784: 2015/11/27(金) 20:15:37.28 ID:ki1r8bBW0


前回:本田未央「プロデューサーとのごはん」モバP「ファストフード編」
最初から:本田未央「プロデューサーとのごはん」

――レッスン場

未央「――だって、そこに星は輝いているのだから……!」

泰葉「……はい。これで終わりです」

P「……うん」

泰葉「どうですか? Pさん」

P「お前が俺に聞くか? ……でも、そうだな。良かったよ」
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785: 2015/11/27(金) 20:24:59.57 ID:ki1r8bBW0
未央「本当!?」

P「んっ……未央、いつの間に」

未央「えへへ……気になったからさー。でも、良かったよ。プロデューサーにそう言ってもらって」

P「俺に、って……泰葉に比べれば、俺の目なんて何の信用もないぞ?」

未央「それは確かにそうかもしれないけど……でも、嬉しいの」

P「……そうか」

未央「うん! ……あ、やすやす、ありがとね! ずっと付き合ってもらっちゃったから、ちょっと悪いなー、とは思うけど……」

786: 2015/11/27(金) 20:32:48.47 ID:ki1r8bBW0
泰葉「いえ、人に教えることが最良の勉強法と言いますし、実際、私にとっても良い勉強になりましたから。未央ちゃんの方も、飲み込みは早く、意欲的で……とっても良い生徒でしたよ」

未央「生徒ということはやすやすは先生ということかな? 泰葉先生だ」

泰葉「ふふっ、そうですね。先生です。今日は卒業式、ですけどね」

未央「卒業するにはまだ早いような気もするけどね……やすやすに比べたら、私なんてまだまだだし」

泰葉「さすがにこんな短期間で追いつかれるわけにはいきませんよ。と言っても、これからどうなるかはわかりませんが」

未央「おっ? そんなこと言っていいのかな、泰葉先生? 私、やすやすを追い抜いちゃいますよ? 師匠を超えちゃいますよ?」

泰葉「そう簡単にはさせません。私だって、努力を怠るつもりはありませんから」

未央「おお、譲らないね、やすやす。負けず嫌いだ」

泰葉「もちろんです。知りませんでしたか? 私、負けず嫌いなんです」

787: 2015/11/27(金) 20:41:37.95 ID:ki1r8bBW0
P「……おーい」

泰葉「あっ……すみません、Pさん。無視していたわけではないのですが……」

P「いや、べつにいいんだがな。俺としても泰葉と未央が仲良くしているのは嬉しいし……」

未央「ほうほう。女の子同士がいちゃいちゃしているのを眺めるのが好き、と……」

P「そういう意味じゃないが」

泰葉「えっ、Pさん、そういう趣味があったんですか? 私も理解がないわけではありませんが……」

P「違うって言ってるだろ!? 泰葉まで何を言ってるんだよ……お前もずいぶん言うようになったよなぁ」

泰葉「かもしれませんね。Pさんはこんな私は嫌いですか?」

P「いや……お前、それはずるいぞ」

泰葉「そうですね。すみません」

788: 2015/11/27(金) 20:45:24.99 ID:ki1r8bBW0
未央「でも、確かにやすやすは最初の印象からはかなり変わったような気がするなー……思ったよりも親しみやすいというか? テレビで見てた頃は別世界の住人だって思ってたけど……」

P「最初の印象ってその頃かよ……」

未央「いや、今のは冗談として、事務所で最初に見た時ともね? 最初はもうちょっと……何と言うか、もっとピシッとしていたというか? ちょっと近寄りがたかったかも……」

P「未央が『近寄りがたい』って……泰葉、お前、俺には割りと早くから打ち解けてたよな? 俺が居ないところでどういう風にしていたんだよ……」

泰葉「そ、そんな雰囲気を出していたつもりはないですよ? 未央ちゃんが言い過ぎなんです」

789: 2015/11/27(金) 20:47:57.37 ID:ki1r8bBW0
未央「えー? でも、初期のやすやすって『子どもの頃からずっと芸能界で生きてきたんです。だから、華やかなだけの世界じゃないってわかってる……』みたいな感じじゃなかった?」

