1: 2012/09/25(火) 22:55:09.61 ID:HjKX4lm90
あかり「そういえば何で?京子は一応吹奏楽部にいたし結衣ちゃんは陸上部に誘われていたんだよね?」

結衣「うん。でも私達はごらく部が良かったんだ」

あかり「何で?」

京子「私達があかりを愛でるためだよ」

結衣「今やちなつちゃんもあかり大好きだしね」
ゆるゆり: 24【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)

14: 2012/09/25(火) 23:23:36.84 ID:HjKX4lm90
京子「まあ、今日はちなつちゃんは来られないらしいから」

結衣「だから私達2人があかりを可愛がるよ」

京子「最初の目的は私達があかりを愛でる事だったし」

あかり「え…え?」

結衣「あかりは可愛いなあ」ナデナデ

29: 2012/09/25(火) 23:41:28.08 ID:XXhkh8Lk0
――あかり宅――
ピンポンピンポンピンポンピンポーン

京子「早くドアを開けろーあかりー! とっくに捜査令状はとりつけたぞー!」

結衣「あかりー! あんまり遅いと勝手に入るよー?」

ガチャッ

京子「おっ、やっと来たか」

あかり「……」テクテク

京子&結衣「(……何だ?)」

こうですかわかりません><

34: 2012/09/25(火) 23:47:38.99 ID:XXhkh8Lk0
結衣「あ、あかり……?(やけに物静かだな)」

あかり「どうしたの、結衣ちゃん。遅刻するんでしょ」

結衣「い、いや。それもそうだけどさ……。あかり、元気なくない?」

京子「そうだよ。夜更かしはいかんぜよ? あっかりん」

遅筆ですまんな。みんなの口調がいまいちつかめん

37: 2012/09/25(火) 23:52:11.03 ID:XXhkh8Lk0
あかり「夜更かしはしてないよ」

結衣「そうか……。何かあったらすぐ私たちに相談しなよ? 何かあってからじゃ遅いんだから」

あかり「わかった。何かあったら相談する」

京子「うんうん! この博識な京子先輩に聞いてくれたまえ?」

結衣「お前の方は相変わらず元気だな。じゃ、行こうか、あかり」テクテク

あかり「……」

43: 2012/09/25(火) 23:59:36.00 ID:XXhkh8Lk0
――七森中学校――

――放課後、教室にて

結衣「なあ京子」

京子「ん?」

結衣「なんか、今日のあかり、どこかおかしくないか?」

京子「まあ、いつもより元気なかったけど、あかりの事だから大丈夫だよきっと」ニッコリ

結衣「そうだといいけど。あんなあかりを見るのは初めてだからな……。存在感がないって言われた時でもあそこまで……その、落ち込んでは無かったのに」

京子「大丈夫。そん時は、私たちが全力でお悩み解決してあげればいいんだよ。……いま無闇に問い質しても、傷口を開くことになっちゃうかもしれないからさ」

結衣「ふふっ」

京子「な、なんだよ……」

結衣「友達思いのところは、昔から変わらないな、って」

京子「う、うるさいなー」プンプン

44: 2012/09/26(水) 00:05:22.07 ID:xUHuied+0
――茶道部室に向かう途中、廊下

ちなつ「あっ、結衣せんぱーい! 京子せんぱーい!」ダッシュ

京子「おお! ちなちゅっ、ついに私の地球大のLOVEを受け入れてくれるのかー!」コノムネニトビコンデコーイ!

ちなつ「ハア、ハア……。そ、そんな悠長なこと言ってる場合じゃありませんよ。あかりちゃんの様子見ました?」

45: 2012/09/26(水) 00:09:16.92 ID:D1WC3t2b0
結衣「そっか、ちなつちゃん、あかりと同じクラスだもんね。どんな様子だったの?」

ちなつ「それが、おかしいんです! 最初は落ち込んでるんだとばかり思ってましたけど……と、とにかく変なんです!」

京子「もー、何が変なんだよー。空気なのはいつものことじゃんか」

ちなつ「いいから、早く茶道部室に来てください!」

46: 2012/09/26(水) 00:12:21.18 ID:D1WC3t2b0
――ややあって、茶道部室

あかり「……」(座布団の上で正座)
あかり「……」
あかり「……」
あかり「……」
あかり「……」
あかり「……」

ちなつ&結衣&京子 ジロジロ (入口の陰から覗き見)

50: 2012/09/26(水) 00:18:47.27 ID:D1WC3t2b0
ちなつ「ね、ずっとあの調子なんです。落ち込んでるだけじゃあんな虚ろな目をしませんよ」ヒソヒソ

京子「う~ん、そうだなぁ。確かにあんなあかりは初めてだ」ヒソヒソ

結衣「ちょっと不安になってきたな……。京子の、えっと……意に反するかもしれないけど、本人に直接訊いてみないと駄目かもしれないな」ヒソヒソ

京子「だね……」ヒソヒソ

ちなつ「そうですn――

ドアバーン!

京子「赤座あかりー!」

結衣&ちなつ「(はやまりすぎだろ!)」アセアセ

51: 2012/09/26(水) 00:25:32.49 ID:D1WC3t2b0
(京子はいつのまにやらマイクを手にいている)
京子「おやおやーあかりさんー、元気ありませんなー? ひょっとしてあかねさんの部屋にでも入っちゃったかな?」マイクムケル

あかり「……お姉ちゃんの?」

京子「(違うみたいだな……)いやいや、忘れて忘れて」アセアセ

京子「(あっぶねー、下手に口滑らせたら、あかねさんに何されることか……でも、あかりがこんな状態なんだ。私が何とかしなきゃ)」

京子「そいじゃぁ、あかりさんは何にお悩みなのかな?」マイクムケル

あかり「……ねえ、京子ちゃん」

京子「ん?」

あかり「心って、何?」

59: 2012/09/26(水) 00:33:17.90 ID:D1WC3t2b0
京子&結衣&ちなつ「(……えっ?)」

京子「……ど、どういうことだよあかり。まさか哲学に目覚めちゃったのか? はっきり言ってくれよ」マイクオロス

あかり「……」ムヒョウジョウデチンモク

京子「(……っ!)

(神妙な面持ちであかりの隣に座る京子)

京子「みんな、あかりのこと心配してるんだぞ? 迷惑になるかもしれないと思って朝は何も言わなかったけど、私だって心配してる。相談でも何でも、私たちはいつでも相手になってあげるよ、あかり」

あかり「さっき言った通りだよ、京子ちゃん。心がわからないから、知りたいの」

61: 2012/09/26(水) 00:38:18.64 ID:D1WC3t2b0
(ふすまから冷静を装って出てくる結衣と、困惑気味の表情のちなつ)

結衣「それって……」

ちなつ「ど、どういう意味……? それだけじゃわかんないよ、あかりちゃん」

あかり「……」ムヒョウジョウ

京子「(……)」

(どこか儚げな表情の京子)

64: 2012/09/26(水) 00:44:44.29 ID:D1WC3t2b0

――ちなつ視点

あれから三日が経った
あかりちゃんが自分には心がないなんて言ったこと、私には今でも信じられない
あかりちゃんが言うには、あの朝、気づいたときには感情が失われていたそうだ
もちろん私たちは(申し訳ないけれど)西垣先生に疑いの目を向けた
でも、どうやら西垣先生の研究とは何ら関係がないらしくて、今でも原因はわかっていない
そもそも、あかりちゃんから本当に心が消えたかどうかすら、定かじゃない……
つい数日前まで笑いで満ち溢れていた部室も、そして結衣先輩と京子先輩の表情からも、楽しいことがなくなった気がする


68: 2012/09/26(水) 00:53:20.66 ID:D1WC3t2b0
――結衣視点

あかりのことはよく知っていたつもりだったのに……
でもそれは、幼馴染だから何でも知っているっていう逃げかもしれない
一年くらいブランクがあったけど、今までほとんど一緒に遊んできたし、ちょっとした悩みなら互いに打ち明けてきた
それは京子にも言えることだ
だから、知ってる“気でいた”んだ……きっと、そうだ
頼りになるお姉さん気分でいたのかも
でも――だからこそ、本当なら私が解決してあげるべきなのに、何やってるんだろう、わたし……

>>67心だ

76: 2012/09/26(水) 01:03:11.04 ID:D1WC3t2b0
――京子視点

私は泣き虫だった
でも、結衣やあかりに支えられて、今の自分ができた
それは、紆余曲折はあったし、今みたいに積極的になっても泣きそうになることはたまにあるけれど、今日の私が“年納京子”でいられるのはふたりのおかげだ
感謝してもしきれないよ
だから、ふたりに――もちろん、私の愛するちなちゅも――何かあったら、私がどうにかしてやるんだ
今の京子は昔の京子とは違うんだよっていう、見栄を張りたいのもそりゃあるんだろうけど……やっぱり、恩人にはいつも笑顔でいてほしいんだ

79: 2012/09/26(水) 01:09:08.03 ID:D1WC3t2b0
――あかり視点

京子ちゃんたちは心配してるって言う
何がどうなって心配になるのか、それは理解できない
心がないんだから
それとも、心がわからなくなったから?
心の、ほ……本質が何なのか、それがわかれば感情を取り戻せるのかもしれない
取り戻す必要があるのかは……それも、わからないけれど

