1:2012/01/02(月) 22:03:37.52 

セイバー「やはり……リンですか?」 

士郎「違うよ」 

セイバー「サクラですか?」 

士郎「いいや……」 

セイバー「じゃあライダー?」 

士郎「違う、セイバー」 

セイバー「シロウ……まさか……」 

士郎「そんなの決まってるじゃないか、セイバー?」 

セイバー「シロウ……!!」 

士郎「イリヤだよ」 

セイバー「……え?」 

士郎「イ リ ヤ」 


4:2012/01/02(月) 22:05:13.29 ID:1y1T8uNg0

まあ常識的に考えてそうだよな 



5:2012/01/02(月) 22:05:34.85 ID:rhe95t120

セイバー「シロウ……?」 

士郎「やっぱりイリヤだと思う」 

セイバー「何故ですか?」 

士郎「ほら、守ってあげたくなるっていうかさ」 

セイバー「でも、イリヤはシロウのことを何度も殺そうとしたじゃないですか」 

士郎「そんなのもう関係ないよ。俺はイリヤを守ってあげたいんだ」 

セイバー「シロウ……」 

士郎「さ、もう寝よう」 

セイバー「まってください!!」 

士郎「ん?」 

セイバー「イリヤのどこがいいんですか?」 



8:2012/01/02(月) 22:09:06.79 ID:rhe95t120

士郎「どこって……」 

セイバー「まずイリヤは住む世界が違いすぎます」 

士郎「え?」 

セイバー「向こうは魔術師の家系であり、貴族です」 

士郎「それが?」 

セイバー「平民のシロウとでは釣り合いが―――」 

士郎「そんなこといったら、俺は遠坂は勿論、セイバーとも結ばれないことになるな」 

セイバー「!?」 

士郎「身分なんて関係ない。俺がイリヤの傍に居てあげたいんだ」 

セイバー「しかし、イリヤはなにもできません」 

士郎「どういうことだ?」 

セイバー「イリヤは一国の姫君のように育てられてきました。ですから家事もなにも―――」 

士郎「セイバーもじゃないか」 

セイバー「……」 



12:2012/01/02(月) 22:12:28.53 ID:rhe95t120

士郎「セイバー?どうしてそんなこというんだ?セイバーらしくないぞ」 

セイバー「それは……」 

士郎「……」 

セイバー「申し訳ありません。口が過ぎました」 

士郎「うん」 

セイバー「……あの」 

士郎「なんだ?」 

セイバー「もうそれはイリヤに伝えたのですか?」 

士郎「まだだけど」 

セイバー「そうですか」 

士郎「でも、早めに伝えたほうがいいな」 

セイバー「え、ええ……」 

士郎「よし。明日にでも言うか」 

セイバー「は、早くないですか?」 

士郎「さ、もう寝よう。おやすみ、セイバー」 



7:2012/01/02(月) 22:08:14.09 ID:t7xqf1Zs0

切嗣的には実の娘と養子が結ばれてくれればこんな幸福はあるまい 



13:2012/01/02(月) 22:14:59.82 ID:rhe95t120

翌日 

士郎「それじゃあ、でかけてくるよ」 

セイバー「……」 

凛「どこにいくの?」 

士郎「イリヤのところ」 

桜「なにをしにいくんですか?」 

士郎「……プロポーズ……かな?」 

凛「?!」 

桜「え!?」 

士郎「俺……決めたんだ」 

凛「ちょっと!!なによそれ!!私は認めないわよ!!」 

士郎「なんでさ?」 

凛「それは……だって、イリヤを選んでも士郎はきっと苦労するだけよ」 

士郎「そうだとしても俺はイリヤを守ってやりたいんだ」 

凛「……」 



14:2012/01/02(月) 22:18:58.85 ID:rhe95t120

桜「あの、先輩」 

士郎「どうしたんだ?」 

桜「イリヤは先輩のこと嫌いなんじゃ……?」 

士郎「それはないと思うけど」 

桜「嫌いじゃないとミンチにしたり、頭だけを持っていこうとしたりしないはずです!!」 

士郎「それは愛情の裏返しだと思う。それに普段のイリヤはすごい可愛いし」 

桜「そ、そんなこと……」 

士郎「買い物いくときも俺の腕に絡みついて離れようとしないし、家に二人でいると俺に体を預けてきたりするし」 

桜「……」 

士郎「イリヤのほうが姉になるけど、本当の妹みたいで……」 

桜「先輩……」 

士郎「それにイリヤと一緒にいるときがなんか一番ドキドキするしな」 

桜「私じゃしないんですか?!」 

士郎「ごめん」 

桜「そんな……」 



15:2012/01/02(月) 22:21:41.84 ID:rhe95t120

士郎「じゃあ、留守番頼んだから」 

セイバー「シロウ……はい……」 

凛「……どういうことよ?」 

セイバー「私に訊かれても……」 

桜「先輩は以前から心に決めていたんでしょうか?」 

凛「ま、まあ、どうでもいいわ。士郎が誰を選ぼうと私には関係ないもの」 

桜「セイバーさん……どうしますか?」 

セイバー「全てはシロウが決めたことですから、口出しできることではないと思います」 

桜「でも……」 

セイバー「では、自室に戻ります」 

凛「わたしもー」 

桜「……」 

桜「どうしよう……」 



16:2012/01/02(月) 22:24:24.66 ID:rhe95t120

ライダー「桜」 

桜「ライダー!」 

ライダー「行きましょう」 

桜「え?」 

ライダー「士郎の後を追いましょう」 

桜「でも……」 

ライダー「桜はまだ士郎に思いを告げていません」 

桜「うん……」 

ライダー「士郎も直接桜に言われれば……もしかしたら」 

桜「そんなことあるとおもう?」 

ライダー「男性は惚れっぽいところが多かれ少なかれあります」 

桜「そうかな……」 


セイバー「……」 

凛「……」 



17:2012/01/02(月) 22:27:53.58 ID:rhe95t120

アインツベルン城 

イリヤ「いらっしゃい」 

士郎「よう」 

イリヤ「今日はどうしたの?いきなり来るっていうから急いで御もてなしの準備をしたのよ?」 

士郎「そんなことしなくていいのに」 

イリヤ「いいの。セラとリズは最近、暇そうにしてから」 

士郎「そうか?」 

イリヤ「それで、今日はどうしたの?」 

士郎「えっと……」 

イリヤ「?」 

士郎(やっぱり可愛いな……イリヤ……) 

イリヤ「士郎?」 

士郎「へ、部屋にいこうか。大事な話があるんだ」 

イリヤ「いいよ」 



19:2012/01/02(月) 22:30:16.17 ID:rhe95t120

イリヤ自室 

イリヤ「座って」 

士郎「ありがとう」 

イリヤ「それでお話って?」 

士郎「えーと……」 

イリヤ「……」 

士郎「……」 

イリヤ(何この感じ……?) 

士郎(なんて切り出そう……) 

イリヤ「……士郎?」 

士郎「え?あ、なんだ?」 

イリヤ「なんか変よ?まるで母親に怒られる前の子どもみたい」 

士郎「そ、そんなこと……!!」 

イリヤ「どうしたの?」 

士郎「それは……その……あのだな……」 



21:2012/01/02(月) 22:32:55.44 ID:rhe95t120

イリヤ「もー、なによー」 

士郎「うわ!?」 

イリヤ「おにいちゃんってば、なにか隠してるの?」ギュゥ 

士郎「イリヤ!!今は抱きつかないでくれ!!!」 

イリヤ「なんでー?」 

士郎「それは……!!」 

イリヤ「それは?」 

士郎「ど、どきどきするからだ!!」 

イリヤ「へ?」 

士郎「……」 

イリヤ「なんでドキドキするの?」 

士郎「……だから」 

イリヤ「聞こえない」 

士郎「す、好きだから……イリヤのこと……だからドキドキする……」 

イリヤ「……」 



22:2012/01/02(月) 22:35:54.94 ID:rhe95t120

士郎「すこし……離れてくれ」 

イリヤ「う、うん……」 

士郎「……」 

イリヤ「……」 

イリヤ(好きってなに?好きってどういう好きなの?え?え?) 

士郎「うぅ……」 

イリヤ(もしかして……) 

