701: 2018/04/22(日) 20:57:28.85 ID:swKObOD40


前回:本田未央「プロデューサーとのごはん」モバP「ドーナツ編」
最初から:本田未央「プロデューサーとのごはん」

未央「高校卒業アンド入試合格アンド大学入学祝い!」

凛「お寿司だっけ」

P「だな」

藍子「でも、良かったんですか? 回らないお寿司って、高いんじゃ……」

P「高級店ってわけじゃないから大丈夫だよ。ありがとう、藍子。気遣ってくれて」

未央「……あのー、未央ちゃんの声、聞こえてるかなー」

凛「聞こえてるよ」

P「聞こえてる」

未央「それだったらさっきのに何かしらの反応が欲しかったんですけど! にぎやかし的な!」

藍子「えっと……わ、わー?」

未央「うう……あーちゃん。やっぱりあーちゃんだけが私の味方だよ……」

P「未央まで藍子に気遣わせてるな……」

凛「と言うか、入学祝いだけでいいと思うんだけど。他の、いる?」

未央「いりますとも。その三つが合わさったからこそ、プロデューサーが回らないお寿司屋さんに連れて行ってくれるんだからね」
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702: 2018/04/22(日) 20:58:50.29 ID:swKObOD40
P「べつにそういうわけじゃないが……まあ、本当におめでとうな、三人とも。大学はもう始まって少し経つくらいだと思うが、どうだ?」

