1:2017/10/26(木) 00:31:04.357
男「大事な話があるんだ」
嫁「なに?」
男「貯金もだいぶ貯まったし、そろそろ都会を離れて、田舎暮らしを始めたいんだけど……」
男「しかし、そうなると会社を……」
嫁「私はいいわよ。あなたが田舎暮らしに憧れてるのは知ってたし」
男「やった!」
男「よぉし、会社辞めて田舎で暮らそう!」
嫁「きっとのんびりした暮らしができるわね」
嫁「なに?」
男「貯金もだいぶ貯まったし、そろそろ都会を離れて、田舎暮らしを始めたいんだけど……」
男「しかし、そうなると会社を……」
嫁「私はいいわよ。あなたが田舎暮らしに憧れてるのは知ってたし」
男「やった!」
男「よぉし、会社辞めて田舎で暮らそう!」
嫁「きっとのんびりした暮らしができるわね」
3:2017/10/26(木) 00:31:55.278 ID:trttch840.net
イイハナシダナー
6:2017/10/26(木) 00:32:18.165 ID:nr2EClLb0.net
次回、隣のおばさん
7:2017/10/26(木) 00:32:51.291 ID:WxAPZWxT0.net
バッドエンドしかなさそう
11:2017/10/26(木) 00:34:56.563
―会社―
男「課長」
課長「なんだい、改まって」
男「私……会社を辞めさせていただきます」
課長「え!? ……や、辞めてどうする気かね?」
男「はい、田舎でのんびり暮らそうかと」
課長「は!?」
課長「バカをいっちゃいかん! 会社に残れば、君ならすぐいいポストにつける!」
男「申し訳ありませんが、決意は固いのです」
男「課長」
課長「なんだい、改まって」
男「私……会社を辞めさせていただきます」
課長「え!? ……や、辞めてどうする気かね?」
男「はい、田舎でのんびり暮らそうかと」
課長「は!?」
課長「バカをいっちゃいかん! 会社に残れば、君ならすぐいいポストにつける!」
男「申し訳ありませんが、決意は固いのです」
15:2017/10/26(木) 00:37:14.666
……
…………
男「仕事の引き継ぎも済ませて、今日で退職してきたよ」
嫁「お疲れ様」
男「これからは田舎で、気ままな自給自足ライフだ!」
嫁「うふふっ、楽しみね!」
男「さぁ、出発だ!」
嫁「しゅっぱーつ!」
…………
男「仕事の引き継ぎも済ませて、今日で退職してきたよ」
嫁「お疲れ様」
男「これからは田舎で、気ままな自給自足ライフだ!」
嫁「うふふっ、楽しみね!」
男「さぁ、出発だ!」
嫁「しゅっぱーつ!」
18:2017/10/26(木) 00:40:27.346
―新幹線―
嫁「ところで、私たちが行く田舎って、どこにあるの?」
男「俺たちが暮らしてた大都市から、新幹線でおよそ三時間」
男「そこからさらにローカル線に乗り換えて二時間かかる」
男「電車の本数も少ないだろうし、待ち時間も考えると、もっと長いだろうね」
嫁「遠いわね~」
男「なにしろ田舎だからね……だからこそのんびりした暮らしができるってものさ!」
嫁「ところで、私たちが行く田舎って、どこにあるの?」
男「俺たちが暮らしてた大都市から、新幹線でおよそ三時間」
男「そこからさらにローカル線に乗り換えて二時間かかる」
男「電車の本数も少ないだろうし、待ち時間も考えると、もっと長いだろうね」
嫁「遠いわね~」
男「なにしろ田舎だからね……だからこそのんびりした暮らしができるってものさ!」
19:2017/10/26(木) 00:40:53.341 ID:gBVUEokOr.net
嫌な予感しかしない
23:2017/10/26(木) 00:43:25.957
―田舎―
男「着いた!」
嫁「着いたわね」
男「――こ、これはッ!?」
男「着いた!」