泰葉「なんでそれ知ってるんですか!?」

P「一応言っておくが、俺は知らんぞ」

未央「ちょっと聞く機会があってねー。他にもあるよ? 『パレードなんて全部造り物……』とか!」

泰葉「そ、それは……! ……もう! 未央ちゃん!」

未央「えへへ、ごめんなさーい」

泰葉「……次に言ったら、私が持っている未央ちゃんの弱みをぜんぶ言いますからね」

未央「ひぃっ! やすやすが言うとなんか本気っぽくてこわいんだけど!? ごめんなさい! もうしませんから許して下さい、泰葉先生!」

泰葉「約束ですよ? もう、未央ちゃんったら……」

790: 2015/11/27(金) 20:49:40.61 ID:ki1r8bBW0
P「……そう言えば、泰葉。お前、未央は『ちゃん』付けで呼ぶんだな。珍しい」

泰葉「珍しいというほどではないと思いますが……いえ、確かに最初は『未央さん』と呼んでいたんですが」

未央「私が『さん』付けはやめてって言ったんだよ。距離を縮めるためというか?」

P「あー……確かに、未央ならそうか。泰葉は大丈夫か? うざいとか思ってないか?」

未央「うざっ……!? ねぇ、プロデューサー。それはさすがにひどくない?」

P「そうか? 当然の扱いだと思うが」

未央「ぐぬぬ……違うよね、やすやす!? 私、うざくなかったよね!?」

泰葉「えっ……は、はい、そうですね。うざくなかった……うざくなかったと思いますが」

未央「えっ、何その言い方……もしかして、うざかった? も、もしそうなら、ごめんね」

791: 2015/11/27(金) 20:50:11.35 ID:ki1r8bBW0
泰葉「……ふふっ。ごめんなさい。冗談です。本当に、うざいなんて思ってはいませんよ。そもそも、Pさんなら未央さんがこの程度の距離感をわかっていないなんてことはないとわかっているでしょうに……意地悪なのはPさんです」

