377: 2013/06/09(日) 08:42:15.18 ID:CY9RELSC0
片桐早苗は携帯の着信音と共に目を覚ました。
ああ、誰だろう。こんな時間に連絡が来るなんて。
ディスプレイに表示される名前。警官時代の後輩ではないか。
彼のような…いわゆるキャリアが、いまさら私に何のようなのだろう。
国家公務員Ⅰ種試験合格者、つまり警察官僚となるエリートの後輩が。
スマートフォンをタップし、スピーカー設定にした後、ベッドの脇に置いた。
これならスムーズに会話が出来るだろうと思案した上での行動だ。
彼は私の名を呼ぶと、重々しい声で前置きした。
「ああ、ええと。片桐先輩の所属しているプロダクション名を教えて下さい。今すぐに」
「お願いします。緊急を要することなのです。もしかすると、関係あるかもしれません」
話の意図が読めない。さらに、私にも関係があること?
別に何か犯罪を行ったわけでもない。心当たりなど、まるでない。
分からないことばかりの私は、とりあえずという形で、彼に所属先を伝えた。
「今は、シンデレラガールズ・プロダクションにいるけれど」
「やはり、そこで間違いなかったのですか。ああ、先輩。落ち着いて聞いてください」
「そこに所属している人物が、わたしは人を頃した、と言って自首をしてきたのです」
「それも、7人」
「それだけならば、先輩の手を煩わせることはなかったのですが」
犯人が自首。つまり、殺人事件であった、ということ。
そして…7人の自首。異常だ。あまりにも、数が多すぎる。
すぐに思考を戻し続けて、と彼に対して懸命に声を絞り出した。
「誰もが、わたしが1人で彼を頃した。そう告げていくのです」
犯行時刻。場所。動機。誰もが異なる供述をしている、そう述べた。
さらにその被害者の遺体はまだ上がっていない…陰鬱な口調で続けていた。
ああ。私がそう感嘆したときには、それを察したように、ゆっくりと真実を告げた。
「異なる時刻、異なる場所で、異なる人間に殺害された」
「つまり―――」
「―――同一人物が7回氏んでいる、ということになるのです」
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こんなのモバマスじゃないな
380: 2013/06/09(日) 09:05:51.85 ID:CY9RELSC0
「―――どうして、こんな結末になっちゃったんだろう」
彼女は涙を堪え、俺に対してそう呟いた。
いまさら、答えなど出ない。悪いのは全て、俺なのだから。
シンデレラガールズ・プロダクションのビルの屋上。俺たちは空を見上げた。
夏を前に吹き抜ける風に頬を撫でられ、こうなった経緯を回想していた。
この就職難の世の中に、社長は俺の情熱を受け入れてくれた。
そしてプロデューサーという職につき、初めて、彼女に出会ったこと。
仕事を重ねるにつれ、俺と彼女は、いつしか恋に落ちていた。そう気付いたこと。
…けれど、幸せは、永劫不変ではないと、気付いたこと。
新設されたばかりのプロダクションに、そうそう仕事など舞い込まない。
俺は日々を営業周りに、彼女はレッスンに費やしていた。
だが、華を咲かせることはなかった。
毎日毎日、懸命に力不足ながら上手くやってきた。そう思っていた。
だが、結果はどうだ。経営難と笑っていられたことも昔のことだ。今はもう。
倒産寸前、プロダクションが入っている階の物品の差し押さえ。銀行からの借金もある。
もう回る首も日々を生きていくだけの金銭もなくなり、アイドルは路頭に迷った。
ある者は他プロダクションに移籍をし、ある者は就職に励んでいた。
…だが、それもきっと、上手くは行かないだろう。
社長は、家の物を売り払い、それで済むと思っていた。
だが、世の中はあまりにも辛辣で、それだけでは収まらなかった。
所有権の差し押さえ。今月で社長は済む家すら失くなってしまう。そう呟いた。
そこから1週間後…社長は虚無感に満たされた家の中心で、柱に輪をかけ、この世を離れた。
千川ちひろは、あるとき既に姿を消していた。
残されたのは人の命を賭してすら残る莫大な借金と、後悔と、怨恨と。
わずかに残っているアイドルも、ついに、昨日ここを去っていってしまった。
俺も何もかもを差し押さえられ、残っているのはついにこの身体のみになっていた。
「君をトップアイドルにする。そう言っていた夢も、叶えてあげられなかったな」
「ねえ、なんで、そういうことを言うの。まだ、やり直せるよ。まだ、間に合う」
「ありがとう。でも、俺はもうダメなんだ。何もかも。みなに顔向けができない」
フェンス1枚越しで、彼女はすぐ近くにいたが、互いの距離は永遠のようであった。
触れ合っても埋まらない絶対的な距離が、俺の決断を確固たるものにした。
そろそろ、夜も深くなる。俺も、あの輝く星の1つになるのだ。
「俺は」
「俺は、君が好きだった」
「ああ、違うな。今でも、愛しているよ」
彼女は一言も声を発さなかった。違う、発せなかった。
流れ落ちる涙を拭っては、流れて。その繰り返し。
それを見て俺も繰り返せたら。そう思った。
「さようなら」
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続きが思いつかない
385: 2013/06/09(日) 09:25:56.36 ID:CY9RELSC0