嫁「着いたわね」
男「――こ、これはッ!?」
24:2017/10/26(木) 00:46:18.239
ザワザワ… ガヤガヤ…
男「人は大勢いるし、高層ビルが立ち並んでるし、まるで大都会じゃないか!」
嫁「ねえ、もしかしたら場所を間違えたんじゃないの?」
男「いや、たしかにここは田舎なはずだけど……」
嫁「でも、とてもそうは思えないわよ! コンクリートジャングルじゃない!」
男「と、とりあえず、町役場に行ってみよう!」
男「人は大勢いるし、高層ビルが立ち並んでるし、まるで大都会じゃないか!」
嫁「ねえ、もしかしたら場所を間違えたんじゃないの?」
男「いや、たしかにここは田舎なはずだけど……」
嫁「でも、とてもそうは思えないわよ! コンクリートジャングルじゃない!」
男「と、とりあえず、町役場に行ってみよう!」
26:2017/10/26(木) 00:48:10.880 ID:vmb6MdnS0.net
なんだ岡山か
27:2017/10/26(木) 00:49:14.039 ID:UTXtkb7Pp.net
>>26
笑かすなよ
笑かすなよ
28:2017/10/26(木) 00:50:17.011
―町役場―
役人「ようこそ、田舎へ!」
男「あのー……ここって本当に田舎なんですか?」
役人「もちろん! 田舎ですよ!」
嫁「でも、見た限り私たちのいた都会と変わらない……いえむしろ進んでる気がするんですけど」
役人「田舎もどんどん開発が進んでますからねえ。ハッハッハ」
男「はぁ……」
男「なんかイメージと違うぞ……」ボソボソ…
嫁「どうしましょ?」ヒソヒソ…
男「とにかくのんびり暮らせるような場所がないか、聞いてみよう」ボソボソ…
役人「ようこそ、田舎へ!」
男「あのー……ここって本当に田舎なんですか?」
役人「もちろん! 田舎ですよ!」
嫁「でも、見た限り私たちのいた都会と変わらない……いえむしろ進んでる気がするんですけど」
役人「田舎もどんどん開発が進んでますからねえ。ハッハッハ」
男「はぁ……」
男「なんかイメージと違うぞ……」ボソボソ…
嫁「どうしましょ?」ヒソヒソ…
男「とにかくのんびり暮らせるような場所がないか、聞いてみよう」ボソボソ…
30:2017/10/26(木) 00:53:21.084
男「あ、あの実は……私たち、田舎でのんびり大自然に囲まれる暮らしがしたくて」
男「ここまで来たんですけど……」
役人「ほう」
嫁「たとえば、ログハウスを建てて、畑を耕して自給自足するような生活がしたいんです」
役人「なるほど! そういうコースを御所望でしたか!」
男「コースて……」
役人「では少々お待ち下さい」
男「ここまで来たんですけど……」
役人「ほう」
嫁「たとえば、ログハウスを建てて、畑を耕して自給自足するような生活がしたいんです」
役人「なるほど! そういうコースを御所望でしたか!」
男「コースて……」
役人「では少々お待ち下さい」
33:2017/10/26(木) 00:57:12.304
ロボット「コンニチハ」ウイーン…
男「ロ、ロボット!?」
役人「このロボットをレンタルしましょう」
役人「なんとこのロボット、重機並みのパワーがあるのです」
役人「彼に任せれば、ログハウスも畑もすぐに作ってくれますよ!」
男「……結構です! 場所さえ案内してくれれば、自分たちだけでやります!」
役人「分かりました。では場所だけご案内しましょう」
男「ロ、ロボット!?」
役人「このロボットをレンタルしましょう」
役人「なんとこのロボット、重機並みのパワーがあるのです」
役人「彼に任せれば、ログハウスも畑もすぐに作ってくれますよ!」
男「……結構です! 場所さえ案内してくれれば、自分たちだけでやります!」
役人「分かりました。では場所だけご案内しましょう」
