173: 2014/05/09(金) 01:24:27 ID:u02WytFQ0
前回:エレン「この長い髪を切る頃には」【その2】
バスや列車を乗り継ぎ、途中でタクシーを使ってその場所に移動してみると、沢山の人がいた。
家族連れもいるし、お年寄りの人もいる。訪れたその物産館では、多くの新鮮な野菜やお弁当が売られてた。
オレはいきなり団子とかいう饅頭と、親父用に酒のつまみをいくつか選んで買う事にした。
ミカサはクッキーの袋をいくつか持っていた。二人で会計を済ませてアルミン達より先に店の外に出た。
するとそこに、偶然、ソフトクリームを外で食べているサシャとクリスタと出会った。
サシャ「あ、ミカサ! こっちにきたんですね!」
クリスタ「やっほー! もう紫芋ソフトクリーム食べた?」
ミカサ「いいえ、さっき来たばかりなので。今から買おうと思ってる」
サシャ「早くしないとなくなりますよ! 一日限定個数販売ですから!」
ミカサ「そ、そうなの? それは知らなかった」
本当だ。すっげー人が並んでる。限定って言葉に釣られてるな。
オレもミカサと一緒に後ろの列に並んでみた。
しかし………
ミカサのところでラスト1個を言われ、オレの分まで回ってこなかった。
ミカサ「エレン、食べたい?」
エレン「まあ、そりゃあ……でも残り一個なら、半分こするしかねえよ」
ミカサ「そうね。では半分こしましょう」
ミカサが先に譲ってくれたので甘える事にする。
ミカサ「お味はどう?」
エレン「あんめ! あ、でもほのかに芋の味もするぞ」
ミカサ「で、では私も……」
回して食べようとした、その時……
ジャン「ちょっと待ったああああああ!」
今度は何なんだよ! ジャンがこっちに突進する勢いで近づいてきた。
174: 2014/05/09(金) 01:25:09 ID:u02WytFQ0
ミカサ「?」
ジャン「さじ! さじで食え! 買ってくるから!」
ミカサ「面倒なのでいい」
ジャン「いや、ダメだって。つか、気づいてねえのか?!」
ミカサ「何が?」
ジャン「何がって、そういう食べ方、間接キスっていうだろ?!」
ああ? それがどうしたんだよ。
何か悪いのか?
ミカサ「ごめんなさい。気づいていなかった。エレン、そういうの苦手?」
エレン「んにゃ別に。ほら、早くしないと溶けるぞ」
ミカサ「おっとっと」
ソフトクリームなんだし、溶けるだろ。早く食わせてやりたいのに。
垂れたそれをミカサが器用に掬って舐めた。
その仕草が色っぽい。ちょっとラッキーな気分になった。
ミカサはソフトクリームが溶けきる前に全部食べた。
ジャン「………………」
ミカサ「ジャンも、もしかして食べたかったの?」
エレン「運が悪かったなー。残り一個だったんだよ。悪いな」
ミカサ「ひ、一口あげれば良かったのかしら。ごめんなさい」
ジャン「いや、そういう話じゃないんだ。うううう……」
あーもう、面倒臭い奴だな。
ミカサ「ジャン、そんなに落ち込まないで。いつかまた紫芋のソフトクリームを食べる機会はきっとある」
ジャン「いや、ソフトクリームはどうでもいいんだが……はあ。もういいよ」
どっか行っちまった。はあ。全く。
エレン「あんま気にするなって。ジャンはいろいろ気にし過ぎだ」
ミカサ「そうね。ちょっと神経質な部分があるのね。きっと」
アルミン「いや、君らの方が大雑把な気がするけれど」
アルミンにも言われた。いやだって、ソフトクリームが勿体ないだろ。
ミカサ「そう? でも、せっかくのソフトクリームが」
アルミン「いや、それは分かるけども。ここ、周りに人がいっぱいいるし、どう見てもその感じ、ただのカップルにしか見えないよ」
ミカサ「え?」
エレン「はあ?」
カップル? そうか?
別にこんなの、カップルじゃなくても家族でも友達でもするだろ?
オレ、アルミンとでも似たような事、出来るぞ?
ジャン「さじ! さじで食え! 買ってくるから!」
ミカサ「面倒なのでいい」
ジャン「いや、ダメだって。つか、気づいてねえのか?!」
ミカサ「何が?」
ジャン「何がって、そういう食べ方、間接キスっていうだろ?!」
ああ? それがどうしたんだよ。
何か悪いのか?
ミカサ「ごめんなさい。気づいていなかった。エレン、そういうの苦手?」
エレン「んにゃ別に。ほら、早くしないと溶けるぞ」
ミカサ「おっとっと」
ソフトクリームなんだし、溶けるだろ。早く食わせてやりたいのに。
垂れたそれをミカサが器用に掬って舐めた。
その仕草が色っぽい。ちょっとラッキーな気分になった。
ミカサはソフトクリームが溶けきる前に全部食べた。
ジャン「………………」
ミカサ「ジャンも、もしかして食べたかったの?」
エレン「運が悪かったなー。残り一個だったんだよ。悪いな」
ミカサ「ひ、一口あげれば良かったのかしら。ごめんなさい」
ジャン「いや、そういう話じゃないんだ。うううう……」
あーもう、面倒臭い奴だな。
ミカサ「ジャン、そんなに落ち込まないで。いつかまた紫芋のソフトクリームを食べる機会はきっとある」
ジャン「いや、ソフトクリームはどうでもいいんだが……はあ。もういいよ」
どっか行っちまった。はあ。全く。
エレン「あんま気にするなって。ジャンはいろいろ気にし過ぎだ」
ミカサ「そうね。ちょっと神経質な部分があるのね。きっと」
アルミン「いや、君らの方が大雑把な気がするけれど」
アルミンにも言われた。いやだって、ソフトクリームが勿体ないだろ。
ミカサ「そう? でも、せっかくのソフトクリームが」
アルミン「いや、それは分かるけども。ここ、周りに人がいっぱいいるし、どう見てもその感じ、ただのカップルにしか見えないよ」
ミカサ「え?」
エレン「はあ?」
カップル? そうか?