イリヤ「し、士郎?」 

士郎「え……?」 

イリヤ「その……好きって……」 

士郎「う、うん……」 

イリヤ「好きってこと?」 

士郎「そ、そう……だ」 

イリヤ「好きって、どういうこと?えっと……私のこと好きなの?」 

士郎「うん……好きだ」 



25:2012/01/02(月) 22:37:44.98 ID:rhe95t120

イリヤ「好きなんだ」 

士郎「そうだけど」 

イリヤ「私も好きだよ?」 

士郎「そうか」 

イリヤ「知ってた?」 

士郎「な、なんとなく」 

イリヤ「へぇー」 

士郎「……」 

イリヤ「士郎は私のこと好き?」 

士郎「好きだ」 

イリヤ「どれくらい?」 

士郎「難しいな……」 

イリヤ「セイバーより好き?」 

士郎「うん」 

イリヤ「そっか、そっかぁ」 



28:2012/01/02(月) 22:40:56.02 ID:rhe95t120

士郎「イリヤ……は……その……俺のこと……好き、なんだよな?」 

イリヤ「え、うん……好きだけど」 

士郎「じゃあ……あの……」 

イリヤ「う、うん……」ドキドキ 

士郎「……」ドキドキ 

イリヤ「な、なに……?」 

士郎「お、俺と……け……結婚……しないか?」 

イリヤ「!?」 

士郎「……」 

イリヤ「えぇぇぇ!?!!?」 

士郎「な、なんだよ?」 

イリヤ「いや……士郎?結婚だよ?それって好きよりもっともっと好きじゃないとできないよ?」 

士郎「そ、そうだな」 

イリヤ「私のこと……あ、ああ、愛してる?」 

士郎「も、もちろんだ……」 



29:2012/01/02(月) 22:43:31.91 ID:MkNWhOE30

おや、イリヤが可愛いぞ 

31:2012/01/02(月) 22:45:22.56 ID:rhe95t120

イリヤ「ほんとに?」 

士郎「なんだよ……信じられないのか?」 

イリヤ「いや……セラがさ―――」 

セラ『いいですか?衛宮士郎が言う好きとは『食べ物の好き嫌い』と同レベルですから、真に受けると後悔しますよ?』 

イリヤ「って……。だから、半分くらい諦めてたんだけど」 

士郎「いや、俺はイリヤのことを愛してる」 

イリヤ「捨てたりしない?」 

士郎「するもんか。俺はイリヤを一生守るって決めたんだ」 

イリヤ「じゃあ……抱きしめて」 

士郎「え?」 

イリヤ「だ、だきしめなさいよ!!」 

士郎「な、なんで……?」 

イリヤ「す、すきならできるでしょ!!わ、私……士郎に抱きしめられたこと……ないし」 

士郎「こ、こうか……?」 

イリヤ「きゅ、急に抱きしめようとしないで!!!」 



36:2012/01/02(月) 22:47:48.59 ID:rhe95t120

士郎「え……」 

イリヤ「スーハー……う、うん……いいよ、き、きて」 

士郎「じゃあ……」スッ 

イリヤ「はぅ……」 

士郎「ど、どうだ?」 

イリヤ「うん……」 

士郎「……」 

イリヤ「……」 

士郎「……い、いつまで抱きしめてればいいんだ?」 

イリヤ「……」 

士郎「イリヤ?」 

イリヤ「……し、ろう……?」 

士郎「え?」 

イリヤ「わたし……うれしぃ……」ポロポロ 

士郎「イリヤ……泣いてるのか……?」 



40:2012/01/02(月) 22:50:28.20 ID:rhe95t120

イリヤ「もう少し……このまま……」 

士郎「うん」 

イリヤ「……いいの?」 

士郎「え?」 

イリヤ「私……桜みたいに家事できないよ?」 

士郎「いいよ」 

イリヤ「凛みたいに気遣ってあげれないかもしれないよ?」 

士郎「大丈夫」 

イリヤ「セイバーみたいに従順になれないよ?」 

士郎「俺がイリヤの隣にいたいんだ……いさせてくれ」 

イリヤ「うん……ずっといてね……おにいちゃん?」 

士郎「いるさ」 

イリヤ「ありがとう……」 

士郎「……」 

イリヤ「しあわせ……」 



42:2012/01/02(月) 22:52:52.74 ID:rhe95t120

エントランス 

セラ「これは……どうしました?」 

ライダー「士郎は?」 

セラ「衛宮士郎なら―――」 

桜「あ!!」 

士郎「ごはんはどうする?」 

イリヤ「なんでもいいわ。士郎が隣にいるなら」 

士郎「そうか」 

セラ「!?」 

リズ「イリヤ、ひゅーひゅー」 

イリヤ「ありがとっ」 

ライダー「遅かったか……」 

桜「先輩!!」 

士郎「あ、桜じゃないか。どうかしたのか?」 

イリヤ「……」 



43:2012/01/02(月) 22:55:40.06 ID:rhe95t120

桜「私、先輩のこと大好きです!!」 

士郎「え……?」 

桜「あの……結婚したいぐらいに愛してます!!」 

士郎「さ、さくら!?」 

イリヤ「見苦しいわよ、桜?」 

桜「イリヤさん……」 

イリヤ「士郎はもう私を選んでくれたの。今更、なにをするつもり?」 

桜「私は……」 

士郎「ありがとう、桜。でも、俺はイリヤが好きだから」 

イリヤ「士郎……」 

桜「……」 

士郎「ごめん」 

桜「先輩は……騙されてますっ!!」 

士郎「な……?!」 

イリヤ「ちょっと!!」 



50:2012/01/02(月) 23:00:18.28 ID:rhe95t120

桜「きっと暗示かなにかで……!!」 

セラ「なるほど……お嬢様。人の気持ちを弄んではいけません。ほら、早く正気に戻りなさい」 

士郎「俺は正気だ!!」 

イリヤ「暗示なんてかけてないわよ!!」 

桜「先輩!!こんな幼女体型より、私のほうがいいとおもいます!!」 

士郎「なにいってんだ!?」 

イリヤ「誰が幼女体型よ!!」 

セラ「ほら、衛宮士郎。もう諦めて間桐桜の元にいきなさい」 

士郎「なんでさ!?」 

イリヤ「セラ、黙りなさい!!」 

セラ「ですが……!!」 

ライダー「士郎……ひとついいですか?」 

士郎「え?」 

ライダー「士郎のイリヤに対する感情は……妹を思う愛情と類似しているのでは?」 

士郎「なにを……?」 



53:2012/01/02(月) 23:05:00.26 ID:rhe95t120

ライダー「本当の愛と家族愛を混同してしまっているのでは?」 

士郎「そ、そんことない!!」 

イリヤ「そうよ!!」 

ライダー「そこははっきりさせておいたほうがいいでしょう。イリヤが将来、不幸にならないためにも」 

イリヤ「なによ……みんなして……」 

士郎「俺はイリヤのことを真剣に愛してる!!」 

桜「じゃあ……抱けますか?」 

イリヤ「え?」 

桜「先輩はイリヤさんのこと抱けるんですか!?」 

士郎「悪いけど……さっき抱いた」 

イリヤ「士郎……」カァ 

桜「!?!」 

セラ「おのれ、ケダモノ!!!リーゼリット!!衛宮士郎を殺しなさい!!!」 

リズ「イリヤ、今日はお赤飯?」 

ライダー「既に……抱いたのですか……?!」 



55:2012/01/02(月) 23:09:12.73 ID:rhe95t120

士郎「イリヤが抱いてくれって言うから」 

セラ「お嬢様がそのようなことをいうものですか!!」 

イリヤ「私から言ったわ。好きなら抱けるでしょう?ってね」 

リズ「流石、イリヤ。今日はお赤飯」 

桜「あぁ……そんな……」 

ライダー「桜、しっかり!!」 

士郎「い、いい匂いがしたな」 

イリヤ「うそ……私からは……薬品の臭いが……」 

士郎「そんなことない。ずっと嗅いでいたいぐらいだ」 

イリヤ「士郎……」 

士郎「イリヤ……」 

桜「やめてください!!!」 

ライダー「士郎……お言葉ですが、イリヤのどこに惹かれて抱こうと?」 

士郎「どこって……全体?」 

セラ「口リコン!!」 



56:2012/01/02(月) 23:10:38.79 ID:jPotjmVDO

おまけにシスコンだな 



60:2012/01/02(月) 23:13:35.97 ID:rhe95t120

イリヤ「それは私に対しての侮蔑ってことでいいの?」 

セラ「い、いや……そういうことでは……」 

士郎「なんでそんな言われ方をされないといけないんだ?」 

桜「だって……普通じゃないですよ!?」 

士郎「俺はイリヤのことが好きだ。だから抱ける。それは普通じゃないのか?」 

ライダー「違います!!」 

イリヤ「なによー!!いい加減にしてよー!!まるで士郎が犯罪者みたいじゃないの!!」 

セラ「あながち間違いではありません」 

イリヤ「セラ……」 

リズ「大丈夫。セラは嫉妬しているだけ」 

セラ「?!」 

士郎「嫉妬って?イリヤがとられたからか?」 

リズ「違う。シロウが盗られたから」 

イリヤ「え?!」 

セラ「こ、こら!!なにをいっているんです!!!」 



65:2012/01/02(月) 23:17:36.98 ID:rhe95t120

リズ「セラ、シロウのこと大好き」 

イリヤ「そうだったの……?」 

セラ「ち、ちがいます!!誰がこんな野蛮人のことなんて!!」 

リズ「それ嘘。セラは最近、シロウのことばかり口にしてた」 

セラ「それはただの愚痴でしょう!?」 

リズ「それはシロウのこと気になってる証拠」 

士郎「そうだったのか……」 

イリヤ「セラまで……」 

セラ「違いますから!!!違いますからぁ!!!」 

リズ「ちなみにもうひとり、シロウのこと好きな人がいる」 

イリヤ「それって……」 

ライダー「うっ……」 

リズ「……はい」 

士郎「リズ?」 

リズ「そう。私」 



68:2012/01/02(月) 23:20:50.13 ID:rhe95t120

イリヤ「なんでよぉ!!!」 

リズ「イリヤが好きな人、私も好き」 

士郎「リズ……」 

リズ「愛してる、シロウ」 

士郎「いやいや……」 

イリヤ「だめー!!!士郎はわたしのー!!」 

