747: 2016/06/06(月) 23:15:05.60 ID:IKlLH6Ow0
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前回:ブレードカンムス・ヴェイカント・ヴェンジェンス#22

最初から:ウェルカムトゥ・ネオサイタマ・チンジフ

ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース 17 (チャンピオンREDコミックス)
748: 2016/06/06(月) 23:15:36.83 ID:IKlLH6Ow0
【KANMUSLAYER】

750: 2016/06/06(月) 23:26:37.59 ID:IKlLH6Ow0
「イヤーッ!」センダイはバック転で距離を取ると、新たなるアンブッシュ者にアイサツした。「ドーモ、センダイです」「センダイ=サン!知っているぞ……あの『氏神』と出会えるとは」ナチはヒヨウにトドメを刺したナイフを懐に収めるとニヤリと笑った。「しかし相手がヒヨウ=サンだったといえどこの程度で大破しかけるとは実際情けないものだ。私のアンブッシュがなかったら貴様はどうなっていただろうな?」「…………」

751: 2016/06/06(月) 23:34:38.39 ID:IKlLH6Ow0
ナチは以前、ネオサイタマ・チンジフの第3部隊を襲撃し、交戦した事実がある。サヴァイヴァー・チンジフなる集団を率いる危険人物だ。センダイは静かにカラテを構える。なぜ自分を助けたのか?「何が目的だ。あなたは私の仲間たちの部隊を襲撃したこともある、返答によってはカラテのち拘束する」

752: 2016/06/06(月) 23:39:33.62 ID:IKlLH6Ow0
放たれる剣呑なアトモスフィアを物ともせずナチはセンダイに指を突きつけた。「距離を置き貴様らを観察していたのだ。当然、恩を売り取り引きするためである!」偉そうに腕を組むとナチはいかめしく言った。「ヒヨウ=サンの言う通りまだまだヒヨッコだな。実力は大したものだが実戦経験が足りん」センダイは睨んだ。「取り引きだと?」「そうだ!不本意ながら我が隊は戦力が不足している。しかもそのうち1人は氏にかけている」

753: 2016/06/06(月) 23:47:28.13 ID:IKlLH6Ow0
「おーい!無事だったかい!」センダイが口を開こうとしたその時、狙撃手を倒したグラーフがその場に戻ってきた。センダイの姿を認め、安堵の息を吐いた後、大破したヒヨウとその傍らに立つナチの姿を認めると目を丸くした。「ワッツ!?ヒヨウ=サンと戦ってたんじゃないのか!?」「そういう貴様はグラーフ=サン、久しぶりだな。相変わらず不健康そうなツラだ」「余計なお世話だねナチ=サン……おいおい、同窓会でも始めるつもりか?」

754: 2016/06/07(火) 00:01:45.02 ID:gkPKkJ4a0
「フン、ベトナムで地獄を味わった私は過去のセンチメントなどそこへ捨ててきたのだ。今の私はサヴァイヴのためだけに行動している」大破して意識を失ったヒヨウの装束を脱がし、何か物資がないか確かめながらナチは言った。(一体全体ナチ=サンに何が起こったんだ……軍事マニアだったのは確かだが今のこれは完全にヤバイ奴じゃないか)(分かりませんが危険人物であることに変わりはありません)2人の小声のやりとりをよそにナチは幾つかの収集品を懐に収めるとヒヨウの胸をひと揉みした。(それにしても相変わらず中々豊満なバストだ)

755: 2016/06/07(火) 00:04:08.57 ID:gkPKkJ4a0
「それで私たちに何か用かい?職務を全うするならば君を捕まえなきゃならないんだが」ナチは手を広げ、偉そうに胸を張った。「いいか!私はこの施設の物資に用があるのだ。目的地は同じ、つまりここに協同の余地あり!貴様らには私が今貸した恩を返す義務がある!」グラーフが頭をかき、困ったように言った。「そうなのかい?」「……スミマセン」センダイは極めてバツが悪そうに頷いた。「アー…そうか。無駄にやりあってもしょうがないよなあ、うん」「交渉成立だな」