P「乗っかった泰葉も大概だろ」

未央「私からすればどっちもひどいよ……未央ちゃん、本当にショックだったんだからね? もしうざいと思われていたら……って。しくしく」

P「それ絶対思ってないだろ……」

泰葉「思ってないですね……」

未央「え? バレた? むぅ、おかしいなあ。私、演技力向上したと思うんだけど……」

792: 2015/11/27(金) 20:51:03.23 ID:ki1r8bBW0
P「あれが本気の演技だったらレッスンも一からやり直しだな」

泰葉「そうですね。一から前よりも厳しくしなければなりません」

未央「ストップストップストップ! さすがにそれは無理だから!」

P「冗談だ」

泰葉「冗談です」

未央「もう……心臓に悪いんだけど。本当にやめてよね……」

793: 2015/11/27(金) 20:52:03.23 ID:ki1r8bBW0
P「……なあ、泰葉。未央がこの反応って、お前、どれだけ厳しくしたんだよ」

泰葉「? 普通だと思いますが」

未央「えっ」

P「……今の未央の顔、本当に絶望したみたいな表情だったんだが」

泰葉「おかしいですね……私としては、本当に平均的なレッスンしかしていないつもりなんですが……」

未央「あ、あれが、平均……?」

P「……なあ、泰葉。お前、今までに人に教えたことは?」

泰葉「そうですね……演技に関しては、ここまで本格的に教えたのは初めてかもしれません。確かに未央ちゃんは飲み込みも早くて少々熱が入ってしまったとは思いますが……」

P「絶対それだろ……」

泰葉「そうですかね? では、今後は気を付けようと思います」

P「そうしてくれ……」

794: 2015/11/27(金) 20:53:01.98 ID:ki1r8bBW0
未央「……プロデューサー! やすやす!」

P「ん? なんだ、いきなり」

泰葉「なんですか、未央ちゃん」

未央「お腹すいた! ごはん食べに行こ、ごはん!」

P「あー……まあ、そうか。未央も頑張ってたしな。そりゃ、腹も減るか」

泰葉「どこかに行くんですか?」

P「そのつもりだが……ん、そうだな。泰葉が居るなら……うん、決めた。とりあえず、二人は着替えてこい。俺も準備をしてくる」

未央「はーい」

泰葉「わかりました。ありがとうございます」

P「じゃ、また後で、な」

795: 2015/11/27(金) 20:53:55.80 ID:ki1r8bBW0

――

未央「それで、結局どこに行くの?」

P「泰葉の出身地が関係している、って言えばわかるか?」

泰葉「私の……? あ、もしかして」

P「たぶんそこだな。長崎ちゃんぽんの店、とでも言ったらいいのか?」

泰葉「『長崎ちゃんぽん』も店名に含まれていますけどね。実は私もそこまで行ったことはないのですが……」

P「そうなのか? 意外だな。……でも、そうか。そう言えば、長崎の人は『ちゃんぽん』と言えば自分の家で作るもの、なんだったか」

泰葉「そうらしいですね。でも、それとはまた別の理由です」

P「それは……いや、すまん。配慮が足りなかったな」

796: 2015/11/27(金) 20:54:42.83 ID:ki1r8bBW0
泰葉「いえ、気にするほどのことではありませんよ。あまり行ったことがないからこそ、楽しみでもありますし」

P「そうか? なら良かった。で、未央はどうだ?」

未央「えーっと、ですね……実は、私は行ったことなくて……聞いたことはあるんだけどね」

P「ん、そうか。『ちゃんぽん』は食べたことあるか?」

未央「それも、実は……」

P「そうなのか。って、まあ、そうか。関東とかだとあそこくらいしか食べる場所もないだろうからな。長崎だともっと食べるところもあるんだろうが……」

泰葉「と言っても、長崎の人に『長崎でおいしいちゃんぽんの店は』と聞いても今から行くところを挙げる方も多いみたいですからね。真奈美さんや柑奈さんもそう言っていましたから」

797: 2015/11/27(金) 20:55:21.68 ID:ki1r8bBW0
P「そうなのか? 長崎にはもっとうまいところがあるのか、って思ってたんだが……」

泰葉「正確には「あそこがいちばん無難』ということみたいですけどね。他にもおいしい店はありますが、価格や誰の舌にも合うなどといった要素を組み合わせて、ということみたいです。そもそも、先程Pさんが言った通り本来は家庭料理ですからね。あまりオススメの店、というのもないのかもしれません」

P「ああ、そうも考えられるな。大阪に住んでいたからと言って誰でもオススメのたこ焼き屋を答えられるわけではない、みたいなもんか」

泰葉「大阪の事情は知りませんし、長崎の事情もあまり詳しいとは言えませんが、そういうことかもしれませんね」

P「俺も大阪の事情も長崎の事情もよくは知らんがな。前にみくに『オススメのたこ焼き屋は』って聞いても『……実はよく知らないにゃ。ナイショだよ』って言われたから言ってみただけで」

798: 2015/11/27(金) 20:56:07.58 ID:ki1r8bBW0
未央「んん? プロデューサー? 今、ナイショって言われたのにバラしてるよね?」

