179: 2015/10/08(木) 14:08:47.18 ID:K6+x9gxa0

180: 2015/10/08(木) 14:09:27.19 ID:K6+x9gxa0
菜々「……ならスカーレット嬢様は私が言って止めましたか?」

保奈美「………止めなかったでしょうね。他にどうしようもなかったんですもの。」

菜々「つまりはそう言う事です。他にやり方があったなら、無駄と知りつつ反対していたかもしれませんがね。」

保奈美「…………………………」

菜々「諄いようですが、スカーレット嬢様は人に言われたところで自分の考えを絶対に変えたりはしないんですから。」

保奈美「…………………………」

181: 2015/10/08(木) 14:10:25.73 ID:K6+x9gxa0
菜々「道徳だとか良心だとか、そんなのを持ち出せば幾らでも責め立てられますが……スカーレット嬢様にしてみれば、そんなの痛くも痒くもないのでしょう?」

保奈美「…………まあね。そんな事を怖がっていたら、ここまでやって来られなかったわ。」

菜々「でしょうね。もしいちいち責め立てていたら、今頃私の方が倒れていてしまったでしょう。」

保奈美「…………フン……」

菜々「何せスカーレット嬢様は………………」

保奈美「……私が頑固なのはよく分かったわよ。そう何回も言わなくていいわ。」

菜々「…………そうですか。」

182: 2015/10/08(木) 14:11:28.48 ID:K6+x9gxa0
保奈美「…はぁ……………良心なんて物は、守ってても飢える心配のないような人間だけが守っていればいいのよ。」

菜々「……………………」

保奈美「信仰も、規則も、習慣も、義務も、品性も……守っていては飢え氏にしてしまうわ。」

菜々「…………………………」

保奈美「だから……私はもうどれ一つ守ってやるつもりはないわ。……これを聞いても、私を非難しようとは思わない?」

菜々「思いません。」

183: 2015/10/08(木) 14:14:32.46 ID:K6+x9gxa0
保奈美「それは……私が言ったところでどうせ聞きやしないから?」

菜々「はい。分かってらっしゃるなら一々聞かないでください。」

保奈美「……………(…あっ……はっきり分かった…マミーは迷信好きの年寄りなんかじゃない……むしろ逆だ…)」

菜々「………………………… 」

保奈美(…私か……私以上に現実しか見ない人間なんだ……常に冷静にタラの利益になるように考えている……今までマナーなんかに煩かったのも………………)

菜々「ああ、そうそう。ケネディ様にはスエレン様の事をどう仰られ他の聴かせてください。」

保奈美「………………………………」

菜々「……スカーレット嬢様。」

保奈美「……あっ……え、ええ…………」

184: 2015/10/08(木) 14:15:48.83 ID:K6+x9gxa0
菜々「大芝居が終わって気を抜きたくなる気持ちは分かりますがね、まだ油断するには少しだけ早いです。……さあ、何と仰られたんですか?」

保奈美「……スエレンは心変わりをして、フォンティン家のトニーと結婚してしまった、って……」

菜々「………詰めが甘いですねぇ……もう少し上手い嘘はつけなかったんですが?手紙で確認されたらすぐにばれてしまうじゃありませんか。」

保奈美「……っ……そ、その時は上手い嘘だと思ったのよ……」

菜々「……はぁ…………これは結婚までケネディ様に嘘を誠と信じこませないといけませんねぇ……………分かりました、私が適当にその噂をばら撒いておいて差し上げます。」

保奈美「…………マミー………!」

185: 2015/10/08(木) 14:16:54.54 ID:K6+x9gxa0
菜々「スエレン様は筆不精ですから、手紙なんかよこさないでしょう。可能性があるとしたらウィル様ぐらいですが、ウィル様はスカーレット嬢様の味方でしょう。」

保奈美「………ええ………」

菜々「スカーレット嬢様は、ケネディ様がタラに手紙なんかよこさないように上手くやってください。そうしてさえしまえば、あとは噂話が全てになります。」

保奈美「………………ええ…………」

菜々「安心してください。ちゃんと出処は分からないようにしますから。…………何か…?」

保奈美「………あなたって…本当は私より遥かに悪知恵が働くのねって思って。」

菜々「年寄りの知恵と言うものです。」

186: 2015/10/08(木) 14:18:28.49 ID:K6+x9gxa0
保奈美「………あなたは若い頃は何をしていたの……?」

菜々「スカーレット嬢様が知る必要はありませんよ。ほら、今日のところはそのまま毛布を被って寝てしまってください。」

保奈美「…………………………」

菜々「気丈に振る舞えているつもりでしょうが、顔色が真っ青ですよ。…よほど神経をすり減らしたんでしょうね。」

保奈美「……………え……?」

菜々「>>187」

188: 2015/10/08(木) 14:29:54.21 ID:K6+x9gxa0
菜々「そこの手鏡を見てごらんなさい。」

保奈美「…………」チラ

保奈美「………………!」

菜々「はぁ……いいですか?あなたが幾ら強がってみせても、あなたはまだ若くてか弱い小娘なんですから。」

保奈美「…………………………」

菜々「気付け用のブランデーは必要ですか?必要ならば用意しますが。」

保奈美「………………………………」

菜々「………………………………」

189: 2015/10/08(木) 14:37:07.95 ID:K6+x9gxa0
保奈美「………気付かなかった……………………」

菜々「それだけ意識がよそに向いていたと言う事でしょう。ブランデーは必要ですか?」

保奈美「…………も、持ってきて……今になって……何だか体が震えてきたわ……」

菜々「分かりました。温めたのを用意しましょう。待つのが嫌なら温めずに持って来ますが?」

保奈美「……いえ、温めたのを持って来てちょうだい。温かいのじゃないと……飲めそうにないわ……」

菜々「分かりました。温かいブランデーですね。」

190: 2015/10/08(木) 14:44:31.16 ID:K6+x9gxa0
保奈美「…………………………」

菜々「お疲れ様でした、スカーレット嬢様。あなたのおかげでタラは無事に済みそうです。」

保奈美「…………………………」

菜々「…………では…」スク

保奈美「……マミー、あなたが一緒に来てくれて……良かったわ……」

菜々「そう思ってついてきたんですから当たり前です。スカーレット嬢様1人に何もかもさせる訳にはいきませんからね。」

保奈美「…………………………」

191: 2015/10/08(木) 14:52:59.34 ID:K6+x9gxa0
二週間後 ピティパット叔母の家



瑛梨華「おめでとうございます、ケネディさん……ぐすっ…………スカーレットを幸せにしてあげてくださいね…………」

愛海「はい、任せてください!」

保奈美「…………………………」

瑛梨華「……スカーレットも幸せにね…………」

保奈美「……ええ、私は今とても幸せだわ。……ありがとう……フランク……」

愛海「うひひ……そ、そんなぁ…………うひひひひ…………」///

保奈美(ここまでの二週間の何と長かった事だろう…!)

192: 2015/10/08(木) 15:02:42.63 ID:K6+x9gxa0
瑛梨華「……でも……よかったんですか?…結婚式を挙げるのが私の家なんかで…………」

愛海「それがですねぇ…スカーレットさ……スカーレットが結婚式はなるべく静かにやりたいって言うもんですから…………ねえ、スカーレット…?」

保奈美「……ええ……あまりあなたとの時間を……他の人に渡したくないもの……(…人を集めるのは危険だもの。)」

愛海「うひひひひ………と言ってくれるものですから……そりゃ……妻の意向は大切にしなきゃなりませんよ……………」

瑛梨華「はぁ…………そうでしたかぁ………ふふっ………スカーレットはわがままですねぇ…………」

保奈美「…………………………」

193: 2015/10/08(木) 15:10:45.67 ID:K6+x9gxa0
愛海「まあ……女性はわがままなぐらいが可愛いと言うか………ワガママなのは大歓迎と言いますか…………うひひ………………」

保奈美「それってどう言う意味ですか?」ギュッ

愛海「おほっ……!……スカーレットが可愛いって意味だよ…!うひ……うひひひひひひ…………」

保奈美「もう…………(…操縦が簡単で助かるわ。…ちょいと体を押し付けておけば済むんですもの。)」

愛海「うひ……うひ……うひひひひひひひひ……」

瑛梨華「あらあら…………」

194: 2015/10/08(木) 15:20:39.49 ID:K6+x9gxa0
翌日 ケネディの家




愛海(うひひ………とうとうスカーレットさんと夫婦になれた…!夫婦って事はもうあれやこれや…………うひ…………うひひひひひ……!)

愛海(………………スエレンに裏切られたの……すごく…………ショックだったけど…………………………)

愛海(……………………………………)

愛海(……そんな私をスカーレットさんは、一生懸命慰めてくれたし………スカーレットさんが居なければ…………………………)

愛海(……過ぎた事は考えずに、これからはスカーレットさんを幸せにする事だけを考えていこう…………うん、幸せにして、私も幸せになって……うひ…………うひひひひひ…………)

保奈美「……ねえ……フランク。……少しあなたにお話があるの……」

愛海「うひひ……何でも言いなさい、スカーレット!」

保奈美「(………………)…実は…………」

195: 2015/10/08(木) 15:28:53.01 ID:K6+x9gxa0
〜〜〜



愛海「タラを守るのに300ドルが必要…………?!」

保奈美「ええ……その…………あなたしか頼れる人が思い付かなくて………………」

愛海「……むむむ……300ドル……300ドル………300ドル渡すと製材所が買えなく………………」

保奈美「……………ぐすっ……………」ポロ……ポロ…

愛海「…!あっ……いや…………そ、その……………………」

保奈美「……お願い……私と……私の家族を………助けて…」ポロ……ポロ…

愛海「>>196」

197: 2015/10/08(木) 15:48:58.20 ID:K6+x9gxa0
愛海「せ、製材所が軌道に乗れば300ドルくらいすぐ作れると思うから……」

保奈美「今すぐ必要なの…………」
ポロ……ポロ…

愛海「……うう………も、もう少しだけ待ってさえくれれば………………」

保奈美「…それまでに……私の家族は家から追い出されて……寒空の下で過ごさないといけなくなってしまうわ…………」ポロ……ポロ…

愛海「………むぅ…………………」

保奈美「…タラを奪われてしまったら…………私…………私………………」ポロ……ポロ…

198: 2015/10/08(木) 15:58:48.72 ID:K6+x9gxa0
愛海「…………ううむ……………」

保奈美「……フランク………」
ポロ……ポロ…

愛海「…………(……自分の商売の製材所と……スカーレットの涙………どっちが価値があるだろうか…………)」

保奈美「………………………」
ポロ……ポロ…

愛海(…300ドル渡せば、スカーレットの家族を助けてあげられる………ああ……そう言えばあの日の夜の恩をまだ返してないじゃん………!)

保奈美「………ぐすっ……………」
ポロ……ポロ…

愛海(……迷う必要がある……?……お金なんて……また稼げばいいだけじゃん………!………………………)

199: 2015/10/08(木) 16:06:17.86 ID:K6+x9gxa0
保奈美(一も二もなく貸してくれると思ったのに……意外と考えているのね…………)

愛海「……………………………」

保奈美(……まあ……どうせじきに……………)

愛海「……分かったよ、スカーレット………300ドルでいいんだね……?」

保奈美「………ええ…………(ほら来た………)」

愛海「……製材所はしばらく諦めるよ。……スカーレットの涙に比べれば安いものさ………」

保奈美「まあ………!(計画通り)」

201: 2015/10/08(木) 16:16:53.31 ID:K6+x9gxa0
愛海「……うん……300ドルなんか大した事ないよ……これでスカーレットの家族の皆さんへの恩を返せるとしたら………」

保奈美「ありがとう、フランク!」
ダキッ!

