163: 2012/08/21(火) 22:44:03.01 ID:FYVOFdny0
・
・
・
~男の部屋~
男「……」
男「……」
男「…………」
男(魔女……)
~~
魔女『……私はいいんだけど』
魔女『お前、絶対イヤがるだろうから』
~~
男「……」
男「……」
男(俺はアイツを……)
男(困らせているだろうか……)
・
・
~男の部屋~
男「……」
男「……」
男「…………」
男(魔女……)
~~
魔女『……私はいいんだけど』
魔女『お前、絶対イヤがるだろうから』
~~
男「……」
男「……」
男(俺はアイツを……)
男(困らせているだろうか……)
164: 2012/08/21(火) 22:45:28.33 ID:FYVOFdny0
男(……アイツの言葉の真意は、分からないけど)
男(アイツは、俺の頼みを聞き入れてくれた……)
男「……」
男「…………でも」
男(俺が……、俺の不能を治したいのは……)
~~
兄『もう少し早く相談してくれても、よかったんだぞ』
兄『すごく心配してたぞ、男のこと。……父さんも』
~~
男(……兄さんや、母さんに)
男(心配をかけたくないから……)
男「……」
男「……」
男(アイツは、俺の頼みを聞き入れてくれた……)
男「……」
男「…………でも」
男(俺が……、俺の不能を治したいのは……)
~~
兄『もう少し早く相談してくれても、よかったんだぞ』
兄『すごく心配してたぞ、男のこと。……父さんも』
~~
男(……兄さんや、母さんに)
男(心配をかけたくないから……)
男「……」
男「……」
165: 2012/08/21(火) 22:47:08.23 ID:FYVOFdny0
男(……自分勝手な理由で)
男(アイツを……)
男(魔女を……)
男「……はぁ」
男(俺はアイツを……)
男(困らせてしまっただろうか……)
男「……治ったところで、使うアテもねーのにな……」
兄「……何のアテだって?」
男「ぎゃ」
兄「ご飯できたよ」
男「の……、ノックぐらいしてください……」
兄「ははは、ごめんごめん」
男(アイツを……)
男(魔女を……)
男「……はぁ」
男(俺はアイツを……)
男(困らせてしまっただろうか……)
男「……治ったところで、使うアテもねーのにな……」
兄「……何のアテだって?」
男「ぎゃ」
兄「ご飯できたよ」
男「の……、ノックぐらいしてください……」
兄「ははは、ごめんごめん」
166: 2012/08/21(火) 22:48:19.65 ID:FYVOFdny0
兄「早く降りてきてな。今日はゴーヤチャンプルーだって」
男「はい。……あ、兄さん……」
兄「ん?」
男「あの、えっと……ちょっと、お願いが……」
兄「珍しいね、どうしたんだ?」
男「あの……あ、明日なんですけど……」
兄「明日?」
男「明日ちょっと……、出かけてきても、いいですか……その、ええと……泊まりがけで」
兄「泊まり……」
男「あ、友人の……ところに。……翌朝には、すぐ帰りますから」
兄「泊まり……、友人……ふふ、そうかそうか」
男「……」
男「はい。……あ、兄さん……」
兄「ん?」
男「あの、えっと……ちょっと、お願いが……」
兄「珍しいね、どうしたんだ?」
男「あの……あ、明日なんですけど……」
兄「明日?」
男「明日ちょっと……、出かけてきても、いいですか……その、ええと……泊まりがけで」
兄「泊まり……」
男「あ、友人の……ところに。……翌朝には、すぐ帰りますから」
兄「泊まり……、友人……ふふ、そうかそうか」
男「……」
167: 2012/08/21(火) 22:50:32.86 ID:FYVOFdny0
兄「でも、駄目だぞ、男」
男「……あ、分かり……ま……」
兄「……『翌朝すぐ帰る』なんて、冷たいこと言ってちゃ駄目だ」
男「へ」
兄「いいかい? 一緒に夜明けを迎えるだろ? その余韻をだね……こう、日が高く昇るまでね、味あわないと」
男「へ?」
兄「夜の情熱とはまた違う、日差しの中で女の子をこう……、その……、ほら! っていうのも、男の甲斐性ってもので……」
男「いや、あの、兄さん……?」
兄「……うん、何にせよ、だ」
男「兄さん?」
兄「ゆっくり楽しんできなさい」ポンポン
男「……えっと、あの」
兄「母さんには、俺からちゃんと、全部説明しておくから」
男「やめて!」
男「……あ、分かり……ま……」
兄「……『翌朝すぐ帰る』なんて、冷たいこと言ってちゃ駄目だ」
男「へ」
兄「いいかい? 一緒に夜明けを迎えるだろ? その余韻をだね……こう、日が高く昇るまでね、味あわないと」
男「へ?」
兄「夜の情熱とはまた違う、日差しの中で女の子をこう……、その……、ほら! っていうのも、男の甲斐性ってもので……」
男「いや、あの、兄さん……?」
兄「……うん、何にせよ、だ」
男「兄さん?」
兄「ゆっくり楽しんできなさい」ポンポン
男「……えっと、あの」
兄「母さんには、俺からちゃんと、全部説明しておくから」
男「やめて!」
168: 2012/08/21(火) 22:51:15.96 ID:FYVOFdny0
~翌日・日中:町外れの寂れた洋館~
キンコーン
男「……」
キンコーン
男「……」
男「……」
キンコーン
ガチャリ
魔女「……ぅー」
男「……お」
魔女「……あ?」
キンコーン
男「……」
キンコーン
男「……」
男「……」
キンコーン
ガチャリ
魔女「……ぅー」
男「……お」
魔女「……あ?」
169: 2012/08/21(火) 22:52:46.65 ID:FYVOFdny0
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……何しにきたの」
男「……えぇー……」
魔女「冗談だ」
男「……」
魔女「……にしても、来るの早すぎだろ……。ふぁ……」ノビー
男「何時来いとも、言ってなかっただろ」
魔女「儀式っていったら夜だろ、お前……」
男「知らんけど……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……何しにきたの」
男「……えぇー……」
魔女「冗談だ」
男「……」
魔女「……にしても、来るの早すぎだろ……。ふぁ……」ノビー
男「何時来いとも、言ってなかっただろ」
魔女「儀式っていったら夜だろ、お前……」
男「知らんけど……」
176: 2012/08/23(木) 01:03:31.39 ID:GLGFYm8W0
魔女「……ま、あがれー」ヨタヨタ
男「パジャマはだけてんぞ」
魔女「寝てた……」ヨタヨタ
男「夜更かししたんだろ」
魔女「夜型なんだよ……」
男「……」
魔女「……」
男「……眠そうだ」
魔女「寝すぎてねみぃ。……っと、男」
男「おう」
魔女「折角だから、お前も手伝え」
男「ん?」
魔女「儀式の準備」
男「パジャマはだけてんぞ」
魔女「寝てた……」ヨタヨタ
男「夜更かししたんだろ」
魔女「夜型なんだよ……」
男「……」
魔女「……」
男「……眠そうだ」
魔女「寝すぎてねみぃ。……っと、男」
男「おう」
魔女「折角だから、お前も手伝え」
男「ん?」
魔女「儀式の準備」
177: 2012/08/23(木) 01:03:57.26 ID:GLGFYm8W0
~洋館:庭の物置~
魔女「……あったかー?」
男「ねぇよ……、どこだよ蝋燭って……」ガサゴソ
魔女「その辺だって。その木の籠どかして――」
男「……、っと……これか?」ゴソゴソ
魔女「ん、それそれ。それから、杯と、釜と……、あとは短剣(アサミィ)」
男「短剣……? って、これ……?」
魔女「おう、それだそれ! バッチリじゃん!」
男「……でも、これ……」ボロボロ
魔女「……ぁー、錆びて……」
男「……使えるか?」
魔女「……あー」
男「……」
魔女「……台所の、包丁使うか」
