101: 2016/02/25(木) 20:12:15.30 ID:ecQuw+FHo

102: 2016/02/25(木) 20:13:17.25 ID:ecQuw+FHo


五月雨「おはようございまーす! 」

長門 「おはよう。陸奥から話は聞いている。今日はよろしく頼む」

五月雨「はいっ、おまかせください! うわー、提督おひさしぶりです! 最近全然お会いできませんでしたがお元気でしたか? 」

提督 「あ、ああ。元気にしている。ひさしぶりだな」

五月雨「ほんとですよー。もー、提督ったら執務室から全然出てきてくれないんですから。初期の頃からのメンバーはみんな寂しがってますよっ」

提督 「い、いやその、いろいろ忙しくてな…… 」

五月雨「忙しくて大変なんですね! それなら五月雨がばっちりお手伝いしますっ」

長門 「……五月雨は、提督と随分と親しいんだな」

五月雨「初期艦ですから、長い付き合いですしっ」




103: 2016/02/25(木) 20:14:05.68 ID:ecQuw+FHo


――――― 隣の物置部屋


陸奥 「……この盗聴器、ほんとに良く聞こえるわね。提督がなんだかうろたえてるみたいだけど……どういうことなのかしら」


気になって盗み聞きに来てるんだけど……こんな高性能な盗聴器で青葉は普段から何をしているのかしら。あの子にも困ったものねー。


陸奥 「ま、今のわたしじゃ、人のことは言えないわね。でも気になっちゃうんだからしょうがないのよね~ 」


さてさて、提督が五月雨ちゃんに叱られるって、どういうことなのかしら……




104: 2016/02/25(木) 20:15:20.22 ID:ecQuw+FHo


――――― 再び提督執務室


五月雨「えっと、遠征記録は……わたしの頃と比べるとものすごく増えてますね。ありました、これです」

提督 「ああ、ありがとう」

長門 「五月雨、ついでに横にある補給記録もとってもらえるか? 」

五月雨「はいっ、えっと、これですね。今お持ちしますっ」

長門 「ふふふ……五月雨は戦場でドジをしている印象が強かったが、秘書をしているとテキパキとしていて頼りになるな」

五月雨「ああ、ひどいですっ。わたしだってやるときはちゃんとやるんですよっ……って、うわぁ!」


ステン


五月雨「うう、言ったそばから転びましたぁ」

長門 「……やっぱり五月雨は五月雨だな」

五月雨「う~、返す言葉もありません~ 」

提督 「五月雨用の絆創膏がまだ引き出しに入っていた。さ、使うといい」

五月雨「まだ残ってたんですね……えへへ」




105: 2016/02/25(木) 20:16:27.24 ID:ecQuw+FHo


長門 「さて、補給の状況をチェックするか」

五月雨「じゃあリストの読み上げはわたしがやります」

長門 「おお助かる。五月雨は秘書艦仕事の分業に慣れているなあ」

五月雨「えへへ、最初はわたしひとりじゃうまくできなくて、他のみんなが手伝ってくれたりしていたんです。それでですねー」

長門 「そうだったのか。では早速お願いしよう。補給は生命線だからな。入念にチェックしなくては」

五月雨「はいっ! 補給無しでは戦えませんからっ! 」


……


陸奥 (五月雨ちゃん、長門をほんとに怖がらないのね。いつも一緒にいるみたいに普通に溶けこんでるなんてすごいわぁ)


