1: 2015/10/17(土) 20:55:49.86 ID:27Yie1Ms0
※モバマスSS
複数P世界、安価スレ
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS LITTLE STARS! Max Beat

 の続きです
閉幕の100-4-3作目
ここまで来た以上、最後まで行かせていただきます。
…長かった…………

3: 2015/10/17(土) 20:58:32.90 ID:27Yie1Ms0
深夜 南部の鬱蒼とした森林


ガサガサ…!

志希「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ…………」タッタッタッタッタッ…!

ウゥゥゥゥゥゥン……

志希「……っ…!はぁ……はぁ…………はぁ………はぁ…………!」タッタッタッタッタッ…!

ターン!

志希「ひあっ?!」ガクン…!ズシャアアアア…!

志希「……ひい…………あ、あ、アタシの…………足が…………!」

ウゥゥゥゥゥゥン……

志希「…………あ…………あ……………………ああ……………」

4: 2015/10/17(土) 20:59:29.31 ID:27Yie1Ms0
晶葉「おいおい、そう逃げ回らないでくれ。私は研究所だから、あまり体力が無いんだよ。クックック………………」

志希「ひっ…………あ…………………………」

晶葉「…いくら他人に一人で来いと言われたからといって、まさか……本当に護衛も付けずに一人で来るとはな……こういう事態は想定外だったか?」

志希「…………っあ…………ああ………はぁ…………あ……………」

晶葉「さすがに護衛が全員やられる、と言うのは不自然なんでなぁ。実に助かったよ……シェリダン。」

志希「………な、な、何……で………………?」

晶葉「ん……自分が消される意味が理解出来んのか?」

5: 2015/10/17(土) 21:01:35.08 ID:27Yie1Ms0
志希「だ、だって……アタシ…たち……仲間……で…………」

晶葉「よく聞こえんな。」ガチャ ターン!

志希「あっ…………ああああああ………………!!」

晶葉「おっと、済まん。ククク……手が滑ってしまったよ。いやぁ、本当に申し訳ない。」

志希「……っあ……うあ………うああ……………………」

晶葉「右手と左足だけだと格好がつかないな。」ターン!ターン!

志希「っ……ぎゃああああああああ……!!」

晶葉「よし、これで綺麗に四肢に一発ずつだな。ククク………」

6: 2015/10/17(土) 21:02:55.77 ID:27Yie1Ms0
志希「痛い痛い痛い痛い痛い痛い……!何で?何で何で何で何で?!」

晶葉「悪いなぁ、不便な事に戦争を起こすには何かしらの口実と言う物が必要なんだよ。」

志希「……!!お、お前は…………?!」

晶葉「この森は降伏をまだ見てめていない南軍の残党が出没する事で有名でね。ククク……『北部の勝利の立役者、シェリダン将軍残虐なる南軍に虐殺さるる。』国民はお前の氏を悼み、新たに南部への怒りの炎を燃やす事だろう。」

志希「…………っ……!…ウィリアム・シャーマン……!!」

晶葉「アハハハハハハ!私の目的の為に氏んでくれてありがとう!」ガチャ

ターン…………!!


7: 2015/10/17(土) 21:04:08.17 ID:27Yie1Ms0
ニューオリンズ レストラン



沙紀「奥様、食事が済んだら次はどこへ参りましょうか?」

保奈美「そうねぇ……指輪を買いに行きたいわ。」

沙紀「指輪なら先ほどお買いしたと思うのですが、僕の勘違いですかな?」

保奈美「幾つ買おうが私の勝手でしょう?……さっきはルビーの指輪を買ったから……次はダイヤモンドの指輪にしようかしら?」

沙紀「全部金を出すのは僕なのだがね?」

保奈美「あら、だからわざと高い物ばかり買っているに決まっているじゃない。」


8: 2015/10/17(土) 21:05:17.78 ID:27Yie1Ms0
沙紀「あんたは自分の金は1セントだって使いたくないくせに、人の金なら遠慮の欠片も無く費うんだね。」

保奈美「それは違うわよ?払うのはあなただけど、そのお金は『私たち夫婦の』お金でしょう?」

沙紀「おっと、そう言えばそうだった。どうも結婚生活と言う物にはまだ慣れないな。」

保奈美「嫌でも慣らしてあげるわ。ボーイ、この店で一番高い料理を持ってきてちょうだい。」

「かしこまりました、奥様。」

沙紀「まだ頼むのかい?どうやら胃袋の方も遠慮がないようだね。」

保奈美「何?小鳥のように飢え氏にしてしまうような量だけ啄ばむ女がお望み?」

9: 2015/10/17(土) 21:07:44.84 ID:27Yie1Ms0
沙紀「はははははは、そんな女性はこちらから願い下げですな。女性と言うのは少々肉付きが良い方が好ましい。」

保奈美「お言葉ですが、私は腰の細さでは誰にも負けた事がないのよ。

沙紀「今までは、ね。こんな成金趣味丸出しの生活を続けていたら、すぐにドレスが入らなくなりますよ?」

保奈美「そうね、まずそんな事にはならないけど……入らなくなったら、また新しいドレスをあなたに買ってもらうから大丈夫よ。」

沙紀「ふふふ……成る程、それは盲点でしたなぁ。」

保奈美「>>10」

11: 2015/10/17(土) 21:25:54.94 ID:27Yie1Ms0
保奈美(…バトラーと暮らし始めて、当初の目的を忘れつつある自分がいる……)

沙紀「良いでしょう、ドレスぐらい幾らでも買って差し上げましょう。あなたに着られるならドレスだって本望ですよ。」

保奈美(……癪だけど……毎日が楽しい……!欲しいものは何だって手に入るし、何より自分を偽らずに生ききられる……)

沙紀「ドレスは次はどこで買いますか?あなたは行き尽くしたと思ってるのかもしれんが、ニューオリンズにはまだまだ服屋があるのですよ?」

保奈美「……それさ流石に嘘でしょう………?」

沙紀「僕が嘘なんかつくものですか。」

12: 2015/10/17(土) 21:36:34.38 ID:27Yie1Ms0
保奈美「…どれくらい……?」

沙紀「正確には僕も把握しちゃいませんが、少なくともあんたが回ったのは、まだほんの一部に過ぎんですよ。」

保奈美「…………………………」

沙紀「どうです、ニューオリンズは楽しいところだとは思いませんか?」

保奈美「…何もかもが活気付いていて………少なくとも、人の噂話が大好きな連中がいないって事だけで、いつもよりはずっとましよマシよ。」

沙紀「はははははは!わざわざアトランタから逃げ出してきた甲斐はあったようしな。」

13: 2015/10/17(土) 22:00:35.71 ID:27Yie1Ms0
保奈美「……ふん、逃げ出したんじゃないわ。飛び出してきてやったのよ


沙紀「ほほう。」

保奈美「メリウェザーやワイディングのばあさんたちが、憤氏しないようにね。もっとも手遅れかもしれないけど。」

沙紀「憤氏する物なら、とっくに憤氏していますよ。人の事なんてほっていていて欲しいんですがねぇ……あの老ぼれ連中め。」

保奈美「全くだわ!早く全員くたばってしまえばいいものを…………」

沙紀「ははははははは!これは手厳しい。」

14: 2015/10/17(土) 22:10:35.39 ID:27Yie1Ms0
保奈美(普通ならこんな事は口が裂けても言えないけど………)

沙紀「あんたのそういう勇ましいところが好きですよ、スカーレット。…気分が良いのでぶどう酒でも頼みませんか?」

保奈美「…ええ… いいわね。」

沙紀「そうですか、そうですか。む、そう言えば淑女はぶどう酒なんか飲む物ではないらしいと聞くが?」

保奈美「淑女じゃない私には関係のない話ね。」

沙紀「だとしたら何ですか?」

保奈美「……あんたと同じ悪人よ。」

15: 2015/10/17(土) 22:20:26.86 ID:27Yie1Ms0
保奈美(…この男の前では善人ぶる必要はない……嫌なら嫌と言えばいいし、憎いなら憎いと言っても構わない…)

沙紀「ふふふ……確かに悪人が、ぶどう酒を飲んじゃいかんとは聞きませんな。おい、ぶどう酒を追加注文だ!」

保奈美「…………………………」

沙紀「………何か?」

保奈美「い、いえ…………(…私の目的は北部への復讐で……そのために頑張ってきたのに…………)」

沙紀「……………………………」

16: 2015/10/17(土) 22:32:42.56 ID:27Yie1Ms0
保奈美(気がつくと、綺麗なドレスを着て踊る事なんかで頭がいっぱいになっている時がある……………)

保奈美(…復讐なんてくだらない……どうでも良い事なんだ……と考えてしまっている時もある。)

保奈美(ひどい時は、復讐をするつもりだった事まで頭からすっぽり抜け落ちてしまっている時さえ………)

保奈美「………………………………」

保奈美(…駄目だ……このままじゃ………)

沙紀「…………………………」

保奈美(復讐を……忘れてしまう…………!!)

17: 2015/10/17(土) 22:55:29.58 ID:27Yie1Ms0
保奈美(……忘れたのか、タラの惨状を…!…北部の連中全員も同じ苦しみを味あわせるまでは……と天を呪った日々を…………)

沙紀「………………………………」

保奈美(………復讐を忘れてはいけない……!南部が受けた痛みを……屈辱を…………!)