別にこんなの、カップルじゃなくても家族でも友達でもするだろ?
オレ、アルミンとでも似たような事、出来るぞ?
175: 2014/05/09(金) 01:26:17 ID:u02WytFQ0
ミカサ「そ、そんなつもりはなかった……」
エレン「オレもだよ。なんだそれ。何でソフトクリーム一緒に食うだけでそんな風に見られる?」
アルミン「その距離感、だね。いや、君らが仲いいのは認めるけども。ちょっと外では自重して欲しいかな」
距離感か。そんなに近く見えるのか?
自覚がなかった。自分では、全く。
いや、本当に。別にジャンに見せつけようとかそういう悪意のある話じゃない。
ミカサ「誤解なので、ジャンに説明してくる……」
アルミン「やめといたほうがいいよ」
ミカサ「ど、どうして?」
マルコ「今、下手にジャンを突っつくと、藪蛇だと思うよ」
ミカサ「そうなの? では私はどうしたら……」
アルミン「何もしなくてもいいけど、今後はちょっと気をつけよう。お互いにそういうつもりがないのだとしても、周りはそうは見ない場合もあるんだからね」
ミカサ「分かった」
ミカサがこっちに謝ってきた。
ミカサ「エレン、ごめんなさい。私のせいで、面倒なことになって」
エレン「いや、オレの方こそ悪かった。でも、あんま気にするなよ。オレ達は普通にしてりゃいいんだ」
ミカサ「うん………」
これって感覚の違いなんかな。ジャンにとっては、こういうのはカップル同士ですることで、オレにとっては、友達以上の親しさがあれば出来る。
価値観の違いって奴だろう。だから別にこっちが必要以上に悪びれる事はない。
マルコ「ジャンは僕が回収してくるね」
マルコがジャンのフォローに行ってきてくれるようだ。
エレン「オレもだよ。なんだそれ。何でソフトクリーム一緒に食うだけでそんな風に見られる?」
アルミン「その距離感、だね。いや、君らが仲いいのは認めるけども。ちょっと外では自重して欲しいかな」
距離感か。そんなに近く見えるのか?
自覚がなかった。自分では、全く。
いや、本当に。別にジャンに見せつけようとかそういう悪意のある話じゃない。
ミカサ「誤解なので、ジャンに説明してくる……」
アルミン「やめといたほうがいいよ」
ミカサ「ど、どうして?」
マルコ「今、下手にジャンを突っつくと、藪蛇だと思うよ」
ミカサ「そうなの? では私はどうしたら……」
アルミン「何もしなくてもいいけど、今後はちょっと気をつけよう。お互いにそういうつもりがないのだとしても、周りはそうは見ない場合もあるんだからね」
ミカサ「分かった」
ミカサがこっちに謝ってきた。
ミカサ「エレン、ごめんなさい。私のせいで、面倒なことになって」
エレン「いや、オレの方こそ悪かった。でも、あんま気にするなよ。オレ達は普通にしてりゃいいんだ」
ミカサ「うん………」
これって感覚の違いなんかな。ジャンにとっては、こういうのはカップル同士ですることで、オレにとっては、友達以上の親しさがあれば出来る。
価値観の違いって奴だろう。だから別にこっちが必要以上に悪びれる事はない。
マルコ「ジャンは僕が回収してくるね」
マルコがジャンのフォローに行ってきてくれるようだ。
176: 2014/05/09(金) 01:27:05 ID:u02WytFQ0
ミカサ「マルコ、その……きっぱり否定しておいて欲しい!」
マルコ「分かってる。大丈夫だから」
マルコに任せりゃ後は大丈夫だろ。
ん? でもミカサの顔色が急に、変わった。
ミカサ「アルミン、ひとつ聞いてもいいだろうか?」
アルミン「何?」
ミカサ「ジャンは何故、逃げてしまったのだろうか?」
アルミン「え?」
ミカサ「その………自意識過剰だと言われてしまうかもしれないけれど、ジャンは、もしかして」
アルミンは瞬時に首を振って答えを拒否した。
アルミン「………………その質問を答える権利を僕は持ってないからノーコメントで」
ミカサ「エレン」
エレン「知らねえよ。自分で聞けば?」
オレも自分では言わなかった。アルミンも気づいているようだけど。
ジャンはミカサの事、好きなんだろうな。
でも、それは外野が話していい事じゃない。
本人以外の口から、ミカサの耳に届けていい話じゃないんだ。
ミカサ「……………」
鈍いミカサもようやく気付いたようだな。
ま、ここから先、どうするかは本人次第だけど……
マルコ「分かってる。大丈夫だから」
マルコに任せりゃ後は大丈夫だろ。
ん? でもミカサの顔色が急に、変わった。
ミカサ「アルミン、ひとつ聞いてもいいだろうか?」
アルミン「何?」
ミカサ「ジャンは何故、逃げてしまったのだろうか?」
アルミン「え?」
ミカサ「その………自意識過剰だと言われてしまうかもしれないけれど、ジャンは、もしかして」
アルミンは瞬時に首を振って答えを拒否した。
アルミン「………………その質問を答える権利を僕は持ってないからノーコメントで」
ミカサ「エレン」
エレン「知らねえよ。自分で聞けば?」
オレも自分では言わなかった。アルミンも気づいているようだけど。
ジャンはミカサの事、好きなんだろうな。
でも、それは外野が話していい事じゃない。
本人以外の口から、ミカサの耳に届けていい話じゃないんだ。
ミカサ「……………」
鈍いミカサもようやく気付いたようだな。
ま、ここから先、どうするかは本人次第だけど……
177: 2014/05/09(金) 01:28:03 ID:u02WytFQ0
ミカサ「やっぱり、確認してくる」
アルミン「ミカサ?」
