 2009/08/07(金) 21:20:33.60ID:nNmGHYR00
放課後ティータイムの化け物の一人、唯は少し寝不足気味な朝を迎えていた。
昨晩は、律の紹介してくれた男と二人で、朝までギター談義を交わしていたのだ。
プロも目前という有名バンドのギタリストである彼は、唯の非凡な才能に惚れ込んでいた。
もちろん異性として意識はしておるが、見た目に反して誠実な彼は、ギターを通してしか唯とまともに話せなかった。

唯「結局徹夜しちゃったねぇ」

ああ、そうだねと男はそっけなく答えた。
このあと、よかったらお茶しないか、男は唯を誘いたかった。
女性経験が少ない彼には、それが精一杯だった。
もっとも、唯はこのあとラOホテルで一戦交えて、徹夜の疲れとともに眠りにつくつもりであった。
そう、憂が現れるまでは。

615: 2009/08/07(金) 21:27:48.68ID:nNmGHYR00
唯「憂……?」

唯が妹の姿を認識したとほぼ同時だった。
男が「え?」と声を発したのは。
唯もつられて「え?」と男のほうに顔を向ける。
ない、頭部がない。これはなんだ、なんで血がふきだしている?
男の頭部は地面に転がっていた。
目をぱちくりさせ、悲痛の叫びをあげようとしているようだった。
その頭部を粉々に蹴散らす、憂。
憂の手には、『唯我独尊』という銘の彫られた包丁が握られていた。

632: 2009/08/07(金) 21:34:03.49ID:nNmGHYR00
聡(唯さん……に俺が偉そうに何か言うのも……なんか筋違いなような気がするけど)
聡(中野さんの頼みじゃ断れないよな)

そう、唯を担当するのは本来なら聡のはず。
ここから、梓の復讐は綻び始めた。

638: 2009/08/07(金) 21:39:44.85ID:nNmGHYR00
とはいえ、ただの中学生である聡が、唯になにかできたとも思えない。
強大な暴力を持つわけでも、知略に富んでいるわけでもない。
単なる中学生をぶつけて、どうにかできるはずが、なかったのだ。
梓の読みの浅さは、手駒を揃えたことのみで満足してしまったことにあった。
手にした駒の性質を見誤ったのだ。
だから、聡が特別無能というわけではない。
ただ、その場にいれば。
誰もが無能と感じるだけだ。

聡「あ……ああ……!!」

聡は見てしまった。
男を次々と惨頃する、悪鬼の姿を。

644: 2009/08/07(金) 21:43:47.34ID:nNmGHYR00
聡は腰を抜かしかけたが、なんとか這うようにして、惨殺の舞台から脱出した。
すごい光景だった。
高校生くらいの女の子が、包丁を片手に踊るように通行人の男性を斬っていたのだから。
その中心に件の唯がいることなど、聡が確認する余裕などなかった。

聡「ああ……ああ……!!」

聡は狂ったように家へ向かって走った。
梓との約束など、頭の中から消えていた。

660: 2009/08/07(金) 21:50:42.49ID:nNmGHYR00
同時刻

律は男と朝っぱらから情事に耽っていた。
宿泊したホテルは高級とはいえないにせよ、なかなか広々としたところだった。
普段は格安のラOホテルしか利用しない律にとって、このような場での情事は滅多にないと、寝る間も惜しんで男と交わっていたのだ。

男「律ー、もう六回目だぜ……もう限界……」

律「はあ?マジつかえねー」

この男と寝るのは、今回が初めて。
ライブハウスでのナンパが主な出会い。
たまに出会い系サイトでも相手を探すが、律にとってそれは小遣い稼ぎのときに使われるのが常だった。