沙紀「……スカーレット。」

保奈美「…………ん?」

沙紀「困るよ、僕とのデート中に他の事、ましてや殺伐とした事などを考えられたら。」

保奈美「…………………………」

沙紀「>>18」

19: 2015/10/17(土) 23:06:41.70 ID:27Yie1Ms0
沙紀「君は僕の事だけを考えていればいいんだ。それ以外の何も考えてはいけない。」

保奈美「………………………」

沙紀「その代わりに、僕も君だけの事を考えよう。如何に君を楽しませて、自分が楽しめるか。…それだけを考えよう。」

保奈美「……………えっと………」

沙紀「…瞳に他のものが写っているのに気付いてしまったら……寂しいじゃないか。……そうは思わんかね?」

保奈美「………………………………」

沙紀「………………………………」

20: 2015/10/17(土) 23:19:33.45 ID:27Yie1Ms0
沙紀「…金を払っているのは僕なんだ。その間注意を僕だけに向けるぐらい、やってくれたって罰は当たらないと思うんだがね。」

保奈美「……考えている内容まで、あれやこれや言われなきゃいけない理由はないわ。」

沙紀「ごもっとも。しかしね、男と言うのはそういう生き物なんですよ。女性から胸を恋焦がされていたい。」

保奈美「…私の知っている男の人には、そんな事を言う人は居なかったわ。」

沙紀「空が青い事をいちいち確認しますかね?」

保奈美「……はぁ?」

21: 2015/10/17(土) 23:29:52.89 ID:27Yie1Ms0
沙紀「南部の古き良き男性の諸君がその様な事を言わなかったのはですね、女は男の事を一途に想っていて当たり前、という事を一途に信じていたからですよ。」

保奈美「それは……………………」

沙紀「僕はね、女性と言うのがそう言う生き物でない事を知っている。だからこそ………一瞬ぐらいは一途に思って欲しい、そう考えてしまう訳なんだよ。」

保奈美「…………む、無理よ……私は別に……あなたを愛しては………………いないもの……」

沙紀「愛していただかなくても結構です。ただ、デート中に似つかわしくない事に気を取られさえしなければ、ね。」

保奈美「………………………………」

22: 2015/10/17(土) 23:39:22.94 ID:27Yie1Ms0
沙紀「美味しい料理だとか、綺麗なドレスとかを純粋に楽しめないのかい?ただ、僕との時間に喜びを感じて欲しいと思うのはいけない事かい?」

保奈美「………………………………」

沙紀「(……違う……僕は……こんな事が言いたい訳では無いのに……)僕はいわば、君との愉快な時間を買ったんだ。そこを理解してもらいたいね。)

保奈美「………はいはい……」

沙紀(違う……違う…………違う……………)

保奈美「……………………………」

沙紀(……違う……………僕はただ……スカーレットに自由になって欲しいだけだと………言うのに………)

23: 2015/10/17(土) 23:51:11.49 ID:27Yie1Ms0
タラ農園 表門



「いい加減に立ち退き契約書にサインをして……」

輝子「おととい来な!悪いがお前たちに振るための尻尾は生えてねえんだ!」

「……っ…!我々はこの土地を強制的に収容する事も可能なんだぞ?それを親切にも…………」

輝子「ハッ!やってみろよ。」

「なっ……?!」

輝子「おいおい、お前の顔に着いてんのは耳じゃなくてヒラタケかよ?やってみろって言ったんだよ、腰抜けがァァッ!」クイッ!

24: 2015/10/18(日) 00:01:54.52 ID:BeqjCU1Z0
輝子「だがよぉ、それはテメエらにタラの人間全員を敵に回す覚悟があればって意味だぜ?南部人ってのは土地と心中するような人間の集まりなんだよ。」

「…舐めるなよ。お前たちが何人束になったところで我々の相手にはならんぞ?」

輝子「戦争が終わった今、テメエらの大統領は余計な火種は作りたくねえはずだぜ?」

「…何が言いたい……?」

輝子「この場で私と刺し違えるか、大人しく帰るか選べっつってんだよ、北軍野郎!」

「…………っ…………!!」

輝子「…………………………」

25: 2015/10/18(日) 00:10:00.49 ID:BeqjCU1Z0
タラの屋敷 食堂



加蓮「…今日も北軍の兵士を追い返してくれてありがとう……ウィル………お茶をどうぞ…」ゴト……

輝子「あ、ありがとうございます…………フヒ…………」

加蓮「…………ごめんさいね…」

輝子「………?」

加蓮「……大変な役目を押し付けてしまって…………その…………」

輝子「>>26」

30: 2015/10/18(日) 15:46:27.51 ID:BeqjCU1Z0
輝子「フヒ……お構いなく……」

加蓮「……………………………」

輝子「こ、これぐらい……どうって事ないですー…はい。もう…ホント気にしないでください……」

加蓮「……そうもいかないわ。…あなたばかりに背負わせてしまっているもの。」

輝子「フヒ?!な、ないないない……!そんなことはないですよー……は、はい……!」

加蓮「………いえ、だって……………」

31: 2015/10/18(日) 15:47:05.23 ID:BeqjCU1Z0
輝子「わ、私が全部背負ってるなんて……そ、そんな…おこがましすぎて………ば、ば、罰が当たります……」

加蓮「………ウィル………………」

輝子「あ、いや………その……わ、私なんかメラニーさんのお手伝いに過ぎないと言いますか………え、えっと……メラニーさんに比べたら何もしてないって言うか………」

加蓮「……?…私の方こそ何も……………」

輝子「い、いえ……!…今タラを支えてるのは……メラニーさんです……よ?」

32: 2015/10/18(日) 15:48:10.89 ID:BeqjCU1Z0
加蓮「…私………?」

輝子「あ、はい。……め、メラニーさんが居るから……安心……と言うか……そ、そんな感じです………」

加蓮「……………………」

輝子「…だから……その……私の事なんか……あ、顎で使ってくれていいぐらいですよー……なんて…………」

加蓮「……………じゃあ、ウィル。今から私のお願いを聞いてくれる?」

輝子「ど、ど、どうぞー…!な、何でも……言ってくれて大丈夫です、はい……!」

33: 2015/10/18(日) 15:50:33.95 ID:BeqjCU1Z0
加蓮「……私に労われてくれる?」

輝子「…………フヒ…?」

加蓮「お茶を飲んで、少しの間だけでもゆっくりしてちょうだい。それが…私からのお願いよ。」

輝子「…………………………」

加蓮「……ね?」

輝子「………そ、そう言う事なら…………ご遠慮……なく…………………」

加蓮「…………ふふ……」

34: 2015/10/18(日) 15:51:35.14 ID:BeqjCU1Z0
輝子「…………やっぱり…柱…だな……」

加蓮「………?」

輝子「フヒ……な、何でもないですよー…」

加蓮「………………………」

輝子「あ…お茶いただきます………」
ズズズ……

輝子「…………おいしい………」

加蓮「……そう…それは良かったわ。」ニコ

35: 2015/10/18(日) 15:53:01.03 ID:BeqjCU1Z0
加蓮「お茶菓子も用意しましょうか……?」

輝子「……フヒ?!いえ、そ、そんな……貴重な物は………」

加蓮「気にしなくて大丈夫よ。スカーレットが送ってくれたの。」

輝子「……あっ………………」

加蓮「スカーレットは今はバトラー船長とニューオリンズを新婚旅行中で………お茶菓子もそこで買った物なんですって………」

輝子「…………………………」

36: 2015/10/18(日) 15:54:19.57 ID:BeqjCU1Z0
加蓮「………………………」

輝子「……あ……え、えっと………その………す、スカーレットさんは…………」

加蓮「……分かってる。……スカーレットは冷たい人じゃないわ………私は知っているもの…」

輝子「………………………………」

加蓮「ケネディさんとの時も……何か理由があったんでしょう?……だったら…バトラー船長とのも……何か理由があるに決まっているわ。」

輝子「…………………………」

加蓮「>>37」

38: 2015/10/18(日) 16:07:47.23 ID:BeqjCU1Z0
加蓮(スカーレット……)

加蓮(…無理をしてないといいんだけど……スカーレットの性格から考えて、そうもいかないでしょうね…………)

加蓮(…………………心配だわ…………)

加蓮(…スカーレットは強い……だからこそ…………………)

加蓮(……………………………………)

加蓮(……強いからこそ……自分で色々抱えこもうとしてしまうから…………)

加蓮(…一番大事なところは、誰にも話さないから…………)

39: 2015/10/18(日) 16:17:57.75 ID:BeqjCU1Z0
加蓮(……ケネディさんには悪いとは思うけど……スカーレットはケネディさんには、話をする事はできなかったでしょうね……)

加蓮(ケネディさんがいけない、とかじゃなくて………ただ単に性格が違っただけなんだけど………)

加蓮(…………………もし…………)

加蓮(……………………………)

加蓮(いえ……仮定の話を考えるのやめておこう………起こってしまったモノは……変えられないのだから。)

加蓮(もし、起こってしまったモノを変えられる人が居たら……その人はもう人ではなくて、神様よ…)

40: 2015/10/18(日) 16:29:33.75 ID:BeqjCU1Z0
加蓮(………スカーレットを支えてあげられのは……スカーレットの事を真に理解してあげられる人だけ……)

加蓮(そしてそれが出来るのは…………)

輝子「……あ、あの……………」

加蓮「………あっ……ごめんなさい。少し考え事をしてしまっていて……」

輝子「……………………」

加蓮「…大丈夫よ、ウィル。私に気を遣ってくれてありがとう。」

輝子「………………………」

加蓮「大丈夫だってば。」

41: 2015/10/18(日) 16:37:01.84 ID:BeqjCU1Z0
輝子「……メラニーさんも……無理をしたら……だ、ダメ……です…よ……?」

加蓮「…………ええ。」

輝子「…………………………」

加蓮「…お茶菓子を取ってくるわね。」

輝子「あっ……手伝いますよ……?」

加蓮「じゃあよろしく。」

輝子「…は、はいですー…(……………)」

42: 2015/10/18(日) 16:46:18.59 ID:BeqjCU1Z0
トゥエルヴ・オークス屋敷 跡地


ザッザッザッザッザ……

櫂「………………………………」
ザッザッザッザッザ

櫂「……………………………」

土台石「……………………」

櫂「まるでラグナロク……だね…………どんな栄達や財産も…永遠に続くものなんてない…………」

櫂「………………………………」

櫂「……終わってしまったんだ……僕らの生きていた時代は………今はもう……その残滓だけが残っている……」

櫂「……『国破れて山河あり』……か…………」

櫂「……僕らのやってきた事とは……何だったんだろうね……ふふっ…………」

43: 2015/10/18(日) 16:57:02.36 ID:BeqjCU1Z0
櫂「……本来は仕事をやらなくちゃならない……そんな中、僕はもう何もない場所へ思い出に浸りにやってきている……」

