179: 2016/03/06(日) 20:09:44.75 ID:1Wi16PQKo
180: 2016/03/06(日) 20:10:23.77 ID:1Wi16PQKo
モグモグモグ
長門 「……ふむ」
陸奥 「あ、ちょっと味薄かった? はい、お醤油」
長門 「おお、すまない。わたしが何が欲しいかよくわかるな」
陸奥 「何を言ってるの、姉妹なんだから当たり前じゃない♪ 」
長門 「そういうものだろうか…… 」
姉妹だしいつも一緒にいるから、長門のことはよく分かるのよね。最近は息抜きも順調で、前と比べて随分と穏やかになってきた感じだわ。
181: 2016/03/06(日) 20:10:50.64 ID:1Wi16PQKo
陸奥 「うーん…… 」
でも提督のことはよく分からないのよね。長門と同じで『司令官たるものチャラチャラしては……』みたいな感じだと簡単に考えていたけど、どうも全然違うみたいなのよね……
陸奥 「はぁ…… 」
分かりたくて結構がんばって観察してるけれど、今のところ手がかり無し……。うーん、どうしたものかしら……。
182: 2016/03/06(日) 20:11:25.08 ID:1Wi16PQKo
長門 「陸奥……。最近、ぼんやりしたりため息をつくことが多いが、なにか悩みでもあるのか? 」
陸奥 「えっ! そ、そうかしら。全然そんなこと無いわよ」
長門 「…… 」
陸奥 「ちょっとあれこれ考え事をしてるだけで、ほんと、困ったりしてるわけじゃないからね」
長門 「それなら良いのだが……何かあるならちゃんと相談してくれ」
陸奥 「長門……うん、ありがと♪ 」
心配してくれてありがとうね、長門。やっぱり相談したほうがいいのかしら……。ううん、できれば自分で解決したいし……。それに提督が長門にだけ何か話しているとも思えないわ。やっぱりわたしが頑張って見つけるしか無いわね!
長門 「…… 」
183: 2016/03/06(日) 20:12:11.96 ID:1Wi16PQKo
――――― 翌日 提督執務室
曙 「以上、東京急行遠征は無事大成功よ」
陸奥 「大成功助かるわー。お疲れ様♪ 」
提督 「今回もご苦労だった」
曙 「ほんとによっ。毎日のように南方までせっせと遠征よっ。それでも頑張って大成功させてるんだから、感謝してほしいわねっ」
陸奥 「ドラム缶も満載だし、ほんとに大変よね~、感謝感謝♪ 」
曙 「あ、はい……ありがとうございます。じゃなくて、陸奥さんじゃなくて、あんたによっ、このクソ低督っ! 」
提督 「高練度が要求される関係で、どうしても七駆の4人に頼ることが多くて申し訳なく思っている。すまない…… 」
曙 「くっ……あ、謝ってもらったってしょうが無いわよっ。任務なんだからちゃんとやるわっ。じゃあね、報告終わりっ! 」
バタバタバタ バタンッ
184: 2016/03/06(日) 20:13:14.46 ID:1Wi16PQKo
提督 「…………はぁ」
陸奥 「ふふ、曙ちゃんのことは本当に苦手みたいね」
提督 「実際つらい思いをさせているからな。しかし他に手段が無いから謝ることしか出来ない。ままならない仕事だよ…… 」
陸奥 「うーん、そうかしら……。曙ちゃんは、謝ってほしいんじゃなくて、褒めて欲しいんじゃないかと思うのよねー」
提督 「現状、全員が東京急行遠征をこなせる練度になっているのは七駆だけだからな。それで彼女の言うとおり毎日毎日遠征だ。褒めるなんておこがましい……謝るだけだよ」
陸奥 「う~ん、駆逐隊セットにこだわらず、練度到達しているメンバーで遠征専用の艦隊を組むというのもいいと思うけど……提督はそれはやらないわよね 」
提督 「……。ああ、姉妹や駆逐隊ごとのセットは崩したくない。それなら遠征を減らしたほうがまだマシだな」
陸奥 「こだわりねぇ。ま、そこまできついスケジュールにはしてないから大丈夫よ。ちゃんとお休みも取れてるじゃない」
提督 「だといいんだが……はぁ」
艦隊規模が大きくなったから仕方が無いんだけど……100人以上の艦娘たちを指揮統率する提督はホントに大変ね。
