616: 2016/04/24(日) 14:30:51.86 ID:1plIDAWz0
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前回:ブレードカンムス・ヴェイカント・ヴェンジェンス#18
最初から:ウェルカムトゥ・ネオサイタマ・チンジフ
617: 2016/04/24(日) 14:31:43.00 ID:1plIDAWz0
【KANMUSLAYER】
618: 2016/04/24(日) 14:33:46.37 ID:1plIDAWz0
数刻前、ネオサイタマ・チンジフ執務室
619: 2016/04/24(日) 15:06:02.68 ID:1plIDAWz0
「……以上が10番基地の戦闘状況。完全に制圧した。これが奪還できた前線基地のすべてだ」「そうか、悪くねえ」「喜んでもらえて何よりだよ」そこでは提督が1人の艦娘から報告を受けている最中であった。美しい黒髪を持つ駆逐艦娘、彼女の名はハツヅキ、駆逐艦長を務める艦娘である。
620: 2016/04/24(日) 15:10:10.06 ID:1plIDAWz0
ハツヅキはなおも言葉を続ける。「しかし残りの前線基地では小競り合いが続いている。油断できない状況に変わりはない」「それは分かっている。……だがハツヅキ=サンちょっといいか?」その2人の傍の机では秘書艦のヒュウガが黙々と書類を処理している。執務室は至って静かな様相だ。「何だい?何か問題でも」「チト問題がある」
621: 2016/04/24(日) 15:15:20.15 ID:1plIDAWz0
彼女の瞳が提督をとらえた。「お前は僕の提督だ。何か打開策があるならば従おう」「違う、それはまだだ」提督はかぶりを振る。「ならば何だい?それならこのまま報告を続かせてもらうよ」ハツヅキは怪訝な表情を浮かべた。「待て、まずはどけ」提督は指差す。「…今すぐここから」たった今ハツヅキが座っている、自分の膝の上をだ。
622: 2016/04/24(日) 15:20:31.87 ID:1plIDAWz0
「…………僕の案としては優先すべきは12番基地の」「無視するんじゃねぇ…今すぐどけと言っているんだ、こ・こ・か・ら」「……作戦としてはやはり奇襲を」「だから無視するな…!」しかしハツヅキは動かない、根を張ったように提督の膝の上から動こうとしない。その恋人めいた様相にも関わらずヒュウガは素知らぬ顔で書類仕事を続けている。
623: 2016/04/24(日) 15:25:28.08 ID:1plIDAWz0
やがてハツヅキは小さく溜息をついた。「細かいことは気にしないでくれ。僕とお前の仲だろう?」「いつの間にそんな仲になったんだ。つーか早くどけ、俺の胸をさするな」「いいだろう少しくらいなら。ほら…」「少しもよくねえ」提督はその手を掴んで止めると、ハツヅキを無理矢理膝の上から降ろそうとした。しかしそれに抵抗するようにハツヅキは動かない。
624: 2016/04/24(日) 15:30:39.02 ID:1plIDAWz0
「そうだ…ひとつお願いがある。今回の褒章についてなんだ。欲しいものがある」「ここからどくなら何でもくれてやる…何が望みだ?」ハツヅキは今回の奪還作戦において前線の指揮をとり、駆逐艦長の肩書きに恥じぬ働きをした。とにかく膝の上から降ろせるならどうにでもしてやろう。そしてハツヅキは目をつむり、提督に顔を向けてみせた。「キスしてくれ」「断る」提督はすかさずその脳天をチョップした。
625: 2016/04/24(日) 15:41:48.45 ID:1plIDAWz0
ひるんだ彼女の首根っこを提督はすぐさま掴むとドアに向かって歩き始めた。悪戯をした子犬めいて引きずられてゆくハツヅキ。「報告ご苦労。もう戻っていいぞ」「ま…待て、キスじゃなくても良いんだ。抱きしめてくれてもいい」「それも断る」「なら前後しよう」「絶対に断る」外に放り出されたハツヅキの言葉を遮るように扉を閉めると、提督は大きな溜息をつく。「誰だ、アイツに報告させた奴は?前々からここに入れるなと言っていただろうが…」「私は知らないぞ」ヒュウガは素っ気なく言った。
627: 2016/04/24(日) 22:38:56.96 ID:1plIDAWz0