櫂「……辛いな……役に立てないって言うのは……何の助けにもなる事が出来ないと言うのは…………」

櫂「…………世界が変わってしまったと言うのは言い訳だ………世界が変わって役に立たなくなるなら、最初から役になど……立っていなかったのさ。」

櫂「だって……みんな立派に役立っているんだからね……結局、僕は昔から存在していて、存在していなかったんだろう。」

櫂「………………………………」

櫂「>>44」

46: 2015/10/18(日) 17:13:12.45 ID:BeqjCU1Z0
櫂「これからもこうして……存在しながら存在していない生活をしていくんだろうな………………」

櫂「……ふふっ……僕にはお似合いの生活かもしれないね………いつだか、自分の人生は影芝居、だなんて宣った事もあるぐらいだから…………」

櫂「……無くなってしまったものを夢見続け…そして、結局手に入れられずに終わる…………それがこれからの人生なんだろう……」

櫂「……何に対しても……実感が持てない………全部がそれこそ影芝居みたいだ…………皮肉な物だね……」

櫂「……痛みや疲労は確かなはずなのに、それさえ遠くに感じる………これらも僕を活かしてはくれない…………」

櫂「………ここにあるのは、アシュレ・ウィルクスの残滓なんだろう…………」

47: 2015/10/18(日) 17:21:08.23 ID:BeqjCU1Z0
櫂「……生きながらにして氏んでしまった…………ああ……いっそ、戦場で氏んでしまうべきだったのかもしれない………………」

櫂「…そうすれば……こんな世界を見ずに済んだ……美しい思い出を信じたまま……氏ぬ事ができた…………」

櫂「……………………………」

櫂「……いや……それは出来なかったな…………だって、僕が氏んでしまっていたら……メラニーは…………」

櫂「…………結婚も…すべきではなかったのかもしれないな。……そうすれば…メラニーに苦労をかける事もなかった……」

櫂「………何だ……僕の人生は…間違いだらけじゃないか……」

48: 2015/10/18(日) 17:30:57.61 ID:BeqjCU1Z0
櫂「生まれてから一度でも、何か正しい事が出来たんだろうか……?…何か正しい行動を…する事が出来たんだろうか……?」

櫂「……いや………出来てないから、こうしてここに居るんだ。……僕はいつだって口先だけだった……」

櫂「……口先だけで理屈を並べて、結局自分では何もしなかった。…時代の流れ、だとか、運命と言う言葉に…責任転嫁をしていただけだった………」

櫂「……戦争は起きてしまったし………南部は負けてしまった…………」

櫂「……何も出来なかった………無力だった………僕は現実に干渉する術わ、ひとつだって身につけちゃいなかったんだ……」

櫂「……………っ……」

49: 2015/10/18(日) 17:38:45.62 ID:BeqjCU1Z0
櫂「………帰ろう…」スクッ…

櫂「…いくら何も出来ないとはいえ、ほんの少しだけ手伝う事ぐらいならできるだろう………」

櫂「……………………………」

櫂「……さよなら、トゥエルヴ・オークス………」スタスタスタスタ……カツン

櫂「……………?」

金属製のドアノブ「…………」

櫂「……これは…………?!」

50: 2015/10/18(日) 17:53:24.53 ID:BeqjCU1Z0
タラ 北軍 研究施設 廊下



あやめ「………………」スタスタスタスタスタスタ……

あやめ「…………………」チラ

研究室「…………………」

あやめ「……………………」
スタスタスタ……ピタ

あやめ(……ここか。)

あやめ「……………………………」

「おい、そこの!」

あやめ「…む?わたくしがどうかいたしましたか?」

「ああ。……見たところ一般兵のようだが……一般兵はこの辺りに用はないはずだ。何故ここに居る?」

51: 2015/10/18(日) 18:02:39.93 ID:BeqjCU1Z0
あやめ「はぁ……そうなのですか?すみません……実はわたくしこの前配属されて来たばかりなもので………」

「はぁ……さしずめ迷子、と言うところか?」

あやめ「あはは……そうなってしまいますね。いやはや、お恥ずかしい。」

「何、気にすることはないさ。この研究施設はデカイからな。迷う奴は偶にいるんだよ。」

あやめ「(……………)わたくしだけでは無いと聞き安心しました。……どうしてこうも広いのです?」

「機械人形の研究と言うのは何かと場所が必要なんだよ。特に、この研究施設はシャーマン将軍の物だからな。」

あやめ「>>53」

59: 2015/10/18(日) 21:30:38.93 ID:BeqjCU1Z0
あやめ「研究施設……というと?」

「おいおい……そんな事も知らずにここに来たのか…?」

あやめ「ああ、いえ。これだけ広いのですから、わたくしの知っている研究施設とは何かと違っているかと思いまして。」

「………お前、所属は?」

あやめ「第3守備隊の2班です。」

「第3守備隊の2班………」ピッ ブン

あやめ「………………………」

60: 2015/10/18(日) 21:32:09.83 ID:BeqjCU1Z0
「……ハマグチ伍長か……………」

あやめ「はっ!」

「……………………」ジロジロ……

あやめ「……………………」

「………ふぅ……済まん済まん!少しでも怪しいと思ったら疑えと言われていてね……気を悪くしないでほしい。」

あやめ「いえ、ここで扱っているのは最重要機密事項。警備を厳重に行うのは当然の事です。」

「そう言ってもらえると助かる。」

61: 2015/10/18(日) 21:33:11.69 ID:BeqjCU1Z0
あやめ「わたくしもこれから守備兵として働く以上、その態度を是非見習わせてもらいたいものです。」

「ははは……そう固く身構えんでもいいぞ。守備だの警備だのって言ってはいるが、実際にはどちらも必要の無い仕事だからな。」

あやめ「必要の無い……?」

「ああ、考えてもみろ。万が一にも、ここを攻撃しようとする連中なんて南軍の残党しかいないだろ?そんな奴らは守備の機械人形だけで片付く。」

あやめ「ふむふむ。(……………)」

「警備に関しても同じだ。ここに南部人なんかが潜り込めるはずが無い。」

あやめ「確かに。(…ここにいますよ。)」

62: 2015/10/18(日) 21:35:01.89 ID:BeqjCU1Z0
「だから肩の力を抜いて大丈夫だ。さっきのも形式だけさ。シャーマン将軍が異常に用心深いだけで………あっ、今のは誰にも言うなよ?」

あやめ「言いやしませんよ。…不要だ、と言うことになってしまったら、わたくし配属そうそう失業してしまいますから。」

「はははははは!中々話の分かるやつだな……えっと…………」

あやめ「ハマグチです。」

「そうそう、ハマグチ伍長!なあ、今夜あたり一杯どうだ?」

あやめ「では、ありがたく。(……酒と言うのは人の口を軽くしてくれます。)」

63: 2015/10/18(日) 21:36:30.06 ID:BeqjCU1Z0
あやめ「しかし、その前に………」

「………ああ!研究施設について知りたいんだったな。なあ、お前今時間は空いてるか?」

あやめ「午後の演習までならば。」

「ならちょうどいい。今からここを案内してやるよ。」

あやめ「警備の方は?」

「大丈夫、大丈夫、何も起きるわけがないさ!」

あやめ「(…………)ならば、よろしくお願いします。」

64: 2015/10/18(日) 21:38:14.05 ID:BeqjCU1Z0
舞台裏



愛海「…………………」

清良「愛海ちゃん・」

愛海「……あっ…………清良さん…………」

清良「お疲れ様。何か欲しいものとかある?」

愛海「………特に……ないかな……」

清良「……………あら…?」

愛海「…………………………」

65: 2015/10/18(日) 21:41:28.30 ID:BeqjCU1Z0
清良「いつもだったらここで、『清良さんの柔らかくて温かい優しさが欲しいです!あ、そうだ、お医者さんごっこしない?あたしお医者さんね!はい、まずは触診から!』ぐらいは言ってくるのに………」

愛海「………アタシだって、時と場合ぐらい考えるよ。清良さんまだ出番あるんだから……衣装に皺つけちゃったら大変でしょ……?」

清良「………愛海ちゃんが……まともな事を………?!……ねえ、ちょっと体温を計らせてもらってもいいかしら……?」

愛海「えっ………ひどくない……?」

清良「だって、愛海ちゃんよ?」

愛海「>>67」

68: 2015/10/18(日) 21:53:14.39 ID:BeqjCU1Z0
愛海「そんな!風評被害もいいところだよ!」

清良「風評……?」

愛海「まあ、あたしが淫獣とか呼ばれてるのは知ってるし、それを否定するつもりもないよ。あ、ちなみに淫獣の元ネタは正直そんななんだけど………」

清良「それは聞いてないかしら。」

愛海「……………あ、はい…」

清良「…続けて。」

愛海「……元ネタの淫獣学園シリーズなんだけど………」

清良「そっちじゃなくてね。」

愛海「………えっ……?」

69: 2015/10/18(日) 22:04:27.39 ID:BeqjCU1Z0
清良「続けて。」

愛海「………えっと……否定するつもりもないよ……の方……?」

清良「ええ。」

愛海「……ゴホン。だってあたしが淫獣なのは事実だし、あたしはそれを誇りに思ってるから。誇りって言うか……生き様?」

清良「………お注射が必要かしら…?」

愛海「何で?!今日はまだ愛梨さ……ゲフンゲフン……!」

70: 2015/10/18(日) 22:11:42.12 ID:BeqjCU1Z0
清良「んー……多分気のせいだと思うんだけど今愛梨ちゃんの名前が聞こえた気が………」

愛海「……き、気のせいです………」

清良「………本当に?」

愛海「……な、名前は言いました……はい………」

清良「名前を言っただけ?」

愛海「………すみませんでした………つい出来心で………………」

清良「…………で?」

愛海「…いや……その………目の前に黄金の果実があったら…仕方ないと思いませんか…………?」

71: 2015/10/18(日) 22:18:50.38 ID:BeqjCU1Z0
清良「それはいつの話?」

愛海「午前中楽屋で一緒になった時に………愛梨さんが……部屋が暑いって言い出して………………」

清良「……………………」

愛海「………もう思い残すお山は…………あるけど……ないので……早くひと思いに………」

清良「つまり……愛海ちゃんは午前中は元気だった……と言うことよね?」

愛海「………えっ……?」

72: 2015/10/18(日) 22:26:50.65 ID:BeqjCU1Z0
清良「……私の見る限り、劇が始まる前までも元気だったように見えたけど………」

愛海「………お、お仕置き…は……?」

清良「してほしいの?」

愛海「…………」ブンブンブンブン!