でも、提督は全然叱られたりしていないわね。提督が五月雨ちゃんに叱られるとか全然ピンとこなかったけど、やっぱりあれは提督の冗談か何かだったのね。




106: 2016/02/25(木) 20:17:20.98 ID:ecQuw+FHo


――――― 1030 提督執務室

五月雨「あ、1030ですね。午前休憩の時間ですよー」

提督 「あーっと……五月雨、その件なんだがな……」

五月雨「? 」

長門 「ん……? 午前休憩なんて取っていないぞ」

五月雨「えっ……? 休憩してないんですか? 」

長門 「ああ、特にとったことはないな」

提督 「いや、これはだな……」

五月雨「…………まさかとは思いますが……お昼休憩はちゃんととっていますよね……? 」

長門 「いや、昼も食べないことが多いな。わたしも提督も、特に昼食にはこだわらないからな。職務のほうが大切だ」

五月雨「……………… 」

提督 「…………」

五月雨「…………提督? 約束……しましたよね…………? 」

長門 「約束……? 」

五月雨「まさか……忘れちゃったんですか? 」




107: 2016/02/25(木) 20:18:34.14 ID:ecQuw+FHo


提督 「いや、その……忘れてはいない。ただその……忙しくてうっかりとな……」

五月雨「もうっ! もうっ! そんなの前からじゃないですかっ! あんなに約束したのにっ! うわぁぁっぁあん」

長門 「ど、どうした五月雨、約束とはなんなのだ」

五月雨「ぐす……秘書艦を退任するとき……提督と約束したんです。秘書艦がかわっても、休憩と食事はちゃんとするって」

長門 「な、なぜまたそんな約束を…… 」

五月雨「長門さんも長門さんですっ!(キレ気味) 」

長門 「な、なんだっ」

五月雨「提督の健康管理も秘書艦の大事なお仕事です! 休憩と食事は補給みたいなものですから、これがなくては提督だって戦い続けることはできませんっ! 」

長門 「!! 」

五月雨「提督は仕事仕事で、自分の休憩や食事をすぐに蔑ろにします。だから秘書艦が気を使って、しっかり補わないとですよ! 」

提督 「いやその、俺が何も言わなかったからで、長門が悪いわけでは…… 」

五月雨「提督は黙っていてください! 」

提督 「はい……」


……


陸奥 「……驚いたわ。提督、ほんとに叱られてる…… 」

五月雨ちゃん、おとなしい子だと思ってたけど、おねえちゃんタイプだったのね。でも、五月雨ちゃんのいうことには大賛成よ。提督はとにかく自分の扱いが雑なのよね。



108: 2016/02/25(木) 20:19:36.95 ID:ecQuw+FHo


提督 「いやその、本当に俺が悪いんだ。相変わらず休むのが苦手でな」

長門 「その、わたしも確かに配慮が足りなかった。そういえば陸奥が秘書艦の時はほどほど休憩をとっていると聞いていた。今後はわたしも気をつける」

五月雨「本当ですか……今度こそ本当に約束ですよ……? 」

提督 「…………。わかった、今度こそ必ず守るから。今回はそれで許してくれ」

五月雨「わかりましたっ! 許しちゃいますっ。じゃあ、早速休憩用のお茶請けを買ってきますね!」


ドタドタドタ バタン


長門 「……。おとなしい娘だと思っていたんだが……実は強気なんだな……」

提督 「ああ……。普段は優しいんだが、特定のことに関しては本気で怖くてな」

長門 「誰かに叱られたなどどの位ぶりだろう……」


バタン


長門 「っ! ど、どうした! 」

提督 「いや、怖いとか言ってないぞ! 」

五月雨「……おさいふを忘れました! 」




109: 2016/02/25(木) 20:20:15.92 ID:ecQuw+FHo


――――― 昼過ぎ 提督執務室

五月雨「う~ん(伸び)。そろそろお昼ですね。食堂に行きますかっ? 」

提督 「いや、ここを離れたくない。弁当か何かだと助かるのだが」

五月雨「もー、提督。最近食堂にも全然来てくれないですよね! 仕方ない、ちょっと買ってきますっ。長門さんもお弁当でいいですか? 」

長門 「ああ、それでいい」

五月雨「はーい、では行ってきます! 」

提督 「五月雨、財布はもったか? 」

五月雨「……あ」

提督 「ほら、俺の財布だ。これで買ってきてくれ」

五月雨「はいっ、行ってきます! 」




110: 2016/02/25(木) 20:21:28.77 ID:ecQuw+FHo


――――― 少し後 提督執務室 昼食中


五月雨「モグモグ それでですね、最近入った嵐ちゃんっていう子が、涼風や江風となんだか気が合うみたいで」

長門 「嵐は陽炎型だな。仲良くしているなら良いことじゃないか? 」