最近変わったことと言えば、ちなつちゃんが不安そうな顔をしてあまり話しかけなくなってきたことと、結衣ちゃんの見せる笑顔がどことなくぎこちないってことくらい

85: 2012/09/26(水) 01:20:07.64 ID:D1WC3t2b0
――茶道室、要するに娯楽部

京子「諸君、久しぶりに目立ちたGIRLでもやらないか?」テニボックス

結衣「最近やってなかったから懐かしいな。よかったね、あかり(どうかこれをきっかけに戻ってくれ……)」

あかり「そうだね、きっと」

京子「では! 早速この紙に書き込んでくださ~い! 猶予は三秒な」

結衣「いや無理だよ(京子、辛いんだろうな)」

ちなつ「……」

93: 2012/09/26(水) 01:33:28.47 ID:D1WC3t2b0
――三秒後

京子「さて、ではあかり! 中身を見ないで一枚だけ引いてね♡」

結衣「何でハートなんだよ……」

京子「おおっ、嫉妬かい結衣にゃん?」

結衣「ほら、あかり。好きなの引いて」ボックスワタス

京子「スルー!?」

(一枚引くあかり)

あかり「鼻眼鏡をかける……」



ちなつ「……(どうしたらいいんだろう)」

95: 2012/09/26(水) 01:41:30.07 ID:D1WC3t2b0
ちなつ「(あかりちゃんのことは、もちろん私だって助けられるものなら助けてあげたい
でも、いいアイデアはなかなか浮かんでこないし、浮かんだとしても、実行に移せない……
もし、あかりちゃんのために何かしてあげて、取り返しのつかないことになったらって思うと……それだけで、胸が苦しくなる。凄く辛い
だから私は、自分のせいで状況がこれ以上悪くなるのを、怖がってるんだ……)

結衣「プフッ――。と、とっても似合ってるよ、あかり」クスクス

京子「おお、なかなか様になっとりますなー」

あかり「そう……」

(鼻眼鏡)

121: 2012/09/26(水) 09:09:42.38 ID:D1WC3t2b0
――時は流れ、生徒会室……

綾乃「はあ……」ショルイセイリ

千歳「あら、綾乃ちゃん赤座さんのことが心配なん?」

綾乃「そりゃあそうよ。こんな書類さえなければ赤座さんをすぐにでも助けに行ってあげたいわ。……それは千歳も同じでしょ」

千歳「せやなぁ。なるべく早く終わらせんとな、書類のせいり」

千歳「歳納さんたちも色々と手を尽くしとるみたいやけど、一向によくならへんって言うし……。どうしたらええもんかなぁ……」

綾乃「それよ、それ」

千歳「? それって?」

綾乃「歳納京子も最近ようすがおかしい気がするのよ。気丈に振舞ってはいるけれど、日に日にやつれていってるような……」

綾乃「……歳納京子……」グスッ

千歳「綾乃ちゃん……」ナデナデ

123: 2012/09/26(水) 09:17:51.78 ID:D1WC3t2b0
――生徒会室、入口の陰

向日葵「杉浦先輩……」

櫻子「(……)」

ドアバーン!

綾乃&千歳「……!」

櫻子「わあー! 何だこの大量の書類はー!」

125: 2012/09/26(水) 09:26:39.75 ID:D1WC3t2b0
綾乃「え、えっと……大室さん?」

千歳「どないしたん?」

櫻子「そういえばわたしー、“人助け”したくてうずうずしてたんだった!」

櫻子「こんなタイミングで困ってる先輩たちを見つけるなんて、私ったらラッキーじゃね?」

向日葵「そ、そうなの?」

櫻子「そうだよ!」

櫻子「というわけで先輩、私どうしても書類整理やりたいから、寄越してください! あっ、大丈夫。戻ってくるまでちゃんとやっておきますから!」エッヘン

綾乃「えっ……(もしかして、大室さん……)」

綾乃「(……)」

綾乃「わかったわ、せっかくの厚意だもの」ホホエミ

綾乃「ほら、行くわよ千歳!」

千歳「あ、っ待ってぇな、綾乃ちゃん!」

櫻子「この櫻子さまにおまかせください! ……頼みましたよ、先輩」ボソッ

向日葵「櫻子……」

128: 2012/09/26(水) 09:37:59.09 ID:D1WC3t2b0
――娯楽部前

綾乃「(いざ来たのはいいけれど……)」

千歳「いかへんの?」

綾乃「い、い、行くわよっ(あの赤座さんとどう接したらいいかわからないし、落ち込んだ歳納京子に会うのは勇気がいるわね……)」

(ふすまに手をかける綾乃)

綾乃「(気をしっかり持つのよ! 杉浦綾乃!)」

京子「あれ? 綾乃じゃん。どしたの」

綾乃「ふぇっ!? と、歳納京子?」

千歳「あれ、年納さんいま来たとこなん?」

京子「うん、そだよー」

130: 2012/09/26(水) 09:46:46.86 ID:D1WC3t2b0
――外、人気の少ない場所

綾乃「そう……。赤座さんはまだあの状態なの」

京子「うん。色々と心を揺すぶるようなことは試してるんだけどね」

千歳「何かうちらに出来ることってあらへん? 力になりたいんや」





あんまり過疎らないよう、なるべく小出しにするね

131: 2012/09/26(水) 09:51:37.20 ID:D1WC3t2b0
京子「ありがとね、ふたりとも。でも、これは私が解決しなくちゃいけないことなんだ」

綾乃「そ、それは私じゃ頼りにならないから……かしら」ボソッ

京子「ま、まさか! そうじゃなくてさ……」

綾乃&千歳「(……?)」

133: 2012/09/26(水) 09:56:31.28 ID:D1WC3t2b0
to the beginning聴きながら書いてるお
oath signと比べて盛り上がりに欠けると思ってたけど、改めて聴くといい曲だお(´;ω;`)

134: 2012/09/26(水) 09:58:07.29 ID:D1WC3t2b0
京子「その、結衣あたりから聞いたことあるかもしれないけれど、私ってむかし凄く臆病だったんだ」モジモジ

綾乃「あ、あなたが?」

京子「うん……。それを積極的な私にしてくれたのが、あかりと結衣」

京子「だから、今度は私が助けてやらなくちゃいけないんだ」


136: 2012/09/26(水) 10:04:24.22 ID:D1WC3t2b0
綾乃「そうだったの……」

千歳「(歳納さん、うちが思うてた以上に苦しんでるみたいやね……)」

千歳「……そんなら、うちらに出来ることって、何もないん?」

京子「ううん! その気持ちだけですっごく嬉しいよ! 綾乃がそっちからデレてくれるなんてね」

綾乃「そ、そ、そそんなわけないでしょ! 赤座さんが心配になっただけよ! ……///」

137: 2012/09/26(水) 10:10:09.26 ID:D1WC3t2b0
千歳「はは、綾乃ちゃんったら嘘ばっかり~。顔まっかやで~」クスクス

綾乃「と、と、と、とにかく、もし何かあったら私たちが相談に乗ってあげるんだからね! だからもう心配はノンノンノートルダムよ! ……///」

京子「あははっ、綾乃は相変わらずだな~。……でも、よかった」

144: 2012/09/26(水) 10:38:55.42 ID:D1WC3t2b0
綾乃「ど、どういう意味よ」

京子「あかりが変わっちゃってさ、正直ショックだったんだ。今でも半信半疑だよ、心をなくしちゃっただなんて……」

145: 2012/09/26(水) 10:42:51.63 ID:D1WC3t2b0
京子「だからさ、皆もある日とつぜん変わったりとかするのかなーって、最近はちょっと怖かったんだ」

京子「あ、あははっ。ごめんね、柄にもないこと言っちゃって。あんまり気にしないで」

(言葉とは裏腹に、悲しげに俯く京子)

千歳「歳納さん……」

146: 2012/09/26(水) 10:44:41.09 ID:D1WC3t2b0
綾乃「歳納京子……」

綾乃「(……)」

(ふと京子のもとに近寄り、やさしく抱きしめる綾乃)

京子「へ……?」

(不意な行動に、驚きを隠せぬ風に綾乃の顔を見上げる)

綾乃「大丈夫よ。私たちは変わったりなんかしない。今までずっとそうだったんだもの、これからもずっとそうよ」

綾乃「だから……だから、ね? ひとりで背負い込まないで、たまには、思い切り泣いてもいいのよ? ……///」ギュッ

京子「あ、あや……の……」ジワッ

(思いがけない言葉を受け、京子は綾乃の胸で声を上げて泣いた)

(悲しみを涙と共に流し去ろうとするかのように、涙が涸れるまで、己の内に押し留めていた心情を吐露した)

148: 2012/09/26(水) 10:45:24.11 ID:D1WC3t2b0
千歳「……」

(大量出血)

166: 2012/09/26(水) 13:42:42.96 ID:D1WC3t2b0
京子ちゃんって向日葵と櫻子のこと何て呼んでるっけ?