リズ「うん。だから、イリヤに飽きたら私のところに来てくれていい」 

士郎「!?」 

イリヤ「もう!!」 

セラ「なにをいっているの!!はしたない!!」 

桜「先輩のこと……みんなが好きだなんて……!!」 

ライダー「……」 

イリヤ「士郎は私と一生過ごすの!!」 

リズ「じゃあ、私とも」 

セラ「二人ともいい加減にしなさい!!」 



71:2012/01/02(月) 23:25:40.60 ID:rhe95t120

士郎「まいったなぁ……」 

イリヤ「私が一番でしょ!?」 

リズ「じゃ、私が二番?」 

セラ「やめなさい!!」 

桜「らいだぁ……」 

ライダー「どうしたものか……」 

セラ「おほん!―――わかりました。衛宮士郎?」 

士郎「なんだ?」 

セラ「これからお嬢様をどうされるおつもりですか?」 

士郎「どうするって……」 

セラ「婚姻は?住居は?人生設計はきちんとしているのでしょうね?」 

士郎「それは……」 

セラ「一時の感情でお嬢様を選ぼうとしなように。ま、まぁ……私が教えてあげてもいいですけど?」 

リズ「個人授業……セラ、えろい」 

セラ「はぁ!?」 



74:2012/01/02(月) 23:28:42.31 ID:rhe95t120

リズ「あ、間違えた。セラ、偉い」 

セラ「……」 

イリヤ「そんなものゆっくりと考えればいいのよ」 

士郎「そうだな」 

セラ「そういうわけにも……!!」 

イリヤ「小姑は口うるさいからいきましょう、士郎?」 

士郎「え?」 

イリヤ「部屋でゆっくりと今後のことを決めないとね」 

士郎「そうだな」 

リズ「じゃあ、私はシロウの側室でいい」 

士郎「だめだ!!」 

リズ「きっと三人なら気持ちいい」 

イリヤ「な、なにいってるの!?」 

桜「あぁ……先輩……」 

ライダー「士郎……」 



77:2012/01/02(月) 23:33:20.16 ID:rhe95t120

イリヤ自室 

イリヤ「でさ、どうする?」 

士郎「なにがだ?」 

イリヤ「ここは街から離れて住むには不便かも」 

士郎「でも、イリヤはここのほうがいいんじゃないのか?」 

イリヤ「別に、士郎と一緒ならどこでもいいわ」 

士郎「嘘つくな。広い家のほうがいいだろ?」 

イリヤ「勿論、物置小屋みたいなところは嫌だけど、士郎の家でもいいよ?」 

士郎「それは嬉しいけど……セラがなんていうか」 

イリヤ「言わせておけばいいわ」 

士郎「……」 

イリヤ「士郎はセラと一緒に住みたいの?」 

士郎「いや。どちらかというと住みたくないな」 

イリヤ「どうして?」 

士郎「だって……セラが一緒だと俺がイリヤの傍にいれないし、構ってあげられない気がする」 



79:2012/01/02(月) 23:36:11.05 ID:rhe95t120

イリヤ「士郎……」 

士郎「俺、イリヤのためならなんでもする」 

イリヤ「ほんとに?」 

士郎「ああ」 

イリヤ「じゃあ、じゃあ……えっと……おやつに甘いケーキとか毎日出してくれる?」 

士郎「ああ」 

イリヤ「急に抱きついてもいい?」 

士郎「いいぞ」 

イリヤ「一緒にお風呂は?」 

士郎「それは……」 

イリヤ「……」 

士郎「イリヤが……いいっていうなら……」 

イリヤ「一緒に寝てくれる?」 

士郎「うん」 

イリヤ「じゃあ、士郎の家に住むわ!!ちょっと待ってて!!支度するから!!」 



83:2012/01/02(月) 23:40:54.71 ID:rhe95t120

セラ「―――お嬢様、いまなんと?」 

イリヤ「だから、今日から士郎の家で住むの。あなた達は城にいなさい」 

セラ「しかし!!」 

リズ「イリヤ、酷い。シロウ、独り占めいくない」 

イリヤ「士郎は私のなの!!」 

セラ「お嬢様、お考え直しを!!」 

イリヤ「駄目よ。もう決めたことなの。これから私は衛宮イリヤスフィールになるの」 

セラ「ぶっ!!」 

リズ「語感悪い」 

イリヤ「いい?私が帰ってきたら城内が埃まみれになってるとか絶対に許さないから」 

セラ「お嬢様!!」 

リズ「がんばって、イリヤ」 

イリヤ「うん!」 

セラ「こうなったら……!!」 

イリヤ「バーサーカー!!二人が……じゃなくてセラが買い物以外の理由で外に出ようとしたら容赦しなくていいから」 


87:2012/01/02(月) 23:44:26.65 ID:rhe95t120

衛宮邸 

イリヤ「……」 

士郎「どうしたんだ?早く入れよ」 

イリヤ「今日からここが家になるかと思うとね……」 

士郎「やっぱいやか?切嗣の家だもんな」 

イリヤ「ううん……。うれしいよ?」 

士郎「そうか」 

イリヤ「いこっ!」 

士郎「ああ」 

桜「はぁ……」 

ライダー「……」 

桜「もう付け入る隙なんてないのかなぁ……」 

ライダー「桜……」 



88:2012/01/02(月) 23:46:36.56 ID:NGAACFBt0

衛宮邸が修羅場でヤバい 



89:2012/01/02(月) 23:48:13.39 ID:cyIYus+F0

セイバーとはなんだったのか・・・ 



90:2012/01/02(月) 23:48:26.04 ID:rhe95t120

居間 

セイバー「む……?」 

イリヤ「はぁー」ゴロゴロ 

セイバー「……」 

イリヤ「やっほー」 

セイバー「なにをしているのですか?」 

イリヤ「士郎がおやつ用意してくれるって」 

セイバー「そうですか」 

イリヤ「はぁー」ゴロゴロ 

セイバー「はしたないですよ?」 

イリヤ「なんか畳って転がりたくなるよね」 

セイバー「なりません」 

イリヤ「はぁー」ゴロゴロ 

セイバー「やめなさい」 

イリヤ「なによぉー。サーヴァント風情が私に楯突き気?私は士郎のお嫁さん。つまり、この家では二番目に偉いんだからね!!」 



92:2012/01/02(月) 23:52:24.00 ID:rhe95t120

セイバー「嫁……?」 

イリヤ「そうよ」 

セイバー「何を言い出すかと思えば……」 

イリヤ「え?」 

セイバー「私はシロウのサーヴァントですよ?」 

イリヤ「それが?」 

セイバー「私のほうが立場的には上のはず」 

イリヤ「なんでよ?!」 

セイバー「マスターのお傍に仕える騎士ですよ。偉くないわけがない」 

イリヤ「でもお嫁さんよりは下でしょ?」 

セイバー「そんなことはない。私のほうが上です」 

イリヤ「私!!」 

セイバー「私です」 

士郎「―――おやつができたぞ。みんなで食べようか」 

イリヤ「はーい」 
セイバー「わかりました」 



93:2012/01/02(月) 23:55:33.70 ID:rhe95t120

イリヤ「ごちそうさま」 

セイバー「美味でした」 

士郎「イリヤ、部屋の片付けやっちまうか」 

イリヤ「うん!」 

士郎「よし、行こう」 

イリヤ「ねね、服とかどこに置いておけばいい?」 

士郎「そうだなぁ……イリヤの洋服多いからなぁ」 

セイバー「……」 

セイバー「士郎……」 

セイバー「はぁ……」 

桜「セイバーさん……?」 

セイバー「サクラ」 

ライダー「……」 

セイバー「なんですか?」 

桜「あの……相談があるんですけど……」 



94:2012/01/02(月) 23:57:41.35 ID:rhe95t120

廊下 

凛「ふんふーん」 

士郎「じゃあ、ちょっと待っててくれ」 

凛「あら?士郎?」 

士郎「あ、遠坂」 

凛「なにかしてるの?」 

士郎「イリヤの部屋の片付け」 

凛「な……!?」 

イリヤ「はやくぅ」 

士郎「ああ、待ってろ」 

凛「……イリヤ?」 

イリヤ「凛じゃない。どうかした?」 

凛「ここに住み気?」 

イリヤ「だって私は士郎のお嫁さんだもーん」 

凛「……」 



95:2012/01/02(月) 23:58:19.21 ID:2bkyJXL+0

こわいよぉ 



97:2012/01/03(火) 00:00:21.46 ID:3lld63CP0

凛「へぇ……もう婚約でもしたのかしら?」 

イリヤ「プロポーズはされたよ」 

凛「……」 

イリヤ「残念でした」 

凛「べ、べつに残念とかおもってないし!!」 

イリヤ「はいはい」 

凛「くっ……!!」 

イリヤ「……」 

凛「……で、なにをぼぉーっとしてるわけ?」 

イリヤ「え?」 

凛「片付けしてるんでしょう?」 

イリヤ「そうだけど?」 

凛「じゃあ、早く片付けなさいよ」 

イリヤ「でも、全部士郎がやってくれるっていったから」 

凛「あのねぇ……」 



100:2012/01/03(火) 00:07:11.27 ID:3lld63CP0

イリヤ「収納用のタンスがないか探してもらってるの」 

凛「ねえ……身の回りのこと、全部士郎にやらせる気なの?」 

イリヤ「え?だめなの?」 

凛「あなた、夫婦がどういうものかわかってないみたいね」 

イリヤ「どういうこと?」 

凛「夫婦ってのは互いを支え合っていくものなの。足りない部分を補い合いながらね」 

イリヤ「……」 

凛「士郎に全部丸投げするならメイドさんと一緒に住んだほうが快適だと思うけど?」 

イリヤ「なによ、負け犬の遠吠え?」 

凛「いいえ。これは事実。そして、貴女がずっとそう言う態度を取るならきっと士郎はいつか愛想を尽かすわね」 

イリヤ「それはないわ。だって士郎は私のことを愛しているから」 

凛「だから、その愛も冷めるっての。士郎は奴隷でもなんでもない。貴女が夫して接している限り、いつかイリヤの面倒を見るのが苦痛になる」 

イリヤ「そんなことない!!」 

凛「あなたは捨てられる。絶対にね」 

イリヤ「そんなことないっていってるでしょ!!用がないなら出て行って!!」 



104:2012/01/03(火) 00:11:31.54 ID:3lld63CP0