未央「楽しい!」

藍子「楽しいです」

凛「『こういうのなんだ』って感じかな」

P「んっ……り、凛さん? なんか、二人に比べて答えがずいぶん淡白なんですが」

凛「まだ入ったばっかりだしね。高校の時とは全然違って……自由? と言うか、放任? な感じだけど、それくらいじゃない?」

P「えぇ……いや、まあ、俺もそんな感じだったかもしれないが、もっとこう、他に……ないか?」

未央「んー……なんでも自由にできるぶん、『なんでもできるー!』みたいな感じがある、とか?」

P「お、それそれ。そういうのがやっぱり大学の――」

凛「私たちの場合、自由にできるぶんはだいたいアイドルの時間になるから」

P「……ごめんなさい」

藍子「あはは……まあ、忙しいことはいいことですから。いつもありがとうございます、プロデューサーさん」

P「あ、藍子……よーし! これからもばんばん仕事とって来てやるからな!」

藍子「はいっ」

P「凛も! 大学生活、充実させてやるからな! 覚悟しとけ!」

凛「うん。期待してるよ」

703: 2018/04/22(日) 20:59:51.00 ID:swKObOD40
P「……それで、実際のところ、大学はどうなんだ?」

凛「まだ気にしてたの?」

P「そりゃ、まあ……気になるよ」

凛「……悪くないよ。未央や藍子ほどかはわからないけど、楽しんでる、と思う」

P「そうか。……良かったよ」

凛「……ふふっ」

P「なんで笑う?」

凛「いや……プロデューサーは、私のお父さんなの? と思って」

P「……そんな感じのこと言ってたか?」

凛「うん。言ってた」

P「そうか……まあ、凛のことを大切に思っている、ってことで」

凛「ふふっ。じゃあ、そうしとく」

未央「……お二人さん、私たちのことを忘れてはいませんかね?」

凛「忘れてないよ。ね、プロデューサー」

P「忘れてない忘れてない」

藍子「じゃあ、私たちは?」

P「……私たちは?」

未央「私たちのことは、どう思っているのかってことですよ。ね、あーちゃん」

藍子「そういうことです」

P「そりゃ、大切に思ってるよ。当然だろ?」

未央「本当に?」

藍子「凛ちゃんと同じくらい?」

P「藍子にそうやって詰められるの、なんか、変な感じなんだが……もちろん、二人とも、凛と同じくらい大切に思ってるよ」

未央「ふむふむ……それならよろしい」

藍子「いえ、よろしくありません。未央ちゃんと私たちじゃ、大切の種類が少し違うんじゃないですか?」

P「んっ!?」

未央「ちょ、あーちゃん!?」

704: 2018/04/22(日) 21:00:45.49 ID:swKObOD40
凛「あ、それは私も気になるかも。どうなの? プロデューサー」

P「……凛、お前、いやらしい微笑み方覚えやがって」

凛「レッスンの成果じゃないかな」

藍子「それで、どうなんですか? プロデューサーさん、未央ちゃん。未央ちゃんが大学生になって、お二人の関係に進展はあったんですか?」

P「藍子も記者みたいな聞き方するな?」

藍子「レッスンの成果です」

P「くっ……こいつら、アイドルから色んなものを得てやがる……! それも、余計なものを……! ……と言うか、未央! こういう時は未央が助けてくれる流れじゃないのか!?」

