672: 2017/12/01(金) 18:58:56.49 ID:+h7s1ZHc0


前回:本田未央「プロデューサーとのごはん」モバP「広島風お好み焼き編」
最初から:本田未央「プロデューサーとのごはん」

P「誕生日おめでとう、未央」

未央「ありがと、プロデューサー。日付が変わった時にもメッセージをくれたから、今日二回目だね」

P「だな。去年や一昨年みたいに盛大に祝う時間はとれないからその代わりに……だと、さすがに小さすぎるか」

未央「うむ、それだと未央ちゃんは満足できませんなー。受験生とは言っても休息は必要なのです。他のみんなは予定があったりして無理だけど……今日一日、プロデューサーは未央ちゃんのもの、だよね?」

P「違うが」

未央「えー。誕生日プレゼント、『プロデューサーのこと一日好きにしていい券』じゃないのー?」

P「そんなことを言った覚えはないんだが……今日は誕生日とか関係なく仕事が入ってるからな。そんな時間はない」

未央「仕事が終わってからだったらいいでしょ? 今日の仕事は……撮影、だったよね?」

P「そうだ。もうちょっとゆっくりしてから行くか? それとも……」

未央「ん、大丈夫。プロデューサーが来るまでに他の子とはちょっと話したし、撮影前の準備もあるでしょ? あんまり早く着いても迷惑かもだけど」

P「わかった。なら行くか」

未央「うん。それじゃ、お仕事頑張ろー!」
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673: 2017/12/01(金) 18:59:37.65 ID:+h7s1ZHc0

