349: 2013/11/20(水) 14:28:10.85 ID:u4lw8pL4o


沙々「わたし、マミさんの弟子になりたいんです!」【前編】

沙々「わたし、マミさんの弟子になりたいんです!」【中編】

~☆


ダァン!ダァン!ダァン!

ギィン ギィン ギィン


杏子「おらっ!どうしたマミ先輩っ!」

杏子「アンタの本気はそんなもんなのかよっ!」ブンッ


マミ「くっ……」ガキィン


シュルルルル


杏子「もしかしたら昔よりもリボンの使い方」

杏子「下手になってたりしてな、アンタっ!」ダッ


マミ「っ!」


ドガッ!


杏子「……チッ、外したか」
魔法少女まどか☆マギカ コンプリート DVD-BOX (12話, 283分) まどマギ アニメ [DVD] [Import][パソコンもしくはPAL対応のプレイヤーにて再生可]
350: 2013/11/20(水) 14:31:23.07 ID:u4lw8pL4o


沙々(うーん、わたしからすればまさに別次元の戦いですねぇ)

沙々(ただし現状、佐倉杏子の方が優勢、実力は拮抗していない)


沙々(唯一幸いなのは、佐倉杏子が巴マミを殺そうとはしていないこと)

沙々(でもだからといって、手加減してくれてるってわけでもないですし)

沙々(こうしてマミの後方でコソコソしてるのにも限界が……)


まどか「ああっ、あわわ……」


さやか「沙々さぁーんっ!なぁにやってんのぉーっ!」

さやか「はやくぅ、マミさんにぃ、加勢してあげてよーっ!」


沙々「そんな無茶わたしに言わないで下さいよっ!」

沙々(というか空いてる距離考えても声でかすぎ)

351: 2013/11/20(水) 14:44:40.23 ID:u4lw8pL4o


杏子 マミ「…………」


杏子「これだと決着まで、無駄に手間取りそうだな」

杏子「つい、決め手に躊躇しちゃってる、お互いに」


マミ「ええ、確かにそうね」

マミ「それじゃちょっと、聞いてみましょう」


マミ【ねえ、暁美さん】


まどか さやか「!」


沙々(オープン回線のテレパシーですか)

沙々(様子を見る限り、一般人二人にもわざと聞かせてるみたいですね)


沙々(大方なるべく仲間外れにしないようにってことなんでしょうが)

沙々(どうせ部外者なんですし、そういう公平さは別にいらないような……)


ほむら【何かしら?】


マミ【魔法少女について、あなた詳しいわよね?】

マミ【魔法少女がどこまで肉体の損傷に耐えられるか、わかる?】

352: 2013/11/20(水) 14:54:03.53 ID:u4lw8pL4o


ほむら「…………」


ほむら【一応回復魔法が得意かどうかという違いはある】

ほむら【けれど、魔法少女の本体は肉体ではなくソウルジェム】


まどか さやか マミ「……っ!」


杏子「……」ニヤリ

沙々(こ、こっちみんな)


ほむら【理論上はソウルジェムさえ無事なら】

ほむら【どんなケガも時間と魔力さえあれば修復可能よ】

ほむら【逆に言えばソウルジェムが壊れてしまえば――】


マミ「……」


杏子「――余所に注意、向けてる場合?」

ダッ

マミ「――っ!」バッ

353: 2013/11/20(水) 14:56:47.70 ID:u4lw8pL4o


ブゥン

ザシュッ!

まどか さやか 沙々「!」


ほむら「……」


マミ「…………迂闊だったわ」ヨロッ


杏子「油断した?」

杏子「はっ、仮にもアンタが戦ってる最中に相手への注意を怠るなんてね」

杏子「手ごたえからして右肩から右足まで結構深く入った」


杏子「これで、少なくともさっきまでの動きはできない」

354: 2013/11/20(水) 15:05:40.85 ID:u4lw8pL4o


沙々(……うわぁー、こりゃ非常にまずい)

沙々(マミのリミッターを外す?)


沙々(そんなことしたら余計佐倉杏子がブチ切れて)

沙々(和解の可能性がなくなりますね)


沙々(やれやれ。赤鬼みたいで怖いし、失敗したら殺されちゃうから)

沙々(あまり前に出て戦いたくなかったんですけど……)

沙々(マミが動ける内に、ここで覚悟を決めた方がよさそうです)


沙々【マミさん、一度後ろに下がって】


マミ【えっ?で、でも……】


沙々【そんなケガで、佐倉杏子の攻撃を受け切るなんて、不可能ですよ】

沙々【わたしがこれから前に出るんで、後ろからそのケガ回復しつつ援護してください】

355: 2013/11/20(水) 15:12:04.88 ID:u4lw8pL4o
~☆


ブゥン


沙々(『左っ!』)


ドガッ!


杏子「チッ!」


ダァン! ダァン! ダァン!


杏子「ぁあっ!クソうぜぇっ!」バッ


さやか「……な、なんかさっきと比べて、戦い随分地味になったね」

さやか「私にでも、どういう攻防が行われてるのかよくわかるっていうかさ」


ほむら「優木沙々のせいよ」


さやか「えっ?」


ほむら「杏子が攻撃を仕掛ける瞬間、明らかに彼女の意思と異なる余計な動作が見てとれる」


ほむら「精神操作、というよりは、身体の支配権をほんの僅かの時間奪って」

ほむら「それによって攻撃を逸らそうとしているのね」


ほむら「杏子も必氏で抵抗しているから、あんな風に動きがぎこちなくなってる」

356: 2013/11/20(水) 15:27:56.51 ID:u4lw8pL4o


さやか「沙々さんって、私が思ってたより凄い魔法少女だったんだ」


ほむら「それでも、優木沙々がこれまで避け続けることができたのは」

ほむら「巴マミを後ろに下げてから、最初に上手いこと杖による一撃を杏子に当てたから」

ほむら「そろそろそのダメージから、杏子は回復するはずよ」


まどか「…………」


沙々(それにしてもなんで、佐倉杏子に少しだけとはいえ魔法が通るんでしょう?)

沙々(耐性があるんですから、普通いきなり通るはずないんですが)

沙々(つまり一度は何かしらの形で通したことがあるはず……、うーん?)


沙々(まぁ、とはいえいい加減決められないとヤバそうですね)

沙々(いつまでも誤魔化し続けられるほど、いくらなんでも甘くはない)


杏子「おい、優木沙々」イライラ

杏子「正々堂々、やったらどうだい?この腰抜け」イライラ


沙々「そんなことしたらわたし、氏んじゃうじゃないですか」

357: 2013/11/20(水) 15:43:06.65 ID:u4lw8pL4o


沙々(マミのリミッター外したりしてない分、遠慮してるわけで)

沙々(むしろこっちは感謝してもらってもいい立場なはずなのに)


杏子「……だから大人しく氏んでろって」


杏子「言ってんのさっ!」ダンッ!


ジャラジャラジャラジャラ



マミ(多節棍っ!)

マミ「――優木さん逃げてっ!」





沙々(――やっと、全力で踏み込んで来ましたねっ!)


シュルルルルル


ビシィッ!


杏子「なっ!?」

364: 2013/11/23(土) 19:27:50.49 ID:ygqa3IoBo


沙々「うらぁぁあああ!」グイッ

ガッ ドサッ

バターン!


杏子「ぅぐっ!」


さやか「……え?」


さやか「ねえ、ほむら」

さやか「杏子が突然バランス崩してよろめいて」


さやか「それから沙々さんが思いっきりタックルして」

さやか「沙々さんが馬乗りになった」


さやか「だよね?状況あってるよね?」


ほむら「ええ、その通りよ」

365: 2013/11/23(土) 19:32:42.34 ID:ygqa3IoBo


さやか「……え?どうして?今、完全に杏子優勢だったじゃん」

さやか「なんで杏子バランス崩したの?」

さやか「ねえ――」


ほむら「ちょっと静かにしてて、さやか」

ほむら(あの瞬間、どう見ても優木沙々の手から……?)


まどか「…………」


杏子「降りろっ!アタシの上から降りろっ!」ジタバタ


沙々「げふっ!」バキッ

沙々(こ、こいつ顔殴りやがったなぁ……!)


マミ「ゆ、優木さんっ!」


沙々【マミさん!早く佐倉杏子をリボンで拘束して!】

沙々【わたしが上から体重をかけて、動きを封じるのはこれ以上は無理です!】

367: 2013/11/23(土) 19:42:54.22 ID:ygqa3IoBo


マミ「っ!」

シュルルルルル

ビシィッ!

杏子「――っ」ギリッ


沙々「はぁ……、はぁ……」ゼーゼー


沙々【そうしたら後はそこで距離を取ったまま、静かに待機しててください】

沙々【マミさんが間に入ると話がこじれます】


沙々【佐倉杏子が気に入らないのはわたしの存在そのものです】

沙々【彼女はどう見たって、第三者の説得で納得してくれる性格じゃないでしょう?】

沙々【わたしと彼女の間で、きちんと折り合いをつけなくては何も解決しませんから】


マミ【……わかったわ、優木さんを信じる】

368: 2013/11/23(土) 19:58:33.04 ID:ygqa3IoBo


杏子 沙々「…………」


杏子「一体全体、これはどういうカラクリの手品だよ……?」

杏子「アンタの手から、いきなりマミのと同じリボンがアタシの足に伸びて」

杏子「そして今、マミが使うようなデザインの短銃がアタシに向けられてる」


沙々「手品も何も、今まで使わなかったわたしの魔法の応用ってだけですけど?」


杏子「……なるほどね。それがアンタの奥の手ってことか」


沙々「奥の手ってほどでもないです」

沙々「マミさんと繋いだ魔力のパイプから、魔法のコツみたいなのをちょっとばかし引いてるだけ」

沙々「誰かを操る、自分のモノとして従わせることの応用です」


沙々「とはいえ一種の借りものなので、あなたを転ばせたらリボンは勝手に自壊しちゃう程度ですし」

沙々「銃も短銃にしたい、というよりは短銃でしか生成できない」

沙々「しかも威力と安定性に欠ける。この瞬間も維持するのに多大な精神力を要する」プルプル


沙々「マミさんによる芸術的な生成物と比べれば、玩具みたいな物です」


沙々「それでも拘束された相手を、上から圧し掛かって脅すには十分すぎる玩具ですが」カチャッ

369: 2013/11/23(土) 20:00:54.19 ID:ygqa3IoBo


杏子「…………そうかい、じゃあ撃ちなよ」

杏子「悔しいけど、誰が見たってアタシの負けだ。失敗した時の覚悟は端からできてる」


沙々「うぅーん、そうですかぁー……」

沙々「それも選択肢としてはありですけどぉ、わたしは優しいですからねぇ」

沙々「条件一つさえ満たせば、特別にこのまま許してあげなくもないですよ」


沙々「これからワルプルギスの夜が来るのなら、お互い仲良くいられるのがベストですし」


杏子「条件?」


沙々「…………」


沙々「弱すぎ、マミさんの足を引っ張りまくってる」

沙々「前にわたしにそんな口きいてくれちゃったこと、ありますよね?覚えてます?」


沙々「でも現在、そんな雑魚にあなたは負けて、こうして頭に短銃突きつけられてるわけですが」

沙々「どうですか?どんなみじめな気持ちですか?ねえ、どんな気持ちですか?」ニヤニヤ


杏子「…………」

370: 2013/11/23(土) 20:05:27.81 ID:ygqa3IoBo


沙々「わたしの足元の地面を舐めるくらいに這いつくばって」

沙々「とてもみっともなく謝罪をしてください」



沙々「優木沙々サマァァぁ!とんだ身の程知らずでしタァァぁ!」エグエグ

沙々「ごめんなサィィぃ!バカなアタシが全て悪かったんでスゥゥぅ!」エグエグ



沙々「……」ゴホン


沙々「最低限、これくらいはやってもらいましょうか?」

沙々「謝るだけで何もかも許してあげるんですから、とぉっても優しいですよねぇ?」


杏子「……ふざけんなよ、クズが」

杏子「誰がテメエなんかに頭下げるか」

杏子「どんな条件を出すのかが、ただ気になっただけさ」


杏子「覚悟は端からできてる。殺せばいい」

371: 2013/11/23(土) 20:11:12.25 ID:ygqa3IoBo


沙々「頃す?そんなわけないじゃないですか」

沙々「わたしをワルプルギスの夜の戦力として考えるのは無理がある」

沙々「となるとあなたがいないと、マミさんと暁美ほむらだけが計算できる戦力になる」


沙々「あなたは暁美ほむらに雇われいるんでしょう?」

沙々「きちんと仕事してもらわないと、わたしも困っちゃうんですよ」


杏子「それじゃあアタシを、これからどうするつもり?」


沙々「くふふ、そんなの簡単ですよ」


沙々(一応テレパシーは佐倉杏子と暁美ほむらに限定してっと)