34:2017/10/26(木) 00:57:59.301 ID:nquG4D8lM.net
田舎は面倒くさいぞ
35:2017/10/26(木) 01:00:33.529
男「おぉ~、自然でいっぱいだ! これだよ! こういうのを求めてたんだよ!」
男「なんだ、ちゃんとこういう場所も残ってるんじゃないか!」
嫁「わぁ~、キレイ! 手つかずの自然って感じね!」
男「さっそくログハウス建てよう!」
嫁「本当に大丈夫?」
男「大丈夫さ。俺が趣味で日曜大工やってたの、お前だって知ってるだろ?」
男「まずはノコギリで近くの木を切り倒そう」ギーコギーコ…
男「なんだ、ちゃんとこういう場所も残ってるんじゃないか!」
嫁「わぁ~、キレイ! 手つかずの自然って感じね!」
男「さっそくログハウス建てよう!」
嫁「本当に大丈夫?」
男「大丈夫さ。俺が趣味で日曜大工やってたの、お前だって知ってるだろ?」
男「まずはノコギリで近くの木を切り倒そう」ギーコギーコ…
37:2017/10/26(木) 01:05:22.860
男「ハァ、ハァ、ハァ……」
嫁「大丈夫?」
男「っつぅ~……手がマメだらけだ。ノコギリも欠けちゃったし……本物の木って、全然切れないんだな」
嫁「こんな手じゃ、もう作業できないわよ」
男「だな……」
嫁「どうする? このままじゃ野宿になっちゃうわよ?」
男「……こうなったら仕方ない」
嫁「大丈夫?」
男「っつぅ~……手がマメだらけだ。ノコギリも欠けちゃったし……本物の木って、全然切れないんだな」
嫁「こんな手じゃ、もう作業できないわよ」
男「だな……」
嫁「どうする? このままじゃ野宿になっちゃうわよ?」
男「……こうなったら仕方ない」
39:2017/10/26(木) 01:08:36.358
―町役場―
男「あのぉ~」
役人「はい?」
男「やっぱりロボット借ります……」
役人「そうおっしゃると思って、ロボットはすでにスタンバイさせてますよ」
ロボット「ヨロシク」
男「ありがとうございます……」
嫁「よかったわね、あなた!」
男(情けない……)
男「あのぉ~」
役人「はい?」
男「やっぱりロボット借ります……」
役人「そうおっしゃると思って、ロボットはすでにスタンバイさせてますよ」
ロボット「ヨロシク」
男「ありがとうございます……」
嫁「よかったわね、あなた!」
男(情けない……)
41:2017/10/26(木) 01:11:32.260
ズバババババッ ズバババババッ
トンテンカン トンテンカン トンテンカン
ザクザクザクザクザクッ
ジャン!
ロボット「ログハウスト畑ガ出来マシタ!」
男「す、すごい……」
嫁「あっという間に……」
役人「家も畑もロボットが定期的にメンテナンスをしますので、安心してご利用下さい」
男「ど、どうも……」
男(助かったし、ありがたいけど……なんか違う……)
トンテンカン トンテンカン トンテンカン
ザクザクザクザクザクッ
ジャン!
ロボット「ログハウスト畑ガ出来マシタ!」
男「す、すごい……」
嫁「あっという間に……」
役人「家も畑もロボットが定期的にメンテナンスをしますので、安心してご利用下さい」
男「ど、どうも……」
男(助かったし、ありがたいけど……なんか違う……)
47:2017/10/26(木) 01:14:28.633
夜――
―ログハウス―
男「今日は残念ながら曇りだけど、晴れの日だったら夜空がキレイなんだろうな」
嫁「うん、こんなに空気がおいしいものね」
パッ!
キラキラキラキラキラ…
男「!?」
男「と、突然、夜空がキレイな星空に……!」
嫁「流れ星も見えるわ!」
―ログハウス―
男「今日は残念ながら曇りだけど、晴れの日だったら夜空がキレイなんだろうな」
嫁「うん、こんなに空気がおいしいものね」
パッ!
