1: 2009/01/01(木) 00:16:45.65ID:R5sPwwbw0
まとめサイト
前回:( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです【第109話 : Esteem】
最初から:( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです【第1話 : Road】
明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いします
第110話を投下します
前回:( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです【第109話 : Esteem】
最初から:( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです【第1話 : Road】
明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いします
第110話を投下します
58: 2009/01/01(木) 00:27:38.51ID:R5sPwwbw0
【第110話 : Snarl】
――ミーナ城付近――
ミルナが自分の首を諦めたとは思えなかった。
(´・ω・`)「負傷した兵は……やはりもう、戦えんか」
( ̄⊥ ̄)「恐らくは、二度と……」
(´・ω・`)「できれば本城に送り返したいが、かえって手間だな」
( ̄⊥ ̄)「しかし、陣中の兵糧が減っていくのも由々しき問題です」
いっそ、頃してくれたほうが良かった。
ファルロも決して口にはしないが、そう思っているだろう。
三日前にヴィップがミーナ城から躍り出て、ラウンジ軍に攻撃を加えた。
そのとき、ヴィップは前衛の兵を、殺さずに生かし、それだけで撤退していったのだ。
およそ三千。
十万の大軍から見れば、無視してもいいような数だった。
だが、陣内に留めておく必要がある。
戦えなくなった兵に兵糧を減らされていくのは、仕方ないのかも知れないが、歯噛みさせられた。
ただでさえ兵糧は苦しいのに、更に切り詰めなければならないとなれば、全軍の士気に影響する。
――ミーナ城付近――
ミルナが自分の首を諦めたとは思えなかった。
(´・ω・`)「負傷した兵は……やはりもう、戦えんか」
( ̄⊥ ̄)「恐らくは、二度と……」
(´・ω・`)「できれば本城に送り返したいが、かえって手間だな」
( ̄⊥ ̄)「しかし、陣中の兵糧が減っていくのも由々しき問題です」
いっそ、頃してくれたほうが良かった。
ファルロも決して口にはしないが、そう思っているだろう。
三日前にヴィップがミーナ城から躍り出て、ラウンジ軍に攻撃を加えた。
そのとき、ヴィップは前衛の兵を、殺さずに生かし、それだけで撤退していったのだ。
およそ三千。
十万の大軍から見れば、無視してもいいような数だった。
だが、陣内に留めておく必要がある。
戦えなくなった兵に兵糧を減らされていくのは、仕方ないのかも知れないが、歯噛みさせられた。
ただでさえ兵糧は苦しいのに、更に切り詰めなければならないとなれば、全軍の士気に影響する。
4: 2009/01/01(木) 00:17:24.06ID:R5sPwwbw0
~ヴィップの兵~
●( ^ω^) ブーン=トロッソ
32歳 大将
使用可能アルファベット:X
現在地:ヒトヒラ城・南東
●( ゚∀゚) ジョルジュ=ラダビノード
47歳 中将
使用可能アルファベット:U
現在地:ヒトヒラ城・南東
●( ・∀・) モララー=アブレイユ
37歳 中将
使用可能アルファベット:U
現在地:ギフト城
●( ゚д゚) ミルナ=クォッチ
48歳 中将
使用可能アルファベット:W
現在地:ミーナ城
●<ヽ`∀´> ニダー=ラングラー
48歳 中将
使用可能アルファベット:T
現在地:ギフト城
●( ^ω^) ブーン=トロッソ
32歳 大将
使用可能アルファベット:X
現在地:ヒトヒラ城・南東
●( ゚∀゚) ジョルジュ=ラダビノード
47歳 中将
使用可能アルファベット:U
現在地:ヒトヒラ城・南東
●( ・∀・) モララー=アブレイユ
37歳 中将
使用可能アルファベット:U
現在地:ギフト城
●( ゚д゚) ミルナ=クォッチ
48歳 中将
使用可能アルファベット:W
現在地:ミーナ城
●<ヽ`∀´> ニダー=ラングラー
48歳 中将
使用可能アルファベット:T
現在地:ギフト城
17: 2009/01/01(木) 00:19:38.60ID:R5sPwwbw0
●ミ,,゚Д゚彡 フサギコ=エヴィス
44歳 少将
使用可能アルファベット:R
現在地:オオカミ城
●( ><) ビロード=フィラデルフィア
35歳 少将
使用可能アルファベット:O
現在地:ギフト城
●( ´_ゝ`) アニジャ=サスガ
46歳 大尉
使用可能アルファベット:P
現在地:シャッフル城
●(´<_ ` ) オトジャ=サスガ
46歳 大尉
使用可能アルファベット:P
現在地:オリンシス城
44歳 少将
使用可能アルファベット:R
現在地:オオカミ城
●( ><) ビロード=フィラデルフィア
35歳 少将
使用可能アルファベット:O
現在地:ギフト城
●( ´_ゝ`) アニジャ=サスガ
46歳 大尉
使用可能アルファベット:P
現在地:シャッフル城
●(´<_ ` ) オトジャ=サスガ
46歳 大尉
使用可能アルファベット:P
現在地:オリンシス城
28: 2009/01/01(木) 00:21:23.78ID:R5sPwwbw0
●( ФωФ) ロマネスク=リティット
25歳 中尉
使用可能アルファベット:N
現在地:ギフト城
●(个△个) ルシファー=ラストフェニックス
25歳 少尉
使用可能アルファベット:L
現在地:ヒトヒラ城・南東
●/ ゚、。 / ダイオード=ウッドベル
30歳 中尉
使用可能アルファベット:?
現在地:ギフト城
25歳 中尉
使用可能アルファベット:N
現在地:ギフト城
●(个△个) ルシファー=ラストフェニックス
25歳 少尉
使用可能アルファベット:L
現在地:ヒトヒラ城・南東
●/ ゚、。 / ダイオード=ウッドベル
30歳 中尉
使用可能アルファベット:?
現在地:ギフト城
33: 2009/01/01(木) 00:22:43.43ID:R5sPwwbw0
大将:ブーン
中将:ジョルジュ/モララー/ミルナ/ニダー
少将:フサギコ/ビロード
大尉:アニジャ/オトジャ
中尉:ロマネスク/ダイオード
少尉:ルシファー
(佐官級は存在しません)
中将:ジョルジュ/モララー/ミルナ/ニダー
少将:フサギコ/ビロード
大尉:アニジャ/オトジャ
中尉:ロマネスク/ダイオード
少尉:ルシファー
(佐官級は存在しません)
42: 2009/01/01(木) 00:24:01.59ID:R5sPwwbw0
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:ルシファー
M:
N:ロマネスク
O:ビロード
P:アニジャ/オトジャ
Q:
R:フサギコ
S:ファルロ
T:ニダー
U:ジョルジュ/モララー
V:シャイツー
W:ミルナ
X:ブーン
Y:
Z:ショボン
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:ルシファー
M:
N:ロマネスク
O:ビロード
P:アニジャ/オトジャ
Q:
R:フサギコ
S:ファルロ
T:ニダー
U:ジョルジュ/モララー
V:シャイツー
W:ミルナ
X:ブーン
Y:
Z:ショボン
51: 2009/01/01(木) 00:25:55.75ID:R5sPwwbw0
一里=400m
一刻=30分
一尺=24cm
一合=200ml
(現実で現在使われているものとは異なります)
---------------------------------------------------
・全ての国境線上
一刻=30分
一尺=24cm
一合=200ml
(現実で現在使われているものとは異なります)
---------------------------------------------------
・全ての国境線上
65: 2009/01/01(木) 00:29:50.84ID:R5sPwwbw0
(´・ω・`)「負傷した兵には、少し、我慢を強いよう。
兵糧を碌に食べられないとしても、数日の辛抱だ」
( ̄⊥ ̄)「そうですね、長引かせたくはない戦です」
(´・ω・`)「終わらせるさ。互いにもう、手札は多くない」
西の戦の情報は、まだ入らない。
早ければ、そろそろ終結を見ている頃合いだ。
常に気を配っておく必要があった。
しかし、城の奪取にはまだ時間を要する。
一度、陣を下げてから再び前進しているが、まだ半里ほどの距離があるのだ。
例え城に近づいたとしても、Fに狙われる。安易に接近すべきではなかった。
(´・ω・`)「こっちから近づく必要は、ないかも知れんな」
( ̄⊥ ̄)「と、言いますと?」
(´・ω・`)「またミルナは、必ず打って出てくる」
そこを、返り討ちにしてやれば。
必然的にミーナ城は手に入る。
( ̄⊥ ̄)「しかし、出てきたミルナが、何をやってくるか……」
(´・ω・`)「それは、確かに読めん」
兵糧を碌に食べられないとしても、数日の辛抱だ」
( ̄⊥ ̄)「そうですね、長引かせたくはない戦です」
(´・ω・`)「終わらせるさ。互いにもう、手札は多くない」
西の戦の情報は、まだ入らない。
早ければ、そろそろ終結を見ている頃合いだ。
常に気を配っておく必要があった。
しかし、城の奪取にはまだ時間を要する。