男「おい」
魔女「……あったかー?」
男「ねぇよ……、どこだよ蝋燭って……」ガサゴソ
魔女「その辺だって。その木の籠どかして――」
男「……、っと……これか?」ゴソゴソ
魔女「ん、それそれ。それから、杯と、釜と……、あとは短剣(アサミィ)」
男「短剣……? って、これ……?」
魔女「おう、それだそれ! バッチリじゃん!」
男「……でも、これ……」ボロボロ
魔女「……ぁー、錆びて……」
男「……使えるか?」
魔女「……あー」
男「……」
魔女「……台所の、包丁使うか」
男「おい」
178: 2012/08/23(木) 01:05:30.18 ID:GLGFYm8W0
・
・
・
~洋館:台所~
魔女「包丁あったー」
男「いいのかよ、そんな適当で」
魔女「うるせ、いいんだよ。この包丁で、指切ったこともあるし」
男「……」
魔女「術者の血を吸った道具は、術者と霊的に深い絆を帯びる」
男「……へぇ」
魔女「……はず」
男「……」
魔女「あっ、塩もいる! いっぱいいる!」
男「……いきいきしてきたなー」
・
・
~洋館:台所~
魔女「包丁あったー」
男「いいのかよ、そんな適当で」
魔女「うるせ、いいんだよ。この包丁で、指切ったこともあるし」
男「……」
魔女「術者の血を吸った道具は、術者と霊的に深い絆を帯びる」
男「……へぇ」
魔女「……はず」
男「……」
魔女「あっ、塩もいる! いっぱいいる!」
男「……いきいきしてきたなー」
179: 2012/08/23(木) 01:07:45.74 ID:GLGFYm8W0
・
・
・
~洋館:居間~
魔女「……」
男「……」
魔女「……そうそう」
男「……こうか?」モソモソ
魔女「……もっと、ちゃんと……奥まで入れろ」
男「……これ以上、入らねぇだろ」
魔女「……」
男「壊れるぞ」
魔女「……大丈夫だから」
男「……」
魔女「……さっさとしろよ」
男「おう……」モソモソ
ビリリッ
魔女「あぁーっ! また小袋破きやがった! このクソ不器用ゴリラ!」
男「な……!? 俺はこーわーれーる、って言ったぞクソ魔女! これ以上ハーブ詰め込めるワケねぇだろ、こんな袋!」
魔女「加減しろ加減! 呪符作りくらい、サルでももっと上手くやるわ!」
・
・
~洋館:居間~
魔女「……」
男「……」
魔女「……そうそう」
男「……こうか?」モソモソ
魔女「……もっと、ちゃんと……奥まで入れろ」
男「……これ以上、入らねぇだろ」
魔女「……」
男「壊れるぞ」
魔女「……大丈夫だから」
男「……」
魔女「……さっさとしろよ」
男「おう……」モソモソ
ビリリッ
魔女「あぁーっ! また小袋破きやがった! このクソ不器用ゴリラ!」
男「な……!? 俺はこーわーれーる、って言ったぞクソ魔女! これ以上ハーブ詰め込めるワケねぇだろ、こんな袋!」
魔女「加減しろ加減! 呪符作りくらい、サルでももっと上手くやるわ!」
180: 2012/08/23(木) 01:08:20.39 ID:GLGFYm8W0
男「……」モソモソ
魔女「……」モソモソ
男「……こうか?」
魔女「オッケー」
男「……」モソモソ
魔女「……法の呪符は、あと5つくらいかな」
男「おーう」モソモソ
魔女「……」
男「……」モソモソ
魔女「……男ー」モソモソ
男「おーう」
魔女「夕飯、何がいいー」
男「……あー」
魔女「……」モソモソ
男「肉」
魔女「……」モソモソ
男「……こうか?」
魔女「オッケー」
男「……」モソモソ
魔女「……法の呪符は、あと5つくらいかな」
男「おーう」モソモソ
魔女「……」
男「……」モソモソ
魔女「……男ー」モソモソ
男「おーう」
魔女「夕飯、何がいいー」
男「……あー」
魔女「……」モソモソ
男「肉」
181: 2012/08/23(木) 01:09:02.54 ID:GLGFYm8W0
~夕方:ダイニング~
男「……ふぅん」モグモグ
魔女「……で、このペンタグラムの星。それぞれの頂点が……」
男「……」モグモグ
魔女「愛、知性、知識、法、力。こう……時計回りに対応する。これが『真珠のペンタグラム』」
男「……美味いな、肉野菜炒め」
魔女「炒めるだけだろこんなの。誰が作っても一緒だろ」
男「……いや、でも、なんか」
魔女「……」
男「美味い」
魔女「そうかよ」
男「……」モグモグ
男「……ふぅん」モグモグ
魔女「……で、このペンタグラムの星。それぞれの頂点が……」
男「……」モグモグ
魔女「愛、知性、知識、法、力。こう……時計回りに対応する。これが『真珠のペンタグラム』」
男「……美味いな、肉野菜炒め」
魔女「炒めるだけだろこんなの。誰が作っても一緒だろ」
男「……いや、でも、なんか」
魔女「……」
男「美味い」
魔女「そうかよ」
男「……」モグモグ
182: 2012/08/23(木) 01:09:56.45 ID:GLGFYm8W0
魔女「……」モグ
男「……肉、よけてる?」
魔女「肉食えない」
男「ありゃ」
魔女「お前はちゃんと食っとけ」
男「……」
魔女「食事が終わったら、はじめるぞ」
男「……おう」
魔女「人生最後の食事、よく味わえよ」
男「縁起でもねーこと言うな……」
魔女「ヒッヒ」
男「ちなみに……、その儀式って、名前とかあるのか?」
魔女「『寝室の儀式』」
男「……肉、よけてる?」
魔女「肉食えない」
男「ありゃ」
魔女「お前はちゃんと食っとけ」
男「……」
魔女「食事が終わったら、はじめるぞ」
男「……おう」
魔女「人生最後の食事、よく味わえよ」
男「縁起でもねーこと言うな……」
魔女「ヒッヒ」
男「ちなみに……、その儀式って、名前とかあるのか?」
魔女「『寝室の儀式』」
183: 2012/08/23(木) 01:10:58.02 ID:GLGFYm8W0
~夜:寝室~
男「うわ……」
男(……寝室というには)
男(あまりに広すぎる部屋……)
男(だだっ広く、いっそ殺風景で……)
男(薄暗く……、壁際に並んだ蝋燭だけが……)
男(部屋を照らしている……)
男(……鍋、ホウキ、お守り――呪符、包丁、釜、鳥の羽……)
男(よく分からないものたちが、一見、不規則に、無秩序に……投げられている)
魔女「んーっ、久しぶりだなぁ、こういうのー」
男「……」
魔女「よーし、がんばるぞー」ヌギヌギ
男「待て待て待て待って」
男「うわ……」
男(……寝室というには)
男(あまりに広すぎる部屋……)
男(だだっ広く、いっそ殺風景で……)
男(薄暗く……、壁際に並んだ蝋燭だけが……)
男(部屋を照らしている……)
男(……鍋、ホウキ、お守り――呪符、包丁、釜、鳥の羽……)
男(よく分からないものたちが、一見、不規則に、無秩序に……投げられている)
魔女「んーっ、久しぶりだなぁ、こういうのー」
男「……」
魔女「よーし、がんばるぞー」ヌギヌギ
男「待て待て待て待って」
184: 2012/08/23(木) 01:11:43.87 ID:GLGFYm8W0
魔女「あ?」
男「何脱いでんだお前!」
魔女「……あぁ、空衣」
男「……すかいくらっど?」
魔女「スカイクラッド。……魔法の正装だ」
男「全裸だが」
魔女「まぁ、脱がなくてもできるけど……、この『寝室の儀式』は、脱いだほうがいいな」
男「……マジか」
魔女「お前もはよ脱げー」ヌギヌギ
男「マジかー……」
魔女「俺たちゃ裸がユニフォーム~」
男「何脱いでんだお前!」
魔女「……あぁ、空衣」
男「……すかいくらっど?」
魔女「スカイクラッド。……魔法の正装だ」
男「全裸だが」
魔女「まぁ、脱がなくてもできるけど……、この『寝室の儀式』は、脱いだほうがいいな」
男「……マジか」
魔女「お前もはよ脱げー」ヌギヌギ
男「マジかー……」
魔女「俺たちゃ裸がユニフォーム~」
185: 2012/08/23(木) 01:12:12.96 ID:GLGFYm8W0