ミカサ「曖昧なままではダメ。ちゃんと、向き合わないと」
ミカサはマルコを追いかけた。その様子をアルミンが、
アルミン「いいの?」
エレン「何が?」
アルミン「止めるかと思ってた」
と言ってきて、オレはため息をついた。
エレン「遅かれ早かれ、いずれはこうなってただろ。多分」
アルミン「でも今まで散々、邪魔してたじゃない」
エレン「それは………まあ、そうだけど」
自分でも不思議だった。でも、ミカサが気づいたんじゃしょうがねえかなとも思ったんだ。
エレン「…………」
アルミン「様子、見に行かなくていいの?」
エレン「いい。ミカサがそうしたいって言うなら、オレは止めねえよ」
そうだ。今まではミカサの方に全然自覚がなくて、ほいほいジャンに乗せられそうになってたのが気に食わなかったんだ。
ミカサ自身がジャンを選ぶっていうなら、それはもう、ミカサの問題な訳で。
オレがどういう言う話じゃないし。
アルミン「…………素直じゃないねえ。エレン」
エレン「あ? そうか?」
アルミン「うん。表情と言ってること、一致してないけど?」
エレン「…………」
アルミン「まあそれこそ、エレンが決める事だから僕は何も言えないけどね」
そうなんかな。オレ、やっぱり焼きもち妬いてるんかな。
そう、考え込んでいたその時、
アルミン「ミカサ?」
ミカサ「曖昧なままではダメ。ちゃんと、向き合わないと」
ミカサはマルコを追いかけた。その様子をアルミンが、
アルミン「いいの?」
エレン「何が?」
アルミン「止めるかと思ってた」
と言ってきて、オレはため息をついた。
エレン「遅かれ早かれ、いずれはこうなってただろ。多分」
アルミン「でも今まで散々、邪魔してたじゃない」
エレン「それは………まあ、そうだけど」
自分でも不思議だった。でも、ミカサが気づいたんじゃしょうがねえかなとも思ったんだ。
エレン「…………」
アルミン「様子、見に行かなくていいの?」
エレン「いい。ミカサがそうしたいって言うなら、オレは止めねえよ」
そうだ。今まではミカサの方に全然自覚がなくて、ほいほいジャンに乗せられそうになってたのが気に食わなかったんだ。
ミカサ自身がジャンを選ぶっていうなら、それはもう、ミカサの問題な訳で。
オレがどういう言う話じゃないし。
アルミン「…………素直じゃないねえ。エレン」
エレン「あ? そうか?」
アルミン「うん。表情と言ってること、一致してないけど?」
エレン「…………」
アルミン「まあそれこそ、エレンが決める事だから僕は何も言えないけどね」
そうなんかな。オレ、やっぱり焼きもち妬いてるんかな。
そう、考え込んでいたその時、
178: 2014/05/09(金) 01:28:47 ID:u02WytFQ0
ミカサとジャンがこっちに戻ってきた。その表情は悪くない。
エレン「…………遅かったな」
ミカサ「少し話し込んでしまった。ごめんなさい。遅くなって」
ジャン「携帯のアドレスとか交換してたんだよ。ミカサとはまだ交換してなかったからな」
エレン「へー」
順調に親密度を上げなさっているご様子だな。ジャン。
ミカサ「エレン?」
エレン「いや、別に。いいんじゃねえの? 友達が増えるのは」
もう既に友達以上なのかもしれんが、それをここで聞くのはちょっとな。
ミカサ「エレンもジャンと交換しておけば……」
エレン「オレはいらねえ。オレはまだ、ジャンと友達だとは思ってねえもん」
ジャン「気が合うな。オレもだ」
マルコ「ああもう、二人共。その遠まわしな愛情表現はやめなって」
ケンカするほど、という奴だと言わんばかりにマルコが言った。
そんなんじゃねえけどな。
エレン「その代わりマルコのアドレスは知りたいかな。マルコは友達だと思ってる」
マルコ「ええ?」
アルミン「あ、それは僕も欲しい。交換しよ」
マルコ「いいの? ジャンの分は……まあ、僕から教えておくよ」
ジャン「余計な事すんなって!」
ミカサ「ジャン、ここはマルコに任せるべき」
ジャン「……はい」
早速尻に敷かれてやがる。ジャンはミカサには頭上がらないみてえだ。
という訳で少々遅くなったが、オレ達は班同士で連絡先を交換し合った。
残りの時間は話し合いの末、馬に乗ろうという事になり、移動する事にした。
するとそっちでも偶然、ライナー達の班と合流する事になった。
エレン「…………遅かったな」
ミカサ「少し話し込んでしまった。ごめんなさい。遅くなって」
ジャン「携帯のアドレスとか交換してたんだよ。ミカサとはまだ交換してなかったからな」
エレン「へー」
順調に親密度を上げなさっているご様子だな。ジャン。
ミカサ「エレン?」
エレン「いや、別に。いいんじゃねえの? 友達が増えるのは」
もう既に友達以上なのかもしれんが、それをここで聞くのはちょっとな。
ミカサ「エレンもジャンと交換しておけば……」
エレン「オレはいらねえ。オレはまだ、ジャンと友達だとは思ってねえもん」
ジャン「気が合うな。オレもだ」
マルコ「ああもう、二人共。その遠まわしな愛情表現はやめなって」
ケンカするほど、という奴だと言わんばかりにマルコが言った。
そんなんじゃねえけどな。
エレン「その代わりマルコのアドレスは知りたいかな。マルコは友達だと思ってる」
マルコ「ええ?」
アルミン「あ、それは僕も欲しい。交換しよ」
マルコ「いいの? ジャンの分は……まあ、僕から教えておくよ」
ジャン「余計な事すんなって!」
ミカサ「ジャン、ここはマルコに任せるべき」
ジャン「……はい」