沙々(マミに聞かれると面倒ですからね)


沙々【暁美さん】


ほむら【なに?】


沙々【ソウルジェムが無事なら、魔法少女は大丈夫なんですよね?】

沙々【どんなケガもってことなら、頭を銃弾で撃ち抜かれたとしても?】


杏子「……」

372: 2013/11/23(土) 20:16:18.17 ID:ygqa3IoBo


ほむら「…………」


まどか「……ほむら、ちゃん?」


ほむら「何でもないわ、大丈夫よ、まどか」


ほむら【ええ、そうね。ソウルジェムが無事ならそれくらいのケガは問題ない】

ほむら【頭を打ち抜かれた程度では、確かに魔法少女が氏ぬはずはない】


杏子 沙々「…………」


沙々「これでわたしが何をしようとしてるのか、佐倉さんにもわかりましたよね?」クスクス


沙々「あなたがこれまでどんな悪いことをしてきたかとか知りませんし」

沙々「わたしにそれをどうこう言う筋合いなんて存在しません」

沙々「いい子として生きてきたつもりなんてありませんからね」


沙々「でもそれとは別に、わたしはあなたに殺されかけて、そして争いに打ち勝った」


沙々「あなたがわたしにやろうとしたこと、やったことの落とし前は必要です」

沙々「わたしを満足させる気持ちのいい謝罪か、それとも額にちょっと風穴開けてみるか」ボソッ

373: 2013/11/23(土) 20:21:19.79 ID:ygqa3IoBo


沙々【……なんだったら、これから命乞いを誠心誠意マミさんにしてみたらどうですか?】


沙々【たずげでぇー、マ゛ミ゛先輩ぃ゛ー……、なんてね】


沙々【それがもし恥ずかしいということなら、別にみっともなくやらなくたって】

沙々【マミさんならきっと喜んで、あなたをわたしの魔の手から救ってくれますよぉ?】


杏子「うるせえ。、さっさと撃つなら撃てよ」

杏子「アタシはアンタのこと、絶対に認めないし許さないから」


沙々「へー、そうですかぁ、怖いですぅー」ビクビク

沙々(……他にもう特別言いたいことが思いつきませんね)


沙々「それじゃあ、お望み通りに」ダァン!


杏子「――――」ビクン


まどか さやか「えっ?」

ほむら「…………」

マミ「さ、佐倉さん……?」


杏子「」

374: 2013/11/23(土) 20:23:11.04 ID:ygqa3IoBo
~☆


――魔女になんかなりたくない。

――魔女になんかなりたくない。

――魔女になんかなりたくない。



杏子(なんだこれ?)



――魔女になるのはイヤだ。

――化け物になんかなりたくない。

――あんな醜いのになるくらいなら、氏んだ方がましだ。



――イヤだ、氏にたくない。

――氏ぬのはイヤだ。

――氏にたくない。

375: 2013/11/23(土) 20:26:06.20 ID:ygqa3IoBo


杏子(……どうやら優木沙々の深層心理、みたいだな)

杏子(魔力で作った銃弾が媒介になって、脳に入ってきてるのか?)

杏子(抵抗はしたけどさっき魔法も使われてたし、不思議じゃない)


杏子(わけねーな。それっぽいこと考えてみても変なもんは変だ)


――マミさんがいれば、どうにかなるんじゃないか?

――いや、でも。


――マミさんがいれば、どうにかなるはず。

――いや、でも。


――マミさんがいれば、どうにかなる。


――いや、でも……?

376: 2013/11/23(土) 20:28:53.90 ID:ygqa3IoBo


杏子(それにしてもこいつの心の底って)

杏子(自分のこととマミのことばっかりなんだな)

杏子(なんだかんだいって、大事には思ってるってことか)



杏子(アタシはマミのことを思って、あれこれやってたのかな?)

杏子(優木沙々のことが単純にどうしても気に入らないから)

杏子(それで理由をつけて排除しようとしてただけじゃないのか?)



杏子(……アタシが本当にしたかったことって、いったいなんなんだろう?)

382: 2013/11/26(火) 05:54:13.78 ID:TL8WYtTRo
~☆


杏子「…………んっ」ビクッ


マミ「あら、やっと目が覚めたのね。佐倉さん」


杏子「……マミ、さん」


マミ「ごめんなさい、優木さんのこと止められなくて」

マミ「あんなことするって予めわかってたら止めに入ったんだけど」

マミ「まさか脅しじゃなくて発砲するなんて思わなくて」


マミ「今言っても白々しいかもしれない。ただ私はあなたと本当に仲直り――」


杏子「いいよ、それは別に」

杏子「アタシが無理やり我儘に付き合ってもらったんだ。何か落とし前は必要だっただろ」


杏子「第一知らなかったんだからしょうがないよ」

杏子「こうしてアタシのケガを親身に治してくれた、それが重要じゃない?」

383: 2013/11/26(火) 05:58:05.12 ID:TL8WYtTRo


マミ 杏子「…………」


杏子「で、他の奴らは?」


マミ「もう時間も遅いし鹿目さん、美樹さんの二人を暁美さんに送ってもらってる」

マミ「優木さんなら冷静になった後、自分のやったことが段々怖くなってきたみたいで」

マミ「おどおどそそくさ逃げ出して行ったわ」


マミ「マミさん、彼女が目を覚ましたら上手いこと謝っといてくださいって」

マミ「私の予想だと、多分普通に家にいるんじゃないかと思うけど……」


杏子「小物すぎだろ」


マミ「でも、だからこそ、どこまでも悪くなることはできない子なのよ」

マミ「いい子になるかどうかとはまた別の話だけど」


杏子「…………まあなんであれ、アイツがマミを大事に思ってるのは確かみたいだな」


マミ「……?」

マミ「急にどうしたの?さっきあんなに暴れた子のセリフとはとても思えないわ」

384: 2013/11/26(火) 06:00:32.32 ID:TL8WYtTRo


杏子「一部だろうけど見たんだよ、優木沙々の深層心理」

杏子「頭を撃ち抜かれたときにね」

杏子「それとも感じたっていうべきかな?」


杏子「多分だけどそれの原因は二つ」

杏子「一つ目は銃弾がアイツの魔力で構成されてたこと」

杏子「あともう一つは、アイツ主導による魔力のパイプが開通してたこと」


杏子「マミがあの時言ってたことの意味が良くわかった」

杏子「アタシが感じたあの体験の中に嘘はない、そう確信できる」

杏子「こうして二つの目でモノを見ていると感じるように」


杏子「どうして、と聞かれると困る。ただそう感じるからとしか言えない」

杏子「……あるいはもしかしたら、アタシも操られちまったのかもしれないな、アイツに」

385: 2013/11/26(火) 06:04:09.80 ID:TL8WYtTRo


マミ「優木さんを害する意思は、もうないのかしら?」


杏子「ふん、アイツのことは気に入らない。気に入らないよ」

杏子「だけどアタシは二人と戦って負けた」


杏子「加えてマミを大事にしてるんだなってことが一応わかって」

杏子「毒気を抜かれたちゃったって感じ」


マミ「だったらまた、昔みたいにやり直せない?」

マミ「優木さんとの問題が曲がりなりにも解決したらしい今」

マミ「あなたさえそのつもりになってくれれば、可能なことだと思うけど」


マミ 杏子「…………」


杏子「マミ……、いや、マミさん」

杏子「ずっと前、まだ二人で組んでた頃に約束したこと、覚えてる?」

杏子「もしかしたらマミさんの中じゃ、約束ってことになってないかもしれないけど」

390: 2013/11/27(水) 21:09:58.68 ID:12IgSYr3o


マミ「約束?」

杏子「もしいつか本当にワルプルギスの夜がやってくる時が来たら」

杏子「一緒にこの街を守りましょうってやつ」

マミ「……!」

マミ「もちろん、覚えてるわ」

マミ「暁美さんが言ってたワルプルギスの夜が見滝原に来るという話」

マミ「あなたはあの約束を守るため、見滝原に来てくれたの?」

杏子「…………」

杏子「よく、わかんねーんだ。自分が本当はどうしたかったのか」

杏子「ワルプルギスの夜なんて、ホントはどうでもよかったのかもしれない」

杏子「アタシはただマミさんと仲直りして、昔みたいに良い夢を見たかった」

杏子「それだけのために見滝原に来たのかもしれない」

386: 2013/11/26(火) 06:07:39.29 ID:TL8WYtTRo


杏子「だけど、知れば知るほど優木沙々のことがどうしても許せなくなって」

杏子「あまりにも嫌悪感が強すぎて、自分でもどんどんわからなくなった」


杏子「マミさんをアイツの手の内から救い出したいのか」

杏子「それとも単にアイツの存在をとことん否定したいのか」


杏子「自分のことしか、考えてなかったかもしれないんだ」


杏子「…………」


杏子「アンタと決別した時だってそうだ」

杏子「アタシは自分勝手で、マミさんのやさしさに甘えてばっかりで」

杏子「わがままばっかり言って、傷つけて」


杏子「そんなアタシが、今更どの面下げてアンタとまた同じ道を歩けって言うのさ」

387: 2013/11/26(火) 06:12:37.33 ID:TL8WYtTRo


マミ「…………」


マミ「いいじゃない、そんなのなかったことにすれば」


マミ「自分が本当は何を考えてたのか、そんなことでくよくよ悩むだなんてバカらしいわ」

マミ「人間の記憶なんて、私たちが思ってるよりずっといい加減なものよ、きっと」

マミ「自分に都合のいいところばっかり抜き出して、自分に都合のいいように作り変えて」


マミ「佐倉さんは、私と一緒にいたいって思ってくれてるんでしょ?」

マミ「だったらそれだけ都合よく抜き出しちゃえばいいの」


マミ「私だって、そうやって自分のやりたいように正義の味方をやってるわ」


杏子「…………なんかマミさん、変わったんだね」

杏子「アタシと一緒に組んでた時より相当図太くなったというか、逞しくなったっていうか」


マミ「ふふふ、だとしたら優木さんのおかげよ」

マミ「たとえ彼女みたいな酷い人とであっても、一緒にいたいって強く思ってしまうんですもの」

マミ「嫌でも普段から、そんな自分の弱くて醜い所に向かい合わざるおえないわ」

388: 2013/11/26(火) 06:15:26.16 ID:TL8WYtTRo


マミ 杏子「…………」


マミ「また、新しくやり直しましょう?」


マミ「優木さんと仲良くってのは、いくらなんでも難しい問題かもしれないけれど」

マミ「やってみなくちゃわからないわ」


マミ「もちろん世の中には、二度とやり直せないことが山のように溢れてるけど」

マミ「私たちの間には、やり直すための機会と力があるのだから、また、やり直せるはずよ」


杏子「……そうだね、そうかもしれない」


杏子「でも、それはまた今度ゆっくり考えよう」

杏子「まずはワルプルギスの夜を一緒に倒す。その約束が済んでからだ」


杏子「少なくともそれまではまたよろしくね」


杏子「……マミ先輩」ボソッ


マミ「…………ええ、佐倉さん。おかえりなさい」ニコッ

395: 2013/11/28(木) 20:45:51.94 ID:ApgKesCGo
~☆


ー翌日ー


沙々「で、話ってなんですか?」

沙々「まさかまた、わたしを罠にかけるつもりじゃないですよね?」


さやか「違うよ、そういうのじゃなくて、今度こそ凄い個人的な用事」

さやか「なんの話かって言われたら……、前の人生相談の続き、かな?」


沙々(ということは惚気話ですか?)