律「そろそろ出るかぁ」

近くで行われている惨劇を知らず、律はのんきに言った。

665: 2009/08/07(金) 21:56:42.02ID:nNmGHYR00
律「ん?なんか表通りが騒がしいなぁ」

男「なんかイベントでもやってんのかな?行ってみようぜw」

律「私パス。眠いから帰って寝る」

男「お、おい」

律「ふあああ」

男「また会えるよな?」

律「暇だったらね」

男「じゃあ、俺行ってくるわ」

律「……ばーか、二度と会うか。へたくその早漏が」

律は携帯のアドレス帳から男の名前を削除した。

670: 2009/08/07(金) 22:01:28.48ID:nNmGHYR00
男「えらい騒ぎだな、いったいなにが……」
男「!!」

憂「あなたも、お姉ちゃんに近づくんだ?」ぎゅんっ

男「ひ……?は……?」

危ない!!逃げろ!!警察は何をしてる!!
そんな声が聞こえるが、誰一人として憂には近づけない。
男は、吸い寄せられた。
憂の殺意に気付かずに。

男「はひいいい!!!?????」

四肢や性器、首を切断され、男は二十数年の生涯を終えた。

675: 2009/08/07(金) 22:02:56.15ID:nNmGHYR00
その頃、復讐者・梓は。

梓「むにゃむにゃ」

自身が蒔いた惨状の嵐を知らず、夢の中にいた。

681: 2009/08/07(金) 22:06:27.43ID:nNmGHYR00
紬「騒がしいわね……斉藤、まだ渋滞は抜けられないの?」

斉藤「申し訳ございません……このような場所で渋滞など、起こるはずがないのですが……」

紬「もう、澪ちゃんとの約束の時間に送れちゃうわ」

斉藤「……左様で」

紬「どうかした?」

斉藤「お嬢様、わたくし、少々野暮用が」

紬「……まあ、しばらく渋滞は動きそうにないし、早く帰ってきなさい」

斉藤「はい」

685: 2009/08/07(金) 22:09:54.27ID:nNmGHYR00
澪「ムギに……梓が味わった痛みを思い知らせてやるんだ」がたがた
澪「それが……私が梓にしてやれる、たった一つの償いなんだ……」がたがた

斉藤「そのようなもので、お嬢様になにをなさるおつもりですか?澪さま」

澪「!?あなたは……?」

斉藤「わたくし、琴吹家の執事でございます」

696: 2009/08/07(金) 22:15:26.22ID:nNmGHYR00
斉藤「失礼、車が渋滞につかまってしまいまして」
斉藤「しかし、今日のこの街はおそろしゅうございますな、殺意が渦巻いている」
斉藤「その中の一つに、微弱ながらお嬢様への殺意があるとわかれば」
斉藤「わたくしが動かずにはおれますまい?」にやり

澪「!?」
澪「う、うあああああ!!!!」

澪は持っていた角材を振り回す。

斉藤「遅いですな」

一瞬で澪の背後にまわり、手刀をくらわせる。

澪「うあ!!」

斉藤「ふう、所詮素人、この程度では」

澪「う……がが」

斉藤「!?なに」

712: 2009/08/07(金) 22:23:33.91ID:nNmGHYR00
斉藤「これは……!?」

異常を感じた斉藤は、澪から離れる。
そしてほどなく、澪の周囲から腐臭が漂い始めた。

斉藤「な……まさか」
斉藤(聞いたことがある……近くに寄るだけで物質の腐敗を活性化させる……菌に愛された者がいると)
斉藤(まさか、この娘が……!?)

キムチ作りの名人・秋山澪(チュ・サンジュ)!!

725: 2009/08/07(金) 22:26:34.94ID:nNmGHYR00
斉藤「なるほど……日本人に擬態していたというわけ……ですかな」
斉藤「おもしろい!!」ばっ
斉藤「わたくしの身体が朽ちるのが早いか、あなたが倒されるのが早いか!!」
斉藤「勝負だ!!」

両雄(?)は激しくぶつかりあった。
その結果を知るものは、いない……。

743: 2009/08/07(金) 22:29:02.91ID:nNmGHYR00
紬「斉藤……遅いわね」
紬「渋滞も全然解消されないし、私も歩いて行こうかしら」
紬「あら?」

梓「うー、まさか寝坊しちゃうなんて」あせあせ

紬「梓ちゃん……退院してたの?」
紬「私たちになにも言わず?」
紬「ふふふ、さてどうしようかしら」

755: 2009/08/07(金) 22:32:43.65ID:nNmGHYR00
梓「何の騒ぎだろ……まさか憂が暴れてるんじゃ……」
梓「あはは、そんなわけないよね」