キラキラキラキラキラ…
男「!?」
男「と、突然、夜空がキレイな星空に……!」
嫁「流れ星も見えるわ!」
52:2017/10/26(木) 01:18:35.595
男「あっ! 役人さん!」
役人「最新鋭の3Dプロジェクターで田舎の美しい星空をお届けしております」ニコッ
男「……!」
男「余計なことしないで下さい!」
役人「これは失礼」シュタタタタタッ
男「ったくぅ~、あんなサービスされちゃ気分壊れちゃうよ」
嫁「田舎ってもっと牧歌的だと思ってたけど、ずいぶん私たちのイメージとは違うのね」
男「うん、まさかここまで発展してるとは思わなかった。まるで近未来に来たみたいだ……」
男「だけど、探せばまだまだ田舎らしいところも残ってるはずだよ」
男「明日はその辺を散歩しよう」
嫁「そうね」
役人「最新鋭の3Dプロジェクターで田舎の美しい星空をお届けしております」ニコッ
男「……!」
男「余計なことしないで下さい!」
役人「これは失礼」シュタタタタタッ
男「ったくぅ~、あんなサービスされちゃ気分壊れちゃうよ」
嫁「田舎ってもっと牧歌的だと思ってたけど、ずいぶん私たちのイメージとは違うのね」
男「うん、まさかここまで発展してるとは思わなかった。まるで近未来に来たみたいだ……」
男「だけど、探せばまだまだ田舎らしいところも残ってるはずだよ」
男「明日はその辺を散歩しよう」
嫁「そうね」
54:2017/10/26(木) 01:19:12.854 ID:KPJCios+H.net
親父が田舎の土地で湖のほとりに小屋建てたら役場の人が船で注意しに来たことがある
川で他の湖に繋がってるわけでもなく、あの人達どうやって来たんだろ
川で他の湖に繋がってるわけでもなく、あの人達どうやって来たんだろ
56:2017/10/26(木) 01:22:19.482 ID:dozds0AS0.net
>>54
なんの注意?
自分の土地じゃないのに勝手に小屋建てたの?
なんの注意?
自分の土地じゃないのに勝手に小屋建てたの?
62:2017/10/26(木) 01:27:27.237 ID:KPJCios+H.net
>>56
もちろん自分の土地だよ
ただ条例で湖から何メートルって決まってるらしく、建てたのがベランダが水辺に出てるくらい近かったから
「どうにかしてください」「はい、どうにかします」って感じで会話が終わって10年以上経つけど
もちろん自分の土地だよ
ただ条例で湖から何メートルって決まってるらしく、建てたのがベランダが水辺に出てるくらい近かったから
「どうにかしてください」「はい、どうにかします」って感じで会話が終わって10年以上経つけど
57:2017/10/26(木) 01:22:31.165
翌日――
スタスタ…
男「お」
嫁「前から女の子が歩いてくるわ」
男「三つ編みに質素な服装で、いかにも田舎の娘さんって感じだけど……」
田舎娘「おやおやおや?」
田舎娘「おめさんたち、何者だべか?」
男「都会から引っ越してきた夫婦です。よろしくお願いします」
田舎娘「あ~、都会からやってきただか! あたすこそよろすくお願いすます!」
男(おお……純朴そうな娘さんだ……)
スタスタ…
男「お」
嫁「前から女の子が歩いてくるわ」
男「三つ編みに質素な服装で、いかにも田舎の娘さんって感じだけど……」
田舎娘「おやおやおや?」
田舎娘「おめさんたち、何者だべか?」
男「都会から引っ越してきた夫婦です。よろしくお願いします」
田舎娘「あ~、都会からやってきただか! あたすこそよろすくお願いすます!」
男(おお……純朴そうな娘さんだ……)
60:2017/10/26(木) 01:25:29.938
田舎娘「んじゃ、あたすはこれで!」
男「どうも~!」
男「よかった……やっぱり田舎にはああいう垢抜けない純朴な娘さんがつきものなんだよ」
嫁「……」
男「どうした?」
嫁「あの子の後をそっとついていきましょう」
男「へ? どうして?」
嫁「いいから」
男「どうも~!」
男「よかった……やっぱり田舎にはああいう垢抜けない純朴な娘さんがつきものなんだよ」
嫁「……」
男「どうした?」
嫁「あの子の後をそっとついていきましょう」
男「へ? どうして?」
嫁「いいから」
64:2017/10/26(木) 01:29:15.451
田舎娘「あ、もしもし? アタシ~」
田舎娘「ねーねーさっき、都会から来たって夫婦がいたから、方言丸出し風に声かけたの!」
田舎娘「そしたら、いかにも“純朴そうなお嬢さんだ”って感じな顔しててさ~! チョー受ける~!」
田舎娘「でもま、せっかく田舎まで来てくれたんだし、こうやって気分を味わってもらうことも必要じゃん?」
嫁「ね?」
男「……よく分かったな」
嫁「女の勘ってやつよ。女のことは、女にしか分からないものなの」
田舎娘「ねーねーさっき、都会から来たって夫婦がいたから、方言丸出し風に声かけたの!」