わたしは、彼のやろうとしていることが分からなかった。
シンデレラガールズ・プロダクションに所属して以来、変わらなかったこの感情。
頼りないと思っていた彼が、非常に情熱の溢れる好青年であったと気付いた。
それに惹かれ、仕事をする上でも、どうであれ。わたしは彼が好きだ。
とは言っても、経営難のプロダクションに、色恋沙汰など縁遠い話だ。
日に日に減っていく仕事。設立当時はまだ、他が興味で仕事を回した。
だが、アイドルとして未発達であったわたしたちにそれらの仕事は難しかった。
ゆえに、各社は手をひいた。プロデューサーは、日々頭を下げて仕事の依頼を乞うていた。
それでも、希望の光など一筋も差さなかった。誰もが望んでいたことだというのに。
書き込まれることのなくなったホワイトボードは、数週間前の予定が羅列されている。
ああ。あの頃は、まだ1週間に1回であれ、楽しみな仕事があった。
けれど、今となっては、数ヶ月に1回という頻度だ。
ついには、社長は経営方針を変え、事務所の存続だけを願うようになった。
いつかは、転機が訪れる。いつかは、わたしたちの努力は報われるから。
疲れきった顔で社長は呟き続けた。誰に対してでもなく。
他プロダクションの宣伝にも手を染めた。
アイドルを持ち上げる為のアイドル。つまり、やらせ、と呼ぶべきものすら。
それくらいしか、わたしたちに回ってくる仕事などなかった。
未払いの給料があってさえ、わたしたちは笑顔で仕事を続けていた。
ああ、未来など、もうない。そう思ったとき、わたしは彼に想いを伝えた。
「わたし、渋谷凛は、プロデューサーのことが好きです」
答えを求めているわけじゃなかった。けれど、伝えておきたかった。
もう、未来なんてない。きっと、もうすぐ疎遠になるだろう。
泣きそうな声で、それだけを伝えて、事務所を出た。
…その日から、だっただろうか。プロデューサーが変わってしまったのは。
誰にでも誠実だった彼が、一変してしまった。今はもう、何を考えているのかわからない。
あの優しそうな笑顔ですら、一瞬足りとも見かけることがなくなってしまった。
仕事などあるはずもないのに、いつまでも企画の資料を練っていた。
「プロデューサー。プロデューサーは、何をやろうとしているの」
「…凛には、関係のないことだ」
「なんで。なんで、変わっちゃったの。わたしのせいだったら、謝るから」
「誰のせいでもない。本当に、誰のせいでも、な」
「………」
わたしを払いのけるようにして、彼は定刻通り事務所を出て行った。
そこに残されたのは、変わってしまった彼を蔑むような視線と、溜息だけだった。
わたしは、ちらりと想いを馳せるように彼のデスクの上をみた。そして、そこに、存在していた。
…シンデレラガールズ・プロダクションの、倒産計画が。
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これは何か書けそうな気がしてきた
389: 2013/06/09(日) 10:00:00.46 ID:CY9RELSC0
つくってあそぼ。
和久井留美が主演の物を作って遊ぼう、という子供向け番組である。
企画資料も貰い、留美さんはその仕事について快諾していた。
こんなに特定の仕事に熱をあげるのは久しぶりだろう。
企画の上で、俺が和久井留美の助手として出演することになった。
もちろん、プロデューサーという事は伏せて、きぐるみで出演する。
どこかでみたことのあるきぐるみだが名前はポ口リである。
なんだか淫猥な名前ではあるがそれで間違いない。
無論、和久井留美が何かを作るので名前はわくわくさんである。
彼女の通称から来るというのもあり、すぐに人気を博すだろう。
さて、準備お願いします。その声で俺はスタンバイ。
彼女もとても楽しみにしているようだ。
『和久井留美の、つくってあそぼ。はじまります』
「わくわくさん!今日は、何を作って遊ぶんですか?」
『子供』
子供を作って遊ぶ?子供ではとても出来ないではないか。
大人の駆け引きが必須スキルとなってくるぞ。
この時間帯では放送できない。
『子供を作る為の説明書、よ。それがこちら』
婚姻届じゃねえか。何が説明書だよ。
確かに説明書なのだろうが。
あまりにもひどい。
『作った子供を走らせてみましょう』
走らない。最低でも数年は走らないと思います。
子供妊娠して走りだすまで同じ内容で放送し続けるの?
全力疾走ができるまでには5年くらいかかりそうなものだろう。
「え、ええと。わくわくさん。じゃあ、それを作る材料をお願いします」
『あるわよ』
「えっ」
そう言って、なんだか妖艶な笑みを浮かべて白いワイシャツを脱いでいく留美さん。
わくわくさん。俺は今とってもわくわくしています。わくわくが止まらねぇ。
ここよ、言って俺の股間を撫で回し、着包みを脱がす。そして言った。
『ポ口リ』
おわり
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前わくわくさんのつくってあそぼSSみて面白くて書いてみたかった
反省はしていない
引用: モバマスSS練習スレッド



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