一度、陣を下げてから再び前進しているが、まだ半里ほどの距離があるのだ。
例え城に近づいたとしても、Fに狙われる。安易に接近すべきではなかった。
(´・ω・`)「こっちから近づく必要は、ないかも知れんな」
( ̄⊥ ̄)「と、言いますと?」
(´・ω・`)「またミルナは、必ず打って出てくる」
そこを、返り討ちにしてやれば。
必然的にミーナ城は手に入る。
( ̄⊥ ̄)「しかし、出てきたミルナが、何をやってくるか……」
(´・ω・`)「それは、確かに読めん」
76: 2009/01/01(木) 00:32:03.86ID:R5sPwwbw0
城の周囲には土嚢が撒かれていた。
騎馬隊の進軍には、邪魔になるだろう。
しかし歩兵ならば、何なく越えていける。
その程度のものだ。
警戒するほどではないかも知れない。
だが、いったい何のために。
(´・ω・`)「ミルナが」
( ̄⊥ ̄)「はい」
(´・ω・`)「俺を討ち取るとすれば、一騎打ちではありえない」
ミルナの現在のアルファベットは、W。
一騎打ちで使うアルファベットとなると、Vだ。
Zとは比べものにならない。
本気を出さずとも、例え片腕を封じられたとしても、苦労なく勝てるだろう。
それは、ミルナほどの男なら分かっているはずのことだ。
つまり、一騎打ちはありえない。
(´・ω・`)「となると……」
( ̄⊥ ̄)「W、ですか?」
(´・ω・`)「あぁ」
騎馬隊の進軍には、邪魔になるだろう。
しかし歩兵ならば、何なく越えていける。
その程度のものだ。
警戒するほどではないかも知れない。
だが、いったい何のために。
(´・ω・`)「ミルナが」
( ̄⊥ ̄)「はい」
(´・ω・`)「俺を討ち取るとすれば、一騎打ちではありえない」
ミルナの現在のアルファベットは、W。
一騎打ちで使うアルファベットとなると、Vだ。
Zとは比べものにならない。
本気を出さずとも、例え片腕を封じられたとしても、苦労なく勝てるだろう。
それは、ミルナほどの男なら分かっているはずのことだ。
つまり、一騎打ちはありえない。
(´・ω・`)「となると……」
( ̄⊥ ̄)「W、ですか?」
(´・ω・`)「あぁ」
81: 2009/01/01(木) 00:34:07.75ID:R5sPwwbw0
どこからかは分からない。
しかし、確実に狙ってくるはずだ。
ミルナはその一瞬に、全てを賭けているのだろう。
ならば、注視すべきは、ミルナとWの行方だ。
( ̄⊥ ̄)「両方の位置を常に把握しておく必要が、あると思います」
(´・ω・`)「そうだな。ミルナとWの位置を常に把握しておけば、問題はない」
もっとも、Wに狙われたところで、自分の首が飛ぶとは思えない。
アルファベットZがこの手にはあるのだ。
ただ、万全を期する、というだけの話だった。
自分は、大将。万が一にでも討たれるようなことがあれば、ラウンジ軍そのものの崩壊に繋がる。
そして、ミルナの目論見を打ち砕いた、そのときにこそ。
ミルナを討ち取り、ミーナ城を奪い取ることができるのだ。
(´・ω・`)(……まぁ、人の壁がある以上、Fが俺を貫くことはないだろう)
盾なら探す必要さえないほどにある。
たかが数人を失う程度なら、大局に影響はないのだ。
肝心なのは、ミルナを討つこと。
そのためならば、多少の犠牲を厭うべきではなかった。
(´・ω・`)「…………」
しかし、確実に狙ってくるはずだ。
ミルナはその一瞬に、全てを賭けているのだろう。
ならば、注視すべきは、ミルナとWの行方だ。
( ̄⊥ ̄)「両方の位置を常に把握しておく必要が、あると思います」
(´・ω・`)「そうだな。ミルナとWの位置を常に把握しておけば、問題はない」
もっとも、Wに狙われたところで、自分の首が飛ぶとは思えない。
アルファベットZがこの手にはあるのだ。
ただ、万全を期する、というだけの話だった。
自分は、大将。万が一にでも討たれるようなことがあれば、ラウンジ軍そのものの崩壊に繋がる。
そして、ミルナの目論見を打ち砕いた、そのときにこそ。
ミルナを討ち取り、ミーナ城を奪い取ることができるのだ。
(´・ω・`)(……まぁ、人の壁がある以上、Fが俺を貫くことはないだろう)
盾なら探す必要さえないほどにある。
たかが数人を失う程度なら、大局に影響はないのだ。
肝心なのは、ミルナを討つこと。
そのためならば、多少の犠牲を厭うべきではなかった。
(´・ω・`)「…………」
88: 2009/01/01(木) 00:36:09.38ID:R5sPwwbw0
( ̄⊥ ̄)「……どうかされましたか?」
(´・ω・`)「ん……いや……」
何故だ。
ふと、思った。
何故か、自分は、異常なほどミルナのことを気にしている。
やけに、警戒してしまっている。
取るに足らぬ相手だ。
特に、一騎打ちであれば、負ける道理はない。
例えWに狙われても、アルファベットZがあれば防げる。
ならば、何故。
何故、ミルナの顔が常にちらつく。
(´・ω・`)「……ファルロ」
( ̄⊥ ̄)「はい」
(´・ω・`)「もし……もし、俺に万一のことがあったら、後はヴィル=クールに従ってくれ」
(; ̄⊥ ̄)「えっ……!?」
ファルロの細い眼が、大きく見開かれた。
(´・ω・`)「ん……いや……」
何故だ。
ふと、思った。
何故か、自分は、異常なほどミルナのことを気にしている。
やけに、警戒してしまっている。
取るに足らぬ相手だ。
特に、一騎打ちであれば、負ける道理はない。
例えWに狙われても、アルファベットZがあれば防げる。
ならば、何故。
何故、ミルナの顔が常にちらつく。
(´・ω・`)「……ファルロ」
( ̄⊥ ̄)「はい」
(´・ω・`)「もし……もし、俺に万一のことがあったら、後はヴィル=クールに従ってくれ」
(; ̄⊥ ̄)「えっ……!?」
ファルロの細い眼が、大きく見開かれた。
102: 2009/01/01(木) 00:38:59.42ID:R5sPwwbw0
(´・ω・`)「あいつは、俺の代わりにはなれんが、それに近いところまではやってくれると思う。
心許なさは、無論あるが、他に手もない」
(; ̄⊥ ̄)「どういうことですか? なにか、懸念事項が?」
(´・ω・`)「分からん。何も起きんだろうとは思う。
しかし、何かが起きても不思議はない」
( ̄⊥ ̄)「それは、そうだと思いますが……」
自分でも、何を言っているのか、分からなかった。
しかし、ただひとつだけ、はっきりしていることがある。
次にミルナが城外に出てくるとき、容易く勝てはしないだろう、ということだ。
( ̄⊥ ̄)「ん……?」
陣内が、俄かに慌ただしくなった。
無論、そうなる前に、自分は気付いていた。
ミーナ城の城壁から、いつも決まった時間に投げられていた土嚢が、飛んでこなかった。
ヴィップが、定型を崩してきた。
城内から、はっきりと動きを感じる。
間違いなかった。
どうやら、再び城外戦に臨むつもりのようだ。
(´・ω・`)「いいだろう」
心許なさは、無論あるが、他に手もない」
(; ̄⊥ ̄)「どういうことですか? なにか、懸念事項が?」
(´・ω・`)「分からん。何も起きんだろうとは思う。
しかし、何かが起きても不思議はない」
( ̄⊥ ̄)「それは、そうだと思いますが……」
自分でも、何を言っているのか、分からなかった。
しかし、ただひとつだけ、はっきりしていることがある。
次にミルナが城外に出てくるとき、容易く勝てはしないだろう、ということだ。
( ̄⊥ ̄)「ん……?」
陣内が、俄かに慌ただしくなった。
無論、そうなる前に、自分は気付いていた。
ミーナ城の城壁から、いつも決まった時間に投げられていた土嚢が、飛んでこなかった。
ヴィップが、定型を崩してきた。
城内から、はっきりと動きを感じる。
間違いなかった。
どうやら、再び城外戦に臨むつもりのようだ。
(´・ω・`)「いいだろう」
118: 2009/01/01(木) 00:41:13.64ID:R5sPwwbw0
小細工はない。
逃げも隠れも、しない。
正面から、迎え撃つ。
そして、この不気味な悪寒とともに、ヴィップ軍を蹴散らしてやる。
ただ、それだけだ。
――ギフト城近辺――
氷の粒が、空を舞っていた。
踏みしめる地面は固く、馬蹄音は甲高く響き渡る。
鞘から抜き放った、剣のようだ、と思えた。
騎馬隊を先陣にして、ラウンジは進軍してきた。
正面から、堅陣にぶつかろうとしている。
<ヽ`∀´>(……遂に、来るニカ)
それ以外に道はない、と分かっていた。
モララーの遊撃隊を追うのは、リスクが高い。
大軍は機動性に欠点を持つからだ。
だが、敵軍も遊撃隊を編成している可能性はある。
防ぎようがないことだ。十万の大軍の鈍重性に賭けるしかない。
あるいは、モララーの指揮に。
逃げも隠れも、しない。
正面から、迎え撃つ。
そして、この不気味な悪寒とともに、ヴィップ軍を蹴散らしてやる。
ただ、それだけだ。
――ギフト城近辺――
氷の粒が、空を舞っていた。
踏みしめる地面は固く、馬蹄音は甲高く響き渡る。
鞘から抜き放った、剣のようだ、と思えた。
騎馬隊を先陣にして、ラウンジは進軍してきた。
正面から、堅陣にぶつかろうとしている。
<ヽ`∀´>(……遂に、来るニカ)
それ以外に道はない、と分かっていた。
モララーの遊撃隊を追うのは、リスクが高い。
大軍は機動性に欠点を持つからだ。
だが、敵軍も遊撃隊を編成している可能性はある。
防ぎようがないことだ。十万の大軍の鈍重性に賭けるしかない。
あるいは、モララーの指揮に。
124: 2009/01/01(木) 00:43:41.87ID:R5sPwwbw0
モララーならば、いかなる精神状態であろうとも、他将より上手く戦をやってくれるはずだ。
もはや遊撃隊の動向は確認できないが、信頼するしかない状況だった。
<ヽ`∀´>(……?)
