29: 2009/07/20(月) 23:37:56.28ID:bMCVFyrQ0
唯「私からギターとったらなにも残らないよ・・・」

男「僕もそう思ったから、だからそのギターを奪ってやろうって思ったんだ」

唯「なんで?どうしてこんなこと…」

男「君には何も無かったからだよ
  僕と同じ、何をすればいいのかわからなくて
  かと言って模索するでもなく、何も無い気だるさも嫌いじゃない
  無理も可能も関係なく夢を語る奴らの中で、君だけが僕の仲間だった」

唯「うん…そうだよ、そうだったよ
  昔の私はそうだったかもしれない
  でも、今は違うよ!みんなと一緒に音楽をやりたい!そう思ってる!」

男「それが辛いんだ
  君が変わってしまったら、僕は一人ぼっちだ
  僕は、君に置いてきぼりにされたんだよ平沢さん
  高校に入って、軽音部に入部してから、君は何もしないでいるのをやめた」





30: 2009/07/20(月) 23:50:44.09ID:bMCVFyrQ0
唯「だからギー太を壊すの…?
   お願いだよ…やめてよ…」

男「それは無理だよ平沢さん
   もしも今、君から満足のいく言葉を貰ったとしても
   それはうそかもしれない
   君は正直者に見えるけど、流石にこんな時まで馬鹿真面目ではいられないだろうしね」

唯「や、やめて…やめて!」

バキバキ ベキッ 
ガンッ ガンッ バン ゴキ

唯「ギー太・・・!ギー太!!
  ひどいよ!ひどい・・・こんなの・・・」

男「・・・確かに、少しやりすぎたかな
  でも、こうでもしないと君は音楽を諦めてくれないだろ?
  君にどう思われてもいい、同じ仲間ができるのなら、ね 
  僕にはたくさんの友達がいたけど、仲間は一人もいなかった
  あいつらみんな大ッ嫌いだったよ」

唯「…私を、男君なんかと一緒にしないでよ
  絶対にみんなで武道館に行くって約束したんだから
  もう何もない私はいないんだから!一緒にしないでよ!」

男「・・・予想はしてたけど、聞きたくない台詞だね」
  

33: 2009/07/21(火) 00:00:19.91ID:0keMtY8w0
男「ギターの1つや2つ壊したくらいじゃ君は屈しないこと、わかってたよ
  琴吹さん・・・だっけ?いるよね?お金持ちの」

唯「ムギちゃんに・・・何する気なの!?」

男「保険・・・かな」

唯「保・・・険?」

男「うん、あのさ平沢さん、怒らないで聞いてほしいんだけどさ
  今から君の手の指を、何本かダメにしようと思ってるんだ」

唯「・・・!?」

男「ギターが壊れても、買えば音楽は続けられる・・・
  でも、君の手がダメになったら、ギターが何本あっても、もう演奏は出来ないよね」

唯「や、やだよっ・・・それだけはやめて!お願い!」

男「僕だってやりたくないよ、こんなこと
  本当はギターを壊した時点で、君が音楽を諦めるようなら
  今日のところはこれで終わりにするつもりだったんだ
  君はこのギターをひどく大事にしてたしね・・・
  でも、そういう様子が見られないんじゃ、徹底的にやらせてもらうしかないよね
  わかるでしょ?平沢さん」

34: 2009/07/21(火) 00:07:26.39ID:0keMtY8w0
男「でさ、保険の話に戻るんだけど
  もしも今、平沢さんが逃げたりしたら
  琴吹さん頃すから」

唯「ムギちゃんを・・・!」

男「あの女がいる限り、ギターはいくらでも手に入るんでしょ?
  ここにある元ギターも、あの子のおかげで手にはいったんだったよね」

唯「そんなことしたら・・・警察に捕まっちゃうよ、それでもいいの?」

男「いいよ」

唯「・・・!?」

男「僕と同じ人間がいる
  その事実だけで、僕はどこでも生きていける」

唯「おかしいよ・・・そんなの変だよ・・・男君」

男「・・・10数えるから
  琴吹さんを見頃しにするなら、ここから出て行っていいよ
  それが嫌なら、利き手を前に出して」
  

35: 2009/07/21(火) 00:16:40.78ID:0keMtY8w0
唯「数えなくてもいいよ・・・」

唯の右手が、男の前に差し出される

男「・・・迷わないんだね
  平沢さんは優しい人だ
  あんまり怖がらなくてもいいよ、指を数本破壊するだけだから」

唯「・・・ねえ、男君
  私の手をダメにする前に、ちょっとだけお話してもいいかな」

男「・・・いいけど」

唯「男君は私を変わったって言うけど、高校に入ってから、何も特別なことをしたわけじゃないんだよ
  ただ入部届けを書いて、部室に顔を出しただけ・・・」

男「・・・」

唯「人が変わるのって、ちょっとしたきっかけがあれば充分なんだよ、きっと
  学校で、普段は行かない部屋に行ってみたり
  放課後、ちょっとだけ学校に残ってみたり
  アルバイトしてみたり、行ったことのないお店に行ってみたり
  いつもと違う道で帰ってみたり・・・
  男君は、そういうのしたことあるかなあ?」

男「・・・」

42: 2009/07/21(火) 01:25:18.29ID:uuM3bKN/0
唯「きっと毎日男君の周りでも必ずどこか変化があるはずだよ
  そこに一歩足を踏み入れるだけで男君は変われるよ」

男「…でも俺は…」

唯「その一歩が怖いのなら私が押してあげるよ、男君が変われるように…だから自分から逃げないで」

男「君は…でも変われるという保証はないだろう?もしかしたら逆に恥をかいてしまうかもしれない」

唯「それもいいんだよ、人はそうやって変わっていける…そうなんだよ」

男「違う違うちがああああああうっ」

唯「自分から逃げないで男君っ」

男「!?」

唯「私が男君を変えてみせる…だから、自分から逃げないで」

43: 2009/07/21(火) 01:31:17.46ID:uuM3bKN/0

引用: 唯「私からギターとったらなにも残らないよ…」