53: 2016/04/03(日) 23:23:46.55 ID:kW0WHzjOo

54: 2016/04/03(日) 23:24:34.26 ID:kW0WHzjOo


荒潮 「やっと帰ってこられたわね~。やっぱり北方は寒くていやぁね~」

朝潮 「荒潮、任務に文句を言わないの」

大潮 「でも、やっとキス島制圧できたからね! これでもう北方に通う必要もなくなるから、もーアゲアゲだよ! 」

満潮 「苦労させられたわね、まったく! ひどい損傷しちゃったし」

朝潮 「満潮、大破目前の中破よね。そんなひどい損傷はじめてだと思うけど、大丈夫? 」

満潮 「大丈夫よこのくらい! 」

大潮 「でもさ、ずっと挑戦してたキス島攻略、第八駆逐隊で制圧できたの嬉しいね! 」

荒潮 「八駆だけの力じゃないでしょ~。霞ちゃん、曙ちゃん、応援ありがとね」

霞 「あたしにとっても因縁ある場所だったからね。参加できて良かったわ」

曙 「あたしもちょっとだけ北方は参加したことあるからね」


 駆逐艦だけで挑まないといけない北方のキス島。なかなか攻略できないでいたんだけど、本日無事攻略完了! うちの鎮守府は順調に……うん、順調に成長してる。あいつが頑張ってるってことよね。