168: 2012/09/26(水) 13:49:36.91 ID:D1WC3t2b0
――茶道室に向かう途中

京子「(綾乃、やさしいな……。私も見習わなくちゃな)」トボトボ

向日葵「あの、歳納先輩?」

京子「あ、ひまっちゃん……」ストップ

向日葵「ちょっとだけお時間とれますか? ふたりでお話したいことがありますの」チカヅク

170: 2012/09/26(水) 13:55:48.13 ID:D1WC3t2b0
京子「はは、今日は色んな人と話すな~」

(無人の一年生の教室、京子はあくまで平静を装う)

向日葵「それって杉浦先輩のことですの?」

京子「えっ、ひまっちゃん、どうしてそれを……」

向日葵「あ、いえ……。ちょ、ちょっとした勘ですわ。まあ、とりあえず適当な席に座りましょう」



172: 2012/09/26(水) 14:00:21.03 ID:D1WC3t2b0
(ひとつの机を挟むようにして、椅子に腰を下ろすふたり)

向日葵「不躾な質問だと承知の上でお聞きしますわ。歳納先輩は、赤座さんのことを大事に思っていますか?」

京子「あっ、当ったり前じゃん。昔っからの友達で、幼馴染なんだから」

向日葵「そうですの……」

173: 2012/09/26(水) 14:06:31.25 ID:D1WC3t2b0
(しばしのあいだ気まずい沈黙が続き、その空気がふたりが口を開くきっかけを奪った)

向日葵「ご、ごめんなさい! 歳納先輩のことを貶めるようなことを言ってしまって。ただ、確認だけはしておきたくて……」

京子「大丈夫だって、私の心は大海原だから、そんな小さいことは気にしないよ?」

京子「で、本当に言いたいことはそうじゃないでしょ? なに、遠慮なく言って?」

向日葵「ありがとうございます……。では、お話しさせていただきますわ……」

174: 2012/09/26(水) 14:09:14.45 ID:D1WC3t2b0
向日葵「わたくしは、大室櫻子のことが、好きです」

178: 2012/09/26(水) 14:20:18.45 ID:D1WC3t2b0
京子「えっ……それってつまり……」

向日葵「ち、違いますわよ! ただ、友達として誰よりも好きということでして、その……///」

向日葵「と、とにかく、わたくしが言いたいのは昔からの付き合いがある友達は、自分のなかで一番ということですわ……///」アセアセ

京子「お、おう。そうなのか……(言ってることと態度がぜんぜん違う……)」

179: 2012/09/26(水) 14:32:11.73 ID:D1WC3t2b0
向日葵「だ、だからその……。赤座さんを救ってあげられるのは、知り合ったばかりのわたくし達ではなくて、歳納先輩と船見先輩しかいないと思うんですの」

向日葵「それから、赤座さんがいま悩んでいることって心の本質でしたわね、それも、簡単なことですわ」

180: 2012/09/26(水) 14:33:53.14 ID:D1WC3t2b0
向日葵「執着、ですわ」

京子「しゅ、しゅう……ちゃく……?」

向日葵「噛み砕いて言えば、ある事柄にこだわるっていう意味ですわ」

181: 2012/09/26(水) 14:37:50.97 ID:D1WC3t2b0
暑いし……!
眠いし……!
頭が冴えないし……!

183: 2012/09/26(水) 14:42:24.83 ID:D1WC3t2b0
わ、わかった。この章に区切りがついたっら休憩する
夜にでもきっと続き半書く。この時間帯はnほんと苦手なんだ

184: 2012/09/26(水) 14:47:15.70 ID:D1WC3t2b0
京子「えっ? でも、さっきの話と何の関係があるの?」ポカン

向日葵「歳納先輩が赤座さんにこだわる理由は何ですの? 幼馴染だから、という理由以外でお願いしますわ」

京子「そっ、それは……あれ? 何でだ?」アセアセ




ゆっりゆっらっらっらっら……

189: 2012/09/26(水) 14:56:04.45 ID:D1WC3t2b0
トルキアかっこいいよトルキア

190: 2012/09/26(水) 15:03:23.59 ID:D1WC3t2b0
向日葵「歳納先輩、それが執着ですわ。最近、本を読んで知ったことなのですけれど、物事には必ず執着がつきまとうらしいんです」

向日葵「物を買う時も、誰かを好きになる時も、人それぞれの執着――この場合は、個性と言った方が良いかもしれませんわね」




ここ書き直すかもしれんが

191: 2012/09/26(水) 15:11:14.12 ID:D1WC3t2b0
京子「(む、難しい……)」

向日葵「まあ、わたくしも完璧に理解したわけではありませんし、未だに納得のいかない部分もありましたけれど……」

向日葵「要するに、執着というものは心を作るための材料のようなものなんですわ」

向日葵「逆に言えば、執着がないと心ができない」

192: 2012/09/26(水) 15:16:27.61 ID:D1WC3t2b0
京子「ちょ、ストーップ! つまり、心のある人になるためには、執着がなければだめってこと?」

向日葵「ええ。心イコール個性と言い換えることもできます……たぶん、ですが」

京子「じゃ、じゃあさ! あかりのしゅうちゃくを強くすれば、心が戻るの!?」

向日葵「おそらくは。まあ、本の受け売りでしかないのですけれど」

230: 2012/09/26(水) 20:22:05.50 ID:D1WC3t2b0
京子「(しゅうちゃくか……)」

京子「よし、わかったひまっちゃん! あかりの心、取り戻してくる!」ダッシュ

向日葵「ちょ、ちょっと! 歳納先輩!」

京子「おおうっ、ど、どうした?」キュウテイシ





おまえら本当にありがとう(´;ω;`)

233: 2012/09/26(水) 20:27:58.99 ID:D1WC3t2b0
向日葵「先程も言いました通り、これから先はわたくし達にはどうにもできませんわ。歳納先輩と、船見先輩だけが赤座さんを助けてあげられます。……それから、きっと吉川さんも」

向日葵「今の話を聞いてどうなさるのかは歳納先輩しだいですけれど、これだけは言わせてください」

234: 2012/09/26(水) 20:32:07.74 ID:D1WC3t2b0
向日葵「……わたくしは、いつも笑顔でいる赤座さんのほうが、好きです」

京子「ひまっちゃん……」

京子「(……)」

(向日葵の方へ向き直り、眼差しに熱を込める京子)

京子「安心して。あかりは私のかけがえのない友達なんだ」

京子「何が何でも救ってみせる」

236: 2012/09/26(水) 20:38:24.28 ID:D1WC3t2b0
京子「……それからさ、そんな風に自分をけなさないでほしいな。ひまっちゃんだって、あかりの中じゃ凄く大切な友達のはずだよ」

(京子は踵を返し、その瞬間、儚げな笑みを見せた)

京子「じゃあ、行ってくるね」

239: 2012/09/26(水) 20:42:48.38 ID:D1WC3t2b0
向日葵「はい。わたくしのお友達を、どうか助けてあげてください」

(それが別れの挨拶かのように、同じく向日葵も哀愁に沈んだ微笑を満面に湛えた)

(その沈黙は先の沈黙とは打って変わって、無言の中でも確かな意思疎通のとれた、鼓舞激励のための間だった)

京子「(任せて、みんな……)」

(長い沈黙ののち、京子は確固たる決意を胸に、茶道部室へと急ぐのであった……)

向日葵「(頼みましたわ、歳納先輩)」

241: 2012/09/26(水) 20:47:19.86 ID:D1WC3t2b0
――茶道部室前

さて、どうしたものか

茶道部室を眼前に控えておきながら、京子はどうすればあかりの執着心が強くなるのか考えあぐねていた

こちらの執着とやらを示してあげれば、あかりもいくらかは執着が何たるかを理解できる――そこまでは考え及んでいるのだが、肝心の執着の内容をどうすればよいかがわからなかった

242: 2012/09/26(水) 20:52:01.48 ID:D1WC3t2b0
京子「(折角あかりを助けてあげられるチャンスを得たってのに……)」

京子「(どうすりゃいいんだよぉ……)」ジワッ

その時、京子の目と鼻の先の――そして、いつも至極当然の存在としてしか認識していなかった――建物が、不意に彼女にある考えをもたらした

と同時に、京子の心の中に過去に懐いていた思いが去来した

京子「(もしかしたら……)」

244: 2012/09/26(水) 20:57:07.81 ID:D1WC3t2b0
――娯楽部

都合よく他のふたりは部室にはいないようで、座布団の上であかりだけがぽつんと座っていた

京子「なあ、あかり。ちょっとふたりでおしゃべりでもしないか?」

あかり「……京子ちゃんがそうしたいのなら」

京子「そっかそっか、なら、そうしよ?」

(ちゃぶ台を挟んであかりの正面に座る京子)

京子「あかりはさ……」

245: 2012/09/26(水) 20:58:42.52 ID:D1WC3t2b0
さるらない程度に書いてくぜッ!
おまいらの厚意に心から感謝だぜッ!

247: 2012/09/26(水) 21:02:40.60 ID:D1WC3t2b0
京子「あかりは何でごらく部を作ったかわかる?」

あかり「……?」

249: 2012/09/26(水) 21:07:42.20 ID:D1WC3t2b0
京子「結衣から聞いたことあるだろうけど、きっかけはここの鍵をぐうぜん拾ったことなんだよね」

京子「でも私が言いたいのはそうじゃなくて……私と結衣とあかりと、このごらく部の話」

あかり「……」

京子「私はさ、あかりと結衣と友達になれて凄く嬉しい。それは今も昔も変わらないよ? 一緒に遊んで、怪我して、そんでもって、泣き虫の私をふたりしてあやしたりしてくれてさぁ……」

京子「これからもずっと一緒だって、そう信じてた」


さるりたくない!