756: 2016/06/07(火) 00:19:38.05 ID:gkPKkJ4a0
ナチは鼻を鳴らして偉そうに言った。「そもそも悲観するのはシツレイだ。むしろ、私の戦力により千人力!実際、この施設内の敵も未確認である。味方は多い方が良い!相互利益!」「………」センダイは渋々頷いた。「おいおい…なんだかおかしなことになってきたぞ」グラーフの溜息をよそにナチはなぜか意気揚々としている。「さあ!それでは進軍開始だ!グラーフ=サンはハッキングの心得があったな?」「まあ多少は」「ならばすぐさまこの扉を開けるのだ!タイム・イズ・マネー!」「………はぁ、仰せのままに」

757: 2016/06/07(火) 00:28:49.94 ID:gkPKkJ4a0
その頃、施設内の一室でその様子を監視カメラ越しに観ている2人の人物がいた。1人は三日月型の角めいたメンポを装着し、片足にニーソックスを履いた者、そしてもう1人はヘッドフォンをつけ両足にニーソックスを履き、眼鏡をかけた者。しかし後者はモニタ画面を観ていると言うよりも、手元に視線が集中している。彼女の持った薄い本には『2人の提督、秘密の夜戦』というタイトル。これはティーン艦娘向けヘンタイ本である。

758: 2016/06/07(火) 00:38:00.51 ID:gkPKkJ4a0
そんな2人に共通するのは不穏な光を持つ瞳である。すわ、深海棲艦娘である!「キョートから派遣されてきた艦娘たちがやられたようね」「…その時、僕のバルジを彼の酸素魚雷が貫いた」片足ニーソの深海棲艦娘が片割れに話しかけるが、当人はヘンタイ本に夢中である。「ちょっと」「俺の弾道観測射撃の味はどうだ?一撃で大破しちまいそうだろ……ウケッ、ウケケッ…いいぞぉ!提督同士の顔が近い!アタリ本だな!」

759: 2016/06/07(火) 00:47:08.83 ID:gkPKkJ4a0
「………」なおもヨダレをたらさんばかりの勢いでヘンタイ本に没頭する眼鏡の深海棲艦娘を無言で片足ニーソの深海棲艦娘はチョップした。「グワーッ!なんだよいきなり!?アタシのセイシンテキを保つための儀式だぞ!邪魔すん…」「だから集積地棲キ=サン、やられたのよ。味方の艦娘たちが」「へ?」そこで初めて、集積地棲キと呼ばれた深海棲艦娘はモニタを見た。「うっわマジかよ!使えねー弱キャラばっかり送りやがったのかキョートは?クソ平坦まな板参謀め!」

764: 2016/06/08(水) 17:17:30.68 ID:jQWMApssO
悪態をつく集積地棲キをよそに、片足ニーソの深海棲艦娘、重巡棲キは冷静な眼差しのまま、集積地棲キの高い背丈の割にやや平坦な胸を一瞥した。「違うわ。最初にやられた子はサンシタだったけど、スナイパーの子とヒヨウ=サンには一定以上の実力がある」「でもやられたら意味ねーじゃんかよ」

765: 2016/06/08(水) 17:22:28.26 ID:jQWMApssO
「違う、それ以前の問題。あのナチ=サンとかいう艦娘は予想外だった。彼女たちに対抗できるここに残った戦力といえば私たちくらいなのよ」重巡棲キは冷静に状況を分析する。彼女はセイカンヤに着任してそれほど経ってはいないが「姫」級のひとりである。実際この秘密施設、クローン深海棲艦の製造工場の管理を任されている程に指揮能力を買われていた。

766: 2016/06/08(水) 17:28:48.75 ID:jQWMApssO
「ヘッ!いくらカラテが強かろうがここのセキュリティがアタシの手の中にある限り無意味なんだよ。アタシのイクサは常時イージーモードだ!」そんなことをいいながら集積地棲キは傍らに置いてあるスナック菓子をぽりぽりとかじっている。彼女と重巡棲キはほぼ同期、この態度から見てわかるとおり集積地棲キは奥ゆかしくない性格ではあるがセイカンヤ随一の演算能力とヤバイ級ハッカーの実力を持っている。そして同じく「姫」級のひとりなのだ。

768: 2016/06/08(水) 22:59:29.92 ID:a8MjY3oJ0
「とにかく彼女たちは中に侵入してくる。迎撃準備を」「アイ、アイ。任せとけって!アタシのお楽しみタイムを邪魔したのを後悔させてやンよ!」重巡棲キは小さくため息をつくとセキュリティルームから退出した。そして懐から小型IRCを取り出し発信する。電話をかけた先は当然、シンカイセイカンヤ本部である。「モシモシ…ハイ、大変お世話になっております。ハイ、その通りです。ここに敵艦娘が侵入を」廊下に重巡棲キの足音が響く。その傍らをクローンエンジニア妖精たちが忙しそうに行き来する。