未央「えーっと……私も、その件については詳しく聞きたいなー、って」

P「ちょっ……お前、また、かわいいこと言いやがって! でも今は助けてほしいんだが!」

凛「かわいいだって」ヒソヒソ

藍子「これはスクープが期待できますね」ヒソヒソ

P「聞こえるようにひそひそ話するな! 何もないからな? 本当に」

未央「……何も、ないの?」

P「あっ……いや、今のは、だな」

凛「これ、修羅場じゃない?」ヒソヒソ

藍子「修羅場ですね」ヒソヒソ

P「そこの二人、聞こえてるからな……! あと、未央。お前もわかってるだろ? さっきのは、そういう意味じゃなくてだな……」

未央「……じゃあ、どういう意味?」

P「それ、は……」

未央「……んふっ。あ、ごめ、でも、もう無理……あははっ」

P「は? ……あー」

凛「どうしたの? プロデューサー。そんな溜息ついて」

藍子「ふふっ、あ、すみません。……ふふっ」

P「……凛も藍子も、あんまりこういうことしない方だと思ってたんだが」

藍子「やってるうちに乗ってきちゃって」

凛「何のこと?」

P「凛は共犯者が自白してるのによくのうのうとそう言えるな?」

凛「私は関係ないから」

P「ノリノリだったやつの台詞じゃないんだが」

未央「まあまあ。それくらいにして、そろそろ行かない? 私、お腹空いてきちゃったなー?」

P「ん、そうか。そうだな。そろそろ行くか」

未央「それでは、回らないお寿司に……レッツ、ゴー!」

藍子「おー♪」

凛「おー」

P「……そんな高いところじゃないからな? マジで」

705: 2018/04/22(日) 21:01:25.43 ID:swKObOD40

――店の前

未央「ほうほう……確かに、お寿司屋さん! って感じのお店だね」

凛「プロデューサーが言ってた通り、そんなに高級店って感じじゃなくて、街のお寿司屋さん……みたいな感じだね」

藍子「念のためにお金を用意しておいたんですけど……余計な心配だったみたいですね」

P「……藍子。心配してくれるのは嬉しいんだが、べつに高級店でも無理したら払えるからな? ちゃんと給料もらってるからな?」

藍子「ですよね。失礼なことだとはわかっていたんですけど……回らないお寿司って聞くと、なんだか必要以上に身構えちゃって」

P「その気持ちはわからないでもないが……大学生になったとは言っても、それでいきなり大人になるわけじゃない。気楽に構えて任せてくれ」

藍子「……はいっ」

P「それで、だ。……そこの二人は、何をそわそわしているんだ?」

未央「っ……と、ですね。べつに、なんでもない、デスヨ?」

凛「私は本当になんでもないよ。いっしょにしないで」

P「……未央?」

未央「……実は、私も結構お金を持ってきておりました」

P「……そうか」

未央「プロデューサーを信用してなかったわけじゃないんだよ? でも……万が一があったらことだな、と思いまして」

P「……そうか」

未央「……あの、プロデューサー?」

P「……俺、もうちょっと身なりとかに気を遣った方がいいのかな」

未央「わー! ごめん! ごめんって! 私たちが心配し過ぎただけだからー!」

藍子「そ、そうですよっ。大丈夫ですから。ね?」

凛「……お店の前で騒いでないで、もう入らない?」

P「はい」

未央「ごめんなさい」

藍子「えっと……じゃ、じゃあ、入りましょう」

706: 2018/04/22(日) 21:02:34.17 ID:swKObOD40

――店の中

未央「ん、中は思ったよりも広い……かも?」

凛「カウンターだけじゃなくてテーブル席もあるんだね。思ってたよりも気楽そう」

藍子「内装も完全に和風、というわけではないんですね。雰囲気はちゃんとありますけど、そこまでぴりっとしていない、というか」

P「そんなもんだよ。まあ、俺も色んなところに行っているわけじゃないからわからないんだが」

未央「この店にはよく来るの?」

P「ちょくちょくな。月に一回来るかどうか……いや、何ヶ月かに一回くらいか」

凛「いつもは誰と来てるの?」

P「何人かで来る時もあるけど、結構ひとりでも来るからな?」

藍子「お寿司屋さん……ということは、どちらかと言うと日本酒が好きな人ですか?」

P「いや、鮨も最近は結構ワインとのマリアージュに凝ってるところもある……が、ここは確かに日本酒だな」

未央「へー……お寿司と言えば日本酒ってイメージがあったけど、それだけじゃないんだね」

凛「どっちにしても、私たちはまだ飲めないけどね」

P「まあ、それはまた飲めるようになった時にな。ただ、本当に飲み過ぎないように。この三人だと……たぶん、大丈夫だと思うが」

未央「意外とあーちゃんがすごい酒豪だったりして」

藍子「えっ」

凛「ちょっとわかるかも。飲むペースはゆっくりだけど、ずっと飲み続けている藍子。想像できるから」