252: 2012/09/26(水) 21:13:21.15 ID:D1WC3t2b0
京子「でも、私たちとあかりは年がひとつはなれてる。それはどうしようもないことなんだ」

京子「だから、中学に上がった時はほんとは寂しかった。そりゃ、綾乃とか千歳とか、新しい友達もできたけどさ……」

京子「でも、私はやっぱりその中にあかりもいなきゃ嫌なんだ」

253: 2012/09/26(水) 21:16:56.20 ID:D1WC3t2b0
京子「あかりがいて、皆もいて、はじめて心の底から笑えるんだよ」

京子「それは結衣も同じだからね?」

あかり「……」

京子「だから、私はごらく部を作ったんだ」

あかり「……?」

256: 2012/09/26(水) 21:22:11.88 ID:D1WC3t2b0
京子「あかりと結衣と私。三人がちゃんと揃うように」

京子「あかりと過ごせなかった学校生活一年分を、そこで取り返せるように」

京子「つまりね? ごらく部っていうのは、私と結衣があかりのために作った、あかりのための場所なんだよ」

あかり「私のための……」

京子「うん。あかりのための部活」

京子「ここは、あかりの居場所なんだよ?」

258: 2012/09/26(水) 21:25:29.21 ID:D1WC3t2b0
京子「それだけ私たちは、あかりのことを大切に思ってるってこと。強く思ってるってこと」

京子「しかも、ちなつちゃんも加わってからもっとにぎやかな部になって、それと一緒にあかりの笑顔もたくさん見れて……」

京子「あかりは何も変わってない、ちょっとおっちょこちょいな元気印の女の子なんだなぁってわかって、安心した」

260: 2012/09/26(水) 21:26:55.72 ID:D1WC3t2b0
あかり「京子ちゃんは今でもそうなの?」

京子「え?」

あかり「私にはもう心がないのに、友達だって思ってるの? 普通、怖がって距離を置いちゃうんじゃないかなぁ」

京子「まさか!」

京子「それじゃ、どうして私はまだあかりとこうして話してるの?」

262: 2012/09/26(水) 21:31:52.98 ID:D1WC3t2b0
あかり「どうして?」

京子「なっ――」

(その時、京子の中で何かが音を立てて崩壊した)

京子「大事だからに決まってんだろ! バカ!」ジワッ

(感情を抑えきれず、ちゃぶ台を拳で叩きつける京子。目元には大粒の涙が)

あかり「……!」

京子「これだけ言ってもまだわからないって言うのかよ!?」

京子「子供の頃から大の仲良しだっただろ? ならわかれよ!」

あかり「ちょっと、京子ちゃん……」

(心なしか、京子にはあかりがどこか怯えているように見えた。が、それを尻目に感情をあらいざらいぶちまける)

264: 2012/09/26(水) 21:36:03.98 ID:D1WC3t2b0
京子「あかりのための部活なんだよ? だったら笑顔になってくれたっていいじゃん!」

京子「喜んでくれたっていいじゃん!」

京子「いつものあかりなら……あかりなら……そんな無表情じゃないもん!」

京子「ぜったい笑って、私に元気をくれるもん!」

京子「私は! 私はっ……あかりの笑顔が、大好きなんだよぉ……」グスッ

(しゃくり声をあげながら、京子は卓上に項垂れた)

(狼狽えるような素振りを見せるあかりに気付かず、ただただ失望と悔しさの涙を流し続ける)

あかり「(どうすれば……)」

266: 2012/09/26(水) 21:39:07.36 ID:D1WC3t2b0
……
…………
………………

(その状態が数分続き、いつしか京子は泣き止んだ)

(感情なき者と絶望に打ちひしがれる者の間に、無機質ともいえる沈黙が流れる)

(やがて、やおら京子は無言のままに立ち上がった)

(こうべを低く垂れたまま、頬についた落涙の跡も拭わずに)

あかり「京子、ちゃん……?」

(京子はまるで今のあかりのように無感情に、淡泊な声色であかりに告げた)

京子「ごめん、わたし今日は帰るね。ふたりには伝えておいて」

あかり「えっ……」

(言葉通り、京子は重い足取りで茶道部室を去る)

268: 2012/09/26(水) 21:43:49.45 ID:D1WC3t2b0
(部室には、再びあかりひとりが残された)

(先と変わらず、ぽつんと座布団に座っているあかり)

あかり「……」

(無表情のまま、胸に手を当てる)

(その手で制服の胸のあたりを掴み、強く力を込める)

(あかりの――今はまだ心と呼べない胸の内には、ある思考が蟠っていた)

あかり「(胸が痛い、よ……)」

(あかりの表情は、いつの間にやら悲哀の色に満ちていた)

(彼女ですら気付かぬうちに)

あかり「(京子ちゃんの泣き顔が、頭から離れない……)」

あかり「(もしかしてこれが……?)」

(蟠りの正体を判じかねたまま、あかりは胸に手を当て続けた)

(空虚で渺茫な濃い霧の中で、自分の本質を探索するように……)

(あるはずのない己の心に、感じる筈のない辛苦の在処を問うように……)

315: 2012/09/27(木) 00:04:08.05 ID:9qgGGN2i0
タチコマに天然オイルやってたから遅くなった
あと、()の中に文かくのめんどいから、()使わない

317: 2012/09/27(木) 00:11:44.15 ID:9qgGGN2i0
翌日

――ちなつ宅

ちなつは自分の部屋の中で右往左往していた

先程あかりにメールを送り、家に来るようにとの旨を伝えたのだ

ちなつ「(メールしたはいいけど、どうしよう……)」

己が良かれと思った行いが、結果的に取り返しのつかない事態を招く――それを最も恐れていたちなつにとって、自分から行動を起こすというのは並々ならぬ勇気のいることだった


眠くなるまでゆっくりやってく
自分のIDからそこはかとない攻殻臭を感じる

320: 2012/09/27(木) 00:19:39.77 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「(なに話せばいいのかわかんないよ……先走っちゃったかなぁ……)」

と、その時

不意にちなつのケータイが鳴った

驚きのあまり飛び上がる

ちなつ「(あかりちゃんかな……ドタキャン?)」

むしろそうであって欲しかった

淡い期待を胸にケータイを開く――だが予想に反して、届いたのは京子からのメールだった

321: 2012/09/27(木) 00:24:34.60 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「京子先輩から? 何だろう」

メールの文面に目を通す

どうやら話し合いたいことがあるようだ

ちなつ「(多分、あかりちゃんのことだよね)」

そう判断し、ちなつは、もうすぐあかりが家に到着することを返信メールに書いた

324: 2012/09/27(木) 00:30:57.28 ID:9qgGGN2i0
京子からの返信は一分と待たずに来た

内容はちなつにはおよそ理解のできないものだったが、文面からただならぬ事情があることを察知し、ちなつもまたすぐにメールを返信した

あかりにごめんねって言っておいて

そんなことが、絵文字など一切の粉飾なしに書かれていたのだ

326: 2012/09/27(木) 00:39:42.71 ID:9qgGGN2i0
ピンポーン

ちなつ「(あかりちゃん、来ちゃった……)」

あかりを呼び出した身でありながら、不承不承玄関に向かう

ガチャッ

そこには、例の如く無表情のあかりが立っていた

あかり「……」

ちなつ「あかりちゃん……」ボソッ

あかり「こんにちは、ちなつちゃん」

ちなつ「え? あ、うん……。ほら、上がって」

327: 2012/09/27(木) 00:43:36.17 ID:9qgGGN2i0
>>90が起きた現場って、チーナの家だっけ? あっかりんの家?

329: 2012/09/27(木) 00:51:18.61 ID:9qgGGN2i0
把握した

331: 2012/09/27(木) 00:56:06.73 ID:9qgGGN2i0
>>330
その厚意には感謝するお(´・ω・`)

332: 2012/09/27(木) 00:59:24.98 ID:9qgGGN2i0
あかり「ここ……」

ちなつ「ん?(ここ……?)」

あかり「私とちなつちゃんがキスしたところだ」

ちなつ「……えっ?」

ちなつ「えっ……///」

333: 2012/09/27(木) 01:03:31.68 ID:9qgGGN2i0
あかり「違う……?」

ちなつ「う、ううん。あ、あってるよ(なに言い出すかと思えば……///)」カアア

ちなつ「ほ、ほら、早く私の部屋に行こう?」

あかり「……」

以前、キスをした場所に見入るあかり

ちなつ「あかりちゃん?」

334: 2012/09/27(木) 01:08:37.02 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「(……)」

ちなつ「じゃあ、ここで話そっか」

あかり「……うん」

隣り合うように玄関の段差のところに腰を下ろすふたり

するとちなつは、あかりが悩ましげな表情をしていることに気付いた

337: 2012/09/27(木) 01:13:52.76 ID:9qgGGN2i0
>>335
色んな姉妹が活躍する話が収録された原作の巻数おしえれ

340: 2012/09/27(木) 01:17:35.30 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「もしかしてあかりちゃん、悩みでもあるの?」

心を失ったあかりが悩みを抱えるなんて、考え難いことではあったが、ちなつは念のために聞いておいた

もしかして、あかりの中に心が芽生えつつあるのかもしれない


>>338
>>339
サンクス

341: 2012/09/27(木) 01:21:44.54 ID:9qgGGN2i0
あかり「悩み?」

そう言って、首を横に振るあかり

否定の意味合いらしい

あかり「悩みじゃないけど、わからないことなら、ある」

ちなつ「じゃあ、教えてくれる?」

あかり「……」コクッ

342: 2012/09/27(木) 01:26:34.06 ID:9qgGGN2i0
……
…………
………………

ちなつ「そう、そんなことがあったんだ(だから京子先輩、あんなメールを……)」

あかり「……」コクッ

あかり「どうして胸が苦しくなったのか、ちなつちゃんわかる?」

344: 2012/09/27(木) 01:33:11.68 ID:9qgGGN2i0
きりのいいところで一旦終わらせたいし、今日はもう寝ようかな
いまのトロンとした頭じゃまともに書けそうにないお
願わくば、明日もこのスレが残っていてほしいお(´・ω・`)
おk?