ラウンジの本隊は、広がっていたが、一隊にまとまって進軍していた。
しかし、接触まで二里ほどとなったところで、突如として隊を分け始めた。
遊撃隊か。
そうも思ったが、違う。
単純に、およそ三万ずつの隊を、三つ。
三方面から、堅陣を攻め込むつもりだ。
<ヽ`∀´>(……愚策ニダ)
力の分散など、堅陣が相手なら愚策以外の何物でもない。
一点突破で形を崩すことこそ、堅陣に対しては有効な手立てなのだ。
だが、分かっていた。
瞭然とした愚策など、ラウンジが取ってくるはずはない、と。
<ヽ`∀´>(恐らく、三隊の指揮官は、オワタとシャイツーとヴィル……)
<ヽ`∀´>(……ラウンジの狙いは、ヴィルとモララーの一騎打ち……ニカ?)
そうだとすれば、どれがシャイツー指揮の部隊なのか、見極める必要がある。
モララーとシャイツーの一騎打ちは、モララーが絶対不利だ。
戦わせてはならない。
もはや遊撃隊の動向は確認できないが、信頼するしかない状況だった。
<ヽ`∀´>(……?)
ラウンジの本隊は、広がっていたが、一隊にまとまって進軍していた。
しかし、接触まで二里ほどとなったところで、突如として隊を分け始めた。
遊撃隊か。
そうも思ったが、違う。
単純に、およそ三万ずつの隊を、三つ。
三方面から、堅陣を攻め込むつもりだ。
<ヽ`∀´>(……愚策ニダ)
力の分散など、堅陣が相手なら愚策以外の何物でもない。
一点突破で形を崩すことこそ、堅陣に対しては有効な手立てなのだ。
だが、分かっていた。
瞭然とした愚策など、ラウンジが取ってくるはずはない、と。
<ヽ`∀´>(恐らく、三隊の指揮官は、オワタとシャイツーとヴィル……)
<ヽ`∀´>(……ラウンジの狙いは、ヴィルとモララーの一騎打ち……ニカ?)
そうだとすれば、どれがシャイツー指揮の部隊なのか、見極める必要がある。
モララーとシャイツーの一騎打ちは、モララーが絶対不利だ。
戦わせてはならない。
129: 2009/01/01(木) 00:46:10.93ID:R5sPwwbw0
だが、堅陣では身動きも取れないのだ。
見極められた時点で、堅陣を動かすか。
準備はしているが、そうした場合は、ギフト城の守備が疎かになる。
<ヽ`∀´>(……堅陣は動かせないニダ……)
戦の勝利に必要な条件とは。
ギフト城の氏守。
そのためには、敵軍の敗走。
そのためには、敵軍指揮官の首。
構造を単純化させればいい。
<ヽ`∀´>(シャイツーじゃなくて……オワタかヴィルの首を取れれば……)
やはり、必要になってくるのは、どの隊を誰が率いているのか、の見極めだ。
モララーを信じるしかない。
必ず、敵軍の指揮官を見極めて、オワタもしくはヴィルを討ち取ってくれると。
それまで、自分は、一瞬でも長く堅陣を持ち堪えさせなければならない。
<ヽ`∀´>「前衛! 氏力を尽くすニダよ!!」
敵軍と衝突した。
戦が、始まった。
衝撃が中核まで伝わってくる。
三方面から打ち破らんとして攻め込んでくるラウンジの圧力は、相当なものだ。
見極められた時点で、堅陣を動かすか。
準備はしているが、そうした場合は、ギフト城の守備が疎かになる。
<ヽ`∀´>(……堅陣は動かせないニダ……)
戦の勝利に必要な条件とは。
ギフト城の氏守。
そのためには、敵軍の敗走。
そのためには、敵軍指揮官の首。
構造を単純化させればいい。
<ヽ`∀´>(シャイツーじゃなくて……オワタかヴィルの首を取れれば……)
やはり、必要になってくるのは、どの隊を誰が率いているのか、の見極めだ。
モララーを信じるしかない。
必ず、敵軍の指揮官を見極めて、オワタもしくはヴィルを討ち取ってくれると。
それまで、自分は、一瞬でも長く堅陣を持ち堪えさせなければならない。
<ヽ`∀´>「前衛! 氏力を尽くすニダよ!!」
敵軍と衝突した。
戦が、始まった。
衝撃が中核まで伝わってくる。
三方面から打ち破らんとして攻め込んでくるラウンジの圧力は、相当なものだ。
133: 2009/01/01(木) 00:48:21.61ID:R5sPwwbw0
しかし、力は前回の戦で把握しきっている。
現に、ヴィップの堅陣は、充分に持ち堪えていた。
連戦の疲れは確実に蓄積されているが、ラウンジと互角、あるいはそれ以上に戦えている事実が大きい。
仮に先の戦で大敗していたら、この戦もただ押し込まれるだけだっただろう。
数の暴力には、抗いきれない点もある。
徐々に堅陣の装甲は剥がれていくが、時間は稼げているはずだ。
この間に、モララーの遊撃隊が、敵軍の見極めを進めてくれているだろう。
充分だ、充分勝てる戦だ。
光明に手を伸ばして、開いた手のひらを閉じようとした。
しかし、不意に喧噪が大きくなってきた。
<ヽ`∀´>「……?」
最初は、分からなかった。
気づくまでに、幾らかの時間を要した。
それほど、徐々に、徐々に増してきていたのだ。
ラウンジの、圧力は。
<;`∀´>(これはっ……!)
完全に、押し込まれている。
堅陣の形は、崩されはじめている。
現に、ヴィップの堅陣は、充分に持ち堪えていた。
連戦の疲れは確実に蓄積されているが、ラウンジと互角、あるいはそれ以上に戦えている事実が大きい。
仮に先の戦で大敗していたら、この戦もただ押し込まれるだけだっただろう。
数の暴力には、抗いきれない点もある。
徐々に堅陣の装甲は剥がれていくが、時間は稼げているはずだ。
この間に、モララーの遊撃隊が、敵軍の見極めを進めてくれているだろう。
充分だ、充分勝てる戦だ。
光明に手を伸ばして、開いた手のひらを閉じようとした。
しかし、不意に喧噪が大きくなってきた。
<ヽ`∀´>「……?」
最初は、分からなかった。
気づくまでに、幾らかの時間を要した。
それほど、徐々に、徐々に増してきていたのだ。
ラウンジの、圧力は。
<;`∀´>(これはっ……!)
完全に、押し込まれている。
堅陣の形は、崩されはじめている。
142: 2009/01/01(木) 00:50:41.91ID:R5sPwwbw0
馬鹿な、先の戦で完全に把握したはずだ。
ラウンジの攻め方、その力。
いずれも把握したうえでの守りだったのだ。
まだ真価は発揮していなかったのか。
確かに、今にして思えば、前回の戦はやけにあっさりと撤退していった。
そこに不自然さを覚えるべきだったのか。
このままでは、もって二刻。
堅陣が破られれば、間違いなくギフト城を落とされる。
モララーは、間に合うか。
分からない。
例えすぐに敵軍の指揮官を見破り、オワタかヴィルを狙ったとしても、際どい。
この堅陣を、保ちきれない可能性が高い。
ならば――――
(;><)「ニダー中将! 攻撃に転じましょう!」
<;`∀´>「ビロード少将」
自分が薄ら考えていたことと、同じ意見だった。
(;><)「このまま堅陣を突破されるとギフト城は守れないんです!
