380: 2013/07/23(火) 17:01:25.27 ID:dl99Ubr70
今日千早に会った。彼女は孤高の歌姫と呼ばれ、今では世界からの支持さえ得てしまう。そんなアイドルという枠を超えてしまった女性であった。しかし、そんな事は表面上のことでしかない。

如月千早は“鳥を友とし猫の藁を靡かせPOPなる嘲笑を口にする”という人物であった。

「私は、アイドルですから。ただ、歌だけが取り柄のアイドルですから。たったそれだけですから」
学園アイドルマスター GOLD RUSH 特装版 4 (4) (少年チャンピオン・コミックス)
381: 2013/08/01(木) 01:28:57.99 ID:keryw6vVo


彼女は幼い時、最愛の弟を失った。交通事故である。彼女はそれを自分のせいであると思い込むことで自らを蔑み、深い快感を得ていたのだ。ほんの少しだけおかしな話しである。しかし、彼女にとってはそれが正常であり、不浄のない嘘でもあったのだ。

彼女はどんな人物よりも“正常”で、“無愛想”であった。“愛を燃やして愛を売る”詐欺師なんかより美しくて、正当な人物といえるのだ。

彼女こそが如月千早。人の姉である。

人の姉であるという状況の中。彼女は無愛想な顔で歌に心を注いだ。それは紛れもない嘘であり、美しい愛の現れでもあったし、それが彼女の性癖でもあったのを確実に私は知っていた。

3年前のことを私は思い返す。あれは千早が絶望という嘘で浸っていた頃であろうか。

そこで私は君に恋をした。

君の不可視の姿が、表情が、瞳が、口が、肌が、肉体が、DNAが、精神が、如月千早が。全部、愛おしく思えた。君のことを考えていると、不吉な笑みと嫉妬が絶えないのだ。

「どんな、音楽をこれから作るの?」

私の愛してやまない如月千早は、ファンには見せない無愛想な顔で、以下の言葉を口にした。

「鳥の作ったLOVE SONG」

「貴女の足」

「私の低俗な愛」

愛おしい。その単語を呟くときの君が愛おしい。私が彼女の親であったなら、産まれたその瞬間から唇を奪ってそのまま全てを犯し尽くしたい。なぜか、それは精神学的に至って正常な答え。

“愛しているから”。

「ねえ春香、あなた馬鹿丸出しね」

「そうかな、千早ちゃん」

さて、バス停での夜は飽くまで続く。百年までも、千年まで続くだろう。君のことを愛しているから。

馬鹿丸出しだ。

387: 2013/08/01(木) 22:08:15.15 ID:gdJOqFpeo
千早「春香……?」

 私はそっと、彼女の名前を囁くようにして呟いた。返答はない。気配さえも感じない。

千早「いない、のかしら……」

 薄暗い部屋の中を見回す。しかし、そこには彼女の姿はない。あるのは可愛らしい柄のベッドと、勉強机。それと綺麗に整えられた本棚だけ。

 彼女から「今すぐ来て」と電話を受けてやって来たのだが、これではどうしよつもない。帰ろう。

 くるりと身体を180度回転させる。そこには彼女が居た。

千早「い、居たの春香?」

春香「えへへ、驚かせちゃおうかなーって思ってたんだけど……」

千早「はぁ、呆れた。まるで子供みたい」

春香「まあまあ……」

 天海春香は笑顔だが、少しだけシリアスめいた表情をしているのが分かる。一体どうしたのだろうか。

千早「……それで、今日はどうしたの?」

 その言葉に、春香はいわくありげに目を細める。そして、以下の内容を私に伝えてきたのであった。

春香「ギリギリ」

 少しの間の後、らしくもなく私たちは二人きりで大笑いした。

“なに言ってんだコイツ”

引用: アイマスSS練習用スレ