P「あ。……ナイショだぞ?」

泰葉「わざとじゃなかったんですか……」

P「わざとそんなことをするわけないだろ?」

未央「いや、プロデューサーならやりそうだけど……相手、みくにゃんだし」

P「みくだからってからかってばかりはいないさ。俺は割りとみくに対して愛を持って接していると思うんだが」

未央「その愛、歪んでない? ……でも、さっきの話って、『地元民は意外とその土地の特産物に詳しくない』っていうよくある話だよね。長崎とか大阪だけじゃなくて」

P「お、確かにそうだな。そう考えると当然と言えば当然か」

泰葉「言われてみればその通りですね。……あ、見えてきましたが、あそこ、ですよね?」

P「そうだ。さて、何を頼むかな……」

799: 2015/11/27(金) 21:01:04.74 ID:ki1r8bBW0

――店の中

P「さて、何を頼む?」

泰葉「いきなりですね……うーん、どうしましょうか」

未央「プロデューサーはどうするの? というか、あんまり種類はないけどね」

P「まあな。大きく分けて『ちゃんぽん』か『皿うどん』か、ってところで、あとは野菜たっぷりにするかどうかとか、か……個人的にここの餃子は好きだから頼みたいんだが」

未央「……プロデューサー? やすやすも居るのに、餃子は……」

泰葉「ここの餃子は確かにんにくを使っていないのでにおいに関しては気にする必要がありませんよ。ですよね? Pさん」

P「その通りだ。にんにくは使ってないんだが、うまいんだよな。にんにくのにおいを気にせず食べれてうまいってのは俺よりもお前らの方が嬉しいんじゃないか?」

未央「確かに……うん、嬉しいね」

800: 2015/11/27(金) 21:02:01.95 ID:ki1r8bBW0
泰葉「それじゃあ、餃子は頼むとして……他のメニューはどうしましょうか」

P「それが悩みどころなんだよなぁ……普通のちゃんぽんなら大盛りにできるんだが、野菜たっぷりも良いんだよなぁ。皿うどんも皿うどんでうまいし……」

泰葉「Pさんがどれくらい食べるのか私は知りませんが、確かに食べる方なら大盛りにしたくはありますよね……私としては、普通のものを食べるだけで十分満足なんですが」

未央「ほうほう……正直私はここに来るのが初めてだからよくわからないけど、話の流れで何を頼めばいいのかはわかりましたよ?」

P「本当か? 未央」

未央「本当ですとも。ふっふっふ、教えて欲しければ――」


801: 2015/11/27(金) 21:02:48.48 ID:ki1r8bBW0
泰葉「Pさんが大盛りにして私が皿うどんか野菜たっぷりの皿うどん、そしてここに来るのが初めてである未央ちゃんが普通のちゃんぽんか野菜たっぷりちゃんぽんを頼む、というのがいいのではないでしょうか。私はそこまで食べる方ではありませんし、Pさんにも未央ちゃんにも分けることができると思います」

P「おお、確かにそうだな。それだとうまくいく。ありがとう、泰葉」

泰葉「どういたしまして」

P「それで、未央。未央は普通のちゃんぽんか野菜たっぷりちゃんぽんのどっちにするんだ?」

未央「……未央ちゃんが言いたかったのに」

P「お前が面倒なことをするからだ。で、どうする?」

802: 2015/11/27(金) 21:03:47.82 ID:ki1r8bBW0
未央「むぅ……野菜たっぷりっていうのは、そのまま野菜たっぷりってことだよね? つまり、ここは野菜が有名なの?」

P「野菜がおいしいことで有名ではあるな。あー……もし野菜たっぷりにして食べ切れなくなっても俺が食べるから、野菜たっぷりの方にしておくか?」

未央「んー……そだね。じゃあ、それで」

P「よし。で、泰葉はどうする? どっちにする?」

泰葉「そうですね……未央ちゃんがそっちを選ぶなら、私は普通の皿うどんを」

P「わかった。じゃ、決まりだな。あと、みんな餃子も付ける、でいいか?」

未央「うん。私はいいよ」

泰葉「私もです」

P「よし。じゃ、注文して待つとするか」

803: 2015/11/27(金) 21:04:45.86 ID:ki1r8bBW0

――

P「で、来たわけだが……うん、久しぶりに見るとやっぱりうまそうだな」

未央「……ねぇ、プロデューサー」

P「ん? なんだ? 未央」

未央「……これ、野菜、思ったより多いんだけど……」

P「うまいから問題ない。余ったら俺も食べるしな」

泰葉「そこは『おいしいから大丈夫だよ~』じゃないんですか?」

P「泰葉……お前、そんなこと言うキャラだったか?」

泰葉「未央ちゃんに毒されましたね」

804: 2015/11/27(金) 21:05:15.55 ID:ki1r8bBW0
未央「ちょっとやすやす? どうして勝手に私のせいにしているのかな?」

泰葉「実際、これに関しては未央ちゃんの影響もあるかと思いますが……未央ちゃん、たまに言っていたじゃないですか」

未央「う……ま、まあ、言ってたけど」

泰葉「なので、未央ちゃんのせいです。責任取って下さいね」

未央「せ、責任って……そ、それはつまり、私と結婚したい、ってこと……?」

泰葉「そういう意味ではありませんが……確かに未央ちゃんと結婚したら楽しそう……一考の価値はありますね」

805: 2015/11/27(金) 21:06:05.48 ID:ki1r8bBW0
P「……お前ら、茶番もそこそこにして、食べろよ。冷めるし、伸びるぞ」

未央「はーい。じゃ、いただきまーす」

泰葉「はい。いただきます」

P「……いただきます」

未央(さてさて……って、いや、でもやっぱり野菜の量がめちゃくちゃ多いよね)