185: 2016/03/06(日) 20:13:49.47 ID:1Wi16PQKo
――――― 夜 陸奥の部屋
ピヨヨーン
陸奥 「あら、提督私室扉センサーに感あり。こんな時間に出かけるのかしら…… 」
提督のことをもっと知るために……青葉に相談したら貸してくれたのがこれ。執務室と提督私室の扉が開くと音がなるセンサーね。……なんだか間違った方向な気がするけれど、便利といえば便利ね~
陸奥 「気になるわね……ちょっとだけ様子を見てこようかしら」
バタバタ
長門 「ん、陸奥、こんな時間に出かけるのか? 」
陸奥 「あ、あははは、ちょっとね。すぐ戻ってくるわ」
長門 「ああ、気をつけてな」
陸奥 「はーい、いってきまーす」
バタン
長門 「………… 」
186: 2016/03/06(日) 20:14:24.44 ID:1Wi16PQKo
――――― 少し後 鎮守府玄関
提督 (キョロキョロ)
コソコソ
陸奥 (やっぱり…… )
大きなバックパックを背負った提督がこっそり出て行く所ね。本人としてはコソコソしてるつもりなんでしょうけど、あの巨体じゃあねぇ……。人の趣味にとやかく言うつもりは無いけれど、こんな遅い時間にわざわざキャンプ道具持って出かけるなんて……かわってるわね。
陸奥 「って、わたしなんだかストーカーみたいね……。青葉に相談したのがそもそも間違いだったかしら。借りた機械は返しちゃおっ。持ってるとどうしても使いたくなっちゃうし」
さ、帰ろ帰ろ。
187: 2016/03/06(日) 20:15:03.54 ID:1Wi16PQKo
――――― 翌日夕方 提督執務室
提督 「業務分はこれで終わりか。長門、今日はもう上がってもらっていい。お疲れ様」
長門 「ああ、提督もお疲れ様。提督はまだ帰らない……んだろうな」
提督 「ああ、俺はまだやりたいことがあってな」
長門 「……急ぎの仕事でないなら、先にちょっと相談に乗ってもらえないだろうか? 」
提督 「……長門が俺に相談とは珍しい……というかはじめてだな。構わない、聞かせてくれ」
長門 「ありがとう。実は陸奥のことなんだが……明らかに様子がおかしい。どうやら悩みがあるようなんだ」
提督 「陸奥が……そういえば確かに最近少し様子が変だとは思ったが…… 」
長門 「わたしから見ると、少し変どころではない。とにかくため息ばかりだし、突然頭をかきむしって『あ゛~~ 』などと奇声を発したり……。夜遅くに急にでかけたり…… 」
提督 「あの陸奥が…… 」
188: 2016/03/06(日) 20:15:39.72 ID:1Wi16PQKo
長門 「陸奥にだっていろいろあるだろう。だがこんなに様子がおかしい陸奥ははじめてだ。さすがに心配でな」
提督 「ふむ……長門にはなにか心当たりはないのか? 」
長門 「……1つだけ思い当たることが無くもない」
提督 「聞かせてくれ」
長門 「ちょっと話しにくいことではあるんだがな……。提督、前世でのわたしの最後は知っているな? 」
提督 「………………ああ、知っている」
長門 「艦娘となってしばらくたったころ、その時の夢を見てな。その圧倒的な衝撃に、さすがに身が震えた」
提督 「そうか……やはりそういうことがあるんだな」
長門 「それからしばらくは、フラッシュバックというのか? その場面が頭をよぎっては、身震いするような感覚があったな」
提督 「なるほど……今の陸奥もそうなんじゃないかということか」
長門 「ああ。もしかしたら、前世の何か嫌な記憶を思い出して、それで苦しんでいるのかもしれない」
189: 2016/03/06(日) 20:16:08.48 ID:1Wi16PQKo
長門 「わたしの場合は、少ししたら落ち着いたから問題無かったが、陸奥も同じとは限らないと思うと心配でな」
提督 「ふむ……俺の前ではそんな様子は見せていなかったが……しかし俺も心配だ。なにかできることは無いだろうか」
長門 「陸奥には、悩みがあるなら相談して欲しいと言っているが、ごまかされるばかりでな」
提督 「本人に聞いてもダメとなると……とりあえず情報収集だろうか」
長門 「諜報活動か……正直苦手だな」