沙々(ちょっとそういうのは勘弁して欲しいんですが)


沙々「わたしよりマミさんとか、他に頼りになりそうな人たくさんいません?」


さやか「まぁそれは……、そうなんだけどさ」

さやか「私が恭介と付き合えたのって沙々さんのおかげだし」

さやか「だから今度も、できるなら沙々さんに相談したいなって思って」


沙々「……ふーん、そうですか。わかりました」

沙々「乗り掛かった船です、そこまで言うなら最後まで引き受けましょう」


沙々「それで肝心の相談内容は?」

396: 2013/11/28(木) 20:49:05.50 ID:ApgKesCGo


さやか「…………」


さやか「魔法少女の本体は肉体じゃなくてソウルジェム」

さやか「しかも最終的には魔女になるって知っちゃったせいで」


さやか「魔法少女になることが、どうしようもなく怖くなっちゃった」


沙々 さやか「…………」


沙々(ワルプルギスの夜のことだけを考えると、美樹さやかが癒しの祈りで契約)

沙々(戦闘に回復役として参加、そして戦氏するか勝利後にソウルジェムを砕く)


沙々(こんな形が理想ですけど、言ってもわたしの立場が悪くなるばかりですからね)

沙々(さすがに口に出すのはやめておきましょう)


沙々「よかったじゃないですか。まだ間に合う段階で知れて」

沙々「契約した後にそれを知っても後悔先に立たず、ですよ?」


さやか「……違う、そういうことじゃないんだよ」

さやか「私の弱い心のありようが問題なの」

397: 2013/11/28(木) 20:58:00.67 ID:ApgKesCGo


さやか「恭介のことを本気で思ってるなら、そんなのは些細なことであるべき」

さやか「今、私に契約の機会がないことはわかってる」

さやか「優木さんたちに迷惑をかけるつもりはない」


さやか「でも、仮にその機会が訪れたとして、私は勇気をだして契約できるのかな?」

さやか「恭介の腕を治せる手段と機会があって、なのに契約しないんだとしたら」

さやか「それってつまりは自分が可愛いからだよね?」


さやか「恭介のことよりも、自分のことの方が大事」

さやか「そんな私に、恭介の恋人でいる価値ってあるのかな?」


さやか「……だけど当然、魔法少女になったら、みんなを真剣に守らなきゃいけなくなる」

さやか「しかも恭介はヴァイオリンに一途だから、腕が治ったらどうなるかは目に見えてる」

さやか「二人で会う時間をろくに取れなくなる」


さやか「どうしても投げ出さなきゃいけない幸せの尊さと」

さやか「立ち向かわなきゃいけない不幸や困難の大きさが」

さやか「私の足をどうしようもないくらい竦ませるの」


さやか「契約ができるか、できないかの状況が問題じゃないの」


さやか「私って、本当にこれでいいのかな……?もっと、もっと何か……?」

398: 2013/11/28(木) 21:02:48.51 ID:ApgKesCGo


沙々「…………」


沙々「そんな堅苦しく考えなくてもいんじゃないですか?」

沙々「自分が大事って、わたしも含めてわたしの知ってる人全員そうですよ」

沙々「美樹さんは契約をするのが怖い、つまり嫌なんでしょう?」


沙々「それでも契約しなくちゃって思うなら、まず上条君に直接聞いてみればいい」

沙々「私の命と、あなたの左腕、どっちが大事ですか?って」


沙々「真剣に尋ねた結果、君の命よりも僕の左腕の方が大事だって答えが返ってくるようなら」

沙々「そんな奴に命を懸けてやる価値なんてないですから、跳び膝蹴りでもしてやればいい」


沙々「君の命の方が大事だって言われたなら、そう言われた通りに生きればいい」

沙々「あなたにとって損がない、まさにハッピーエンドじゃないですか」


さやか「…………」


さやか「嫌だよ、そんな……」

さやか「恭介に私の醜いところ、知られたくないんだ……」

399: 2013/11/28(木) 21:10:46.84 ID:ApgKesCGo


沙々「…………」


沙々「別に事情を全部明かせって言ってる訳じゃないんですけど、それでもダメですか?」


沙々「……というかそれとは別に、そもそも上条君本人にとって」

沙々「勝手に陰であなたに知らず知らず命を賭けられるのは」

沙々「はたして親切かつ適切なことなんでしょうか?」


沙々「親切に何か見返りを求めないのが美徳、って考えてるのかもしれませんけど」

沙々「メリットデメリットをちゃんと事前に知らされていない契約の恐ろしさは」

沙々「魔法少女のおかげで嫌というほどわかったでしょう?」


沙々「いや、上条君とあなたとの間に生じる関係は、契約とすら呼べませんね」


沙々「上条君は左腕を治すかどうかの決定に全く携わることができないんですから」


沙々「相手に黙ってやる親切ってのは、もちろん気持ちのいいものでしょう」


沙々「ですが、その問題が深刻になればなるだけ」

沙々「先に相手の確認を取ってからやるべきだとわたしは思いますよ」

400: 2013/11/28(木) 21:13:35.85 ID:ApgKesCGo


沙々「今回の場合、あなたはあまり気が進まないって考えてるんでしょう?」

沙々「だったらなおさら、無理な親切の押し売りにならないよう相手の意思を尋ねるべきです」


沙々「もしも上条君が左腕の回復を他の何よりも望んでいて」

沙々「そしてあなた自身も、それを全てに優先して望むのだとしたら」

沙々「だったらもう好きにしたらいいです。ただし、わたしが関係しないところでね」


沙々「取り返しがつかなくなる前に踏みとどまることを、わたしはオススメしますが」


沙々 さやか「…………」


沙々「私個人の意見としてはざっとこんなところですけど、何か参考になるところ、ありました?」


さやか「…………なんかありがと」

さやか「話したりそれに答えてもらったりして、ちょっとスッキリした」


さやか「沙々さんが言ったことも十分参考にして」

さやか「自分が何をしたいのか、何をするべきなのか」

さやか「時間をじっくりかけて、これからもっと深く考えてみるよ」


沙々「まあ、ほどほどに頑張ってくださいね」

401: 2013/11/28(木) 21:17:45.81 ID:ApgKesCGo
~☆

ー数日後 夜ー


テクテク テクテク


まどか「…………」


テクテク テクテク


まどか(こんな時間に一人で出歩いて、私、何してるんだろう?)

まどか(魔法少女でもないのに、何してるんだろう?)


まどか(魔法少女の皆は、ワルプルギスの夜と戦う準備に忙しくて)

まどか(なのに私は、何もできない)


まどか(…………)







仁美「…………」トコトコ


まどか(あっ、仁美ちゃんだ)

402: 2013/11/28(木) 21:19:33.25 ID:ApgKesCGo


テクテク


まどか「仁美ちゃーん!今日は御稽古ごと――」


仁美「…………」トコトコ

まどか「……?」


仁美「…………」トコトコ


まどか「っ!?」

まどか(あれって、もしかして……!)


まどか「仁美ちゃん!ねえ、仁美ちゃんってば!」ユサユサ


仁美「あら、鹿目さん、ごきげんよう」


まどか「ど、どうしちゃったの?ねえ、どこに行こうとしてたの?」


仁美「どこって、それは……」

仁美「ここよりもずっといい場所、ですわ」ニコォ


まどか「仁美ちゃん……」


仁美「ああ、そうだ。鹿目さんもぜひご一緒に」

仁美「ええ、そうですわ……。それが素晴らしいですわ……」

403: 2013/11/28(木) 21:28:17.48 ID:ApgKesCGo


まどか(どうしよう、これってやっぱり、そうだよね)

まどか(……あっ!ほむらちゃんかマミさんに連絡すればいいんだ!)


まどか「えっと、よし、じゃあ――」スッ

まどか(まずはほむらちゃんに――)


仁美「ダメですわ、鹿目さん」パシッ


まどか「あっ!か、返してっ!仁美ちゃんっ!」

まどか(け、携帯がないとメールも電話もできない……)


仁美「ダメですわ、鹿目さん」

仁美「私たちがこれから向かうのは、とても素晴らしい場所」

仁美「そこを目指す儀式に、俗世の穢れを持ち込んではならないんですの」


仁美「鹿目さんは私の大切な友人として、今回特別にそこにお招きしますが」

仁美「だからといって、他の選ばれていない方々をお呼びになるのは、ダメですわ」


まどか(……ひ、仁美ちゃんから無理にでも携帯を取り返す?)

まどか(いやいや無理だよ、だって仁美ちゃん護身術も習ってるんだもん)


まどか(仁美ちゃんをひとまずおいて、公衆電話を探すか、通りすがりの誰かから携帯を借りる?)

まどか(ああ、ダメだ……。携帯の番号とかメールアドレス、あの携帯がないとわかんないや……)

404: 2013/11/28(木) 21:30:17.13 ID:ApgKesCGo
~☆


工場主「そうだよ……、俺、ダメなんだ……」

工場主「こんな小さな工場一つ、満足に切り盛りできなかった……」

工場主「今みたいな時代にさ、俺の居場所なんて、あるわけねぇんだ……」


コポコポコポ


まどか(洗、剤……?)


まどか(ママが言ってた、ああいう洗剤は扱いを間違えると)

まどか(とんでもないことになる、家族みんなあの世行きだって……)


まどか「――っ!」

まどか「ダ、ダメ……、それはダメっ!」ダッ


仁美「……」ドンッ


仁美「邪魔をしてはいけません。あれは神聖な儀式ですのよ?」


まどか「だって、あ、あれ、危ないんだよ!?ここにいる人たち、みんな氏んじゃうよっ!?」


仁美「そう、私たちはこれからみんなで、素晴らしい世界に旅に出ますの」

405: 2013/11/28(木) 21:33:41.38 ID:ApgKesCGo


まどか(……どうしよう、どうしよう)


まどか(ここには、ほむらちゃんやマミさんはいない)


仁美「それがどんなに素敵なことかわかりませんか?」


まどか(……私が、私がやらなくちゃ)


仁美「生きてる身体なんて邪魔なだけですわ」


まどか(私が……、私が……!)


仁美「鹿目さん、あなたもすぐに――」


仁美「――――」


まどか「……?」


ドサッ ドサッ ドサッ ドサッ


まどか「!?」


まどか(み、みんな倒れてく……!?)


まどか(毒、毒……?)


まどか(でも……、仁美ちゃんはまだ立ってる)


まどか(それに私はなんとも――)

406: 2013/11/28(木) 21:36:30.28 ID:ApgKesCGo


仁美「――――」 


テクテク テクテク


沙々「――こんばんは、鹿目さん」


まどか「ゆ、優木さん!?」


沙々「やれやれ、実に大仕事でした」

沙々「全員を眠らせる魔法には、さすがに苦労しましたよ」


沙々「魔女の支配下にある人間にはわたしも干渉しやすい」

沙々「とはいえ一度にこの人数となると、成功させた自分を、全く褒めちぎってやりたいです」


まどか「間に合ってくれて本当によかった……!」

まどか「誰も間に合わなかったら、私、どうしようかと……!」


沙々「こっちこそどうしようかと思いましたっての」


沙々「志筑仁美が魔女の口づけを受けたことをはるばる感知して」

沙々「仕方ないから助けようと走ってここまで駆けつけてみれば、そこにあなたまでいるんですから」

407: 2013/11/28(木) 21:42:22.90 ID:ApgKesCGo


沙々「本当に、無事な状態であなたを確保できてよかった」


沙々「さあ、鹿目さん。志筑さんを連れて、あの出口から帰りましょう」

沙々「時間もだいぶ遅いですし、これも縁です。家まで送りますよ」


まどか「…………えっ?」


沙々「?」


沙々「どうかしました?急ぎましょう、私の魔法が解ける前にここを出ないと」

沙々「この規模で急ごしらえだと、そんなに長い効果は保証できません」


まどか「…………」


まどか「だけど、だけど魔女を倒さなくちゃ……」

まどか「優木さんは、そのためにここに来たんでしょ……?」







沙々「何寝ぼけたこと言ってるんです。わたし一人で、無理に決まってるでしょう」

408: 2013/11/28(木) 21:47:23.33 ID:ApgKesCGo


沙々「わたし個人の戦闘力は、使役する魔女がいなかったら酷いものですよ?」

沙々「使役するためのグリーフシードには、特殊な魔法をかける必要があるんです」


沙々「今、そんなグリーフシードを持ってたら、自分の立場を悪くするだけじゃないですか」


沙々「それにマミさんと一緒に手に入れたグリーフシードの管理は、基本あちらに任せてます」


沙々「あくまでわたしは、ここに志筑さんを助けに来ただけです」


沙々「起きると面倒ですから、この人たちが目を覚まさぬ内に、この場からさっさと離れなくては」



まどか「……じゃあ、私たちがいなくなったらここで倒れて眠っている人たちは」

まどか「ここにこのまま取り残される人たちは、いったい、どうなるっていうの……?」


沙々「…………」


沙々「どうなる?そんなの決まってるじゃないですか」



沙々「当然みんな、次に目を覚ましたら自頃します」

沙々「魔女に魅入られたのが運のツキ、ただそれだけの話です」

409: 2013/11/28(木) 21:49:41.67 ID:ApgKesCGo
今日はここまで
何かの言葉でさやかが安直に契約やめるのは納得いかないので
機会がない中自分で色々考えて次第に納得してもらうって形に