藍子「わ、私、そんなイメージありますか?」

P「なくはないな。逆に、めちゃくちゃ弱かったりするかもしれないが」

未央「お酒に弱いあーちゃん……それはそれで、想像するだけでかわいいですなー」

凛「藍子はどういう酔い方するんだろうね。意外と、悪酔いするタイプだったりして」

未央「ちょっと子どもっぽくなんてなられたらもうイチコロだね。かわいすぎて心配」

P「その場合は禁酒だな。藍子には悪いが、大事なアイドルだからな。信用できる誰かがいない限りは禁酒だ、禁酒」

藍子「……まだお酒を飲める年齢になってもいないのに、禁酒令まで出されちゃうんですか」

未央「あはは。でもまあ、あーちゃんはゆるふわだけどしっかりしてるし、大丈夫だと思うけどね」

P「誰でもダメになる可能性があるから酒はこわいんだけどな……」

凛「実感こもってるね」

未央「とにかく、酒は飲んでも飲まれるな、ってことですよ。そもそも今日誰もお酒飲まないのに、どうしてお酒の話に……」

P「さて、じゃあ何を注文しようか。俺はいつもおまかせでいくつか握ってもらってからお好みで……って感じなんだが、どうする?」

凛「話の変え方、ちょっと強引過ぎない? 私はそれでいいよ」

藍子「私もです」

未央「私も」

P「それじゃ、それで頼むか。すみません」

707: 2018/04/22(日) 21:03:24.10 ID:swKObOD40

――

未央「お、これは突き出しってやつですね?」

P「そうだな。イカの湯通し、か」

凛「シンプルだね」

P「この感じがいいんだよ。ぐにぐに噛んで酒を飲んで寿司を待つ……って、酒は飲まないんだが」

藍子「……飲みます?」

P「飲まない」

未央「とりあえず、一口もらうね。……ん、おいしい。そこまでかたいわけじゃなくて、でも、しっかりと弾力はあって……確かに『いい感じ』だね」

凛「ん……うん。そうだね。おいしい。こういうの、私は好きだな」

藍子「確かに、凛ちゃんはシンプルなものが好きそうなイメージがありますね」

未央「あ、わかる。しぶりんはそういうの好きそう。まっすぐだし」

凛「まっすぐだし、って……どういう意味?」

未央「なんか……寄り道せずに、まっすぐに、と言うか……無駄がない感じ?」

藍子「洗練されたイメージですかね」

未央「あ、それそれ。洗練された感じ」

凛「……よくわからないんだけど」

P「なんてそっけなく言いながらも、内心くすぐったい気持ちになっている凛ちゃんなのでした」

凛「いちばん高いのばっかり頼んでもいい?」

P「ごめんなさい調子に乗りましたさすがに勘弁して下さい」

未央「……プロデューサー、たまにそんな感じになるよね」

藍子「プロデューサーさんですから」

P「……藍子? それ、俺、褒められてる? それとも貶されてる?」

708: 2018/04/22(日) 21:04:37.89 ID:swKObOD40
凛「ん、次の、来たね。……鰹?」

未央「ほうほう……これは、おいしそうだね」

P「ああ。大ぶりで、軽く炙られていて……絶対うまいな」

藍子「それじゃあ、もらいますね。……わ」

未央「……おお。これは、すごいね」

凛「香ばしさもあって、脂の甘みもあって……でもそれ以上に旨味があるね」

P「めちゃくちゃうまいな……めちゃくちゃうまい」

未央「プロデューサー、語彙力語彙力」

P「いや、だって、もう……めちゃくちゃうまい」

未央「わかるけど」

藍子「プロデューサーさんがそうなるんですね……」

P「俺は食レポの仕事とかしないからな」

凛「それ、関係ある? と言うか、プロデューサーなら私たちにアドバイスできるくらいの方がいいんじゃないの?」

P「アドバイスができるかと自分ができるかはまた別だから問題ない」

未央「それではプロデューサー、さっきの私たちの得点は?」

P「いい感じだったんじゃないか? 素の反応って感じで」

凛「素だし」

藍子「素ですからね」

未央「ふむふむ……つまり、ありのままの私たちを大事にしろ、ってことだね!」

P「なんかいい感じにまとめてくれたな」

凛「それで、実際はどうなの? プロデューサー」

藍子「そういうことなんですか?」

P「そりゃ大事にはした方がいいんじゃないか? どっちがどっちかわからなくなったら困るからな。考え過ぎても良くないとは思うが」

未央「……プロデューサー、やっぱり色々考えてくれてるんだね」

P「プロデューサーだからな。それなりには考えてるよ」

凛「身なりについても?」

P「……やっぱりそんなにダメか?」

未央「ちょ、しぶりん、ここで掘り返す? またプロデューサー面倒くさい状態に入っちゃうじゃん」


709: 2018/04/22(日) 21:05:04.78 ID:swKObOD40
P「面倒くさい……身なりもしっかりしてなくてさらに面倒くさくてごめんな……」