士郎「―――イリヤ、おまたせ」 

イリヤ「あ、うん」 

士郎「これで上手くやれば全部入ると思う」 

イリヤ「そう」 

士郎「ちょっと待っててくれ。すぐに入れるから」 

イリヤ「……」 

士郎「でも、イリヤの服って本当に多いよな。これ全部着てるのか?」 

イリヤ「士郎?」 

士郎「ん?」 

イリヤ「私のこと好きなんだよね?」 

士郎「ああ、好きだぞ」 

イリヤ「死ぬまで一緒にいてくれるんだよね?」 

士郎「馬鹿。死ぬなんていうな。ずっと一緒だ、イリヤ」 

イリヤ「士郎……」 

士郎「早く片付けよう。夕飯の支度もあるしな」 



106:2012/01/03(火) 00:15:14.71 ID:3lld63CP0

居間 

士郎「―――できたぞ」 

大河「まってましたぁ!!!」 

セイバー「頂きます」 

イリヤ「……」 

士郎「あれ?遠坂は?」 

大河「用事があるって帰ったけど?」 

士郎「そうなのか」 

セイバー「リンの分は私が食べます」 

士郎「ったく、俺に作らせるだけ作らせていつも礼のひとつもないもんな」 

大河「まぁまぁ。いいじゃないの―――」 

イリヤ「士郎!!ありがとう!!ごはん美味しい!!」 

士郎「あ、うん……どういたしまして」 

大河「なに?どうかしたの?」 

イリヤ「べ、べつに……お礼は大事でしょ?」 



110:2012/01/03(火) 00:18:44.74 ID:3lld63CP0

セイバー「―――ごちそうさまでした」 

大河「いやぁ、まんぷくまんぷく」 

イリヤ「……」 

士郎「藤ねえ、食い終わったら食器は流しにもってきてくれ」 

大河「やだぁ」 

士郎「こいつ……もう飯はつくらねえぞ?」 

イリヤ「わ、私がもっていくから!!」 

大河「え?」 

セイバー「……?」 

イリヤ「よいしょ……よいしょ……」カチャカチャ 

士郎「イリヤ、そんな無理するなって」 

イリヤ「だ、だいじょうぶよ……これ、くらい……」 

セイバー「なんか怖いですね」 

イリヤ「は、はい……士郎、どうぞ」 

士郎「あ、ありがとう」 


113:2012/01/03(火) 00:22:19.37 ID:3lld63CP0

士郎「そうだ。お風呂だけど、イリヤはどうする?」 

大河「なに?イリヤちゃん、泊まっていくの?」 

セイバー「大河、イリヤは今日からここに住むことに―――」 

大河「ゆるしませーん!!!」 

イリヤ「大河、もう決まったことだから」 

大河「だめ!!セイバーさんと遠坂さんだけでもここのキャパは限界なのよ!!」 

イリヤ「知らないわ」 

大河「そもそも何もできない子がもう一人増えたら士郎が大変じゃないの!!」 

イリヤ「……!!」 

セイバー「……」 

大河「わかってる!?ここには家事をしない人が何人も―――」 

士郎「いいんだ。イリヤもセイバーもなにもしなくていい」 

セイバー「シロウ……」 

士郎「俺は家事が好きだからな」 

イリヤ「……」 



121:2012/01/03(火) 00:26:00.20 ID:3lld63CP0

大河「だからぁ!!」 

士郎「ちゃんと面倒みるって」 

大河「何か間違いがあったらどうするの!!」 

セイバー「長くなりそうですね。一緒に入りましょうか?」 

イリヤ「え?セイバーとお風呂に?」 

セイバー「嫌ですか?」 

イリヤ「べ、別にいいけど」 

セイバー「では参りましょう」 

大河「イリヤちゃんは何歳だと思ってるの!?」 

士郎「はぁ?」 

大河「小学生と間違いなんてお姉ちゃん絶対に許しません!!!」 

士郎「いや……イリヤは年上―――」 

大河「実年齢の問題じゃない!!外見年齢の問題よ!!」 

士郎「藤ねえ……」 



124:2012/01/03(火) 00:30:25.16 ID:3lld63CP0

浴室 

セイバー「……」ゴシゴシ 

イリヤ「……」 

セイバー「……なにか?」 

イリヤ「あ……そっか」 

イリヤ「えーと……」 

セイバー「これが頭髪用のものです」 

イリヤ「わ、わかってるわよ!!」 

イリヤ「んしょ……んしょ……」ゴシゴシ 

セイバー「はぁ……こっちにきてください」 

イリヤ「なによ……?」 

セイバー「洗ってあげます」 

イリヤ「いい!!自分でやる!!」 

セイバー「……」 

イリヤ「自分でやらなきゃ……士郎に嫌われちゃう……」 



128:2012/01/03(火) 00:33:46.18 ID:3lld63CP0

セイバー「……」 

イリヤ「んしょ……いたっ!!」 

セイバー「どうしました?」 

イリヤ「目がいたい!!目がいたい!!」 

セイバー「全く……じっとしてください」 

ザァァ 

イリヤ「きゃぁ!!」 

セイバー「お湯をかけただけです」 

イリヤ「うぅ……」 

セイバー「はい。もう大丈夫ですよ」 

イリヤ「あ、ありがとう」 

セイバー「慣れない事をするからそうなるのです」 

イリヤ「でも……」 

セイバー「食器の運び方も危うい。あれではいつか割ってしまいます」 

イリヤ「でも……やらなきゃ……」 



130:2012/01/03(火) 00:37:11.71 ID:3lld63CP0

更衣所 

セイバー「ふぅ……」フキフキ 

イリヤ「あ……自分でやらないと……」フキフキ 

セイバー「……」 

イリヤ「こう……?」 

セイバー「こうです」ゴシゴシ 

イリヤ「ちょっと!!自分でできるってば!!」 

セイバー「そうですか」 

イリヤ「……」 

セイバー「さてと……」スタスタ 

イリヤ「あ、まってよ」 

セイバー「足下を見てください」 

イリヤ「え?」 

セイバー「床が濡れます。きちんと拭いてから移動してください」 

イリヤ「わ、わかってるわよ。うるさいわね……」 



132:2012/01/03(火) 00:40:12.26 ID:3lld63CP0

イリヤ「へっくしゅん!!」 

イリヤ「さむい……」 

イリヤ「もう……いいよね?」 

イリヤ「……」ソーッ 

イリヤ「ま、まだ濡れてるかしら……?」 

イリヤ「……」フキフキ 

イリヤ「へっきゅしゅん!!」 

士郎「イリヤ!?」 

イリヤ「あ、士郎」 

士郎「いつまでそこにいるんだ!?」 

イリヤ「あ、だって……」 

士郎「ほら、着替え―――」 

イリヤ「ん?」 

士郎「ごめん!!!」ダダダッ 

イリヤ「あ……」カァァ 



134:2012/01/03(火) 00:42:40.76 ID:3lld63CP0

イリヤの部屋 

士郎「じゃあ、おやすみ」 

イリヤ「うん」 

士郎「あの……さっきは、ごめん」 

イリヤ「ううん。隠してなかった私が悪いし」 

士郎「……」 

イリヤ「……」 

士郎「そ、それじゃあ……」 

イリヤ「士郎?」 

士郎「な、なんだ?」 

イリヤ「布団はどこにしまってあるの?」 

士郎「え?そこの押入れだけど」 

イリヤ「そっか。うん。わかったわ」 

士郎「……?」 

イリヤ「おやすみ」 



138:2012/01/03(火) 00:45:11.92 ID:3lld63CP0

翌朝 

イリヤ「……ん」 

イリヤ「……」 

イリヤ「布団……片付けないと……」 

イリヤ「よいしょ……」 

イリヤ「結構、重いわね……」 

イリヤ「よいしょ……んしょ……」 

イリヤ「あ―――」 

グシャァ 

イリヤ「もう一回……」 

イリヤ「……」 

イリヤ「よし……」 

イリヤ「あ―――」 

グシャァ 

イリヤ「―――もう一回」 



140:2012/01/03(火) 00:48:55.96 ID:3lld63CP0

士郎「イリヤ、朝―――」ガラッ 

イリヤ「……」ウルウル 

士郎「イリヤ?!」 

イリヤ「しろう!!ベッドがいい!!!」 

士郎「なんでさ!?」 

イリヤ「布団がいうこときかないの!!」 

士郎「なんだ片付けようとしたのか、そんなの俺が―――」 

イリヤ「い、いい!!やりかただけ教えて!!」 

士郎「イリヤ?」 

イリヤ「こ、これぐらいひとりでできるから」 

士郎「無理しなくていいって」 

イリヤ「士郎こそ無理しないで」 

士郎「いや、無理なんてしてないし、むしろ俺はイリヤの世話ができて嬉しいけど」 

イリヤ「でも……それがいつか嫌になるんでしょ?」 

士郎「え?」 



141:2012/01/03(火) 00:51:31.40 ID:3lld63CP0

イリヤ「……」 

士郎「なんで―――」 

セイバー「シロウ、大河が来ました」 

士郎「ああ、すぐいく」 

イリヤ「……」 

士郎「布団はあとだ。先にご飯にしよう」 

イリヤ「うん」 

士郎「いこう」 

セイバー「シロウ?」 

士郎「どうした?」 

セイバー「やけに優しいですね」 

士郎「そうか?」 

セイバー「私にもそれぐらい優しくしていただきたいものです」 

士郎「してるだろ」 

イリヤ「してるわよ」 


146:2012/01/03(火) 00:55:12.39 ID:3lld63CP0

士郎「じゃ、セイバー、イリヤ。留守番頼むな」 

セイバー「はい」 

イリヤ「いつ帰ってくるの?」 

士郎「夕方には帰ってくるから」 

イリヤ「わかったわ」 

セイバー「いってらっしゃい」 

士郎「行ってきます」 

セイバー「……」 

イリヤ「……」 

セイバー「さて、何をしましょうか」 

イリヤ「セイバーはいつもなにしてるの?」 

セイバー「そうですね……瞑想していることのほうが多いですね」 

イリヤ「つまり何もしてないのね?」 

セイバー「そんなことは……!!」 

イリヤ「……」 



147:2012/01/03(火) 00:58:21.37 ID:3lld63CP0

縁側 

イリヤ「……」 

イリヤ(お昼ごはんも士郎は用意してくれてるし) 

イリヤ(ただ黙って士郎の帰りを待っていればいいのかな……?) 