未央(うーん、これ、どこから手を付ければいいのか……とりあえず、混ぜとく?)

未央(まぜまぜ……っと、そうしたら、とりあえず野菜を……)パクッ

806: 2015/11/27(金) 21:06:59.47 ID:ki1r8bBW0
未央「……えっ」

未央(おいしい……思った以上に、おいしい。ここ、チェーン店だったよね? それなのに野菜がこんなにおいしいって……そんなおいしい野菜がこんなに? ちょっと、思った以上にすごいかも)

未央(このスープは……なんか、スープと麺を見ていると、ちょっとラーメンっぽいなー。似た感じなのかな? 見た感じ……豚骨味のスープ? まあとにかく、一口……)ズズ……

未央「ん」

未央(豚骨。たぶん豚骨味だ。でも、それだけじゃないような気もする。ラーメンとかの豚骨味とは違う……なんて言ったらいいんだろ。とにかく、違う。違うんだけど、おいしいな。なんだかやわらかくて、優しい味、って感じ?)


807: 2015/11/27(金) 21:07:53.31 ID:ki1r8bBW0
未央(今のところはとっても良い感じ。それじゃあ、麺は……っと)ズズ……

未央「……うん!」

未央(おいしい! ラーメンとはまた違う感じで、これが『ちゃんぽん』かぁ……うん、うん! おいしい! これはなかなかにポイント高いかも!)

未央(野菜以外の具材もあって……うん、これもおいしい。でも、長崎県では家庭料理、っていうのもちょっとわかるかも。この優しい感じの味は、なんだか家庭料理っぽい。でも、おいしい)

未央(野菜たっぷりにしているからかな。野菜の味もスープに溶け出しているみたいに感じる。このスープが良いんだよね。何と言うか、安心する味といいますか? ほっとするといいますか? 心も体も温まる、って言う感じ?)

未央(うーん……これは良いですなあ。思った以上に野菜がおいしいし……この量でも食べ切れるかも?)

808: 2015/11/27(金) 21:09:02.02 ID:ki1r8bBW0
P「口には合ったか? 未央」

未央「うん。思ったよりもおいしいよ。最初この野菜の量を見た時にはびっくりしたけど……これだけおいしいなら、食べられるかもね」

P「余りそうだったら遠慮なく言えよ? 俺が食べるからな」

未央「うん。それは、言うよ。ありがとね」

泰葉「未央ちゃん、未央ちゃん」

未央「ん? なにかな、やすやす」

泰葉「この皿うどん、一口、どうですか? できれば私もちゃんぽんを一口いただきたいんですが……」

未央「いいの? じゃあ、お言葉に甘えよっかな―。交換しよっか」

泰葉「はい」

未央「あ、やすやす。野菜なら遠慮なく食べてね? いっぱいあるから、さ」

泰葉「そうですか? わかりました。ありがとうございます」

未央「どういたしまして」


809: 2015/11/27(金) 21:09:30.93 ID:ki1r8bBW0
未央(それで、こっちが皿うどん……うん、揚げられた麺の上でちょっととろっとしたあんに具材が……って、この具材ってちゃんぽんのと同じ? 実はちゃんぽんと何か関係あるのかな……)

未央(ちょっと触ってみると……おお、パリパリしてそう。あんでちょっとしっとりはしてるけど、それでもパリパリしてそうだなー。これはなんだかおいしそうかも!)