田舎娘「そしたら、いかにも“純朴そうなお嬢さんだ”って感じな顔しててさ~! チョー受ける~!」
田舎娘「でもま、せっかく田舎まで来てくれたんだし、こうやって気分を味わってもらうことも必要じゃん?」
嫁「ね?」
男「……よく分かったな」
嫁「女の勘ってやつよ。女のことは、女にしか分からないものなの」
68:2017/10/26(木) 01:34:02.238
ズラッ…
男「な、なんだ?」
嫁「人がいっぱい集まってるわ……」
村人「あんたたちが、都会から来たっちゅうよそもんかね」ジロッ
男「そうです……昨日越してきて、向こうに家を建てて……」
村人「はっきり言おう」
村人「よそもんは災いをもたらすから、出てって欲しいんだ」
男「え!?」
「そうだそうだー!」 「よそもんは出てけーっ!」 「都会へ帰れーっ!」
男「ひ、ひいい……」
嫁「ど、どうしましょ? あなた……!」
男「な、なんだ?」
嫁「人がいっぱい集まってるわ……」
村人「あんたたちが、都会から来たっちゅうよそもんかね」ジロッ
男「そうです……昨日越してきて、向こうに家を建てて……」
村人「はっきり言おう」
村人「よそもんは災いをもたらすから、出てって欲しいんだ」
男「え!?」
「そうだそうだー!」 「よそもんは出てけーっ!」 「都会へ帰れーっ!」
男「ひ、ひいい……」
嫁「ど、どうしましょ? あなた……!」
69:2017/10/26(木) 01:37:33.199
役人「ご心配なく」
男「役人さん!? どうしてここに!?」
役人「これは田舎名物“村八分”です」
役人「ようするに田舎の雰囲気を味わってもらうための、出し物というわけですな」
男「出し物!?」
村人「田舎へようこそ! どうぞのんびり暮らしていって下さい!」ニコニコ…
「ようこそー!」 「歓迎しますよ!」 「なにか不自由があったらいって下さい!」
男「さっきのは村ぐるみの演技だったのか……」
嫁「凝ってるわねえ……」
男「役人さん!? どうしてここに!?」
役人「これは田舎名物“村八分”です」
役人「ようするに田舎の雰囲気を味わってもらうための、出し物というわけですな」
男「出し物!?」
村人「田舎へようこそ! どうぞのんびり暮らしていって下さい!」ニコニコ…
「ようこそー!」 「歓迎しますよ!」 「なにか不自由があったらいって下さい!」
男「さっきのは村ぐるみの演技だったのか……」
嫁「凝ってるわねえ……」
70:2017/10/26(木) 01:39:39.089 ID:6RAqf6nFr.net
至れり尽くせりだなぁ
71:2017/10/26(木) 01:41:12.334
―ログハウス―
男「ふぅ~……今日も色々あったなぁ」
嫁「ええ、“村八分”には流石にビックリしたけど」
男「あの人たちみんなアカデミー賞級の演技力だよ」
嫁「でも、なかなかよさそうなところじゃない」
男「まぁね……イメージと少し……いやだいぶ違うけど」
ロボット「ドラム缶風呂沸キマシタヨ~!」
男「お、ありがとう!」
嫁「ドラム缶風呂だけど、オール電化の家顔負けの高機能なのよね……」
男「ふぅ~……今日も色々あったなぁ」
嫁「ええ、“村八分”には流石にビックリしたけど」
男「あの人たちみんなアカデミー賞級の演技力だよ」
嫁「でも、なかなかよさそうなところじゃない」
男「まぁね……イメージと少し……いやだいぶ違うけど」
ロボット「ドラム缶風呂沸キマシタヨ~!」
男「お、ありがとう!」
嫁「ドラム缶風呂だけど、オール電化の家顔負けの高機能なのよね……」
72:2017/10/26(木) 01:44:09.060
しばらくして――
老人「よいしょ、よいしょ」チャプ…チャプ…
男「おや、田植えですか」
老人「ああ、うちは農家だからのう」
男「よかったら、手伝わせてもらえませんか?」
老人「ええよ」
男「田植えって一度やってみたかったんです! さ、やろうやろう!」ザブ…
嫁「うん!」ザブ…
老人「よいしょ、よいしょ」チャプ…チャプ…
男「おや、田植えですか」
老人「ああ、うちは農家だからのう」
男「よかったら、手伝わせてもらえませんか?」
老人「ええよ」
男「田植えって一度やってみたかったんです! さ、やろうやろう!」ザブ…
嫁「うん!」ザブ…
73:2017/10/26(木) 01:45:03.946 ID:VOVEvIMO0.net
機械じゃないのか…
74:2017/10/26(木) 01:47:36.311
チャプ… チャプ… チャプ…
嫁「まっすぐ植えるのって難しいわね……だいぶ曲がってるわ」
男「す、すみません、俺たちヘタクソで……」
老人「なぁにかまわんよ。どうせ田んぼが後で自動修復してくれるしな」
男「え……」
老人「ちなみにこの田んぼ、台風の時はバリアを張る。ほれ、やってみい」
田んぼ「……」パキィィィィィン!