ライダー「……」スタスタ 

イリヤ「おでかけ?」 

ライダー「はい。アルバイトに」 

イリヤ「働いてるの?」 

ライダー「この家でお世話になる以上は」 

イリヤ「……」 

ライダー「では」 

イリヤ「……そっか」 

イリヤ「そうよ。何もしないなんて駄目よ。きっと士郎に愛想を尽かされるもの」 

イリヤ「でも……何をしたら……?」 

イリヤ「というか、どうやったら働けるの……?」 



149:2012/01/03(火) 01:02:06.28 ID:3lld63CP0

街 

イリヤ「……」キョロキョロ 

イリヤ「あの」 

「はい?」 

イリヤ「私を使ってみない?」 

「……は?」 

イリヤ「この私ならなんでもこなしてみせるわ」 

「いや、小学生は流石に雇えないから」 

イリヤ「小学生……!?」 

「こんな昼から出歩いて、学校はいいの?」 

イリヤ「失礼ね……私は―――」 

キャスター「あらー、こんなところにいたの?」 

イリヤ「!?」 

「なに、おたくの子ども?」 

キャスター「ほほほ。ほら、行きましょう」 



152:2012/01/03(火) 01:05:52.06 ID:3lld63CP0

イリヤ「はなして!!」 

キャスター「なにしているの、アインツベルンのご息女がこんな街中で」 

イリヤ「あなたこそ!!」 

キャスター「私は食材の買出しよ」 

イリヤ「あぁ……また人間を溶解させるってわけ?」 

キャスター「そんなことしないわ」 

イリヤ「どうだか」 

キャスター「それより、本当に何をしていたの?」 

イリヤ「見てわからない?仕事を探してたの」 

キャスター「なんのために?」 

イリヤ「それは……あの……士郎のために……」 

キャスター「あなた……まさか……」 

イリヤ「……う、うん」 

キャスター「なるほど……。ねえ、専業主婦ってわかるかしら?」 

イリヤ「え?」 



157:2012/01/03(火) 01:12:16.69 ID:3lld63CP0

キャスター「家で夫のためにできうる限りのことをするの」 

イリヤ「それは?」 

キャスター「お料理、お掃除、お洗濯。毎日それらをこなし、夫がいつ帰ってきてもいいようにすべての準備を整えるの」 

イリヤ「……」 

キャスター「無理に外で働こうとしなくても、家でできること、しなくてもならないことは山ほどあるわ」 

イリヤ「そっか」 

キャスター「がんばりなさい。専業主婦もつらいわよ」 

イリヤ「……やるわ」 

キャスター「そう」 

イリヤ「じゃないと……何の為に城を出たかわからないもの」 

キャスター「……応援ぐらいはしてあげる」 

イリヤ「ありがとう……貴女にお礼をいうなんて癪だけど」 

キャスター「可愛くないわね……。じゃあ、これをあげるわ」 

イリヤ「なにこれ?」 

キャスター「お守り。坊やと仲良くなるためのね」 



158:2012/01/03(火) 01:12:52.18 ID:EY7tZ0f40

最強のお守りがきたか・・・ 



159:2012/01/03(火) 01:15:23.36 ID:3lld63CP0

衛宮邸 

イリヤ(士郎に嫌われたんじゃあ……意味ないもの……) 

イリヤ(城を出たんだから……一人で全部やらないと……!!) 

イリヤ「よし……!!」 

セイバー「おかえりなさい。どうしました?」 

イリヤ「掃除するの」 

セイバー「掃除……ですか?毎日、シロウがしていますが」 

イリヤ「それでもするの!!」 

セイバー「そ、そうですか」 

イリヤ「……」 

セイバー「……」 

イリヤ「で、掃除ってどうすればいいの?」 

セイバー「掃除機や雑巾を使うものでは?」 

イリヤ「掃除機ってどこ?」 

セイバー「それは向こうに」 



160:2012/01/03(火) 01:18:07.45 ID:3lld63CP0

イリヤ「これね」 

セイバー「ええ。ここのコードを引っ張って」 

イリヤ「うんうん」 

セイバー「ここに差込み、あとは手元のスイッチを入れれば」 

ゴォォォ 

イリヤ「すごい!」 

セイバー「どうぞ」 

イリヤ「うん……」ゴクリ 

イリヤ「……」カチッ 

ゴォォォォ 

イリヤ「おぉぉ……?!」 

セイバー「……」 

イリヤ「これでいいのね。なるほど、簡単じゃない」 

セイバー「大丈夫ですか?」 

イリヤ「問題ないわ。魔術よりも簡単だから」 



162:2012/01/03(火) 01:20:25.17 ID:3lld63CP0

廊下 

イリヤ「よいしょ……よいしょ……」ゴォォォ 

イリヤ「……この壷が邪魔ね」 

イリヤ「動かさないと……」 

イリヤ「ふぬぬ……」 

イリヤ「……重い」 

イリヤ「セイ―――」 

イリヤ「駄目よ。一人でやらないと」 

イリヤ「ふぬぬ……!!」 

ゴリゴリ…… 

イリヤ「あ、うごい―――」 

ガシャーン!!! 

イリヤ「……」 


166:2012/01/03(火) 01:23:27.97 ID:QzUpjMZD0

壺割って涙目のイリヤをなでなでしたい 



170:2012/01/03(火) 01:25:04.46 ID:3lld63CP0

イリヤ「……」ゴォォォ 

イリヤ「よし。あとはこの壷を……」 

セイバー「イリヤ、今すごい音が―――」 

イリヤ「……」 

セイバー「イリヤ……?」 

イリヤ「なによ!!」 

セイバー「いえ……壷が割れてませんか?」 

イリヤ「直すわよ!!」 

セイバー「そ、そうですか」 

イリヤ「これぐらいなんでもないもん」 

セイバー「……」 

イリヤ「―――ほら、直った」 

イリヤ「次は士郎の部屋を掃除しないとっ」 

セイバー「がんばってください」 


173:2012/01/03(火) 01:28:09.63 ID:3lld63CP0

士郎の部屋 

イリヤ「よいしょ……」ゴォォォ 

イリヤ「これは……ここに置いておけばいいかな?」 

イリヤ「……」ゴォォォ 

ガガガガガガ!! 

イリヤ「な、なに!?」 

イリヤ「ちょっと!!なによ!!どうしちゃったの!?」 

イリヤ「……?」 

イリヤ「もしもし?」 

イリヤ「……」 

イリヤ「……」カチッ 

ゴォォォォ 

イリヤ「なんでもないみたいね」 

イリヤ「よし!」ゴォォォ 



175:2012/01/03(火) 01:32:21.00 ID:3lld63CP0

イリヤ「こんなものかな」 

イリヤ「次は……」 

イリヤ「お風呂ね」 

イリヤ「……」テクテク 

イリヤ「……」ガララッ 

イリヤ「どうやればいいのかしら……?」 

イリヤ「……雑巾ね」 

イリヤ「でも雑巾って……これでいいか」 

イリヤ「あとは……拭けばいいわよね」 

イリヤ「……」ゴシゴシ 

イリヤ「……」 

イリヤ「セラはもっと泡まみれになってた気がする……」 

イリヤ「そうだ!」 

イリヤ「昨日の頭髪用のを使えば……」シュッシュッ 

イリヤ「うんうん。泡立つ、泡立つ」 



176:2012/01/03(火) 01:33:17.87 ID:SRloxr6A0

可愛い 



178:2012/01/03(火) 01:36:49.19 ID:3lld63CP0

イリヤ「ふぅ……」 

イリヤ「次はこの雑巾を洗わないと」 

イリヤ「確か士郎は……」 

イリヤ「この箱の中に入れていた気がする……」 

イリヤ「……」ポイッ 

イリヤ「……」 

イリヤ「……あれ?動かない」 

イリヤ「なによ。なんで動かないの?!」バンバン 

イリヤ「むー……」 

イリヤ「何か起動させるためのものがいるのかしら?」 

イリヤ「そうか……きっと量が足りないんだ。士郎はいつももっと多くの衣類をこの中にいれてたもんね」 

イリヤ「じゃあ……」 

イリヤ「私の服をいれよう」 

イリヤ「タンスにいっぱい入ってるし、いけるはず」タタタッ 


180:2012/01/03(火) 01:39:56.69 ID:3lld63CP0

イリヤ「よいしょ……よいしょ……」ポイッ 

イリヤ「……」 

イリヤ「あれ?」 

イリヤ「そんな……まだ足りないっていうの……?」 

セイバー「何をしているのですか?」 

イリヤ「セイバー、これが動かないの」 

セイバー「洗濯機ですか?ここを押せばいいのです」 

イリヤ「そうなの?」 

セイバー「はい。衣類を洗うのですか?」 

イリヤ「うん!」 

セイバー「わかりました。では―――」 

イリヤ「あ、私が押すからいい」ポチッ 

ウィィィィィン!! 

イリヤ「うごきだした!」 

セイバー「洗剤はいれましたか?」 



182:2012/01/03(火) 01:43:31.46 ID:3lld63CP0

イリヤ「これ?」 

セイバー「それは体を洗うようのものです。洗濯用のはこっちです」 

イリヤ「そうなの?」 

セイバー「はい」 

イリヤ「変な粉ね」 

セイバー「それを入れるのです」 

イリヤ「どれくらい?」 

セイバー「シロウはいつも二杯ぐらいいれてますね」 

イリヤ「じゃあ、二杯でいいや」 

セイバー「……」 

ウォンウォンウォン 

イリヤ「回ってる回ってる。これでいいのね」 

セイバー「しばらくすれば止まりますので、そのときもう一度洗剤をいれるのです」 

イリヤ「そうなの?」 

セイバー「ええ。シロウはいつもそうしていますね。どうしてかは知りませんが」 


183:2012/01/03(火) 01:45:26.11 ID:HNYSsC3mO

セイバーはそこまでみてるなら普段から手伝えよwww 



184:2012/01/03(火) 01:47:21.04 ID:3lld63CP0

イリヤ「……」ジーッ 

イリヤ「暇ね……」 

ウィィィン! 