だったらいっそ、不意をついて反撃したほうがいいんです!」
<ヽ`∀´>「……そうニダね」
ラウンジの攻め方、その力。
いずれも把握したうえでの守りだったのだ。
まだ真価は発揮していなかったのか。
確かに、今にして思えば、前回の戦はやけにあっさりと撤退していった。
そこに不自然さを覚えるべきだったのか。
このままでは、もって二刻。
堅陣が破られれば、間違いなくギフト城を落とされる。
モララーは、間に合うか。
分からない。
例えすぐに敵軍の指揮官を見破り、オワタかヴィルを狙ったとしても、際どい。
この堅陣を、保ちきれない可能性が高い。
ならば――――
(;><)「ニダー中将! 攻撃に転じましょう!」
<;`∀´>「ビロード少将」
自分が薄ら考えていたことと、同じ意見だった。
(;><)「このまま堅陣を突破されるとギフト城は守れないんです!
だったらいっそ、不意をついて反撃したほうがいいんです!」
<ヽ`∀´>「……そうニダね」
153: 2009/01/01(木) 00:53:05.75ID:R5sPwwbw0
頷いて、鉦を鳴らさせた。
すぐさま、堅陣は姿を変えた。
ラウンジも、全く予想していなかったわけではないだろう。
だが、予測を上回る速度で転じられたことは間違いない。
雁行陣形で、ラウンジと相対した。
すぐさま、勢いを挫くべく、ラウンジ軍を迎え撃った。
<#`∀´>「ニダァァァァァァァァ!!」
まずは、高ランクアルファベットを扱う自分が、斬り込む。
調子づいていたラウンジ軍の、勢いを削ぐ。
縦横無尽にアルファベットTを振り回した。
刃で、返して鎚で。
長いリーチを存分に活かし、敵を寄せ付けなかった。
幾つも首を飛ばして、まずは一方的な攻勢を凌ぐことができた。
だが、相手は依然として十万近い軍勢。
局所的に堰き止めたところで、勝利に近づくことはできない。
オワタを、そしてヴィルを。
見つけなければ。
確率としては三分のニ。
二人が相手ならば、モララーに頼らずとも、アルファベットTで討ち取れるはずだ。
運を頼りに攻め込んでみてもいい。
すぐさま、堅陣は姿を変えた。
ラウンジも、全く予想していなかったわけではないだろう。
だが、予測を上回る速度で転じられたことは間違いない。
雁行陣形で、ラウンジと相対した。
すぐさま、勢いを挫くべく、ラウンジ軍を迎え撃った。
<#`∀´>「ニダァァァァァァァァ!!」
まずは、高ランクアルファベットを扱う自分が、斬り込む。
調子づいていたラウンジ軍の、勢いを削ぐ。
縦横無尽にアルファベットTを振り回した。
刃で、返して鎚で。
長いリーチを存分に活かし、敵を寄せ付けなかった。
幾つも首を飛ばして、まずは一方的な攻勢を凌ぐことができた。
だが、相手は依然として十万近い軍勢。
局所的に堰き止めたところで、勝利に近づくことはできない。
オワタを、そしてヴィルを。
見つけなければ。
確率としては三分のニ。
二人が相手ならば、モララーに頼らずとも、アルファベットTで討ち取れるはずだ。
運を頼りに攻め込んでみてもいい。
165: 2009/01/01(木) 00:55:38.84ID:R5sPwwbw0
だが、深入りすると間違いなく、ギフト城を落とされる。
城門は固く閉じておくよう言ってあるが、ヴィップ軍が殲滅されるようでは、攻城兵器の出番を許すことになるのだ。
やはりここは、鍔迫り合いを続けておくべきだ。
敵将の首は、モララーが取ってくれることを願うしかない。
結局は、あの男が鍵を握っているのだ。
――ギフト城近辺――
狙うべき敵将は、オワタ=ライフ。
もしくは、ヴィル=クール。
それは、分かっていた。
狙いもずっと、その二人に絞っていた。
( ・∀・)「…………」
十万の軍を三隊に分けたラウンジの攻撃は、見事だった。
力の分散は下策とされるが、圧倒的大軍を擁していることを考慮したらしい。
三方面からの攻撃を受けたヴィップ軍は、あっという間に軋みはじめ、堅陣を解体せざるをえなかった。
守りのニダーでさえ、陣を保ちつづけられなかったのだ。
誰が指揮執っても、ラウンジの攻勢には抗えなかっただろう。
恐らくは、本領発揮だ。
( ・∀・)(前の戦じゃ、まだ本気を見せてなかったってことか……)
城門は固く閉じておくよう言ってあるが、ヴィップ軍が殲滅されるようでは、攻城兵器の出番を許すことになるのだ。
やはりここは、鍔迫り合いを続けておくべきだ。
敵将の首は、モララーが取ってくれることを願うしかない。
結局は、あの男が鍵を握っているのだ。
――ギフト城近辺――
狙うべき敵将は、オワタ=ライフ。
もしくは、ヴィル=クール。
それは、分かっていた。
狙いもずっと、その二人に絞っていた。
( ・∀・)「…………」
十万の軍を三隊に分けたラウンジの攻撃は、見事だった。
力の分散は下策とされるが、圧倒的大軍を擁していることを考慮したらしい。
三方面からの攻撃を受けたヴィップ軍は、あっという間に軋みはじめ、堅陣を解体せざるをえなかった。
守りのニダーでさえ、陣を保ちつづけられなかったのだ。
誰が指揮執っても、ラウンジの攻勢には抗えなかっただろう。
恐らくは、本領発揮だ。
( ・∀・)(前の戦じゃ、まだ本気を見せてなかったってことか……)
175: 2009/01/01(木) 00:58:10.97ID:R5sPwwbw0
そうだとすれば、ヴィル=クールの本気は底が知れない。
手を抜いていたと表現していい前回の戦でさえ、ヴィップは苦戦を強いられたのだ。
今回の戦も、まだ全力かどうか分からない。
恐らく、ヴィップにいたころのショボンも、そうだったのだろう。
一度たりとも、本気を出したことはなかったのだろう。
今も、しがらみに捕らわれ、真価を見せることができていないように思える。
ヴィル=クールはショボンの影武者と考えてもいい。
それほどに、戦のやり方は似ていた。
ショボンと同じような戦であれば、こちらも小細工を用いる必要はない。
敵将の位置を見極め、その首を狙いにいくだけでいい。
先の戦では、シャイツー=マタンキの指揮執る騎馬隊が、圧倒的な強さを誇っていた。
見極め方としては、そこが大事になる。
活発に動いている騎馬隊の存在だ。
既に、見抜いてはいるのだ。
ヴィップの本隊から見て、右翼方向の部隊。
騎馬隊が縦横無尽に動き回っている。
恐らくは、あそこにシャイツーがいる。
( ・∀・)「…………」
狙うべきは、誰だ。
誰を、狙うべきだ。
いま一度、自分に問いかけてみた。
手を抜いていたと表現していい前回の戦でさえ、ヴィップは苦戦を強いられたのだ。
今回の戦も、まだ全力かどうか分からない。
恐らく、ヴィップにいたころのショボンも、そうだったのだろう。
一度たりとも、本気を出したことはなかったのだろう。
今も、しがらみに捕らわれ、真価を見せることができていないように思える。
ヴィル=クールはショボンの影武者と考えてもいい。
それほどに、戦のやり方は似ていた。
ショボンと同じような戦であれば、こちらも小細工を用いる必要はない。
敵将の位置を見極め、その首を狙いにいくだけでいい。
先の戦では、シャイツー=マタンキの指揮執る騎馬隊が、圧倒的な強さを誇っていた。
見極め方としては、そこが大事になる。
活発に動いている騎馬隊の存在だ。
既に、見抜いてはいるのだ。
ヴィップの本隊から見て、右翼方向の部隊。
騎馬隊が縦横無尽に動き回っている。
恐らくは、あそこにシャイツーがいる。
( ・∀・)「…………」
狙うべきは、誰だ。
誰を、狙うべきだ。
いま一度、自分に問いかけてみた。
182: 2009/01/01(木) 01:00:53.12ID:R5sPwwbw0
分かり切ったことだ。
( ・∀・)「行くぞ。敵将の首を取る」
手綱を引いて、強く駆けだす。
狙いは、中央の部隊。攻撃の圧力が最も強い。
読みが正しければ、オワタ=ライフが指揮執っている部隊だ。
得体の知れないヴィル=クールより、まずは見知ったオワタを狙った方がいい。
確実性が高いからだ。
敵軍の後方は、ヴィップの遊撃隊を警戒していた。
さすがに、大軍の利は活かしている。
前方、後方、いずれも憂いはないようだ。
そこを、打ち破るのが自分の役目だった。
斬り込んで、敵軍に突撃する。
ニダーが攻撃に転じた、今こそが好機だ。
アルファベットUを振り回した。
( ・∀・)「ッ……」
やはり抵抗は強い。
アルファベットGを操る敵兵が、必氏で守りを固めているのだ。
アルファベットごと砕いて前に進むも、非常に遅々とした動き。