早速尻に敷かれてやがる。ジャンはミカサには頭上がらないみてえだ。
という訳で少々遅くなったが、オレ達は班同士で連絡先を交換し合った。
残りの時間は話し合いの末、馬に乗ろうという事になり、移動する事にした。
するとそっちでも偶然、ライナー達の班と合流する事になった。
179: 2014/05/09(金) 01:29:38 ID:u02WytFQ0
ユミル「おーお前らもこっちにきたのか。結局、コースかぶってるな」
ライナー「なかなか楽しいぞ。馬に乗るのは初めてだが」
クリスタ「私は慣れてるけどね。親戚の家が牧場だから」
サシャ「楽しいですね~おっとっと。揺れるのに慣れるのが大変ですが」
あいつらは先に来てた事もあり、大分手さばきが慣れていた。
オレ達も遅れてインストラクターの方に指導を受けて馬に乗る。
ミカサ「眺めが全然違う…」
目線の高さが日常と全く違う。当然だけど、面白い。
不安定な目線の高さにドキドキした。
エレン「おー……こりゃいいなあ」
馬同士が勝手に仲良くし始めた。
オレの馬とミカサの馬は相性がいいようだ。
ジャン「あ、てめえらまた……」
エレン「オレ達じゃねえよ。馬同士が仲いいんだよ」
ミカサ「馬が勝手に仲良くやっているので」
ジャン「馬にも相性があるんかな」
エレン「あるんじゃねえの? 人間にもあるんだしな」
ポクポク草原を歩く。同じ日本とは思えないな。
でもこういうの、悪くねえ。風がとても気持ちいい。
出来るならもう少し、この辺を歩いてみたかったが、
アルミン「おっとと……あっという間だけどもう時間だよ」
エレン「えーもうかよ」
アルミン「仕方ないよ。また今度、ゆっくりここに来よう」
エレン「そうだな。また馬に乗りに来たいぜ」
短い期間だったが、こうして無事に研修旅行は終わりを告げた。
帰りのバスの中、皆がうとうと寝ている最中、オレはミカサと少し話した。
エレン「ミカサ」
ミカサ「ん? 何?」
ミカサも少しうとうとしていたようだが、
エレン「あのさ、ジャンの事だけど」
ミカサ「ジャン?」
ジャンが眠ってるのを一応、確認してからオレは聞いてみた。
エレン「ジャンの奴、お前の事、好きだって言ったのか?」
ミカサ「いいえ。ごめんなさい。アレは私の勘違いだったみたい」
と、きっぱり否定されてしまった。
ライナー「なかなか楽しいぞ。馬に乗るのは初めてだが」
クリスタ「私は慣れてるけどね。親戚の家が牧場だから」
サシャ「楽しいですね~おっとっと。揺れるのに慣れるのが大変ですが」
あいつらは先に来てた事もあり、大分手さばきが慣れていた。
オレ達も遅れてインストラクターの方に指導を受けて馬に乗る。
ミカサ「眺めが全然違う…」
目線の高さが日常と全く違う。当然だけど、面白い。
不安定な目線の高さにドキドキした。
エレン「おー……こりゃいいなあ」
馬同士が勝手に仲良くし始めた。
オレの馬とミカサの馬は相性がいいようだ。
ジャン「あ、てめえらまた……」
エレン「オレ達じゃねえよ。馬同士が仲いいんだよ」
ミカサ「馬が勝手に仲良くやっているので」
ジャン「馬にも相性があるんかな」
エレン「あるんじゃねえの? 人間にもあるんだしな」
ポクポク草原を歩く。同じ日本とは思えないな。
でもこういうの、悪くねえ。風がとても気持ちいい。
出来るならもう少し、この辺を歩いてみたかったが、
アルミン「おっとと……あっという間だけどもう時間だよ」
エレン「えーもうかよ」
アルミン「仕方ないよ。また今度、ゆっくりここに来よう」
エレン「そうだな。また馬に乗りに来たいぜ」
短い期間だったが、こうして無事に研修旅行は終わりを告げた。
帰りのバスの中、皆がうとうと寝ている最中、オレはミカサと少し話した。
エレン「ミカサ」
ミカサ「ん? 何?」
ミカサも少しうとうとしていたようだが、
エレン「あのさ、ジャンの事だけど」
ミカサ「ジャン?」
ジャンが眠ってるのを一応、確認してからオレは聞いてみた。
エレン「ジャンの奴、お前の事、好きだって言ったのか?」
ミカサ「いいえ。ごめんなさい。アレは私の勘違いだったみたい」
と、きっぱり否定されてしまった。
180: 2014/05/09(金) 01:30:25 ID:u02WytFQ0
ミカサ「自意識過剰だったみたい。ジャンにもドジだと言われてしまった。ジャンは私の事を、友人として好きなんだそう」
エレン「へ、へえ~~~~」
おいおいおい。結局、こいつ、告白しなかったのか。
ヘタレな奴だな。誤魔化して逃げたのか。
それとも、まだ告白するタイミングじゃないと判断したのか。
でもだったら、こいつ、今後もミカサにじっくり接近する気じゃ…。
そう考えた時、心底「うぜえええ」と思ってしまったが、寝ているジャンを起こす訳にもいかず、オレはがっくりするしかなかった。
ミカサ「でも嬉しい。友人として、見てくれるのはとても嬉しい」
エレン「そ、そうか?」
ミカサ「うん。私は今まで、まともな友人が作れなかった……ので」
この時もきっと、ミカサは中学時代の事を思い出していたのかもしれない。
まともに友人を作れなかった理由は、ミカサが不器用過ぎたのが原因だけど。
ミカサ「今度こそは……うまく友情を育みたい」
恐らく過去の男達は、ミカサと恋人になりたくて友達になって、結果的にミカサに迫っていたんだろう。
ジャンも過去の男達と同じなんだぞ。と言ってやりたくもなったが、それをここで言うのも可哀想な気がした。
もしかしたら、ジャンの奴はミカサの意志を尊重して友達のままで居てくれるかもしれんし。