文字数の割に話が進まない
シャルロッテ戦はあっけなくカットしましたけど
沙々さん主人公の話でエリーを真面目にやらない訳にはいかないということで今回 そして次回

エリー戦で自頃しようとしてる人たちを見捨てろって展開
SS色々あるけど魔法少女がまどかにそう迫る話を他に見た記憶がない
それもこれも沙々さんが規格外に弱いからできる展開なのだ ビバ沙々さん
切り捨てに全く躊躇ないけど幼女ですら盾にするからそんなもんです

414: 2013/12/01(日) 12:10:35.62 ID:KqxkD1Fgo


まどか「ダ、ダメだよ!そんなの絶対おかしいよ!」

まどか「みんな、助けなくちゃ!」

まどか「私たちだけが逃げるなんて、間違ってるよ!」


沙々「そんなこと言われても、わたしの実力からして無理なものは無理ですよ」

沙々「助けようとして巻き込まれて、結局は力及ばずにどっちも氏ぬ」

沙々「仮にそれが誰かの耳に伝われば、生前の美談にでもなるのかもしれませんね」


沙々「ですが、わたしにとって氏んでからが一体何になると言うんです?」

沙々「氏んでから後も生かせる美談なんて、この世に存在しません」


まどか「……」


まどか「なんで優木さんだけが、ここへ来たの?」

まどか「マミさんさえいてくれたら、きっとどうにかしてくれるはずなのに……」


沙々「あいにくマミさんは、グリーフシードを工面しようと知り合いの元へ遠出中です」

沙々「マミさんって、魔法少女の間で結構顔広いらしいですからね」

415: 2013/12/01(日) 12:13:09.92 ID:KqxkD1Fgo


沙々「どうも魔女の口づけを受けた一般人がいるみたい。だから早く帰ってきて」

沙々「ここに来る前に、そうメールしときましたけど、この状況では間に合わないでしょう」


沙々「いくら全力で帰ってくるにしても、ある程度人目もありますし、あと数時間はかかるかと」

沙々「おそらく今頃リボンで、上空飛び立たんばかりに必氏で建物を伝ってるんじゃないですか?」


まどか「……」


まどか「だったらほむらちゃんなら――」


沙々「彼女の電話番号なんてわたし知りませんよ」

沙々「じゃあ佐倉さんとなると、そもそも持ってるかどうかが怪しい」


まどか「……っ!」

まどか「でも、私!ほむらちゃんの携帯の番号とメールアドレス知ってるよ!」


まどか「仁美ちゃんに盗られちゃってたけど、その携帯に――」


沙々「あー、知ってるんですか。じゃあここから出たら連絡とってみましょう」

416: 2013/12/01(日) 12:17:49.49 ID:KqxkD1Fgo


沙々「ただ彼女の魔法がどんなものか詳しく知りませんし」

沙々「今どこにいるのかも定かじゃありませんが」

沙々「この切羽詰まった状況にはたして間に合うと思います?」


沙々「人々の自殺を防ぐには、いくら彼女が凄腕でもその場にいなくては……、ねえ」

沙々「テレポート系の能力の持ち主みたいですし、一応連絡しておく価値はあるでしょうけど」


まどか「……」


まどか「じゃ、じゃあ私たちが頑張って時間を稼げば――」


沙々「あっ、ちょっと待ってください」

沙々「さっきかけた魔法がもう解けそうなんで、ちょっと強めにかけ直します」


沙々「思ってたよりは早いですが、まぁこんなものでしょう」


沙々「さっさとこの場から離れとけばかけ直す必要なかったんですけど……」

沙々「集中しなきゃいけないんで静かにしててくださいね」

417: 2013/12/01(日) 12:22:06.82 ID:KqxkD1Fgo


まどか 沙々「……………………」


沙々「はい、終わりました」

沙々「言っときますけど、さっきよりも状況悪くなってるんですよ、これ」


沙々「この魔女の結界が及びうる範囲は、工場一帯をあますことなく包み込んでいます」

沙々「では、なぜわたしたちは結界に巻き込まれずにいられるのか?」


沙々「魔女には、自分の結界の中に誰かが入り込むのを好まないモノが多い」

沙々「だから工場の中という現実の領域で、こうして集団自殺が行われようとしてるんです」


沙々「……とはいえそれは、何事もない場合の話にすぎません」

沙々「何か邪魔をされたと感じたなら、普通は本腰を上げて相手を潰そうと動き始める」


沙々「わたしが人々を眠らせたことも、かなりギリギリの線を渡っています」

沙々「それがどういう手順でかの説明は省きますが、魔女を刺激しているのは間違いない」

沙々「これ以上何か邪魔をしては、確実に敵とみなされます」


沙々「そうすれば間違いなくわたしたちは結界に取り込まれて、わたしは魔女と戦う羽目になる」


沙々「時間稼ぎ?いいえ、そんな余裕はありません」

沙々「一刻も早くこの場を逃れることが最善手です」

418: 2013/12/01(日) 12:27:26.54 ID:KqxkD1Fgo


まどか「…………」


まどか「たとえそうだとしても、ダメだよ」

まどか「私はここから、逃げ出したくない」


沙々「……あ゛ー、もう、まどろっこしいですねぇっ!」イライラ

沙々「どうしてわたしが、鹿目さんを強制してこの場から連れ出そうとせずに」

沙々「ここまで丁寧に説得しようとしてるのかわかりますか?」


沙々「わたしに対する感謝を、あなたに心底アピールして貰いたいからです」

沙々「あなたをなんの怪我もなく魔女から救い出した」

沙々「そう暁美ほむらに恩を売るため、あなたにはここで納得してもらわないと困る」


沙々「優木さんが私をあの場から無理やり引きはがした」

沙々「もしかしたら他の人たちを助けられたかもしれないのに」


沙々「後になってから万が一そんなようなことを言われてしまっては」

沙々「せっかくあなたを助けたうまみが少なくなってしまう」


沙々「現状、わたしたちが生き延びるにはこうすべきなんです。わかるでしょう?」

419: 2013/12/01(日) 12:29:58.27 ID:KqxkD1Fgo


まどか「…………」


まどか「優木さん、前に私に言ったよね」

まどか「自分に自信がないって理由で、魔法少女になるのはやめろって」


まどか「あれから私なりに色々考えてみたの」

まどか「そもそも、私に自信がないのはどうしてなんだろうって?」

まどか「最初は、自分に何も才能がないからだと思った」


まどか「だけど本当は違った」


まどか「自分から何もしようとしなかったからだったんだ」


沙々「…………」


まどか「魔法少女になって、こんな自分を変えたいなって」

まどか「奇跡の助けがあれば、私でもきっと最初の一歩を踏み出せる」

まどか「そうすれば後はトントン拍子で、新しい私が開けてくるはず」


まどか「そんな風に魔法少女のことを知って、浮かれてる気持ちもあったんだと思う」


まどか「だけど知れば知るほど、その道は踏み入れたらいけない道だった」

まどか「私は、自分の力で私を変えていかなきゃならない」

420: 2013/12/01(日) 12:32:36.63 ID:KqxkD1Fgo


まどか 沙々「…………」


まどか「実際魔法少女になるかどうか、そんなことは全部二の次なの」

まどか「大事なのは、私が魔法少女になるに値する人間かどうか」


まどか「でも、私には誰かに誇れるような才能は何もない」

まどか「才能がないから、いつか変わるためには、私はここで引いちゃダメなの」


まどか「今、誰かが取り返しのつかない理不尽な不幸を背負わされようとしてる」

まどか「それを私は、この両目でひしと見据えてる、知ってる」

まどか「ここで自分を誤魔化すなんて、そんなの絶対おかしい」


まどか「私は魔法少女じゃなくて、何もできない無力な存在だけど」

まどか「ここで自分だけ助かろうとするのは、間違ったことだって信じてるから」

まどか「優木さんにだったらこの気持ち、きっとわかってもらえると思うんだけど……?」


沙々「…………」


まどか「…………っ」ブルッ




まどか「だから、だから、ごめんなさいっ!」ダッ

421: 2013/12/01(日) 12:41:33.92 ID:KqxkD1Fgo


沙々「っ!」


パシッ

タッタッタッ


ガシャーン!


沙々(あっ、終わった……)

沙々(魔女が活発に動き始めた気配がひしひしとここまで……)


タッタッタッ


沙々(なんともまぁ、元気よく走って行っちゃって……)

沙々(液体の入ったバケツを投げるとは、結構ガッツあるんですね)


仁美「――――」


沙々(鹿目まどかのことは、残念ながら見捨てるのが正解でしょう)


沙々「…………」



沙々(――自分から何もしようとしなかったから、ですか)



沙々「…………やれやれ」


沙々(彼女とあまり関わらなければよかった)

422: 2013/12/01(日) 12:43:12.99 ID:KqxkD1Fgo
~☆

使い魔「~~~~!」


まどか「…………」


まどか(なんで、こんなことしちゃったんだろ……)

まどか(氏にたく、ないな)


使い魔「~~~~!」
 

まどか(罰なのかな……?)

あどか(私が無駄に意地張って……)


まどか(優木さんの言うことを聞かなかったから……)

まどか(だから、私はその報いを――)


使い魔「――――」


まどか(……?)


使い魔「――――」



沙々「……」ヘンシン

423: 2013/12/01(日) 12:48:19.69 ID:KqxkD1Fgo


沙々【こうして顔を合わせてみてわかりました】

沙々【朗報ですよ、鹿目さん】


まどか(優木さん、どうして……!?)


沙々【元々あの人数が操られてるってことに違和感はあったんです】

沙々【今日の見回り担当は佐倉杏子】


沙々【彼女は風見野と見滝原の両方を見回っていたんだと思います】

沙々【あちらで魔女との戦闘があったと考えれば、こちらに魔女の取りこぼしがあってもおかしくない】


沙々【……しかしそれにしたって、事の規模に比べて進行があまりに急すぎる】

沙々【その原因は、この魔女が精神操作に特化した能力の持ち主だったから】


沙々【わたしと同じく、直接戦闘に割く力はほとんど持たない】

沙々【わたしでも、むしろわたしだからこそ、奴に対抗できます】


沙々【精神系の固有魔法の持ち主は、互いに影響を与え辛い】

沙々【魔女になっていてもその法則は変わらない】


まどか(じゃあ、優木さんでもこの魔女を倒せるってこと……?)

424: 2013/12/01(日) 12:59:44.07 ID:KqxkD1Fgo


沙々【わたしがまともに一人で戦って倒せるかとなると】

沙々【あなたを守りながらですし、ちょっと微妙、というか多分無理です】

沙々【グリーフシードの手持ちがないのが不安ですが、マミさんが来るまで、時間を稼ぎます】


沙々【使い魔ならある程度の数は使役したり無効化できるはず】

沙々【私の後ろで目を閉じて、ひっそりと神様にお祈りでもしててください】


まどか(どうして、私を助けに来てくれたの……?)