男「えええ……バリアて……」
嫁「台風の時、様子を見に行かなくても済むってわけね」
嫁「まっすぐ植えるのって難しいわね……だいぶ曲がってるわ」
男「す、すみません、俺たちヘタクソで……」
老人「なぁにかまわんよ。どうせ田んぼが後で自動修復してくれるしな」
男「え……」
老人「ちなみにこの田んぼ、台風の時はバリアを張る。ほれ、やってみい」
田んぼ「……」パキィィィィィン!
男「えええ……バリアて……」
嫁「台風の時、様子を見に行かなくても済むってわけね」
75:2017/10/26(木) 01:49:00.228 ID:6uIdqoGi0.net
そっちが機械式だったかー
77:2017/10/26(木) 01:50:23.600
男「こんにちは、田舎娘ちゃん」
田舎娘「あら、こんにちは! お元気そうでなによりだべ!」
嫁「あなたの本当の姿ならもう知ってるから、もう演技しなくていいわよ」
田舎娘「え、そうなの!? バレバレだったんだ! やだ、超ハズカシイ~!」
男(見た目は本当に素朴だからギャップが凄まじいな……)
田舎娘「あ、今度ウチで収穫したおイモ持ってくんで、ぜひ食べて食べて~!」
嫁「うふふ、ありがとう」
男(まあ、仲良くなるのはいいことだな)
田舎娘「あら、こんにちは! お元気そうでなによりだべ!」
嫁「あなたの本当の姿ならもう知ってるから、もう演技しなくていいわよ」
田舎娘「え、そうなの!? バレバレだったんだ! やだ、超ハズカシイ~!」
男(見た目は本当に素朴だからギャップが凄まじいな……)
田舎娘「あ、今度ウチで収穫したおイモ持ってくんで、ぜひ食べて食べて~!」
嫁「うふふ、ありがとう」
男(まあ、仲良くなるのはいいことだな)
79:2017/10/26(木) 01:54:21.697
―ログハウス―
男「よいしょ、よいしょ」ザクッザクッ
ロボット「畑ナラ私ガ耕シマスヨ」
男「いや、快適さに甘えず、たまには自分でもやらないとね」
嫁「あなた、昔は毎日ぐったりしてたけど、今は生き生きしてるわね」
男「ああ……これも田舎暮らしを始めたおかげかな」
「こんにちはーっ!」
男「お、お客さんだ。いっぱい来たな」
男「よいしょ、よいしょ」ザクッザクッ
ロボット「畑ナラ私ガ耕シマスヨ」
男「いや、快適さに甘えず、たまには自分でもやらないとね」
嫁「あなた、昔は毎日ぐったりしてたけど、今は生き生きしてるわね」
男「ああ……これも田舎暮らしを始めたおかげかな」
「こんにちはーっ!」
男「お、お客さんだ。いっぱい来たな」
80:2017/10/26(木) 01:58:16.540
役人「どうですか、田舎暮らしには慣れましたか?」
男「ええ、おかげさまで」
田舎娘「今日は約束通り、イモを持ってきたの~! 食べて食べて~!」
嫁「ありがとう、おいしくいただくわ」
老人「こないだは田植えを手伝ってくれてありがとう。お礼をいいたくての」
男「いやぁ……俺たちは足手まといになっただけですし……」
ドドドドド…
男「――ん?」
男「ええ、おかげさまで」
田舎娘「今日は約束通り、イモを持ってきたの~! 食べて食べて~!」
嫁「ありがとう、おいしくいただくわ」
老人「こないだは田植えを手伝ってくれてありがとう。お礼をいいたくての」
男「いやぁ……俺たちは足手まといになっただけですし……」
ドドドドド…
男「――ん?」
81:2017/10/26(木) 02:01:50.514
ドドドドド……!