苦虫を噛み潰したような顔のまま提督はイスに座り、身を預ける。過剰なまでのスキンシップを行ってくる艦娘は少なくない。中には度を越したストーカー行為や変O行為を繰り返す者もいる。彼は実際辟易していた。
628: 2016/04/24(日) 22:45:01.82 ID:1plIDAWz0
「ヤヨイ=サンのアプレンティス(弟子)はあんなヤツばかり…そのくせ腕が立つのが何よりタチが悪い」「ヤヨイ=サン自身もあんなものだろう」「……とにかくだ、ガキが色気づきやがって。どこであんな卑猥な言葉覚えやがったんだ」「いっそあの子の思い通りにしてやるのはどうだ?さらに出来るようになるかもしれないぞ」ヒュウガはさらりと言ってのけた。
629: 2016/04/24(日) 22:51:53.87 ID:1plIDAWz0
「バカ言え。あんなガキんちょにデキてもらってたまるか。それともお前は俺がそんな事するヤツに見えるのか?あ?」やや怒った様子の提督を見て彼女は目を細める。「……そうだな。そうは見えないな」「たりめーだ」ヒュウガの目はあくまでも優しかった。「そもそもお前も少しくらいフォローしろってんだ。お前は俺の…」
630: 2016/04/24(日) 23:00:55.61 ID:1plIDAWz0
しかし提督の言葉はノック音で遮られた。「……チッ、入って来い」提督は不満顔のまま二人の艦娘を部屋に招き入れる。最初におずおずと入ってきた艦娘はハツカゼ、このところよく呼び出されている。そしてその後ろに続いてきたのは、「初めましてと言うべきか?」「ハイ、初めまして。ハマカゼです」その艦娘がぺこりとオジギをすると、下に何もつけていないであろう豊満な胸の揺れが追従した。
637: 2016/05/02(月) 18:38:38.42 ID:/AeM1Fu8O
提督は彼女、ハマカゼの顔を覗き込んだ。以前のような冷たい無表情はいくらか和らぎ、ほおには薄っすらと赤みが差している。子供めいた艦娘が多い駆逐艦娘らしくない、美しい顔立ちだ。「健康状態は問題ねえようだな」「うん、生体情報はどれも正常値だし気持ちも落ち着いてる。もうキズも治ってるわ」ハツカゼがハマカゼのかわりに応じる。
638: 2016/05/02(月) 18:46:35.31 ID:/AeM1Fu8O
「大変お世話になっております」ハマカゼが提督とハツカゼに対して再度丁寧にオジギした。その度に豊かな胸の揺れが追従する。「気にしないで!これはあたしの仕事みたいなもんだし、それにさ…姉妹というか、親戚みたいなもんなんだからさ」ハツカゼは照れ臭そうに頭をかいた。ハマカゼに宿るソウルは陽炎型の13番艦のものである。ハツカゼはその7番艦、つまり彼女たちは生まれについて近しい存在なのだ。
639: 2016/05/02(月) 19:49:23.56 ID:2n1x8ooWO
「それにしても驚いたな、まさかネームシップ(注釈 : 同じ型式の艦船)だったとはね〜…」ハツカゼは改めて自分の妹にあたる艦娘をしげしげと眺める。そして自分のものと比べた。何たる凄惨なまでの差であろうか…!言うなればそれはメロンとミカンの大きさを比べるようなものである!(……やっぱブッダってクソだわ!)ハツカゼは心のなかで歯を食いしばった。
640: 2016/05/02(月) 21:26:18.39 ID:2n1x8ooWO
「さてハマカゼ=サン、お前にいつか聞くことがある」「ハイ、私に拒否権はありません」提督の声音が若干変わったのをハツカゼは聞き逃さなかった。これは真剣な話をするときだ。静かになった室内で耳に入るのはヒュウガがペンを走らせる音のみだ。やがて提督はハマカゼをほんの一瞬見つめた後、口を開いた。「ならいい、まず最初の質問だ。お前はどこに付く?セイカンヤか?それともキョートか、答えろ」
641: 2016/05/03(火) 12:00:53.30 ID:Oe5kyovx0
「………私は」ハマカゼは当然、答えに窮した。提督は彼女の拠り所が無いのを踏まえた上で聞いているのだ。たとえ操られていたといえど、自分達に牙を剥いたということは変わりのない事実である。「どうした?答えられないのか」「…………」ハツカゼはその隣でごくりと息を飲む。口を挟もうとしても言葉が出ない。それほどのアトモスフィアを提督が発していた。
642: 2016/05/03(火) 12:17:50.19 ID:Oe5kyovx0