・
・
・
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……よし」
男「……」
魔女「まずは塩水で、全身を清め……」
男「……」
魔女「……」バシャッ
男「ぶ……っ! つめて……っしょっぺぇ! 馬鹿かお前、いきなり顔にかけるやつが――……」
魔女「……ったく、もーっとリラックスしろよデカブツー……」
男「……」
魔女「恥ずかしいとか、不安だとか、緊張するとか……、内向きの感情は、全部忘れろ」
男「……」
・
・
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……よし」
男「……」
魔女「まずは塩水で、全身を清め……」
男「……」
魔女「……」バシャッ
男「ぶ……っ! つめて……っしょっぺぇ! 馬鹿かお前、いきなり顔にかけるやつが――……」
魔女「……ったく、もーっとリラックスしろよデカブツー……」
男「……」
魔女「恥ずかしいとか、不安だとか、緊張するとか……、内向きの感情は、全部忘れろ」
男「……」
186: 2012/08/23(木) 01:13:12.99 ID:GLGFYm8W0
魔女「魔法はな、本当は楽しいものなんだよ」
男「……おう」
魔女「……私さぁ」
男「おう」
魔女「お前が笑ってるとこ、見たことねーんだけど」
男「……そんなことねぇだろ」
魔女「……ほらー」グニー
男「……いって、ツネんな」
魔女「笑ってみろってー」ムニー
男「……ヒッヒッヒ」
魔女「キモい笑い方やめろー」
男「お前の真似だよ」
魔女「んなことねぇだろボケ」グニニ
男「いって……、痛い痛い! ……ははっ」
男「……おう」
魔女「……私さぁ」
男「おう」
魔女「お前が笑ってるとこ、見たことねーんだけど」
男「……そんなことねぇだろ」
魔女「……ほらー」グニー
男「……いって、ツネんな」
魔女「笑ってみろってー」ムニー
男「……ヒッヒッヒ」
魔女「キモい笑い方やめろー」
男「お前の真似だよ」
魔女「んなことねぇだろボケ」グニニ
男「いって……、痛い痛い! ……ははっ」
194: 2012/08/27(月) 23:26:19.17 ID:9FODIaX/0
魔女「そうそう、そうやって笑っとけ」
男「……」ニコッ
魔女「…………ぶふっ」
男「……」ニコニコ
魔女「……っく、ククク……っははは! あははは!」
男「笑いすぎだろお前この野郎!」
魔女「ひぃ……だって、はは……男、笑うと全然顔ちげー」
男「……ていうか、普通にも笑えるんじゃねーか、お前」
魔女「ヒッヒ」
男「ヒッヒヒ」
魔女「ヒッヒッヒ」
男「……」ニコッ
魔女「…………ぶふっ」
男「……」ニコニコ
魔女「……っく、ククク……っははは! あははは!」
男「笑いすぎだろお前この野郎!」
魔女「ひぃ……だって、はは……男、笑うと全然顔ちげー」
男「……ていうか、普通にも笑えるんじゃねーか、お前」
魔女「ヒッヒ」
男「ヒッヒヒ」
魔女「ヒッヒッヒ」
195: 2012/08/27(月) 23:27:17.11 ID:9FODIaX/0
魔女「さーて、次は四隅に香を焚いて――……」
男「……」
魔女「ちょっと待ってろなー」
男「おう」
男(……魔女は)
魔女「……祝福あれ、東の霊。芳しき薫風よ、清冽の気流よ。不浄なるものを去らしめ、我等が肺を清いもので満たせ」
男(……いつもより)
魔女「かくあるべし」
男(……楽しそうで)
魔女「……祝福あれ、南の霊。暖かな炉の火よ、情熱の燠火よ。不正と悪を焼き払い、我等が心臓を熱いもので満たせ」
男(……それはまるで)
魔女「かくあるべし」
男「……」
魔女「ちょっと待ってろなー」
男「おう」
男(……魔女は)
魔女「……祝福あれ、東の霊。芳しき薫風よ、清冽の気流よ。不浄なるものを去らしめ、我等が肺を清いもので満たせ」
男(……いつもより)
魔女「かくあるべし」
男(……楽しそうで)
魔女「……祝福あれ、南の霊。暖かな炉の火よ、情熱の燠火よ。不正と悪を焼き払い、我等が心臓を熱いもので満たせ」
男(……それはまるで)
魔女「かくあるべし」
196: 2012/08/27(月) 23:28:26.83 ID:9FODIaX/0
男(……遊び、はしゃぐ少女のようで)
魔女「……祝福あれ、西の霊。子宮を満たす羊水よ、恵みの雨よ。魂と肉の渇きを癒し、我等が血を優しいもので満たせ」
男(……儀式という言葉の持つ)
魔女「かくあるべし」
男(……怪しい、いかがわしいイメージとは)
魔女「……祝福あれ、北の霊。生命を育む土壌よ、女神の肉たる大地よ。全ての敵、仇なすものを放逐し、我等が骨を力強いもので満たせ」
男(……随分違って)
魔女「……かくあるべし」
魔女「寝室は閉ざされた。儀式は開かれた」
男(……俺は、正直……)
魔女「……男、来い」
男(……魔女に)
魔女「……おとこー?」
男(……目を、奪われて――……)
魔女「……祝福あれ、西の霊。子宮を満たす羊水よ、恵みの雨よ。魂と肉の渇きを癒し、我等が血を優しいもので満たせ」
男(……儀式という言葉の持つ)
魔女「かくあるべし」
男(……怪しい、いかがわしいイメージとは)
魔女「……祝福あれ、北の霊。生命を育む土壌よ、女神の肉たる大地よ。全ての敵、仇なすものを放逐し、我等が骨を力強いもので満たせ」
男(……随分違って)
魔女「……かくあるべし」
魔女「寝室は閉ざされた。儀式は開かれた」
男(……俺は、正直……)
魔女「……男、来い」
男(……魔女に)
魔女「……おとこー?」
男(……目を、奪われて――……)
198: 2012/08/27(月) 23:31:08.44 ID:9FODIaX/0
魔女「いいか、私の後に続いて――……」
男「……なぁ」
魔女「おう」
男「……匂いが」
魔女「あんまり吸うなよ」
男「……」
魔女「香の匂いだ。一気に吸うと、具合悪くなるぞ」
男「……分かった」
魔女「……私の後ろについて歩くんだ」
男「おう」
魔女「歩きながら、塩を零すから、お前も同じように塩を撒く」
男「おう」
男「……なぁ」
魔女「おう」
男「……匂いが」
魔女「あんまり吸うなよ」
男「……」
魔女「香の匂いだ。一気に吸うと、具合悪くなるぞ」
男「……分かった」
魔女「……私の後ろについて歩くんだ」
男「おう」
魔女「歩きながら、塩を零すから、お前も同じように塩を撒く」
男「おう」
199: 2012/08/27(月) 23:32:16.37 ID:9FODIaX/0
魔女「私が呪文を言うから、お前も続けて、同じ言葉を言う」
男「分かった」
魔女「それから……、一番大切なこと」
男「……?」
魔女「完全な愛と完全な信頼」
男「……」
魔女「パーフェクト、ラーブ」
男「……」
魔女「パーフェクト、トラースト」
男「……」
魔女「それが魔法の真髄だ」
男「……」
男「分かった」
魔女「それから……、一番大切なこと」
男「……?」
魔女「完全な愛と完全な信頼」
男「……」
魔女「パーフェクト、ラーブ」
男「……」
魔女「パーフェクト、トラースト」
男「……」
魔女「それが魔法の真髄だ」
男「……」
200: 2012/08/27(月) 23:32:16.37 ID:9FODIaX/0
魔女「私が呪文を言うから、お前も続けて、同じ言葉を言う」
男「分かった」
魔女「それから……、一番大切なこと」
男「……?」
魔女「完全な愛と完全な信頼」
男「……」
魔女「パーフェクト、ラーブ」
男「……」
魔女「パーフェクト、トラースト」
男「……」
魔女「それが魔法の真髄だ」
男「……」
男「分かった」
魔女「それから……、一番大切なこと」
男「……?」
魔女「完全な愛と完全な信頼」
男「……」
魔女「パーフェクト、ラーブ」
男「……」
魔女「パーフェクト、トラースト」
男「……」