イリヤ「……」 

イリヤ「あ。とまった?」 

イリヤ「よし!」 

イリヤ「……洗剤をもう一回いれるのよね」ポイッ 

イリヤ「……」 

イリヤ「士郎っていつもこんな風に待ってるんだ」 

イリヤ「すごいなぁ……」 

イリヤ「ううん……だからこそ、私が代わりにしないと」 

イリヤ「……」 

ウォンウォンウォン 

イリヤ「ふわぁぁ……」 



187:2012/01/03(火) 01:51:59.57 ID:3lld63CP0

士郎「―――イリヤ」 

イリヤ「ふぁ?」 

士郎「起きたか」 

イリヤ「あれ?士郎……どうかしたの?」 

士郎「もう四時だぞ?」 

イリヤ「そうなの?」 

士郎「セイバーがここまで運んできたって。なんか洗濯機の前で寝てたらしいな」 

イリヤ「あ!洗濯物!!」 

士郎「イリヤ、それなんだけど」 

イリヤ「なに?」 

士郎「正直、洗濯した服はもう着れない」 

イリヤ「なんで?」 

士郎「あのな。どんな服でも洗濯機なら洗えるってわけじゃないんだ」 

イリヤ「……?」 

士郎「生地が縮むこともあるし、最悪穴があくことだってある。あと……色落ちも酷かった」 



189:2012/01/03(火) 01:58:44.92 ID:3lld63CP0

イリヤ「……どういうこと?」 

士郎「洗濯するものっていうのはちゃんと考えないといけないんだ」 

イリヤ「そうなんだ……」 

士郎「あと―――」 

イリヤ「え?」 

士郎「掃除機で何か固いものとか吸わなかったか?」 

イリヤ「えっと……あ、うん」 

士郎「中で詰まってて、取り出すのが大変だった」 

イリヤ「私ね、士郎のためにがんばったの」 

士郎「……」 

イリヤ「これからは洗濯とか掃除とかちゃんとできるよ」 

士郎「イリヤ、風呂掃除もしてくれたんだよな?」 

イリヤ「ピカピカだったでしょ?」 

士郎「……ぬめりとかとれてなかったし、シャンプーでこするのは意味ないから。シャンプーが空になるほどがんばってくれたみたいだけど」 

イリヤ「……もしかして、私は今、士郎に怒られてるの?」 


191:2012/01/03(火) 02:04:02.96 ID:3lld63CP0

士郎「いや、今度から注意してくれればいい」 

イリヤ「うん」 

士郎「じゃあ―――」 

桜「先輩」 

凛「……」 

士郎「なんだ?」 

イリヤ「なによ?」 

凛「イリヤは何もしないでくれる?」 

イリヤ「え……?」 

士郎「遠坂!!」 

凛「士郎は今、かなりソフトに言ったけど、掃除機はほぼ潰れかけだったし、洗濯機も中がめちゃめちゃ。貴女の服のせいでね」 

士郎「そんなことないだろ。あれぐらい―――」 

桜「……」 

凛「……」 

イリヤ「なによ……なによぉ!!文句があるならいいなさいよ!!」 



192:2012/01/03(火) 02:06:12.10 ID:G8doVBWi0

修羅場ってまいりました 



193:2012/01/03(火) 02:06:43.31 ID:EY7tZ0f40

これだから小姑は・・・頑張ってる姿を認めてやれよ 



196:2012/01/03(火) 02:07:37.45 ID:3lld63CP0

凛「じゃあ、言わせてもらうけど。貴女が何かすると士郎の仕事が無駄に増えるだけよ」 

イリヤ「……!?」 

士郎「遠坂、やめろ」 

凛「これなら何もせずに黙っているセイバーのほうがマシね」 

イリヤ「……」 

士郎「遠坂、いい加減にしろ」 

凛「士郎に認められようと必死になるのはわかるけど、ありがた迷惑よ」 

士郎「……」 

イリヤ「士郎……?」 

士郎「なんだ?」 

イリヤ「そうなの?」 

士郎「え……?」 

イリヤ「私はなにもしないほうがいいの……?」 

士郎「それは……」 

イリヤ「……ごめんなさい」 



200:2012/01/03(火) 02:11:51.50 ID:3lld63CP0

居間 

セイバー「……」 

イリヤ「……」 

セイバー「どうしました?」 

イリヤ「別に」 

セイバー「そうですか」 

イリヤ「ねえ?」 

セイバー「はい?」 

イリヤ「セイバーはその……何もできないからなにもしないの?」 

セイバー「いえ。そういうわけではありませんが。シロウは家事が好きですから、任せているだけです」 

イリヤ「そうなんだ。でも、それって嫌われないの?」 

セイバー「無論、家事をしないかわりに私はこの家の警護をしていますので」 

イリヤ「……」 

セイバー「仕事がないわけではない。仕事とは自分から作るものだと思いますので」 

イリヤ「そっか……」 


201:2012/01/03(火) 02:12:38.60 ID:4bDD73ro0

さすが自宅警備員さん 


205:2012/01/03(火) 02:16:43.60 ID:3lld63CP0

縁側 

イリヤ(自分ができることを仕事にする……) 

イリヤ(私は士郎のためになにができるのかな……?) 

イリヤ「……考えるまでもないか」 

イリヤ「何もできないなぁ」 

イリヤ「桜もセイバーもいるし……凛もいるし……」 

イリヤ「ここでは私にできることなんてなにもなかった……」 

イリヤ「はぁ……」 

士郎「イリヤ、ごはんができたぞ」 

イリヤ「……ねえ、士郎?」 

士郎「ん?」 

イリヤ「私のこと……好き?」 

士郎「何回同じこと言わせるんだ?」 

イリヤ「……でも、このままじゃ、私のこと嫌いになるんでしょ?」 

士郎「なんでさ?」 



208:2012/01/03(火) 02:21:17.95 ID:3lld63CP0

イリヤ「だって……」 

士郎「なんだ、遠坂に言われたこと気にしてるのか?」 

イリヤ「……」 

士郎「いいんだよ。イリヤはなにもしなくて」 

イリヤ「……」 

士郎「俺がイリヤのことは全部―――」 

イリヤ「違うの!」 

士郎「え?」 

イリヤ「私は……士郎のためになにかしてあげたいの!」 

士郎「イリヤ……」 

イリヤ「だって……やっと士郎が私を選んでくれたのに……何もできないなんて……」 

士郎「いや、だってイリヤはずっとセラとリズにお世話されてきたんだから、仕方ないじゃないか」 

イリヤ「なによ!!士郎のわからずや!!」 

士郎「あ、イリヤ!!」 



214:2012/01/03(火) 02:24:50.13 ID:3lld63CP0

イリヤの部屋 

イリヤ「士郎のバカ……」 

イリヤ「それが苦痛になるってなんでわからないのよ……」 

イリヤ「……」 

イリヤ「……」ゴソゴソ 

イリヤ「何がお守りよ……効き目なんてないじゃない!!」 

イリヤ「こんなもの―――」 

トントン 

イリヤ「……だれ?」 

セイバー「私です」 

イリヤ「なに?」 

セイバー「食事はどうされますか?」 

イリヤ「いらないわ」 

セイバー「では、私が貴女の分を食べても?」 

イリヤ「いいわよ。好きにして」 


218:2012/01/03(火) 02:30:18.35 ID:VXtugwFs0

セイバーwwww 
励ましに来たのかと思えばwwww 



220:2012/01/03(火) 02:31:49.38 ID:3lld63CP0

セイバー「イリヤ、それがシロウを悲しませることになるとわかっていますか?」 

イリヤ「え?」 

セイバー「貴女のために作った料理が冷めしまうとシロウはとても悲しそうな目をします」 

イリヤ「……」 

セイバー「夫婦とはそういうことを分かり合えないと務まらない。私はそう思います」 

イリヤ「……」 

セイバー「シロウに悪気はありません。ただ、貴女に優しすぎるだけです。今までのこと、切嗣のことがそうさせているのかもしれません」 

イリヤ「セイバー……」 

セイバー「貴女がどれだけ真剣のなのかは今日一日でわかりました。そもそもシロウが選んだことです。間違いなんてあるはずがないのですが」 

イリヤ「じゃあ……どうしたらいいの?」 

セイバー「シロウは貴女を素直に受け入れてくれます。なんでも言いましょう。貴女がしたいこと、求めることを」 

イリヤ「嫌われない?」 

セイバー「その程度で嫌悪するというのなら、私がシロウを斬ります」 

イリヤ「……」 

セイバー「では、お待ちしています。冷める前に居間へ来てください」 



222:2012/01/03(火) 02:32:54.57 ID:QgqJx5tH0

セイバーさん格好良い! 
俺だけはセイバーさんのこと信じてたよ 


226:2012/01/03(火) 02:36:29.32 ID:3lld63CP0

居間 

大河「あれ?イリヤちゃんは?」 

士郎「セイバー?」 

セイバー「彼女次第でしょう」 

凛「……」 

桜「姉さんが強く言い過ぎたんじゃ?」 

凛「なによ。あれぐらい言わないとイリヤはわかんないでしょ」 

士郎「……」 

大河「なに?イリヤちゃんと喧嘩でもしたの?」 

士郎「いや。俺が怒らせた」 

大河「あのイリヤちゃんを?もうだめじゃないの。あの子、見かけによらず繊細なんだから」 

凛「そう?」 

大河「私が言うんだから間違いはな―――」 

イリヤ「士郎?」 

士郎「イリヤ……」 



230:2012/01/03(火) 02:40:52.12 ID:3lld63CP0

イリヤ「あの……」 

士郎「ん?」 

セイバー「……」 

大河「なになに?何の話?」 

セイバー「シロウ、イリヤは話があるようですから別室に移動しては?」 

士郎「そうなのか?」 

イリヤ「う、うん……」 

士郎「じゃあ、行こうか」 

セイバー「……」 

凛(あのセイバーが空気を読んだ……) 