――

P「お疲れ、未央。良かったよ」

未央「えへへ。ありがと、プロデューサー。今日は未央ちゃんの新境地を見せられたんじゃないかな~、なんて」

P「もちろん、それが狙いだったからな。とは言っても、俺も驚かされた一人ではあるんだが……」

未央「私もアイドルですからなー。プロデューサーの予想をも超えてゆく……そう、それはまるで、あの星のように……」

P「どの星だよ。あと予想と星関係なくないか?」

未央「それはまあ雰囲気ですよ雰囲気。それよりも、まだ時間、あるよね?」

P「撮影も早めに終わったからな。どこか行くか?」

未央「うん! 今日のプロデューサーは私のものだし?」

P「だからそんなこと一度も……まあ、わかったよ。それで、どこに行く? 誕生日だし、そこそこ高い店でもいいが……」

未央「えっとね。それは――」

674: 2017/12/01(金) 19:01:00.65 ID:+h7s1ZHc0

――店の前

P「……本当によかったのか?」

未央「うん。遠慮とかしてるわけじゃないよ? 私、今更プロデューサーに遠慮とかしないもん」

P「それはわかってる」

未央「む。そこで『わかってる』って言われるのもなんか複雑な気が……まるで私がプロデューサーに対してわがままばっかり言っているみたい」

P「言ってない気か?」

未央「……言ってるかもしれなしい、言ってないかもしれない。難しい問題ですね」

P「誰だよ。まあ、確かに未央は変なところで遠慮することもあるけどな」

未央「んっ! ……それはあんまり言ってほしくないんだけど」

P「事実だろ? これでも長い付き合いだからな。今更そんなことで恥ずかしがるなって」

未央「……プロデューサーだって、変なところですぐ落ち込むし変なところで面倒くさかったりするし、あと――」

P「ごめんなさい」

未央「ふふん、よろしい。プロデューサーが私の弱みを知っているように私もプロデューサーの弱みを知っていることを忘れないように!」

P「肝に銘じます。……って、こんなことしてないで、さっさと入るか」

未央「そだね」

675: 2017/12/01(金) 19:01:40.29 ID:+h7s1ZHc0

――店の中

未央「ふぅ……店の中に入るとやっぱりあったかいね」

P「ああ。でも、誕生日にラーメン屋か……」

未央「ラーメンが食べたい気分だったからねー。あと、ラーメン屋さんと言えばプロデューサーと色々と思い出もある場所だし?」

P「ここ連れてくるの初めてだけどな」

未央「ラーメン屋というジャンルの話だからいいのです。最近あんまりラーメン屋さんに連れて行ってもらってなかったし?」

P「確かに結構久しぶりか。未央と来るなら、って考えるとあんまり行ったことのない店に行こうと思うからな……」

未央「あー、やっぱり? それで、ここは何が有名なの?」

P「何が、って言うと難しいが……貝?」

未央「貝のラーメン……あんまり食べたことないかも?」

P「かもしれないな。そこまで珍しいってこともないが、そこそこ珍しいからな」

未央「やってるところはやってる、みたいな?」

P「そうだな。それくらいの表現がちょうどいい。で、注文は?」

未央「プロデューサーと一緒で!」

P「ん。それじゃ、ラーメンとチャーシュー丼だな。……いや、未央には多いか?」

未央「多いかな? でも、チャーシュー丼も気になるし……うん、一緒にする」

P「わかった。じゃ、それで頼むな」

未央「はーい」

676: 2017/12/01(金) 19:02:48.32 ID:+h7s1ZHc0

――

P「で、来たな」

未央「ほほー……こういうビジュアルですか。なんだか綺麗に盛り付けられてるね」

P「見た目も味に影響するもんだしな。のびたらなんだし、さっさと食べるか」

未央「うん! それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(でも、本当に綺麗な盛り付けだなー……薄切りのチャーシューがスープを覆うように盛り付けられていて、スープがあんまり見えない。まずはこのチャーシューにどいてもらって……お、このチャーシュー、やわらかくて、しっとりした感じ。レアチャーシュー? って言うんだっけ。これはチャーシューを食べるのも楽しみ……だけど、まずはこの、黄金に輝く透き通ったスープから!)ズズ……

未央「……ん!」

未央(貝! 貝だ! もう、本当『貝―!』って感じ! 口に含んだ瞬間に口の中が海の……えっと、とにかく、貝でいっぱいって感じ! 味は醤油系? でも、醤油の味はそこまで強くないかな。強烈な貝の味と醤油の味、旨味と香りが口いっぱいに広がって……うん、本当に、『広がる』って感じ。余韻も貝~って感じで……ほんの少し、貝独特の『えぐみ』みたいなものも感じる。でも、どうしてかそれが全然嫌じゃなくて……どうしてなんだろう。それもなんだか『おいしい』って感じる)

未央(……スープを飲んだだけでわかる。このラーメン、めちゃくちゃおいしい。なんでおいしいラーメンってこんなにおいしいんだろう……いや、ラーメンだけじゃないだろうけど)

未央(とりあえず、次は麺を食べよう。ラーメンと言えば麺だからね。それを食べないことにはまだ勝負はわかりませんよ。なんて、料理漫画とかだったら展開が読めるフラグを言っておいて……)ズズ……

未央「……ん」

未央(うん! わかってた! これはおいしい! やっぱりラーメンは麺とスープの相性が大事だよね! しっかりとスープの味が一緒になって、でも歯ごたえは結構しっかりして主張していて……うん、すするのが気持ちいい麺、って感じ。ずるずるすするのが気持ちいい。それが貝の旨味が凝縮された極上のスープと一緒になるんだからもう最高。うーん、これはすごい……)

未央(と、スープと麺を味わったところで、一回チャーシュー丼を食べてみましょう。細かく切り刻まれたチャーシューがいっぱい乗ってて半熟玉子まで付いてるチャーシュー丼。……これもこれでおいしそう。とりあえず、いただきます)パクッ

未央「……うん」

未央(おいしいよね! うん、これはおいしい! ラーメンとはちょっとベクトルの違う味。なんだか『おいしい』っていう直球で来た……みたいな? 肉の旨味で口の中を征服してやるぜー! みたいな。ラーメン屋さんのこういうちっちゃな丼ってなんだかすごくおいしかったりするのはなんでだろうなー)

未央(さてさて、またスープを飲みまして、っと……あー、やっぱりおいしい。麺もすすって、それから具に手を付けていきましょう)

未央(チャーシューとメンマと煮玉子と……チャーシュー丼とラーメンで玉子がかぶってしまったなー。いや、チャーシューもかぶってるんだけど、ラーメンの方はレアチャーシューだし? ちょっと違うってことで)

未央(とりあえず、メンマからー……んー……強烈な何かがあるってわけじゃないけど、落ち着く感じ……コリコリしてて、味もおいしくて……良い感じ……)

未央(それじゃ、次は……この大ぶりのチャーシューをいただきましょうか! 麺と一緒に食べるかどうかは迷うけど……まずは、これ単品で!)パクッ

未央「……んー」

未央(おーいーしーいー……厚みはそんなだけど、結構大ぶりだったから、一気に頬張るとぼりゅーみー……口の中がお肉でいっぱい。しっとり上品で口の中に旨味が広がる感じ……おーいーしーいー……)

未央(はぁー……なんだか気が抜けてしまった……ここは煮玉子パイセンに口の中をキリッとさせてもらいましょう。煮玉子パイセン、カモン!)パクッ

未央「んー……!」

未央(やっぱり煮玉子パイセンは偉大ッスー! とろとろ半熟濃厚煮玉子ー! やっぱりおいしい! そのままスープ! うん! おいしい! 麺! おいしい! しーあーわーせー!)