愛海「わわっ……?!」

保奈美「……ありがとう………ありがとう………あなたは世界一……優しい人だわ………」

愛海「…………気にしないで……」

保奈美「……ありがとう……ありがとう…………(……本人はともかく……お金を出してくれた事には感謝しないとね………)」

愛海「………………(……これはこれで有意義なお金の使い方……だったかな……)」

202: 2015/10/08(木) 16:28:26.90 ID:K6+x9gxa0
一週間後 スカーレットの部屋



保奈美「……お金は?」

菜々「無事にタラまで届けてきました。その後の事は全部ウィル様が上手くやってくれました。…もう心配は要りませんよ。」

保奈美「……………!」

菜々「タラは今後はもう、誰からも盗られるような心配はないそうです。」

保奈美「………そう…………よかったぁ…………」

菜々「……はい…………」

203: 2015/10/08(木) 16:38:08.22 ID:K6+x9gxa0
保奈美「………はぁ……………これでもう、タラが奪われるかもしれないって……怯えなくてすむ…………」

菜々「………その代わりスカーレット嬢様はアトランタに縛り付けられてしまいましたが……………」

保奈美「……それは……寂しい事だけれど………しかたがないわ……………タラの為だもの………」

菜々「……そうですか。」

保奈美「…………………………」

菜々「せめて私はスカーレット嬢様の元にいますからね。」

保奈美「………ありがとう……」

204: 2015/10/08(木) 16:47:15.78 ID:K6+x9gxa0
菜々「………ついでに、ウェード坊ちゃんも連れて来ましたし、あなたの結婚の事もお教えして来ましたよ。」

保奈美「………そう…」

菜々「それと、手紙も預かって来ましたが…………」

保奈美「要らないわ。どうせ預かって来た手紙っていうのは、スエレンからの私への恨みや憎しみを書き連ねた手紙でしょう?」

菜々「それもありますね。」

保奈美「>>205」

208: 2015/10/08(木) 20:41:19.53 ID:K6+x9gxa0
保奈美(スエレン……聞こえていたら、あなたの生まれの不幸を呪うがいいわ。あなたはいい妹だったけど、あなたがあの男を好きになったりするからいけないのよ……)

菜々「…………………………」

保奈美「ふふっ………あははははははは!タラが安全になった事に比べればそんな事……!」

菜々「返事はどうしますか?」

保奈美「出したところで、差出人のところに私の名前が書いてあるのを読み取った瞬間に破り棄てられるだけよ。……返さなくていいわ。」

菜々「分かりました。」

保奈美「かわいそうと思わない訳じゃないわ……ただ、お嬢ちゃんだったのよ。」

209: 2015/10/08(木) 20:42:12.23 ID:K6+x9gxa0
保奈美「それで、手紙って言うのはスエレンからの恨み節だけ?」

菜々「ウィル様からも来ています。」

保奈美「(アシュレからは無いのね…)…何て?」

菜々「あなたの行いを祝福し、これからに幸あらん事を願う。……と定型文で書いてあります。」

保奈美「…………ウィルは全部分かった上で、非難もしなければ賞賛もしない。……そう言う意味にとっていいのかしら?」

菜々「それはあなたの受け取り方次第ですね。……おそらくはそう言う意味だと思いますが。」

210: 2015/10/08(木) 20:43:29.30 ID:K6+x9gxa0
保奈美「……他の人は私の事をなんて言ってた?」

菜々「そう言う事に関してとやかく言うような人間があの屋敷に他にいるとでも?」

保奈美「それもそうね……と、言う事はスエレンは周りから同意を得る事が出来ずに、余計に怒り猛っていたのでしょうね。」

菜々「スエレン様に同情しますか?」

保奈美「別に。…スエレンだって私に同情なんかされたら、それこそ手がつけられなくなるでしょうから。」

菜々「……同意ですね。」

211: 2015/10/08(木) 20:45:01.35 ID:K6+x9gxa0
保奈美「悪い事をしたとは思うけど、ただそれだけ。今の私はフランク・ケネディ夫人。それ以上でも、それ以下でもないわ。」

菜々「……………………………」

保奈美「……人々は私の噂をしている?」

菜々「もう問題は無いでしょう?」

保奈美「そうね、今さら誰から何と言われようと大した問題じゃないわ。評判なんて怖くはないわ。」

菜々「評判が怖くないご婦人とは敵無しですね。」

保奈美「ええ、もう何も怖くなくなったのよ。」

212: 2015/10/08(木) 20:45:55.84 ID:K6+x9gxa0
二週間後 寝室



愛海「ゴホンゴホン…!……うう…………」

菜々「大丈夫ですか、フランク様。今タオルを替えて差し上げますからね。」

愛海「あ、ありが……ゴホッゴホッ……!………ここに来て流行りの感冒で寝込………ゴホッゴホッ……!」

菜々「風邪は人を選びませんからね。誰だって寝込む事ぐらいあります。」

愛海「…で、でも………もう一週間も…………ゴホッゴホッ……!……店の方が………………」

菜々「店ならスカーレット嬢様が様子を見に行かれたので安心してください。」

愛海「……うう……………………」

213: 2015/10/08(木) 20:48:05.59 ID:K6+x9gxa0
保奈美(それにしても散らかった店ねぇ………少しだけでも品物の埃を払って整理したら、もっと早く色んな物が売れるでしょうに…………)

保奈美(……さて、考えるのはこれぐらいにして…………)

会計簿「………………」

保奈美(さっさと用事を済ませてしまいましょう。…きっとたくさんの問題があるだろうから、それについて考える時間もたくさん居るだろうし。)

保奈美「………ふぅ……………………」

会計簿「………………………」

保奈美「…さてと…………」ペラ……

214: 2015/10/08(木) 20:48:50.27 ID:K6+x9gxa0
〜〜〜


保奈美「はぁ…………想像以上だったわ…………まさかこんなにフランクに経営の才能がなかっただなんて………………」

保奈美「…ツケにしてあるだけで500ドル……これを回収するだけで製材所が買えるじゃない…!」

保奈美「…しかも、相手はメリウェザー家やらエルシング家やら……聞いたような名前もたくさん………この人たちに支払い能力がないはずはない……フランクが厳しく言わないばっかりに………………」

保奈美「…………………………」

保奈美「フランクはこの調子で製材所の経営もするつもりなんだろうか……?…だとしたら、きっと一ヶ月も経たずに工場を競売にかけられてしまうでしょうね。」

保奈美「>>215」

216: 2015/10/08(木) 21:07:15.66 ID:K6+x9gxa0
>>1の書き方に問題がありました…

工場=製材所と言う事でお願いします……

申し訳ありませんが、安価をやり直させてください…………


再安価
>>217

218: 2015/10/08(木) 21:22:40.05 ID:K6+x9gxa0
保奈美「連中には教えてやる必要があるわね……一方的に殴られる痛さと怖さというものを……」

保奈美「……………………………」

保奈美「…フランクはそう……舐められているんだわ………まあ、フランクなんかにメリウェザー夫人たちの相手をするってのが無理な話なんでしょうけど。」

保奈美「…それを良い事に………不愉快だわ……自分たちだけ代価を支払わなくても済むつもりで居るだなんて。」

保奈美「…そんな奴らは修正してやる…!」

保奈美「……私がフランクと同じように甘い人間だと思わない事ね。……ふふ………化け猫ばばあたちに復讐する機会まで巡ってきたようだわ……」

219: 2015/10/08(木) 21:34:04.29 ID:K6+x9gxa0
保奈美「戦前には散々威張り散らしてきた上に、好き勝手言ってくれたわよね…………まさか戦後も立場が変わってないとは思っていないわよねぇ…………」

保奈美「…私は奪われる体験を数え切れないほどしてきた……その一端だけでも味わうといいわ……」

保奈美「……私は知っているのよ……あんたたちがまだ、銀器や宝石や不動産を持っているって………」

保奈美「現金が無いと言うなら、それらで払ってもらうだけよ……ふふふ……支払いが出来ない、は私には通用しないわよ。」

保奈美「………フランクはこの考えを話したら嘸かし嘆き悲しむでしょうね。知人から財産を取り上げるのか、とか言って。」

保奈美「……………………………」

220: 2015/10/08(木) 21:46:23.38 ID:K6+x9gxa0
保奈美「…フン…フランク、目の前の現実も見れない男が。……好きなだけ私に反対して唸るがいいわ。……今ひつよなのはくだらない友情なんかじゃなくてお金なんだから。」

保奈美「そう……必要なのはお金よ。お金さえあれば製材所が買える、製材所が買えればもっと多くのお金が……でも、それはフランクに任せていては不可能よ…………」

保奈美「………………………」

保奈美「…そうだわ……!私が自分で製材所を経営すればいいんじゃない……どうしてこれを思いつかなかったんだろう……」

保奈美「自分で経営すれば、製材所の利益は私自身の物になる。……自分で稼いだお金………男に媚びなくても好きにできるお金…………!」

保奈美「私なら必ず上手くやれる……!ウィルが来るまでタラ農園の経営だって1人で立派に出来ていたじゃない……!」

保奈美「女は商売なんかすべきじゃない、フンッ!そんな事知るもんか!」

221: 2015/10/08(木) 21:56:30.75 ID:K6+x9gxa0
>>220 訂正



保奈美「…フン…フランク、目の前の現実も見れない男が。……好きなだけ私に反対して唸るがいいわ。……今必要なのはくだらない友情なんかじゃなくてお金なんだから。」

保奈美「そう……必要なのはお金よ。お金さえあれば製材所が買える、製材所が買えればもっと多くのお金が……でも、それはフランクに任せていては不可能よ…………」

保奈美「………………………」

保奈美「…そうだわ……!私が自分で製材所を経営すればいいんじゃない……どうしてこれを思いつかなかったんだろう……」

保奈美「自分で経営すれば、製材所の利益は私自身の物になる。……自分で稼いだお金………男に媚びなくても好きにできるお金…………!」

保奈美「私なら必ず上手くやれる……!ウィルが来るまでタラ農園の経営だって1人で立派に出来ていたじゃない……!」

保奈美「女は商売なんかすべきじゃない、フンッ!そんな事知るもんか!」

222: 2015/10/08(木) 21:57:12.12 ID:K6+x9gxa0
保奈美「ああ、製材所を今すぐ買えるだけのお金が欲しい……そうすれば………………」

ガチャ バタン

保奈美「…そうすれば今すぐにでも製材所を買って……木材を売りさばいてお金をたくさん儲けられるのに…!」

沙紀「…………………」ツカツカツカツカ

保奈美「…はぁ……フランクさえしっかりしていてくれれば…………」

沙紀「もしもし、親愛なるケネディ夫人。この店は只今は休業時間なのですかな?」

保奈美「いえ、休業時間ではありませんけ…………ど……………………」

沙紀「やあ、こんにちは。」

保奈美「…………ああっ?!」ガタッ!

223: 2015/10/08(木) 22:06:41.68 ID:K6+x9gxa0
沙紀「ふふふふふ……どうしたのです?そんな幽霊でも見たような反応をして。」

保奈美「…………………っ………何を……しに来たの…?」

沙紀「ピティパットさんをお尋ねして、図らずもあなたのご結婚をお聞きしたためお祝いに駆け付けたのですよ、親愛なるケネディ夫人。」

保奈美「………よ、よくも図々しく私の前に姿を現せたものね……!」

沙紀「あなたこそ、よくも図々しく僕と顔を合わせられる物ですね。」

保奈美「………っ……!あなたは……本当に………!」

沙紀「ふふっ……まあまあ、ここは休戦としませんか?お互い矛先を納めましょう。」

保奈美「………っ……………」

沙紀「…ふふふ………聞き分けの良い子は好きですよ。」

224: 2015/10/08(木) 22:17:31.39 ID:K6+x9gxa0
保奈美「あなたが絞首刑にならなかったのが残念だわ!」

沙紀「他の連中もそう思っている事でしょう。さあ、もうちょっと気を落ち着けてください。そんなに棒でも飲んだようにしていては大変でしょう。」

保奈美「ほっといてちょうだい!あなたとなんか口も利きたくないわ!」

沙紀「はははははは!この前は少し冗談を言っただけだと言うのに、すぐこれだ。ところで、どこかに腰掛けても構いませんか?」

保奈美「駄目よ。」

沙紀「…やれやれ。厳しいですなぁ…………」

保奈美「…………………………」

225: 2015/10/08(木) 22:26:16.72 ID:K6+x9gxa0
沙紀「あなたはもっと僕に優しくしてくれても構わんと思うのです。例えば、たったの二週間だけ待ってくださるとか。」

保奈美「…………………………」

沙紀「はぁ………世の中で一番変わりやすいのは女心です。」

保奈美「……どうやって出獄したの…?」

沙紀「友人に僕の境遇を知らせたのですよ。そしたら、なんて事はなしにすぐ出獄出来ました。」

保奈美「…あなたの友人って………?」

沙紀「今は北部連邦の首脳部にいる男なんですがね、戦争当時に僕が南部同盟のために小銃やレースなどを買ってやって以来の友人なのです。」

226: 2015/10/08(木) 22:36:22.20 ID:K6+x9gxa0
沙紀「麗しき僕らの友情を世間に是非公表したいと相談してみたらですね、慌てて自分の勢力を用いて僕を放免してくれました。」

保奈美「脅迫したのね。」

沙紀「そうとも言うかもしれませんね。まあ、ともかく晴れて自由の身になれた事に変わりはありませんよ。」

保奈美「北軍は犯罪者を野に放ったのね。」

沙紀「その通り。もう放免されたので自由に話しますが、僕が北軍の士官を1人始末したのは事実です。ああ、ちなみにあと2人ほどならず者も始末したんですがね。」

保奈美「………………………………」

沙紀「>>227」

228: 2015/10/08(木) 22:46:19.06 ID:K6+x9gxa0
沙紀「あぁ、その気になれば他の北軍も頃すことはできますがね。今は、お金の事でしたね。」

保奈美「…………………………」

沙紀「おや、何か言いたげですね。よろしい、聞いて差し上げましょう。どうぞ。」

保奈美「………っ………こ、この人ご…………!(……あっ…………)」

沙紀「この……何です?」

保奈美「………………(私も…北軍の兵士なら1人…………全く良心は痛んでいないけど………同じ罪人である以上は…………………)」

沙紀「…………………………」

229: 2015/10/08(木) 22:56:03.28 ID:K6+x9gxa0
保奈美「……ど、どうして…………」

沙紀「どうして撃ったのか、どうしてそいつらだっのか、どうしてそんな話を平気そうに出来るのか、など質問は数多く予想できますが、質問はどれですか?」

保奈美「…………………………」

沙紀「ふむ、何れにせよ質問の答えは同じなのですがね。…そいつらが女性に乱暴を働こうとしていたからですよ。卑劣な悪党に対する同情など僕は持ち合わせちゃいません。」

保奈美「………………………」

沙紀「質問の答えになりましたか?」

保奈美「…………………え、ええ……」

230: 2015/10/08(木) 23:06:35.51 ID:K6+x9gxa0
沙紀「僕だって無用な殺生はできる限りは避けたいですからね、二度とそう言った輩に合わないように願っていますよ。」

保奈美「……もし……会ったら………?」

沙紀「友人か、また別の友人を頼る事になるでしょうね。僕は北部連邦の首脳部に友人が数多くいるのです。」

保奈美「……………………………」

沙紀「あなたも大概怖いもの知らずですね。そんな事をわざわざ聞くだなんて。」

保奈美「………私の勝手でしょ。」

沙紀「ふむ。そう言えばそうだ。人間には自分の好奇心を満たそうとする自由がありますからね。」

231: 2015/10/08(木) 23:18:00.27 ID:K6+x9gxa0
沙紀「さてはて、あなたのもう一つの好奇心も満たして差し上げる事にしましょう。いよいよ、あなたの大好きなお金の話ですよ。」