ハマカゼは重い口を開いた。彼女自身でも十分に理解している。だがそれを口に出すことが、今の彼女にとっては憚られた。「私は……居場所以前に、何者でもありません。だから」「そうか、そうなりゃ答えはひとつだ」提督はおもむろにその手を掴んだ。「え…?」「ならばウチに来い。今日からここがお前の居場所になる」ハマカゼは驚いたように提督の顔を見る。その瞳は強い力を秘めた、確かな意志を彼女は感じとった。
643: 2016/05/03(火) 12:27:27.98 ID:Oe5kyovx0
「生きている意味が見つからないなら俺たちが与えてやる。いや……お前自身で見つけさせてやる」「そんな資格が、私にはあるのでしょうか」「ある。だから俺たちと共に戦え。仲間と、お前の姉妹とな」ハマカゼはその瞳から目が離せない。しかし、提督に手を取られたまま、彼女は跪いた。「………私はここに、貴方に忠誠を誓います。どんなことにでも従います。だから、私に教えてください。何もかもを」「フッ……上出来だな。ようこそネオサイタマ・チンジフへ、俺が提督だ。お前を沈ませたりしない、決してだ」
644: 2016/05/03(火) 12:36:10.92 ID:Oe5kyovx0
その様子をずっと傍で見ていたハツカゼは思わず目頭が熱くなってしまう。初めから提督はこうするつもりだったのだ。書類仕事をしていたヒュウガもいつの間にか手を止め、その様子を小さな微笑を浮かべ見守っていた。「色々と教える前にお前には色々と聞いておくことがあると言ったろう。質問を続けるぞ」「ハイ」「その前に……手を離せ。もう十分だろ」ハマカゼはその手を離さず、興味深そうに感触を確かめている。
645: 2016/05/03(火) 12:42:46.10 ID:Oe5kyovx0
「貴方のような人に会ったことがありません。力強くて、ごつごつしている。とても不思議です」「……まずは男と女の違いから教えてやらなきゃならねーのか。コイツは難儀だな」提督が苦笑した。和やかになったアトモスフィアのまま、向かい合ったソファに場所を移した提督は、いくつかハマカゼに質問していった。多くの事を知らない彼女をハツカゼが横でサポートする。いつの間にか提督の横に座っていたヒュウガがその内容を手持ちのIRCに記録している。
646: 2016/05/03(火) 23:33:01.50 ID:R5SE/or+O
「下着を着ろと?しかしそれでは運動性能が落ちるのではないでしょうか」「あのねえ〜女の子が常時ノーブラノーパンでいいわけないじゃん!」「もう好きにしろ……次が最後の質問だ」いくつか質問が続き、どうやら次が最後らしい。ハツカゼはやや呆れていた。世間知らずのハマカゼのことだ、また斜め上を行く返答を、「触るぞ」「ハイ」「そうそう、触るのよ…….エッ!?触る!?」
647: 2016/05/03(火) 23:41:01.38 ID:R5SE/or+O
提督の言葉に素っ頓狂な声を上げるハツカゼ。もはや質問ではない、これは行為だ!しかも通常ならばハラスメントにあたる行為に他ならない!まさか唐突に暴走状態となった提督が職権を乱用し、ハマカゼの肢体をたった今この場で蹂躙しようとでも言うのだろうか!?(な、ナンデ!触るってナンデ!?私なんて言われたことないのに!それは違うちくしょう!とにかくナンデ!?)このままハマカゼはセンパイと姉の前で公開前後インタビューされてしまうのか!?なんたるジゴク!運営よ寝ているのですか!
648: 2016/05/03(火) 23:42:09.33 ID:R5SE/or+O
【KANMUSLAYER】
633: 2016/04/26(火) 23:41:23.57 ID:exEwy2eFO
◆艦◆カンムス名鑑#67【駆逐艦ハツヅキ】ネオサイタマ・チンジフ所属。ヤヨイの4人の弟子のうちの1人であり、駆逐艦長を務める艦娘。その一方でチンジフ暗部、通称「コロス・カンムスクラン」のリーダーを兼任している。極めて冷酷無比な判断力を持ち、レール・カタナによる亜音速イアイでチンジフに仇なす者を断罪する。提督へのスキンシップは過剰。因みに暴走状態の提督に襲われたことはないので処Oである◆艦◆
ブレードカンムス・ヴェイカント・ヴェンジェンス#20
ブレードカンムス・ヴェイカント・ヴェンジェンス#20



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