進軍速度が緩むと、敵軍の反撃を許してしまい、自軍を解体される恐れがある。
散り散りになってしまっては、脱出も困難だ。
( ・∀・)「行くぞ。敵将の首を取る」
手綱を引いて、強く駆けだす。
狙いは、中央の部隊。攻撃の圧力が最も強い。
読みが正しければ、オワタ=ライフが指揮執っている部隊だ。
得体の知れないヴィル=クールより、まずは見知ったオワタを狙った方がいい。
確実性が高いからだ。
敵軍の後方は、ヴィップの遊撃隊を警戒していた。
さすがに、大軍の利は活かしている。
前方、後方、いずれも憂いはないようだ。
そこを、打ち破るのが自分の役目だった。
斬り込んで、敵軍に突撃する。
ニダーが攻撃に転じた、今こそが好機だ。
アルファベットUを振り回した。
( ・∀・)「ッ……」
やはり抵抗は強い。
アルファベットGを操る敵兵が、必氏で守りを固めているのだ。
アルファベットごと砕いて前に進むも、非常に遅々とした動き。
進軍速度が緩むと、敵軍の反撃を許してしまい、自軍を解体される恐れがある。
散り散りになってしまっては、脱出も困難だ。
191: 2009/01/01(木) 01:04:12.32ID:R5sPwwbw0
( ・∀・)「散らばるなよ!」
声を張り上げる。
尚も、前進を続ける。
敵軍、総勢十万。
攻撃を得手としないニダーでは、いずれ押し返されるだろう。
猶予はない。
自分が敵将に達するのが先か、ニダーが破られるのが先か。
非常に過酷な戦だった。
留まらずに斬り進み、簡単には反転できない位置にまで食い込んだ。
人の波の熱気は、一瞬、寒さを忘れてしまうほどだ。
温血を浴びた身を寒風が冷やすも、すぐさま別の血で体は塗れる。
それでも、アルファベットを振るい続けた。
ただ、戦の勝利のために。
ギフト城の氏守を、誰よりもブーンが願っている。
自分たちに、託している。
応えなければならないのだ。
それがひいては、ヴィップの天下へも繋がるのだから。
パレ゚ド「通さん!!」
アルファベットKの切っ先が、自分の喉元に向いていた。
ハレド=レガシィ中尉。
新鋭の将として、名前だけは聞いたことがあった。
声を張り上げる。
尚も、前進を続ける。
敵軍、総勢十万。
攻撃を得手としないニダーでは、いずれ押し返されるだろう。
猶予はない。
自分が敵将に達するのが先か、ニダーが破られるのが先か。
非常に過酷な戦だった。
留まらずに斬り進み、簡単には反転できない位置にまで食い込んだ。
人の波の熱気は、一瞬、寒さを忘れてしまうほどだ。
温血を浴びた身を寒風が冷やすも、すぐさま別の血で体は塗れる。
それでも、アルファベットを振るい続けた。
ただ、戦の勝利のために。
ギフト城の氏守を、誰よりもブーンが願っている。
自分たちに、託している。
応えなければならないのだ。
それがひいては、ヴィップの天下へも繋がるのだから。
パレ゚ド「通さん!!」
アルファベットKの切っ先が、自分の喉元に向いていた。
ハレド=レガシィ中尉。
新鋭の将として、名前だけは聞いたことがあった。
207: 2009/01/01(木) 01:06:41.44ID:R5sPwwbw0
たかだかKで刃向かってくる、その勢いだけは認めてやってもいい。
しかし、戦場に生きる者であれば、自分の力量は正確に把握しているべきだ。
突き出されたアルファベットKを、軽くいなす。
隙だらけの懐へ向けて、Uを押し出した。
ハレドの胴体を、貫く。
( ・∀・)「ッ……!?」
貫いた瞬間、ハレドは、アルファベットKを突きおろした。
そして、アルファベットUの穴に、刃と柄を通したのだ。
同時に、穴を片手で掴まれた。
アルファベットUの自由を、奪われてしまったのだ。
(;・∀・)「くっ!!」
油断した。ただこれだけのために、命を投げ出してくるとは。
強引に引き抜こうとするが、まだハレドは意識を保っている。
人生の全てを、この瞬間に賭けているのだ。
何のために。
その答えは、分かっていた。
ハレドの後方から迫る、オワタ=ライフ。
アルファベットOを構えている。
そして――――そして、更なる獣。
しかし、戦場に生きる者であれば、自分の力量は正確に把握しているべきだ。
突き出されたアルファベットKを、軽くいなす。
隙だらけの懐へ向けて、Uを押し出した。
ハレドの胴体を、貫く。
( ・∀・)「ッ……!?」
貫いた瞬間、ハレドは、アルファベットKを突きおろした。
そして、アルファベットUの穴に、刃と柄を通したのだ。
同時に、穴を片手で掴まれた。
アルファベットUの自由を、奪われてしまったのだ。
(;・∀・)「くっ!!」
油断した。ただこれだけのために、命を投げ出してくるとは。
強引に引き抜こうとするが、まだハレドは意識を保っている。
人生の全てを、この瞬間に賭けているのだ。
何のために。
その答えは、分かっていた。
ハレドの後方から迫る、オワタ=ライフ。
アルファベットOを構えている。
そして――――そして、更なる獣。
228: 2009/01/01(木) 01:09:21.70ID:R5sPwwbw0
爪牙を光らせながら、接近してくる。
一頭、その後方に、もう一頭。
(・∀ ・)「あははははははははははははははは」
川 ゚ -゚)「…………」
シャイツー=マタンキ。
そして恐らく、ヴィル=クール。
(;・∀・)「くっ……!!」
完全に、読み違えた。
三人は、三隊をそれぞれ率いるのではなく、一隊にまとまっていたのだ。
ただ自分をしとめるためだけに。
騎馬隊が苛烈な動きを見せていたのも囮か。
中央の部隊の攻撃力が高かったのも、オワタを狙ってくると読んでいたからか。
全力で、アルファベットUを振った。
ハレドの胴体を切り裂いて、ようやくUに自由が戻る。
しかし、そのときには、オワタのアルファベットが迫っていた。
同時に、シャイツーとヴィルのアルファベットも。
シャイツーひとりでさえ、勝てるかどうか分からない。
その状態で、オワタとヴィルまで居ては――――もはや、この勝負――――
(;><)「モララー中将!!」
一頭、その後方に、もう一頭。
(・∀ ・)「あははははははははははははははは」
川 ゚ -゚)「…………」
シャイツー=マタンキ。
そして恐らく、ヴィル=クール。
(;・∀・)「くっ……!!」
完全に、読み違えた。
三人は、三隊をそれぞれ率いるのではなく、一隊にまとまっていたのだ。
ただ自分をしとめるためだけに。
騎馬隊が苛烈な動きを見せていたのも囮か。
中央の部隊の攻撃力が高かったのも、オワタを狙ってくると読んでいたからか。
全力で、アルファベットUを振った。
ハレドの胴体を切り裂いて、ようやくUに自由が戻る。
しかし、そのときには、オワタのアルファベットが迫っていた。
同時に、シャイツーとヴィルのアルファベットも。
シャイツーひとりでさえ、勝てるかどうか分からない。
その状態で、オワタとヴィルまで居ては――――もはや、この勝負――――
(;><)「モララー中将!!」
255: 2009/01/01(木) 01:13:19.58ID:R5sPwwbw0
闇に落ちかけた自分の心に、射し込んだ光明。
すかさずオワタのOを防いでくれた。
ビロード=フィラデルフィア。
この混戦でも、状況を的確に見極めていたのか。
(;・∀・)「ビロード!! 助かった!!」
(;><)「モララー中将は僕が守るんです!!」
絶望の淵に、まだ両手で掴まることができている。
運が良ければ、這い上がることもできる。
だが、それでも、絶望に触れていることは間違いないのだ。
――ミーナ城付近――
城外への出撃は、驚くほど滑らかに進んだ。
ラウンジの妨害活動は、全くと言っていいほど行なわれなかった。
( ゚д゚)(野戦に全てを賭けるか、ショボン=ルージアル)
もはや、小細工に拘る必要などない、と見たのだろう。
ただ目の前の敵を殲滅すればいい、と。
こちらからすれば、望ましくはない展開だ。
しかし、作戦は変わらない。
すかさずオワタのOを防いでくれた。
ビロード=フィラデルフィア。
この混戦でも、状況を的確に見極めていたのか。
(;・∀・)「ビロード!! 助かった!!」
(;><)「モララー中将は僕が守るんです!!」
絶望の淵に、まだ両手で掴まることができている。
運が良ければ、這い上がることもできる。
だが、それでも、絶望に触れていることは間違いないのだ。
――ミーナ城付近――
城外への出撃は、驚くほど滑らかに進んだ。