769: 2016/06/08(水) 23:08:02.26 ID:a8MjY3oJ0
「…ハイ、ヨロコンデー。了解しました。それではシツレイします…」IRCを懐に収める。本部からの命令は『迎撃した上で、それが不可能ならばこの施設を放棄せよ」とのことだった。クローン深海棲艦の製造施設は重要といえば重要だが、何もこの施設だけではない。現在進行形で建造されている最新式の製造施設もある。それにキョートから技術提供されたクローン妖精の製造技術も相まってクローン深海棲艦との配備率の比は半々になるとされている。この施設の重要性は以前よりも落ちている。

770: 2016/06/08(水) 23:15:07.76 ID:a8MjY3oJ0
しかし本部はそこまであのセンダイという艦娘を警戒しているのだろうか?いざとなればこの施設の放棄もやむなしと判断するまでに。それとも不確定要素であるナチの為か?はたまたかつてのマルノウチ・スゴイデカイチンジフのエリート艦娘、グラーフ・ツェッペリンの為なのか?疑問こそ感じるが重巡棲キは一切の異議申し立てをしない。ただ命令に従い、それを全うするだけだ。彼女は足を止め、目の前の扉を見る。そこには『倉庫』の二文字が刻まれている。

771: 2016/06/08(水) 23:22:17.75 ID:a8MjY3oJ0
彼女にとって、敵の襲撃と同じくらい頭を悩ませているものがそこにはある。同僚の集積地棲キは勤務態度こそ悪いが、きちんと業務は全うしている。しかし、それに比べあの子は……重巡棲キはもう一度小さくため息をつくと、倉庫内にエントリーする。やや埃をかぶった物資入りの段ボールが並べられた室内は換気扇の音が響くほど静かだ。彼女はしばらく倉庫内を歩き、足を止めた。檻がある。そして、中に深海棲艦娘が寝そべっている。

772: 2016/06/08(水) 23:29:56.61 ID:a8MjY3oJ0
「ふああぁ…どうしたの?またここに来てお説教でもしに来たの?」檻の中の深海棲艦娘はこちらに向けた白い尻を行儀悪くかきながら言った。実際態度が悪い。しかし重巡棲キは表情を崩さず、こちらに顔を向けた、後輩に言葉をかけた。「…ドーモ、駆逐水キ=サン。少しは動く気になった?」「ドーモ。残念ながらまったく。あと一年は寝て過ごせそうだわね」

773: 2016/06/08(水) 23:38:21.76 ID:a8MjY3oJ0
檻の中の、小柄な深海棲艦娘はけだるげな眼のまま再び欠伸をした。「なんだかお説教ムードじゃないみたいだけどさ。何かあったの?敵が来たとか」「その通りよ、今この施設内には3人の侵入者がいる」「ふーん」駆逐水キはさして興味がないように手元の青リボンをいじっている。彼女、駆逐水キはここ最近着任したばかりだが、「鬼」級の一人である。しかしその肩書があるのにも関わらず、駆逐水キには全く仕事意欲がない。あまりにも仕事をしないぐうたらさで、罰としてこの檻に入れられているのだ。

774: 2016/06/09(木) 00:29:32.70 ID:9ZFsztK30
普通ならばこのような反抗的又は無気力な新人はヤクザ式トレーニングにより、徹底的に研修するのが定例である。しかし駆逐水キは深海棲艦娘の中で、唯一ともいえるテレパスのジツを扱うことが出来る貴重な存在だった。そんな有望視されている人材である彼女の扱いに困った本部が、重巡棲キにその他もろもろも含めてマルナゲしてきたのだ。((んーと、新人の育成も責任者にとって必要なことって訳で、じゃ!そうゆうことだからよろしく~!))マルナゲしてきた張本人である飛行場キが面倒くさがっていたのはあからさまであったのを思い出し、重巡棲キは何度目か分からない溜息をつかずにはいられなかった。

775: 2016/06/09(木) 00:32:48.16 ID:9ZFsztK30

引用: 【艦殺(艦これ×忍殺)】ブレードカンムス・ヴェイカント・ヴェンジェンス