未央(ということで、一口、いただきます……っと)パクッ

未央「……おお!」

未央(これはおいしい! ちゃんぽんとはかなり違うね。こっちの方が濃いというか、直接的というか? じんわりとかじゃなくて、ダイレクトに味を感じるといいますか。このとろっとしたあんがそうさせているのかな。この濃くて、甘い感じの味……好きだなー、これ)

未央(パリパリした麺もいいね。ちゃんぽんよりも細くてパリパリとして、でもちょっとしっとりとしていて……正直、この麺だけでもいい感じ! でも、具材も一緒に食べてもおいしいっていう? ……まあ、それはちゃんぽんでも一緒か)

未央(でも、これは思った以上のお店ですなぁ……ちゃんぽんも皿うどんもおいしいし、でも味は全然違っていて……うん! これはかなりの高得点だね!)

810: 2015/11/27(金) 21:12:28.33 ID:ki1r8bBW0
未央(ふんふむ……これでまだ食べてないのは餃子だけ、っと。どうなんだろ、この餃子。まあ今までどっちもおいしかったんだから、これもおいしいような気がするけど……いざ)パクッ

未央「……ん!」

未央(やっぱりね! おいしい……これはおいしいですよ!)

未央(ちょっと小ぶりで、一口サイズ? でも……うん、これ、いいね。パリパリなところとちょっとふにゃふにゃしてるところがある? 具はしっかりは詰まってないけど……でも、うん、いいね)

未央(タレを多めに付けて、それで、食べる……んー! おいしい! しかも、これでにんにく使ってないんだよね。これは良いね! まさかこんなお店でこんなおいしい餃子が食べられるとは思っていませんでしたよ!)

未央(うん、未央ちゃん、大満足! って、まだまだ残っているんだけど、それがちょっと楽しみなくらいは満足だなー)

未央(さて、食べるぞー!)

811: 2015/11/27(金) 21:14:02.97 ID:ki1r8bBW0

――店の外

未央「……さすがに、ちょっと多かったね」

P「キツかったんだったら言えよ……俺が食べる、って言ってただろ」

未央「いや、だって、おいしかったから……うー、野菜をいっぱい食べてなんだか健康的な気分だけど、お腹がいっぱいで不健康な気分……」

泰葉「見事に相頃してますね……」

812: 2015/11/27(金) 21:16:06.07 ID:ki1r8bBW0
未央「うー……でも、おいしかったからいいもん! お腹いっぱいってことは満腹ってことですし! 満腹ってことはすなわち満足ってこと。満足ってことはつまり幸せってことだもん!」

P「どういう論法だよ……でも、そうだな、そこまでキツいなら――」

泰葉「? どうかしましたか? Pさん」

P「いや、何でもない……そうか、泰葉が居るんだよな……」

泰葉「聞こえてますよ? Pさん」

P「んっ!? い、いや、泰葉、勘違いするなよ? べつに泰葉の存在を忘れていたとか、そういうことじゃなくてだな……」

813: 2015/11/27(金) 21:16:39.14 ID:ki1r8bBW0
泰葉「わかってますよ。Pさんがそんな人じゃないってことはわかってますから。でも、それならさっきの反応は……あ、Pさん」

P「な、なんだ?」

泰葉「未央ちゃんと二人きりでしかやらないこと、ありますか?」

P「なっ……い、いきなり何を言うんだ、泰葉」

泰葉「Pさん、やっぱり嘘は下手ですね。……でも、この状況で、二人きりでしかやらないこと……そういうことですか」

P「……何が『そういうこと』なんだ?」

泰葉「いえ、前に大阪に行った時のことを思い出しただけですよ。私はその現場を見たわけじゃありませんが、話には聞きましたので。あの時と同じことをしようとしていたんでしょう?」

814: 2015/11/27(金) 21:17:13.75 ID:ki1r8bBW0
P「……お前は探偵か」

泰葉「アイドルです。あなたがプロデュースした、アイドルです。そんなことも忘れたんですか?」

P「いや……忘れるわけないだろ。お前は俺の大切なアイドルだよ、泰葉」

泰葉「ふふっ、ありがとうございます、Pさん。……でも、そう思っているのなら、私のことも信頼して下さい。大丈夫です、少し妬けちゃいますけど、自分のアイドルが困っているところを放っておくような人は、私のプロデューサーではありませんから」