…………いや、無理かな。
やれやれ。心配の種は尽きない。でも、
一番いいのは、ミカサ自身が幸せでいる事だ。
ジャンがミカサの味方でいる事は間違いないから。
多少の事は大目にみてやるべきなんだろうか…。
…………いや、やっぱり無理かな。
こいつ、ほっとくとどこまでも、うぜえええ事をし兼ねない。
ミカサが安心したように目を閉じている。
その様子をオレは眺める。
すると、そのミカサをこっそり見ている視線に気づいた。
あ、ジャンの奴、タヌキ寝入りしてやがったな。
視線だけで威嚇する。すると、慌てて誤魔化して寝やがった。
全く。油断も隙もねえ。
そう思いながら、オレはバスの中、揺られて家に帰ったのだった。
エレン「へ、へえ~~~~」
おいおいおい。結局、こいつ、告白しなかったのか。
ヘタレな奴だな。誤魔化して逃げたのか。
それとも、まだ告白するタイミングじゃないと判断したのか。
でもだったら、こいつ、今後もミカサにじっくり接近する気じゃ…。
そう考えた時、心底「うぜえええ」と思ってしまったが、寝ているジャンを起こす訳にもいかず、オレはがっくりするしかなかった。
ミカサ「でも嬉しい。友人として、見てくれるのはとても嬉しい」
エレン「そ、そうか?」
ミカサ「うん。私は今まで、まともな友人が作れなかった……ので」
この時もきっと、ミカサは中学時代の事を思い出していたのかもしれない。
まともに友人を作れなかった理由は、ミカサが不器用過ぎたのが原因だけど。
ミカサ「今度こそは……うまく友情を育みたい」
恐らく過去の男達は、ミカサと恋人になりたくて友達になって、結果的にミカサに迫っていたんだろう。
ジャンも過去の男達と同じなんだぞ。と言ってやりたくもなったが、それをここで言うのも可哀想な気がした。
もしかしたら、ジャンの奴はミカサの意志を尊重して友達のままで居てくれるかもしれんし。
…………いや、無理かな。
やれやれ。心配の種は尽きない。でも、
一番いいのは、ミカサ自身が幸せでいる事だ。
ジャンがミカサの味方でいる事は間違いないから。
多少の事は大目にみてやるべきなんだろうか…。
…………いや、やっぱり無理かな。
こいつ、ほっとくとどこまでも、うぜえええ事をし兼ねない。
ミカサが安心したように目を閉じている。
その様子をオレは眺める。
すると、そのミカサをこっそり見ている視線に気づいた。
あ、ジャンの奴、タヌキ寝入りしてやがったな。
視線だけで威嚇する。すると、慌てて誤魔化して寝やがった。
全く。油断も隙もねえ。
そう思いながら、オレはバスの中、揺られて家に帰ったのだった。
181: 2014/05/09(金) 01:32:09 ID:u02WytFQ0
家に帰ってからミカサはすぐ部屋に戻った。
オレはミカサに言っておくべきか迷う案件について考えていた。
うんうん唸って、やっぱり言っておこうと思い、ミカサの部屋に顔を出す。
エレン「ミカサ? まだ起きてるか?」
ミカサ「もう寝るところ。何…?」
エレン「あ、眠いんならいいや」
ミカサ「待って。中途半端に起こさないで。用があるなら言って」
エレン「いや、大した用じゃなかったんだが」
ミカサ「だから、何?」
エレン「……………ジャンの事だけど」
オレは本心を隠さず言った。
エレン「あいつを演劇部に誘うのだけはやめてくれよ」
ミカサ「え?」
エレン「あいつが入ってきたら仲良くやれる自信はねえ」
ミカサ「それはジャンが決めることなので。私が口出す話ではないけれども」
エレン「いや、まあ、それならいいけどさ。なんかあいつ、入ってきそうで怖いんだよな」
ミカサ「もしそうなったとしても、それを止める権利は誰にもない」
エレン「…………まあ、それもそうか。悪い。らしくねえな。おやすみ」
数日後、遅れてジャンが演劇部に入ってきたので、部の先輩達は新入部員が増えた! と、とても喜んでいたようだった。
オレはそれを見て「やっぱりか…」と頭を抱える羽目になったんだ。
182: 2014/05/09(金) 01:32:58 ID:u02WytFQ0
エレン「…………」
まあ、一回、休憩しようか。キリがいいところだしな。
こんな感じでオレは、ミカサと出会った時から正直言って…。
始めからクライマックスだったと言えなくもない。
出合い頭にパンツ見ちまったしな。あの時の光景は今も忘れない。
ただまだこの時点では、今のような強い感情じゃなかった。
なんていうか、ジャンがミカサにまとわりつくのがうぜええと思いつつ、嫉妬してた程度で、
ギリギリ家族愛の範疇だったとも思うんだ。
………え? ギリギリどころか、既にアウトだろって?
いやいや。この頃はまだ、そこまではいってない。
ミカサが可愛いのは認めるが、この頃はまだ、大丈夫だった。断言する。
本格的にやべえと思い始めたのは、もうちょっと先の話なんだ。
ま、という訳でここから先は、
回想第二章ってことで、順に振り返ってみるか。
まあ、一回、休憩しようか。キリがいいところだしな。
こんな感じでオレは、ミカサと出会った時から正直言って…。
始めからクライマックスだったと言えなくもない。
出合い頭にパンツ見ちまったしな。あの時の光景は今も忘れない。
ただまだこの時点では、今のような強い感情じゃなかった。
なんていうか、ジャンがミカサにまとわりつくのがうぜええと思いつつ、嫉妬してた程度で、
ギリギリ家族愛の範疇だったとも思うんだ。
………え? ギリギリどころか、既にアウトだろって?