まどか(優木さん、この魔女がどんな魔女か見るまで知らなかったんだよね……)

まどか(だったら……)


沙々【さあね、知りませんよそんなこと】


沙々【それよりもまず、この場を生き残ることを考えなくてはいけません】


沙々【こんなつまらない氏に方で氏んでなるものですかっ……!】

425: 2013/12/01(日) 13:04:15.17 ID:KqxkD1Fgo
~☆

ー翌日 マミホームー


沙々「それで鹿目さん。なんの用ですか?」


まどか「……謝りに来たの」


沙々「謝りに?いったい何に対してですか?」


まどか「優木さんを私の我儘に巻き込んじゃったこと」

まどか「マミさんが来るのが速かったからよかったけど」

まどか「あの時でさえ優木さん、限界寸前だったし」


まどか「本当だったら、あのまま魔力が尽きて魔女に――」

沙々「本当なのは、わたしたちが生き延びたことだけですよ」


沙々「あなたに頭を下げられてもわたし、何も嬉しくないんですけど」


沙々「誠意があるということなら、あなたがわたしの献身に対して」

沙々「何か報いとしてできることはあるんですか?」

426: 2013/12/01(日) 13:08:59.66 ID:KqxkD1Fgo


まどか「…………」


沙々「くふふ、そんな辛そうな顔をしなくても大丈夫です」クスッ

沙々「もう、見返りはこっちで勝手に貰ってますから」

沙々「わたしがあなた自身に要求するのはあと一つだけです」


まどか「えっ……?」


沙々「自分の命を投げ出してまで、一般人と鹿目さんの盾となり魔女と対峙した」


沙々「わたしのソウルジェムの穢れ除去とケガの治療が一通り済んでからの」

沙々「マミさんのあの感激した素振り。中々に気分が良かったですよ」


沙々「それにその様子を隣で見てる、佐倉杏子のあの苦虫を噛み潰したような顔」

沙々「いやー、あそこに彼女が居合わせてくれてよかった。あの顔は最高でしたね」


沙々「暁美さんがあなたを家に送っていたせいで、あの顔を見せられなかったのは残念です」

427: 2013/12/01(日) 13:13:40.63 ID:KqxkD1Fgo


沙々「……そう、それとあなたと無事に再会して抱き着いたときの暁美さんの様子」

沙々「どう見ても彼女の本心が出ていましたね」

沙々「おかげでどう関係していけばいいのか、かなり行動指針を決めやすくなった」ニヤァ


まどか(優木さん、すごい悪い顔してるなぁ……)


沙々「暁美さんの中でのわたしの信頼度も、多少は上がったでしょう」

沙々「わたしが望むのは、あれをあなたが皆を守ろうとした結果だと主張しないこと」

沙々「真実を心の底にしまっておくのは、あなたにとって別に不利益ではないはずです」


まどか「……私が守ろうとしたからじゃないよ」


まどか「結局、私は見てるだけで何もできなかった」

まどか「みんなを守ったのは、やっぱり優木さんだよ」


沙々「それはただの結果ですね」


沙々「あの魔女が戦闘能力をあともう少しでも備えていれば、二人とも氏んでいた」

沙々「しかし、私たちは生きている」

428: 2013/12/01(日) 13:18:49.78 ID:KqxkD1Fgo


沙々「それと同じで、あなたが無茶をしなければあの一般人たちは皆氏んでいた」


沙々「暁美ほむらは、武器収集のため奔走していたとあなたに言い訳していました」

沙々「結界の外で連絡してもおそらく間に合わなかったでしょう」


沙々「それにわたしは、あなたと仁美さんを連れて撤退する気満々でしたからね」


沙々「けれど現実は、わたしの妨害もその一端ではありますが」

沙々「魔女がわたしたちにばかり注意を向けていたおかげで、集団自殺は行われなかった」

沙々「全く幸運としか言いようがありませんが」


沙々「どれほど非合理な選択から生じたものだとしても、この結果はあなたの行動が原因です」

沙々「誰かに誇れるものではないかもしれませんが、あなたが、人々の命を救ったんですよ」


まどか「……優木さんって、優しいんだね」


沙々「ええ、まあよく言われます」

429: 2013/12/01(日) 13:27:25.57 ID:KqxkD1Fgo


沙々「これで用事は全て済みましたか?」

沙々「マミさんに今日は念のため、一日家で休んでなさいって言われたので」

沙々「そろそろその言葉通り、ダラダラ布団の中で眠っていたいんですが」


まどか「……うん、じゃあ最後に一つ、優木さんに気になること聞いたら私帰るね」







まどか「――あの時、仁美ちゃんが魔女の口づけを受けたこと、なんではるばる感知できたのかな?」


まどか「魔女の口づけを受けたのが仁美ちゃんだって、初めからわかってた言い方だったよね?」


沙々「…………」


沙々「これまた中々痛いところに気付きましたね」


沙々「……彼女に何か危険があったら反応するようなのを、念のためかけておいたんですよ」

430: 2013/12/01(日) 13:29:51.83 ID:KqxkD1Fgo


沙々「あなたの大切な友人でしょう?」

沙々「ぶっちゃけた話、彼女に何か万が一があった場合」

沙々「間接的な恩を暁美ほむらへ売れるようにね」


沙々「優木さんが仁美ちゃんのこと助けてくれたの」

沙々「あなたがそう言えば、多少好感度、信頼度は上がるはずと考えて」


まどか「優木さん、仁美ちゃんを無事に解放するって言ってたじゃないっ!」


沙々「無事には解放したじゃないですか。あの時かかってた魔法は全部解きましたし」


沙々「ただ、新しくて安心なのを、彼女の安全のため、保険に新しくかけただけ」


沙々「嘘はついてませんよ。それでも不安なら、後で佐倉杏子にチェックさせてみればいい」

沙々「結果として、颯爽とピンチの場に駆けつけることができた」


沙々「それで今はいいじゃないですか?ね?」


まどか 沙々「…………」

436: 2013/12/04(水) 12:13:05.01 ID:FX1/g9hvo
~☆

ー1週間後ー


QB「優木沙々、わざわざキミからボクに接触を図るなんて、珍しいこともあったものだ」

QB「何か、解決に困るような問題でもあったのかい?」


沙々「どうでしょう?もしかしたら自力でも解決できるのかもしれません」

沙々「ですがどちらにせよ、あなたに聞いてみたほうが早いし多分確実です」


沙々「あなたがわたしを、魔法少女の契約において手酷く引っ掛けた」

沙々「それを許すつもりなんて毛頭ありませんけど」


QB「ボクがキミを引っ掛けただって?」

QB「いったい何について言ってるのか、まるで心当たりがないよ」


沙々「……心当たりがない?」

沙々「ふーん、そこまで言うなら、なんのことか言ってやりますよ」


沙々「暁美ほむらから全部聞きました」

沙々「魔法少女の本体は肉体じゃなくてソウルジェム」

沙々「そして、魔法少女は魔女になる末路を背負わされているんだとね」

437: 2013/12/04(水) 12:17:16.71 ID:FX1/g9hvo


沙々「これらとを知らされなかったことについて、わたしは引っ掛けられたと言ってるんです」

沙々「事前に知っていたら、あんなバカな願い事で契約なんて考えませんよ」


QB「…………」


QB「ふむ、一つ聞きたいんだけどいいかな?」


沙々「いいですよ、なんですか?」


QB「暁美ほむらの発言に、キミはどれほどの信憑性があると考えているんだい?」

QB「それが本当かどうかを、直接何かの手段で確認したわけじゃないんだろう?」


QB「以前のキミなら、言葉だけの浮説とも捉えうる話をそう簡単には信用しなかったはずだ」


QB「いわゆる心境の変化ってのが原因なのかな?」

QB「どうも暁美ほむらや杏子とだいぶ親交を深めているようだし」


沙々「確証が言葉だけなら、もちろんそれを信じはしないでしょうね」


沙々「しかし本体がソウルジェムだという実感こそありませんが」

沙々「魔法少女が魔女になる、これについては彼女の発言よりもっと、信頼に足る確証があります」

438: 2013/12/04(水) 12:19:31.27 ID:FX1/g9hvo


沙々「それはわたしが魔女や人間、魔法少女を使役してきた、その経験です」

沙々「魔法少女と魔女は元は同質のものだった」

沙々「あなたが違うと言ったとしても、それは嘘だと言い張れるくらいには確信しています」


QB「…………なるほど、魔法少女と魔女の内面深くへ接続するという経験があれば」

QB「比較から、その二つを結びつける判断を肯定するのは自然なことなのかもしれないね」


QB「これまでは、その可能性を意識的か無意識かは別として、考えようとしなかっただけということか」


沙々「わかっていただけましたか?」


沙々「さあ、それじゃあわたしを契約の際に引っ掛けていことについて」

沙々「そして心当たりがないなんて言った嘘を、今ここで謝罪してもらいましょうか」


QB「謝罪して、と言われても困るんだけどね」

QB「嘘なんて、ボクは一度もキミについていないんだから」


沙々「はぁっ?これでもまだ言いやがりますか」

439: 2013/12/04(水) 12:28:10.94 ID:FX1/g9hvo


QB「だって、キミや他の人々が普通嘘や引っ掛けたって言葉に込めている意味は」

QB「事実とは違うことを、事実だと相手に伝えるということだろう?」


QB「ボクがそんなことをキミに対し行ったという事実は、一度たりとも存在しない」

QB「魔法少女がどういうものかという説明は一部省略したけれど」


QB「ボクは願いを一つだけ叶える。そしてその代わりにキミは魔法少女に、なる」

QB「この二つの事柄に嘘偽りは一切ない、違うかい?」

QB「なんならそれに魔女と戦うを付け加えてもいい」


QB「普段から常に、ボクはキミに嘘なんてついていなかったはずだ」

QB「ただし聞かれなければ、そのまま双方に不都合が出ない形で話を進めるけれどね」


沙々「…………」ギリッ


沙々「なんでキュゥべえは、いつか魔女になる魔法少女という存在を」

沙々「わざわざ奇跡という願いで釣り上げてまで産み出すんですか?」

沙々「あなたの奇跡だって、きっとタダではないんでしょう?」

440: 2013/12/04(水) 12:30:58.59 ID:FX1/g9hvo


QB「キミたちが自身の魂を揺さぶる願望を、現実の形にすることを目指すように」

QB「もちろんボクにはボクとしての崇高な目的、理念がある」

QB「それはね、キミたちの感情からこの宇宙全体を救うエネルギーを創出することなんだよ」


沙々「は?」


QB「沙々はエントロピーという言葉を知ってるかい?」

QB「簡単に言うと――」


沙々「あー、そこら辺のこまごまとした話はいいです、面倒です」

沙々「どうせ大して興味もないのに聞いたこっちがバカでした」


沙々「キュゥべえと今更敵対しても、わたしに得がない以上そうする気もないですし」

沙々「あなたたちが魔法少女の契約を仮に止めて、魔女が産まれなくなれば困るのはわたし」


沙々「魔女にはなりたくありませんが、だからといって早々と氏にたいわけでもない」

沙々「契約内容が不満ではありますが、どうせやり直しが可能なものじゃないんでしょう?」

441: 2013/12/04(水) 12:38:53.09 ID:FX1/g9hvo


QB「うん、そうだよ」

QB「キミたちの魂をソウルジェムに変換するという行為は、ボクの知る限り不可逆だ」

QB「新たな願い、奇跡の力を借りるならばまた話は別だけど」


QB「誤解しないで欲しいのは――」


沙々「はいはい、もういいです」

沙々「いい加減相談に話を戻します。構いませんよね?」


QB「ボクは構わないよ。それじゃあ話を聞くとしよう」

QB「解決の役に立つような助言を、キミに与えられるかどうかはまた別だけどね」


沙々「…………」


沙々(こういうことに一番詳しいだろうって理由で)

沙々(まずこいつを相談相手に選んだのは失敗だったかもしれませんね)

沙々(どうも思ってた以上に胡散臭いです、こいつ)