魔女「それが魔法の真髄だ」
男「……」
201: 2012/08/27(月) 23:36:09.56 ID:9FODIaX/0
魔女「お前は、私を愛せるか?」
男「……」
魔女「どうなんだ」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……愛せるって言っとけ。先に進まねぇ」
男「……愛せる」
魔女「私を信じるか?」
男「信じる」
魔女「ん、それでいい」
男「……」
魔女「笑って」
男「……あはは」
男「……」
魔女「どうなんだ」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……愛せるって言っとけ。先に進まねぇ」
男「……愛せる」
魔女「私を信じるか?」
男「信じる」
魔女「ん、それでいい」
男「……」
魔女「笑って」
男「……あはは」
202: 2012/08/27(月) 23:37:03.10 ID:9FODIaX/0
魔女「……こっちへ」
男「……、なぁ、魔女ー」
魔女「ん」
男「……別に、無理に言ったんじゃないぞー」
魔女「そうだな」
男「……なぁ」
魔女「愛してる」
男「……」
魔女「私も。お前を信じてるよ」
男「……」
魔女「さぁ。部屋の中心から」
男「……あぁ」
男「……、なぁ、魔女ー」
魔女「ん」
男「……別に、無理に言ったんじゃないぞー」
魔女「そうだな」
男「……なぁ」
魔女「愛してる」
男「……」
魔女「私も。お前を信じてるよ」
男「……」
魔女「さぁ。部屋の中心から」
男「……あぁ」
203: 2012/08/27(月) 23:38:10.92 ID:9FODIaX/0
魔女「原初の夜よ、始まりの夜よ」
男「原初の……夜?」
魔女「……考えなくていい。間違っててもいい、聞こえたままに」
男「……原始の夜、はじめの夜よ」
魔女「太陽孕まぬ処Oの女神よ」
男「太陽払わぬ処Oの女神よ」
魔女「その力は未だ見ぬ愛、この寝室に降り立て」
男「その力は……愛、この寝室に降り立て」
魔女「夜明けの――……いてっ」
男「あ、ごめ……カカト蹴った」
魔女「ひひ、バーカ」
男「……あはは」
男「原初の……夜?」
魔女「……考えなくていい。間違っててもいい、聞こえたままに」
男「……原始の夜、はじめの夜よ」
魔女「太陽孕まぬ処Oの女神よ」
男「太陽払わぬ処Oの女神よ」
魔女「その力は未だ見ぬ愛、この寝室に降り立て」
男「その力は……愛、この寝室に降り立て」
魔女「夜明けの――……いてっ」
男「あ、ごめ……カカト蹴った」
魔女「ひひ、バーカ」
男「……あはは」
204: 2012/08/27(月) 23:38:46.21 ID:9FODIaX/0
・
・
・
男(魔女のうなじを見下ろしながら……)
男(その後ろに続いて、ゆっくりと歩く……)
サラ… サラ…
男(大きな杯に入れた塩を、線を描くように撒きながら……)
ゴツッ
男(……時折、小さな魔女と、歩幅がずれて)
男(二人の身体がぶつかる……)
クス クス…
男(それが何故か、おかしくて……)
男(二人して含み笑いを漏らす……)
・
・
男(魔女のうなじを見下ろしながら……)
男(その後ろに続いて、ゆっくりと歩く……)
サラ… サラ…
男(大きな杯に入れた塩を、線を描くように撒きながら……)
ゴツッ
男(……時折、小さな魔女と、歩幅がずれて)
男(二人の身体がぶつかる……)
クス クス…
男(それが何故か、おかしくて……)
男(二人して含み笑いを漏らす……)
205: 2012/08/27(月) 23:39:51.45 ID:9FODIaX/0
魔女「血を流し、収穫される神聖な穀物」
男「雄鹿の角の狩猟の神」
男(呪文のリズムが狂って……)
男(俺と、魔女の声が重なると……)
男(無意味で、だけど不思議と心地良い重奏になる……)
男(そして、触れてもいないのに……)
男(……魔女の心臓の鼓動を感じる)
男(……魔女の息遣いを感じる)
男(……魔女の匂いを感じる)
男(……魔女の体温を感じる)
男(……塩の跡は)
男(……いつしか複雑な魔方陣になって……)
男(……俺は……)
男「雄鹿の角の狩猟の神」
男(呪文のリズムが狂って……)
男(俺と、魔女の声が重なると……)
男(無意味で、だけど不思議と心地良い重奏になる……)
男(そして、触れてもいないのに……)
男(……魔女の心臓の鼓動を感じる)
男(……魔女の息遣いを感じる)
男(……魔女の匂いを感じる)
男(……魔女の体温を感じる)
男(……塩の跡は)
男(……いつしか複雑な魔方陣になって……)
男(……俺は……)
206: 2012/08/27(月) 23:40:58.10 ID:9FODIaX/0
産まれ来る星、氏の暗黒
東風の支配者、ダンスの王
あなたは母なる海にして航海者
くべられた薪にして燃盛る炎
豊穣は約束された枯渇
花と刺は光り輝く
車輪は回る
夢は満ちる
グラスを満たす辛口の飲み物のように
女神の愛と力はベッドに満ちる
アaaaラディア、ヌuuuuイト、ウラaaaaニアaaaaaaa
アaaaaaaaフロディiiiiiiiiテeeeeee、イiiiiシスuuuuuu、マaaaaaaaリアaaaaaンネeeeeeee
そして(女神の秘されたる名)aaaaaaaaa――――
東風の支配者、ダンスの王
あなたは母なる海にして航海者
くべられた薪にして燃盛る炎
豊穣は約束された枯渇
花と刺は光り輝く
車輪は回る
夢は満ちる
グラスを満たす辛口の飲み物のように
女神の愛と力はベッドに満ちる
アaaaラディア、ヌuuuuイト、ウラaaaaニアaaaaaaa
アaaaaaaaフロディiiiiiiiiテeeeeee、イiiiiシスuuuuuu、マaaaaaaaリアaaaaaンネeeeeeee
そして(女神の秘されたる名)aaaaaaaaa――――
207: 2012/08/27(月) 23:41:43.89 ID:9FODIaX/0
・
・
・
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……眠いか」
男「……」コクン
魔女「……さぁ、ベッドへ」
男「……」ヨロ
魔女「……ゆっくり」
男「……」コク
・
・
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……眠いか」
男「……」コクン
魔女「……さぁ、ベッドへ」
男「……」ヨロ
魔女「……ゆっくり」
男「……」コク
208: 2012/08/27(月) 23:42:44.37 ID:9FODIaX/0
魔女「……聞こえるか?」
男「……」コク
魔女「話せる?」
男「……ぁ」
魔女「……これ、何本だ?」
男「……二、本」
魔女「……何本?」
男「……三本」
魔女「……これは」
男「……沈む」
魔女「……」
男「……ベッドの、下に」
男「……」コク
魔女「話せる?」
男「……ぁ」
魔女「……これ、何本だ?」
男「……二、本」
魔女「……何本?」
男「……三本」
魔女「……これは」
男「……沈む」
魔女「……」
男「……ベッドの、下に」
209: 2012/08/27(月) 23:44:00.85 ID:9FODIaX/0
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……落ち……」
魔女「……大丈夫」
男「……」
魔女「……怖くない」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……あぁ」
男「……」
魔女「……」
男「……落ち……」
魔女「……大丈夫」
男「……」
魔女「……怖くない」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……あぁ」