677: 2017/12/01(金) 19:04:15.51 ID:+h7s1ZHc0

――

未央「ふぅ……結局スープぜんぶ飲み干しちゃった……」

P「ここのうまいからなー。俺もあんまり飲み干す方じゃないが、ここのは飲み干す。濃すぎることはないし、うますぎるから」

未央「ハッ! まさか、多すぎるんじゃないか、って言うのはこういうこと……?」

P「バレたか……いや、未央も飲み干しとは思ってなかったけどな」

未央「おいしかったからねー。アイドルもラーメンの汁を飲み干すことはあるのですよ」

P「あるか? ……いや、ありそうだな」

未央「あるある。まあ、さすがにちょっと気をつけないと、だけどね」

P「アイドルだもんな」

未央「プロデューサーもだよ? 大人なんだし、私よりも危ないかもよ~?」

P「……善処します」

未央「それしないやつ。もう、健康診断とかはどうなの?」

P「今のところは大丈夫……の、はずだ」

未央「ハズじゃ安心できませんなー。プロデューサーの身体も大事なんだし、ちゃんと気を付けてよ?」

P「……まあ、うん。少なくとも病気にはならないようには気をつけたいと思います」

未央「よろしい。それじゃ……帰る前に、ちょっと、いい?」

P「ん? 構わないが……なんだ?」

未央「えへへ。ちょっとね。プロデューサーと、行きたい場所があって」

P「行きたい場所……?」

未央「あ、さすがの私でも一八歳になったからそういうところにー、とかじゃないよ? そこは心配しなくてもいいから」

P「最初からしてない。高校生だしアイドルだしな」

未央「でも私の友達に」

P「それは話すな! 女子高生への幻想が壊れる!」

未央「幻想ってわかってるんだ……」

P「夢でしかないとわかっていても夢を見ていたいものなんだよ。アイドルと同じで、な」

未央「アイドルと一緒にされたくないんだけど!?」

P「……そうだな。俺としたことが、取り乱してしまった」

未央「そんなに……? まあ、それはそれとして、連れて行ってくれる? プロデューサー。私が行きたい場所に」

P「……ああ。連れて行くよ。未央が言うならどこにでも、な」

未央「……そういうところでも?」

P「だからそういうことは言うな」

678: 2017/12/01(金) 19:05:23.42 ID:+h7s1ZHc0

――

P「よ、っと……ここだな」

未央「うん。東京で星が見える場所。この時間なら、まだ行けるかなーって」

P「この時間なら、まだ、な。……でも、本当に見えるな。東京に、こんなに星が見える場所があったのか」

未央「アーニャに教えてもらってねー。私も、こんなに見えることは知らなかったけど」

P「星がよく見える場所で撮影、なんてこともあったが……いつでも行けるような場所でこんなに見えると、ちょっと、変な感じだな」

未央「だね。……プロデューサー、星、綺麗だね」

P「そうだな。……本当に、綺麗だ」

未央「私は?」

P「……言わされてるみたいで嫌なんだが」

未央「プロデューサーから言わないから悪いんだよ?」

P「言う暇ほとんどなかっただろ……でも、綺麗だよ、未央」

未央「綺麗だけかな?」

P「んー……こういうところで茶化すところは面倒くさくてかわいいよな」

未央「……それはあんまり言われたくなかったかも」

P「ははは。調子に乗るから悪い」

未央「むぅ。今日の私は『プロデューサー一日好きにしていい券』を持っているのに……」

P「渡してない渡してない。……誕生日プレゼントは、別にあるしな」

未央「え?」

679: 2017/12/01(金) 19:06:25.85 ID:+h7s1ZHc0
P「誕生日おめでとう、未央。受け取ってくれ」

未央「う、うん。……開けても、いい?」

P「ああ。開けてくれ」

未央「それじゃあ……これは、ペン?」

P「ああ。普段使いできるものの方がいいかと思ってな。受験に使うには、遅かったかもしれないが」

未央「……ううん。ありがとう。大切に、使わせてもらうね」

P「……よろこんで、くれたか?」

未央「え? そりゃ、まあ、プロデューサーからのプレゼントだし、このペンも、なんだか良いペンっぽいし……授業とかではちょっと使いにくいかもだけど、プロデューサーも、勉強用に、って渡したわけじゃないでしょ?」