ラウンジの妨害活動は、全くと言っていいほど行なわれなかった。
( ゚д゚)(野戦に全てを賭けるか、ショボン=ルージアル)
もはや、小細工に拘る必要などない、と見たのだろう。
ただ目の前の敵を殲滅すればいい、と。
こちらからすれば、望ましくはない展開だ。
しかし、作戦は変わらない。
274: 2009/01/01(木) 01:16:08.51ID:R5sPwwbw0
ショボンの位置は正確に把握している。
討ち取る準備は、できている。
ここで首を取れれば、全てが終わる。
自分の戦も、ヴィップの戦も。
何もかも、終わらせることができるのだ。
そして、今がその、千載一遇の好機でもある。
( ゚д゚)(何がなんでも、だ)
あの忌まわしい首を、胴体から切り離してやる。
そして、全てに終止符を打つ。
まずは、ショボンへの道を切り開くことだ。
( ゚д゚)「行くぞ!!」
一万の手勢、ほぼ全軍が城外に出た。
ショボンと相対する北の方面に、だ。
狙いは一点突破。
(#゚д゚)「ハァァァァァッ!!」
射込まれるFを弾き落としながら前進する。
相手がM隊ならば辛い攻撃だが、既に自分の手で殲滅した。
D隊の攻撃も、余裕を持って防げるわけではないが、前進できないほどではない。
討ち取る準備は、できている。
ここで首を取れれば、全てが終わる。
自分の戦も、ヴィップの戦も。
何もかも、終わらせることができるのだ。
そして、今がその、千載一遇の好機でもある。
( ゚д゚)(何がなんでも、だ)
あの忌まわしい首を、胴体から切り離してやる。
そして、全てに終止符を打つ。
まずは、ショボンへの道を切り開くことだ。
( ゚д゚)「行くぞ!!」
一万の手勢、ほぼ全軍が城外に出た。
ショボンと相対する北の方面に、だ。
狙いは一点突破。
(#゚д゚)「ハァァァァァッ!!」
射込まれるFを弾き落としながら前進する。
相手がM隊ならば辛い攻撃だが、既に自分の手で殲滅した。
D隊の攻撃も、余裕を持って防げるわけではないが、前進できないほどではない。
288: 2009/01/01(木) 01:18:47.99ID:R5sPwwbw0
ただ、多少の被害は確実に出てくる。
一万全てが生き残れるはずはなかった。
乾坤一擲。
この戦に臨む前から、皆が分かっていることだ。
Fをひたすら防ぎつづけながら、前に進み続けた。
投げ込んだ土嚢は、多少、Fを防ぐ役目を果たしてくれている。
ただ、完全に防げるほど高く積み上げてしまうと、事前に土嚢を破られる可能性が高かった。
せいぜい膝の高さ程度だ。大した効果は、やはりない。
しかも、一撃を受ければ袋は破れ、たちまちただの土と化してしまう。
土嚢は、破られてもいい。
これはカムフラージュのために置いた意味合いが強い。
最初に投げ込んだ石さえ無事ならば。
ショボンを討ち取ることは、可能だ。
やがて、前衛のD隊に接近した。
ラウンジは慌ててD隊を下げ、G隊を前に押し出してくる。
敵軍、およそ四万。
部隊を小さく固めて突っ込んだ。
アルファベットVで敵のIやHを、次々に弾いていく。
力任せに薙ぎ倒し、留まらずに進み続けた。
一万全てが生き残れるはずはなかった。
乾坤一擲。
この戦に臨む前から、皆が分かっていることだ。
Fをひたすら防ぎつづけながら、前に進み続けた。
投げ込んだ土嚢は、多少、Fを防ぐ役目を果たしてくれている。
ただ、完全に防げるほど高く積み上げてしまうと、事前に土嚢を破られる可能性が高かった。
せいぜい膝の高さ程度だ。大した効果は、やはりない。
しかも、一撃を受ければ袋は破れ、たちまちただの土と化してしまう。
土嚢は、破られてもいい。
これはカムフラージュのために置いた意味合いが強い。
最初に投げ込んだ石さえ無事ならば。
ショボンを討ち取ることは、可能だ。
やがて、前衛のD隊に接近した。
ラウンジは慌ててD隊を下げ、G隊を前に押し出してくる。
敵軍、およそ四万。
部隊を小さく固めて突っ込んだ。
アルファベットVで敵のIやHを、次々に弾いていく。
力任せに薙ぎ倒し、留まらずに進み続けた。
302: 2009/01/01(木) 01:21:20.52ID:R5sPwwbw0
ラウンジの抵抗は、決して強くはない。
兵の錬度でヴィップが優っているため、そう感じるのだ。
しかし、ヴィップの兵も連戦の疲れが溜まっている。
互いに限界という名の線上で、刃を交えているのだ。
足が震え、手は痺れ、それでも戦場に立ち続けている。
命運を分けるのは、それぞれの、志にかける思いだろう。
(#゚д゚)「フンッ!!」
脳天を狙ってきたラウンジ兵のHを防ぐべく、腕を斬り落とした。
足で腹部を蹴って道を開き、後ろのG兵のアルファベットを、Vの突きで砕く。
すれ違いざまに首を刎ねて、次のI兵のアルファベットを跳ね上げた。
二つ、三つと首を飛ばしていく。
それでもまだ、ショボンまでは遥かに遠い。
(;゚д゚)「くっ……」
自分は一度、下がる必要がある。
配下の兵のみでも道を切り開けるところまで導きたいが、限界か。
しかし、このまま下がってしまうと、道は閉ざされたままの可能性が高い。
ラウンジの圧力は弱まってはいる。
それでも、依然として圧倒的な大軍だ。
恐らく、次第に東や西の方面からも、敵兵が集まってくるだろう。
躊躇している余裕はない。
だが――――
兵の錬度でヴィップが優っているため、そう感じるのだ。
しかし、ヴィップの兵も連戦の疲れが溜まっている。
互いに限界という名の線上で、刃を交えているのだ。
足が震え、手は痺れ、それでも戦場に立ち続けている。
命運を分けるのは、それぞれの、志にかける思いだろう。
(#゚д゚)「フンッ!!」
脳天を狙ってきたラウンジ兵のHを防ぐべく、腕を斬り落とした。
足で腹部を蹴って道を開き、後ろのG兵のアルファベットを、Vの突きで砕く。
すれ違いざまに首を刎ねて、次のI兵のアルファベットを跳ね上げた。
二つ、三つと首を飛ばしていく。
それでもまだ、ショボンまでは遥かに遠い。
(;゚д゚)「くっ……」
自分は一度、下がる必要がある。
配下の兵のみでも道を切り開けるところまで導きたいが、限界か。
しかし、このまま下がってしまうと、道は閉ざされたままの可能性が高い。
ラウンジの圧力は弱まってはいる。
それでも、依然として圧倒的な大軍だ。
恐らく、次第に東や西の方面からも、敵兵が集まってくるだろう。
躊躇している余裕はない。
だが――――
317: 2009/01/01(木) 01:24:45.89ID:R5sPwwbw0
< `ζ´ >「ミルナ様」
焦燥感に苛まれていた自分に、冷静さを与えてくれるような声。
オールシン=クルーピング。
アルファベットLで、的確に周りの敵兵を討ち取りつづけている。
< `ζ´ >「お命じ下さい」
(;゚д゚)「何をだ」
< `ζ´ >「お分かりになられているはずです、貴方なら」
勢いよくアルファベットHを振り上げて、襲い来る敵兵。
喉元を突いて討ち取った。
< `ζ´ >「ショボンを討ち取るには、もはやそれしかありません」
(;゚д゚)「…………」
一刻も動きつづければ全身から汗が噴き出す。
呼吸も乱れる。
しかし、戦いつづけていることとは、無関係な要素が。
心臓の鼓動を、速めさせているのだ。
< `ζ´ >「お切り捨て下さい。私と、フィッティルを」
< `ζ´ >「私たちの命を賭けなければ、ショボンへは到達できません」
焦燥感に苛まれていた自分に、冷静さを与えてくれるような声。
オールシン=クルーピング。
アルファベットLで、的確に周りの敵兵を討ち取りつづけている。
< `ζ´ >「お命じ下さい」
(;゚д゚)「何をだ」
< `ζ´ >「お分かりになられているはずです、貴方なら」
勢いよくアルファベットHを振り上げて、襲い来る敵兵。
喉元を突いて討ち取った。
< `ζ´ >「ショボンを討ち取るには、もはやそれしかありません」
(;゚д゚)「…………」
一刻も動きつづければ全身から汗が噴き出す。
呼吸も乱れる。
しかし、戦いつづけていることとは、無関係な要素が。
心臓の鼓動を、速めさせているのだ。
< `ζ´ >「お切り捨て下さい。私と、フィッティルを」
< `ζ´ >「私たちの命を賭けなければ、ショボンへは到達できません」
333: 2009/01/01(木) 01:27:24.38ID:R5sPwwbw0
降り注ぐ鮮血。
足元の血溜まり。
数えきれないほどの、氏骸。
< `ζ´ >「私たちが、オオカミ国を失ったあとも貴方に付き添った理由。