210: 2012/08/27(月) 23:44:59.15 ID:9FODIaX/0
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
219: 2012/08/29(水) 00:25:53.34 ID:gCL4MKYF0
~夢~
男「……」
220: 2012/08/29(水) 00:26:24.67 ID:gCL4MKYF0
~夢より深い夢~
男「……」
221: 2012/08/29(水) 00:27:10.95 ID:gCL4MKYF0
~意識の限界~
男「……」
222: 2012/08/29(水) 00:27:52.87 ID:gCL4MKYF0
~?????~
男「……」
男「……」
男「……」
男「……」
男「……」ハッ
男「……」
男「……は?」
牛頭「――起きたか」
男「牛?」
馬頭「おはようさん」
男「……馬?」
223: 2012/08/29(水) 00:28:23.77 ID:gCL4MKYF0
男「……」
牛頭「……」
馬頭「……」
男「……」
牛頭「……」
馬頭「……」
男「……はっ?」
馬頭「置いてけぼりでごめんなー」
牛頭「――今は時間がない。此方へ」
男「……はぁ。え、は? ちょっと――……」
牛頭「……」
馬頭「……」
男「……」
牛頭「……」
馬頭「……」
男「……はっ?」
馬頭「置いてけぼりでごめんなー」
牛頭「――今は時間がない。此方へ」
男「……はぁ。え、は? ちょっと――……」
224: 2012/08/29(水) 00:29:23.77 ID:gCL4MKYF0
・
・
・
男「……なぁ、おい……! ちょっと、あんたら……!」
牛頭「――ここだ」
馬頭「ついたねー」
男「何が――……」
グツ グツ
男(なんだ、これ……)
男(……池? いや、プール……、違う……)
グツ グツグツ
男(鍋……、いや、釜だ……)
男(湖のような、巨大な……大釜)
グツ グツ
男「煮えてる……」
・
・
男「……なぁ、おい……! ちょっと、あんたら……!」
牛頭「――ここだ」
馬頭「ついたねー」
男「何が――……」
グツ グツ
男(なんだ、これ……)
男(……池? いや、プール……、違う……)
グツ グツグツ
男(鍋……、いや、釜だ……)
男(湖のような、巨大な……大釜)
グツ グツ
男「煮えてる……」
225: 2012/08/29(水) 00:30:11.56 ID:gCL4MKYF0
グツグツ
グツグツ
男「……何だこれ」
牛頭「――これなるは、真実の大釜」
馬頭「世界の真の姿」
牛頭「宇宙のエネルギーの坩堝」
馬頭「女神の胎内」
牛頭「森羅万象の溶け合ったスープ」
馬頭「分かる?」
男「……分からん」
馬頭「……いいよ、それで」
牛頭「――世界は」
グツグツ
男「……何だこれ」
牛頭「――これなるは、真実の大釜」
馬頭「世界の真の姿」
牛頭「宇宙のエネルギーの坩堝」
馬頭「女神の胎内」
牛頭「森羅万象の溶け合ったスープ」
馬頭「分かる?」
男「……分からん」
馬頭「……いいよ、それで」
牛頭「――世界は」
226: 2012/08/29(水) 00:30:47.41 ID:gCL4MKYF0
男「……」
牛頭「――この宇宙のあらゆるものは」
男「……」
馬頭「一皮剥けば、エネルギーの塊だ」
男「……」
牛頭「星も太陽も、人も草木も、虫も石ころも」
男「……」
馬頭「みな同じエネルギーから成り立ってるんよ」
男「……」
牛頭「――そしてこの大釜こそ」
男「……」
馬頭「宇宙をエネルギーとして捉える視覚(ヴィジョン)の世界」
牛頭「――この宇宙のあらゆるものは」
男「……」
馬頭「一皮剥けば、エネルギーの塊だ」
男「……」
牛頭「星も太陽も、人も草木も、虫も石ころも」
男「……」
馬頭「みな同じエネルギーから成り立ってるんよ」
男「……」
牛頭「――そしてこの大釜こそ」
男「……」
馬頭「宇宙をエネルギーとして捉える視覚(ヴィジョン)の世界」
227: 2012/08/29(水) 00:31:23.10 ID:gCL4MKYF0
男「……ここは」
牛頭「――ここは、どこでもない世界」
馬頭「アカシックレコードの外側の宇宙」
牛頭「お前の意識と」
馬頭「真実を結ぶ抜け道」
男「あんたらは……」
牛頭「――質問に付き合っている時間はない」
馬頭「魔女ちゃん待ってるよー」
男「魔女……!?」
馬頭「この中でー」
男「え……」
グツ グツグツ
男(……すっげぇ煮えてるんだけど……)
牛頭「――ここは、どこでもない世界」
馬頭「アカシックレコードの外側の宇宙」
牛頭「お前の意識と」
馬頭「真実を結ぶ抜け道」
男「あんたらは……」
牛頭「――質問に付き合っている時間はない」
馬頭「魔女ちゃん待ってるよー」
男「魔女……!?」
馬頭「この中でー」
男「え……」
グツ グツグツ
男(……すっげぇ煮えてるんだけど……)
228: 2012/08/29(水) 00:31:52.10 ID:gCL4MKYF0
男「……」
グツグツ
男「……」
グツグツ グツ
男「……」
馬頭「……じゃ、いってらっしゃ――」
男「待て待て待って、押すな馬鹿! 熱い! 馬鹿!」
馬頭「あはは、馬に馬鹿って」
牛頭「――急くがよい」
男「あぁ!?」
牛頭「――アレが来る……」
男「……アレ?」
馬頭「空、見てみ」
グツグツ
男「……」
グツグツ グツ
男「……」
馬頭「……じゃ、いってらっしゃ――」
男「待て待て待って、押すな馬鹿! 熱い! 馬鹿!」
馬頭「あはは、馬に馬鹿って」
牛頭「――急くがよい」
男「あぁ!?」
牛頭「――アレが来る……」
男「……アレ?」
馬頭「空、見てみ」
229: 2012/08/29(水) 00:32:28.78 ID:gCL4MKYF0
男「……な」
牛頭「……」
馬頭「……」
男「な……」
馬頭「……何に見える?」
男「…………ブラックホール」
馬頭「こっちに来るね」
男「……アレは」
牛頭「――あれなるは、お前自身の暗黒」
男「は?」
馬頭「お前が無意識の中に抱える闇」
牛頭「お前自身から漏れ出し、こちら側を侵そうとしている」
男(……俺の)
男(……闇……)
牛頭「……」
馬頭「……」
男「な……」
馬頭「……何に見える?」
男「…………ブラックホール」
馬頭「こっちに来るね」
男「……アレは」
牛頭「――あれなるは、お前自身の暗黒」
男「は?」
馬頭「お前が無意識の中に抱える闇」
牛頭「お前自身から漏れ出し、こちら側を侵そうとしている」
男(……俺の)
男(……闇……)
230: 2012/08/29(水) 00:33:33.14 ID:gCL4MKYF0
牛頭「――いずれお前も、自らの闇と向き合い」
馬頭「戦う日がくるはず」
男「……アレと?」
牛頭「――だが、今は」
馬頭「ここでマゴマゴしてると、飲み込まれちゃうからねー」
男「……何それ、やばい?」
牛頭「めっちゃやばい」
馬頭「めっちゃやばい」
男「……えぇー」
牛頭「――だから、さっさと」ドンッ
馬頭「いってらっしゃいー!」ドンッ
男「……――え」
ヨロッ
男「あ――……」
ドボン
男「……ゴボ……ッ」
馬頭「戦う日がくるはず」
男「……アレと?」
牛頭「――だが、今は」
馬頭「ここでマゴマゴしてると、飲み込まれちゃうからねー」
男「……何それ、やばい?」
牛頭「めっちゃやばい」
馬頭「めっちゃやばい」
男「……えぇー」
牛頭「――だから、さっさと」ドンッ
馬頭「いってらっしゃいー!」ドンッ
男「……――え」
ヨロッ
男「あ――……」
ドボン
男「……ゴボ……ッ」
231: 2012/08/29(水) 00:34:47.61 ID:gCL4MKYF0
~真実の大釜~
ゴボ
ゴボゴボ…
男(熱……! 苦……し……っ!)