紬「うふふ、いったいなんなのかしらね?」

梓「さあ、私も来た……ばかりですから……」

紬「こんにちはー」

梓「ムギ……先輩?」

ムギ先輩の目は笑っていない。
まさか、どうして見つかったんだろう?
計画通りなら、ムギ先輩はこんなところに今頃いないはず……。

757: 2009/08/07(金) 22:36:56.08ID:nNmGHYR00
田井中家

律「ただいまー」

聡「はっ、はっ、はっ」

律「あー?聡なにやってんだ?」

聡「ね、姉ちゃん……」

律「ん?」

聡「ね、姉ちゃん!!」

律「うわ!!な、なんだ聡!!離れろ!!抱きつくなよ!!」

聡「ね、姉ちゃん!!!な、慰めてくれ!!俺を慰めてくれよ!!」

律「な、何を言って……」
律「やめろ!!」

聡は力任せに律の胸を揉んだ。

律「いや……!!乱暴に触るな!!」

760: 2009/08/07(金) 22:38:59.34ID:nNmGHYR00
聡「こわいんだよ!!いいじゃん、ね?いいだろ?なあ!!」

律「や、やめ……」

聡は律を犯した。
律は喘ぎ、よがった。
弟との背徳行為、犯されているという危機的状況に、いつもよりもスムーズに男性器を受け入れることが出来た。

律「うう……うう!!」

聡「最高だ!!最高だよ姉ちゃん!!」

779: 2009/08/07(金) 22:42:47.96ID:nNmGHYR00
梓「ムギ先輩、あの、これは冗談なんですよ、ね?」

紬「どこからどこまでが冗談なの?」

梓「どこからって……」

紬「こんな杜撰な計画で、うまくいくわけがないでしょう?」

梓「……」

紬「復讐?なに考えてるの?急に頭良くなったつもり?」
紬「澪ちゃんや聡くんに暴力もなにも期待できない」
紬「憂ちゃんだって、唯ちゃんのことで一途ではあるけど、人一人頃すほどの暴力はないわ」
紬「はじめかた破綻してたのよ、あなたの復讐は」

785: 2009/08/07(金) 22:46:23.20ID:nNmGHYR00
私を目を覚ます。
今日は復讐の実行日。
憂、聡くん、澪先輩をけしかけ、先輩たちに裁きを下す日。
でも、こんなことして復讐なんてできるのだろうか。
さっきの夢じゃないけど、特別な能力でもない限り、私の協力者たちはなにもできないのではないか。
私は急に弱気になっていた。
憂たちだって、私の思い通りに動いてくれるとは限らない……。

809: 2009/08/07(金) 22:53:30.26ID:nNmGHYR00
私は三人に中止を言い渡した。
しかし、三人とも聞き入れてはくれなかった。

憂「律さんにがつんと言ってくるよ!」

聡「唯さんみたいな卑劣な人を許せない!!さすがに年下に言われりゃ、目もさめるでしょ!」

澪「私、ムギに梓をいじめるなって言ってやる!!」

三人はそれぞれの相手を目指して旅立った。
しかし、結果は無残なものだった。
三人とも言い負かされ、あるいは暴力を振るわれ、私の仕業であると口々に言ったらしい。
まあ、私に関することだから、どちらにせよ私のことを先輩たちは追及しただろうが……。

821: 2009/08/07(金) 22:57:46.17ID:nNmGHYR00
憂「律さん、梓ちゃんをいじめるのは、もうやめてください!!」

律「梓?誰それ?w」

男「ちょ、律ひどすぎw」

憂「ふざけないで聞いてください!!」

男「なあ、この子結構可愛いじゃん。つか、唯ちゃんって子に似てるんだけど?」

律「唯の妹だからなw」

男「マジで?じゃあがんばれば姉妹丼もいけんじゃん」

律「勝手にやってろってw」

男「んじゃあ、いただくわ」

憂「え?なに?離して!離してください!!」

男「うわ、この子包丁持ってるし、マジやばくない?」

律「自衛用にしても物騒だよなw」

憂「う……ああ……」

男「優しくするからね♪」

832: 2009/08/07(金) 23:02:12.74ID:nNmGHYR00
聡「あ、あなたが唯さん……ですよね?」

唯「んー?だーれ?」

聡「お、俺、田井中聡って言います」

唯「あ!デ……じゃなくてりっちゃんの弟くんか!!」

聡(今デコって)