結局それは、今の今までご理解いただけていないようでしたが」
|`-∪-´|「そういうとこが、嫌いなんですよ。何にも分かっちゃくれなかった」
アルファベットNで周囲の攻撃を防ぎつづけるフィッティル。
浅黒い肌は温血を浴びて、更にその色を深めている。
|`-∪-´|「俺達は、人生の全てを"それ"に賭けてきたんです。
最後まで、貫かして下さいよ」
( ゚д゚)「…………」
やはり自分は、上に立つ者としては、不適格な部分が多すぎた。
配下を引き上げるような絶対的な力はなく、一緒に這い上がるには実力差がありすぎた。
そして、何よりも、本質や心情を理解する力が、欠けていた。
( ゚д゚)「……すまん、二人とも」
その瞬間に、全てを費やそう。
宿敵を滅するために。
足元の血溜まり。
数えきれないほどの、氏骸。
< `ζ´ >「私たちが、オオカミ国を失ったあとも貴方に付き添った理由。
結局それは、今の今までご理解いただけていないようでしたが」
|`-∪-´|「そういうとこが、嫌いなんですよ。何にも分かっちゃくれなかった」
アルファベットNで周囲の攻撃を防ぎつづけるフィッティル。
浅黒い肌は温血を浴びて、更にその色を深めている。
|`-∪-´|「俺達は、人生の全てを"それ"に賭けてきたんです。
最後まで、貫かして下さいよ」
( ゚д゚)「…………」
やはり自分は、上に立つ者としては、不適格な部分が多すぎた。
配下を引き上げるような絶対的な力はなく、一緒に這い上がるには実力差がありすぎた。
そして、何よりも、本質や心情を理解する力が、欠けていた。
( ゚д゚)「……すまん、二人とも」
その瞬間に、全てを費やそう。
宿敵を滅するために。
348: 2009/01/01(木) 01:30:10.28ID:R5sPwwbw0
二人の気持ちに、応えるために。
( ゚д゚)「俺のために、氏んでくれ」
フィッティルが、口元を緩ませた。
オールシンも、微かに笑った。
|`-∪-´|「その言葉を、ずっと待ってたんですよ」
――――いい部下を持った。
かけがえのない、宝を。
ショボンを、討つ。
自分のためにも、自分のために氏にゆく兵のためにも。
そして、全てを終わらせよう。
( ゚д゚)「俺のために、氏んでくれ」
フィッティルが、口元を緩ませた。
オールシンも、微かに笑った。
|`-∪-´|「その言葉を、ずっと待ってたんですよ」
――――いい部下を持った。
かけがえのない、宝を。
ショボンを、討つ。
自分のためにも、自分のために氏にゆく兵のためにも。
そして、全てを終わらせよう。
368: 2009/01/01(木) 01:33:22.65ID:R5sPwwbw0
――ミーナ城付近――
予想は、外れたのか。
だとすれば、この攻撃、本気で一騎打ちを狙っているのか。
(´・ω・`)「とにかく、ヴィップの侵攻を防げ」
まだ自分のところまで刃が届くことはない。
しかし、一点突破のみを狙ったヴィップの攻撃の鋭さは、凄絶たるものがあった。
いずれは、突破されるか。
ミルナが先頭に立って突き進んでくるなら、充分ありえる。
だが、そのまま一騎打ちに突入しようとするのであれば、愚の骨頂。
アルファベットVごときで、自分に勝てようはずもない。
だからこそ、ヴィップの狙いは、Wだと思っていた。
アルファベットWで、自分の不意を突き、首を狙ってくるのだと。
しかし、ミーナ城から躍り出てきたとき、ミルナの背にWはなかった。
代わりにWを持ってきた兵がいるのかとも思ったが、それもなかった。
自分の目の届かない範囲で、誰かがWを抱えている可能性はある。
だが、アルファベットWを見つけたら、すぐに報告しろとも言ってあるのだ。
一万の敵勢と言えど、十万の目があれば、誰かは気付くはずだ。
アルファベットWは大型であり、隠し通せるものではない。
(´・ω・`)「…………」
予想は、外れたのか。
だとすれば、この攻撃、本気で一騎打ちを狙っているのか。
(´・ω・`)「とにかく、ヴィップの侵攻を防げ」
まだ自分のところまで刃が届くことはない。
しかし、一点突破のみを狙ったヴィップの攻撃の鋭さは、凄絶たるものがあった。
いずれは、突破されるか。
ミルナが先頭に立って突き進んでくるなら、充分ありえる。
だが、そのまま一騎打ちに突入しようとするのであれば、愚の骨頂。
アルファベットVごときで、自分に勝てようはずもない。
だからこそ、ヴィップの狙いは、Wだと思っていた。
アルファベットWで、自分の不意を突き、首を狙ってくるのだと。
しかし、ミーナ城から躍り出てきたとき、ミルナの背にWはなかった。
代わりにWを持ってきた兵がいるのかとも思ったが、それもなかった。
自分の目の届かない範囲で、誰かがWを抱えている可能性はある。
だが、アルファベットWを見つけたら、すぐに報告しろとも言ってあるのだ。
一万の敵勢と言えど、十万の目があれば、誰かは気付くはずだ。
アルファベットWは大型であり、隠し通せるものではない。
(´・ω・`)「…………」
381: 2009/01/01(木) 01:36:00.16ID:R5sPwwbw0
元より、Wで自分を狙ってくることも、非現実的といえば非現実的だった。
近距離でWが使えるはずはなく、遠距離ならいくらでも躱しようがある。
ベル=リミナリーのWさえ防いだ過去が自分にはあるのだ。
だが、ドクオと同じように、城外で敵将を討ち取ろうとするならば、一騎打ちかWしか道はない。
一万の敵軍に、十万の自軍が完全に抑え込まれることは、ありえないのだ。
読みきれない。
(´・ω・`)(……ならば……)
こちらから打って出る。
ミルナの首を、直接このZで刎ね飛ばしてやる。
それで、戦は終わるのだ。
もはや一刻の猶予もない。
クラウン=ジェスターは病に倒れた。
ラウンジの天下は、一日でも早く成し遂げなければならないのだ。
北以外はファルロが指揮執ってくれている。
安心して、ミルナを潰しに行ける。
五百の騎馬隊と共に駆け出した。
ヴィップ軍との距離は半里にも満たない。
接触までに、時間はかからない。
(´・ω・`)「ッ……?」
近距離でWが使えるはずはなく、遠距離ならいくらでも躱しようがある。
ベル=リミナリーのWさえ防いだ過去が自分にはあるのだ。
だが、ドクオと同じように、城外で敵将を討ち取ろうとするならば、一騎打ちかWしか道はない。
一万の敵軍に、十万の自軍が完全に抑え込まれることは、ありえないのだ。
読みきれない。
(´・ω・`)(……ならば……)
こちらから打って出る。
ミルナの首を、直接このZで刎ね飛ばしてやる。
それで、戦は終わるのだ。
もはや一刻の猶予もない。
クラウン=ジェスターは病に倒れた。
ラウンジの天下は、一日でも早く成し遂げなければならないのだ。
北以外はファルロが指揮執ってくれている。
安心して、ミルナを潰しに行ける。
五百の騎馬隊と共に駆け出した。
ヴィップ軍との距離は半里にも満たない。
接触までに、時間はかからない。
(´・ω・`)「ッ……?」
398: 2009/01/01(木) 01:39:24.42ID:R5sPwwbw0
不意に、ヴィップ軍の圧力が弱まった。
しかも、一瞬だけ。
弱まったと思った直後には、再び苛烈なまでの攻撃を見せ始めた。
いや、むしろ先ほどまでより、気迫は増している。
何だ、あの一瞬は。
鍵を握っている。それは分かる。
しかし、何を開く鍵なのかは、分からない。
分からないならば、やはり力で捩じ伏せるより他ない。
速度を緩めることさえしなかった。
やがて、ヴィップ軍の先端が見えた。
(´・ω・`)(……ミルナは……!?)
見えない。
ミルナの姿を、確認できない。
一騎打ちが狙いではないということか。
しかし、アルファベットWも手元にはないはずだ。
何のつもりだ、ミルナ=クォッチ。
(´・ω・`)「……お前たちでは、代わりは務まらんだろう」
二列になって一点突破を狙ってきたヴィップ軍。
その先頭に、アルファベットLとNの男が立っている。
しかも、一瞬だけ。
弱まったと思った直後には、再び苛烈なまでの攻撃を見せ始めた。
いや、むしろ先ほどまでより、気迫は増している。
何だ、あの一瞬は。
鍵を握っている。それは分かる。
しかし、何を開く鍵なのかは、分からない。
分からないならば、やはり力で捩じ伏せるより他ない。
速度を緩めることさえしなかった。
やがて、ヴィップ軍の先端が見えた。
(´・ω・`)(……ミルナは……!?)