藍子「お酒、飲んでませんよね?」

凛「本当に面倒くさいね」

未央「大丈夫だよ、プロデューサー。プロデューサーはかっこいい……プロデューサーはかっこいい……面倒くさいところもかわいい……面倒くさいところもかわいい……」

凛「催眠術?」

未央「むむむむ……むーんっ!」

藍子「超能力ですか?」

P「ハッ! ……お、俺は、かっこいい……そして、かわいい!」

凛「効いてるし」

未央「そう、そうだよ、プロデューサー……プロデューサーはかっこいい……そしてかわいい……」

藍子「これ、まだ続けるんですか……?」

P「かっこいい……そして、かわいい……そうか! 俺が……俺こそが、アイドル!」

凛「違うよ」

藍子「違います」

未央「ごめん、それは違うよ」

P「未央、ここで梯子を外すのはさすがにひどい」

710: 2018/04/22(日) 21:05:43.88 ID:swKObOD40
未央「とかなんとかやってる間に、握りの時間だよ。まずは……イカ!」

藍子「突き出しでも出ましたけど、やっぱり全然違いますね」

凛「じゃあ、早速……ん。これ……すごくおいしい」

P「身は包丁が入れられてやわらかく、すっきりとした強い甘みが噛むごとに広がる。そんでまた、酢飯がうまいんだよな。うまいイカと喧嘩もせず、しっかりうまい」

未央「歯切れも良いね。でも同時に、ふわっと口の中で解けるみたいな感じもする。……うん、すごくおいしい」

藍子「次は……カスゴ? って」

P「春の子と書いてカスゴだな。鯛の幼魚だ」

未央「ほうほう、鯛の……ん! んんー! おいしい!」

藍子「やわらかくて……でも、旨味も強くて。それが口の中で酢飯と混ざって……おいしいです」

凛「次は鯖だね。……うん、おいしい。脂が舌の上を流れるみたいに溶けていくね」

未央「それから、しっかりとした旨味もあって……おいしいなぁ」

P「で、ヅケ。……ああ、うまいな。ちょうど良い。程よい酸味がまた良いな」

藍子「イクラ……おいしいです。イクラそのものの味、という感じで、どこかすっきりとした味わいで、とっても、おいしい」

凛「蛤、か……おいしいね。やわらかい。甘くてコクのある煮詰めと蛤の風味、そこに酢飯が絡み合って……うん、すごくおいしい」

未央「そして、海老! ……んー! めちゃくちゃおいしい! と言うか、甘いね! 肉厚で、何と言うか……幸せが凝縮されているみたい」

P「それから穴子。……溶けていく。ふわふわとして柔らかく、香り良く、酢飯と絡まり合って、口の中で解けて溶ける。……最高だな」

未央「……おまかせはこれで終わり?」

P「ああ。お好みでも食べたいと思ったんだが……どうする? まだ食べるか?」

未央「食べたい」

藍子「プロデューサーさんがよければ」

凛「私も」

P「よし。それじゃ、俺は小柱と平目と海胆と鰯と――」

未央「いきなり多い」

藍子「そんなに食べたいものがあったんですか……」

凛「……まだ食べてないのを目の前で食べられたら、食べたくなりそうだね」

未央「あ」

藍子「……プロデューサーさん、できればそんなには注文しないで下さいね」

711: 2018/04/22(日) 21:06:48.99 ID:swKObOD40

――店の外

P「ふぅ……最高だった」

凛「それは否定しないけど」

藍子「……お腹、いっぱいですね」

P「俺に合わせなくても良かったのに」

未央「あんなおいしそうな顔して目の前で食べられて我慢できるわけないじゃん」

P「はっはっは。でも動けないってほどじゃないだろ? 俺もめちゃくちゃ満腹ってほどは食べてないし……そうじゃなくても、めちゃくちゃ満足感あるからな……」

未央「動けないほどじゃなくても、お腹いっぱいはお腹いっぱいなんだよ?」

藍子「でも、本当においしかったです……ありがとうございます、プロデューサーさん」

凛「うん。本当においしかった。ありがとう、プロデューサー」

未央「あ、その点は私も同じ。プロデューサー、ありがとね☆」

P「ふっ……お前らのその顔こそ、俺にとっては最高のお返しだよ」

凛「その台詞は気持ち悪いけど」

P「ひどいな?」

藍子「そう言えば、未央ちゃんは大学に入ってからはこっちに来たんだっけ」

未央「そうだね。だから、高校の時より帰るのが遅くなっても大丈夫なのです」

凛「らしいけど、プロデューサー?」

P「ダメです」

未央「えー」

P「いや、確かに高校の時よりは余裕あるだろうけどな? それはそれとして、だな。送迎が必要なら呼べよ?」

未央「そこまで心配しなくても大丈夫だと思うけど……」

凛「プロデューサーの方が危険って?」

P「なんでそうなる」

藍子「まったく危険はないんですか?」

未央「それがね……ないんだよね……」

P「いや、当然だろ……むしろ手を出したらダメだろ」

凛「それはそうだろうけど……ね」

藍子「まったく手を出されないのも複雑ですよね」

P「待て待て待て。なんで責められてるんだ? 俺。褒めてほしいくらいなんだが」

未央「乙女心は繊細で複雑ってことなのです」

P「自分で言うか?」

未央「言っちゃう。未央ちゃんですから」

712: 2018/04/22(日) 21:07:39.06 ID:swKObOD40
P「……とにかく、帰るか。せっかく入ったのにこんな時期から……ってのはな」