保奈美「…っ…!あなたなんかと一緒に………!」

沙紀「もしあなたが、良い融資の話などをお求めなのでしたら僕の話を静かに聞く事をお勧めします。」

保奈美「…………っ………………」

沙紀「ふふふふふ……あなたのそう言うところが僕は好きなんですよ。……ふぅ…………厳重に秘密を守ると約束してくださいますか?」

保奈美「……早く話しなさい…」

沙紀「ふふ……肯定と受け取らせていただきますね。そうでなくとも、自分の利益にならない事をあなたはしないと思いますが。」

保奈美「……………………………」

232: 2015/10/08(木) 23:29:06.78 ID:K6+x9gxa0
沙紀「すっかり白状してしまうとですね、金は全部リヴァプールの銀行に預金してあるんです。」

保奈美「リヴァプール…………」

沙紀「僕があなたの望んだお金をあげなかったのが意地悪じゃなかったのが分かってもらえましたか?もし僕が手形の一枚でも書いたら、北軍の連中は何とかしてそれを嗅ぎつけて、あなたの元には1セントも入らなかったでしょうね。」

保奈美「……………………………」

沙紀「ああするしかなかったんです。金が安全な場所にあるのは分かっていましたから。……最悪の場合に備えて北軍の友人全員の名前を書いたリストは作っておきましたが。」

保奈美「………じゃあ……数百万ドルは…………」

沙紀「今は自由に出来ます。考えてもご覧なさい、あんたが逸る心を抑えて二度目の結婚に飛び付きさえしなかったら。」

保奈美「……………っ…………」

233: 2015/10/08(木) 23:36:42.89 ID:K6+x9gxa0
保奈美(…数百万ドル…!…もし、あと二週間待ってさえいれば……………)

沙紀「もし二週間待ってさえいただければ、300ドルと言わず300万ドルでも貸してやれたんですがね。すこぶる残念です。」

保奈美「……………………………」

沙紀「同じ愛情のない男女の付き合いなら、僕とした方が良いとは思われませんでしたか?」

保奈美(…………ああ………………)

沙紀「妹さんも裏切らずに済んだし、何より僕はあなたにもっと金を提供出来た。300ドルなんか銀行の利子だけで払えますよ。」

234: 2015/10/08(木) 23:43:52.58 ID:K6+x9gxa0
保奈美「……っ……!そ、そのお金はどうせ……何部同盟のお金を横領したお金でしょう!街中がそう噂しているわ!」

沙紀「自分に食べられないぶどうは酸っぱいようですね。」

保奈美「は、はぁ……?!」

沙紀「イソップ物語を知りませんか?……ふっ……何にせよ、あんたが噂なんか信じるとはね。…僕が誰の何を盗んだというのです。」

保奈美「……それは………!」

沙紀「>>235」

239: 2015/10/09(金) 18:15:04.16 ID:9sriwvvl0
沙紀「あなたにはほとほと失望しましたよ。最初に会った時から今まで、まるで成長していない。一時の流れに目がくらみ、くだらない過ちを繰り返し続ける……」

保奈美「………………っ………」

沙紀「あなたの愚かさは、空腹に耐えかねて目の前の種籾を食べてしまうがごとき愚かさです。一年待てば、その何倍、何十倍の収穫が得られたと言うのにね。」

保奈美「……………………」

沙紀「はははははは!何か言い返そうと必氏に考えていますね?反論があるなら聞いて差し上げますよ。さあ、どうぞ仰りなさい。」

保奈美「……っ……!!」ギリ……

240: 2015/10/09(金) 18:15:40.63 ID:9sriwvvl0
沙紀「言い返す事は出来ないでしょうがね。何せ、あなただって自分が早まった事をしたのを理解してらっしゃるんですから。」

保奈美「う、うるさい!!」

沙紀「ふふふ……そんな愚かなあなたにも分かるように、僕がどのようにして財産を築いたか教えて差し上げましょう。」

保奈美「聞きたくもないわ、帰って!……早く!」

沙紀「ご自分が自由に出来たかもしれない大金の話を聞くのは我慢ができませんか?」

保奈美「うるさいって言ってるでしょ!…ちっぽけな金のために結婚した私を嘲笑って楽しい?!」

241: 2015/10/09(金) 18:16:40.35 ID:9sriwvvl0
沙紀「実に楽しいですね。僕はあなたが感情を打ちまける姿を観察するのが何より楽しいんですよ。」

保奈美「……っ………!」

沙紀「……金の半分は正直に手に入れたものです。英国の工場に1ポンド1ドルで綿花を売りつけてやって作ったものです。食料品の投機で手に入れたものです。」

保奈美「……半分が正直なお金…と、言うことは……………」

沙紀「好ましからざる噂の通りですよ。南部同盟のものです。」

保奈美「そうなんじゃない!この…………!」

沙紀「どうどうどうどう、あなたははためく物と見るや何であれ突進する猛牛ですか?話は最後まで聞くものですよ。」

242: 2015/10/09(金) 18:17:56.94 ID:9sriwvvl0
沙紀「……僕は戦時中にある命令を受けましてね。英国からの南部同盟への信用状態を良くしておくために、僕の名義でリヴァプールの銀行に預金をしておけと言うものです。それで委託されたのが、今言った半分なのです」

保奈美「盗人である事に変わりはないじゃない!南部同盟から預かったお金を着服したのね!」

沙紀「結果的にそうなってしまいましたが、それは僕の責任ではありません。」

保奈美「はぁ?」

沙紀「あなたは全くお馬鹿さんですね。やがて封鎖が厳重になって、誰も南部の港から船を出す事ができなくなったのを忘れてしまったようだ。」

保奈美「あなたのした事と一体何の関係が……?!」

沙紀「帳面の付け方だけでなく、論理的思考も少しは磨かれる事をお勧めしますよ、お嬢さん。」

243: 2015/10/09(金) 18:19:16.07 ID:9sriwvvl0
沙紀「はぁ……封鎖が厳重になればどうなると思います?リヴァプールへ預金を引き出しに行けなくなるとは思いませんか?それとも何ですか、残らず引き出して、それを北軍に没収させてしまうべきでしたか?」

保奈美「そ、それは………!」

沙紀「封鎖が厳重になったのも、南部の大義が没落したのも僕のせいでしょうか?確かにこれらは南部同盟の金ですが、現在は南部同盟なるものは存在しない。」

保奈美「……………っ……………」

沙紀「さて、僕はこの金を誰に与えるべきでしょうか?北部の政府にでしょうか?僕は僕を盗人扱いする人間を憎みます。」

保奈美「……な、南部同盟はもう存在しないけど……困っている南部の人たちはたくさんいるわ!そう言う人たちに分けてあげればいいじゃない。」

244: 2015/10/09(金) 18:21:36.22 ID:9sriwvvl0
沙紀「あなたが僕だったらそうしますか?」

保奈美「…………………………」

沙紀「正直に生きましょうよ、嘘は魂を汚すとか言うじゃないですか。あんたは僕が金を持っているのが憎いんだ、違いますか?」

保奈美「………(…この男の何が腹が立つかって……人の心を見透かしてくるところだわ……幾ら表面を取り繕ってみせても……………意味がない………)」

沙紀「…………………………」

保奈美「……………っ…………」

沙紀「……はぁ……僕は何をしたってあなたに憎まれなきゃいかんみたいですね。」

245: 2015/10/09(金) 18:24:06.76 ID:9sriwvvl0
保奈美「…………………………」

沙紀「よろしい、その憎しみを和らげてもらうために出来る事をするとしよう。幾ら入り用何ですか?」

保奈美「…お金で私を自分の思い通りにしようったって……そうはいかないわよ……!」

沙紀「思っちゃいませんよ、そんな事。純粋な善意から資金を融資してあげようと言っているのです。……あの愛すべき見返り担保が無くともね。」

保奈美「………っ……何が狙い…?」

沙紀「純粋な善意と言っているじゃないですか。僕が目先の利益に囚われなかった結果儲けた金を見返りなしで貸してあげましょう。」

保奈美「>>246」

247: 2015/10/09(金) 18:39:28.18 ID:9sriwvvl0
保奈美「くっ……………!」

沙紀「何が気に食わないんです?自分で言うのも難ですが、こんないい話、そうそう転がっていませんよ?」

保奈美「……………………………」

沙紀「必要なのではないのですか、金が。利息も一切要求するつもりはありませんよ。さあ、どうしますか?」

保奈美「…………………………」

沙紀「……………………………」

保奈美(…忌々しい……!この男は……人の弱みに付け込む天才だわ……!)

沙紀「………ふむ、僕から借りるのがお気に召さないと言うのなら、敢えてお止めはしませんが。」

248: 2015/10/09(金) 18:45:23.16 ID:9sriwvvl0
保奈美「……私が……お金になんか困っていないとは考えないの……?」

沙紀「牢獄に面会をしにきてくださった時と同じ目をしてらっしゃいます。あなたは間違いなく金を必要としている。」

保奈美「………っ………………」

沙紀「さあ、幾ら入り用なのですか?」

保奈美「…………………………」

沙紀「………もう一度お聞きします。幾ら入り用なのですか?」

249: 2015/10/09(金) 18:58:54.77 ID:9sriwvvl0
保奈美「………………っく………300ドルよ…………300ドル…必要なの…………」

沙紀「300ドル……ケネディ氏はあなたが期待していたほど金持ちではなかったという事ですかな?」

保奈美「………ああ……違うわ。税金はもうすっかり払ってしまったの………お金は作れたわ。」

沙紀「それを聞いて一安心しました。………では、その300ドルと言うのは何に必要なのです?」

保奈美「…製材所を買うのよ。」

沙紀「製材所……製材所…………ほほぅ、中々良いところに目をつけましたね?どなたからの入れ知恵です?」

保奈美「…………フランクよ。」

沙紀「ほうほう、フランク先生が。しけた店一つ満足に経営出来ていないのに、よく決心なされたものですね。」

250: 2015/10/09(金) 19:14:34.72 ID:9sriwvvl0
沙紀「しかし妙ですねぇ。夫であるフランク先生が製材所を買えば、それは夫婦の共同財産となるのに。何だってあなたは、怒りを飲み込んで僕から借金をしてまで、製材所を買われようとしているのですか?」

保奈美「…フランクに製材所を経営できると思う………?」

沙紀「一ヶ月で彼の製材所は競売にかけられてしまうでしょうね。」

保奈美「だからね、私が製材所を買う事にしたの。そしたら、私が誰にも遠慮する事なく経営をする事が出来るでしょ?」

沙紀「あなたはご自分なら上手く経営ができると考えてらっしゃる、と?」

保奈美「ええ、自信があるわ。」

251: 2015/10/09(金) 19:24:50.04 ID:9sriwvvl0
沙紀「よろしい、誰よりも利益に対して貪欲なあなたが経営するなら間違いないでしょう。僕はあなたが如何に色々と計算高いかよく知っていますから。」

保奈美「……………………………」

沙紀「ふふっ……融資先としては申し分ありませんね。資金を回収し損ねる事はないでしょう。」

保奈美「……それは保証するわ。…あなたからの借りなんかとっとと返してあげる。大きな顔をされたらかなわないもの。」

沙紀「たかが300ドル程度で大きな顔なんて出来るものですか。海外にいる元同業者仲間に鼻で笑われます。」

保奈美「あ、そう。なら、これも私に恩を売れただとか思わないでね。」

沙紀「仰せのままに、お嬢様。」

保奈美「………………………………」

252: 2015/10/09(金) 19:36:18.46 ID:9sriwvvl0
沙紀「それと、ついでにもう一つ質問させてもらいましょう。あなたがケネディを出し抜いた事と、彼が何より嫌いな僕から金を借りた事についてはどう説明するつもりなのですか?」

保奈美「……ああ……ケネディなんかどうとでもなるわ。あなたが心配する必要はないわ。」

沙紀「最初に出会った時あなたは全く毒婦だと思いましたが、腕にさらに磨きをかけたようですね。」

保奈美「…騙される方が悪いのよ。」

沙紀「ははははは!恐れ入りました。綺麗な花にはトゲがある、ケネディはそれを学ぶ良い機会を手に入れられたようで何よりです。」

保奈美「……………フン…」

253: 2015/10/09(金) 19:46:33.77 ID:9sriwvvl0
沙紀「………それから、心の中に別の男が居る間は、決してその女性は自分を見てはくれないと言うことも。」

保奈美「…………アシュレの事が言いたいの…?」

沙紀「おや、あなたの心の中に居る男はアシュレ君なのですね。」

保奈美「………っ……!(しまった……!)」

沙紀「…僕はですね、あなたが金が必要な理由がアシュレ君の新しい乗馬ズボンなどだったら、1セントだって貸さないつもりだったのですよ。」

保奈美「……事あるごとにアシュレの悪口を言わなければ気が済まないようね……!」

沙紀「>>254」

258: 2015/10/09(金) 22:03:38.10 ID:9sriwvvl0
沙紀「そうですね……あいつがいるからあなたは僕のことを見てくれない……」ボソ…

保奈美「は?」

沙紀「アシュレ・ウィルクス君の何があなたをそう惹きつけるのだろう、そう言ったのです。」

保奈美「あなたにそれを話してやる理由はないわ!」

沙紀「別に僕もあなたによるアシュレ君の素晴らしさの講義を延々と受けるつもりはありませんよ。」

保奈美「話したところで難癖を付けられだけに決まっているしね。」

沙紀「でしょうね、僕は卑俗な人間なので、あなたの言う高尚な人間の行いなんて理解出来ませんから。」

259: 2015/10/09(金) 22:04:51.05 ID:9sriwvvl0
沙紀「例えばそうですねぇ……アシュレ君が戦場から帰って来て以来、ずっとタラに居る事だとか。」

保奈美「どうしてあなたがその事を知ってるの?!」

沙紀「どうしてあなたは僕がこの事を知らないと思っていたのです?」

保奈美「……チッ…………!」

沙紀「淑女が他人に聞こえるように舌打ちなどなさってはいけませんよ。」

保奈美「あなたに聞こえるようにわざとやったのよ。」

沙紀「おやおや、それはそれは………」

保奈美「…………………………」

260: 2015/10/09(金) 22:06:11.66 ID:9sriwvvl0
沙紀「あなたはアシュレ君の話題になると別人になりますな。現実主義者が急に夢見る乙女になる。」

保奈美「……何を言っているのか分からないわ…!それより、どうやって私の家の事を知ったの?!」

沙紀「せっかちなのがあなたの悪いところだ。だから、たったの2週間も待てない。」

保奈美「うるさい!白状なさい!」

沙紀「…ピティパットさんは親切な方でしてね。ちょっとした手土産を持っていって、噂話を身を入れて聞くと何でも残らず話していただけるのですよ。」

保奈美「………!(あの年寄りめ…!)