442: 2013/12/04(水) 12:42:32.91 ID:FX1/g9hvo


QB「どうしたんだい?さあ、話してごらんよ」

QB「話を聞かなくては何もわからないし、何も言うことはできないじゃないか」


沙々「……あー、あのですね。あれです。わたしの魔法が、以前と比べておかしいんです」

沙々「この頃どうしてなのか、魔女を操作することが急激に下手になってきています」


沙々「魔法が新しく使えるようになっていくことはこれまで数々ありましたが」

沙々「魔法が使えなくなっていくなんてことは、これが初めてで……」


沙々「魔法少女と契約を結んできたあなたなら、こういうことにも詳しいんじゃないかなって思って」

沙々「何か原因について、推測でもいいから思いつきませんか?」


QB「……魔法が使えなくなる原因、か」

QB「例えば使えなくなる原因として、自分の願いを心の底で拒絶してしまったというものがある」


沙々「願いを、拒絶?」

443: 2013/12/04(水) 12:47:41.16 ID:FX1/g9hvo


QB「魔法少女の固有魔法は願いとかなり密接な関係を結んでいる」

QB「それがどういう固有魔法かにもよるけれど、潜在意識の働きというものは存外大きい」

QB「願いの否定を原因として、自分の魔法の使用範囲を限定してしまった子はこれまでに数多くいた」


QB「しかし、キミにそれは当て嵌まらないはずだ」

QB「ボクの目から見ても、今のキミの精神状態はいたって健康に見える」


沙々「ええ、いたって心身ともに健康ですよ」


QB「キミは願いを否定しているわけじゃない。なおかつ君の願いは固有魔法に人一倍強く繋がっている」

QB「となるとキミの変化は、何かしら願いに沿ったものだと考えるのがまともな筋だろう」

QB「それが成長という正常な反応ならともかく、劣化しているんだからなおさらね」


QB「そしてキミの願いは、自分より優れた者を従わせたい」


QB「明らかな証拠があるわけじゃもちろんない。これはボクが導き出した推論に過ぎない」

QB「しかしおそらくは、こういうことなんじゃないか?」



QB「キミにとって、優れていると思うものが変わってきている」



沙々「……つまりわたしが、前と比べて魔女を優れていると感じなくなっていると?」

444: 2013/12/04(水) 12:49:33.01 ID:FX1/g9hvo


QB「そう考えるのが最も合理的だろう」

QB「人間の価値評価の基準はきっかけさえあれば容易く変動するものだ」


QB「もっとも原因がわかったところで簡単に治せるものでもないだろうし」

QB「治す必要があるかどうかも確かじゃない」


QB「価値評価とは相対的なものだからね」


QB「キミの願いが正常に機能している以上、下手になった魔法があれば」

QB「同時に目に見えて上達した魔法もまたあるはずだ」




QB「ボクの推測が正しければ、心当たりは既にキミの内にあるはずだよ?」


沙々「…………」

445: 2013/12/04(水) 12:51:24.35 ID:FX1/g9hvo
~☆

ー数日後 マミホームー


杏子「それでここまで呼びつけていったいなに?」

杏子「まさかつまんない用事なんかじゃないよねぇ……?」


沙々(こ、こえぇぇ……)

沙々「いやいや万に一つもそんなはずないじゃないですかやだなー佐倉さんったら!」ハッハッハッ


沙々 杏子「…………」


マミ「佐倉さん、優木さんが怖がってるわ。怖い顔をするのはやめて」


杏子「……チッ」


ほむら「続けてくれる?」


沙々「あっ、はい」


沙々「ずばりですね、ワルプルギスの夜との戦いにわたしも加えて欲しいんです」




ほむら 杏子 マミ「…………」

446: 2013/12/04(水) 12:56:39.17 ID:FX1/g9hvo


杏子「アンタ、正気で言ってんの?」


沙々「いきなり人を狂人扱いしないでくださいよ」


杏子「いや、でも、ぶっちゃけ沙々がまともに戦いに加わっても犬氏にするだけだよ」


マミ「ちょっと佐倉さん!?」


杏子「だってホントのことじゃんか。むしろ本人が一番よくわかってるはずでしょ」


沙々「誰がまともに、戦いに加わると言いましたか」


沙々「どうですか?練習してみて三人の連携はうまくいってますか?」


ほむら「まずまず、想定していたレベルには達しているわね」


杏子「あったりまでしょ、アタシとマミさんは前にコンビ組んでたんだし」

杏子「コンビ勘さえ思い出せれば楽勝、楽勝」


沙々「佐倉さんはそれで十分だと、本気で思ってるんですか?」


杏子「……何が言いたいのさ?」

447: 2013/12/04(水) 13:00:48.71 ID:FX1/g9hvo


沙々「相手はあのワルプルギスの夜ですよ?」


沙々「どうです?マミさんと一緒に戦ってみて」

沙々「思ってたより強くないな、とか思ったりしません?」


杏子「……っ!」ギリッ 

マミ「…………」


沙々「所詮雑魚のわたしには本当のところはわかりませんよ?」

沙々「ただ両者争ってた時とかを見る限りは、今はあなたの方が強そうだなって」


杏子「それは――!」

マミ「確かに、私の目から見ても佐倉さんの方が強いわ」


マミ「魔法のバリエーションはあるけど、一番この三人で弱いのは私よ」


杏子「…………」


沙々「マミさんを超えるほどにあなたが強くなったのは、とても喜ばしいことでしょうけど」

沙々「チームとして考えた時、あなたが隣にいなかった歳月は今埋めるにはあまりに大きすぎる」


沙々「暁美さんは、これでワルプルギスの夜と戦っても間違いないって思いますか?」

448: 2013/12/04(水) 13:04:48.61 ID:FX1/g9hvo


ほむら「間違いない、なんてことはアイツとの戦いに臨む中でありえないわ」

ほむら「どれほど準備をしたところで、満足できる妥協点なんて見つかるとは到底思えない」

ほむら「……だからこそ勝率を少しでも上げる方法があるというのなら、見過ごすわけにはいかないわね」


沙々「ワルプルギスの夜との勝率を少しでも上げる、あるいは安定させたいと思うなら」

沙々「互いの呼吸を絶えず嗅ぎ分けられるようなコンビネーションを目指すべきです」


沙々「優れた魔法少女であるあなたたちなら、きっと基礎的な動きの中での連携は完成しつつあるんでしょう」

沙々「しかしそれは年季の入った、心の底から通じ合ったものとは違う」

沙々「ワルプルギスの夜のありとあらゆる攻撃パターンに対処できるとは思えない」


沙々「どんな時であれ、一人で挑むような状況を作ってはならない」

沙々「一人でダメでも二人なら、二人でダメでも三人なら、そうでしょう?」


ほむら「ええ。理想では、確かにそうね」

ほむら「でもそれとあなたがどう関係するというの?」


ほむら「あなたが輪に加わっても、かえって精一杯の調和を乱してしまうだけに感じるけど」

449: 2013/12/04(水) 13:10:42.76 ID:FX1/g9hvo


沙々「前線に出て戦うということならそうでしょうね」

沙々「言うなればわたしが、三人の輪を繋げる鎖になります」


沙々「マミさんを主軸にして、佐倉さん、暁美さんに感覚その他を繋げる」

沙々「テレパシーとは全く別物の、感覚を伴った距離を無視した共感」


沙々「理想に足らない経験値は、魔法を使えば埋められます」

沙々「わたしが間に入りさえすれば、連携は見違えたものになるはずです」


杏子「……おい」

杏子「待てよ、それって――」


沙々「そうです。言い方をマイルドにしてはいますが」

沙々「わたしが三人全員をどういう形であれ一度に掌握するってことです」

450: 2013/12/04(水) 13:16:18.08 ID:FX1/g9hvo


沙々「デメリットは、その接続を実際に行うとすれば」

沙々「マミさんに対するほどではなくても洗脳が可能なレベルにまで」

沙々「あなた方二人の精神にも潜る必要があること」


沙々「潜ってしまえばその間、佐倉さんはそうはいかないでしょうが」

沙々「暁美さんはわたしが支配しようと考えればそれに抗うことはできない」


沙々「更にそこまで深く潜る以上、あなた方の記憶にいくらか触れることを避けるのは不可能です」


沙々「深層心理にこっそりとしまっているようなことまで」

沙々「わたしに全てではないにしても把握されてしまうことになる」





ほむら「…………」

451: 2013/12/04(水) 13:18:59.00 ID:FX1/g9hvo
~☆

ー夜 外ー


沙々「いやぁー、さっきは佐倉さんを説得してくれて助かりましたよぉー」

沙々「ワルプルギスの夜がどれほどの化け物か」

沙々「おかげでイメージがより鮮明になって、気分が重いですが」


ほむら「優木さんは前線に出て戦う訳じゃないでしょう?」


沙々「結局は、あなたたちがワルプルギスの夜に負ければわたしもそれでお終いですよ」

沙々「自分で戦う術さえあれば、負けた場合の未来を考えることもできる」

沙々「しかしそんな未来は現実的じゃない。わたしもまた、命を懸けているというわけです」


沙々「……で、二人きりになってまで、言いたいことってなんですか?」


沙々「わたしのプランに不満があるわけではないようですが」


ほむら「…………」


ほむら「私の記憶を一部覗くことになる、そう言っていたわね」

ほむら「私の過去にたとえ何を見たとしても、誰にもそれを漏らさないで欲しい」

452: 2013/12/04(水) 13:29:14.37 ID:FX1/g9hvo


沙々「……誰にも、ってこうして念押しするということは、何かよほど後ろめたいものがあるんですか?」


ほむら「誰にも、とは言ったけど、本当に知られたら困るのはまどかに対してよ」

ほむら「しかし情報は握るものが増えれば増えるだけ漏洩のリスクが高まる」

ほむら「だから漏らさないで欲しいと言っているの」


ほむら「どんな些細な取っ掛かりであれ、知ってしまえば興味が湧いてくるのが人の性」

ほむら「私はあの子をずっとそばで守ってあげられるわけじゃない」


ほむら「これ以上、足枷のようなものになりたくないの」


ほむら「今はあなたの魔法でまどかの契約を阻止している」

ほむら「魔法少女の素質というものが曖昧である以上、いつまで続ければいいか定かじゃないけど」

ほむら「それだって、いつまでも続けられるものではないでしょう?」


沙々(もっと色々弄ったり触らせてもらえれば、わたしが氏んだ後も解けない魔法は可能ですが)

沙々(あまり鹿目さんの心に干渉されることを好まないのはわかりきっています)

沙々(下手に話がややこしくなると嫌ですからここは黙っておきましょう)


沙々(例えばキュゥべえが、わたしの氏後に何か干渉した場合とかまで保証することは無理ですし)