男(全身が……!)
男(煮える……!)
男「……」ゴポッ
男(……身体の中から)
男(……焼け、爛れ……)
白髪の少女「……ふぇ?」
男(……あれは……)
白髪の少女「……誰?」
男(……女の子……?)
ゴボ
ゴボゴボ…
男(熱……! 苦……し……っ!)
男(全身が……!)
男(煮える……!)
男「……」ゴポッ
男(……身体の中から)
男(……焼け、爛れ……)
白髪の少女「……ふぇ?」
男(……あれは……)
白髪の少女「……誰?」
男(……女の子……?)
232: 2012/08/29(水) 00:35:30.80 ID:gCL4MKYF0
白髪の少女「……ねえねえ、こんなところで何してるの?」
男(……知らない、子だ)
少女「うわぁ……お兄さん、おっきいねぇー」
男(……でも、どこかで……見たことが……)
少女「ひひひ!」
男(……あ)
少女「ねえ、一緒に遊ぼ?」
男(……魔女だ)
少女「おんぶして!」
男(……この少女は、魔女に、そっくりだ……)
男(……知らない、子だ)
少女「うわぁ……お兄さん、おっきいねぇー」
男(……でも、どこかで……見たことが……)
少女「ひひひ!」
男(……あ)
少女「ねえ、一緒に遊ぼ?」
男(……魔女だ)
少女「おんぶして!」
男(……この少女は、魔女に、そっくりだ……)
233: 2012/08/29(水) 00:37:36.18 ID:gCL4MKYF0
男(……この少女は)
男(魔女……?)
少女「ねえねえ」
男「……っ!」ガボッ
男(やばい……もう……!)
男(苦しい、苦しい……っ!)
少女「大丈夫だよ」
男(熱い……! 茹で氏ぬ……っ!)
少女「もっと、自然に……感じるままに」
男(無理……っ! もう――……)
少女「待って! 行かないで!」
男(気が……遠く――……)
少女「やーだー! いっちゃやだ! 置いてかないでよぉ! ねえってばー!」
男(これが――……)
男(氏――……)
男(魔女……?)
少女「ねえねえ」
男「……っ!」ガボッ
男(やばい……もう……!)
男(苦しい、苦しい……っ!)
少女「大丈夫だよ」
男(熱い……! 茹で氏ぬ……っ!)
少女「もっと、自然に……感じるままに」
男(無理……っ! もう――……)
少女「待って! 行かないで!」
男(気が……遠く――……)
少女「やーだー! いっちゃやだ! 置いてかないでよぉ! ねえってばー!」
男(これが――……)
男(氏――……)
234: 2012/08/29(水) 00:38:11.23 ID:gCL4MKYF0
・
・
・
・
・
・
・
235: 2012/08/29(水) 00:38:45.74 ID:gCL4MKYF0
~朝:洋館・寝室~
男「……」ムクリ
男「……」
男「……」
魔女「……」
男「……おま」
魔女「……」ムクリ
男「……お、ま……なんで、とな……となり……、ねて……」
魔女「……」
男「……ぅ」
魔女「……」
男「うげぇぇぇぇ」バシャバシャバシャ
男「……」ムクリ
男「……」
男「……」
魔女「……」
男「……おま」
魔女「……」ムクリ
男「……お、ま……なんで、とな……となり……、ねて……」
魔女「……」
男「……ぅ」
魔女「……」
男「うげぇぇぇぇ」バシャバシャバシャ
236: 2012/08/29(水) 00:39:19.21 ID:gCL4MKYF0
男「うぇ……ぇぇ」
魔女「……おい、ば……か、床汚――……よご、す、な……、うぅ」
男「……」
魔女「うえぇぇぇぇ」バシャバシャバシャ
男「はぁ……、はぁ……ぁ……」
魔女「えぇ……ぇぐっ」
男「……」
魔女「……」
男「ごぇぇ」バシャバシャ
魔女「うえぇぇ」バシャバシャ
魔女「……おい、ば……か、床汚――……よご、す、な……、うぅ」
男「……」
魔女「うえぇぇぇぇ」バシャバシャバシャ
男「はぁ……、はぁ……ぁ……」
魔女「えぇ……ぇぐっ」
男「……」
魔女「……」
男「ごぇぇ」バシャバシャ
魔女「うえぇぇ」バシャバシャ
237: 2012/08/29(水) 00:39:59.00 ID:gCL4MKYF0
男「ゼェ……ゼェ……」
魔女「……ぐぇ」
男「……おい、魔女……な、なんだ……これ……」
魔女「……し」
男「……し?」
魔女「失敗」
男「……氏ねぇー」
魔女「黙れー……、頭に響くぅー……」
魔女「……ぐぇ」
男「……おい、魔女……な、なんだ……これ……」
魔女「……し」
男「……し?」
魔女「失敗」
男「……氏ねぇー」
魔女「黙れー……、頭に響くぅー……」
239: 2012/08/29(水) 00:41:15.52 ID:gCL4MKYF0
男「……もしかして、これ……」
魔女「おう」
男「?」
魔女「馬鹿かお前は」
男「……」
魔女「男女が裸で、ベッドでやる儀式なんて、しかねぇだろーが」
男「……え」
魔女「……」
男「……えぇ」
魔女「……未遂だけどな」
男「……えぇー」
魔女「おう」
男「?」
魔女「馬鹿かお前は」
男「……」
魔女「男女が裸で、ベッドでやる儀式なんて、しかねぇだろーが」
男「……え」
魔女「……」
男「……えぇ」
魔女「……未遂だけどな」
男「……えぇー」
247: 2012/08/30(木) 01:11:59.01 ID:vrpR90FT0
魔女「……」
男「……」
魔女「……何だよ」
男「……」
魔女「……」
男「……お前」
魔女「……」
男「……言えよー……」
魔女「……言ったらどうなんだよ」
男「……」
魔女「コンドームでも用意したか? え?」
男「……」
魔女「……何だよ」
男「……」
魔女「……」
男「……お前」
魔女「……」
男「……言えよー……」
魔女「……言ったらどうなんだよ」
男「……」
魔女「コンドームでも用意したか? え?」
248: 2012/08/30(木) 01:12:53.19 ID:vrpR90FT0
男「……」
魔女「……前もって意識されると」
男「……」
魔女「儀式がやりにくい」
男「……」
魔女「……」
男「……いや」
魔女「……」
男「……でも、さぁ」
魔女「……」
男「……」
魔女「…………チッ」
魔女「……前もって意識されると」
男「……」
魔女「儀式がやりにくい」
男「……」
魔女「……」
男「……いや」
魔女「……」
男「……でも、さぁ」
魔女「……」
男「……」
魔女「…………チッ」
249: 2012/08/30(木) 01:14:12.35 ID:vrpR90FT0
男「……」
魔女「だーから……、イヤだって言ったんだよ……、私は……」
男「……あ」
魔女「……はぁ」
男「……」
魔女「……」
男「いや……」
魔女「……ぅ」
男「……」
魔女「……、……んぐ」
男「……魔女?」
魔女「……おえぇ」バチャッ
男「魔女……っ」
魔女「だーから……、イヤだって言ったんだよ……、私は……」
男「……あ」
魔女「……はぁ」
男「……」
魔女「……」
男「いや……」
魔女「……ぅ」
男「……」
魔女「……、……んぐ」
男「……魔女?」
魔女「……おえぇ」バチャッ
男「魔女……っ」
250: 2012/08/30(木) 01:15:00.73 ID:vrpR90FT0
魔女「……ゲホッ、……はぁ」ヘタッ
男「おい……! 大丈夫かよ!」
魔女「……疲れた」
男「顔真っ青じゃねーか! おい――」ガシッ
魔女「……」グッタリ
男「冷た……」
魔女「……寒い」モソモソ
男「裸でベッドもぐるな馬鹿! 服! 風邪引く!」
魔女「……ぅー」
男「うーじゃねぇ!」
男「おい……! 大丈夫かよ!」
魔女「……疲れた」
男「顔真っ青じゃねーか! おい――」ガシッ
魔女「……」グッタリ
男「冷た……」
魔女「……寒い」モソモソ
男「裸でベッドもぐるな馬鹿! 服! 風邪引く!」
魔女「……ぅー」
男「うーじゃねぇ!」
251: 2012/08/30(木) 01:15:44.80 ID:vrpR90FT0
・
・
・
魔女「……」
男「……」
魔女「……ぅー」モゾモゾ
男「……辛いか?」
魔女「……大丈夫」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……男」
男「ん」
・
・
魔女「……」
男「……」
魔女「……ぅー」モゾモゾ
男「……辛いか?」
魔女「……大丈夫」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……男」
男「ん」
252: 2012/08/30(木) 01:16:31.58 ID:vrpR90FT0
魔女「……ごめんなー」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……治せなくて」
男「……」
男(……――魔女は)
男(……イヤだって、言っていたのに)
男(……こんな、衰弱してるのに……)
男(……どうして)
男(……)
男(……)
男(……俺のため?)