261: 2015/10/09(金) 22:07:12.74 ID:9sriwvvl0
沙紀「はぁ、それにしても酷い話ですよね。あなたは、彼の細君とだって我慢せずには暮らせなかったのに。アシュレ君と来たら………」

保奈美「アシュレは……!」

沙紀「はいはい、彼は全くの紳士ですよ。紳士と言うのが女性の慈悲で生活する者、と言う意味なら。」

保奈美「よくもそんな侮辱が言えるわね!アシュレは懸命に働いているわ!」

沙紀「フン、懸命に働いたって役に立たなきゃ意味は無いですよ。第一、懸命に働くなら働くで何故妻子と共にタラから出て職を探さないのです?」

保奈美「アシュレはタラのために残ってくれているのよ!」

沙紀「ああ、はいはい、そうですか。……あなたにはアシュレ君の全てが美徳となるようだ。」

262: 2015/10/09(金) 22:08:56.14 ID:9sriwvvl0
沙紀「あなたにとってアシュレ・ウィルクスとは何なのです?あなたを永久に苦しめ続けるような男が、あなたは愛おしくてたまらない理由とは何なのです?」

保奈美「アシュレが私を……?!」

沙紀「そうじゃないですか。あいつは他の女と結婚した癖に、まだあなたを愛してるだのとほざいている。それがあなたにとって一番苦しい事なのに。」

保奈美「……………っ………!」

沙紀「…気分が悪くなってきました……最後に僕の質問にもう一つだけ答えてください。それで今日は僕は帰らせていただきます。」

保奈美「………………………………」

沙紀「金は差し上げますから、下水へ捨てるなりなんなり好きにしてください。」

263: 2015/10/09(金) 22:10:10.30 ID:9sriwvvl0
沙紀「………いいですか、スカーレット…もし彼があなたを愛しているなら、何故税金作りにあとらへなんかよこしたんです?僕だったら、自分の愛する女性がそんな事をする前に………」

保奈美「アシュレは知らなかったのよ!考えもしなかったのよ、私がなんのために………」

沙紀「本当にそう思いますか?!優秀な頭脳を持ち、あなたの事をよく知っているアシュレ・ウィルクスが、あなたが追い詰められたら何をするかが分からなかったとでも?」

保奈美「アシュレは…………!(……あれ………ウィルに分かって……アシュレに分からないような事が………あるかしら……………)」

沙紀「彼には優しい言葉の一つでもかけて、あなたを思いとどまらせる機会があったはずですが。」

保奈美「>>264」

266: 2015/10/09(金) 22:24:51.68 ID:9sriwvvl0
>>264
緑の悪魔がもっと俺に輝けと囁いている(隠喩)



保奈美「それは……!」

沙紀「それは……何ですか?」

保奈美「……っ……それは………それは…………っ……………そ、それは例えどうであろうと、あなたには関係の無いことよ…!」

沙紀「確かに直接的な関係はありませんね。ただね、僕は第三者としての関係だけはある。つまる、何が言いたいかと言うとですね、あなたの我慢強さに僕は深い嘆賞を捧げているのですよ。」

保奈美「何を…………?」

沙紀「あなたの精神にはあまりに多くの重りが乗っている。それに耐えているあなたは大したものだ。」

267: 2015/10/09(金) 22:35:10.42 ID:9sriwvvl0
沙紀「タラがある、そこに病気のお父さんがいる、妹さんに、黒人たちがいる。おまけに、ご亭主の面倒も見なければならないし、やがてはピティ叔母さんの面倒も見なければならない。加えてアシュレ・ウィルクスにその妻子まで!」

保奈美「アシュレは私の重りなんかじゃないわ!むしろ私の手助けを…………」

沙紀「手助けになんかなるものか、あいつはあなたを押しつぶそうとしている重りの一つだ。……そして、今にもあなたは押し潰されそうになっている。」

保奈美「私の心配なんかしてもらわなくていいわ!」

沙紀「いいや、心配しますよ。黙って見ている事なんて出来るものか。」

保奈美「いらないと言っているのよ!」

268: 2015/10/09(金) 22:48:25.68 ID:9sriwvvl0
沙紀「…………分かりました。あなたがそこまで仰るなら……僕だってあの男の話はしたくはないですからね。………お金は300ドルだけで結構ですか?」

保奈美「………っ!(この男はこれだけ人を侮辱した上に、一番大切なものを引きずり出しておいて……まだ私がお金を受け取ると思っている……!)」

沙紀「………………………」

保奈美(…こいつの申し出をせせら笑って店から出て行けと怒鳴りつけられたら……!…ああ……でも今は我慢しなくちゃいけない……お金がないうちは………!)

沙紀「3000ドルでなくて、300ドルで良いのかと聞いているんですが?」

保奈美(……………………………)

269: 2015/10/09(金) 23:00:37.71 ID:9sriwvvl0
保奈美(…お金持ちになったら………ああ、お金持ちになったら……もう嫌な事は我慢せずに、気に入らない連中は消えろと怒鳴りつけてやろう!)

沙紀「……………………」

保奈美(……そうなった際に真っ先に消えるのは……この…レット・バトラーよ……!)ニヤリ

沙紀「おお、あなたは美しい人だ、スカーレット・オハラ!特に悪巧みをしている時はね。…何を思いついたのです?」

保奈美「とても愉快で素敵で素晴らしい思いつきよ。お金は300ドル丁度で結構よ。」

沙紀「そうですか、では今から小切手を書きます。暇な時にでも銀行へ行って…………………」

270: 2015/10/09(金) 23:10:02.21 ID:9sriwvvl0
保奈美「いいえ、小切手じゃなくて現金がいいわ。」

沙紀「現金は嵩張るのであまり持ち合わせていないのですが………」

保奈美「あなた、これから馬車で帰るのでしょう。それに私も乗せていって、ついでに銀行に寄ってくれないかしら?」

沙紀「なるほど、それは良い考えだ。」

保奈美「あなたさえ良ければ、製材所にも寄って欲しいんだけど。」

沙紀「ふふ………ははははははは!僕の気が変わらんうちに全部済まそうって事ですか!いいでしょう、ドライブと行こうじゃないですか。」

保奈美「ふふふふふ…………」

271: 2015/10/09(金) 23:17:55.83 ID:9sriwvvl0
舞台裏




加蓮「うーあー、疲れたー、凛に仰いでもらわないと倒れちゃいそー。」

凛「はいはい。」パタパタ

加蓮「あー……もうちょい右。」

凛「右ね。」パタパタ

加蓮「む……それは左でしょ?」

凛「……私から見て右は、加蓮から見た左だよ。」パタパタ

加蓮「あ、そっかー……じゃあ凛から見て左を仰いでー。」

凛「………はいはい。」パタパタ

272: 2015/10/09(金) 23:28:29.39 ID:9sriwvvl0
加蓮「いやー、快適快適……これからは一家に一凛の時代だね!」

凛「人を便利家電みたいに言わないで。そんな分身みたいな事、頑張らないとできないよ。」パタパタ

加蓮「あー、そっかー……あははははははは!」

凛「………ねえ、加蓮。」パタパタ

加蓮「ん?」

凛「…実はそこまで具合悪くないでしょ?」パタパタ

加蓮「まあ、ぶっちゃけね。」

凛「>>274」

273: 2015/10/10(土) 00:43:09.56 ID:HMM9H8+10
すみません…

一時中断します……

274: 2015/10/10(土) 00:43:23.15 ID:uezd3ZwAO
(加蓮も確かに気にはなるけど、それより心配なのはせっかくPさんたちが招待状を出したのに結局来ないどころか返事のメールも全然返さなかった美波Pさんだよ……。
あの人は凛Pさんほどじゃないけどいつも頑張ってるし、凛Pさんほどじゃないけど料理やスポーツも上手だし、凛Pさんほどじゃないけど顔も決して悪くはないし、何より私に対する凛Pさんと同じくらい真剣に美波さんの事を思ってるっていうのはわかるんだけど……話しながらでも手をウェットティッシュで執拗に拭く癖があるし……。
それにこの間も、じゃれ合いとか冗談抜きでマジギレして加蓮Pさんに怒鳴り散らしたり厨二Pさんに掴みかかってたからなぁ……『何が天の姫だ、俺の美波に変なあだ名をつけるな、お前だけは絶対許さない』とか言って……。
私と凛Pさんが止めた後もずっと厨二Pさんを睨んでたし……もし放っておいたら絶対警察沙汰になってたよね……)

277: 2015/10/10(土) 14:05:41.95 ID:HMM9H8+10
凛(加蓮も確かに気にはなるけど、それより心配なのはせっかくPさんたちが招待状を出したのに結局来ないどころか返事のメールも全然返さなかった美波Pさんだよ……。
あの人は凛Pさんほどじゃないけどいつも頑張ってるし、凛Pさんほどじゃないけど料理やスポーツも上手だし、凛Pさんほどじゃないけど顔も決して悪くはないし、何より私に対する凛Pさんと同じくらい真剣に美波さんの事を思ってるっていうのはわかるんだけど……話しながらでも手をウェットティッシュで執拗に拭く癖があるし……。
それにこの間も、じゃれ合いとか冗談抜きでマジギレして加蓮Pさんに怒鳴り散らしたり厨二Pさんに掴みかかってたからなぁ……『何が天の姫だ、俺の美波に変なあだ名をつけるな、お前だけは絶対許さない』とか言って……。
私と凛Pさんが止めた後もずっと厨二Pさんを睨んでたし……もし放っておいたら絶対警察沙汰になってたよね……)

加蓮「………?」

凛(まったく、少しは凛Pさんを見習ってほしいな。男の人に大切なのは、やっぱり優しさ、だと思うし。頼りないところがない、と言えば嘘になるけど、そこら辺はきちんと支えてあげていってあげればいいだけだし、寧ろ変に自分に自信があって人の話を全く聞かないような人に比べたら、ずっと良いし。その人の良さって言うのは物差しじゃ測れないからね。愛があってこそ初めて気付くような事がたくさんあるし………そう言う意味で言うなら、美波さんしか知らない美波Pさんの良いところがあるのかもしれないし……………)

加蓮「……あー………(凛のスイッチが入っちゃったかぁ………)」

278: 2015/10/10(土) 14:06:22.60 ID:HMM9H8+10
凛(うん、きっとそうだね、美波Pさんもそこら辺を抜きにして考えれば結構悪くないし……美波さんの事が大切すぎて、冷静さを失っちゃうだけだよね。……それでも本当はだめだけど。好きだからって言って、暴走しちゃったらだめだよ。心を蒼く、クールに保たないと。その点、凛Pさんってすごいよね。滅多な事じゃ怒った素振りすら見せないんだから。なかなか出来る事じゃないよ。)

加蓮(凛Pさんの事を考えてるんだろうなぁ………)

凛(ちゃんと美波Pさんがやり過ぎそうになったときは叱ってあげてるし。愛がなきゃそんな事はしないよね。 私だって愛があるからこそ、凛Pさんにこうした方がいいよ、とか、そうはしない方がいいよ、って敢えて言ってあげてるんだもん。凛Pさんもそれを分かってくれてるから、素直に聞き入れてくれるし。これこそ正に相思相愛、じゃないかな。ああ、凛Pさん……これからもずーっと面倒を見てあげるからね…………)

加蓮(………………………………)

279: 2015/10/10(土) 14:07:11.43 ID:HMM9H8+10
凛「……?どうしたの、加蓮、自分の理解を超えた存在を見たみたいな顔をして。」

加蓮「いやー……愛の形って人それぞれだなって思って………」

凛「あ、やっぱり私が凛Pさんの事を考えてたって加蓮にはバレちゃうか。ふふっ………」

加蓮(…たぶん私以外の誰でも…………………)

凛「加蓮には敵わないな、ほんと。ふふふふふふ………」

加蓮「…………」

凛「はぁ………早く今週の凛Pさんのシャツが手に入らないかなぁ………」

加蓮「…………」

280: 2015/10/10(土) 14:08:30.05 ID:HMM9H8+10
凛「………あ、違った。考えてたのは美波Pさんの事だった。」

加蓮「…それって間違うものなの?」

凛「えっ、強い印象だけが記憶に残ったりする事ってない?それと同じ事だよ。」

加蓮「あ、うん……………」

凛「あっ、それで加蓮は大丈夫なの?」

加蓮「……それもどっかに行ってたんだ……………」

凛「……ごめん。」

281: 2015/10/10(土) 14:10:22.93 ID:HMM9H8+10
加蓮「ゲホゲホッ!あー、ヤバいなこれはー、凛に忘れられてたショックで体調ガー。」