※筆者注:今では軽巡1隻も参加可能のようですがこの頃は駆逐艦オンリーでした。




55: 2016/04/03(日) 23:25:14.33 ID:kW0WHzjOo


――――― 少し後 提督執務室


朝潮 「以上、無事キス島攻略完了です。損害は満潮、霞、曙が中破。以上です」

提督 「きつい戦いをよく頑張ってくれた。ありがとう」

五月雨「みんなお疲れ様です! 何度も出撃しては追い返された場所ですから……ううー、わたしも参加したかったなぁ」

涼風 「参加したいんなら、秘書仕事をさっさと片付けなきゃだよね」

村雨 「みんなで手伝ってなんとかって感じだもんね~」

五月雨「うう、がんばります……」




56: 2016/04/03(日) 23:25:42.91 ID:kW0WHzjOo


提督 「何はともあれ、出撃メンバーの皆は本当にご苦労だった。損傷した満潮、霞、曙はすぐに入渠してくれ」

荒潮 「満潮ちゃん、しっかり治してくるのよ~ 」

満潮 「……必要ないわ。まだ中破じゃない! このまま出撃しても全然大丈夫よ! 」

五月雨「そんなぁ。あちこちボロボロだし服だって破れちゃってますし……。なによりそれで出撃なんて危ないです! 」

朝潮 「そうよ。それに命令なんだからすぐに入渠しなさい」

満潮 「いやよ! そんな命令聞けないっ。撤回を要求するわ! 」

大潮 「そんなぁ。満潮どうしちゃったの? 」

霞 「…… 」

曙 「…… 」


……あたしには分かる。霞もきっとわかってる。そうよね、前世のトラウマっていうのは重くのしかかってくるもの。




57: 2016/04/03(日) 23:26:32.25 ID:kW0WHzjOo


提督 「わかった、では命令を変更する」

朝潮 「そんな、司令官。わたしからちゃんと言い聞かせますので! 」

満潮 「なによ、わたしのわがままみたいな言い方しないでっ」

五月雨「ほ、ほんとにどうしちゃったんですか(おろおろ)」

提督 「いいから、命令変更だ。第八駆逐隊はこれから全員で入渠すること。満潮が入渠完了するまでは、ドックで一緒にいること」

大潮 「え? あたしたち損傷してないよ~ 」

提督 「損傷してなくてもだ。今後第八駆逐隊は、誰かが損傷したら全員で入渠すること。誰かが入渠している時に間違っても出撃したりしないこと。いいな? 」

荒潮 「あらあら、すごい命令ね~。ま、わたしはお風呂大好きだから大歓迎よ。じゃあみんなで行きましょ? 」

朝潮 「はいっ。ご命令とあらば! 」

満潮 「ちょ、ちょっと、そんなのおかしいでしょっ。わたしは別に……そんな…… 」

提督 「満潮。司令官命令だ。聞き分けてくれ」

満潮 「……分かったわよ。命令に従います」

大潮 「はーい、じゃあみんなで行こ行こ! みんなでお風呂ってなんか楽しいね。アゲアゲになってきたぁ~! 」


ガヤガヤ バタン




58: 2016/04/03(日) 23:27:20.03 ID:kW0WHzjOo


五月雨「……納得してもらえたみたいですけど、なんだか不思議な命令でしたね? 」

村雨 「みんなでお風呂いいね。二駆もそうしようかっ」

涼風 「おっと待ちなっ。五月雨はいつもあたいと一緒にお風呂なんだ。とらないでくれよ~ 」

五月雨「えへへ、みんなで入ればいいよ。広いんだもん! 」


ワイワイ


曙 「…… 」


うん、いかにもクソ提督らしかった。でも……なんだかムカムカするのよね。


提督 「霞も曙もご苦労だった」

霞 「…………甘やかし過ぎよっ! ふんっ!」

ツカツカ バタン


霞もなんかイライラしてたわね。うん、気持ちわかる


曙 「霞に同感よ、このクソ提督っ」


足早に執務室を出る……。あいつは別に悪いことはしてない。それどころか、艦娘をとても大切にしているあり方を再確認出来たぐらいだ。それなのに……なんでこんなにイライラするんだろう。




59: 2016/04/03(日) 23:28:01.00 ID:kW0WHzjOo


――――― 少し後 ドック兼大浴場


満潮 「まったく……どうして……ブツブツ……」

荒潮 「提督がさみしがりやの満潮ちゃんに配慮してくれたんじゃない~。ここは喜ぶところよ~♪ 」

朝潮 「なんだ、満潮は一人でお風呂が寂しかったの? それならわざわざ命令されなくても一緒に入ってあげるのに」

満潮 「/// はぁぁぁ? 全然違うし! 」

大潮 「みんなでお風呂楽しいね~♪ 」


ワイワイ


霞 「…… 」

曙 「…… 」

霞 「……別にね、あいつが悪いわけじゃないのよ。それどころか、姉妹である満潮を気にしてくれて感謝してるぐらい」

曙 「……うん。だけどなぜだかイライラするんでしょ。あたしもそう」




60: 2016/04/03(日) 23:28:38.22 ID:kW0WHzjOo


霞 「あいつ……怒ってると思う? 」

曙 「…… 」


考える。あたしの暴言にも一度たりとも怒ったことがない。いつも無表情に……でも少しだけ悲しそうな目で黙っているだけ。思い出しただけでイライラする。


曙 「怒ってくれるなら、こんなにイライラしないわよ」

霞 「同感。やっぱあんたは分かってるわ」

曙 「クソ提督のこと分かっても嬉しくもなんともないけどね」

霞 「大体あいつは、わたしたちみたいなのに気を使いすぎなのよ」

曙 「そーそー。腫れ物を触るような扱いが気に障るのよ」

ワイワイ


霞とは仲が良いわけじゃないけど、クソ提督への文句と悪口だけは盛り上がる。そういう関係。




61: 2016/04/03(日) 23:29:35.09 ID:kW0WHzjOo


――――― 夜 第七駆逐隊の部屋


朧 「それじゃ電気消すよ」

漣 「こんな健全な時間に寝るなんて……漣も堕落しちゃったよ…… 」

潮 「堕落って……健全な時間に寝るなら更生じゃ……? 」

曙 「はいはい、漣の相手をしてるとまた寝るのが遅くなるからね。おやすみー」

漣 「ぼのたんひどいっ」

曙 「ぼのたん言うなっ! 」


眠ろうと目を閉じると、今日の出来事が頭をよぎる。

一人取り残された辛い記憶に苦しむ満潮。それを知っていてなんとかしようとするクソ提督。そんなクソ提督を見てイライラする霞やあたし。まったく、なんでクソ提督のことでモヤモヤしなきゃなんないのよっ!