P「いや、使い方は自由にしてくれて構わないが……いざ渡す、ってなると本当にこれで良かったのかって考え出してな。結構、不安でいっぱいだった」

未央「……プロデューサーって、そういうとこあるよね。大丈夫だよ。確かに『指輪じゃないのかー』とは思ったけど」

P「指輪はない」

未央「ないかー。でも、いつかは欲しいなー……ちらっ」

P「……いつか、な。いつか」

680: 2017/12/01(金) 19:07:11.58 ID:+h7s1ZHc0
未央「お! 言ったね? 言質とったから! 私、もう忘れないよ?」

P「そこはもうちょっとしおらしい反応じゃないのか?」

未央「ふっふっふ。未央ちゃんは力の入れどころを見誤らないのです。ここで言質をとっておかないと、プロデューサー、色々と言い訳とかしそうだし?」

P「さすがにしない。……と思う。たぶん」

未央「たぶん?」

P「……絶対」

未央「うむ。それでよいぞ、プロデューサー」

P「王さま?」

未央「みおおうさま」

P「なんかよくわからんな」

未央「みおおうさま、みおーうさま……未央サマー! ハッ! 夏は私の季節とは、つまり、未央ちゃんが王さまだということを表していたのかー!」

P「いや意味わからん。今冬だし。未央は王さまじゃないし」

未央「ちょっと意味わからないノリになっちゃってた?」

P「ちょっとというかだいぶな。だいぶ」

未央「そっかー。えへへ。プロデューサーからのプレゼントが嬉しくて、かも。なんちゃってー」

P「……照れ隠しでもそう言われると、なんか、嬉しいな」

未央「お、プロデューサーかわいい」

P「かわいい言うな。……と言うか、冬って思うとなんだか急に寒くなってきたな」

681: 2017/12/01(金) 19:08:29.85 ID:+h7s1ZHc0
未央「そだね。……手、つなぐ?」

P「……ん」ギュッ

未央「……プロデューサーの手、あったかいね」

P「未央の手も、な」

未央「ということは……私たち、アツアツ?」

P「それ、違う意味に聞こえるからやめろ」

未央「でも、間違ってはない……でしょ?」

P「……かもな」

未央「……えへへ。プロデューサー、腕も腕も」

P「んっ……当たってるんだが」

未央「それは『あててんのよ』ってやつですよ。未央ちゃんのふにふに……いや、ブラ越しだからそこまでやわらかくはない? どう?」

P「感想を求めるな! ……やわらかいです」

未央「うん、正直者でよろしい。えOちなプロデューサーくん♪」

P「えOち言うな。工口い未央」

未央「工口っ……工口い未央は、ひどくない? どっちの意味にもとれるし……」

P「……どっちの意味でも合ってるだろ?」

未央「合ってませんー! どっちの意味でも工口くなんかありませんー」

P「いや、それはない」

未央「なんで!?」

P「だって……ああ、もう、暑くなってきた。そろそろ離れろ」

未央「ダメですー。でも……プロデューサーって、私のこと、そういう目で見てたんだ」

P「……そういう目だけじゃないぞ? というか、誕生日になんでこんな話をしてるんだよ……」

未央「プロデューサーが工口いとか言ったから?」

P「お前が胸を押し付けたからだろ……」

未央「そうかな? それじゃあとりあえずこれでこの話はおしまい、ってことで」

682: 2017/12/01(金) 19:09:17.08 ID:+h7s1ZHc0
P「……それでも腕は組んだままなんだな」

未央「あ、おしまいって言ったのに続けてるー。というか、今までにも腕を組むことはいっぱいあったでしょ? 慣れないの?」

P「慣れな……いや、確かに、少しは慣れたかもしれないが、こう改めて考えるとだな……」

未央「そっか。うん、プロデューサーも、そう、だよね」

P「も?」

未央「なんでもありませーん。……プロデューサー、もうちょっと、このまま星を見ていてもいい?」

P「このままって……このままか?」

未央「うん。……ダメ?」

P「……いや、今日は未央の言うことを聞く日、らしいからな。それくらいなら、いくらでも」

未央「……ありがと、プロデューサー」

P「どういたしまして」

未央「……ね、もう一回、誕生日、祝ってくれない?」

P「ん? ……そうだな。誕生日おめでとう、未央。この一年もよろしく」

未央「こちらこそ、この一年もよろしく、プロデューサー。私のこと、もっともーっと輝かせてよね☆」



本田未央「プロデューサーとのごはん」モバP「ドーナツ編」
683: 2017/12/01(金) 19:16:03.43 ID:+h7s1ZHc0
これにて今回は終了です。
割りと久しぶり? なラーメンです。でも「久しぶり」なんて言葉が出てくる時点でラーメンを何回も書いているということ……これはいったい……?

今年は更新頻度ぜんぜんでしたがこのSSでの未央が受験生だったからー……とかではなく普通にあんまり書けなかっただけです。これからもこれくらいの頻度かもしれませんが、そこそこの頻度で書いていきたいなー……と思います。

本田未央さん、誕生日おめでとうございます。この一年も、あなたが輝く一年でありますように。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

引用: 本田未央「プロデューサーとのごはん」 その2