1: 2010/07/28(水) 10:58:48.58ID:fdGEXFQD0
私は、一人が好き。
友達は、一人もいない。
一人はさびしいというけれども、そんなのは人それぞれ。
大体、読書くらいしか趣味のない私が、いったい人と何を話せばいいんだろう。
クラスで目立つ男は、よくもあんなにも話すネタがあるものだ、と。
私は本を読む傍ら、男のことを少し見て、人は人だと本に戻った。

3: 2010/07/28(水) 11:05:05.94ID:fdGEXFQD0
お昼休みは、中庭に行くことにしている。
人が少ないし、ベンチもある。
座って、サンドイッチを食べながら本を読むのが私の日課だ。
校舎の方からは笑い声が聞こえてくる。
中身のない話は嫌いだ。
丁度、今読んでいる本の脇役も似たようなことを言っている。
コイツコミュ力ないな、と自分を棚に上げてそう思った。
ふらいんぐうぃっち(14) (週刊少年マガジンコミックス)
5: 2010/07/28(水) 11:09:03.35ID:fdGEXFQD0
今日も、何時も通りの場所でお昼を食べる。
ペラペラと本をめくりながらサンドイッチを食べていると、影がさした。
視線を上げると、男が私を見下ろしていた。

男 「女サン、いつも昼休みはここにいたんだ」

女 「……」

男 「なに読んでるの?「ファウスト」?知らないなぁ」

女 「……」

6: 2010/07/28(水) 11:13:06.32ID:fdGEXFQD0
男 「そのサンドイッチ、手作り?ひとつ、もらうよ」ヒョイ、パク

男 「うわ、おいしいなぁ。もうひとつもらっていい?」

女 「……」サッ

男 「あ、ゴメン。ところでさ、この前駅前の方にさ、雑貨屋ができただろ?」

男は、少しばかり調子に乗っていた。
クラスの女子にも人気だったし、友達も多かった。ある意味、仕方ない。
けれども、それが分かっているからといって、怒らない理由にはならない。

7: 2010/07/28(水) 11:17:39.71ID:fdGEXFQD0
男 「でさ、そこには他の店にないものがあってさ……」

女 「ねえ」

男 「あっ、うん。なに?」

声をかけると、なんだかうれしそうな顔をされた。
なにがうれしいのだろう、コイツは。
私は分からなかったけど、分かっても分からなくても、次の行動は変わらない。

8: 2010/07/28(水) 11:27:33.21ID:fdGEXFQD0
女 「ゴチャゴチャうるさいのよ。私は静かに本を読みたいの。それに、勝手に人のもの盗って食べないでよね。私とあなたは友達でもなんでもないのに。とにかく、私にはかかわらないでちょうだい。さようなら。」

男 「えっ……あ、ゴメ……ちょっと、待ってよ」

女 「さ・よ・う・な・ら」

これでもう関わろうとも思わないだろう。
それにしても、自分で言ったのだけれど、あれじゃあ、ただの性格悪い人だ。
でも、まあ、どうでもいいや。

9: 2010/07/28(水) 11:33:25.74ID:fdGEXFQD0

男友 「おう、男。昼休みどこいってたんだよ」

男  「中庭で、女サンと話してた……のか?」

男友 「何で疑問系よ?」

男  「会話はキャッチボールって言うだろ?どっちかって言えば、投げ込みしてたようなもんだし。しかも、キャッチャーのミット外して」

男友 「ふーん。確かに女さんて、見た目どおりのクールな性格っぽいけどな」

男  「クールって言うか、取り付く島もない……共通の話題もないし」

男友 「女さん攻略はあきらめろ。ありゃ無理だ。チートでも使わないと」

男  「そうっぽいよなぁ……あきらめるか……」

10: 2010/07/28(水) 11:38:14.67ID:fdGEXFQD0
男 「そうは言っても、納得いかないし」

男 「当たって砕けろ。砕けて飛び散れ」

男 「単純接触の原理というものもあるし」

男 「レベルの高いツンデレと思えばいい」

男 「成せば成る!成さねば成らぬ、何事も!」

男 「成らぬは俺の、努力不足!」

男ー、風呂場で叫ぶなー

男 「うわ、聞かれてた?ごめーん!」

男 「とにかく明日だ。千里の道も一歩から」

12: 2010/07/28(水) 11:44:59.73ID:fdGEXFQD0
正直、また来るとは思っていなかった。
私のどこがいいのかは分からないけれども。何か裏があるのだろうか。
それならそれで、せめて会話が続く相手を選べばいいのに。