ほむら「彼女には自らの足で、前を見て歩いて行ってもらわないといけない」

453: 2013/12/04(水) 13:35:22.96 ID:FX1/g9hvo


沙々「……えー、細かい話は今のところいいんですけど」

沙々「それを受けることによって、わたしにどんなメリットがありますか?」


沙々 ほむら「…………」


ほむら「ワルプルギスの夜を討伐後、残った銃火器を贈呈するわ」


沙々「グリーフシードは?」


ほむら「余ったグリーフシードは既に佐倉杏子との間で話がついてるの、ごめんなさい」


沙々「だけど魔法の代物貰ってもわたし困りますよ。消えちゃいますし」


ほむら「魔法で作ったものじゃなくて正真正銘本物よ」

ほむら「私が色々な所から武器を収集しているのは知ってるでしょう?」


沙々「いやいやいやいや!そんなの貰っても、日々警察に怯えなきゃいけなくなるだけじゃないですか!」

沙々「武器にしたいと仮に思ったとしても、わたしじゃ結界の中に持っていけませんって」


ほむら「でも、それ以外に私があげられる物って……」


沙々 ほむら「…………」


沙々「うーん、じゃあ仕方ないので、ワルプルギスの夜を無事に越えてから、そういうことは考えましょうか」

沙々「秘密の内容によっても考えますが、一応大きな貸し一つってことで」

454: 2013/12/04(水) 13:49:07.34 ID:FX1/g9hvo
~☆

ーワルプルギスの夜襲来 前夜 マミホームー


マミ「暁美さんの言っていたことが正しければ、明日はいよいよ決戦の日ね」


沙々「暁美さんの予測、間違ってる可能性が僅かでもあると思いますか?」


マミ「そうだったら涙が出るほど嬉しいんだけど、間違ってるとは思わないわ」

マミ「本当に明日来るんでしょう」

マミ「長年の経験って言うのかしら、嫌な予感がするもの」


沙々「そういえばキュゥべえに聞いたら言ってましたよ」

沙々「ワルプルギスの夜は確かに近い内に来るって」


沙々「具体的な日にちがいつなのかまではわからなかったようですけど」

沙々「暁美さんの情報の根拠を強化してくれますね」


マミ「……優木さん、いまだにキュゥべえと普通に接するわよね」

マミ「その心の持ちようが、少し羨ましいわ」


沙々「自分から探しに行くようなことは極力しませんけど、だってあいつ便利ですし」


マミ「あなたのそういうところ、本当に変わらないわね」クスッ

455: 2013/12/04(水) 13:51:18.92 ID:FX1/g9hvo


マミ「あなたと出会ってから、本当に色々あった」


マミ「……ふふ。私ね、ずっと考えてたことがあるの」

マミ「あなたのことを色々知ることができた今、心にようやく決まったことがあるの」

マミ「聞いてくれる?」


沙々「もちろんですよ。聞かない理由がないじゃないですか」

沙々「大事な話、なんですか?」


マミ「ええ、とっても大事な話」












マミ「――レクス・ネモレンシス(森の王)」


沙々「えっ?」

456: 2013/12/04(水) 13:57:20.57 ID:FX1/g9hvo


沙々「……今、なんて言いました?」


マミ「色々探して、良さそうなのを見つけるのにだいぶ苦労したのよ」


マミ「あなたの他人を操る魔法、その神髄、奥義」

マミ「複数の人間を繋ぎ合わせ、自分と他者を同一の目的の元に収斂する」


マミ「あなたは一本だけでは立ち続けるのも難しい弱々しい灌木」

マミ「だけど一人でダメでも二人なら、二人でダメでも三人ならば」

マミ「木々の集まりが森を形成するように、いくらでも強くなれる」


マミ「優木さん、あなたは特別な聖なる木なの」


マミ「魔法少女という木々が育つ地中に根を深く伸ばし、輪の中心となって相互に伝達、全体を統率する」

マミ「その有り様はまさに、森の王と呼ぶにふさわしい」



マミ「って、設定を考えておいたけど、どう?」

457: 2013/12/04(水) 14:00:17.68 ID:FX1/g9hvo


沙々「えっ?どうと言われても戸惑うばかりなんですが」

沙々「なんでしたっけ、レク、レク……?」


マミ「レクス・ネモレンシス、森の王という意味らしいわ」


沙々「あー、はいはい、レクス・ネモレンシス、レクス・ネモレンシス」


沙々「…………」


沙々「あなたのこういうところも、本当に変わりませんね」


マミ「こういうのは心意気が大事だっていつも言ってるでしょう?」


マミ「……明日は頑張って、生きてワルプルギスの夜を倒しましょうね。優木さん」


沙々「言われなくても、私は裏方支援の類ですから大丈夫だと思いますよ」


マミ「もう、そういうことは言わないのっ!心意気が大事なんだからっ!」

458: 2013/12/04(水) 14:04:20.82 ID:FX1/g9hvo


沙々「軽い冗談ですよ、冗談」


沙々(それにしても見たところ、相当気を張っていますね)


沙々(彼女だって、さすがにワルプルギスの夜と戦うのは恐ろしい)

沙々(わたしの必殺技の名前調べて考えて、はやる気を紛らわせたりしてたんでしょう)


沙々(……必殺技を叫ぶ機会がなさそうなだけ、だいぶましか)


沙々(大体どうしてわたしだけ――)

沙々(うん?待てよ?)


沙々「ねぇ、マミさん」


マミ「何かしら?」


沙々「佐倉さんもあなたの弟子だったということは、既に何か必殺技があったりするんですか?」


マミ「佐倉さん?佐倉さんはね――」

462: 2013/12/08(日) 14:48:10.30 ID:hxf9l/eSo
~☆

ーワルプルギスの夜 当日 避難所ー


沙々「前に試した時は大丈夫だったんですが、万が一ということもあります」

沙々「例えば長時間意識が離れていたせいで、呼吸などの生命活動が停止するとか」


沙々「つまり氏体と変わらない状態になる、なんてことが起こったとしても」

沙々「暁美さん曰くソウルジェムさえ身体から離さなければ大丈夫だそうです」


沙々「だからそうなっても慌てずに、ただし周りの目は気にしておいてください」


まどか「うん、わかった」


沙々「それじゃわたしの身体とソウルジェムのこと、よろしくお願いしますね」


まどか「うん」


沙々「よし、これでもう事前にやり残したことは……」


沙々「……あ」ビクッ


沙々「そう言えば一つ、大事なこと忘れてましたよ」ゴソゴソ


まどか「?」


沙々「これを、わたしの身体に絶えずくっつけておくようにしてください」スッ

463: 2013/12/08(日) 14:53:24.00 ID:hxf9l/eSo


まどか「これは?」


沙々「タリスマン、と呼ばれる物です」

沙々「これって作るの大変だったんですよ」


沙々「マミさんが魔法のリボンから手軽に何かを生み出すのと違って、正真正銘手作りですから」

沙々「おかげで呪術的というか、一風変わったアイテムとして様々な用途に長く使えますけど」


沙々「今回はわたしの意識が帰って来られるようにという目印ですね」

沙々「何度か三人とシミュレーションを繰り返す内に、そうした方がいいという結論に至りました」


まどか「……優木さんは、怖くないの?」


沙々「怖いって?」


まどか「だって、こんな自然現象を引き起こす魔女とこれから戦うんだよ」

まどか「普通誰だって怖いはずだよ」

464: 2013/12/08(日) 14:56:30.92 ID:hxf9l/eSo


沙々「どうなんでしょうね」

沙々「えー、実物もまだ見てないし、どうも実感が湧かないと言いますか」


沙々「それに実物がどうあれ、少なくともここでわたしの肉体は守られている」

沙々「鹿目さんに任せれば安心だとわたし、信じてますから」ニコォ




まどか「……やめてよ」ボソッ


まどか「そんな風に無理やり、私もみんなの輪に加えてくれるような言い方」

まどか「そんなの、私がいなくたってどうにかなるよ」


まどか「優木さんだって、面と向かっては戦えないなりに、ワルプルギスの夜を倒そうとしてる」

まどか「でも私ができることって、こうして避難所で震えて皆が無事に帰ってくるのをただ待つだけ」


まどか「今更だけどつくづく私って、本当に何もできないんだね……」


沙々「…………」


沙々「いいえ、決してそんなことはないです」

沙々「戦うことに囚われすぎているからそういう発想になるんです」

465: 2013/12/08(日) 15:00:22.55 ID:hxf9l/eSo


沙々「戦える人間が戦うのは当然のこと。そして戦うことだけが何も全てじゃない」

沙々「できることをできる人間がやればいいんです」


沙々「あなたが戦ってしまえば、下手をすればこの世界が終わってしまうかもしれない」

沙々「そんなの嫌でしょう?」


沙々「というか第一、この戦いが終わったらすぐ」

沙々「あなたにしかできないとても大切な仕事が一つ、待ってますけどね」


まどか「……えっ?」





沙々「暁美ほむら。生還した彼女を親身に労ってあげるのがあなたの大仕事です」


沙々「今までよく頑張ったねって暁美さんを褒めてあげてください」


沙々「わたしのことを守ってくれてありがとう。助けてくれてありがとう」



沙々「その言葉だけで、きっと彼女の人生は救われたものになるでしょうから」

466: 2013/12/08(日) 15:07:39.33 ID:hxf9l/eSo
~☆


空中に逆さの状態で浮ぶ巨大な魔女、ワルプルギスの夜。


それに決氏の覚悟で命を削り挑む、三人の魔法少女。


三人分の情報を迅速に、適切な形に組み換えて、それぞれへと伝達し直す。


その感覚たちはどこまでもリアルで、にもかかわらず、自分自身はその場のどこにも存在しない。


白昼夢さながらの光景と体験。攻撃を避けて、攻撃を加える。

467: 2013/12/08(日) 15:09:19.05 ID:hxf9l/eSo


わたしの魔法の手助けがあっても、処理速度ギリギリで行われるそれらの繰り返し。


戦いのこと以外を考える余裕は微塵もない、そんな時間が刻々と流れていく。


徐々に、最も心の奥深く繋がった巴マミの中へと、自分が埋没していく。


まるで自分が巴マミであるような錯覚を抱き始めていた。


躍動する手足。極限まで思考は冷徹に研ぎ澄まされ、躊躇いなく銃の引き金を引く。


リボンが伸びやかな様で自在に宙を舞っている。

468: 2013/12/08(日) 15:11:40.85 ID:hxf9l/eSo


どうしようもない規格外の怪物が目の前にいるというのに、恐怖は感じない。


一つの身体に存在する全く別の二つの人格、一人ではないから?


それともやはり、その場に自分の本当の身体がない、それが傍観者のような平静さを生み出している?