凛「ごめんってば。」

加蓮「だめだもうこれはー………」

凛「…………………」ガサゴソ スッ

ポテトフライ「…………」

加蓮「そ、それは…?!」

凛「……これで何とか……………」

加蓮「……………………………」

凛「……………………………」

ポテトフライ「……………………」

282: 2015/10/10(土) 14:12:49.98 ID:HMM9H8+10
〜〜〜



加蓮「体に悪いものほど美味しいってのはホントだよね。」モグモグ

凛「…………………………」

加蓮「飲み物ちょうだーい♪」モグモグ

凛「……コーラで良かったんだよね?」

加蓮「そうそう、このコーラの体に悪そうな味が好きなんだよねー♪」

凛「ねえ……何だかんだでさっきから加蓮に都合よく使われてる気がするんだけど………」

加蓮「あははは、気のせい、気のせい♪」

283: 2015/10/10(土) 14:13:54.70 ID:HMM9H8+10
加蓮「それよりさ、どうしてさっき美波Pさんの事を考えたの?」モグモグ

凛「…何となく……かな?」

加蓮「ふーん。」モグモグ

凛「…加蓮は美波Pさんの事はどう思う?」

加蓮「うーん……少しやり過ぎだけど、美波さんを絶対に守りたいって思ってるんだなー……って感じるかな。」モグモグ

凛「…守る……?」

加蓮「>>284」

285: 2015/10/10(土) 14:39:00.24 ID:HMM9H8+10
加蓮「あんまり一生懸命すぎて周りが見えなくなることもあると思うけど、悪い人じゃないって……信じたいけど……」

凛「……………………………」

加蓮「…何だか危ない感じがするって言うのも否定できないからね………」

凛「…………うん。」

加蓮「…いい人か、って聞かれたら、無条件に頷く事は難しい。って言うのがあたしの結論かな。」

凛「………………………………」

287: 2015/10/10(土) 14:47:21.16 ID:HMM9H8+10
加蓮「……でもさ、少なくともこの事務所にいる時点で安心はしていいと思う。」

凛「……社長さんが本当に危ない人かどうかを見抜けないとは思えないもんね。」

加蓮「うん。それに、動くような人たちが動いていない……って事は、つまりそう言う事でしょ?」

凛「……………………………」

加蓮「信じようよ。美波Pさんと知り合ってまだ日が浅いから、そんな風に感じるだけかもしれないじゃん。」

凛「………そうかな…」

288: 2015/10/10(土) 14:57:21.38 ID:HMM9H8+10
加蓮「きっとそうだよ。七海Pさんとか巴Pさんだって慣れない人からしたら怖いでしょ?」

凛「………………………」

加蓮「『確かに疑ってる間は敵を見抜けるかもしれんがよ、信じてみなきゃ「仲間」は見つかんねえだろ。』……ってね。」

凛「…それ何のセリフ?」

加蓮「ふふっ……奈緒か光ちゃんか先生ズに聞けば分かるよ。」

凛「先生ズって…………」

加蓮「…いい言葉だと思わない?」

凛「……………………………」

289: 2015/10/10(土) 15:05:21.03 ID:HMM9H8+10
加蓮「疑った目で見てたら、全部がそう言う風に見えちゃうよ?疑心暗鬼を生ずってね。」

凛「…それでも疑うのは止めないよ。…例えば、加蓮Pさんに何かしようとしたら…………」

加蓮「分かってるよ。」

凛「…………………ならいいけど……」

加蓮「…………………………」

凛「……………………………」

加蓮「…それにさ、そもそも美波Pさんって美波さん相手に頭が上がらないからね。」

290: 2015/10/10(土) 15:16:38.93 ID:HMM9H8+10
講演会場 二階関係者席



美波「すみませんでした!」フカブカ…

P「頭を上げてくれ。そんな気にしなくていいって言ってるだろ?」

美玲「そうだぞッ!悪いのは美波じゃないんだからなッ!」

美波「いえ、たくさんの方からわざわざメールまで頂いたのに……一通も返信していなくて…………」

美玲「だから……それはオマエが謝る事じゃないぞッ!……オイ、美波Pッ!聞いてるのかッ!」

美波P「…………………………」

291: 2015/10/10(土) 15:25:46.40 ID:HMM9H8+10
美玲「がるるる……聞いてるのかッ!」

美波P「……フン、俺は仲良しごっこがしたい訳じゃ……………」

美波「美波Pさん。」

美波P「……………………………」

美波「どうしてそう言う事を言うんですか?…美波Pさんが、人と居るのがあんまり好きじゃないのは知ってますけど……それでも言っていいことと悪い事があります。」

美波P「……………だって………」

美波「だってじゃありません。」

美波P「…………………………」

292: 2015/10/10(土) 15:39:22.13 ID:HMM9H8+10
美波「……すみません…本当………」

P「だから気にするなって。うちじゃ返信よこさない奴とかまだ良い方で、どれだけ力説しても未だに携帯の使い方を覚えられない機械音痴とか、携帯を携帯してない奴とか、常に圏外にいる奴だって居るからな。」

美波「ありがとうございます………でも……ちゃんと謝っておかないと駄目だと思うんです。……美波Pさんも一緒に謝りますよ。」

美波P「……どうして悪い事をしていないのに謝らないと………」

美波「………」

美波P「…………………………」

美波「>>294」

295: 2015/10/10(土) 15:54:08.69 ID:HMM9H8+10
美波「お願いですから…………」

美玲「がるるるる……!」

P「…………………………」

美波P(犬臭いガキと父親気取りのバカが調子に乗ってくれやがって。美波さえいなければ、こんな化け物だらけの事務所はとっくに辞めてるところなんだ………)

美波「…………………………」

美波P「………すみませんでした…」

美波「………………………」

美波P「……………………」

296: 2015/10/10(土) 16:01:57.26 ID:HMM9H8+10
美玲「心がこもってな………!」

P「美玲。」

美玲「……な、何だよッ……?」

P「……………………………」

美玲「…………………………」

P「…こちらこそ美玲が済まんな。」

美波「……い、いえ……………」

美玲「フンッ………!」

P「……………美波P。」

美波P「……何ですか、先輩?」

297: 2015/10/10(土) 16:12:24.22 ID:HMM9H8+10
P「男たる者、女に頭を下げさせるな。…他はどうとも思っちゃいないが、それだけは見過ごせんな。」

美波P「……だったらどうすると…?」

P「どうもしないさ。お前に何かあったら美波が悲しむからな。」

美波P「……………………………」

P「言うことがあるとしたらそれだけだ。貴重な時間を奪ってしまって悪いな。」

美波P「……その辺りは一応勤め人である以上諦めてますよ。」

299: 2015/10/10(土) 16:19:10.10 ID:HMM9H8+10
>>289 訂正


加蓮「疑った目で見てたら、全部がそう言う風に見えちゃうよ?疑心暗鬼を生ずってね。」

凛「…それでも疑うのは止めないよ。…例えば、美波Pさんが加蓮Pさんに何かするかもって思ったら加蓮だって…………」

加蓮「…分かってるよ。」

凛「…………………ならいいけど……」

加蓮「…………………………」

凛「……………………………」

加蓮「…それにさ、そもそも美波Pさんって美波さん相手に頭が上がらないからね。」

300: 2015/10/10(土) 16:33:09.23 ID:HMM9H8+10
P「……気が変わった。もう一つだけ付け加えておく事にしよう。」

美波P「……何ですか………?」

P「………………………」クイクイ

美波P「……はぁ………一体……………」ツカツカツカツカ

P「…………」グイッ!

美波P「?!」

P「……………………………」

美波P「……な、何を………?!」

P「『舐めるな。』」

美波P「………………!」ゾクッ…

301: 2015/10/10(土) 16:44:01.77 ID:HMM9H8+10
P「表目を取り繕っただけで俺を騙せると思うなよ。俺はな、相手が腹の底で何を考えてるか程度、完全に理解出来るんだよ。」

美波P「………………っ………!」

P「俺をどう思おうがお前の勝手だ。だがな……俺の大切なものを馬鹿にするのは許さん。」

美波P「…………………………」

P「……美玲たちに何か言ったりした場合、俺はお前に何をするか分からんぞ。……お前の為に忠告しておいてやる。」

美波P「……………っ……あ…………」

P「>>303」

306: 2015/10/10(土) 20:47:55.65 ID:HMM9H8+10
P「俺以外の連中にしても同じだ。……海に沈められないだけありがたく思えよ。」

美波P「…離……」バッ…

P「まだ話は終わっていないぞ。」グイ!

美波P「………っ……!」

P「悪いが話は最後まで聞いてもらうぞ。」

美波P「…………ぐ……(…振りほどけない……!この……筋肉ダルマめ………!)」

P「慌てるなよ、あと少しだけだ。」

美波P「…………………………」

307: 2015/10/10(土) 20:49:08.54 ID:HMM9H8+10
P「お前に似た目をした身内が居てな、そいつとは機を見て話をするつもりだが………お前の都合で他人を傷付けんじゃねえぞ。」

美波P「………………………」ギリ…

P「………………………………」

美波P「…お前に何が分かる………!」

P「何も分からんよ。ただ、注意をしてやっただけだ。喧嘩を売る相手はよく選んだ方が良いぞ。………自分の実力から判断して、な。」

美波P「……っ………!この………!」

P「……………………」パッ…

美波P「………!」ヨロッ…

308: 2015/10/10(土) 20:50:24.63 ID:HMM9H8+10
P「………………………」

美波P「………っはぁ………はぁ…………」

美波「あ、あの……………」

P「服に塵がついて居たから取ってやったんだ。なあ?」

美波P「…………ああ……(…クソッ……………!)」

美波「………………………」

P「ほら、本人もそう言ってるだろ?」

美波P「………………っ………」

309: 2015/10/10(土) 20:51:31.69 ID:HMM9H8+10
美波「………………………………」

P「はい、これに関する話は全てお終い。……もう行っていいぞ。」

美波「………あの……………」

美波P「……っ……行くぞ、美波…!」
ツカツカツカツカ…!

美波「あっ……待ってください!……えっと…………すみませんでした!……美波Pさん…!」スタスタスタスタ…!

P「……………………………」

310: 2015/10/10(土) 20:54:09.60 ID:HMM9H8+10
P「………………美玲。」

美玲「………メロンソーダ。」

P「はいはい。」ナデナデ…

美玲「………………がう……」

P「……………………」ナデナデ…

美玲「…………ありがと…」

P「娘を馬鹿にされて平気な父親が居るもんか。…お前は俺も大切な宝物なんだから。」

美玲「…………………」ギュッ……

P「……………………………」ナデナデ…

311: 2015/10/10(土) 20:55:34.86 ID:HMM9H8+10
アトランタ フランクの家



保奈美「それじゃ、私は明日の朝6時には工場に行かなくてはならないので。」

愛海「むむむ…………」

保奈美「お休みなさい、フランク。ついでにそこの計算間違ってるわよ。」

愛海「嘘っ?!」

保奈美「…………………………」スクッ

愛海「え、えーと………ニニが四、三四十二………」

保奈美「はぁ…………」スタスタスタスタ…

312: 2015/10/10(土) 20:56:53.15 ID:HMM9H8+10
愛海「ぬうううん!ま、待ったぁ!」

保奈美「…………何?」

愛海「その………スカーレットって毎日工場があるからって先に寝ちゃうよね…!」

保奈美「……それが?」

愛海「ほら、色々あるでしょ!夫婦なんだから……その……ぐへへな事とかぁ……!」

保奈美「…………………………」

愛海「……そ、そうじゃなくても……奥さんに工場の経営なんかやらせてるって……街中の人たちからすっごく……評判が悪いんだから!」

保奈美「>>313」

315: 2015/10/10(土) 21:07:54.76 ID:HMM9H8+10
保奈美「それがどうかしたの?噂なんて気にする事はないわ。」

愛海「そ、そんな訳にはいかないよ!……だって……その、スカーレットは私が周りから何て言われてるか知ってるの?」

保奈美「何て言われてるの?」

愛海「奥さん1人も養えずに、仕事までさせてる……その……甲斐性なしだって…………」

保奈美「その程度大した事ないわよ。私なんか恥知らずだとか、身の程知らずだって散々言われてるんだから。」

愛海「…………………………」

316: 2015/10/10(土) 21:15:55.62 ID:HMM9H8+10
保奈美「周りからどう言われようが関係ないでしょ?周りからの評判で、材木のしいれねが変わるの?」

愛海「……せ、そういう問題じゃないよ!スカーレットは……世間からの評判が気にならないの?!」

保奈美「ええ、全く。」

愛海「…………………」ボーゼン…

保奈美「世の中で大事なのは評判じゃないわ。お金よ。そして、今アトランタでお金を持っている人は全員世間からの評判は悪い人よ。」

愛海「………………………………」

保奈美「言わせたい奴には言わせときゃいいのよ。どうせ他人の粗探しぐらいしかする事のない連中なんだから。」

317: 2015/10/10(土) 21:24:28.63 ID:HMM9H8+10
愛海「……あ…………えっと…………………………」

保奈美「例え私の評判が幾ら悪かろうと、家を建てるには木材がいるし、家を建て替えるのにも木材がいるわ。ほら、何の問題があるの?」

愛海「…………うう…………で、でも……………………」

保奈美「言いたかった事はそれだけ?……だったら私は明日に備えてもう寝たいんだけど。」

愛海「………………………………」

保奈美「それだけなのね。……じゃあ、お休みなさい。」

愛海「………う……………………」

318: 2015/10/10(土) 21:33:16.27 ID:HMM9H8+10
愛海「うわあああああ!せめてお山だけでも!」バッ!