清良「私だって、時と場合は考えるのよ?……それじゃあどうして、出番が終わったら元気が無くなってしまったのかしら?」

愛海「………えっ……そ、それは……………」

73: 2015/10/18(日) 22:34:47.58 ID:BeqjCU1Z0
清良「愛海ちゃんに限って、体力が無くなったとは考えづらいわ。理由を教えてもらえる…?」

愛海「…………………………」

清良「…………………………」

愛海「………プロデューサー……来てくれなかった………」

清良「……愛海Pさん?」

愛海「うん……あたしの出番が終わるまでには来るって………約束したのに…………」

清良「…………………………」

74: 2015/10/18(日) 22:43:29.00 ID:BeqjCU1Z0
愛海「………ちゃんと真面目に………やったのに………」

清良「見てもらえなくて寂しかった?」

愛海「だって……みんなのプロデューサーさんたちは、ちゃんと来てるじゃん………」

清良「…………………………」

愛海「……来るのは無理って分かってはいたんだけど………でも…さ……あはは……あたしもまだまだ子供だな…」

清良「>>76」

77: 2015/10/18(日) 23:50:38.67 ID:BeqjCU1Z0
清良「じゃあ、あっちに行きましょうか。忘れさせてあげるわよ?」

愛海「………?!え、えっ……と………」

清良「生きが良くない子って言うのはあまりヤル気が出ないんだけど………しょうがないわよね?」

愛海「………あの………何を………?」

清良「聞きたい?」

愛海「………………………」

清良「………………」ニコニコ

愛海「………あ……」サァ………

78: 2015/10/18(日) 23:59:26.87 ID:BeqjCU1Z0
清良「とりあえず………ね♪」ニコニコ

愛海「…………うん……分かった……」スクッ

清良「………………………」

愛海「………………………」

清良「……………はぁ………」

愛海「……清良さん……?」

清良「…うーん……いつもの愛海ちゃんじゃないと張り合いがなくて面白くな………元気がないのは心配ね…」

79: 2015/10/19(月) 00:06:22.90 ID:C6B3gZuG0
愛海「……元気……そんなに無いかな………?」

清良「お注射が何本か必要かな、って思うぐらいには元気が無いかしら。」

愛海「………そう…………」

清良「でも、お注射よりもっと効くのがあるねよ?……着いてきて、悲しいのを忘れさせてあげる☆」

愛海「…………………………」

清良「………………♪」

80: 2015/10/19(月) 00:12:08.67 ID:C6B3gZuG0
リハーサル室



清良「はい、到着♪」

愛海「…………ここは……」

清良「リハーサル室よ。今の時間ならここには誰も居ないから、うってつけなのよ?」

愛海「………何に………?」

清良「……ふふっ……目をつぶって。」

愛海「…………………………」

清良「目を…つぶって?」

愛海「………あ、うん……」パチ……

81: 2015/10/19(月) 00:18:26.46 ID:C6B3gZuG0
清良「………………」ゴソゴソ……キラ……

愛海「……………………」

清良「ふふふ……今から元気が出るお呪いをしてあげるわね?悲しい事なんか全部無くなって、幸せな気分になれるはずよ?」キラ……

愛海「……そんなはず……ないよ………だって…………」

清良「……だって?」

愛海「……プロデューサーが…………」

82: 2015/10/19(月) 00:24:17.38 ID:C6B3gZuG0
愛海P「はぁ……はぁ………愛海!!」

愛海「?!」

清良「愛海Pさんがどうしたの……?」

愛海「……………………」

清良「目を開けて後ろを振り返ってみて。」

愛海「…………………」パチ……クル………

愛海P「……はぁ……はぁ………はぁ…………」

愛海「…………………………」

83: 2015/10/19(月) 00:31:02.95 ID:C6B3gZuG0
愛海P「……すまん…!その……色々あって…………」

愛海「……ぐすっ………良かったぁぁぁ…………」ギュッ………

愛海P「……………………」

愛海「……今度こそ……ぐすっ………ホントに捕まっちゃったかと思って………それで………それで…………一緒に工口いことする……仲間が居なくなったら………どうしよう…………って………」ギュッ………

清良「……………………」

愛海「>>85」

87: 2015/10/19(月) 16:10:36.29 ID:C6B3gZuG0
愛海「愛海Pさぁぁぁぁぁぁぁん!!!」ギュウウウウ……!

愛海P「………………………」

愛海「…ぐすっ……ぐすっ………本当に………怖かったんだから…………」
ギュウウ………

愛海P「……当たってるぞ。」ポンポン

愛海「当たるほどないでしょ、ばかぁ………」ギュウウ………

愛海P「…大きさじゃないんだろ?。」

愛海「……あっ………………」

88: 2015/10/19(月) 16:11:11.35 ID:C6B3gZuG0
愛海P「俺は愛海の天保山も……好きなんだけどな………」

愛海「……ぐすっ………うわああああああん……ホントのホントに愛海Pさんだぁぁあ………」ギュゥゥゥゥ……

愛海P「……………ごめんな、愛海……」

愛海「……一緒に…お山についての談義をしてくれなきゃ………許してあげない…………」

愛海P「……朝までだって付き合うぞ………」ギュッ………

愛海「……うう……朝まで……工口工口………だからね……!」

愛海P「おう……!工口工口だ……!」

89: 2015/10/19(月) 16:12:05.30 ID:C6B3gZuG0
清良(…うーん…会話を聞く限り、捕まったのもあながち間違いではない気がするけど……)

愛海「ぐすっ…ぐすっ……ううう………愛海Pさん…………」
ギュウウウウ………

愛海P「愛海ぃ……!」ギュウウウウ………

清良(…愛海ちゃんたちの様子を見る限りは……ね。……今回に限って大目に見てあげる事にしましょう。……もうイイ声で泣いてるものね。)

清良「…………」チラ

鏡「……………………」

清良「……まったく…恥ずかしがり屋さんなんですから♪」

鏡「……………………」

清良「…………………………」

90: 2015/10/19(月) 16:13:45.74 ID:C6B3gZuG0
アトランタ レットの家



保奈美「まぁ………………!!」

沙紀「旅行中に作らせておいたんだ。どうです、奥様。あなたのご希望通りに作らせたつもりですが。」

保奈美「素晴らしいわ!あはははは、何て大きな家なんでしょう!近所の家がみんな納屋に見えるぐらいだわ!」

沙紀「僕は住むには広すぎると思うのだがね。」

保奈美「家に広すぎる、なんて事はなくてよ?屋敷って言うのは広ければ広いほどいいの!ああ、ここでならどんな大きなパーティーだってできるわ!」

沙紀「パーティー会場には最適な事は否定出来ないね。パーティー会場としては、ね。」

91: 2015/10/19(月) 16:15:13.63 ID:C6B3gZuG0
保奈美「はぁ………内装から家具から、壁にかけてある絵、それに手すりの細工のどれを取ったって、アトランタのどの家より……いえ、南部のどの家よりもずっと豪華で……誰だってこれを見たら……………」

沙紀「一目で悪銭で建てた事が分かるだろうね。」

保奈美「(またレットは…………)なんて口の悪い事を言うの?」

沙紀「事実を言っているだけじゃないか。こんな悪趣味な家は見た事が無い。」

保奈美「建てさせたのはあなたでしょ?」

沙紀「僕は建設業者に金を払って、君の意向を伝えただけに過ぎないよ。」

保奈美「…………………………」

92: 2015/10/19(月) 16:17:28.38 ID:C6B3gZuG0
沙紀「成金趣味も良いところだね。高級品を並べただけで、センスの欠片もありゃしない。」

保奈美「フン、私の知っている金持ちの家はみんなこんな感じよ。もっと見すぼらしいけど。」

沙紀「君の知っている金持ちと言うのは商売柄知り合った成金ばかりだろうからね。どうせ、全員渡り者や利権屋の連中だろう?」

保奈美「まさか。みんな立派な身なりをした、金払いの良い立派な人たちよ。」

沙紀「詐欺師と言うのは往々にして、そう言った人間に自分を見せる者なのだよ、お馬鹿なお嬢さん。」

保奈美「>>93」

94: 2015/10/19(月) 16:31:12.19 ID:C6B3gZuG0
保奈美「…………っ…………(否定できないわ……私自身も嘘で自分を塗り固めてきたから……)」