いやいや。この頃はまだ、そこまではいってない。
ミカサが可愛いのは認めるが、この頃はまだ、大丈夫だった。断言する。
本格的にやべえと思い始めたのは、もうちょっと先の話なんだ。
ま、という訳でここから先は、
回想第二章ってことで、順に振り返ってみるか。
187: 2014/05/09(金) 20:33:00 ID:ZSZPhTy.0
4月26日。土曜日。この日は球技大会だった。
晴れたおかげで男子は外でサッカーをやる事になった。
女子は体育館でバレーだ。球技大会は1年と2年だけが参加する。3年生は受験の準備があるから出ないそうだ。
女子のバレーの様子が見れないのは残念だが、負けた組は自由に他の試合を見ていて構わないようなので、ちらほら女子の姿も見える。
オレ達男子は話し合いの末、こんな感じで役割分担を決めた。
FW エレン ライナー
MF ジャン マルコ コニー
ミリウス ナック
DF アルミン トーマス サムエル
GK ベルトルト
ベルトルトがGK(ゴールキーパー)なのは、体が一番大きいのとリーチがあるからだ。
1試合目は割とあっさり勝てたけど、2試合目は少し苦戦していた。
後半戦に入っても2-1で負けていたのだ。
ユミル「どうした男子ー! 女子は優勝してきたぞー!」
ユミルの声に皆、すげ! まじで?! と反応した。
クリスタ「うん。優勝決めてきたよ。男子もガンバ!」
女子の声援のおかげでライナーの動きが凄まじく良くなった。
ヘディングシュートを決めて2-2.同点に追いついたのだ。
おっしゃ! ライナーのパワーの源(クリスタ)がきたから、この試合いける!
アニ「残り時間は5分くらいか」
ミカサ「同点に追いついたのだからきっと大丈夫」
アニもミカサもこっちに来た。
女子に見られているのといないのじゃ、やっぱ気合の入れ具合が違う。
男子全員の目の色が変わった。
晴れたおかげで男子は外でサッカーをやる事になった。
女子は体育館でバレーだ。球技大会は1年と2年だけが参加する。3年生は受験の準備があるから出ないそうだ。
女子のバレーの様子が見れないのは残念だが、負けた組は自由に他の試合を見ていて構わないようなので、ちらほら女子の姿も見える。
オレ達男子は話し合いの末、こんな感じで役割分担を決めた。
FW エレン ライナー
MF ジャン マルコ コニー
ミリウス ナック
DF アルミン トーマス サムエル
GK ベルトルト
ベルトルトがGK(ゴールキーパー)なのは、体が一番大きいのとリーチがあるからだ。
1試合目は割とあっさり勝てたけど、2試合目は少し苦戦していた。
後半戦に入っても2-1で負けていたのだ。
ユミル「どうした男子ー! 女子は優勝してきたぞー!」
ユミルの声に皆、すげ! まじで?! と反応した。
クリスタ「うん。優勝決めてきたよ。男子もガンバ!」
女子の声援のおかげでライナーの動きが凄まじく良くなった。
ヘディングシュートを決めて2-2.同点に追いついたのだ。
おっしゃ! ライナーのパワーの源(クリスタ)がきたから、この試合いける!
アニ「残り時間は5分くらいか」
ミカサ「同点に追いついたのだからきっと大丈夫」
アニもミカサもこっちに来た。
女子に見られているのといないのじゃ、やっぱ気合の入れ具合が違う。
男子全員の目の色が変わった。
189: 2014/05/09(金) 20:36:53 ID:u02WytFQ0
本来のサッカーの試合は前半・後半45分ずつで1試合90分だが、この球技大会は試合数が多い為、短縮で前半・後半15分ずつの計30分のミニゲーム形式の試合になっていた。
つまり本来のサッカーの試合の戦略より短期決戦となる為、戦い方が変わってくる。
トーナメント形式なので、4試合、または5試合勝てば優勝だ。優勝するチームは30分×4、または5試合分動く事になる。勝ち抜くには体力の配分も重要になってくる。
コートは2面ずつ使っている。上に勝ち上がれば勝ち上がる程、休憩無しで次の試合に挑む事になる。
サシャ「時間ないですよー! 急いでー!」
引き分けにもつれ込んだら当然、PK合戦になる。
出来ればここでもう一点、欲しいところだが…。
ピー!
さすがにそこまでうまくはいかないか。
残念だがPK戦にもつれ込んだ。5本中、3本先取した方が勝ちになる。
先攻後攻は、後攻になった。1本目、ベルトルトが止めた。
1本目のこっちの攻撃。
ライナー「俺からいこう」
話し合いの末、ライナーが蹴る事になった。
ピー!
ライナーが合図と共に左に蹴った。
相手のGKは反対側に山を張っていたようで反応が遅れてボールがゴール端に決まる!
クリスタ「やったあああ! まずは先取点!」
ユミル「よし! いいぞライナー!」
ライナーが女子に向かってVサインしている。さすがライナーだ。
しかし2本目、ベルトルトが読み負けてセーブ出来なかった。
ミカサ「1対1ね」
ユミル「ベルトルさん、長身の利を生かせてないぞ」
ユミルの言う通りだ。ベルトルトは運動神経がいいのに、性格が気弱なせいでそれを生かしきれてない。
2本目の攻撃。次はジャンが蹴る事になった。
ジャンがミカサの方を見ていた。ミカサが手を振って答えると、案の定、テンションあげやがった。
まあ、それで決めてくれるならいいけどさ。
ジャンが右側にボールを蹴った。結果は果たして…。
ピー!
ジャンのシュートも決まった! よし!
これで2対1だ。次、ベルトルトがセーブすれば俄然有利になるけど…。
ユミル「あっちゃー…ベルトルさん何やってんだよ!」
そう思った途端、追いつかれてしまった。2対2だ。
そして次のマルコのシュートが……外れちまった。
これで現在の戦況はこんな感じだ。
2組 × ○ ○
1組 ○ ○ ×
この場合は先攻が取ったとしても、後攻で取り返せば続けられるが、もし後攻でダメだった場合は負ける。
プレッシャーがかかる場面になり、ベルトルトが遂に根をあげた。
ベルトルト「ごめん……ライナー、GKを替わってくれないかな」
ライナー「え? 怪我でもしたのか」
ベルトルト「そうじゃないけど……僕にGKが務まるとは思えない。ここは大事な場面だから、ライナーの方がいいと思う」
ライナー「………やれやれ。仕方ないな」
ライナーはベルトルトのグローブを受け取り、交替する事にした。
ユミル「あ、GK交代するみたいだぞ。ライナーに変わった」
アニ「ベルトルトは性格的にGKに向いてないのかもね」
サシャ「体格はGK向きなんですけどねえ」
ミカサ「仕方がない。誰にでも向き不向きはある」
つまり本来のサッカーの試合の戦略より短期決戦となる為、戦い方が変わってくる。
トーナメント形式なので、4試合、または5試合勝てば優勝だ。優勝するチームは30分×4、または5試合分動く事になる。勝ち抜くには体力の配分も重要になってくる。
コートは2面ずつ使っている。上に勝ち上がれば勝ち上がる程、休憩無しで次の試合に挑む事になる。
サシャ「時間ないですよー! 急いでー!」
引き分けにもつれ込んだら当然、PK合戦になる。
出来ればここでもう一点、欲しいところだが…。
ピー!