男 「女サン、昨日はゴメン」

女 「…………」

男 「俺が悪かったよ。ホント、ゴメン」

女 「……」

男 「隣、座ってもいい?」

男 「大丈夫。ちゃんと間空けるから」

女 「……」

男 「失礼しまーす」

15: 2010/07/28(水) 11:49:31.22ID:fdGEXFQD0
私が言えた事じゃないけれど、どこにでもちょっと変わった人っているんだな。
私になんてかまっても仕方ないのに。

男 「今日はなに読んでるの?「ドグラ・マグラ」?知らないな……」

女 「……」

男 「女サンって、よく一人で居るけどさ、さびしくない?」

男 「俺はさびしいと思うんだけどさ。男友とかと話してると楽しいし」

女 「……」

男 「俺は女サンと、友達になりたいんだけど」

16: 2010/07/28(水) 11:52:40.97ID:fdGEXFQD0
ああ、ああ、ああ。
コイツは喧嘩を売っているの?
それとも私を馬鹿にしているの?
そんな、かわいそうな感じにいわないでよ。
別に、さびしくもない。つらくもない。
レッテルを勝手に貼らないで。
耐え切れない。
私は本を閉じ、中庭から逃げた。

18: 2010/07/28(水) 11:57:08.96ID:fdGEXFQD0

男  「逃げられた……なにが悪かったのか」

男友 「今日も女さんにアタックチャンス?」

男  「逃げられたよ。チャンスなんてない。なにが悪かったのか」

男友 「よしよし、それでこそだ。クールビューティーをそう簡単に落とされてたまるか」

男友 「人の不幸で飯がうまい。メシウマ持続のために相談に乗ってやる」

男  「動機が不純すぎるだろ」

男友 「不純な動機の方が情熱は出るのさ。お前だって、不純なくせに」

男  「いや、俺は……た、ただ友達になりたいだけでして」

19: 2010/07/28(水) 12:02:09.26ID:fdGEXFQD0
男友 「何だその口調。動揺するとかどうよう?」

男  「使い古されたネタはやめろよ。とりあえず、いままではこんな感じ」

男友 「ふむふむふむ」

男友 「ああ、そりゃ怒られるわ」

男  「マジか」

男友 「ただでさえ動機がやらしいのに、会話テクすらないとか終わってるな」

男友 「お前もあの胸目当てなんだろ?それとも顔一直線?」

男友 「あのクールな女さんを奴隷にしてみたいもんだよな。ご主人様、とか呼ばせたり」

男  「ああ……そりゃいいな……」


20: 2010/07/28(水) 12:05:56.55ID:fdGEXFQD0
男  「じゃなくて。メイド服萌えとかじゃなくて」

男友 「お前が奴隷の方向?それもいいなぁ。鞭でペチーン。ぞくぞくする」

男  「工口方向は置いといて。女サンに聞こえたら嫌だし」

男友 「大丈夫だろ。教室の右上と左下だし。で、お前が嫌われた訳はだな」

男友 「決め付けたのがだめなんだよ。少なくとも、そういう感じに言ったのがダメ」

21: 2010/07/28(水) 12:11:40.90ID:fdGEXFQD0
男友 「さびしいとか、たぶん女さんは思ってないぜ」

男友 「なのにお前がそういう感じにいうから。怒ったんだ」

男友 「どうせ、かわいそう、みたな感じで言ったんだろ。そりゃ怒るっつの」

男  「そうだったのか……じゃあ、明日謝らないとな」

男友 「馬鹿か?お前は馬鹿か?脳みそ赤だし?それとも脳筋ですか?」

男  「なにがだよ。変なこと言ったか?」

23: 2010/07/28(水) 12:17:36.55ID:fdGEXFQD0
男友 「んなこと言ったら余計に相手怒らせるだろ」

男  「そうか……よく考えるとそうだな」

男友 「大丈夫かよ……あまり早くメシウマが終わっても困るんだぜ」

男  「そのうちラブラブになってメシマズにしてくれるわ」

25: 2010/07/28(水) 12:26:37.02ID:fdGEXFQD0
ああ、何で毎日来るの?これもストーカーっていうのかしら。
全力で無視してるのに、どうして?