349: 2012/09/27(木) 01:41:15.28 ID:9qgGGN2i0
ありがとお(´・ω・`)
お言葉に甘えて、今日はもう眠らせていただきます
一応、あかねさんと結衣もこれから活躍する予定だお

377: 2012/09/27(木) 09:26:31.81 ID:9qgGGN2i0
ちなつは悩んだ

あかりの失われた心を揺さぶるような、できる限り最善の答えを教えられるように

ちなつ「(それはたぶん……)」

ちなつ「……それは、あかりちゃんが優しいからだよ」

あかりはよくわからないという風に、小首を傾げる

あかり「優しい、から……?」

ちなつ「そう。心はないけど、あかりちゃんは今も昔も優しいから」

ちなつ「だから、泣いてる京子先輩を見るのが耐えられなかったんじゃないかな」

あかり「心がないのに、どうしてそんなこと思うんだろう」

ちなつ「さあ、そこまでは私も……」

378: 2012/09/27(木) 09:30:18.69 ID:9qgGGN2i0
おまえらありがとう
心から感謝

379: 2012/09/27(木) 09:40:03.49 ID:9qgGGN2i0
あかり「……そっか」ボソッ

そこはかとなく、哀しげな横顔を見せるあかり

それをちなつが見過ごすはずがなく、今がチャンスとばかりに、あかりの感情を呼び起こすような前向きな言葉をかけてあげた

ちなつ「たださ。あかりちゃんには、ちょっとずつだけど心が芽生えてるんだと思うよ? 私が保証する」

382: 2012/09/27(木) 09:49:50.97 ID:9qgGGN2i0
あかり「……本当?」ボソッ

その時、あかりの眼差しから穏和な色を感じ取れた――少なくとも、ちなつの目にはそう映った

ちなつ「うん。大切なお友達だもん、嘘つくわけないでしょ?」

383: 2012/09/27(木) 09:57:41.38 ID:9qgGGN2i0
これが好機ではないか……

ちなつは直感から、そう悟った

今、心に直接訴えかけるような言葉をかければ、きっとあかりはもとに戻る――

ちなつ「あかりちゃんが今そんな風に悩んでるのは、京子先輩の期待に応えようって気持ちがあるからなんだよ、きっと」

ちなつ「先輩を泣かせたのは自分だって、自分で自分のこと責めてるの」

ちなつ「それは優しい心がある証拠だよ?」

384: 2012/09/27(木) 10:00:41.85 ID:9qgGGN2i0
ちなつ篇までは終わらせる

385: 2012/09/27(木) 10:06:54.30 ID:9qgGGN2i0
あかり「……どう、なんだろう。やっぱり私にはわからないや」

ちなつ「わからなくても、そうなの。胸に手を当てて考えてみて? 他にどんな答えが思いつく?」

ちなつ「人はね、優しくなくちゃ、心がなくちゃ、誰かが泣いてる姿を見て自分まで苦しくならないものなんだよ?」

ちなつはあかりとの距離を詰め、そして――

386: 2012/09/27(木) 10:10:06.14 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「だって、私……私がそうだから……」

あかりの手を握り、そのか細い指先を自分の胸へと引き寄せる

一瞬だけ彼女の手がぴくりとなって、ああ、今あかりちゃんは驚いたんだなぁ……と、己の胸で直に感じ取る

彼女の手はことのほか冷たく、頼りないほどに力が入っていなかった

387: 2012/09/27(木) 10:14:22.99 ID:9qgGGN2i0
あかり「ち、ちなつちゃん……?」

ちなつ「……」

あかりが動揺していることを見て取り、ちなつは畳み掛けて手を強く握り――

次の瞬間、ちなつは手を離したかと思うと、両腕をあかりの首に巻きつけ、そのまま押し倒した

ちなつ自身、どうしてそんな真似をしたのか理解できなかったが、あかりの困惑する顔を目の前にして、心を決めた

ちなつ「あかりちゃん……ごめんね……」

躊躇なくあかりの唇にキスをする

388: 2012/09/27(木) 10:18:27.21 ID:9qgGGN2i0
以前に経験した感触を思い出し、それが今の感触と重なる……唇の柔らかさも、温かさも、全く同じだった

しかし、以前経験した感触には、確かな感情の揺らぎが感じられた

今のあかりには、それがない……

ちなつ「(あかりちゃん……)」ジワッ

無言のまま唇を重ねつづけるちなつ

あかりもまた、何も言わず、抵抗することもなく、そしてそのキスが何を意味するのかもわからず――押し倒された状態のまま動かなかった

389: 2012/09/27(木) 10:21:42.92 ID:9qgGGN2i0
無表情のままのあかり

それに耐えきれず、ちなつはかたく目を瞑った

目の前にある残酷な現実から目を逸らすように

この時、ちなつは初めて気付いた

なぜ失敗を恐れてあかりに何もしなかったのか

なぜ自分は失敗を恐れたのか

……それは、あかりのことが好きだからだ

ただの友達としてではなく、それ以上の存在として

だから、愛する人だからこそ、失敗を何よりも恐れた……

だから今、心を取り戻すためだけにキスすることが辛かった

愛情確認のためではなく、形式的なものに過ぎないキスなんて……あかりを想うちなつにとって、悲しすぎる現実だった

ようやく自分の気持ちを知ったちなつは、無感情な唇にキスしたまま、さめざめと涙を流すのであった

390: 2012/09/27(木) 10:32:24.34 ID:9qgGGN2i0
推奨BGM
i do

もしかして:誰もいない

392: 2012/09/27(木) 10:36:12.47 ID:9qgGGN2i0
>>391
ありがとお(´;ω;`)

393: 2012/09/27(木) 10:38:52.17 ID:9qgGGN2i0
……
…………
………………

長いキスが終わり、ふたりはまた段差に腰掛けた

ちなつ「ごめんね、ごめん……。あかりちゃん」

涙をぬぐいながら、しきりに謝るちなつ

ちなつ「今のは、ただあかりちゃんの心を動かすためだけの、嘘のキス……」

あかり「ちなつちゃん……」

京子の時と同様、胸を苦しそうに抑えるあかり

395: 2012/09/27(木) 10:47:32.71 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「(私のために苦しんでくれてる……やっぱりあかりちゃんは優しいや……)」

ちなつ「(でもね、あかりちゃん。……私も、あかりちゃんの苦しんでるところなんか、見たくないよ……)」

あかり「……」

困り果てた様子のあかり

そんなあかりが、何とちなつの背中を優しく撫ではじめた

ちなつ「……えっ?」

あかり「ちなつちゃん、悲しそうだから……」ナデナデ

あかり「……悲しいんだよね?」ナデナデ

405: 2012/09/27(木) 12:31:32.87 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「あかりちゃん……」ジワッ

ちなつ「(でも……その優しさが、私には辛いんだよ?)」

ちなつ「(本当のあなたが、今にでも戻って来てくれそうで……)」グスッ

ちなつは、あかりの手をのけるように勢いよく立ち上がると

ちなつ「ごめんね!」

想い人を置き去りにして、そのまま家を飛び出した

あかり「あ! 待って、ちなつちゃん!」

あとを追うようにして、あかりもすぐさま駆け出す





さるってたんだよ!

409: 2012/09/27(木) 12:41:55.48 ID:9qgGGN2i0
全力疾走で住宅街を駆け抜けるあかり

あかり「ま、待って! ちなつちゃん!」

しかし、あかりの脚力ではちなつに追い着かず、終いには見失ってしまった

息切れしながらも、ちなつが通ったであろう道を勘だけを頼りにたどる

あかり「(ちなつちゃん……どこ?)」ハアハア

体力の限界を感じながらも角を曲がった――その時

411: 2012/09/27(木) 12:45:01.97 ID:9qgGGN2i0
>>409訂正

全力疾走で住宅街を駆け抜けるあかり

あかり「ま、待って! ちなつちゃん!」

しかし、あかりの脚力ではちなつに追い着かず、終いには見失ってしまった

息切れしながらも、ちなつが通ったであろう道を勘だけを頼りにたどる

あかり「(ちなつちゃん……どこ?)」ハアハア

体力の限界を感じ、視界がぼやけつつも十字路に差し掛かった――その時


413: 2012/09/27(木) 12:53:27.95 ID:9qgGGN2i0
あかりの右方から、軽自動車がクラクションを鳴らしながら疾駆してきた

そのままあかりが十字路を突っ切れば回避できるだろう

しかし、あかりは恐怖のあまりその場で立ち竦んでしまった

心をなくしてから、初めて知る恐怖

その感覚を自覚する余裕すらなく、頭の中は真っ白になった

呆然自失に陥るあかりに、車は着実に距離を詰めてゆく――

415: 2012/09/27(木) 12:59:05.58 ID:9qgGGN2i0
――時は遡り、住宅街の小路

結衣「ハァ……」

あてどなく彷徨い続ける結衣

これといった目的などない

ただ少し風に当たりたかったのだ


417: 2012/09/27(木) 13:05:54.03 ID:9qgGGN2i0
あかりから魂が抜け落ちたような状態になってから早一週間

状況は一向に改善しない

そればかりか、ごらく部の皆まで元気がなくなる始末

おかげで、責任感ある結衣は苦悶に苛まれていた

本来ならば他ならぬ自分が、解決に導いてやらねばならないというのに

420: 2012/09/27(木) 13:17:43.49 ID:9qgGGN2i0
どうかこのレスがさるりませんように!!!