桜(セイバーさんが空気を読んだ……) 

大河「話ってなにー?!私もきくー!!」 

凛「はいはい。私たちはご飯を頂きましょう」 

桜「ですね」 

大河「なによー!!!わたしだけのけものかぁ!!」 



232:2012/01/03(火) 02:42:03.96 ID:W3CcqfbE0

セイバーいい子やった 



236:2012/01/03(火) 02:45:08.98 ID:3lld63CP0

士郎「それで話って?」 

イリヤ「あのね……お城に帰る」 

士郎「え?」 

イリヤ「ごめんね、士郎。でもこれ以上、迷惑はかけられないから」 

士郎「なんでさ!!俺は―――」 

イリヤ「私が嫌なの」 

士郎「……」 

イリヤ「凛や桜に何を言われてもいいけど……士郎に優しくされるのが辛いから」 

士郎「イリヤ……」 

イリヤ「だから、お城に戻るね」 

士郎「それはどんなに止めても無駄なのか?」 

イリヤ「うん。止めるならここにバーサーカー呼ぶ」 

士郎「……わかった。荷物をまとめるの手伝おうか?」 

イリヤ「いいわ。それぐらい一人でできるから」 

士郎「そうか」 



239:2012/01/03(火) 02:48:45.28 ID:3lld63CP0

翌日 アインツベルン城 

セラ「お帰りなさいませ」 

リズ「おかえり、イリヤ。シロウとラブラブした?」 

イリヤ「ううん、してない」 

バーサーカー「……」 

イリヤ「バーサーカー、ごめんね?」 

バーサーカー「……」フルフル 

セラ「お疲れになったでしょう。今、お部屋に―――」 

イリヤ「セラ」 

セラ「はい」 

イリヤ「私に家事を教えなさい」 

セラ「は?」 

イリヤ「これはお願いじゃないわ。命令よ」 

セラ「ですが、そのようなことをお嬢様に―――」 

イリヤ「いいから」 



240:2012/01/03(火) 02:52:19.89 ID:3lld63CP0

翌日 

セラ「で、では……あの……掃除から」 

イリヤ「うん」 

リズ「……」 

バーサーカー「……」 

セラ「掃除と一言にいいましても、場所によって方法を変えなければなりません」 

リズ「……」メモメモ 

バーサーカー「……」メモメモ 

セラ「こういった大理石を―――」 

イリヤ「そんなのどうでもいいわ。和室を掃除する場合はどうするの?」 

セラ「わ、和室ですか?」 

リズ「知りたい」 

バーサーカー「……」コクコク 

セラ「どうして……」 

イリヤ「早く教えなさい」 




246:2012/01/03(火) 02:55:02.74 ID:3lld63CP0

翌日 

セラ「洗濯ですが―――」 

リズ「イリヤ、色物は別で洗うって知ってた?」 

イリヤ「当然でしょ。それぐらい常識よ」 

バーサーカー「……」パチパチ 

イリヤ「ふふん」 

セラ「すばらしい。もう教えることはなにもありません」 

イリヤ「手洗いにしたほうがいい服の種類とかあるんでしょ?教えて」 

セラ「な……」 

リズ「知りたい」 

バーサーカー「……」コクコク 

セラ「わ、わかりました。教えます。いいですか―――」 

イリヤ「ふんふん」 



251:2012/01/03(火) 03:00:02.84 ID:3lld63CP0

翌日 

セラ「えー……今日は料理をするのですが……」 

イリヤ「よし!!」 

リズ「イリヤのエプロンかわいい」 

イリヤ「でしょ?」 

バーサーカー「……」モエモエ 

セラ「お嬢様はあぶないので、刃物などは手にしないようにして―――」 

イリヤ「包丁を持たないと食材が切れないでしょ!!」 

リズ「セラ、バカなの?」 

セラ「なんですと!??」 

バーサーカー「……」ハァ 

セラ「あ、あああ、貴方にまで哀れみを目を向けられるとおもいませんでしたぁ!!」 

イリヤ「ほら。銀杏切りとかなんかいっぱいあるんでしょ?」 

リズ「粉みじん切り得意」 

セラ「わかりました!!わかりました!!教えます!!怪我だけには注意してください!!」 


259:2012/01/03(火) 03:06:20.64 ID:3lld63CP0

数日後 

イリヤ「んしょ……んしょ……」ゴシゴシ 

セラ「お嬢様!!!」 

イリヤ「なに?」 

セラ「なんて格好でなんてことをしているのですかぁ!!」 

イリヤ「いや、バーサーカーがどうせならメイド服で掃除してみたらって。気合が入るって」 

セラ「あぁぁぁ……なんてこと……」フラッ 

リズ「イリヤ」 

イリヤ「なに?」 

リズ「グッジョブ。窓も床もピカピカ」 

イリヤ「ふふ。コツがつかめてきたの」 

バーサーカー「……」パチパチ 

イリヤ「さてと、次はトイレ掃除ね」 

セラ「いけません!!!それだけはぁ!!!」 

リズ「セラ、過保護。めっ」 



264:2012/01/03(火) 03:10:41.38 ID:3lld63CP0

翌日 中庭 

イリヤ「バーサーカー!!足場をもってきてー!!」 

バーサーカー「……」トテトテ 

イリヤ「ありがと」 

バーサーカー「……」コク 

イリヤ「よいしょ……っと」 

バーサーカー「……」オロオロ 

イリヤ「大丈夫。洗濯物ぐらい干せるんだから。それより、私のこの下着、嗅いでみて」 

バーサーカー「……」クンクン 

イリヤ「いい匂いするでしょ?柔軟剤ってやつをいれてみたの」 

バーサーカー「……」クンクン 

イリヤ「はい、もうだめ」 

バーサーカー「……」シュン 

イリヤ「これが終わったらご飯の準備しないとね」 

バーサーカー「オォォォォォォォォ!!!!」 



270:2012/01/03(火) 03:15:56.45 ID:3lld63CP0

厨房 

イリヤ「……」トントン 

セラ「あぁ……」 

イリヤ「……」ザンッ 

セラ「ひぃぃ!!」 

リズ「セラ、やかましい」 

セラ「お嬢様が……お嬢様がぁ……」 

リズ「大丈夫。イリヤ、器用だから。指なんて切らない」 

セラ「もしものことがあってからじゃ遅いのです!!」 

リズ「セラ、うざい」 

セラ「なんですってぇ!!!!」 

イリヤ「あとは……」 

イリヤ「これをフライパンで……」 

セラ「火傷に気をつけてください!!」 

リズ「イリヤ、ふぁいとー」 



274:2012/01/03(火) 03:19:49.27 ID:3lld63CP0

イリヤ「……」ドキドキ 

セラ「……」モグモグ 

バーサーカー「……」モグモグ 

リズ「これは……」 

セラ「とっても美味です!!」 

リズ「中まで火が通ってない。一言でいうと美味しくない」 

バーサーカー「……」コクコク 

セラ「リーゼリット!!なんてことを!!!」 

イリヤ「そっか。どこが悪かったのかしら?」 

セラ「え……」 

イリヤ「教えて」 

セラ「あの……」 

イリヤ「いいから。むしろ酷評してくれないと上達なんてしないでしょ?」 

リズ「イリヤ、えらい。可愛い」 

セラ「……熱する時間が足りないのは勿論ですが、その前の下ごしらえから―――」 



271:2012/01/03(火) 03:16:36.29 ID:Uv9qhBmc0

セラおかあさんかわいい 



275:2012/01/03(火) 03:22:45.17 ID:3lld63CP0

数週間後 衛宮邸 

セイバー「……」 

ピンポーン 

セイバー「……む?」 

セイバー「誰でしょうか……?」スタスタ 

セイバー「はい?」 

イリヤ「あけて」 

セイバー「イリヤ?」 

ガララッ 

イリヤ「……」 

セイバー「シロウはまだ学校ですが」 

イリヤ「知ってる。セイバー、キッチンを借りるわよ」 

セイバー「え?イリヤ?」 

イリヤ「……」スタスタ 

セイバー「……?」 



279:2012/01/03(火) 03:25:25.27 ID:3lld63CP0

居間 

イリヤ「こんなものね」 

セイバー「なにをしていたのですか?」 

イリヤ「下拵えよ」 

セイバー「はぁ……」 

イリヤ「次は掃除ね」 

セイバー「……」 

イリヤ「私の城に比べたら士郎の家なんて豆粒を磨くぐらいの労力だわ」 

セイバー「あの……」 

イリヤ「さぁー!!やるわよー!!」 

セイバー「がんばってください」 

イリヤ「……えっと。掃除用具は?」 

セイバー「そこを出て右にいってください。突き当たりにあります」 

イリヤ「ありがと」 



284:2012/01/03(火) 03:28:26.10 ID:3lld63CP0

イリヤ「―――そろそろ洗濯物を取り込まないとね」 

イリヤ「ふんふーん」 

イリヤ「よし」 

イリヤ「えーと……セイバー!!」 

セイバー「はい?」 

イリヤ「アイロンは?」 

セイバー「アイロンですか……たしか……」ゴソゴソ 

イリヤ「あ、とりあえず出しておいて。その間にお米洗って仕掛けとくから」 

セイバー「わ、わかりました」 

イリヤ「いそげ……いそげ」パタパタ 

セイバー「見違えましたね……何があったのでしょうか?」 

セイバー「さてと……アイロンは……」 

セイバー「これですね」 



286:2012/01/03(火) 03:31:42.87 ID:3lld63CP0