男 「や。女サン」

女 「……」

男 「今日はなに読んでるの?「氏にいたる病」?うわ、なにこれ医学書?」

女 「…………」

男 「よく本読むね。俺本なんてマンガくらいしか読まないよ」

女 「……」

どうでもいいことばかり。
雨が降れば、ここじゃないどこかですごせるのに。
そうすれば、コイツも私を見つけられず、静かにすごせるかもしれない。
今日もいい天気だ。明日も、明後日も。残念。

26: 2010/07/28(水) 12:30:26.48ID:fdGEXFQD0
私にだって、意地がある。コイツのせいでサイクルを崩すのは嫌だ。

男 「女サンはマンガ読むイメージはないけど……ああ、俺の勝手なイメージだけど!」

焦るなよ。一々起こらないわ。いまさら。

男 「妹の少女マンガとかさ、たまに見るけど。主人公って補正かかってるよね、絶対に」

女 「……」

男 「……」

女 「……」

男 「女サンって、しゃべれるの?」

30: 2010/07/28(水) 12:36:15.28ID:fdGEXFQD0
女 「…………」

女 「失礼ね」

男 「あ、いや、冗談冗談。ちゃんと分かってるよ」

なんでよ。
なんで、私が一言しゃべっただけで、そんなうれしそうな顔ができるの?
私には理解できない。気持ち悪い。

31: 2010/07/28(水) 12:44:16.49ID:fdGEXFQD0
男 「今日も今日とてこんにちは。次の英語のテストは嫌だね」

女 「……」

男 「今日の本はなに?「城の中のイギリス人」?なんか面白そうだね」

女 (読んでも同じことが言えるのかしら?)

男 「イギリスといえば、産業革命と、ベネチアと、トリエラかな」

女 (微妙におかしいわ……)

男 「たまには喋ってくれるとうれしいんだけどなぁ」

女 「…………」

男 「そうだ。閃いた」

33: 2010/07/28(水) 12:47:28.27ID:fdGEXFQD0
男 「女サン。本を一冊指定してよ。読んでくる」

男 「そうすれば、共通の話題ができるよね」

女 (………それなら)

女 「いいけど。ちゃんと読むまでここには来ない事」

男 「う……わかった」

女 「じゃあ、源氏物語の……」

男 「源氏物語の?」

女 「雲隠って所」

34: 2010/07/28(水) 12:54:28.38ID:fdGEXFQD0
女 「……」

女 「……」

女 (来ないな……)

女 (いいことね)

女 (これで、私にかまうこともなくなるはず)

女 (雲隠れなんて、読めるものなら私が読みたいわ)

女 「……」

女 「こないな……」

35: 2010/07/28(水) 13:04:20.15ID:fdGEXFQD0
男 「女サン、ひどいよ!雲隠れって、タイトルしかないじゃん」

女 「………クスクス」

男 「……」

男 「女サンって、笑うと可愛いね」

女 「なっ……」

男 「普段はクールって感じだけど、笑うと可愛い感じだ」

しまった。なんで、どうして、こんなことに。
ついうっかり。
うわ、しまった。あー、どうして、いやいやいや。
だめだ。くそう。

36: 2010/07/28(水) 13:08:38.28ID:fdGEXFQD0
くそう。
どうしてよ。
なんで、笑いかけちゃったの?
なんで、変な意地を張っちゃったの?
くそ、だめだ。
なんで、あんなやつに。胸が痛い。
いたい、いたい、いたい。
屈辱だ。

38: 2010/07/28(水) 13:11:28.45ID:fdGEXFQD0
男 「こんにちは」

女 「今日も来たの?」

男 「あれ?」

女 「根負けしたの。ほら、座れば?」

男 「うん」

女 「それにしても、よくも毎日来れたわね」

男 「女さんと話したかったし」

女 「私と話しても、面白くないわよ」

39: 2010/07/28(水) 13:14:25.92ID:fdGEXFQD0
ああ、とうとうあいつと話してしまった。
どうしてこうなったのだろう。
私の世界は、私だけで、私だけでよかったのに。
帰ってから、本屋に行ってマンガを買った。
買いたくもないマンガを買った。
頭が痛い。胸も痛い。
何とか読んで、話せるくらいには覚えた。
どうして、こんなことに。