唯「むふふ、りっちゃんにどことなく似てるけど、なかなか可愛いねぇ」じゅるり

聡「か、かわいい……?そ、そんなこといまは」

唯「ねえねえ、お姉さんと、ちょっと気持ちいいことしない?」

聡「え?」

唯「うふふ、中学生なんてなかなか出会う機会ないよねぇ」

聡「え、あの……その……」

唯「ね?」むにゅっ

聡(あはあ!!胸が!!)
聡「ちょ、ちょっとだけですよ?」

唯「わーい」

839: 2009/08/07(金) 23:05:18.20ID:nNmGHYR00
澪「む、ムギ……!!話が……あるんだ」

紬「斉藤」ぱちん

斉藤「はい、お嬢様」

澪「な、なにを……?」

斉藤「今日のところはこれで……」がちゃっ

澪「お、お金……?お金なんてもらっても……!!」

紬「澪ちゃん」

澪「え?」

ドガバキーン!!

澪「ぐええ!!」

紬「世の中はね、金と暴力で回ってるのよ」
紬「少しはげんじつを知りなさい?」

澪「う……うええええん……」

848: 2009/08/07(金) 23:10:16.46ID:nNmGHYR00
冬休み明け

律「なあ、梓、私らに復讐しようとしたんだって?」

梓「……」

唯「あずにゃんこわーい。ふくしゅう!なんて物騒だね」

梓「……」

紬「まあまあ、こんな頭の悪い後輩にできることなんて、たかがしれてるわよ」

律「まあ、実際人任せで、具体的なことはなんにも考えてなかったみたいだしなw」
律「なあ!!裏切り者の澪ちゃん!!」

澪「は、はいい……」

律「ひゃはは!!猫はしゃべんなって!!」どかっ

澪「うごお……!!」

あれから、放課後ティータイムの飼い猫は二匹になった。

861: 2009/08/07(金) 23:18:17.60ID:nNmGHYR00
私たち二人はこれからも飼い猫として言葉を発することも許されず、生きていくしかないのだろうか。
時々澪先輩から恨み言を言われる毎日が、とてもつらい。
そうそう、和先輩は新学期に入る前に、首をつって氏んだらしい。
私のせいだよね。
ごめんなさい。
生意気言って……ごめんなさい。

869: 2009/08/07(金) 23:20:33.61ID:nNmGHYR00
紬「ほらほら、二匹とも発情期なんだから,もっと激しく交尾しなさい♪」

梓「んにゃあ、にゃおお……」ぬちゅぬちゃ

澪「ば……梓やめろ!!」

ばしん!!

紬「澪ちゃん?何回言ったらわかるのかしら?」

澪「ああ……ああ……」

紬「うふふ……澪ちゃんは鳴き方忘れちゃったのかな?」

澪「にゃ、にゃーお、みゃーお」

883: 2009/08/07(金) 23:25:14.96ID:nNmGHYR00
紬「そうそう、それでいいのよ」

澪「みゃあ……おう」ぬちゃぬちゃ

梓「はあ……はあ……ああ!!」びくんびくん

紬「うふふ、いっちゃったのね?」

紬(これよ、これが私の求めていた世界なの!!)
紬(あやうく梓ちゃんの『裏不無』に妨害されそうになったけど)
紬(最後は私の百合の『個士都』の勝利よ!!)




910: 2009/08/07(金) 23:30:19.09ID:nNmGHYR00
あずにゃんが復讐に走ったときから、こういうことになるって覚悟しておけよ……
こんなのいつものことじゃないか!!
ごめんなさい

952: 2009/08/07(金) 23:47:11.61ID:nNmGHYR00
読んでくれた人ありがとう
まあ馴れ合うの好きじゃないからもう消えるわ
お前らこんなアホSSで時間無駄にしてざまあwww
今度見かけたらまた罵倒してくれ
ノシ

引用: 梓「え?唯先輩、今なんて言いました……?」