沙紀「本当に立派な方々は皆、貧乏と戦ってらっしゃるよ。金を持っているのは僕らみたいな悪人たちだけさ。」

保奈美「………………(でも………)」

沙紀「付き合っていて楽しい連中なのは間違いないだろうが、あまり親しくしすぎるのは感心しないな。」

保奈美「……別に詐欺師だったっていいじゃない。付き合っていて楽しいなら。」

沙紀「それも一つの考え方ではあるね。今が楽しければ、後がどうなろうと関係ない、と言うのは。」

95: 2015/10/19(月) 16:41:46.50 ID:C6B3gZuG0
保奈美「………何が言いたいの…?」

沙紀「いや……この家は確かに僕らにお似合いなのかもしれないとおもってね。」

保奈美「……………は?」

沙紀「……外装から内装まで確かにお似合いだ。これ以外は考えられないと言っても過言では無いね。」

保奈美「……言いたい事があるならはっきり言いなさい。」

沙紀「はははははは!だから、今言ったじゃないか。」

96: 2015/10/19(月) 16:50:23.39 ID:C6B3gZuG0
保奈美「…………………………」

沙紀「この家自体が、道行く人へここの住人がどんな人間かを説明してくれるんだ。自己紹介をする手間が省けて楽で良いじゃないか。」

保奈美「……ここに住んでいる人間はロクな人間じゃないって事を………かしら?」

沙紀「さあ、どうだか。」

保奈美「…………………………」

沙紀「それは僕が教える必要があることなのかね?」

97: 2015/10/19(月) 17:03:16.18 ID:C6B3gZuG0
保奈美「……フン、確かに言われるまでもないわね。私は悪人、そしてあなたも悪人よ。」

沙紀「ほぅ…………」

保奈美「…あなたの言う事は否定はしないわ。だけど悪人が悪人と付き合う事は、何かおかしな事かしら?」

沙紀「それがおかしい事ならば、僕には友人の一人だっていやしませんよ。」

保奈美「生まれつきの悪人のあなたならそうでしょうね。」

沙紀「ええ、仰る通りですよ。」

98: 2015/10/19(月) 17:12:13.05 ID:C6B3gZuG0
保奈美「……っ……私の部屋はどこ?」

沙紀「階段を上がって………まあ、部屋は幾らでも余ってるんだ。好きな部屋を使いなよ。」

保奈美「分かったわ。」

沙紀「それと…………」

保奈美「…………何?」

沙紀「……無理はするなよ。」

保奈美「……………………………」

沙紀「…………………………」

保奈美「……………ふん……」

99: 2015/10/19(月) 17:23:17.38 ID:C6B3gZuG0
夜 スカーレットの部屋



保奈美「はぁ……レットの口の悪さにはもう呆れ果てて腹も立たなくなってしまったわ。」

保奈美「最初のころは躍起になって言い返せそうとしていたけど……無駄だと分かったもの。」

保奈美「……結局、アイツには言いたいように言わせておくのが一番なのよ。……口が悪いのさえ除けば、あとは完璧だもの。」

保奈美「お金は幾らでも持ってる。愉快な遊びや話だってたくさん知っているし……何より顔が良いもの。」

保奈美「顔が良い男を連れて歩くって言うのがんなに楽しい事だったなんて。今まで知らなかったわ。」

100: 2015/10/19(月) 17:30:56.74 ID:C6B3gZuG0
保奈美「…綺麗なドレスや宝石を身につけて注目を浴びるのも気持ちが良いけど……ふふっ……レットといるのはもっと気持ちが良いわ。」

保奈美「……はぁ……口が悪いのと、根性がねじ曲がっている事さえなければ…………」

保奈美「……そしたら……私だってレットの事を少しは好きになってやるのに。」

保奈美「……どうしていつも、人を馬鹿にしていなければ気がすまないんだろう……」

保奈美「>>102」

103: 2015/10/19(月) 17:45:48.53 ID:C6B3gZuG0
保奈美「ん……?……この甲高い機械音は……!?」

キィィィィィィィ……

保奈美「…………っ……!!」

ィィィィィィィィィィィィ………!

保奈美「…………あっ…………ああ…………うあ……………………あああ………………!」

保奈美「……うう………………」

燭台「……………………」

保奈美「…………… …!」ガシ!

保奈美「……っく…………はぁ……はぁ…………!」スク……


104: 2015/10/19(月) 17:56:09.76 ID:C6B3gZuG0
保奈美「…………………」サッ…!サッ…!

保奈美「……っ………どこ……?!……どこなのよ………?!」

保奈美「……………はぁ………はぁ…………はぁ………………っ…………!」

保奈美「……昔の私と……一緒と思うなよ……!……逃げるものか……戦ってやる!」

保奈美「…………………ふぅぅ……………」

保奈美「……………………」
スタスタスタスタ ガチャリ……

105: 2015/10/19(月) 18:07:13.59 ID:C6B3gZuG0
廊下



保奈美「………………………」
スタ…スタ…スタ…スタ…スタ…

保奈美「…近くに……いるはず……!」

キィィィィィィィィィィ……!

保奈美「……っ!!……居る…居る…居る………!」

保奈美「………っ………っ…………ふぅ……………」グッ……!

燭台「…………………」

保奈美「……音がするのは………あっちの方だ………」
スタ…スタ…スタ…スタ…スタ…

106: 2015/10/19(月) 18:16:23.19 ID:C6B3gZuG0
〜〜〜

保奈美「……こっちで間違いない………でも……何で…………」

キィィィィィィィィィィィ……!!

保奈美「……音が近い……!そんな事を……考えている場合じゃ………ない………!」

キィィィィィィィィィィィ……!!

保奈美「………この部屋から…音が聞こえてくる………!」

ドア「…………」

保奈美「……………………」

保奈美「…………………」ガシッ!

保奈美「………………………!」

107: 2015/10/19(月) 18:26:27.87 ID:C6B3gZuG0
地下室



保奈美「……っ…!!」ガチャッ!

保奈美「うわああああああ……!!!」スッ………!!

沙紀「……?!ストップ、ストップ!」

保奈美「………………レット…?!」

沙紀「他の誰に見えるんだい?はぁ……何があったかは知らんが、とりあえずその振り上げた燭台を下ろしちゃくれんかね。僕の頭を叩き割るのが目的で無いのなら。」

保奈美「……………………」

沙紀「壺の次は燭台と来たか。…さすがにこれは予測が出来なかったな………」

108: 2015/10/19(月) 18:36:24.57 ID:C6B3gZuG0
保奈美「…………………………」

沙紀「怖い夢でも見たのかい?ふふっ、眠れないんだったら添い寝でも………」

保奈美「違う…違うのよ…!アレが……空飛ぶ鋸が……!!」

沙紀「…空飛ぶ鋸…………?」

保奈美「そう、そうよ!この街を……滅茶苦茶にしたアレの……音が……!…甲高い機械の音が聞こえたの………!!きっと……また………」

沙紀「………甲高い機械の音……………」

109: 2015/10/19(月) 18:47:51.73 ID:C6B3gZuG0
保奈美「だ、だから……その……早く………!!」

沙紀「はぁ……スカーレットお嬢さん、あなたが聞いた音とはこのような音ではありませんでしたか。」カチ

大型モーター「…」キィィィィィ……!!

保奈美「…………!!」

沙紀「……やはりね。経営者ともあろう方が、ご自分の工場の製品をご存知無いとはね。さっき技師が新製品の確認をして欲しいと持って来たんだよ。」

保奈美「………………………」

沙紀「>>110」

114: 2015/10/19(月) 21:41:52.27 ID:C6B3gZuG0
沙紀「怯える気持ちも分かるが、せめて工場の機械と機械兵の音の違いは分かってほしいね。」

保奈美「…………………………」

沙紀「自分の商売道具を怖がる商人なんて、とんだお笑い種じゃないか。しっかりしてほしいな。」

保奈美「………あっ………え、ええ……………」

沙紀「……………………………」

保奈美(………アレじゃ……無かった…………………)

沙紀「………ふぅむ…」

115: 2015/10/19(月) 21:42:31.81 ID:C6B3gZuG0
保奈美「え、えっと………その…………ごめんなさい………」

沙紀「いや、僕の方こそ悪かったよ。まさか君の寝室にまで機械の音が聞こえるとは思わなくてね。」

保奈美「……あ………いや………………」

沙紀「外に音が漏れないように、わざわざ地下室に持ち込んでまで確認をしたと言うのに………本当に聞こえたのかい、スカーレット。」

保奈美「……ええ……はっきり聞こえたわ………機械の……甲高い音が………………」

沙紀「………はっきりと?」

保奈美「………………」コク……

116: 2015/10/19(月) 21:43:35.97 ID:C6B3gZuG0
沙紀「…………………………」

保奈美「……それで………私……てっきり……また……アレが…街を襲っているのかと……思って…………」

沙紀「………………………」スクッ……

保奈美「……だから……その……また…………私たちが作り上げてきたものが…………全部……壊されてしまうんじゃないか…………って…………」

沙紀「………………」スタスタスタスタ……

保奈美「……そしたら…………また………………」

沙紀「………………」ギュッ……

保奈美「?!」

117: 2015/10/19(月) 21:46:51.29 ID:C6B3gZuG0
沙紀「………………」ナデ……ナデ……

保奈美「……な、な、何を………?!」

沙紀「震えている女性を落ち着けさせるには、これが一番なのだよ。」

保奈美「………私は……別に……震えてなんか………」

沙紀「……手を見なさい。」

保奈美「………手………………」
カタカタカタカタ…………

保奈美「…………………………」

118: 2015/10/19(月) 21:47:49.90 ID:C6B3gZuG0
沙紀「………そんなに機械兵が怖いのかい…?」

保奈美「……こ、怖い……?…そんなわけ……ないじゃない…………怖かったら……機械人形の工場なんて………………」

沙紀「……君が現場を視察するのは、何時だって機械が止まっている時と自分で気付いていたかい…?」

保奈美「…………………………!!」

沙紀「どうやら自覚は…無かったようだね……」ナデ……ナデ……

保奈美「……………………………………………………」

119: 2015/10/19(月) 21:48:53.26 ID:C6B3gZuG0
沙紀「……まったく……機械人形が怖いなら、もっと別の仕事を選ぶべきだっただろうに。……君は実にばかだなあ。」

保奈美「…………だって………北軍に……復讐しないといけなくて…………そのためには……力が必要で………………」

沙紀「音が聞こえたぐらいでその様子じゃ復讐なんて、夢のまた夢だと思うがね。」

保奈美「…………っ……!!」

沙紀「……無理な事はしようとするものじゃない。お嬢さん、それは子供が月を捕まえたいと願うのと同じ事だよ。」

保奈美「……あなたに……何が分かるって言うのよ………!!」

沙紀「…………………………」

120: 2015/10/19(月) 21:51:30.03 ID:C6B3gZuG0
保奈美「北軍は……私たちから……全てを奪ったのよ……そして……今も…………っ…………!」