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……治せなくて」
男「……」
男(……――魔女は)
男(……イヤだって、言っていたのに)
男(……こんな、衰弱してるのに……)
男(……どうして)
男(……)
男(……)
男(……俺のため?)
253: 2012/08/30(木) 01:17:35.76 ID:vrpR90FT0
男(……そうかもしれない)
男(……違うかも、しれない)
男(……でも)
男「……魔女」
魔女「……」
男「……お前がさ、こんなになるまで」
魔女「……」
男「……俺の頼み、聞いてくれたのに」
魔女「……」
男「……俺は」
魔女「……」
男「自分のことばっかりで」
魔女「……」
男(……違うかも、しれない)
男(……でも)
男「……魔女」
魔女「……」
男「……お前がさ、こんなになるまで」
魔女「……」
男「……俺の頼み、聞いてくれたのに」
魔女「……」
男「……俺は」
魔女「……」
男「自分のことばっかりで」
魔女「……」
254: 2012/08/30(木) 01:18:17.00 ID:vrpR90FT0
男「……ごめんな」
魔女「……」
男「……ありがとな」
魔女「男ぉ」
男「おう」
魔女「寒い」
男「……何か、かけるもの」
魔女「……ボケナス」
男「あぁ?」
魔女「来いよ」
男「……」
魔女「カイロの代わりくらいは、できるだろ」
男「……」
魔女「……」
男「……ありがとな」
魔女「男ぉ」
男「おう」
魔女「寒い」
男「……何か、かけるもの」
魔女「……ボケナス」
男「あぁ?」
魔女「来いよ」
男「……」
魔女「カイロの代わりくらいは、できるだろ」
男「……」
255: 2012/08/30(木) 01:19:02.06 ID:vrpR90FT0
男「……」モソモソ
魔女「……」
男「……」
魔女「……」ギュッ
男「……おい」
魔女「……」ギュウ
男「……」
魔女「はぁ……」
男「……ったく」
魔女「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」ギュッ
男「……おい」
魔女「……」ギュウ
男「……」
魔女「はぁ……」
男「……ったく」
魔女「……」
256: 2012/08/30(木) 01:19:27.64 ID:vrpR90FT0
魔女「……」
男「……」
魔女「……何が見えた?」
男「……そうだな」
魔女「……」
男「……牛頭馬頭の、鬼」
魔女「……」
男「それから、ブラックホール」
魔女「……」
男「大釜」
魔女「……」
男「……あと……、白い、女の子」
魔女「……」
男「……」
魔女「……何が見えた?」
男「……そうだな」
魔女「……」
男「……牛頭馬頭の、鬼」
魔女「……」
男「それから、ブラックホール」
魔女「……」
男「大釜」
魔女「……」
男「……あと……、白い、女の子」
魔女「……」
257: 2012/08/30(木) 01:20:00.13 ID:vrpR90FT0
男「……」
魔女「意味わかんねー……」
男「そうだな……」
魔女「……」ギュ
男「……」
男(牛頭と馬頭は……)
男(あの煮えた釜を、『世界の真の姿』と言っていた)
男(……あの少女は)
男(魔女だったのだろうか……)
魔女「……ゲロ臭」
男「……あとで、掃除しねーとな」
男(……もし、そうだとしたら)
男(……あの少女が)
魔女「意味わかんねー……」
男「そうだな……」
魔女「……」ギュ
男「……」
男(牛頭と馬頭は……)
男(あの煮えた釜を、『世界の真の姿』と言っていた)
男(……あの少女は)
男(魔女だったのだろうか……)
魔女「……ゲロ臭」
男「……あとで、掃除しねーとな」
男(……もし、そうだとしたら)
男(……あの少女が)
258: 2012/08/30(木) 01:20:35.47 ID:vrpR90FT0
男(魔女自身の)
男(……真の姿?)
魔女「……お前」
男「ん?」
魔女「あっつい」
男「……」
魔女「ちょっと離れろクソ馬鹿。暑苦しい」
男「……このやろ」
男(……意地悪で、気まぐれで、口の悪い魔女の)
男(本当の姿は……)
男(人懐っこくて、遊び好きで……、少し、寂しがりに見える……)
男(……小さな、女の子なのかも、しれない)
魔女「……何ニヤけてんだよ」
男「……いや、別に?」
男(……真の姿?)