見えない。
ミルナの姿を、確認できない。
一騎打ちが狙いではないということか。
しかし、アルファベットWも手元にはないはずだ。
何のつもりだ、ミルナ=クォッチ。
(´・ω・`)「……お前たちでは、代わりは務まらんだろう」
二列になって一点突破を狙ってきたヴィップ軍。
その先頭に、アルファベットLとNの男が立っている。
411: 2009/01/01(木) 01:41:54.03ID:R5sPwwbw0
考えられるとすれば、囮。
二人を囮にして、ミルナは影から自分を狙っている可能性がある。
ミルナらしくはない作戦だが、考慮しておくべきだった。
そのうえで、二人を討ち取るべきなのだ。
同時に打ちかかってくる。
分離させたアルファベットZで、受け止める。
気概は大したものだ。
待ち受けるものが氏と、分かっているはずなのに、攻撃は重い。
いや、あるいは、だからこそなのか。
|#`-∪-´|「オオオオオオオオオオォォォォォォッ!!」
< `ζ´#>「ハァァァァァァァッ!!」
自分からすれば、新兵の一撃と大して変わらない。
だが、反撃に出られないでいるのは、やはり二人が氏を覚悟しているからか。
いや、違う。
本当は、単に、自分の悪い癖が出てしまっているだけだ。
フィレンクトのときも、そうだった。
相手に、全力を出させたうえで、討ち取ってやりたくなるのだ。
最後は、武人らしく氏なせてやりたい、と思ってしまうのだ。
侮辱と思われてもいい。
だが、自分と同じく、戦場に生きてきた者なのだ。
最後の一瞬、それを自分も楽しみたい。
二人を囮にして、ミルナは影から自分を狙っている可能性がある。
ミルナらしくはない作戦だが、考慮しておくべきだった。
そのうえで、二人を討ち取るべきなのだ。
同時に打ちかかってくる。
分離させたアルファベットZで、受け止める。
気概は大したものだ。
待ち受けるものが氏と、分かっているはずなのに、攻撃は重い。
いや、あるいは、だからこそなのか。
|#`-∪-´|「オオオオオオオオオオォォォォォォッ!!」
< `ζ´#>「ハァァァァァァァッ!!」
自分からすれば、新兵の一撃と大して変わらない。
だが、反撃に出られないでいるのは、やはり二人が氏を覚悟しているからか。
いや、違う。
本当は、単に、自分の悪い癖が出てしまっているだけだ。
フィレンクトのときも、そうだった。
相手に、全力を出させたうえで、討ち取ってやりたくなるのだ。
最後は、武人らしく氏なせてやりたい、と思ってしまうのだ。
侮辱と思われてもいい。
だが、自分と同じく、戦場に生きてきた者なのだ。
最後の一瞬、それを自分も楽しみたい。
432: 2009/01/01(木) 01:45:00.79ID:R5sPwwbw0
結局、軍人に徹しきることはできない。
だからこそ、ヴィップに押し返されているのだ、と分かっていても。
自分を、純粋な軍人にしてしまっては、自分でなくなる。
それでは、氏んでしまっているのと同じだ。
最後まで、自分のままで勝つ。
その思いは昔から変わらない。
(´・ω・`)「悪くはないな」
言葉が漏れた。
目の前の二人が、一瞬、気を削がれたように見えた。
あるいは、戸惑ったように。
それでも怯まずに、何撃もアルファベットを繰り出してくる。
全てに渾身の力が込められていた。もはや、体力は限界だろう。
潮時だった。
二人がアルファベットを下げた、一瞬の隙を突いて。
アルファベットZを繰り出す。
|;`-∪-´|「ッ!!」
< `ζ´;>「ッ!!」
二人の手元から離れるアルファベットL、N。
いや、正確には、二人の手が腕から離れたのだ。
だからこそ、ヴィップに押し返されているのだ、と分かっていても。
自分を、純粋な軍人にしてしまっては、自分でなくなる。
それでは、氏んでしまっているのと同じだ。
最後まで、自分のままで勝つ。
その思いは昔から変わらない。
(´・ω・`)「悪くはないな」
言葉が漏れた。
目の前の二人が、一瞬、気を削がれたように見えた。
あるいは、戸惑ったように。
それでも怯まずに、何撃もアルファベットを繰り出してくる。
全てに渾身の力が込められていた。もはや、体力は限界だろう。
潮時だった。
二人がアルファベットを下げた、一瞬の隙を突いて。
アルファベットZを繰り出す。
|;`-∪-´|「ッ!!」
< `ζ´;>「ッ!!」
二人の手元から離れるアルファベットL、N。
いや、正確には、二人の手が腕から離れたのだ。
444: 2009/01/01(木) 01:47:56.02ID:R5sPwwbw0
よく戦った。
そう言ってやりたい気持ちだったが、口にはしなかった。
アルファベットZを、振り上げる。
|#`-∪-´|「まだだぁぁぁぁぁ!!」
< `ζ´#>「終わらせん!!」
(´・ω・`)「ッ!?」
片手を失い、赤い血を撒き散らしながら。
それでも二人は立っていた。
そして、背に手を回し、アルファベットを取った。
小型のアルファベット、Eだ。
馬鹿な、その程度のアルファベットを用いて、どうするつもりだ。
精々、自分の不意を一瞬突けるくらいだろう。
届きもしない、そのアルファベットでは。
そう言ってやりたい気持ちだったが、口にはしなかった。
アルファベットZを、振り上げる。
|#`-∪-´|「まだだぁぁぁぁぁ!!」
< `ζ´#>「終わらせん!!」
(´・ω・`)「ッ!?」
片手を失い、赤い血を撒き散らしながら。
それでも二人は立っていた。
そして、背に手を回し、アルファベットを取った。
小型のアルファベット、Eだ。
馬鹿な、その程度のアルファベットを用いて、どうするつもりだ。
精々、自分の不意を一瞬突けるくらいだろう。
届きもしない、そのアルファベットでは。
461: 2009/01/01(木) 01:51:08.27ID:R5sPwwbw0
一撃でアルファベットEを破壊した。
そのまま、二人の胴を両断した。
アルファベットZは、下りている。
Eの破壊も伴ったため、無駄な動作が加わってしまった。
そして、時の流れは緩み出す。
(´・ω・`)「ッ……!?」
崩れ落ちる二人の体。
それに塞がれていた、視界。
後方に、ほんの僅かな。
道。
(´・ω・`)(あれ……は……!)
一尺にも満たないような、狭い隙間だった。
それでも、自分までの道は、開かれていた。
その先に見えるのは、石。
足元に石がある、ミルナ=クォッチ。
(´・ω・`)「……ッ!!」
アルファベットWを、構えていた。
そのまま、二人の胴を両断した。
アルファベットZは、下りている。
Eの破壊も伴ったため、無駄な動作が加わってしまった。
そして、時の流れは緩み出す。
(´・ω・`)「ッ……!?」
崩れ落ちる二人の体。
それに塞がれていた、視界。
後方に、ほんの僅かな。
道。
(´・ω・`)(あれ……は……!)
一尺にも満たないような、狭い隙間だった。
それでも、自分までの道は、開かれていた。
その先に見えるのは、石。
足元に石がある、ミルナ=クォッチ。
(´・ω・`)「……ッ!!」
アルファベットWを、構えていた。
486: 2009/01/01(木) 01:54:07.08ID:R5sPwwbw0
足元の土が抉られている。
深く、大きめの穴が。
しまった。
Wについての情報が、ないばかりに。
ほんの僅かながら、意識から外れてしまっていた。
まさか、前に城外へと躍り出てきた目的は――――
アルファベットWを、地中に隠すために――――
(#゚д゚)「ウオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッ!!!!」
目いっぱい弦の張られたWから、放たれるF。
一瞬にして、自分との距離を詰める。
無心だった。
無心で、アルファベットZを振り上げていた。
身を、守るべく。
しかし、そのアルファベットZは――――
――――無残にも、Wによって、打ち砕かれた。
深く、大きめの穴が。
しまった。
Wについての情報が、ないばかりに。
ほんの僅かながら、意識から外れてしまっていた。
まさか、前に城外へと躍り出てきた目的は――――
アルファベットWを、地中に隠すために――――
(#゚д゚)「ウオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッ!!!!」
目いっぱい弦の張られたWから、放たれるF。
一瞬にして、自分との距離を詰める。
無心だった。
無心で、アルファベットZを振り上げていた。
身を、守るべく。
しかし、そのアルファベットZは――――
――――無残にも、Wによって、打ち砕かれた。
529: 2009/01/01(木) 01:57:28.54ID:R5sPwwbw0
そして、自分の体を貫いた。
第110話 終わり
~to be continued
562: 2009/01/01(木) 01:58:50.75ID:R5sPwwbw0



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