残念なお知らせ
今から、おっさんは当SSにとって必要な資料(ゆるゆり原作)集めのため出かけてきます
おっさんの度重なる無責任な行いのせいで近くこのスレは堕ちるかもしれませんが、
例え何日かかったとしても、必ず書き終えてみせます
東京湾に沈められても、おっさんは交わした約束だけは守り通します

では、願わくばおまえらに良い午後が訪れることを ノシ

478: 2012/09/27(木) 20:04:23.17 ID:9qgGGN2i0
悩み苦しみ、いつしか下を向いて歩いていた結衣

ふと、どこからか聞き覚えのある声がする

結衣がはたと歩みを止めて正面を向き直ると、少し距離を隔てたところにあかりの姉――赤座あかねが、例の如く微笑を満面に湛えて小さく手を振っていた

結衣「あかねさん……」

480: 2012/09/27(木) 20:14:17.93 ID:9qgGGN2i0
おまえらありがとう(´;ω;`)
マジで落ちないとは思ってなかったから、オッサン凄く嬉しい
なるべくおまえらの期待に沿えるよう、尽力するつもり

さるらない程度に投下していくけど、さる回避するにはどうしたらいい?(´;ω;`)

486: 2012/09/27(木) 20:23:45.46 ID:9qgGGN2i0
佇立する結衣のところまで、あかねは小走りで駆け寄る

あかね「久しぶりね、どこかへ寄るところかしら」

結衣「あ、いえ」

何と答えればいいものか、結衣は考えあぐねた

結局、散歩しているだけだと伝え、結衣は適当に遣り過ごす




>>484マジで?

489: 2012/09/27(木) 20:30:06.61 ID:9qgGGN2i0
結衣「あかねさんは何か用事があってここに? 本屋の袋を持ってるみたいですけど」

あかね「あ、ああ、これは気にしないで」アセアセ

袋をさっと背中に隠すあかね

あかね「そ、それより、ちょっとふたりで話さない? 近くにいいお店がるのよ」

結衣「は、はあ……」

特に断る理由もなかったため、結衣は素直についていくことにした




わかった、教えてくれてありがとう

490: 2012/09/27(木) 20:36:37.64 ID:9qgGGN2i0
――ワクドナルドハンバーガー

ふたりは隅の方のテーブルで、注文したコーヒーを飲みながら他愛もない談話に興じていた

束の間の安息であることは、おそらくは互いに承知の上で

あかね「ここは私のバイト先なの。あっ、ちなみに今のおすすめはダブチよ?」

結衣「いえ、大丈夫です。さっきお昼食べたばかりなんで(ダブチってダブルチーズバーガーのことか? そういや京子もそう略してたな)」

492: 2012/09/27(木) 20:44:48.18 ID:9qgGGN2i0
あかね「そう……」

しばしの間を置いて、沈鬱な色を顔に浮かべるあかね

あかね「……それで、話っていうのはあかりのことなんだけれど……」

あかね「ど、どう? 学校では元気にしてる?」

しかし次の瞬間には、あかねの表情はいつものような大人びた笑顔に変わっていた

……結衣は、それが自分を偽った微笑みであるとすぐにわかったが

494: 2012/09/27(木) 20:52:24.95 ID:9qgGGN2i0
結衣「(あかねさん、きっと相当まいってるんだろうな……)」

あんな状態のあかりと寝食を共にするというのは、はやり精神的にきついものがあるのだろう

実の姉であるのなら尚更だ

結衣「(あかねさんは、大人だな……)」

それでも表情を取り繕うあかねを前にして、結衣は自分が不甲斐なく思えた

496: 2012/09/27(木) 20:59:34.90 ID:9qgGGN2i0
妹同然にあかりに接してきた身でありながら、自分は、平静を装うことすらできないのか……

結衣「(年長のあかねさんが気丈に振る舞ってるんだ、私だって……!)」

気を引き締め、結衣は自信に満ち溢れた表情で断言した

自分でも驚くほど自信に満ちた声色で

結衣「あかりは大丈夫です。私たちが責任をもって面倒を見ています」

結衣「あかねさんが思ってるほど、あかりは弱い子じゃありませんよ」

結衣「だから……強がらないでください」

諭すようにそう言って、ふわりと微笑みかける結衣


500: 2012/09/27(木) 21:07:45.80 ID:9qgGGN2i0
その表情には、あかりについてはどうか安心して任せてください、という意味が暗に込められていた

あかね「……そう、わかったわ」

意図を把握した様子で、相好を崩すあかね

年齢や立場は違えど、胸に懐く願いは同じなのだ――そう、ふたりは暗黙のうちに認識した

あかね「一緒にいて辛いこともあるでしょうけれど、どうかこれからも、私の大切な妹と仲良くしてあげてね」

あかね「そうすることで、少しずつでも良くなっていくだろうから……」

502: 2012/09/27(木) 21:15:27.67 ID:9qgGGN2i0
結衣「はい。その代わり、私たちがいない間はあかねさんが傍にいて支えてあげてください」

結衣「いつかあかりが心から笑えるように、一緒に見守ってあげましょう」

あかね「そうね……」

静かに呟いてから、あかねは僅かだが表情を曇らせた

それはあかりに向けた愁嘆でも不安でもない、結衣に向けた心情の表れだった

結衣「(……? 怒らせちゃったわけじゃないだろうし、何だろ?)」





ごめんおまえら、さるらないように支援ください……
お願いします(´;ω;`)

505: 2012/09/27(木) 21:23:04.41 ID:9qgGGN2i0
結衣「あの、あかねさん……? どうかしましたか」

さして思い当たる節のない結衣は、なるべく柔らかな語調で問い掛けた

あかね「ええ、ちょっとね……」

考え込むように目を伏せて、やがて正面に向き直ると、あかねは躊躇いがちに口を開く

あかね「私はあかりのお姉ちゃんだから、いつまででも傍にいてあげられるわ。あかりが成人を迎えて、あなたたちが社会人になっても、ずっと」

あかね「……でも、あなたはどう? 大人になって職に就いたら、あかりのことなんか考えていられる余裕なんて、絶対になくなるわよ?」

あかね「中学生と大人とでは、生き方が全く違うものになるの。そこに私情を挟む余地なんてない。私のいまのバイトでさえ、多忙を極めるんだもの……」

506: 2012/09/27(木) 21:29:12.31 ID:9qgGGN2i0
結衣「あかねさん……」

あかね「ごめんなさいね、皆を貶めるようなこと言っちゃって……。ただ、あかりを大事に思う人のひとりとして、確認しておきたかったのよ……」

あかね「……さ、さあ、そろそろお開きにしましょうか。何か予定もあるでしょうし」

再び笑顔を取り繕って、思い出した風に言う

結衣「(……)」

結衣はそんなあかねの表情が、今まで彼女の見せたどんな表情よりも寂しく、そして悲しげに見えた

さも何事もなかったかのように振る舞う態度が、あかねの表情をいっそう悲愴たらしめていた

511: 2012/09/27(木) 21:37:25.81 ID:9qgGGN2i0
――住宅街のとある小路

結衣とあかねがワックにいるのと時を同じくして、京子はちなつの家に向かっていた

メールでは自分の代わりに謝ってほしいと伝えておいたが、やはり自分が謝るのが道理だろうと思い、結局、あかりが来るというちなつ宅に赴こうと決めたのだ

だが、いざ家を出たのはいいものの、やはりあんなことがあった後にあかりと会うのは気が重く、歩調も自然と鈍重になっていった

京子「(回り道でもしよっかな……)」

今さら家には戻れない、なら、時間をかけて歩いて気でも紛らわそう

そう思い至り、京子はちなつの家まで遠回りして向かうことにした

512: 2012/09/27(木) 21:44:53.67 ID:9qgGGN2i0
――住宅街のとある小路

ひとりとぼとぼと足を動かす少女は、吉川ちなつ

ちなつは今更ながら、衝動的に家を飛び出したことを後悔していた

あかりを酷く悲しませたという己の不甲斐なさもさることながら、これでは先日の京子の件と全く同じではないかという自責の念の方が、より重く心にのしかかった

あかりを苦しませた挙句、その場から逃げ出すなんて……

ちなつ「(きっと、今でもひとりで家にいるんだろうな……)」

515: 2012/09/27(木) 22:00:26.25 ID:9qgGGN2i0
ふと立ち止まり、あかりと過ごした楽しい日々に――ごらく部での日々に思いを馳せる