保奈美「………………」ヒョイ

愛海「ぐわああああーっ!」
ズザァァァァァァ…!

保奈美「…………………………」

愛海「な、何で避けるのさ!夫婦間のKENZENなスキンシップでしょ!」
ムクリ

保奈美「騒がしい人とは気乗りがしないのよ。」

愛海「酷い!ああああんまりだあああああ!」

319: 2015/10/10(土) 21:41:31.40 ID:HMM9H8+10
保奈美「ただ、まあ………」

愛海「た、ただ……?」

保奈美「これからはあまり喧しく口出ししないと約束してもらえるなら……多少は考えなくもないけど。……どうす………」

愛海「する!約束する!もう何も言わない!」

保奈美「あ……そ、そう…………」

愛海「うっひゃー!やったー!きゃっほー!」

保奈美「………………………………」

320: 2015/10/10(土) 21:53:19.09 ID:HMM9H8+10
翌朝 馬車 車内


ガタガタガタガタ……

巴「…………………………」

保奈美「…………………………」

巴「朝早よから、よくまあ仕事に精が出せるもんじゃのう……」

保奈美「悪い?」

巴「いや、感心しとるだけじゃ。わしの知っとるお嬢様方はみーんな、身だしなみを整えるんで午前中を使い果たしよるからのう。」

保奈美「身だしなみに気を使っていなくてごめんなさい。」

巴「そうも言っちょらんわ。あんたは元がええから得じゃ、と言っとるんじゃ。」

321: 2015/10/10(土) 22:02:51.40 ID:HMM9H8+10
巴「わし相手に突っかかっても仕方がなかろうに。あんた……相当疲れが溜まっとるようじゃのう。」

保奈美「……………………………」

巴「だからどうせいっちゅう訳でもないがのう。」

保奈美「………………………………」

巴「………………………………」

保奈美「………まだ製材所の経営に慣れていないだけよ。……直に楽になるわ。」

巴「…ほうか。」

保奈美「………………………………」

巴「>>322」

323: 2015/10/10(土) 22:13:40.78 ID:HMM9H8+10
巴「たまにはワシも手伝いに行かんでええかの?」

保奈美「送り迎えだけでいいわ。人手は足りているの。…私にしかできない仕事が多すぎるだけなのよ。」

巴「あんたにしかできない仕事、のう……例えば何があるんじゃ?」

保奈美「……実際に木材を作る以外の全部よ。」

巴「…それはまた…………」

保奈美「仕方がないでしょ。他人には任せられないんだから。」

324: 2015/10/10(土) 22:22:42.79 ID:HMM9H8+10
巴「……あんたの性格ならそうじゃろうな。」

保奈美「…………………………」

巴「…わしは別にあんたのやり方をあれこれ言うつもりはない。わしは経営っちゅうもんに関してはさっぱり分からんからのう。」

保奈美「………………フン……」

巴「せいぜい無理をすると体を壊すけぇ、無理はするな、ぐらいしか言えんわ。」

保奈美「………………………………」

325: 2015/10/10(土) 22:34:34.86 ID:HMM9H8+10
巴「……あんたに対しては何を言おうと無駄なんじゃろうが。」

保奈美「……よく分かってるじゃない。」

巴「それが分かっとらんと苦労するだけじゃ。……だからフランク様は苦労されちょる。」

保奈美「………………………………」

巴「猫を飼うつもりで、獅子を飼ってしもたんじゃ。そして、それが獅子っちゅう事にまだ気づいておられん。」

保奈美「…………獅子に例えられたのは2回目だわ。」

巴「一回目は?」

保奈美「……レット・バトラー。」

326: 2015/10/10(土) 22:44:21.72 ID:HMM9H8+10
巴「…レット・バトラーか……フン、ならわしの見立ては確かだったようじゃの。」

保奈美「どうして……?」

巴「山師っちゅうのは自分の身に迫る危険には敏感じゃ。そんな山師が近くに獅子がおると言うんじゃったら、それは獅子がおるっちゅう事じゃろ。」

保奈美「………………………………」

巴「さあ、そろそろ到着じゃ。外套を羽織っといた方がええぞ。あんたは時々忘れていくけぇ。」

保奈美「…………分かったわ。」

327: 2015/10/10(土) 22:56:30.51 ID:HMM9H8+10
四月 ある豪雨の夜 スカーレットの寝室



ザァァァァァァァ……!

保奈美「はぁ………今日は雨の音がうるさすぎて眠れやしないわ。」

保奈美「………………………………」

保奈美「……こんな雨が続いたらしばらく工事が…………」

ドンドンドンドン!

保奈美「………………!」

ドンドンドンドン!

保奈美「……誰かが玄関の戸を叩いている。…………風じゃない………こんな夜中に一体………」

ドンドンドンドン!

保奈美「………………………………」

328: 2015/10/10(土) 23:06:00.51 ID:HMM9H8+10
居間



みちる「はぁ……はぁ…………はぁ………………あははー……参っちゃいましたねー…………」

保奈美「あなたがどうして………………」

みちる「…質問には答えてあげますから…………まずは…とうもろこしパンでもいいんで……何か……食べるものをもらえませんか………?……なにかお腹に入れないと……落ち着かなくて………………」

保奈美「……………………………」

みちる「タラから全力で逃げてきたばっかりですからねー…………お腹が空いて……力が………………」 パタ

保奈美「…………ま、待ってて…!今何か持ってくるから……」

みちる「…………あ、ありがとう…………ございます………………」


329: 2015/10/10(土) 23:16:23.92 ID:HMM9H8+10
〜〜〜


みちる「フゴ……!フゴフゴ……フゴゴゴゴ……フゴフゴ……フゴッ!」
ガツガツガツガツ!

保奈美「……………………」

みちる「ん……」ゴクゴクゴクゴク!

みちる「……っはぁ!……はぁ………はぁ……………何か……?」

保奈美「……いえ………すごい食いっぷりだと思って………………」

みちる「ああ……すみません………あはは…………これからテキサスへ逃げなきゃならない人間への選別だと思ってください………」

保奈美「……テキサス…………?」

みちる「……はい…………」

330: 2015/10/10(土) 23:25:16.27 ID:HMM9H8+10
愛海「……北軍相手に何かしたんだね。」

保奈美「?!」

みちる「……ケネディさん…………まあ……そんなところです。……あはは………奴らの鋼鉄の馬は早いですね…………何回も追いつかれそうになりましたよ…………」

保奈美「……フランク……あなたいつの………………」

愛海「ごめん、スカーレット。今大事な話の最中だから少し静かにしてて。」

保奈美「………………………………」

愛海「………何があったの?」

みちる「>>331」

335: 2015/10/11(日) 20:11:43.52 ID:6XIYEroM0
みちる「……タラから機械人形が出土したんです。北軍はそれを使って、ますます勢力を拡大しようとしてるんですよ。」

愛海「地面の下から機械人形が…?」

みちる「……はい、あれは間違いなく機械人形です。…私がこの目で確かめて来ましたから。」

愛海「どうして……いや、それは後回しだ。………北軍はもう南部全体を支配している。……どうして勢力を拡大する必要がある…?」

みちる「…………それが分からないんです……それを調べる前に…見つかっちゃいましたから……」

愛海「……………………………」

みちる「……あはは……私らしくない失敗を味わっちゃいました…………」

336: 2015/10/11(日) 20:13:21.02 ID:6XIYEroM0
愛海「……怪我はしてない?」

みちる「…一発でも食らってたら、ここにはたどり着けていませんよ。」

愛海「………………………………」

みちる「……奴ら、岩を一瞬で消し飛ばす銃を撃ちまくってきましたからね………………あはは……よく無事でしたね……私…………」

愛海「岩を一瞬で消し飛ばす銃……それは北軍の新兵器?」

みちる「……でしょうね。……じゃなきゃ魔法か何かですよ。」

愛海「…………………………」

337: 2015/10/11(日) 20:14:47.15 ID:6XIYEroM0
愛海「……そんな物まで持ち出して来るなんて、それがバレるのは北軍にとってよっぽどマズイ事なんだろうね。」

みちる「……あはは………そうなんでしょうね…………でもね、奴らが私を必氏に追い回している理由はもう一つあるんですよ。」

愛海「…………!…まさか……!」

みちる「……とうとうやっちゃいました………北軍の兵士を1人。……今回の事だって、そいつの持っていた機密文書を見て分かったんです。」

愛海「………………………………」

みちる「……後悔はしていません。」

338: 2015/10/11(日) 20:16:09.14 ID:6XIYEroM0
保奈美「………………あなた……」

みちる「……知ってると思いますけどね……私の麦畑は一回全て北軍に滅茶苦茶に荒されてしまったんですよ。……あなたたちには、それがどんな事か分かってもらえると思います。」

保奈美「………………………………」

愛海「…………っ…………」

みちる「あの麦畑は、先祖代々受け継いできたもので……私にとっては命より大切なものだったんです…………それを…………北軍の連中が………………!」

保奈美「………………………………」

339: 2015/10/11(日) 20:17:22.34 ID:6XIYEroM0
みちる「それでも……何とか堪えて……歯を食いしばって頑張って………また……少しだけでも…………やっと収穫できるようになった時に………………………」

保奈美「……何が……北軍は何をしたの……?!」

みちる「……私が見ている前で………畑を掘り返し始めたんです!……せっかく………また育てたのに…………………許せるわけが……ないじゃないですか………………っ…………」

保奈美「……何て事を………………」

みちる「……南部人の……誇りを傷付けたあいつらを………許せなかった…………」

愛海「………………………………」

340: 2015/10/11(日) 20:19:38.96 ID:6XIYEroM0
タラ 研究施設



晶葉「……鼠を一匹取り逃がしたか。………まあいい、大した問題ではない。どうせ何もできやしないさ。」

晶葉「そろそろ本当の『物語』が始まる。くだらん事に脳の容量を割いている暇はないからな。」

晶葉「……ふふっ………いよいよだ……いよいよ。……『ウィリアム・シャーマン』は厭戦家だったらしいが、私は違う。…ククク………」

晶葉「……戦争……実に素晴らしいじゃないか!戦争は私に貴重な実験データをもたらしてくれるのだからなぁ!」

晶葉「ククククク……目的のモノも間も無く手に入る。性能のテストをするのが楽しみだ!超古代の機械人形、一体どれほどの力を秘めていることか!」

晶葉「圧倒的な力!煩わしい歴史の修正作用が及び切らんほどのなぁ。事実は変える事はできん。」

341: 2015/10/11(日) 20:21:26.30 ID:6XIYEroM0
晶葉「はぁ……全く、歴史の修正作用と言う奴がなければ私の計画はかなり前倒しできていただろうに………」

晶葉「影響を図るために実施したアトランタにおける実験が良い例だ。…住人のうち半数近くを、生存させてしまった……全滅させるつもりだったと言うのに………」

晶葉「…結果的に介入の値を正確に割り出せたんだ。満足すべきなのかもしれんが、完璧主義者の私としては、な。」

晶葉「………………………………」

晶葉「…実験は繰り返し行い、より正確な値を求めなければならない。……クク………2回目は満足の行く結果が得られる事だろう。」

晶葉「>>343」

344: 2015/10/11(日) 20:40:29.72 ID:6XIYEroM0
晶葉「もうすぐ、もうすぐだ……私の機械人形たちの手でタラ、いや南部の全てが手に入る!そしてヨーロッパやアジア、アフリカも……ピニャコラドール、否この『ターンX』によって!」

晶葉「アハハハハハハハ!やはり天才に不可能はなかった!私の頭脳と、超古代文明の遺産、この二つがあれば私は無敵だ!この時代、この世界において私は神にも等しい!」

晶葉「何せ、機械と言えばガラクタのような紡績機械しかない時代なんだ!私がその気になりさえすれば誰にも止める事など出来はしない!」

晶葉「南軍相手に苦戦してみせるのは骨が折れた。蟻を潰さずに踏むというのは難しいな。」

晶葉「人間と言うのは脆くて困る。撃たれれば氏ぬ、斬られれば氏ぬ、むしろどうしたら氏なないんだ?」

晶葉「……クク………愚かで醜く…そして愛おしい…………私が導いてやらねばなぁ。クククククク……」

345: 2015/10/11(日) 20:52:21.51 ID:6XIYEroM0
晶葉「…私が世界の支配者になるんだ………そうなれば世界は私の実験室だ!何と素晴らしい!どんな実験でもし放題じゃないか!」

晶葉「ああ……考えただけで興奮……そうだ……私は今高翌揚と言う感情を体験している!アハハハハハハハ!」

晶葉「文明を無に帰すほどの力、それが私の物になる!そしてそれを研究し、己の知識とする!」

晶葉「ククククク………アハハハハハハハ!私の計画に協力してくれた連中には礼をしなくてはならんな。尤も、私に協力した自覚はないだろうが。」

晶葉「誰からがいいかな?フフフ…………」チ

晶葉「……………む。」

晶葉「…………何だ?」

346: 2015/10/11(日) 21:05:14.24 ID:6XIYEroM0
晶葉「……私は今忙し…………何?!とうとう見つかったか!…ハハハハハ、よくやったと褒めてやろう!」

晶葉「私が行くまで弄るんじゃないぞ?それを最初に弄るのは私だ!」
スク

晶葉「ああ、そうだ、何もするんじゃない!着いてる土だって払うんじゃないぞ?貴重なサンプルだからな。」
ツカツカツカツカ……!