40: 2010/07/28(水) 13:21:09.11ID:fdGEXFQD0
男 「ああ、そのシーンか。やっぱ主人公のさ~」

男 「うん、俺もそう思うよ」

男 「気に入ったの?じゃあ、「×××」ってのも面白いよ」

男 「そういえば、「~~~」っていう映画知ってる?」

男 「あれ、俺好きなんだよね」

42: 2010/07/28(水) 13:25:32.52ID:fdGEXFQD0
また、マンガを買った。がんばって読んだ。何とか覚えた。

映画のDVDを借りた。見たくなかったけれども観た。
なんとか覚えこんだ。

痛い。胸が痛い。
頭が痛い。
どうして、なんで?

43: 2010/07/28(水) 13:28:43.10ID:fdGEXFQD0
女 「え?顔色が悪い?」

女 「うん……」

女 「最近眠れないの」

女 「心配事?ないと思う……」

女 「なんか、食欲もないし……」

女 「ごめんなさい、今日の夕飯はもういらない」

女 「心配しないで。私なら、大丈夫」

女 「心配性だなぁ。平気だよ。じゃあ私、部屋に居るから」

44: 2010/07/28(水) 13:39:31.56ID:fdGEXFQD0
男 「女さんって、結構話せるんだね」

女 「ええ……まあ、ね」

男 「そうだ、今度の休み、一緒に遊ばない?」

女 「今度の休みか……なにも、予定ないけど」

男 「ホントに?やった。じゃあ、十時に駅前の掲示板の前でいい?」

女 「えっと……ええ、いいわよ」

男 「うれしいな。可愛い格好で来てね?今から楽しみだよ」

女 「可愛い、格好……」

45: 2010/07/28(水) 13:43:29.05ID:fdGEXFQD0
男友 「くそう、デートだと?人の幸せで飯がまずい!」

男  「へへん、ざまあ」

男友 「うわ、むかつくなお前。しねばいいのに」

男友 「それより、最近なんか女さん疲れてるっぽくね?」

男  「そうかなぁ。今日も楽しく話したし。気のせいでしょ」

男友 「はい、フラグたったー!へんなフラグが立ったよー!」

男  「はいはい、言ってろよ」

男友 「くそう、くやしくなんてないんだからねっ!」

男  「野郎のツンデレは氏滅しろ」

47: 2010/07/28(水) 13:48:39.63ID:fdGEXFQD0
可愛い格好ってどんな格好だろう。
そもそも私は可愛いの?
分からない、分からない。
出かけたときはなにを話せばいいの?
わからない、分からない。
どうすればいいのかな。
どうしたらいいのかな。
だれか、助けて。元の私に戻して。
食欲が出ない。
頭がいたい。
胸もいたい。
いたい、いたい、いたいよ。
助けてよ。誰でもいいから。

48: 2010/07/28(水) 13:53:04.97ID:fdGEXFQD0
男 「楽しみだね、今度の休み」

男 「色々見て回ろうか」

男 「でも一番楽しみなのは、女さんがどんな私服かってことかな」

男 「ああ、言わなくてもいいよ」

男 「可愛い格好で来てね?」

男 「楽しみだなぁ。ほんと、楽しみ」

男 「雨とか降らないといいね?」

49: 2010/07/28(水) 14:00:48.02ID:fdGEXFQD0
私の私服?答えようとしたら言わなくてもいいといわれた。
私の今ある私服はだめってこと?
可愛い格好を強調してる。私が可愛くないからかな?
楽しみだって。どうしよう、まだ何も準備ができてない。
雨が降らないといい?
どうしよう。天気なんて、どうすればいいの?
話題も、準備がないし。
可愛い服も、どんなのにすればいいの?
色々観て回るって言ってた。
どうしよう。私はちゃんと対応できるの?
あああああああああああああ
頭が痛い。
お腹が痛い。
胸が痛い。
食欲もない。
お化粧で、顔色の悪さを隠すのにも限度がある。
男は幸い、あまり私の顔を見ないから。
本で隠しながら、話せるのだけど。
ああ、そういえば。
顔色が悪かったら、可愛くないんじゃ、ない、かな?
ああ。もう。
私はどうすればいいの?誰か助けて。神様。いるなら、私を助けてください。