魔女「……お前」
男「ん?」
魔女「あっつい」
男「……」
魔女「ちょっと離れろクソ馬鹿。暑苦しい」
男「……このやろ」
男(……意地悪で、気まぐれで、口の悪い魔女の)
男(本当の姿は……)
男(人懐っこくて、遊び好きで……、少し、寂しがりに見える……)
男(……小さな、女の子なのかも、しれない)
魔女「……何ニヤけてんだよ」
男「……いや、別に?」
259: 2012/08/30(木) 01:21:18.48 ID:vrpR90FT0
魔女「……男」
男「ん」
魔女「今回の失敗は、おそらく……」
男「おう」
魔女「……お互い、足りなかったんだ」
男「何が」
魔女「愛と、信頼が」
男「……」
魔女「……」
男「……そうかぁ」
魔女「……」
男「……確かにな」
魔女「……」
男「……全然知らないもんな、俺たち……、お互いのこと」
魔女「おう」
男「ん」
魔女「今回の失敗は、おそらく……」
男「おう」
魔女「……お互い、足りなかったんだ」
男「何が」
魔女「愛と、信頼が」
男「……」
魔女「……」
男「……そうかぁ」
魔女「……」
男「……確かにな」
魔女「……」
男「……全然知らないもんな、俺たち……、お互いのこと」
魔女「おう」
267: 2012/08/30(木) 22:49:13.68 ID:vrpR90FT0
男「……だったら」
魔女「……」
男「これから……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……愛と信頼」
男「愛と信頼」
魔女「……」
男「……はは」
魔女「……」
魔女「……」
男「これから……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……愛と信頼」
男「愛と信頼」
魔女「……」
男「……はは」
魔女「……」
268: 2012/08/30(木) 22:49:59.34 ID:vrpR90FT0
魔女「……」ギュッ
男「……」
魔女「……なぁ」
男「ん」
魔女「ちゅーしたい」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……そのうちな」
魔女「氏ねークソヘタレー」ギリリ
男「いって……っ! つねるな馬鹿!」
男「……」
魔女「……なぁ」
男「ん」
魔女「ちゅーしたい」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……」
男「……そのうちな」
魔女「氏ねークソヘタレー」ギリリ
男「いって……っ! つねるな馬鹿!」
269: 2012/08/30(木) 22:50:47.28 ID:vrpR90FT0
魔女「ほら」
男「……」
魔女「こっち向け」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……んぅ」
男「……ぁ――」
魔女「ん……っ――……」
・
・
・
男「……」
魔女「こっち向け」
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……んぅ」
男「……ぁ――」
魔女「ん……っ――……」
・
・
・
270: 2012/08/30(木) 22:51:27.50 ID:vrpR90FT0
・
・
・
~某大学病院~
女医「……」
兄「……」
女医「信じられません……」
兄「そうかな?」
女医「下垂体の明らかな異常、内分泌系の狂い……、脳波も。こんな数値、見たこともない……」
兄「……」
女医「『計画』どころではありません! 男君の身体に……いえ、命に関わる――」
兄「男は問題ない」
女医「な……」
兄「そして、『計画』も順調だ」
女医「……そん、な」
兄「……いずれの検査結果も、想定通り。我々の『計画』に則ったものだ」
・
・
~某大学病院~
女医「……」
兄「……」
女医「信じられません……」
兄「そうかな?」
女医「下垂体の明らかな異常、内分泌系の狂い……、脳波も。こんな数値、見たこともない……」
兄「……」
女医「『計画』どころではありません! 男君の身体に……いえ、命に関わる――」
兄「男は問題ない」
女医「な……」
兄「そして、『計画』も順調だ」
女医「……そん、な」
兄「……いずれの検査結果も、想定通り。我々の『計画』に則ったものだ」
271: 2012/08/30(木) 22:52:18.46 ID:vrpR90FT0
女医「……兄さん、彼は――……、男君は、一体……」
兄「……ふぅ」
女医「……っ」ビクッ
兄「……好奇心かな?」
女医「いえ……っ! 忘れて下さい……!」
兄「はは、何をおびえているんだい」
女医「い、いえ……」ガタガタ
兄「いいさ、君が興味を持つのも無理はない」
女医「……」
兄「……女医君、彼は……男は、種なんだ」
兄「……ふぅ」
女医「……っ」ビクッ
兄「……好奇心かな?」
女医「いえ……っ! 忘れて下さい……!」
兄「はは、何をおびえているんだい」
女医「い、いえ……」ガタガタ
兄「いいさ、君が興味を持つのも無理はない」
女医「……」
兄「……女医君、彼は……男は、種なんだ」
272: 2012/08/30(木) 22:53:20.55 ID:vrpR90FT0
女医「種……」
兄「そう、新たな人類、大いなる進化……その大樹の礎となる、最初の……一粒の種だ」
女医「……」
兄「我々の『計画』――……、そのためにも、男には」
女医「……」
兄「立派に、芽吹いてもらわないとね」
女医「……兄さん」
兄「ふふ……」
女医「……っ」ゾクッ
兄(……――それにしても、『彼女』ね……)
兄(……少し、気になるファクタではある……)
兄「そう、新たな人類、大いなる進化……その大樹の礎となる、最初の……一粒の種だ」
女医「……」
兄「我々の『計画』――……、そのためにも、男には」
女医「……」
兄「立派に、芽吹いてもらわないとね」
女医「……兄さん」
兄「ふふ……」
女医「……っ」ゾクッ
兄(……――それにしても、『彼女』ね……)
兄(……少し、気になるファクタではある……)
273: 2012/08/30(木) 22:54:48.20 ID:vrpR90FT0
・
・
・
~市街・廃ビル~
友「……」
委員長「……迂闊だった」
友「……あの転校生が、まさか『春魔法の魔女』だなんてな」
委員長「……」
友「『結社』の連中も、気付きはじめている頃だろう」
委員長「……」
友「……これからは、騒がしくなる」
委員長「……ごめん、私が監視していながら――……」
友「いいさ。過ぎたことを悔やんでも仕方ない。それに……」
委員長「友君?」
友「……彼女を、俺たちの魔女団(カヴン)に引き入れられれば……」
委員長「ちょっと、本気!?」
・
・
~市街・廃ビル~
友「……」
委員長「……迂闊だった」
友「……あの転校生が、まさか『春魔法の魔女』だなんてな」
委員長「……」
友「『結社』の連中も、気付きはじめている頃だろう」
委員長「……」
友「……これからは、騒がしくなる」
委員長「……ごめん、私が監視していながら――……」
友「いいさ。過ぎたことを悔やんでも仕方ない。それに……」
委員長「友君?」
友「……彼女を、俺たちの魔女団(カヴン)に引き入れられれば……」
委員長「ちょっと、本気!?」
274: 2012/08/30(木) 22:55:29.26 ID:vrpR90FT0
友「本気さ。あの力があれば……、魔術の究極……」
委員長「『いちばんおわりの魔術』」
友「……その成就に、大きく近付く」
委員長「確かに、ね」
友「我々『獅子魔女の会』が、世界を変える……」
委員長「……」
友「……その一助と、なってもらおうじゃないか」
委員長「……」
友「……だけど」
委員長「分かってる」
委員長「『いちばんおわりの魔術』」
友「……その成就に、大きく近付く」
委員長「確かに、ね」
友「我々『獅子魔女の会』が、世界を変える……」
委員長「……」
友「……その一助と、なってもらおうじゃないか」
委員長「……」
友「……だけど」
委員長「分かってる」
275: 2012/08/30(木) 22:56:38.30 ID:vrpR90FT0
友「……」
委員長「……もし、協力が得られないなら」
友「……」
委員長「……そのときは、私が」
友「……あぁ」
委員長「どんな手段を、使ってでも……!」
友「期待してるよ」
委員長「……」
友「……『いちばんおわりの魔術』」
委員長「魔術は世界に出会い」
友「世界は魔術を知る……」
委員長(……けれど、気になるのは……)
委員長(男……、彼は――……)
委員長「……もし、協力が得られないなら」
友「……」
委員長「……そのときは、私が」
友「……あぁ」
委員長「どんな手段を、使ってでも……!」
友「期待してるよ」
委員長「……」
友「……『いちばんおわりの魔術』」
委員長「魔術は世界に出会い」
友「世界は魔術を知る……」
委員長(……けれど、気になるのは……)
委員長(男……、彼は――……)
276: 2012/08/30(木) 22:57:39.86 ID:vrpR90FT0
・
・
・
~洋館・寝室~
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……ん」
男「……」ナデ
魔女「……治ったら」
男「……」
魔女「……一発ヤラせろな」
男「……えげつない言い方やめろ」
魔女「……ヒッヒッヒ」
・
・
~洋館・寝室~
男「……」
魔女「……」
男「……」
魔女「……ん」
男「……」ナデ
魔女「……治ったら」
男「……」
魔女「……一発ヤラせろな」
男「……えげつない言い方やめろ」
魔女「……ヒッヒッヒ」
277: 2012/08/30(木) 22:59:08.27 ID:vrpR90FT0
男「……次は」
魔女「……」
男「うまく、いく気がするよ」
魔女「……」
男「何となくさ」
魔女「……そうだな」
男「……」
魔女「……でも」
男「……」
魔女「いいじゃん、今は」
男「……おう」
魔女「……このままで、こうして」
男「……おう」
魔女「……」
男「うまく、いく気がするよ」
魔女「……」
男「何となくさ」
魔女「……そうだな」
男「……」
魔女「……でも」
男「……」
魔女「いいじゃん、今は」
男「……おう」
魔女「……このままで、こうして」
男「……おう」
278: 2012/08/30(木) 22:59:38.92 ID:vrpR90FT0
――魔法とは、意識を変える技術――
――俺は魔法にかけられて――
――今も魔法は――
――とけないまま――
279: 2012/08/30(木) 23:00:07.23 ID:vrpR90FT0
~おわりです~
282: 2012/08/30(木) 23:20:53.52 ID:vrpR90FT0
これでこのSSは終わりです
お付き合いいただき、ありがとうございました
お付き合いいただき、ありがとうございました
引用: 男「魔女?」魔女「おう」



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