晶葉「そうだ……そうだ……一時作業を中断させろ!……ああ………そのままだからな!」チ

晶葉「……ククク……アハハハハハハハ!私が王になるための一歩目が踏み出されたのだ!」

晶葉「待っていろ、『ターンX』……今お前を……迎えに行ってやる。……ハハハハハ!」

347: 2015/10/11(日) 21:15:26.13 ID:6XIYEroM0
翌朝 ケネディの家



「罪人はどこへ逃げた?正直に答えろ!」

愛海「知らないね。聞く相手を間違ってるよ。」

「貴様と罪人は同郷の人間のはずだ。まず逃げ込むとしたらここではないのか?言え、昨夜この家に逃げ込んで来たんだろう?」

愛海「何回聞かれても知らない物は知らないよ。時間を無駄にしたくなかったら他を当たれば?」

「いいや、罪人を貴様らがかばっているんだろう?隠し事は出来んぞ!」

愛海「証拠はあるの?」

「…………っ……!」

348: 2015/10/11(日) 21:23:39.10 ID:6XIYEroM0
愛海「言っとくけど、あなたたちが探してる人間なんて私たちとは全くの他人だよ?名前だって今日初めて聞いたもん。」

「つまらん嘘を吐くな。そんな事調べればすぐに…………」

愛海「じゃあ調べてみなよ。タラの人間全員に聞いたって、私と同じ答えが返ってくると思うけど。」

「……貴様…………………………」

愛海「幾ら北軍でも理由も無しに逮捕は出来ないと思うんだけど?」

「………………っ……!」

愛海「…………………………」

「………………………………」

349: 2015/10/11(日) 21:29:51.89 ID:6XIYEroM0
愛海「帰ってよ。これから忙しいんだよね。」

「…………チッ……今日のところは一先ず引き上げてやる。だが、必ずお前らがあの罪人と関係がある事を証明してやるからな。」

愛海「そう言うのを何て言うか知ってる?……無駄骨って言うんだよ。」

「…………っ……!」

愛海「さ、あなたたちも早く仕事に帰りなよ。」

「…………覚えていろよ…」

愛海「……ふん。」

350: 2015/10/11(日) 21:38:55.77 ID:6XIYEroM0
〜〜〜


愛海「……憲兵はもう行ったよ、大丈夫だった、スカーレット?」

保奈美「…………………………」

愛海「……スカーレット……?」

保奈美(…今憲兵を追い返した男は……本当に私の知っている……つまらない中年の……フランク・ケネディなんだろうか………)

愛海「…ねえ、スカーレットってば!」

保奈美「>>351」

353: 2015/10/11(日) 21:48:46.28 ID:6XIYEroM0
保奈美「あっ、ごめんなさい……あなたがこんなに優れた人だとは思わなかったから………」

愛海「うひひ、見直した?」

保奈美「……ええ………………」

愛海「私自身はそんな大した人間じゃないけどさ、せめて夫として奥さんは守らないとね。……たまにはカッコつけさせてよ。」

保奈美「………………………」

愛海「……あいつらは明日も明後日も来ると思うけど、ちゃーんと明日も明後日も追い返すから安心してね?」

354: 2015/10/11(日) 21:59:18.63 ID:6XIYEroM0
保奈美「……………フランク……」

愛海「?」

保奈美「………どうしたらそんな……勇気が出せるの……?」

愛海「勇気……?…私のは勇気なんて立派な物じゃないよ。どっちかって言うと怒りかな。……私のスカーレットとの大事な時間を邪魔するんじゃねえ、って感じで。」

保奈美「…………………………」

愛海「朝と夜しか一緒に居られないんだから、その時間は目一杯楽しみたいじゃん?」

保奈美「………………………………」

355: 2015/10/11(日) 22:12:08.21 ID:6XIYEroM0
愛海「……南部の男って言うのはさ、大事な物が奪われる事に対して、世界一怒りを覚える民族だと思うんだ。………私の場合はスカーレットとの時間。」

保奈美「………………………………」

愛海「……ジェラルドさんだって、家族と土地をちゃんと守ったでしょ……?……あの人はとっても立派な人だよ……今でも……」

保奈美(…………お父……さん……)

愛海「…スカーレット。……スカーレットが私を愛してるって言ってくれた日から、私の一番大事な物は…………スカーレットになったんだよ。」

保奈美「………っ………」 ズキ……

356: 2015/10/11(日) 22:24:18.43 ID:6XIYEroM0
保奈美「………っ………ごめんなさい……私少し……ベッドで横になってくるから……」

愛海「朝ご飯は……?」

保奈美「……要らないわ…………時間になったら教えて……工場に行くから………………」

愛海「…………………………………」

保奈美「……………………………」
ヨロ…ヨロ…

愛海「……手を貸そうか……?」

保奈美「……いえ………いいわ…………」ヨロ…ヨロ…

愛海「………………………………」

357: 2015/10/11(日) 22:35:46.62 ID:6XIYEroM0
愛海「………………………………」

愛海「…………無理もないよね………自分の家に…北軍が詰め掛けてきたりなんかしたら…………女の子って言うのは、繊細な生き物だもん……」

愛海「……北軍は……スカーレットから……色んなものを奪っていった………その恐怖は……心に刻みつけられてる………」

愛海「…………………………」

愛海「……もう……何も奴らに奪わせるもんか………」ギリ……!

愛海「……仲間たちに…連絡を取ろう……!」

358: 2015/10/11(日) 22:45:55.89 ID:6XIYEroM0
馬車 車内



ガタガタガタガタ……

巴「…………………………」

保奈美「…………………………」

巴「……あんた、今日は一段と顔色が悪いのう。」

保奈美「……………………………」

巴「白粉なり何なりなりぐらい着けたらどうなんじゃ?…今にも氏にそうに見えるぞ?」

保奈美「…………………………」

巴「……反論が飛んでこん。…はぁ………こりゃ重傷じゃのう。」

359: 2015/10/11(日) 22:54:50.34 ID:6XIYEroM0
保奈美「……………ほっといて…」

巴「悪いのう、今日だけはそうもいかんわ。半分氏んどるような人間を工場まで送るわけにはいかんけぇのう。」

保奈美「………………」

巴「あんたは玄関まで憲兵が来た程度でビビるようなタマと違うじゃろうが。………何があんたにそんな顔をさせるんじゃ?」

保奈美「…………………………」

巴「>>361」

364: 2015/10/12(月) 15:17:36.68 ID:5OQC2H+90
巴「ピニャコラタサマニサカラウヤツユルサナイ。」

保奈美「?!」ビクッ!

巴「ピニャコラタサマ ハ マモナク メザメノ トキヲムカエラレル。ソノトキコソ オマエタチハ ジブンタチ ノ ツミブカサヲ シル。」

保奈美「…ピータ………いや、違う。……あなたは誰?!」

巴「オロカナ シツモンダ。 イチ ハ ゼンデアリ ゼン ハ イチデアル。」

保奈美「…………………………」

365: 2015/10/12(月) 15:18:54.49 ID:5OQC2H+90
巴「フカンゼンナ コ コソガ アラソイヲウム。ワレワレヲ ツクリダシタモノモ ソウダッタ。」

保奈美「質問に答えなさい!あなたは誰かと聞いているのよ?!」

巴「ソノ シツモン 二 タイシテ ハ スデニ カイトウヲ シタ。」

保奈美「……ッ……!…私の質問に答えるつもりは無いって事ね…!」

巴「………………………………」

保奈美「……いいわ、あんたがピニャコラドールの仲間だって事さえ分かっていれば。…あんたが私の敵だって事が分かるならね!」

366: 2015/10/12(月) 15:20:15.78 ID:5OQC2H+90
巴「……ワレワレハ、オマエタチ ノ テキ デハナイ。」

保奈美「じゃあ何だって言うのよ?!」

巴「ジンルイヲ ハメツカラ スクウ カンリシャ ダ。」

保奈美「管理者……?!」

巴「コンドノ レキシデモ ジンルイ ハ ミチヲ アヤマッタ。ハメツ ノ マエニ スベテヲ リセット スル。」

保奈美「…………何を…………」

巴「ゲンザイ ノ ブンメイ ヲ リセット スル。」

保奈美「……………………」

367: 2015/10/12(月) 15:21:29.08 ID:5OQC2H+90
巴「ピニャコラタサマ ハ ジュウブン マタレタ。ジンルイ ヲ シンジテ オラレタ。」

保奈美「……………………………」

巴「シカシ、ジンルイハ ピニャコラタサマ ノ ネガイ ヲ ウラギッタ。ドウホウドウシデノ アラソイヲ ヤメナカッタ。センソウ ヲ ツヅケタ。」

保奈美「……………戦争……」

巴「ピニャコラタサマ ハ カナシンデ オラレル。ミズカラノテデ フタタビ ブンメイヲ オワラセネバナラナイコトヲ。」

保奈美「……………………………」

368: 2015/10/12(月) 15:22:55.37 ID:5OQC2H+90
巴「リセット ノ ジャマヲ スルコトハ ジンルイヲ ハメツヘト ミチビク コトダ。ヨッテ、『テキ』トミナシ ハイジョ スル。」

保奈美「…………………………」

巴「イジョウ ガ ケイコク ダ。……ワレワレ二 サカラウト…………」

保奈美「文明をリセットするって言うのは……どう言う意味……?」

巴「イマアルスベテヲ ハカイシ アラタナジダイ ヘノ イシズエトスル。」

保奈美「…………あ、そう…」

369: 2015/10/12(月) 15:25:07.76 ID:5OQC2H+90
巴「リカイシタナラバ…………」

保奈美「よく分かった。ここで私は、絶対にあなたたちの邪魔をするって決めたわ!」

巴「……………………………」

保奈美「丁度復讐する機会を狙っていたのよ……北軍と…あなたたち神に!」

巴「……ジブンノゲンドウ ヲ リカイデキテ イルカ?」

保奈美「十二分すぎるほどにね!…早くピーターの体を返しなさい!」

巴「…………………………」

保奈美「>>371」

372: 2015/10/12(月) 15:35:15.80 ID:5OQC2H+90
保奈美「……戻ってきなさい、ピーター!!」

巴「ナニヲ………………?!」

保奈美「………………………」

巴「…………ア…………」

保奈美「…………………………」

巴「………………………………」

保奈美「…ピーター。」

巴「…………………っつ………な、何じゃ……今の感覚は……いったい…………」

保奈美「…………………………」

373: 2015/10/12(月) 15:41:49.42 ID:5OQC2H+90
巴「……誰かが頭ん中に入って来たような……………ハッ、スカーレット嬢さ…………!」

保奈美「別に馬車は事故を起こしたりしていないから安心しなさい。揺れてだっていないわ。」

巴「ほ、ほうか……………はぁ…………………………」

保奈美「……………………………」

巴「……のう、スカーレット嬢様………わしは今まで……何を…………?」

保奈美「馬車を運転していたに決まっているじゃない。おかしな、ピーター。」

巴「……………………………」

374: 2015/10/12(月) 15:51:16.20 ID:5OQC2H+90
保奈美「疲れて少しぼーっとしちゃってたんでしょ。そんなに気にする事じゃないわよ。」

巴「…………………むぅ………」

保奈美「いつまでも若い人間なんて居ないんだから。1週間ぐらい休みを取りなさい。」

巴「……わ、わしはまだまだ若いけぇ………休みなんぞ…………」

保奈美「次は事故を起こしても知らないわよ?」

巴「………………………………」

保奈美「…………………………」

375: 2015/10/12(月) 16:01:12.21 ID:5OQC2H+90
巴「………わしは老ぼれだったようじゃ………はぁ………頭はハッキリしとるつもりだったんじゃが…………」

保奈美「(あなたより頭がハッキリしてる人間はそう居ないわよ……)少し休めば大丈夫よ。」

巴「………じゃとええが…………じゃがのう………」

保奈美「私の送り迎えは1週間は良いから、そうすればやる事はピティ叔母さんの世話だけで済むでしょ?…それもマミーに任せても良いんだけど………」

巴「ピティ様の世話は他人には任せられん!」

保奈美「……でしょう?」

376: 2015/10/12(月) 16:09:14.11 ID:5OQC2H+90
保奈美「………と、言う訳だから、1週間はピティ叔母さんの世話に専念してちょうだい。」

巴「…わ、分かったわ…………じゃが、どうして1週間は送り迎えが不要なんじゃ……?」

保奈美「私が1週間は工場に泊まるからよ。あ、フランクにも伝えておいてくれる?」

巴「………は、はぁぁぁ?」

保奈美「これから1週間、いやもっとかもしれないけど……帰える余裕がなくなるぐらい忙しくなるから。」

巴「………………………」

保奈美「急がなくちゃならない仕事ができたのよ。」

377: 2015/10/12(月) 16:26:11.00 ID:5OQC2H+90
製材所 経営者室



保奈美「……ピーターが思っていたよりずっと、すんなり引き下がってくれて助かったわ………よっぽどショックだったのね……」

保奈美「……ピーター、あなたは誰よりもしっかりとした頭を持ってるから安心なさい。」

保奈美「……………ふぅ…………………………」

保奈美「………さて、早速仕事に入らないと。何せ時間が無さそ…………」

コンコン

「ミセス・ケネディ、お客様がお見えに……………」

保奈美「今忙しい。適当な理由を付けて追い返して。」

「………それが……………………」

保奈美「…………………?」

378: 2015/10/12(月) 16:36:21.38 ID:5OQC2H+90
〜〜〜


沙紀「いやはや、こうして経営者殿に簡単にお会い出来ますのもスポンサー特権、と言う奴ですな。」

保奈美「………………………」

沙紀「持っている権利と言うのは、全て有効に使うべきです。使わなければ勿体無いですからねぇ。」

保奈美「……何しに来たのよ…?」

沙紀「あなたの麗しきお顔を拝見させていただきに………」

保奈美「本当の事を言いなさい。」

沙紀「はぁ………嘘では無いのですがねぇ……実に悲しいですな。」

保奈美「…………………………」

379: 2015/10/12(月) 16:50:00.94 ID:5OQC2H+90
沙紀「経営状態の確認ですよ、しこたま儲けてるようですから今さら確認は要らないでしょうが。驚きましたよ、こんな短期間で軌道に乗せるだなんて。」