さすがにそこまでうまくはいかないか。
残念だがPK戦にもつれ込んだ。5本中、3本先取した方が勝ちになる。
先攻後攻は、後攻になった。1本目、ベルトルトが止めた。
1本目のこっちの攻撃。
ライナー「俺からいこう」
話し合いの末、ライナーが蹴る事になった。
ピー!
ライナーが合図と共に左に蹴った。
相手のGKは反対側に山を張っていたようで反応が遅れてボールがゴール端に決まる!
クリスタ「やったあああ! まずは先取点!」
ユミル「よし! いいぞライナー!」
ライナーが女子に向かってVサインしている。さすがライナーだ。
しかし2本目、ベルトルトが読み負けてセーブ出来なかった。
ミカサ「1対1ね」
ユミル「ベルトルさん、長身の利を生かせてないぞ」
ユミルの言う通りだ。ベルトルトは運動神経がいいのに、性格が気弱なせいでそれを生かしきれてない。
2本目の攻撃。次はジャンが蹴る事になった。
ジャンがミカサの方を見ていた。ミカサが手を振って答えると、案の定、テンションあげやがった。
まあ、それで決めてくれるならいいけどさ。
ジャンが右側にボールを蹴った。結果は果たして…。
ピー!
ジャンのシュートも決まった! よし!
これで2対1だ。次、ベルトルトがセーブすれば俄然有利になるけど…。
ユミル「あっちゃー…ベルトルさん何やってんだよ!」
そう思った途端、追いつかれてしまった。2対2だ。
そして次のマルコのシュートが……外れちまった。
これで現在の戦況はこんな感じだ。
2組 × ○ ○
1組 ○ ○ ×
この場合は先攻が取ったとしても、後攻で取り返せば続けられるが、もし後攻でダメだった場合は負ける。
プレッシャーがかかる場面になり、ベルトルトが遂に根をあげた。
ベルトルト「ごめん……ライナー、GKを替わってくれないかな」
ライナー「え? 怪我でもしたのか」
ベルトルト「そうじゃないけど……僕にGKが務まるとは思えない。ここは大事な場面だから、ライナーの方がいいと思う」
ライナー「………やれやれ。仕方ないな」
ライナーはベルトルトのグローブを受け取り、交替する事にした。
ユミル「あ、GK交代するみたいだぞ。ライナーに変わった」
アニ「ベルトルトは性格的にGKに向いてないのかもね」
サシャ「体格はGK向きなんですけどねえ」
ミカサ「仕方がない。誰にでも向き不向きはある」
190: 2014/05/09(金) 21:01:48 ID:u02WytFQ0
ライナーの方が確かにGKには向いているのかもしれないが…。
オレはベルトルト自身がやって、もしそれで負けたとしてもそれを責めるつもりはなかった。
それはきっと、他の奴らも同じだと思うんだが。
オレ以外の、そう、マルコも似たような顔をしていた。
マルコ「ベルトルトはずるいねえ」
エレン「だよな」
これは悪口というより、何だろ。ただの感想かな。
本人を責めるつもりはないけど。ま、仕方ねえか。
相手チームのシュートは……よし! 防いだ!
ミカサ「ここで決めれば1組の勝ちね」
クリスタ「誰が行くんだろ……」
女子がざわざわしている。男子は誰も挙手しない。
自分で名乗りをあげるのは、勇気のいる場面だからだ。
ライナー「じゃんけんで決めるか?」
エレン「そうだな」
一同「「「じゃんけん……ポン」」」
じゃんけんに勝ってしまったんで、オレが行く事になった。
ドキドキする。ミカサの前だし、すかしたくはねえな。
アニ「あ、エレンがいくみたいだよ」
エレン「いくぞ!」
ピー。
笛の合図と共に走り出す。ゴール端を狙って、結果は……!
ミカサ「やった!」
放ったシュートはゴール端に突き刺さった!
よしゃあ! これで3回戦に出場決定だ!
オレはベルトルト自身がやって、もしそれで負けたとしてもそれを責めるつもりはなかった。
それはきっと、他の奴らも同じだと思うんだが。
オレ以外の、そう、マルコも似たような顔をしていた。
マルコ「ベルトルトはずるいねえ」
エレン「だよな」
これは悪口というより、何だろ。ただの感想かな。
本人を責めるつもりはないけど。ま、仕方ねえか。
相手チームのシュートは……よし! 防いだ!
ミカサ「ここで決めれば1組の勝ちね」
クリスタ「誰が行くんだろ……」
女子がざわざわしている。男子は誰も挙手しない。
自分で名乗りをあげるのは、勇気のいる場面だからだ。
ライナー「じゃんけんで決めるか?」
エレン「そうだな」
一同「「「じゃんけん……ポン」」」
じゃんけんに勝ってしまったんで、オレが行く事になった。
ドキドキする。ミカサの前だし、すかしたくはねえな。
アニ「あ、エレンがいくみたいだよ」
エレン「いくぞ!」
ピー。
笛の合図と共に走り出す。ゴール端を狙って、結果は……!
ミカサ「やった!」
放ったシュートはゴール端に突き刺さった!
よしゃあ! これで3回戦に出場決定だ!
191: 2014/05/09(金) 21:10:17 ID:u02WytFQ0
ミカサにVサイン。お互いにVサインを返し合う。
そして直後、他の奴らに頭をポンポン叩かれた。
ライナー「本番に強い奴だな!」
エレン「たまたまだって!」
アルミン「でもよく決めたね! エレン、すごいや」
エレン「へへへ……ま、格好悪いところは見せられんだろ」
球技大会なんて、女子にいいところを見せる為にやるようなもんだ。
別に賞金が出る訳でもないし、他に理由なんてないだろ?