62: 2016/04/03(日) 23:30:21.20 ID:kW0WHzjOo


潮 「曙ちゃん……? 大丈夫? 」

曙 「大丈夫って? ちゃんと入渠も終えてきたし大丈夫よ」

潮 「ううん、そうじゃなくて。なんだか元気が無かったから。何か嫌なことがあったのかなって」


暗くて見えないけど、きっと心配そうな目でこっちを見てるであろう潮。この子は真面目で優しくて、あたしのちょっとした変化をいつも見逃さない。


曙 「元気よ元気。キス島攻略も無事終えたしね。一緒に行ったメンバーともちゃんと仲良くやってきたわ」

潮 「でも……。元気が無いというか、なんだか苦しそうだったんだもん」

曙 「ほんとに大丈夫よ。心配してくれてありがと。おやすみ」

潮 「うん、おやすみなさい…… 」


この子はどうして、あたしのちょっとした変化がわかるんだろ。それで、どうしてあたしなんかのことをこんなに心配してくれるんだろう。そして……あいつも……クソ提督も、どうしてあたしなんかのことをあんなに気にして心配するんだろう。どうして……あたし以外の子もあんなに心配するんだろう。

優しい人達。その優しさにツンツンとした返事しか出来ないあたし。そう……悪いのは素直になれないあたしの方。




63: 2016/04/03(日) 23:31:57.52 ID:kW0WHzjOo


暗い中、目を閉じて落ち着いて考える。さっきの潮の優しさが、心の棘を少しだけ柔らかくしているのを自覚する。

そう、なぜイライラするかはともかく……クソ提督があたしや仲間たちを大切にしてくれていること、心配してくれていること。それは間違いない。それにはちゃんと感謝しよう。優しい言葉を返そう。そのぐらいはすべきだ。

なんとか素直な返事を返せた自分を想像する。その時クソ提督は……きっとびっくりして、次いでオロオロした感じでしどろもどろに返事をする。まったく、大人のくせにしっかりしなさいよね!

よし決めた! 今度クソ提督と二人になった時に、ちゃんと話して、これまでの態度を謝ろう。


曙 「ふふふ……その時を楽しみにしてなさいよ、クソ提督♪ 」


朧 (曙、声に出ちゃってるよ……)

漣 (うはラブ妄想ktkr! からかいたいけどここはぐっと我慢我慢!)

潮 (曙ちゃん、やっぱり提督のことで悩んでたんだ。わたしも怖がらないようにがんばろう……)




64: 2016/04/03(日) 23:32:27.94 ID:kW0WHzjOo


++++++++++


今思えば……。なんでこの時にもっと積極的に、ちゃんと自分から動けなかったのか!

なんで「次に二人きりになった時に……」なんて逃げ腰だったのか!

ほんと、自分の臆病さが情けない!

でも……悩んで、臆病に逃げて……そしてまた悩んで。そういう日々があったからこそ今の自分があるのよね。だからこれもまた必要な日々だったんだろうと……そう思いでもしなきゃやってられないわよ!


++++++++++


曙「このアホ提督!」 陸奥「アホ提督ね♪」【3】

65: 2016/04/03(日) 23:37:17.52 ID:kW0WHzjOo

大変遅くなりましたが更新しました。次回はまた3日後ぐらいになると思います。

お話は現在、提督の新規着任と直後の曙の着任から、現在(むっちゃん編の終わり)に至るまでの間をゆっくりと進んでいます。ですのでむっちゃんはまだしばらく登場しません(時系列的には、むっちゃんは今だ着任すらしていない時期ですので…)

ですのでもうしばらくは曙とその周辺のお話ですがご容赦ください。

それでは、よろしければまた是非お越しくださいっ。

引用: 【艦これ】曙「このアホ提督!」 陸奥「アホ提督ね♪」