沙紀「………………」ナデ……ナデ……

保奈美「あなたには………あなたには………っ………うう……………」

沙紀「………………………」
ナデ……ナデ……

保奈美「………その為に………私は…………ううう…………」

沙紀「>>121」

123: 2015/10/19(月) 22:00:38.01 ID:C6B3gZuG0
沙紀「悪かったね……君がそんなに……傷ついていたとは……」

保奈美「……うるさい……!…あなたなんかに……同情されたくないわ……!」

沙紀「………………………」

保奈美「……そんな……優しくしないで……!……あなたは悪党の無頼漢でしょ……!いつもみたいに……皮肉を言いなさいよ……!」

沙紀「…………………………」

保奈美「……私は……傷ついてなんかいない…………決めつけないで……!何にもわからないくせに……!」

124: 2015/10/19(月) 22:07:13.56 ID:C6B3gZuG0
沙紀「……僕は君に優しくしたら……いけないのかい?」

保奈美「…いけないわよ……!だって……だって………何で……あなたなのよ………!何で………何で…………っ………うう…………」

沙紀「……………………」

保奈美「……何で………私にそんな言葉を最初にかけてくれたのが……あなたなのよ………!………うう………ううううう…………」

沙紀「…………………」ギュッ……

保奈美「……どんな男の人も……そんな簡単な事を………言ってはくれなかったのに…………何で…………」

125: 2015/10/19(月) 22:13:44.90 ID:C6B3gZuG0
沙紀「…………辛かっただろうね……」

保奈美「うるさい…!…そんな……在り来たりな言葉で……私が満足すると思わないで……!」

沙紀「…………………………」

保奈美「……私は……私は…………!……っ………………うう……………」

沙紀「…………………………」

保奈美「…何なのよ……もう…………あなたなんか…………大嫌いよ…………!」

126: 2015/10/19(月) 22:21:26.16 ID:C6B3gZuG0
沙紀「なるほど……スカーレット。僕らはとことん反目し合うように出来ているみたいだ。」

保奈美「………何よ……?!」

沙紀「……僕はね、君の事が大好きなんだ。」

保奈美「こんな時にまで冗談は………!」

沙紀「冗談で言ってるとでも?」

保奈美「…………………」

沙紀「……ふふっ……『狼少年』の気持ちがよく分かる………」

保奈美「…………………………」

127: 2015/10/19(月) 22:28:19.92 ID:C6B3gZuG0
沙紀「冗談ばかり言ってると、終いには信用されなくなってしまう。……自業自得、ここに極まれり、だね……」

保奈美「………………………」

沙紀「……本心から言ってるのさ。君が僕にしか見せた事がないように、僕の君にしか見せた事がない本心から、ね。」

保奈美「……………………………」

沙紀「…これを冗談と思われるのは……さすがに悲しいな。仕方が……ないんだが…………」

保奈美「…………………………」

128: 2015/10/19(月) 22:37:22.54 ID:C6B3gZuG0
沙紀「……それと、感違いしてほしくないんだが、僕は君に同情しているわけじゃない。……ただ……幸せになってほしいだけなんだ。」

保奈美「………また……そんな事を………どうせ…それも…………」

沙紀「……………………………」

保奈美「………………………」

沙紀「……人の話は最後まで聞くものだよ、スカーレット。」

保奈美「……………………」

沙紀「急くのが君の悪い癖だ。」

129: 2015/10/19(月) 22:45:46.06 ID:C6B3gZuG0
保奈美「………優しくしないで…って……言ってるじゃない……!…あなたの言葉でも縋り付いてしまいそうな自分が居るのが………よく分かるのよ………!」

沙紀「それは何か問題が…?」

保奈美「…………っ……」

沙紀「……君が僕の事をどう思っていようと構わん。だがね、僕は君にいくら嫌われようが優しくさせてもらうよ。……君の嫌がる事をするのが僕の趣味だからね。」

保奈美「>>130」

131: 2015/10/19(月) 22:58:08.49 ID:C6B3gZuG0
保奈美「ずるいわ……あなたは……」

沙紀「知らなかったのかい?」

保奈美「………知ってたわよ……」

沙紀「…………ふふっ……」

保奈美「……最初に出会った時からそう………いっつも……人が一番嫌がる事ばかりして……」

沙紀「怒った君がとても魅力的だったからさ。」

保奈美「……………ふん……」

132: 2015/10/19(月) 23:07:13.51 ID:C6B3gZuG0
沙紀「……良いところだけ掻っ攫わせてもらうよ。その為に持てる財力を活用させてもらったんだ。」

保奈美「お金じゃ…愛は買えないわよ……?」

沙紀「きっかけを作る事は出来るさ。好みの女性を見つけてお茶に誘うのだって、お茶の代金は必要だろう?」

保奈美「…お茶に比べたら……随分と高くついたわね……」

沙紀「安いものさ。これより有用な使い方は無かったと思っている。」

保奈美「……さらにかかるわよ…………?」

沙紀「ははは、分かってるさ。」

133: 2015/10/19(月) 23:14:18.67 ID:C6B3gZuG0
沙紀「普通の人間が猫を飼って満足している中、わざわざ喉笛に噛み付かれる危険を背負ってまで獅子を飼ったんだ。餌代はかかって当然だね。」

保奈美「…損することばかりで、一切得する事がないじゃないの………馬鹿じゃない……?」

沙紀「いやいや、まず第一に周りに自慢できる。第二に日常に刺激が出る。第三に……僕は獅子でなきゃ満足できないのさ。」

保奈美「………やっぱり馬鹿なんじゃない………」

沙紀「男なんてそんなものさ。紳士諸君については知らんがね。」

保奈美「…………ふふ………」

134: 2015/10/19(月) 23:22:20.88 ID:C6B3gZuG0
沙紀「………さあ、お嬢さん。良い年をした男の純真なる告白をせせら笑った事で少しは元気が出たかな?」

保奈美「………ええ…中々笑えたわ。」

沙紀「ふふっ……それは結構。ああ、ひょっとして今夜は怖くて一人で寝れないなんて事はありませんかな?」

保奈美「お生憎様。夢見は良い方なの。」

沙紀「それはそれは…………」

保奈美「残念ね。ふふふ………」

135: 2015/10/19(月) 23:31:54.02 ID:C6B3gZuG0
北軍 総司令部



時子「久しぶりね、シャーマン。いつ以来になるかしら?」

晶葉「戦勝記念祝典以来になります。」

時子「へぇ……道理であなたがどんな顔をしていたか思い出せなくなるはずだわ。私の記憶の片隅に留め置いてもらえた事に感謝なさい。」

晶葉「はい、光栄の至りに存じます。」

時子「で、何が目的でここにやって来たの?」

晶葉「はて?目的……と申しますと?」

時子「とぼけてんじゃないわよ。あなたが上司の顔を拝みに来るような人間のはずがないでしょう。」

136: 2015/10/19(月) 23:40:49.74 ID:C6B3gZuG0
晶葉「おやおや、それは何とも心外ですねぇ。私は何時でも北部連邦の事を考えて………」

時子「私の時間は貴重なの。これ以上私に時間を無駄にさせるつもりなら、この場で叩き返させるわよ?」

晶葉「……それは困りますね。」

時子「ならさっさと本題に入りなさい。私の耳に入れるべきだと思ったからここに来たんでしょう?いいわ、今日は気分が良いから聞いてあげる。話しなさい。」

晶葉「ありがとうございます。」

時子「もしくだらない話だった場合は……」

晶葉「分かっています。何、私とあなたの両方にとって利益のある話ですよ。」

137: 2015/10/19(月) 23:52:43.15 ID:C6B3gZuG0
時子「大した自信ね。まるで自分には失敗などありえない、なんて考えているような。」

晶葉「まさか、私とて人の子である以上失敗の一つや二つはありますよ。……それで、話と言うのはシェリダンの事なんですがねぇ。」

時子「ああ、確か氏んだんだったわよね。」

晶葉「はい、南軍の残党に………惜しい人物を失いました。」

時子「ハッ、南軍の残党如きに殺られような役立たず、氏んで当然よ。」

晶葉「>>139」

142: 2015/10/20(火) 16:01:59.19 ID:N6rFUvrH0
晶葉「ごもっともです。して、シェリダンの後釜にこの者を推薦したいと……」

麗奈「…………」スタスタスタスタ ストン

晶葉「…シェリダンなんぞより遥かに優秀である事は私から保証させていただきます。」

麗奈「………………」

時子「…誰?」

晶葉「それは私も知りません。」

時子「アァン?」

143: 2015/10/20(火) 16:03:39.27 ID:N6rFUvrH0
晶葉「ですから私も知らないのですよ。コレが人間であった時の名前など、ね。」

時子「……ああ、なるほど。コイツはあなたの新しい玩具って訳ね。」

晶葉「恥ずかしながら。クク……素晴らしい玩具ですよ、コレは。」

麗奈「…………………」

晶葉「何せ私の今までにおける生涯の中での最高傑作なのですから。」

時子「最高傑作?コレが?」

晶葉「はい、これを超える作品は神と言えども作り出す事は不可能でしょう。」

144: 2015/10/20(火) 16:04:21.56 ID:N6rFUvrH0
時子「……私にはただの趣味の悪い仮面をつけたガキにしか見えないんだけど?」

晶葉「ククク……分かりました。では…………」パチン

麗奈「…………」シュバッ!