猪「ブオォォォォォッ!!!」
嫁「あなた、猪だわ!」
嫁「しかも、ものすごく大きいわよ! 2メートルくらいあるわ!」
男「大丈夫だよ」
男「今までのパターンから考えて、雰囲気出すための飼い慣らされた猪ってとこだろう?」
猪「ブオォォォォォッ!!!」
嫁「あなた、猪だわ!」
嫁「しかも、ものすごく大きいわよ! 2メートルくらいあるわ!」
男「大丈夫だよ」
男「今までのパターンから考えて、雰囲気出すための飼い慣らされた猪ってとこだろう?」
84:2017/10/26(木) 02:06:02.765
役人「いや、飼い慣らされてなんかいませんよ! 皆さん、かわしてっ!」バッ
猪「ブモォォォォォォォッ!!!」
ドカァンッ! メキメキ… グラグラ…
男「うわぁっ! 一撃でログハウスが揺れた! なんてパワーだ!」
ロボット「皆サン、ココハ私ニオ任セヲ!」ウイーン…
猪「フゴォッ!」ドドドドド…
ドゴォンッ!
猪「ブモォォォォォォォッ!!!」
ドカァンッ! メキメキ… グラグラ…
男「うわぁっ! 一撃でログハウスが揺れた! なんてパワーだ!」
ロボット「皆サン、ココハ私ニオ任セヲ!」ウイーン…
猪「フゴォッ!」ドドドドド…
ドゴォンッ!
86:2017/10/26(木) 02:08:37.093
ロボット「故障シマシタ……故障シマシタ……」ピーガガー…
男「そ、そんな!? あのロボット、重機並みのパワーがあるのに!」
嫁「ど、どうしましょ、あなた!」
猪「グルルル……!」ギロッ
男「まずい……! 次は人間を狙うつもりだ!」
嫁「皆さん、逃げて下さい!」
役人「やれやれ、あんな猪にやられるとは情けない。後で修理してやらねば」パキポキ…
田舎娘「まだまだ機械任せにできないって感じ~!」
老人「いくら技術が発達しても、肝心なところはやはり人間がやらねばのう」
男「――え?」
男「そ、そんな!? あのロボット、重機並みのパワーがあるのに!」
嫁「ど、どうしましょ、あなた!」
猪「グルルル……!」ギロッ
男「まずい……! 次は人間を狙うつもりだ!」
嫁「皆さん、逃げて下さい!」
役人「やれやれ、あんな猪にやられるとは情けない。後で修理してやらねば」パキポキ…
田舎娘「まだまだ機械任せにできないって感じ~!」
老人「いくら技術が発達しても、肝心なところはやはり人間がやらねばのう」
男「――え?」
87:2017/10/26(木) 02:12:17.247
猪「フゴオオオオオッ!!!」ドドドドドッ
役人「フンッ!!!」
ガシィッ!
男(ロボットでも止められなかった猪の突進を、真正面から止めた!?)
田舎娘「えぇ~いっ!」
バキィッ!
猪「グボッ……!」ヨロッ…
嫁(田舎娘ちゃんの蹴りで、猪がよろめいたわ!)
老人「ほぉれぇぇぇっ!!!」
ドゴォッ!
猪「ガハァッ……!」ガクッ
男(おじいさんのチョップが、一撃で猪の首を砕いた……!)
役人「フンッ!!!」
ガシィッ!
男(ロボットでも止められなかった猪の突進を、真正面から止めた!?)