保奈美「お世辞は聞き飽きたわ。用が済んだなら早く帰ってちょうだい。」

沙紀「ははははは!嫌ですよ、もう少しあなたとお話してからでないと。」

保奈美「…………………………」

沙紀「用もまだ済んでいませんからね。聞きましたよ、憲兵があなた方の家宅を捜査しに来たと。」

保奈美「………………………」

沙紀「>>381」

382: 2015/10/12(月) 17:01:51.34 ID:5OQC2H+90
沙紀「そしてスエレン嬢が連れていかれました。まぁ、本人もそこまで抵抗はしなかったようですがね?」

保奈美「………えっ、今何て言ったの?!」

沙紀「スエレン嬢が北軍の研究施設に連れて行かれたと行ったのですよ。」

保奈美「………………………」

沙紀「何でも、奴らは研究に大人しく協力してくれさえすれば、多額の謝礼を約束すると言っているとか、いないとか。」

保奈美「……あの馬鹿………!」

沙紀「……………………………」

383: 2015/10/12(月) 17:15:30.60 ID:5OQC2H+90
保奈美「……はぁ………幾らで釣られたの?あの馬鹿娘は……!」

沙紀「一人当たり三百ドル当たりでしたかね。偶然にも私があなたに差し上げた額と同じですな。」

保奈美「もらったんじゃないわ、借りたのよ。必ず全額耳を揃えて返すから。」

沙紀「女性にプレゼントをするのは男性の最も大きな楽しみの一つだと言うのに。」

保奈美「私はあなたの楽しみに協力してやるつもりは無いの。」

沙紀「はははははは!今の時点で十分楽しませてもらっていますよ。」

保奈美「………………………」

384: 2015/10/12(月) 17:23:52.26 ID:5OQC2H+90
沙紀「おっと、話が逸れてしまっていましたね。人間とは如何に簡単に金銭に目が眩むか、と言う話でした。」

保奈美「………………………」

沙紀「どこまでお話させていただきましたかな?」

保奈美「救いようのない馬鹿女が、金で釣られて北軍にのこのこ連れて行かれたところまでよ。」

沙紀「身内に厳しいのですね。」

保奈美「北軍の言う事を信用するような妹は私には居ないわ。」

沙紀「それはそれは……大変失礼致しました。」

385: 2015/10/12(月) 17:30:53.46 ID:5OQC2H+90
保奈美「……早く続きを教えなさい。」

沙紀「赤の他人がどうなろうと、あなたは気にも留めない人間でしょう?これ以上あなたの時間を奪うのも申し訳ないので………」

保奈美「……っ!いいから教えなさい!」

沙紀「相変わらず困るとすぐに力技に出る。誰に対してもそんな調子なんですから、あなたと来たら全くの恐れ知らずなんですねぇ。」

保奈美「…………チッ………」

沙紀「ははは!分かっていますよ、お教えしますから、そう怒らんでください。」

保奈美「…………………………」

386: 2015/10/12(月) 17:40:48.93 ID:5OQC2H+90
沙紀「まずあなたは、タラの研究施設についてご存知ですかな?」

保奈美「ええ、昨夜…………」

沙紀「昨夜?」

保奈美「……何でもないわ。…とにかくタラの研究施設の事は知っているわ。…出土した機械人形の研究をしてるんでしょ?」

沙紀「おや、機械人形の事について知っているのは現場の人間と、北軍の上級士官だけのはずなのですが?」

保奈美(しまった!!)

沙紀「ふふふ………何故ご存知かについてはお聞きしないでおきましょう。僕も聞かれたくはありませんので。」

保奈美「……………………………」

387: 2015/10/12(月) 17:52:32.52 ID:5OQC2H+90
沙紀「話が進めやすいので助かりますしね。…北軍はタラの研究施設で出土した機械人形の研究を行っています。そして、そこの責任者は……かの有名なシャーマン将軍その人です。」

保奈美「シャーマン……!」

沙紀「ああ、今のも軍事機密ですから絶対に他人に話さないでくださいね。僕と一緒に連座で縛り首になりたくなければ。」

保奈美「………………………」

沙紀「………続きをお話ししてもよろしいでしょうか?」

保奈美「……………え、ええ………」

沙紀「…………………………」

388: 2015/10/12(月) 18:03:13.64 ID:5OQC2H+90
沙紀「……タラが荒廃して弱っているところにつけ込んだ、とかそう言う部分は省略しますね。あなたは私より遥かにタラの事はよく分かっているでしょうから。」

保奈美「……………………………」

沙紀「出土した機械人形、悪名高きシャーマン、近隣から破格の謝礼で……と、言っても僕のポケットマネー程度ですが………で集められる人々。これが何を意味するとあなたなら考えますか?」

保奈美「機械人形の実験に使う人間を集めている。」

沙紀「相変わらずの恐ろしい頭の回転速度ですね。」

保奈美「>>390」

391: 2015/10/12(月) 18:06:42.67 ID:5OQC2H+90
安価把握

一時中断します

392: 2015/10/12(月) 21:04:47.19 ID:5OQC2H+90
再開します

393: 2015/10/12(月) 21:05:54.84 ID:5OQC2H+90
保奈美「誰のせいでそうなったと思ってるのかしらね。」

沙紀「ふむ、全く分かりかねますな。僕はあなたほど頭の回転が早くないもので。」

保奈美「……………………」

沙紀「何にしろ、誰の所為であれ、頭の回転が早くなったのならそれで良いじゃありませんか。世間知らずのお嬢様が生き抜く知恵を身につけたと言う事で。」

保奈美「…チッ……四六時中皮肉を言ってくるような知り合いがいれば、自然と頭が回るようにもなるわ。」

沙紀「はあはあ、そんな性格の悪い知り合いがあなたには居るのですか。」

394: 2015/10/12(月) 21:07:35.68 ID:5OQC2H+90
保奈美「ええ、とてつもなく性格の悪い知り合いがね。人間の嫌なところを寄せ集めたような男よ。」

沙紀「うーむ、そんな男とは関係を絶った方がよろしいですな。」

保奈美「出来たらとっくにしてるわ。出来ないから困っているのよ。」

沙紀「それはまた何故です?」

保奈美「………………チッ…」

沙紀「ふふふ…………」

395: 2015/10/12(月) 21:09:00.42 ID:5OQC2H+90
保奈美「あんまり礼を逸した真似ばかりしていると、摘まみ出すわよ?」

沙紀「無利息で融資をしてくれる人間が2人も居るとは思えませんよ?」

保奈美「…………………………」

沙紀「………………………」

保奈美「……分かったわよ!私の負けよ!」

沙紀「ふふふ………何がです?」

保奈美「……………っ……!」

沙紀「世間話に勝敗はありませんよ?」

396: 2015/10/12(月) 21:10:00.33 ID:5OQC2H+90
保奈美「……………………………」

沙紀「機嫌を曲げないでくださいよ、お嬢さん。少しからかっただけではないですか。」

保奈美「…………………………」

沙紀「僕はお喋りの相手が居ないと寂しくて氏んでしまうのです。さあ、キャンディーをあげますから、機嫌を直してください。」

保奈美「………………………」

沙紀「ケネディ夫人、我が親愛なるケネディ夫人。夫を心から愛する我が貞淑なるケネデ……………」

保奈美「うっさいわねぇ、もう!」

397: 2015/10/12(月) 21:11:50.24 ID:5OQC2H+90
沙紀「おお、怖い!あなたの雷にはとことん敵いませんなぁ。」

保奈美「……………………………」

沙紀「戦場で近くに大砲が落ちた時も、これ程までに恐ろしくはありませんでしたよ。」

保奈美「…………本当に口が減らないのね…!」

沙紀「はははははは、静かな僕なんて僕じゃありませんよ。自分を抑えて生きるなんて真っ平ご免ですからね。」

保奈美「…………………………」

398: 2015/10/12(月) 21:13:52.67 ID:5OQC2H+90
沙紀「ふふっ……このまま楽しい時間を過ごしても僕は一向に構わんのですが、少しはスエレン嬢の事も気にかけて差し上げませんか?」

保奈美「……スエレン以外に連れて行かれた人は居るの?」

沙紀「タラの昔ながらの住人の方々の中には1人も居られなかったらしいです。勿論あなたのご親戚一同も含めてね。」

保奈美「そうでしょうね、タラの人たちは誰一人恥知らずじゃないもの。なら、何も問題は無いわ。」

沙紀「スエレン嬢は?」

保奈美「自業自得でしょう。」

399: 2015/10/12(月) 21:15:08.93 ID:5OQC2H+90
沙紀「身内の方にもご容赦無しですか。」

保奈美「文句があるわけ?」

沙紀「まさか、賞賛しているんですよ。あなたと言うのは大した女性だと。」

保奈美「ありがとう。ただ、誠意は言葉でなく金額で示して欲しいわね。」

沙紀「と、言いますと?」

保奈美「私に追加で融資なさい。」

沙紀「>>401」

402: 2015/10/12(月) 21:33:10.31 ID:5OQC2H+90
沙紀「ほう……ちなみにいくら位で?300ドルでいいですか?」

保奈美「もっとよ。たった300ドルじゃ足りないわ。」

沙紀「ふふっ……『たった』300ドル、ですか。ふふふふふ……この間まであなたが払えないと絶望していた金額ではありませんか。」

保奈美「……そうね。」

沙紀「それを『たった』と。やはり経営者様ともなると変わるものなのですかねぇ、ふふふふふふ………」

保奈美「……………………………」

403: 2015/10/12(月) 21:45:26.73 ID:5OQC2H+90
沙紀「今度はどんな悪巧みをしてらっしゃるのです?300ドルを『たった』と言い切れる程の大金が必要な悪巧みとは何なのです?」

保奈美「私の本当の計画を実行に移すのよ。…もっと力を貯めてから実行に移す予定だったんだけど、急がないといけない理由が出来てしまってね。」

沙紀「その本当の計画、とやらの内容について聞かせてはいただけますかな?」

保奈美「融資してくれたら教えてやるわ。」

沙紀「ほう………秘密と言う事ですか。ふふっ………ふふふ………どうやらとても壮大な計画を立てておられるようですねぇ………これは気になります……」

保奈美「気になるんだったら私に融資なさい。交換と行きましょう。」

404: 2015/10/12(月) 22:02:24.93 ID:5OQC2H+90
沙紀「その交換条件は、どう考えも僕が一方的に不利だと思うのですが。」

保奈美「嫌なら教えてやらないわ。」

沙紀「……………………………」

保奈美「…………………………」

沙紀「………あなたは飛んだ悪党だ…!そんな風に言えば、僕が好奇心に負けると分かっていたでしょう?」

保奈美「ふふふ…………さあ?」

沙紀「……幾ら必要なのです?」

保奈美「あったなら、あっただけ困らないわ。」

405: 2015/10/12(月) 22:12:41.13 ID:5OQC2H+90
沙紀「ふむふむ………では、とりあえず3万ドルほどあれば足りますかな?」

保奈美「……そうね、3万ドルあれば足りるかもしれないわ。もっと必要かもしれないけど。」

沙紀「分かりました。あなたに3万ドルお貸しして差し上げましょう。担保は…………」

保奈美「担保は私よ。」

沙紀「……つまり?」

保奈美「私の全てを好きにしていいわ。」

沙紀「……ほう………大きく出ましたね。本当に良いのですか?」

保奈美「他にそれだけな金額に見合う物は何も持っていないもの。」

406: 2015/10/12(月) 22:23:41.67 ID:5OQC2H+90
沙紀「あなたはご自身を3万ドル以上の価値がある物と考えておられるのですね。」

保奈美「ええ。」

沙紀「………ふむ………3万ドルの女と言うのも中々に魅惑的な響きですねぇ………良いでしょう、担保はあなた自身で間違いないでしょう…」

保奈美「…………ふっ………」

沙紀「…では、早く聞かせてください。あなたの飛びっきりの悪巧みを。」

保奈美「…一度しか言わないからよく聞きなさい。まずは………………」

沙紀「……………………………」

407: 2015/10/12(月) 22:41:51.01 ID:5OQC2H+90
ジョージア州 戦没者墓地



亜季「…………………………」

墓碑「………………………」

亜季「…………………………」

仁美「……お互い…生き残ってしまいましたな……リー将軍………」

亜季「……ああ。…生き残ってしまった…」

仁美「……………………………」

亜季「……本来なら軍事裁判で極刑に処せられるべきを、よもや特赦とは、な……………」

仁美「……………………………」

408: 2015/10/12(月) 22:48:26.12 ID:5OQC2H+90
亜季「……分かっている。特赦が口実である事ぐらいは。実際には………」

仁美「貴殿を極刑に処した場合、占領地の住民が猛反発することは間違いない。占領地政策を円滑に行う為には、南部の英雄、リー将軍は生かしておく必要がある。」

亜季「……………………………」

仁美「……心中……お察し致す……」

亜季「………………………」

仁美「……………っ……………」

亜季「>>410」

411: 2015/10/12(月) 23:59:28.24 ID:5OQC2H+90
安価把握

寒くなってくると神経痛が………

すみません……

沙紀「『へぇ、僕と付き合いたいと?』」【後編】

引用: 沙紀「『へぇ、僕と付き合いたいと?』」