時子「なっ?!き、消え………」

麗奈「………………」ピタ

ナイフ「…………………」

時子「……っ?!(……この私の背後を取っただけでなく………首筋に…ナイフを…………)」

麗奈「……………………」

145: 2015/10/20(火) 16:05:46.56 ID:N6rFUvrH0
時子「…………っ……!」ゾワリ……

晶葉「クックックック……これが私の最高傑作の力です。身を以て味わっていただけた事と思われますが?」

時子「…………………………」

麗奈「…………………」

時子「……っ!!こ、コイツに早く私から離れるように言いなさい!」

晶葉「おっと、失礼。ククク……離れて差し上げろ。」

麗奈「…………………」ス……

146: 2015/10/20(火) 16:06:32.06 ID:N6rFUvrH0
時子「あ、あなたねぇ……!私にこんな事をしてただで済むと………!」

晶葉「今のがソレの性能を最も明確かつ迅速にご理解いただける方法だと考えましたので。申し訳ありませんでした。」

時子「謝ってすむと………!」

晶葉「…………」スッ

時子「!」ビクッ

晶葉「………私の話を聞いていただけますか?」

時子「…………っ……!!」

147: 2015/10/20(火) 16:07:42.50 ID:N6rFUvrH0
晶葉「ククク……ご自分が反応すら出来なかったからと言って、それを恥じられる必要はありませんよ。当然の事なのですから。」

時子「…………………」ギリ……

晶葉「ソレは私が遺跡から出土した技術を元に開発した『DG細胞』で全ての能力を人間の限界を超えて遥かに高めてあります。クックックックック……代償として声や感情などを完全に失ってしまいましたがね。」

麗奈「………………………」

晶葉「さあ、グラント様。コレをシェリダンの後釜に据えてはいただけないでしょうか?」

時子「>>148」

155: 2015/10/20(火) 17:19:05.23 ID:N6rFUvrH0


時子「……っ……好きになさい…」

晶葉「と言いますと?」

時子「………あなたの言う通りにしてやるって……言ってるのよッ…!」

晶葉「クックックックック……では承認していただける、と言う事ですね?」

時子「………そうよ…!」

晶葉「クク……賢くあられるグラント様ならそう言っていただけると信じていましたよ。」

時子「…………………」ギリギリ…!

150: 2015/10/20(火) 16:35:12.89 ID:N6rFUvrH0
晶葉「やはりお願いしてみて正解でした。ありがとうございます……グラント将軍。」

時子「……あまり……調子に乗るんじゃないわよ……」

晶葉「はて?」

時子「……私が一言命令しさえすれば……………」

晶葉「1機あたり50人、と言ったところですねぇ。無謀な勝負はあまりお勧めしませんよ?クク………」

時子「………?!」

晶葉「…ククク……勝負というのは始めるまえに既に決着がついているものなのですよ?」

151: 2015/10/20(火) 16:49:42.24 ID:N6rFUvrH0
時子「………っ…………っ…………!」

晶葉「クックックック……!まあ、我々が万が一にも衝突するような事態はありえないでしょう。私とあなたの関係が友好的である限りは、ね。」

時子「……自分が何をしているのか……理解できているの……?」

晶葉「ええ、これからは私めが北軍の指揮をとらせてもえらえると言う事がね。」

時子「………………………………」

晶葉「ククク……そうでしょう?」

時子「……っ!!そ、そうよ…………!!」

152: 2015/10/20(火) 17:03:27.74 ID:N6rFUvrH0
晶葉「私とあなたは気があうようですねぇ?クク……では、そろそろ大事な話に移らせていただきます。私とあなた…最初にこぼした通り双方に利益の…ある話です。

時子「早く話しなさいッ!…私を何をすればいいの?!」

晶葉「簡単な事です。少しだけ私に協力していただきたいのです。」

時子「………………まさか…………?!」

晶葉「ククク……共通の敵を前にして人は団結を初めてします。……大統領選挙に出馬するそうではありませんか。票が欲しくはありませんか……?」

時子「………………………………」

154: 2015/10/20(火) 17:16:49.43 ID:N6rFUvrH0
タラ農園 屋敷 廊下



櫂(てっきり北軍の砲撃で破壊されてしまったものとばかり思っていたけど………まさかまだ残っていただなんて……)スタスタスタスタスタ……

櫂(…………これは……僕にあの力を使え……と言う事なのだろうか……あの力を使って……戦えと……?)
スタスタスタスタスタ……

櫂(……でも……戦争が終わった今……『ホワイトドール』の封印を解くのは……………)スタスタスタスタスタ……

聖「……………」ブツブツブツブツ……

櫂(…………僕は一体……どうすれば……………)スタスタスタスタスタ……ドン!

聖「きゃっ?!」バタッ…!

櫂「……?!……すまない、キャリーン!」

156: 2015/10/20(火) 17:25:17.71 ID:N6rFUvrH0
聖「……えっ……?……あれ…………?……………?!?」

櫂「立てるかい…?」スッ……

聖「…………え、えっ…と…………?」

櫂「…………キャリーン?」

聖「…………あっ……………あ、ありがとう……ございます……?」スッ……

櫂「………あ、ああ…」グイッ

聖「……………………」ストン

櫂「……………………………………」

157: 2015/10/20(火) 17:32:37.18 ID:N6rFUvrH0
聖「……あの……私……何が…………あったんですか……?えっと………お祈りをしてて……それから…………」

櫂「…今のは、僕とぶつかってこけたんだけど…………?」

聖「……あっ……そう、なんです…か……?」

櫂「………………………………」

聖「あの……ごめんなさい………お祈りに……夢中になってて……たぶん………」

櫂「…………………………」

聖「>>158」

159: 2015/10/20(火) 17:43:09.21 ID:N6rFUvrH0
聖「ピニャコラドール様にお祈りすれば……スエレンも戻ってくるはず…だから…………」

櫂「………………………」

聖「…ピニャコラドール様はいつでも……私たちを見守ってくれて、いるから………お祈りを続ければ…………」

櫂「……キャリーン。」

聖「………何…ですか………?」

櫂「……どのくらいの間、きちんと寝ていない?」

聖「…えっ………?」

160: 2015/10/20(火) 17:51:21.53 ID:N6rFUvrH0
櫂「……目の下の隈が酷い……相当長い間、きちんと眠れていないんじゃないかい……?」

聖「………え、えっと…………スエレンが居なくなってから………その………全然……寝れなくて……………」

櫂「……スエレンが………ということは…もう一カ月違いじゃないか……!その間…ほとんど一睡も………?!」

聖「……は、はい……………」

櫂「……………っ…………!」

聖「……怖くて………寝れないんです……………」

161: 2015/10/20(火) 17:58:10.34 ID:N6rFUvrH0
櫂「怖い…って言うと…………」

聖「……はい……スエレンが……もし帰ってこなかったら……どうしよう……って…………」

櫂「…………………………」

聖「……みんな………スエレンの事を…悪く言うけど…………スエレンも……大切な家族…なのに………………」

櫂「………………………………」

聖「……もう……誰かが居なくなるのは……いや……だから………………とっても……怖いんです………………」

162: 2015/10/20(火) 18:06:35.26 ID:N6rFUvrH0
櫂「………寝れない間は…何を…………?」

聖「お祈りを……してました……お祈りをしていると……心が……少しだけ落ち着くんです………」

櫂「………………………」

聖「…あの……みんなには…言わないでください……特に……お父さんには………心配……させたくないから………………私は……平気………だか………」フラ……

櫂「……!!」ガシ!

聖「………………………」

櫂「…っ!キャリーン!キャリーン!」

163: 2015/10/20(火) 18:13:13.77 ID:N6rFUvrH0
聖「……あっ………ご、ごめんなさい………」

櫂「……良かった………大丈夫なんかじゃないじゃないか……」

聖「…………………………」

櫂「……えっと……とりあえず…………」

聖「……あああっ……!!」

櫂「どうした?!」

聖「声が……聞こえる………!!……いや……私の中に……入ってこないで………!!」

164: 2015/10/20(火) 18:20:43.32 ID:N6rFUvrH0
櫂「……声?!……声とは何だ?!」

聖「声が……聞こえるの……!……毎晩……毎晩……ずっと……声が………!頭の中を……蛇がのたうちまわる………!」

櫂「……っ…!…えっと……………」

聖「止めて!私たちは……敵じゃ……ないよ………怖く……ないよ………?」

櫂「…会話……しているのか………?……誰と………?」

聖「うう……怖い……怖い…………怖いよ…………」

165: 2015/10/20(火) 18:30:40.59 ID:N6rFUvrH0
聖「みんな……もう起きるつもりはなかったのに……もう……戦いたくなんか………なかったのに…………どうして………起こしちゃったの………?」

櫂「…っ…!みんなとは…誰なんだい?」

聖「みんな……は………土の中で……ずっと……眠っていたの………」

櫂「土の中……?!」

聖「…なのに…………ああ……………」

櫂「>>166」

168: 2015/10/20(火) 18:38:36.47 ID:N6rFUvrH0
櫂「(聞かなかったことにしたいが……)つまり、どういうことだい?」

聖「…このままじゃ……みんな……氏んじゃう………みんな………みんな…………」

櫂「………それは……ひょっとして……文明の浄化じゃ……ないか………?」

聖「……うん………一回……終わる前に……終わらせないと………本当に………終わっちゃう………から…………」

櫂(………もしやと……思ったが…………)

聖「みんなも……そんなことは……したくないのに………!」

169: 2015/10/20(火) 18:44:34.73 ID:N6rFUvrH0
櫂「……文明の……浄化を行うのは…………?」

聖「……光の………蝶…………」

櫂「……………………………」

聖「……光の………蝶………月光蝶が…………全部を……始まりへ……………」ガク……

櫂「?!」

聖「…………………」

櫂「キャリーン!しっかりしろ、キャリーン!」

170: 2015/10/20(火) 18:53:10.19 ID:N6rFUvrH0
聖「…………………………」

櫂「…っ……脈は………?」ギュッ

櫂「……良かった……弱ってはいるけど……脈はちゃんとある………」

聖「………………………」

櫂(…本当に……声を聞けたのなら……キャリーンは…………)

櫂「……ウィル!メラニー!今すぐ来てくれ!キャリーンが!」

聖「………………………」ツー……

櫂「………………涙………」

171: 2015/10/20(火) 19:00:25.21 ID:N6rFUvrH0
櫂「……信じたくないが……古文書に書かれていた内容は………本当だった………これが……偶然なんて事は考えられない………」