藍子「こんな時期から……って、こんな時期じゃなければ、プロデューサーさんはどうだったんですか?」

P「……反面教師としては優秀な人材だったかな」

凛「そうなんだ。意外かも。あんまり遊び歩くようなイメージなかったけど」

P「……うん、まあ、遊び歩きはしなかったんだけどな……うん……遊び歩かなくても、ダメ人間は生まれてしまうって言うか、な……」

未央「……この話題、触れない方がいい?」

P「はい」

未央「……よ、よし! あーちゃん! ほら、月が綺麗だよ! 東京でも月ってこんなに綺麗に見えるんだね!」

藍子「そ、そうですねっ。月はどこでもこんな感じだと思いますけど、綺麗ですっ」

P「……ふっ、心遣いが苦しいぜ」

凛「下手な誤魔化しが、じゃなくて?」

P「……今の流れは、凛も二人に付き合う流れじゃないのか?」

凛「決まっているわけじゃないでしょ?」

P「まあ、そうだが……なんだか、今日の凛はぐいぐい来るな」

凛「私らしくない?」

P「……そうだな。決めつけるのもおかしい話だが」

凛「大丈夫。私もそう思ってるから」

P「そうか」

凛「うん」

713: 2018/04/22(日) 21:08:24.40 ID:swKObOD40
P「……それで、凛は何を言いたいんだ?」

凛「べつに。ただ、無責任で……自分でも、言うべきじゃないと思うこと」

P「……そうか」

凛「私には、あんまりわからないけどさ。……わからないなら言うなって話だけど、それでも、わかることはある。プロデューサーが教えてくれたことが」

P「俺が? ……思い当たるものがないな」

凛「アイドルのことも?」

P「……それなら、確かにな」

凛「うん。……アイドルは、アイドルだよ。私も、藍子も……未央も。アイドルだけど、それはイコールで結ばれない。でしょ?」

P「凛の場合は、ほとんど結ばれているような気もするけどな」

凛「店の中で話してたことは? ……って言いたいところだけど、あんまり否定できないかな」

P「だろ?」

凛「でも、今は私の話じゃないから」

P「……だな」

凛「……関係ないのに、どうしてここまで口出ししてるんだろうね」

P「関係なくはないから、じゃないか」

凛「そうかな」

P「ああ」

凛「そっか。……ううん。でも、やっぱり私は関係ないよ。余計なことを言い過ぎたかも」

P「いや……ありがとう」

凛「……お礼を言われるようなことかな」

P「そんな気持ちになったんだよ。受け取ってくれ」

凛「……ん。どういたしまして」

714: 2018/04/22(日) 21:09:12.54 ID:swKObOD40
P「……さて。いつまでも二人で話してないで、さっさと二人に追いつくか。さすがに二人だけにはしてられないからな」

凛「そうだね。でも、最後にひとつだけ」

P「ん?」

凛「未央ももう大学生になったんだし、好きにすれば?」

P「……」

凛「余計なお世話だと思うけど、これだけは言っておきたかったから」

P「いや……うん。肝に、銘じとく。……ありがとう、凛」

凛「……ん」





凛「……あと」

P「あと?」

凛「さらに余計なことを言ってもいいなら『傍から見るとずっといちゃいちゃしてるようにしか見えないんだから今更何をうじうじやっているのか理解できない』とかもあるけど」

P「いやあのそれはやめて下さい正直仰る通りだと思うところもありますけど!」





715: 2018/04/22(日) 21:21:11.53 ID:swKObOD40
これにて今回は終了です。
今回は前回からの流れってことでお寿司でした。お寿司はおいしいですね。おいしいです。お高いお寿司食べたいです。今回のはそんなにお高くない設定ですが、実際のところおいくらだったんでしょうか。東京のお寿司食べたいです。
もうちょっと同じ年齢の子を出すかどうかも迷ったんですがやめておきました。みくとか、さすがに……ですからね。

藍子→プロデューサーの呼び方は確か以前書いた時は「Pさん」でしたが、今回は「プロデューサーさん」でした。表記に一貫性がなくてすみません。個人的なあれやこれやです。

このSSでの未央ももう大学生ですね。大学生になって何かあるんでしょうか。今回の最後はプロデューサーさんが凛に色々と言われておりましたがどうなんでしょうか。正直今までも十分いちゃいちゃしとったがなみたいな思いもあるのですがどうなるのでしょうか。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

引用: 本田未央「プロデューサーとのごはん」 その2