P「……そうか。そう言ってくれるなら、ありがたいよ」

泰葉「どういたしまして」

815: 2015/11/27(金) 21:17:44.77 ID:ki1r8bBW0
未央「……ねぇ、二人ともー? 未央ちゃんを放って何を喋っているのかなー? 未央ちゃん、ちょっと悲しくなってきたんだけど……」

P「いや、なんでもないよ。な、泰葉」

泰葉「なんでもはありますけど、未央ちゃんは知らなくてもいいことですよ」

未央「そんなこと言われたら気になるんだけど! どういうこと? 何を話してたの?」

P「だから、未央が知らなくてもいいことだ。……なあ、未央。お前、腹がいっぱいで苦しいんだよな」

未央「え? ……いや、苦しいってほどじゃないけどね。お腹はいっぱいだけど……」

P「あー……それでも、まあ、あのレッスンの後だからな。その、なんだ……背負ってやるから、乗れ」

816: 2015/11/27(金) 21:18:11.35 ID:ki1r8bBW0
未央「……」

P「……は、早く乗れよ。この体勢でいるの、恥ずかしいんだか――」

未央「プロデューサー」ギュッ

P「んぅ!?」

未央「えへへ……ありがとね、プロデューサー。そういう優しいところ、好きだよ」

P「……その、未央? ちょっと、勢い、良すぎ……」

未央「……痛かった?」

P「……割りと」

未央「……ごめんなさい」

817: 2015/11/27(金) 21:18:46.58 ID:ki1r8bBW0
P「いや、まあ、いいんだが……未央の方こそ、大丈夫だったか?」

未央「え? まあ、私は大丈夫だったけど……」

P「それならいい。……じゃあ、帰るか」

未央「うん」

818: 2015/11/27(金) 21:19:45.43 ID:ki1r8bBW0
泰葉「……お二人さん、私を忘れていませんか?」

P「……忘れてないぞ」

未央「忘れてないよっ」

泰葉「そうですか。なんだか……いえ、言わないでおきます」

P「ん、なんだ? 気になるだろ」

未央「そうそう。気になるから言ってよー」

泰葉「たぶん、私が言うべきことではないので……そうですね、もし知りたいのなら、私を捕まえてみて下さい。では、よーい、どん」タッタッタッ……

819: 2015/11/27(金) 21:20:28.47 ID:ki1r8bBW0
P「はぁ!? おい、俺は未央を背負ってるんだぞ?」

未央「プロデューサー! 早く早く! やすやす、逃げちゃうよ!」

P「未央、お前、乗せてもらっておいて……!」

未央「いいから! プロデューサー!」

P「ああ、もう! わかったよ! 追いかければいいんだろ!」ダッ

未央「そうそ――ひゃっ!」

P「ん? どうし……あ」

820: 2015/11/27(金) 21:21:21.59 ID:ki1r8bBW0
未央「……うぅ、じゃあ、こうすれば!」ムギュッ

P「んなっ……! 未央、お前、それ……」

未央「いいから! ほら、早く行かなきゃやすやすがどんどん先に行っちゃ……って、こっちを振り向いた……?」

P「……すごくわかりやすく煽ってるな」

未央「……プロデューサー! 行こう! これは負けてられないよ!」

P「……わかった。じゃあ、行くぞ!」

未央「おー!」




本田未央「プロデューサーとのごはん」モバP「フルコース料理編」

822: 2015/11/27(金) 21:26:13.75 ID:ki1r8bBW0
これにて今回は終了です。
この店は好きですね。ちゃんぽんも皿うどんもどっちも好きです。餃子も好きです。ひょっとしたらこの店のものは全部好きなのかもしれません。最近あまり行けていないので行きたいです。

未央と泰葉は相性が良いと個人的に思っています。いつか女優になりたい少女と元子役の少女。演技に興味を持っている子と演技を既に身に付けている子。これに未央の性格を合わせると、きっと仲良くなっていると思います。いえ、泰葉も担当だからこういう風に思っているだけなのかもしれませんが……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

引用: 本田未央「プロデューサーとのごはん」