今でも忘れることのない、初めて出会った時に見たあかりの嬉しそうな顔

ごらく部の皆との旅行、電車の中で眠っていたあかりの安らかな寝顔

そして、半ば強引に、初めて唇を重ねた時の感触……

……もう、あかりの色々な表情は見れないのか

嬉しい顔も、楽しい顔も、驚いた顔も、そして……

……心から悩んで、辛そうでも、苦しそうでも、それでもあどけなさの残る女の子の表情も……

518: 2012/09/27(木) 22:11:53.29 ID:9qgGGN2i0
ちなつ「(……そんなの、嫌だ)」

今のあかり悲しげな顔には、無邪気だった頃の面影もない

あかりの心がようやく動いたと思った時、表情から窺えるのは辛苦だけ

きっと今のあかりは、心が芽生えたばかりで、でも心が何かわからないから、上手く制御できないんだ

そんな彼女を放っておいたら、ただ悲しみが募ってゆくばかり……そうに違いない

ちなつ「(今からでもきっと遅くない。行こう……!)」

悔恨の念に激しく揺さぶられながら、ちなつは来た道を引き返し始めた

そして気付く――ちなつにとってのごらく部とは、いつか茶道部を作るための場ではなく、自分でも知らない間にあかりのための部活になっていたことを

520: 2012/09/27(木) 22:19:59.82 ID:9qgGGN2i0
ここまで読んでくれてありがとうおまえら(´・ω・`)
風呂に入ってくる
混乱した頭を休めたいってのもあるけど、さる回避したいってのが大きい

今日中に終わるかどうかはわからないけど、上がったらいくらか書くつもりです

533: 2012/09/27(木) 23:19:28.78 ID:9qgGGN2i0
ただいま
歯磨きしたら再開します、でもにっさんは歯磨きする時間かなり長いよ?
とりあえずtake a little handでも聴いて待っててお



ちなみに今日中に終わりそうにない
ごめんね

543: 2012/09/28(金) 00:17:59.86 ID:8NjWpnSB0
ゆるゆり STAND ALONE COMPLEX SOLID STATE SOCIETY 3D
こちらの都合で少しだけとなりますが、始まります
playerでも聴いてお待ちください

546: 2012/09/28(金) 00:23:32.91 ID:8NjWpnSB0
結衣「……あかねさん、ごらく部がどうしてできたのか、知ってますか?」

あかね「えっ……?」

意を決して口を開いた結衣

そして、結衣の思いもよらぬ発言に一驚を喫するあかね

だがそんなことなどお構いなしに、結衣は続ける

結衣「ごらく部は、あかりのための部なんです」

あかね「あかりのための?」

結衣「はい。一年の頃、私と京子があかりのことをたくさん話し合って、悩んだ結果つくった部が、ごらく部なんです」

結衣「ちょっと長くなるかもしれないけど、最後まで聞いてください……」

549: 2012/09/28(金) 00:29:01.93 ID:8NjWpnSB0
……
…………
………………

結衣は話した

ごらく部誕生のいきさつを

あかりのためを思って作られた部であることを

自分たちがどれだけあかりを大事に思っているかを

あかねが納得できるように、一言一句ていねいに、心を込めて

理解を得られるかどうかは……あかね次第だ

550: 2012/09/28(金) 00:35:50.92 ID:8NjWpnSB0
あかね「そうだったの……」

結衣「はい。だから私たちは、あかりをただの友達だなんて思ってません」

結衣「誓って言います。私は――私たちごらく部のメンバーは、あかりの一生の友達です」

絶対にそうであると――嘘偽りなど決してないと、そう言い切る結衣

結衣「(信じてもらえたかな……)」

自分なりに主張はしたつもりだが、正直なところ、あかねがそれに納得するかどうかは自信がなかった

552: 2012/09/28(金) 00:43:46.86 ID:8NjWpnSB0
あかね「はぁ……」

しばしの沈黙の末、あかねはため息をひとつ吐いてから――

あかね「ふふ、わかったわ」

いつになく明朗な声音で、結衣に対して言葉を向けた

あかね「あなたたちは、本当にあかりのことが好きなのね」

あかね「……安心した」

あかねはその言葉と共に、誰にともなく破顔一笑する

結衣からしても愛おしいほどに美しく、そして、そこはかとない哀愁を孕んだ笑みだった

555: 2012/09/28(金) 00:50:02.97 ID:8NjWpnSB0
結衣「(あかねさん……ありがとうございます)」

感激のあまり涙を流しそうになりながらも、結衣は心の中であかねに感謝した

あかりがどれだけ大切な存在が上手く伝えられたこと

自信を取り戻して最後まで話せたこと

そして何より、あかねに自分自身を認めてもらえたような気がして――

……とても嬉しかった

556: 2012/09/28(金) 00:56:09.37 ID:8NjWpnSB0
あかね「なら、あなたたちに言うべき言葉はもうないわ」

あかね「ちゃんと自身をもって。前を向いて」

あかね「きょう会った時、凄く暗い顔してたわよ?」

結衣「はっ、はい……」

あかね「それから、もっと女の子としての自信を持ちなさい。結衣ちゃんが思っている以上に、あなたは可愛い女の子なんだから」

結衣「が、頑張ります……///」カアアッ

弱いところを突かれ、みるみるうちに頬が紅潮してゆく

558: 2012/09/28(金) 01:03:03.29 ID:8NjWpnSB0
あかね「ふふっ……。じゃあ、結衣ちゃん。そろそろ行きましょうか。付き合わせちゃってごめんなさい」

結衣「い、いえ。大丈夫です」アセアセ

結衣「そ、それより、本を買いたくて外出してたんですよね?」アセアセ

結衣「私こそ、本を読む邪魔しちゃってごめんなさい」アセアセ

あかね「い、いいのよ。悪いのは私の方なんだし……///」アセアセ

あかねは横の椅子に置いておいた本を掴むと、電光石火の如きスピードで背中に隠した

……そして、互いに赤面したまま、ささやかなお茶会はお開きとなった

559: 2012/09/28(金) 01:11:47.63 ID:8NjWpnSB0
書き溜めたのはここまでです
あとちぃっとだけつづくんじゃ
毎度言うことですが、もし残ってたら書きます
残ったなかったらそん時考える
んじゃ、おっさんは寝るノシ(´・ω・`)

584: 2012/09/28(金) 09:01:37.34 ID:8NjWpnSB0
1: 2012/09/28(金) 21:08:50.40 ID:8NjWpnSB0
京子「あかりは何でごらく部を作ったかわかる?」のつづきです




悩みが解消されたようで、結衣は晴れ晴れとした気持ちで帰路に就いていた

明日あたり、“お姉さん”としてあかりと話そう

もちろん、何を話すか、どう接するかを決めてから

そのために、今日はじっくりと時間をかけて悩み抜こう

万全を期して、最高のコンディションで会えるように

繊細なあかりに、なるべく傷をつけないために

結衣「(女の子らしい、か……)」

結衣「(だったら、お姉さんとして、ちゃんと話し合った方がいいよな)」

3: 2012/09/28(金) 21:14:00.30 ID:8NjWpnSB0
陰鬱な面持ちの少女ふたりと出くわしたのは、十字路に差し掛かった頃だった

結衣、京子、ちなつが各々べつの道から歩いてきたのだ

三人ははたと立ち止まり、それぞれの顔を見合わせる

贖罪と救済を己の切なる願いとする、暗澹たる面持ちの京子

恋慕の情と悔恨の念に駆られた、哀切極まりない表情のちなつ

そして、自身に全幅の信頼を寄せる、揺るがぬ決意に満ち満ちた顔の結衣

彼女らが偶然にも一堂に会したのは、運命の悪戯というより他なかった

5: 2012/09/28(金) 21:19:05.11 ID:8NjWpnSB0
更にもうひとり――苦悶に歪む顔の少女が、今、全身汗だくになりながら十字路に向かって駆け走っていた