五月雨「それがですね、三人ともすごく男の子っぽくて……鉄砲のおもちゃで森で戦いごっこをしたりとかしてるみたいなんです」

提督 「本格的なサバイバルゲームを戦いごっこというのはかわいそうだと思うが……」

長門 「ほう。訓練にもなって楽しそうではないか」

五月雨「えー、でもみんな女の子なんですから、もうちょっと女の子らしいことにも興味を持ってもらわないと、お姉ちゃんとしては心配です」

長門 「その辺は、わたしも人のことは言えないからな」

提督 「でも長門は最近、ぬいぐるみや甘いものも楽しんでるそうじゃないか」

五月雨「うわー、いいですね! あの子たちもそういうのに興味をもってくれないかなぁ」

長門 「そうだな、ぬいぐるみは心を癒やしてくれる……おすすめだぞ」

五月雨「はい! 妹たちにも話してみますね」


ワイワイ


……


陸奥 (長門と五月雨ちゃん、もうすっかり仲良しね。さすが、提督が太鼓判を押しただけのことはあるわ! ……わたしも、お腹すいたなぁ…… )




111: 2016/02/25(木) 20:22:34.48 ID:ecQuw+FHo


――――― 夕方 提督執務室

長門 「さて、今日はこれで終了だな」

五月雨「はいっ。お疲れ様でした! 」

提督 「ああ、お疲れ様」

長門 「五月雨は明日も来るのか? 」

五月雨「はいっ。次の遠征は来週なので、それまでは毎日来るつもりですっ」

提督 「そんなに無理しなくていいんだぞ? 」

五月雨「だめですっ! 提督がちゃんと約束を守ってくれているか見守らないとっ! 」

長門 「あははは、ちゃんとわたしが監視するから大丈夫だ。だが、来てくれるのはわたしも嬉しい。明日は陸奥が秘書艦だから、わたしとはまた明後日にな」

五月雨「はいっ! 明後日もよろしくお願いします! 」

長門 「それでは、わたしは帰るとしよう」

提督 「お疲れ様」

五月雨「お疲れ様でした! 」

長門 「五月雨はまだ帰らないのか? 」

五月雨「えっと、あとちょっとだけ……」

長門 「そうか。ではお先に」


バタン




112: 2016/02/25(木) 20:23:33.54 ID:ecQuw+FHo


五月雨「ふー、ひさしぶりの秘書艦仕事は、忙しかったけどとっても楽しかったです! 」

提督 「そうか、それなら良かった。あと……約束を破っていたのは本当にすまなかった」

五月雨「あはは……きっと理由があるんですよね。でもっ! お体が一番大事ですから、これからはちゃんと約束を守ってくださいね」

提督 「ああ、わかったよ」

五月雨「それから……提督? 」

提督 「ん? 」

五月雨「その……一体……どうしちゃったんですか? 」

提督 「いや、どうもしないが? 」

五月雨(じっ………… )

提督 「…… 」

五月雨(うるうる)

提督 「いや……その……五月雨が言いたいことはちゃんとわかっているつもりだ」

五月雨「じゃあ…… 」

提督 「だが……俺にもいろいろ悩みがあり事情がある。時間をかけてゆっくり解決できる……かどうかもわからないが、そういうものだということで勘弁してくれないだろうか」

五月雨「わかりました……でも、わたしにできることがあったら何でも言ってください。本当に心配なんです! 」

提督 「わかった……ありがとう」


……


陸奥 (どういうことなのかしら……)




113: 2016/02/25(木) 20:24:15.61 ID:ecQuw+FHo


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わたしは、提督は長門と同じような「堅物なこまったさん」だと思っていたんだけど……。この頃から、提督は長門とは違うんじゃないか?って思うようになったのよね。

とにかく提督の心が気になって……明日は絶対、五月雨ちゃんからいろいろ聞き出そう!って決意してたっけ……


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 陸奥「堅物なこまったさんね~」【7】

114: 2016/02/25(木) 20:26:28.08 ID:ecQuw+FHo

本日分は以上となります。次回は27日(土)更新予定です。
いつもと違う環境から書込したら、コテハン記憶チェックがはいっていなくて、途中いくつかコテハンが消えちゃってますがご容赦ください。

今回は五月雨無双で、あれ、むっちゃんの影が薄いような……。後半は……後半はむっちゃん無双の予定だし……!

それではよろしければまたお越しくださいっ。

引用: 【艦これ】 陸奥「堅物なこまったさんね~」