キッチン 

イリヤ「よいしょ……よいしょ……」 

セイバー「アイロン、出しておきました」 

イリヤ「ありがとう。ちょっときて」 

セイバー「なんでしょうか?」 

イリヤ「これ、味見して」 

セイバー「はい……」 

イリヤ「どう?」 

セイバー「大変、美味です。シロウやリン、サクラとはまた違う味付けですね」 

イリヤ「よかったぁ」 

セイバー「……あの」 

イリヤ「これでご飯もよし!アイロンがけしなきゃ!!」パタパタ 

セイバー「……」 



289:2012/01/03(火) 03:34:35.45 ID:3lld63CP0

イリヤ「ふんふーん」 

セイバー「あの」 

イリヤ「なに?」 

セイバー「一体……なにがあったのですか?」 

イリヤ「……士郎のためにがんばったの」 

セイバー「え……」 

イリヤ「ただそれだけよ」 

セイバー「そうですか」 

イリヤ「士郎のためなら……なんでもできるって思える。不思議ね」 

セイバー「そうですね」 

イリヤ「セイバー、畳んでいってくれる?」 

セイバー「承知しました」 

イリヤ「丁寧にね」 

セイバー「はい」 

イリヤ「って、そうじゃない!!これはこう畳むの!!」 



290:2012/01/03(火) 03:35:07.77 ID:G9AG389M0

愛だな 



288:2012/01/03(火) 03:33:19.09 ID:Uv9qhBmc0

セイバーの立場がどんどん隅っこに追いやられるな… 


294:2012/01/03(火) 03:38:34.06 ID:3lld63CP0

夕方 

士郎「ただいま、セイ―――」 

イリヤ「……」 

士郎「イリヤ……」 

イリヤ「……っ」 

士郎「イリヤ、いつ来たんだ?」 

イリヤ「―――士郎!!!会いたかった!!!」 

士郎「うわっ!イリヤ、急に抱きつくな。あぶないだろ!!」 

イリヤ「しろう!しろう!!しろー!!!」 

士郎「イリヤ……どうしてなんの連絡もくれなかったんだ?」 

イリヤ「だって……途中で士郎の声きいちゃうと……挫折するかもって……」 

士郎「何してたんだ?」 

イリヤ「それは……とにかくこっち!!ご飯の用意、できてるから!!」 

士郎「あ、ああ」 



297:2012/01/03(火) 03:43:51.74 ID:3lld63CP0

士郎「うまい……うまいじゃないか、イリヤ!!すごいな!!」 

イリヤ「でしょ?」 

セイバー「間違いなく、シロウに匹敵する腕前です」 

士郎「この短期間で……」 

イリヤ「料理なんて魔術と一緒よ。すこしコツを掴めばいくらでも応用できるわ」 

士郎(遠坂と同じようなこといってるな) 

セイバー「……イリヤ?」 

イリヤ「なに?」 

セイバー「これからはどうするのですか?」 

イリヤ「それは……」 

士郎「……」 

イリヤ「士郎!!私と結婚して!!」 

士郎「ぶっ!!」 

イリヤ「一度、ふっておいてこんなこというのは反則だってわかってるけど……私は士郎のことを愛してるから!!」 

士郎「……」 



300:2012/01/03(火) 03:47:34.58 ID:3lld63CP0

イリヤ「やっぱり……虫がよすぎる?」 

士郎「いや……俺が一度ふられたことに驚いてる」 

イリヤ「え?」 

士郎「俺はずっとイリヤのこと愛してたから」 

イリヤ「士郎!!」 

士郎「これからはずっと一緒な」 

イリヤ「うん!!絶対に離さないから!!」 

士郎「そうか。それは怖いな」ナデナデ 

セイバー「……」 

セラ「―――では、あの部屋はわたしが」 

リズ「セラ、ずるい。私もシロウの部屋がいい」 

セラ「だ、だれが衛宮士郎と合部屋を求めました!?」 

リズ「愛部屋……セラ、やらしい」 

セラ「ぎぎ……!!」 

士郎「なにやってんだ?」 



308:2012/01/03(火) 03:54:23.44 ID:3lld63CP0

リズ「あ、シロウ。グーテンターク」 

士郎「うん。グーテンターク」 

イリヤ「ごめんね、士郎。二人……じゃなかったセラがどうしてもついてきたいって」 

士郎「なんでさ?」 

セラ「そんなの勿論、お嬢様の求婚を断った場合、打ち首にするためです。惜しくも失敗しましたが」 

士郎「こわ……」 

セラ「あと。私たちもここに住みます」 

士郎「なに?!」 

セイバー「どうしてですか?」 

リズ「セラ、シロウの側室になるってきかない。側室は私だけでいいのに」 

セラ「お黙り!!」 

士郎「でも、イリヤはセラから独り立ちするために料理を勉強したんじゃないのか?」 

セラ「そうです。ですが、メイドとして主君にお仕えできないのは存在意義を失うようなもの。ですので―――」 

セイバー「なんでしょう?」 

リズ「シロウとイリヤの夫婦生活を支援する」 



310:2012/01/03(火) 03:59:49.48 ID:3lld63CP0

士郎「はぁ!?!?」 

イリヤ「やめてよね!!」 

セラ「いいえ。こればっかりはご命令でも背かせていただきます」 

セイバー「つまり、この家で家事手伝いをすると?」 

セラ「ええ。無論、城の清掃も手を抜くつもりはありませんが」 

イリヤ「どうする?」 

士郎「うーん……」 

セイバー「……」 

リズ「お願い。シロウ。傍にいたい」 

セラ「こら!!リーゼリット!!あまりそうやって胸をおしつけないように!!」 

リズ「あ、嫉妬?ジェラシー?」 

セラ「ちがいます!!!淑女としてのあれを説いただけです!!」 

リズ「あれ?あれってなに?」 

士郎「言ってもきかなそうだな……。イリヤはどう思う?」 

イリヤ「私はここに嫁いできたんだもの。旦那の意見に沿うわ」 



312:2012/01/03(火) 04:04:35.82 ID:3lld63CP0

数日後 居間 

イリヤ「こらぁ!!今日はわたしでしょぉ!!」 

セラ「いえ。私です」 

桜「あの!!先輩のお弁当係は私に決まったはずじゃあ!!」 

セラ「だれが決めましたか?」 

凛「朝からうっさいわね……相変わらず……」 

セイバー「おはようございます、リン」 

士郎「ほら、今日はイリヤの当番だろ。二人は下がれ」 

リズ「おはよう、シロウ」 

士郎「おはよ―――って、リズ!!下着姿はだめだ!!」 

セラ「あなた!!ここに来てから緩みっぱなしですよ!!」 

リズ「このほうが楽」 

セラ「そういうことじゃありません!!」 

イリヤ「士郎!!美味しいお弁当つくるからねー!!」 

士郎「うん。期待してる」 



315:2012/01/03(火) 04:08:00.68 ID:3lld63CP0

凛「桜、いくわよ」 

桜「はーい」 

ライダー「いってらっしゃい、桜」 

士郎「じゃ、みんな留守番頼んだ」 

セイバー「はい」 

リズ「任せて。蟻一匹いれない」 

セラ「ふん」 

イリヤ「士郎!!」 

士郎「なんだ?」 

イリヤ「ん……」 

士郎「!?!?」 

イリヤ「―――いってらっしゃい」 

リズ「行ってきますのチュー。私もする。イリヤだけ、ずるい」 

セイバー「くっ……この戦い……負けられない!!」 

士郎「やめろ!!い、いってきます!!」 



317:2012/01/03(火) 04:09:11.86 ID:ste3UGo00

別の戦争が起こってる 



319:2012/01/03(火) 04:11:53.51 ID:3lld63CP0

セラ「あ……」 

リズ「イリヤ、じゃあ掃除する?」 

イリヤ「当たり前でしょ」 

セイバー「……」 

ライダー「あなたもなにかしたらどうですか?」 

セイバー「警備をしています」 

ライダー「はぁ……」 

イリヤ「いいじゃない。セイバーはそのままで」 

セラ「ですね。何かしているほうが驚きます」 

リズ「うん」 

セイバー「ということです、ライダー」 

ライダー「皮肉ですよ?」 

イリヤ「さてと、お掃除しよっと!!」 

セラ「お嬢様はおやすみになっていたほうが!!」 

イリヤ「大丈夫よ!!」 



320:2012/01/03(火) 04:15:21.80 ID:3lld63CP0

夕方 

イリヤ「……そろそろかな」 

セイバー「……イリヤ」 

イリヤ「なに?」 

セイバー「シロウを導いてあげてください」 

イリヤ「うん……任せて。どこまで生きられるかわからないけど、最後まで士郎の傍にいるから」 

セイバー「はい」 

士郎「―――ただいまぁ」 

イリヤ「しろうー!!」ドタドタ 

士郎「イリヤ、ただいま」 

イリヤ「おかえり!―――あ、そうだ。今日はまだ言ってなかったわね」 

士郎「え……?ああ、そうだな。それじゃあ、頼む」 



イリヤ「―――士郎、だーいすき!!」 


END 



321:2012/01/03(火) 04:15:47.22 ID:yPG+Opfj0

乙 

369:2012/01/03(火) 08:43:24.45 ID:TFmZ3Ag/0

乙 
すばらしいものだった 


379:2012/01/03(火) 10:56:51.78 ID:obc+EJec0

良いものを見た