提督 「俺も得意ではないな……ここは得意そうなやつに聞くのがいいだろう」
190: 2016/03/06(日) 20:17:07.89 ID:1Wi16PQKo
――――― 少し後
青葉 「それで突然のお呼び出しでしたか。長門秘書艦からの出頭命令でしたから、ちょっと氏を覚悟しましたよっ。もー、先に用件を言ってくださいよっ」
長門 「それは後ろ暗いところがあるからだろう。それで、こういう時の調査はどうしたら良いだろうか」
青葉 「うーん、なんというか、全然似ていないようで、実は似たもの姉妹ですね~ 」
長門 「ん? どういうことだ」
青葉 「いえいえ、こっちのことです! 調査するなら、やっぱり張り込みと尾行が基本だと思いますよ~ 」
提督 「地道ではあるが、やはりそれが一番か…… 」
長門 「ふむ……となると、わたしや提督が知らない時間。休日の陸奥を調査するのが一番だろうか」
提督 「……。そうだな。考えてみると、秘書艦じゃない日に陸奥が何をしているか俺は全然知らない」
長門 「たまに買い物に行っている話などは聞くが、わたしも詳しくは知らないな」
提督 「では、陸奥の次の休日に尾行してみるか」
長門 「そうだな……人目につかない場所で一人泣いていたりするかもしれない……」
青葉 「なんというか……がんばってくださいね」
青葉 (陸奥さんに知らせておいたほうがいいのかなぁ)
191: 2016/03/06(日) 20:17:50.10 ID:1Wi16PQKo
――――― 夜 青葉の部屋
陸奥 「よかったわー、ちょうど一式返そうかなと思っていたところなの。はい、ありがとね」
青葉 「はい確かに! でも、お呼び立てしたのは機材返却の件じゃないんですよー」
陸奥 「あれ、違うの? 」
青葉 「お話すべきか迷ったんですけど……えっと実はですね、今日長門秘書艦に呼ばれまして……(青葉説明中)……という感じの話に…… 」
陸奥 「ぷっ……ぷぷ……あははは! そっかー、二人で心配してくれてるんだぁ」
青葉 「ええ、それはとても素敵なことだと思うのですが……。ちょっとおかしな方向に行っちゃってるみたいなので」
陸奥 「ま、わたしも人のこと言えないけれどね~ 」
青葉 「ですから、悩みの件を早く長門さんにお話して安心してもらったほうがいいかなと」
陸奥 「青葉、そんなこと言いながら、目は別のことを期待してるわよ」
青葉 「えっへっへー、わかりますか? 」
陸奥 「うふふ……そりゃ、同じこと考えてると思うからねっ」
青葉 「正直言って……司令官と長門さんの尾行、見てみたいです! 」
陸奥 「そうよね~♪ このまま黙っておいて、尾行されてみるわ」
青葉 「楽しみです! 」
192: 2016/03/06(日) 20:18:40.53 ID:1Wi16PQKo
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まったくあの二人と来たらっ。わたしに心配ばっかりかけているくせに、逆にわたしの心配なんてっ。
見当違いだし、そんなことより自分のことを心配しなさいって感じだけど……。でもやっぱり嬉しいわ。心配してくれてありがとう長門。そして、心配してくれてありがとう、提督♪
それはそれとして……二人に尾行されるなんてちょっと楽しみだわっ。
……でも、あの不器用な二人で尾行なんてできるのかしら……
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陸奥「堅物なこまったさんね~」【11】
193: 2016/03/06(日) 20:20:48.39 ID:1Wi16PQKo
本日分は以上となります。次回は8日(火)更新予定ですが、風邪を引いているので、その様子次第では水曜日にずれ込むかもしれません。
随分長いお話になってしまいましたが、後半には突入していますので、あと5~6回くらいで終わるかなー、もうちょっとかかるかなー、ぐらいです。
それではまた次回、よろしければまた是非お越しください。

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