元の身体のままでは想像することも許されないような、壮絶な戦いに身を投じているこの瞬間の自分。


わたしが巴マミを動かしているわけじゃない。ただその場に繋がりとして居合わせただけ。


なのに、奇妙な満足感と全能感が、そこにはあった。



469: 2013/12/08(日) 15:16:38.01 ID:hxf9l/eSo
~☆
 
ー数か月後 見滝原ー


沙々「あのですね、キュゥべえ」

沙々「佐倉さんと仲良くなる方法って何かありません?」


QB「これまた急な相談だね。何か新しい問題でも?」


沙々「だって、いくらなんでも彼女とわたしの関係って、悪すぎると思うんですよ」

沙々「もう出会ってだいぶ経ちますよ?少しくらい、そろそろ改善されてもいいでしょうに」


QB「……それは正直難しいと思うよ」

QB「キミたちの不和は、人間的な相性だけが問題のモノじゃないし」


沙々「どういう意味ですか、それ?」


QB「どういう意味ってそのままの意味さ。杏子がキミを受け入れられないのは当然だよ」

QB「何しろ彼女は、いまだに潜在的に自分の願いを拒絶し続けたままなのだから」


沙々「…………」


沙々「えーと、願いの拒絶がどうわたしと関係してるんですか?」

470: 2013/12/08(日) 15:20:18.91 ID:hxf9l/eSo


QB「キミには前も似たようなことを話したと思うけど」

QB「願いの否定というのは固有魔法の否定も含み込むものだ」


QB「彼女の固有魔法は幻覚、つまりは精神に作用する魔法」

QB「彼女はそれを心のどこかで願いと共に拒絶せずにはいられない」


QB「杏子がキミを嫌うのは、キミの人格や行為が気に入らないからだけじゃない」

QB「自分の中にある醜いモノを君の中にも重ねる、無意識に投影せずにはいられないんだ」


沙々 QB「…………」


沙々「それだと例えば、もしわたしが完璧な人間で」

沙々「欠点の何一つない人間だったとしても――」


QB「杏子はキミを、何故か気に入らないと考えることだろうね」


沙々「…………はぁ」グッタリ


QB「杏子が自身の願いを改めて受け入れること、つまり願いを必要だと実感すること」


QB「それがキミと杏子が歩み寄る、親しくなるには必要不可欠だろう」

QB「だけど、これはあくまでボクの推論の域を出ない話であって――」


沙々「いいです。凄い納得しましたから」

471: 2013/12/08(日) 15:25:31.47 ID:hxf9l/eSo


沙々「じゃあ、もう一つ聞きたいことを」


QB「なんだい?」


沙々「あなた、最近鹿目さんの前に姿を見せてないそうですね」

沙々「いったい何を企んでるんですか?」


QB「特に何も企んでなんていないよ?」

QB「どうしてそんなことを?」


沙々「あなたを信用してないってことですよ」

沙々「なんで、鹿目さんに接触しようとしないんですか?」


QB「だってキミが、まどかの契約という選択を禁じる魔法をかけているからね」

QB「いくら彼女をその気にさせたとしても」

QB「無意識の領域でその行動が否定されていたら意味がない」


QB「全く、厄介なことをしてくれたものだ」


沙々「……それで諦めるような、あなたですか?」


沙々「どうにも話がきな臭いんですよねぇ」

472: 2013/12/08(日) 15:34:38.44 ID:hxf9l/eSo


QB「それは考えすぎだよ」

QB「元々ボクのプランとしてはまどかとの契約を」

QB「ワルプルギスの夜が過ぎるまでに済ませるはずだったんだ」


QB「普段の彼女にはこれといった強い欲望がない」

QB「契約には強い感情があればあるだけ好ましいというのに」


QB「そんな彼女を強く揺さぶる数少ないものの一つ、それは他者の不幸、不条理だ」

QB「だからボクは適度な干渉を行いながら待つことにした」


QB「まどかの契約を阻害する動きもあったからね」

QB「契約せざるを得ない状況でもちかけるのがベスト」


QB「見滝原に存在する四人の魔法少女。やってくるだろうワルプルギスの夜。問題は山積みだ」

QB「キミたちの脱落、それを覆そうとするなんらかの契約が最も理想的だと判断した」


QB「それがまさか最後まで、無傷で誰も欠けることなくワルプルギスの夜を退けるなんてね」

473: 2013/12/08(日) 15:42:47.78 ID:hxf9l/eSo


沙々「満身創痍ギリギリのところで、追っ払っただけですけどね」


QB「それだって予想外の快挙さ」

QB「これでワルプルギスの夜は数百年、自分の結界の中で力を蓄えるだろう」

QB「キミたちにとっては事実上倒したこととほぼ同義だ」


QB「ワルプルギスの夜がここまで攻めあぐねるなんてね」

QB「運が良かったのか、それともほかに何か普通じゃない要因があったのか……」


沙々「それで?なんで鹿目さんに接触しようとしてないのか」

沙々「その理由についてはどうもまだ少し足りない気がしますが」


QB「いつもなら、魔法少女になる子の願いを考慮する必要なんてない」

QB「素質に応じて叶えられる結果には契約の範囲内でセーブがかかる」


QB「でも鹿目まどかは文字通り、何でも、叶えることができるからね」

QB「彼女の願いを叶えるための歪みで、宇宙が崩壊することすら考えられるんだ」

474: 2013/12/08(日) 15:46:57.84 ID:hxf9l/eSo


QB「最初に気軽な気持ちのまま契約を取り結べなかった以上」

QB「キミたちのため、といったわかりやすい動機がなくてはかなりリスクがあるんだよ」

QB「しかも無事に魔女化してもらえるかどうかもわからない」


QB「だからワルプルギスの夜を倒すため」

QB「もしくはキミたちを甦らせる等の願いで契約してもらおうとした」

QB「それらに失敗した今、まどかに対して積極的に動いてもボクにとって確実な利が少ない」


沙々「それが、あなたたちが鹿目さんに接触しない理由ですか?」


QB「本当に必要なら、あるいは契約に何も障害がなければ、やるだろうね」

QB「だけど魔法少女というシステムがきちんと機能してる以上、なくても困らないのさ」


QB「一度に回収できるか、時間をかけて細かく回収するかの違いでしかない」

QB「エネルギー回収のノルマが達成されるまでの間」

QB「キミたちの文明が続くかというリスクの微妙な天秤だと言い換えてもいい」

475: 2013/12/08(日) 15:56:31.06 ID:hxf9l/eSo


QB「勘違いしないでほしいのは、ボクはキミたち人類に」

QB「別に悪意を持っているわけじゃないんだ」


QB「契約には自由意志が必要なのもあるけど」

QB「ボクは努めてキミたちへの干渉を平等に、かつ最小限に留めている」


QB「五人目の魔法少女にするため、さやかと契約しようと無理やり画策したり」

QB「関係をかき乱すため、勝手にキミの本性や来歴を」

QB「マミや暁美ほむら、杏子に伝えたりはしなかっただろう?」


QB「その代わり善意でやってるわけでもないから」

QB「聞かれなければそのまま言わないことも多いけど」


沙々「……ふん」

沙々「ではあなたの目から見て、人類の未来は明るそうですか?」

476: 2013/12/08(日) 16:03:47.72 ID:hxf9l/eSo


QB「どうだろう。技術というものは発展の途上にある内は」

QB「それが進むにつれ力の制御を失って」

QB「再建不可能の失敗をしてしまうリスクも高まる」


QB「ただ社会が肥大化していけば、価値観の相対的な関係から」

QB「より大きな幸福と不幸がそこに生まれることだろう」


QB「人は自分と他者を見比べて、幸福を判断する生き物だからね」

QB「人類の、というよりエネルギー回収の未来は明るいと言える」


沙々「……やれやれ。キュゥべえの話をずっと聞いてると、嫌な気疲れがしてきますよ」


沙々(こいつが見ているのはわたしが氏んだ後の話)

沙々(スケールデカすぎてとても手に負えません)


沙々(わたしが氏んだ後のことなんて気にしたってしょうがない)

沙々(やっぱり未来の誰かに丸投げしときましょう)


沙々(できる人に、そういうのはやらせとけばいい)

477: 2013/12/08(日) 16:10:30.50 ID:hxf9l/eSo
~☆

ーほむらホームー


沙々「どうですか?魔法の調子は?」


ほむら「ええ、何も問題なく機能してる」ガチャガチャ


沙々「絶対忘れないで下さいよ」

沙々「盾の収納魔法くらいしか残ってなかったあなたが生き延びていられるのは」

沙々「全部わたしのおかげなんですから」


ほむら「巴マミと杏子の二人から寂しくあぶれても」

ほむら「あなたが魔女と戦えるのは私のおかげでしょ」ガチャガチャ


沙々 ほむら「…………」


沙々「はっ、何を言い出すかと思えばくだらない」

沙々「佐倉さんには譲ってあげてるんです」


沙々「その気になって強気で談判さえすれば」

沙々「あっという間に元の立ち位置に復帰できますよ」

478: 2013/12/08(日) 16:15:29.88 ID:hxf9l/eSo


ほむら「その気になる日なんて、くるのかしら?」

ほむら「争うあなたたちを見る時の巴マミの悲しそうな顔」


ほむら「それが嫌で、杏子が打ち解ける様子を見せるまで」

ほむら「私と二人で組むなんて提案したんでしょ?」


ほむら「杏子はそう簡単には態度を軟化させないでしょうね」

ほむら「おそらくあなたと組むくらいなら風見野に閉じ籠もってしまうくらいに」


ほむら「私がいないと困るのはあなたも同じ。これは対等な契約よ」


ほむら「大体、放っておいてくれてれば私は黙って生命を絶っていたわ」

ほむら「それを助けただの恩着せがましく蒸し返されるのは気に食わない」


沙々 ほむら「…………」


沙々「だって、それにしたってハードじゃないですか」

沙々「銃火器の弾丸等を生成して装填し、それを盾に収納する」

沙々「消滅せずに貯められるのはいいですけど、下準備に魔力がかかり過ぎる」


沙々「これじゃ余分なグリーフシードを全然確保できない」

沙々「恩にでも着せとかないととてもやってられません」

479: 2013/12/08(日) 16:24:12.11 ID:hxf9l/eSo


ほむら「仕方ないわ。それが私とあなたの魔法の限界なのだから」


ほむら「優木さんは、わざわざ私に巴マミの魔法の要領を横流ししてくれている」


ほむら「それは自分が使っても、あまり上手くいかないからそうしてるんでしょう?」

ほむら「誰かを操る、というところにあなたの魔法の本質はあるのだから」


ほむら「その面倒なひと手間を加えているのに」

ほむら「あの人の魔法と全く同じようにとはいかないのは残念だけど」


沙々「わたしが悪いって言うんですか?」


ほむら「いいえ、私の才能がないせいよ。あなたのせいじゃない」


沙々(……その才能のない魔法少女と、なんでわたしはここまで戦闘力に差がつくのか)


沙々(深く考えるのはやめましょう)


沙々(ほぼ期間限定とはいえ、時間を巻き戻せる奴だっておかしいんです)

480: 2013/12/08(日) 16:28:47.90 ID:hxf9l/eSo


沙々 ほむら「…………」


沙々「最近わたしたちが風見野を見回ってること多いと思うんですけど、おかしくないですか?」


ほむら「どうでもいい。魔女がいて、グリーフシードが手に入れば」


ほむら「それよりも最近、あなたを盗られた巴マミが時々」

ほむら「嫉妬の目つきで私を見つめてくる方が余程困る」


沙々「……よくわからないけど大変そうですね」

沙々「わたしだって、マミさんと組めた方が気楽ですよ」


沙々「どうにかあなたから佐倉さんを説得して」

沙々「わたしと一緒に戦うことを認めさせてくれません?」


ほむら「それができるならとっくにやってる」

ほむら「巴マミだって現在進行形でやってるだろうし」


沙々 ほむら「…………はぁ」

481: 2013/12/08(日) 16:30:50.02 ID:hxf9l/eSo
~☆

ー ゲームセンター ー


仁美「優木さんはゲームセンターに来たことはありますか?」


沙々「ええ、まあ、一応」コクッ


仁美「私、こう見えてこういうゲームに結構強いんですのよ」

仁美「さやかさんに散々鍛えられましたから」


沙々「へー、そうなんですか」

沙々「鹿目さんは?」


まどか「ふ、普通かな?」


沙々(改めて、なんで三人でゲームセンターなんて来てるんでしょう?)

沙々(これじゃあ本当に友達みたいじゃないですか)


沙々(でも……、家柄のいい子と繋がりを持っておくのは有利ですし……)

沙々(まぁ、いいか)

482: 2013/12/08(日) 16:32:59.70 ID:hxf9l/eSo


沙々「まず何をします?志筑さんの好きなのからでいいですよ?」


仁美「ではまずは、私の最も得意なパンチングマシーンから」

仁美「私の実力をこれでもかとお見せしますわ」


仁美「目をしっかり見開いて見ていて下さいね?」


沙々「あー、はいはい」

沙々(お嬢様ですし、どうせへにゃへにゃの……)


仁美「――っ!」スッ


ボコォッ!


沙々「!?」

沙々(えっ、これが女子中学生のパンチ……!?)


まどか(みんな最初はそうなるよね、うん)

483: 2013/12/08(日) 16:34:11.70 ID:hxf9l/eSo
~☆

ーマミホーム 夜ー


マミ「どう?最近楽しい?」


沙々「ぼちぼち、ですね」


マミ「面白い話でもあった?」


沙々「面白い話というか……」

沙々「前に話した仁美って子、パンチも凄かったです」


マミ「パンチ?」


沙々「本当のお嬢様って格闘も求められるんですね、わたし知りませんでした」

マミ(流石にそんなことはないと思うけど……)


マミ「なんだか随分面白そうな人ね、私もいつか会ってみたいわ」


沙々「じゃあいつか紹介しますよ」

484: 2013/12/08(日) 16:40:30.98 ID:hxf9l/eSo


沙々「……それはそれとして、佐倉さんとそろそろ少しは打ち解けたいんですけど」

沙々「何か方法ありません?」


マミ「頑張って説得してるけど、無理ね」


沙々「やっぱり……、ですか」


マミ「でも、少しは打ち解けてきたんじゃないかしら?」


沙々「え?」


マミ「こうして私とあなたが、二人同じ屋根の下で暮らしてることを認めてるのよ」

マミ「一緒に戦ったり顔を見たりするのは本気で嫌がってるみたいだけど]

マミ「最初のアレからは考えもつかないような進歩だわ」


沙々「ポジティブですね……」


マミ「いいじゃない、生きてさえいればまだまだ時間はあるんだし」

マミ「暁美さんと一緒に二人で戦うのだっていい経験でしょう?」

マミ「暁美さんほどの凄腕になら優木さんを任せられる」


沙々(マミさんは暁美さんが時間停止使えなくなってるの知りませんからねぇ)

沙々(それはそうですよね、時間停止が暁美さんの能力だということをまず知らない)

沙々(でも口止めされてるからわたしからそれをばらすわけにもいきませんし……)

485: 2013/12/08(日) 16:45:11.52 ID:hxf9l/eSo


沙々「え、ええ、そうなんじゃ、ないですか?」


マミ「私は今佐倉さんに鍛え直してもらってるところよ」

マミ「結構強くなったんだから」


マミ「佐倉さんだってやっぱりマミさんは筋がいいねってニコニコ言ってくれてるし」

マミ「ああ見えて、私と二人きりの時はかなりくつろいだ様子なのよ、最近のあの子」

マミ「できのいい妹が新しくできた気分ね」


沙々「……もしかして佐倉さん、二人きりの時は甘えてきたりします?」



マミ「ふふ、それは秘密」クスッ


マミ「生きてれば、焦る必要なんてないわよ」

マミ「きっと四人で肩を並べて戦えるようになるはずだわ」


マミ「だって優木さんは、私とずっと一緒にいてくれるんでしょう?」


沙々「ええ、それはまあ前に約束しましたから」



486: 2013/12/08(日) 16:46:50.28 ID:hxf9l/eSo




沙々「――それにわたしは、マミさんの弟子、ですからね」






                                  終わり

487: 2013/12/08(日) 16:50:36.60 ID:hxf9l/eSo
ほむらの過去について一部でも知ってるのは沙々さんだけ
ハッピーエンドっぽく締めました
凄いありがちだけどソウルジェム握りつぶすよりはよほどいい

沙々さんがなるべく幸せになる話を書きたい
マミさんが魔法少女の真実を受け止めるイメージが普通浮かばない→洗脳すればいけるな!
で書き始めたわけですが最初は200~300で終わるはずだったのにどうしてこうなった

最後ワルプル含めかっとばし駆け足でしたし質問等ありましたら受け付けます

仁美、まどか、沙々の絡みとか色々書こうと思えば書けるでしょうけど要らんな、でバッサリ

490: 2013/12/08(日) 18:13:10.62 ID:+ccShQu8o
大団円乙!

是非wikiにも載せてほしいところ。

引用: 沙々「わたし、マミさんの弟子になりたいんです!」