その少女――赤座あかりは、こちらに気付かぬままふらふらになって走り、そのまま車道に踏み入った

右方から、車が近づいて来ているにも関わらず

あかり「えっ……?」

迫り来る自動車の存在に気付き、あかりは呆然自失となって車道に立ち竦む

8: 2012/09/28(金) 21:25:07.32 ID:8NjWpnSB0
その光景を目にした三人は、とっさにあかりのもとへ駆け寄った

だが、並の足の速さではとても間に合わない

あかり「きゃあああああ!」

心をなくしてから、初めて上げる悲鳴

本来なら喜ばれるべき心の躍動は、皮肉にも、車と衝突する直前の出来事だった

もはやこれまでかと思われたが――

「あかり!」

騒々しいクラクションと共に突っ込んでくる車の前を、ひとりの少女が横切った

9: 2012/09/28(金) 21:31:00.72 ID:8NjWpnSB0
端正な顔付きと澄んだ瞳、そして滑らかな黒髪の少女は、船見結衣

陸上部からの勧誘を受けるほど足の速い彼女は、持ち前の脚力を以て疾駆し、あかりに抱きつくようにして自分もろとも遠方へ押しやった

自身が軽傷を負いながらも、すぐさまあかりに怪我がないか確かめる

車は逃げるように去って行ったが、そんなこと今はどうでもよかった

結衣「無事でよかった、あかり!」ギュッ

思わず目に涙を浮かべながらも、あかりを強く抱きしめる

11: 2012/09/28(金) 21:37:05.34 ID:8NjWpnSB0
でも、そんな表情はあかりに見せられない

せめてお姉さんらしく振る舞うために、なるべく泣き顔に見えないよう目を瞑った

京子「おい、あかり! 結衣!」

ちなつ「大丈夫ですか!?」

京子とちなつも心配顔でこちらに駆け寄る

13: 2012/09/28(金) 21:44:55.77 ID:8NjWpnSB0
あかり「わたし、わたしは……」ブルブル

結衣「大丈夫。もう何も起きないからね、あかり」ナデナデ

震えるあかりの髪を撫で下ろす結衣

京子「結衣、怪我してるじゃん!」

ちなつ「あかりちゃん、結衣先輩、大丈夫ですか!?」

擦り傷程度だというのに、慌てふためくふたり

よほど先の出来事がショックだったのだろう

だが、お姉さんらしくあろう、その決意は今も変わらない

だから結衣は、あえて平静を装う

結衣「こ、これくらい平気だって、ふたりとも」グスッ

結衣「それより、あかり」フキフキ

15: 2012/09/28(金) 21:52:03.69 ID:8NjWpnSB0
あかり「な、なぁに? 結衣ちゃん……」

結衣「……怖かったよね?」

あかり「……!」

驚くような素振りを見せるあかり

あかり「……」

逡巡の末、ゆっくりと口を開く

あかり「……うん」

あかり「凄く、怖かったよ……」

結衣「そっか……」

結衣は、満足な回答が得られたとばかりに優しく微笑み、あかりの背に巻きつけていた腕をほどくと、あかりに向き直った

結衣「それが、心っていうんだよ?」ニコッ

あかり「これが……?」

あかり「(そう、だったんだ……)」

17: 2012/09/28(金) 21:59:59.90 ID:8NjWpnSB0
この時あかりは、今までも胸の内でたびたび感じていた揺れの正体が、初めて心であると理解した

ついさっきまでは怖くて、真っ白になっていて、でも今は凄く温かい――それが心なのだと

そして、それまであえて黙っていた京子とちなつが、ここにきてようやく口を開いた

京子「あかり、昨日はごめんな。私が自分勝手なばっかりに……」

ちなつ「違うんです京子先輩。私があかりちゃんを家に置き去りにしてっちゃったから……。本当にごめんね、あかりちゃん。苦しかったよね?」グスッ

京子「ちなつちゃのせいじゃない! 私のせいであかりが苦しんで、それできっと――」

19: 2012/09/28(金) 22:07:57.49 ID:8NjWpnSB0
あかり「京子ちゃん、ちなつちゃん」

ふたりを制止するように、語りかけるあかり

その声音には、深い慈愛と、確かな優しさがこもっていた

あかり「私――ううん、あかりだね。あかりは、誰も恨んでないよ?」

京子「あかり……」

ちなつ「でも私は……」

俯くふたりに、あかりはふわりと微笑みかける

それは間違いもなく、以前のあかりの笑顔そのものだった

あかり「だって……京子ちゃんはあかりのためにごらく部を作ってくれたんだもんね?」ニコッ

あかり「それがわかっただけで、すっごく嬉しいよ?」

あかり「それにちなつちゃんも……前よりもっと仲良くなれた気がするし……」

ちなつ「えっ……///」ポッ

22: 2012/09/28(金) 22:14:23.17 ID:8NjWpnSB0
京子「な、なあ。あかり……」

京子は躊躇いがちに言葉をかける

あかり「なに? 京子ちゃん」

京子「あかりは……その、本当のあかりに戻ったのか?」

あかり「……ううん」

誰にともなくそう言って、寂しげに表情を曇らせる

あかり「多分だけど、あかりは前のあかりじゃない……と思う」

結衣「そうなのか……」

思いがけない反応に、表情が翳る三人

先の笑顔を見て、てっきり元に戻ったと思ったのだ

24: 2012/09/28(金) 22:21:40.72 ID:8NjWpnSB0
あかり「でも、心が何かはわかったよ?」

何を話すのか自分の中で整理してから、あかりはゆっくり立ち上がって語り出した

あかりの真剣な表情を前にして、皆もまた姿勢を正す

あかり「あかりね、結衣ちゃんに助けられる直前に、皆の顔が頭に浮かんだんだ」

結衣「私たちの……?」

あかり「うん。氏にたくないって気持ちより、皆と別れたくないっていう気持ちの方が大きかったんだ」

あかり「心がなくても、それでも皆と離れちゃうのだけは嫌だったから……」

京子「あかり……」

ちなつ「あかりちゃん……」

あかり「でも、今ならよくわかるよ? 皆と離れたくないって思ったのは、あかりの中にちょっとだけど心が生まれたからなんだよね?」

あかり「皆を思うってことが、心……なんだね……」

27: 2012/09/28(金) 22:28:07.16 ID:8NjWpnSB0
京子「(……)」

京子「あかり。人から聞いたことなんだけど、難しい言葉で言うと、それは執着っていうんだって」

あかり「えへへ、細かいことはどうでもいいよぉ」

あかり「皆を思える心が戻ったってだけで、あかりは凄く幸せだよ」

あかり「わかったことは一つだけだし、まだまだわからない心もたくさんあるけど……」

結衣「(……)」

結衣「あかり」

結衣「ちょっとずつ、わかっていこう?」

ちなつ「そうだよ、私たちが教えていってあげるから。だって……」

そこでちなつは言葉を切り、京子が代わりに話した

京子「……ごらく部は、あかりのための部活だから」

30: 2012/09/28(金) 22:34:36.82 ID:8NjWpnSB0
それから歳月が流れ……

――あかり宅――

ピンポンピンポンピンポンピンポーン!

京子「早くしろあかりー! ドア蹴破るぞー!」

結衣「早くしないと学校に遅れちゃうよー?」

ちなつ「大丈夫だよあかりちゃーん。私たちはあかりちゃんが来るまで待ってるからね?」

ガチャッ

京子「おっ、やっと来たか」

あかり「……」テクテク

結衣「あ、あかり……?(やけに物静かだな)」

他ふたりも異変に気付き、嫌な予感を覚えつつ、あかりに言葉をかける

ちなつ「どうしたの、あかりちゃん?」

京子「まさか……!」

34: 2012/09/28(金) 22:47:06.01 ID:8NjWpnSB0
あかり「えへへっ、なーんちゃって!」

あかり「はい、これ!」

以前と全く同じ笑顔で、だが心は未熟なままで、あかりは背中に隠していたものを差し出す

それは、あかりが皆のために“心”をこめて作ったてるてる坊主だった

結衣「てるてる坊主……? あかり、今日は晴れだよ?」

京子「あかり、今度は頭がぼけちゃったのか?」アタフタ

割と本気で慌てる京子

37: 2012/09/28(金) 22:54:20.04 ID:8NjWpnSB0
ちなつ「もう、ふたりとも! あかりちゃん、ありがと。喜んでもらうね」ニコッ

微笑みながらも頬を火照らせ、あかりの手からてるてる坊主を受け取るちなつ

思いがけず、指先が触れ合う

ちなつ「あっ……///」カアアッ

あかり「えへへ……///」ポッ

あかり「み、皆にもあげるね?」ニコッ

残るふたつのてるてる坊主を、結衣と京子に手渡す

結衣「あかりからのプレゼントは嬉しいけどさ、何でまたてるてる坊主なんだ?」

京子「うん。私も気になってた。何で?」

と、言いながら、京子はあかりのお団子に視線を向ける

あかり「もうっ、お団子は関係ないよぉ!」プンスカ

40: 2012/09/28(金) 23:04:01.44 ID:8NjWpnSB0
以前の口調とは少し違う、だが優しさだけは以前と同じように、あかりは言う

あかり「あかりは、てるてる坊主でお空が晴れるといいなって思うんだ」

あかり「天気がいいと、みんな自然と笑顔になるでしょ?」

あかり「だから……皆いつも笑顔でありますようにって、そう願って作ったんだ」

結衣「あかり……」

京子「(……)」

ダキッ

京子「それでこそ私のあかりだ~! こいつめ~」オダンゴモミモミ

あかり「うわあああ~! あかりのお団子がー!」

ちなつ「京子先輩、抜け駆けはずるいです! ついでに言っとくと私のあかりちゃんです!」モミモミ

42: 2012/09/28(金) 23:12:16.93 ID:8NjWpnSB0
結衣「はあ……。やっと平和な日常に戻ったと思ったのに……」

京子「へへっ。でもさぁ、結衣」

京子らしい邪気のない笑みで、明るく言う

京子「あかりのためのごらく部は、これくらい騒がしい方がいいだろ?」ニコッ

あかり「京子ちゃん、もうやめて~!」

しばしの間を置いて、結衣は彼女にしてはやわらかすぎるほどの穏和な微笑を浮かべ、そして言い切った

結衣「……なに言ってんだよ、当たり前だろ?」

透きとおるような青空の下、新生ごらく部のメンバーの間では、今日も笑顔が絶えなかったという……





47: 2012/09/28(金) 23:17:18.43 ID:8NjWpnSB0
終盤の展開が駆け足になってすまん
でも今日中に書かないとおっさんがおっさんだって証明できない気がしたんだ
いや、おっさんはおっさんじゃないけどさ……

ここまでやってこれたのは、おまえらと、ゆるゆりのみんなと、なもりのおかげです




最後に一言

――おっさんは、約束だけは必ず守り抜くって言ったろ?

引用: 京子「あかりは何でごらく部を作ったかわかる?」