51: 2010/07/28(水) 14:04:48.56ID:fdGEXFQD0
女 「え?病院?」

女 「やだなぁ。大丈夫だよ」

女 「それに、今度のお休みは男と出かけるの」

女 「そうだよ、デートだよ」

女 「だから、それはダイエットだって。お母さんも分かるでしょ?」

女 「うん、そういうことだから。大丈夫、私は平気」

女 「………ジャナイ」

女 「なんでもないよ。うん。部屋に戻るね?」

女 「……助けてよ、お母さん」

52: 2010/07/28(水) 14:14:19.20ID:fdGEXFQD0
男 「あ、女さん。こっちこっち」

女 「遅れて、ごめんなさい」

男 「まだ時間前だよ、大丈夫。うわ、女さん、その服」

ああ。
もう、ダメだ。
私は、私でなくなる。

53: 2010/07/28(水) 14:17:05.94ID:fdGEXFQD0
女 「……」フラッ

女 「……」ドサッ

男 「え?女さん?女さん!?」

男 「どうしたの大丈夫!?」

男 「とにかく救急車……110?999?199かも!」

男 「ええい、全部試せ……」

男 「つながった!はい、救急です。駅前の・・・・・・」

55: 2010/07/28(水) 14:30:05.34ID:fdGEXFQD0
医者 「これは、精神の方に異常がありますね」

医者 「女さんは、あまりコミュニケーションをとる人ではなかったのですね?」

医者 「ですから、コミュニケーションに慣れていなかった」

医者 「なので、男くんとのコミュニケーションは、女さんにとってかなりの負荷となっていたのです」

医者 「今日は、デートだったとか。これからのコミュニケーションに不安と重圧を感じた女さんは、意識のブレーカーを落としたのです」

医者 「え?大丈夫か?言いにくいですが、精密機械の電源をいきなり切るようなものですよ」

医者 「女さんは、回復しても、元の女さんにはならないでしょう」

56: 2010/07/28(水) 14:35:01.94ID:fdGEXFQD0
男 「どうしてこうなっちゃったのかなぁ……」

女 「……」

男 「俺との会話って、女さんの負担になってたんだね」

女 「……」

男 「何とか言ってくれよ……」


57: 2010/07/28(水) 14:39:57.50ID:fdGEXFQD0
男 「お見舞いに来たよ……あれ?」

男 「いない……」

男 「探してみるか……」

58: 2010/07/28(水) 14:43:59.19ID:fdGEXFQD0
男 「あと探してないのは……」

男 「屋上?」

男 「まさか、ね……」

男 「あるわけない。危機管理ってものがある」

59: 2010/07/28(水) 14:49:52.71ID:fdGEXFQD0
男 「鍵かかってて行けなかった……」

男 「……」

男 「トイレでも行ってたんだろう。戻ってみよう」

男 「また仲良くなりたいな」

61: 2010/07/28(水) 15:01:05.01ID:fdGEXFQD0
男 「入るよ?」

女 「……」

女 「ああ、男」

最後の最後まで、こいつは私の邪魔をするのか?

63: 2010/07/28(水) 15:08:55.23ID:fdGEXFQD0
男は驚いた顔をしている。
なにをいまさら。あなたが私を壊したんだ。
調理室からくすねてきたリンゴと包丁。リンゴはどうでもいい。
私には包丁が重要なんだ。
「ねえ」
どうせ、最後だ。
「あなたが、私を壊したのよ」
恨みごとを言っておいても、罰はないだろう。
「私は、私の世界は、私一人でよかったの」
包丁を逆手で持つ。掲げる。
夕日が反射してきれい。自然と笑みが浮かぶ。

64: 2010/07/28(水) 15:14:10.29ID:fdGEXFQD0
男 「う、うわああああああっ!!」

男が逃げていく。どうでもいい。
どうして、こうなったのか。

「私にだって、分からないわ」

赤。紅。緋。
痛みはない。暖かい。
はじめから。
こうすればよかったんだ。

ハッピーエンド?

65: 2010/07/28(水) 15:14:47.92ID:fdGEXFQD0
あんまこういうのははやんないか。

なんか、あったら答えますよ。

引用: 女「私にだって分からないわ」