櫂「……世界に……『始まりのための終わり』がもたらされてしまう………ああ………何ということだ………!」

櫂「どうすれば……そうだ……古文書を…………………ああ…古文書は……全部……屋敷と一緒に……焼けてしまったじゃないか……」

櫂「……せめて……父さんが居てくれれば古文書が無くとも………まだ……光はあったのに…………」

櫂「………世界が……………!」

聖「……………………」

172: 2015/10/20(火) 19:10:15.66 ID:N6rFUvrH0
都内某所 とある古書店



ノーバwithはたき「……♪」パタパタ

書棚「……………」

ノーバ「………♪」パタパタ

文香叔父「ノーバくん。」

ノーバ「………!」

文香叔父「今日も人一倍……怪獣一倍熱心な働きぶりだね。お疲れ様。」

ノーバ「………」ペコペコ

文香叔父「そう畏まらないでくれて構わないよ。君はこの書店で二番目に偉いんだから。……と言っても、店員は僕と君の2人しかいないんだがね。ふふふ………」

173: 2015/10/20(火) 19:18:54.05 ID:N6rFUvrH0
ノーバ「…………?」ヌーン

文香叔父「ああ、今帰ったところさ。…これを引き取ってほしいと言われてね。」スッ

『皮表紙の本』「…………」

文香叔父「確かにこれは……普通に暮らしている人の手には、余るものだ。」

ノーバ「…………………」

文香叔父「そう、存在に罪は無いが、存在することによって周りに良くも悪くも、強い影響を与える。」

ノーバ「………………」

文香叔父「>>176」

179: 2015/10/20(火) 22:06:57.14 ID:N6rFUvrH0
文香叔父「先の連続ミイラ化殺人事件の犯人が持っていたらしくてね……文香の事務所の何人かとも関わりがある物なんだ。」

ノーバ「………?」ウネウネ

文香叔父「ああ……魔翌力が内包されている。いわゆる『魔導書』だ。」

ノーバ「………………」

文香叔父「……この魔導書が内包する魔法は2つ。異世界との扉を開く『召喚』とそれに命令を下せる『使役』の魔法だ。」

ノーバ「…………?」

文香叔父「良いところに気が付いたね。そう、通常の魔導書が内包出来る魔法は1冊につき1つだ。」

180: 2015/10/20(火) 22:07:36.43 ID:N6rFUvrH0
ノーバ「……………」ウネウネ

文香叔父「ただし、通常の魔導書における限りは、だ。通常の魔導書、と言うのは魔導書の中でも最もランクの低い物なんだ。」

ノーバ「?!」

文香叔父「魔導書の約90%はこれだ。1冊につき1つの魔法とその応用が使える。」

ノーバ「………………………」

文香叔父「次のランクの魔導書、これは全体の約9%を占める。2つの魔法が内包されているのが特徴さ。この魔導書はこのランクに当たる。」

『皮表紙の本』「…………」

文香叔父「扱う事の出来る人間も少なくなる。」

181: 2015/10/20(火) 22:08:20.46 ID:N6rFUvrH0
ノーバ「………………?」

文香叔父「…ああ、残りの1%は3つの魔法を内包する最高位の魔導書さ。存在が幻と言われてあるものさえある程貴重なもので、ほとんど存在しない。」

ノーバ「…………………」

文香叔父「これを扱える人間はさらに少ない。同じ時代には両手で数えられるだけしか存在しない。」

ノーバ「…………………………」

文香叔父「そう、それだけ強力という事さ。使い手がその気になれば街の1つや2つは地図から消せるぐらいにね。」

182: 2015/10/20(火) 22:10:27.23 ID:N6rFUvrH0
ノーバ「………?」ウニョウニョ

文香叔父「……表向きはね。しかし、どんな物にも例外は必ずある。全ての魔法を内包する魔導書、理の外にある魔導書が存在するんだ。」

ノーバ「………?!」

文香叔父「最強の力さ。物理法則さえ捩じ曲げる事が出来る程のね。世界を終わらす力があるとも言われている。」

ノーバ「………………………?」

文香叔父「安心していい。これはあくまで伝説上の存在だ。この力が世界を終わらす事はない。」

ノーバ「…………………………」

文香叔父(……尤も、伝説上の存在と言っただけで、実在していないとは言っていないが。)

183: 2015/10/20(火) 22:11:31.20 ID:N6rFUvrH0
文香叔父「……話が逸れたね、元に戻そう。……要約すると、このランクの魔導書はおいそれと手に入る物じゃないって事さ。」

ノーバ「……………?」

文香叔父「当然その疑問に辿り着く。何故その道の者でもない人間が、こんな物を持っていたのか……」

ノーバ「……………………」

文香叔父「ああ。しかも使いこないしていたらしい。あり得ると思うかい、偶然貴重な魔導書に貴重な使い手が現れるとは。」

ノーバ「………………」フルフル……

文香叔父「…僕も同意見だ。」

184: 2015/10/20(火) 22:13:16.46 ID:N6rFUvrH0
ノーバ「………………?!」

文香叔父「いや、そこまでは分からない。今の段階で決めつけるのは早計だろう。」

ノーバ「……………………」

文香叔父「…素質を見抜き、魔導書を与えた存在がいる。……とはあまり考えたくないからね。」

ノーバ「………………………」

文香叔父「まずはこの魔導書を調べてみなくてはならないだろう。読み解いてみない事には結論が出せない。」

ノーバ「…………………」

文香叔父「>>186」

187: 2015/10/20(火) 22:30:33.26 ID:N6rFUvrH0
文香叔父(魔導書と『天の姫』、様々な種族と力……それらを繋げるあの事務所……場合によっては本当に世界を終わらせるかもしれない………)

文香叔父(………………………)

文香叔父(…意思の有無に関わらず、それだけの力があそこにあると言うのは確かだ。)

文香叔父(世界を救う力を持っている、という事はまた逆も然りだ。力事態に善悪は存在しない。力を使う者に善悪は存在する。)

文香叔父(………あの事務所は驚くべき場所だ……どの様な文献を紐解いてみても、あれ以上の多様性と調和に満ちた場所は存在しない。)

文香叔父(……誰も実現し得なかった事を実現していると言ってもいい。)

188: 2015/10/20(火) 22:39:19.09 ID:N6rFUvrH0
文香叔父(……力に驕る者もいない……力のある者は、それを己の大切な存在を守るためにのみ使っている。)

文香叔父(…力を持つ者を恐れる者もいない。己と異なる存在を迫害し、排斥しようとする者が存在しない。)

文香叔父(そして………………)

文香叔父(…力を持つ者を……決して孤独にする事がない………………)

文香叔父(……そうだ……世界を終わらせる力を持っていたとしていたとしたら……何だと言うんだ……)

文香叔父(本人が望んで得た力じゃ……ないじゃないか…………)

189: 2015/10/20(火) 22:52:53.39 ID:N6rFUvrH0
文香叔父(…強大すぎる力は……所持者を孤独にさせる……強大な力と言う存在そのものが、恐怖の対象となりうるからだ。)

文香叔父(…当然だろう。対等な立場にない者を人間は信用出来ない……怖いからだ。恐ろしいからだ。相手に対してなす術が無いと言うのは……)

文香叔父(…もし信用出来るのだとしたら……それは、相手を完全に確信を持って信じる事が出来る………強き精神の持ち主だけだろう。)

文香叔父(……それが出来る人間はほんの一握りしかいない……殆どの人間は、そのように強くない…………)

文香叔父(…人間は……弱い生き物だ…………異物を憎み、強者を恐れる。)

文香叔父(…だとすれば…………………………)

190: 2015/10/20(火) 22:59:35.76 ID:N6rFUvrH0
ノーバ「……………………??」

文香叔父「……む………」

ノーバ「………………??」

文香叔父「いや、少し考え事をしてしまっていたんだ…………済まないね。」

ノーバ「………………」フルフル

文香叔父「…………………………」

ノーバ「…………………………」

文香叔父「…………………………」

ノーバ「………………?」

文香叔父「……何だ……よく考えたら……君たちとだって仲良くなれたじゃないか……」

191: 2015/10/20(火) 23:18:29.30 ID:N6rFUvrH0
文香叔父「………僕らは皆愚かで醜いのかもしれない……だが……信じる事だって出来るんだ。」

ノーバ「……………」ウネウネ

文香叔父「……………ありがとう……」

ノーバ「……………………」

文香叔父(……世界は終わらないさ……………だって、彼女を誰よりも一途に思ってくれている相手が…いるのだから…………)

文香叔父(……あれほど嫌っていた世界を終わらせられだけの力を……自分の持つ力を……大切な存在を守れた誇りとまで……言ってくれるようになったのだから…………)

192: 2015/10/20(火) 23:30:08.81 ID:N6rFUvrH0
公演会場3階 特別席



文香「………………………………」

文香「……私の書いた物で……たくさんの人が喜んでくれる…………ずっと……傷付ける事しかできないと……思っていたのに………」

文香「………とても…嬉しい…………言葉に…できないくらいに………」

文香「……………………………」

ファサ……

文香「…………!」

文香P「…………………寒い…………かなって……………」

文香「………………………………」

193: 2015/10/20(火) 23:41:27.14 ID:N6rFUvrH0
文香P「…………あ………えっと………………ひ、ひざ掛け…………あったら………………寒くない……かな……って…………」

文香「…………………………」

文香P「………冷える……から…………だから………その………え、えっと………………うう…………よ、余計なお世話…………かも………だけど……………………」

文香「……………………………」

文香P「…………あの………ね…………」

文香「………っ………」ツー………

文香P「?!」ビクッ…!

文香「>>195」

196: 2015/10/21(水) 00:04:44.59 ID:GxGITr+g0
安価把握

フラグを回収した側からフラグを立ててしまいます……

保奈美「『付き合うと言う事』」【2】

引用: 保奈美「『付き合うと言う事』」