田舎娘「えぇ~いっ!」
バキィッ!
猪「グボッ……!」ヨロッ…
嫁(田舎娘ちゃんの蹴りで、猪がよろめいたわ!)
老人「ほぉれぇぇぇっ!!!」
ドゴォッ!
猪「ガハァッ……!」ガクッ
男(おじいさんのチョップが、一撃で猪の首を砕いた……!)
88:2017/10/26(木) 02:15:21.837
田舎娘「まだまだこのあたりは多いよね~、猪」
老人「いくら開発しても田舎は田舎のままってことじゃわい」
役人「まあ、いいじゃないですか。自然と戦いながら発展する、が我が町のコンセプトですから」
役人「今夜はボタン鍋だァッ!!!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
男「この人たち……すげえや……」
嫁「これが……田舎……」
…………
……
老人「いくら開発しても田舎は田舎のままってことじゃわい」
役人「まあ、いいじゃないですか。自然と戦いながら発展する、が我が町のコンセプトですから」
役人「今夜はボタン鍋だァッ!!!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
男「この人たち……すげえや……」
嫁「これが……田舎……」
…………
……
89:2017/10/26(木) 02:15:26.729 ID:DUKuemiKr.net
なん…だと…
90:2017/10/26(木) 02:18:55.210
―ログハウス―
嫁「うぅん……う~ん……産まれるぅ……」
産婆「サンバ! サンバ! サンバ! ヘイヘイヘイ!」ピッピッピーッ
男「踊ってないで、出産して下さい!」
産婆「分かっとるよぉ、ほれぇっ!」グイッ
ズルズルズルッ!
嫁「うぅん……う~ん……産まれるぅ……」
産婆「サンバ! サンバ! サンバ! ヘイヘイヘイ!」ピッピッピーッ
男「踊ってないで、出産して下さい!」
産婆「分かっとるよぉ、ほれぇっ!」グイッ
ズルズルズルッ!
91:2017/10/26(木) 02:21:42.789
赤子「おぎゃあ、おぎゃあ……!」
嫁「よかった……!」
男「産まれたぁ!」
産婆「元気な男の子だねえ」
役人「おめでとうございます!」
田舎娘「新しい命の誕生って超カンド~!」
老人「ほっほっほ、でかしたのう。出産祝いを持ってきたわい」
男「皆さん、ありがとうございます!」
嫁「よかった……!」
男「産まれたぁ!」
産婆「元気な男の子だねえ」
役人「おめでとうございます!」
田舎娘「新しい命の誕生って超カンド~!」
老人「ほっほっほ、でかしたのう。出産祝いを持ってきたわい」
男「皆さん、ありがとうございます!」
93:2017/10/26(木) 02:25:43.654
……
…………
少年「お父さーん、今日も川に遊びに行ってくるね!」
男「川に流されないようにするんだぞ」
少年「大丈夫だよ!」
少年「川の流れはコンピュータで制御されてるし、ボクも土石流を泳げるくらいにはなったし」
男「そうだったな」
ロボット「行ッテラッシャイ、オ坊チャン」
男「これまで色々あったけど……田舎に来てよかったなぁ」
嫁「ホントね」
おわり
…………
少年「お父さーん、今日も川に遊びに行ってくるね!」
男「川に流されないようにするんだぞ」
少年「大丈夫だよ!」
少年「川の流れはコンピュータで制御されてるし、ボクも土石流を泳げるくらいにはなったし」
男「そうだったな」
ロボット「行ッテラッシャイ、オ坊チャン」
男「これまで色々あったけど……田舎に来てよかったなぁ」
嫁「ホントね」
おわり
94:2017/10/26(木) 02:30:40.177 ID:DUKuemiKr.net
乙
こんなネオ田舎なら住んでみてえ
こんなネオ田舎なら住んでみてえ
97:2017/10/26(木) 02:47:15.407 ID:1diWrzSSM.net
おつ
面白かった
面白かった
99:2017/10/26(木) 03:19:34.975 ID:8kOVaH+i0.net
こち亀のハイテク農業を彷彿させるな。
100:2017/10/26(木) 03:22:41.598 ID:2hcFqTqA0.net
岡山すごい
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