男子の心はその点においては一致団結している。次の試合に向けて作戦会議だ。
アルミン「あのね、1試合目と2試合目の試合内容を見て思ったんだけど……」
アルミンが1組男子を集めて意見を言い始めた。地面に何やらポジション変更の図を書き始める。
アルミン「今のライナーの動きを見て思ったんだけど、ライナーはGKに向いてると思う」
ベルトルト「うん。それは僕も思ったよ。出来るなら3試合目もお願いしたい」
ライナー「いいのか? 俺で」
アルミン「うん。ベルトルトは反応はいいけれど押し込まれると弱いみたいだ。多分、性格的にはDFの方が向いてると思う」
ベルトルト「僕自身、そう思うよ」
マルコ「でもそうなると右のFWは誰が代わりに入るんだい?」
アルミン「僕は右のFWにはコニーが一番向いてると思うんだ」
コニー「オレか?」
アルミン「うん。コニーはMFなのに前線よりに勝手に動いてたし、あんまり複雑な動きを要求されると頭混乱するんでしょ?」
コニー「バレたか」
アルミン「だから、来たボールをゴールに押し込む単純なポジションの方がいいと思う」
ジャン「だったらコニーの場所は誰が入る?」
アルミン「それも踏まえて、僕が考える新システムはこうだ」
FW エレン コニー
MF ミリウス ジャン ナック
DF サムエル マルコ トーマス
ベルトルト フランツ
GK ライナー
そして直後、他の奴らに頭をポンポン叩かれた。
ライナー「本番に強い奴だな!」
エレン「たまたまだって!」
アルミン「でもよく決めたね! エレン、すごいや」
エレン「へへへ……ま、格好悪いところは見せられんだろ」
球技大会なんて、女子にいいところを見せる為にやるようなもんだ。
別に賞金が出る訳でもないし、他に理由なんてないだろ?
男子の心はその点においては一致団結している。次の試合に向けて作戦会議だ。
アルミン「あのね、1試合目と2試合目の試合内容を見て思ったんだけど……」
アルミンが1組男子を集めて意見を言い始めた。地面に何やらポジション変更の図を書き始める。
アルミン「今のライナーの動きを見て思ったんだけど、ライナーはGKに向いてると思う」
ベルトルト「うん。それは僕も思ったよ。出来るなら3試合目もお願いしたい」
ライナー「いいのか? 俺で」
アルミン「うん。ベルトルトは反応はいいけれど押し込まれると弱いみたいだ。多分、性格的にはDFの方が向いてると思う」
ベルトルト「僕自身、そう思うよ」
マルコ「でもそうなると右のFWは誰が代わりに入るんだい?」
アルミン「僕は右のFWにはコニーが一番向いてると思うんだ」
コニー「オレか?」
アルミン「うん。コニーはMFなのに前線よりに勝手に動いてたし、あんまり複雑な動きを要求されると頭混乱するんでしょ?」
コニー「バレたか」
アルミン「だから、来たボールをゴールに押し込む単純なポジションの方がいいと思う」
ジャン「だったらコニーの場所は誰が入る?」
アルミン「それも踏まえて、僕が考える新システムはこうだ」
FW エレン コニー
MF ミリウス ジャン ナック
DF サムエル マルコ トーマス
ベルトルト フランツ
GK ライナー
192: 2014/05/09(金) 21:18:39 ID:u02WytFQ0
マルコ「DFの方が人数多いね」
ジャン「これじゃ攻めきれないだろ。せめてMFは4人必要じゃないのか?」
アルミン「いや、僕が言いたいのはMFの司令塔をジャン、DFの司令塔をマルコに任せたいと言う事なんだ」
マルコ「司令塔を二つ立てるっていうのかい?」
アルミン「それに近い感じだね。だからマルコにはMFとDFの橋渡し的なポジションに入って欲しいんだ」
ジャン「ああ、それを考えるとオレが受け取るのが妥当か」
アルミン「二人の呼吸は傍で見ててもぴったりなのが分かるからね」
マルコ「責任重大だなあ」
ジャン「ま、でもやるしかねえだろ」
エレン「アルミンは出ないのか?」
アルミン「僕はちょっと、ずっと試合に出続けるのは無理かな……」
ライナー「まあ、アルミンは監督ポジションで皆を客観的に見てくれる位置でも構わんさ」
フランツ「そうだね。3試合目はこの新しいシステムでやってみようか」
男子一同「おー!」
とりあえず新しい方針が決まった。これで試してみる。コートが空き次第、次の3試合目に入る。
次は5組との対戦だった。笛が鳴って、試合が始まった。
最初はボールを相手に奪われて攻められたけど…。
ベルトルトのカウンターボールが滅茶苦茶伸びてびびった。
コニーがMF寄りに下がってたとは言え、あのラインからコニーのいる付近まで普通、ボール飛ばないぞ?!
ボールを受け取ったコニーが瞬時に前線にあがる。そしてそのままドリブルで切り抜けて、シュートを決めた。
開始3分程度で1点目が入った。やった! 先取点が取れた!
ユミル「よしゃあああ! いいぞベルトルト!!!」
おお? ユミルがえらく興奮してやがる。あいつ、スポーツ観戦好きみてえだな。
ノリノリで応援されるとこそばゆいけど、嬉しいもんだ。ベルトルトも例外じゃねえな。
ミカサとアルミンがベンチで何かしゃべってるみたいだけど、こっちまでは聞こえない。
きっと解説でもしてんのかな。アルミンは親切な奴だからな。
にしてもベルトルトの動きがいいな。GKの時より、のびのびとプレイしているのが傍で見てても分かる。
ジャン「これじゃ攻めきれないだろ。せめてMFは4人必要じゃないのか?」
アルミン「いや、僕が言いたいのはMFの司令塔をジャン、DFの司令塔をマルコに任せたいと言う事なんだ」
マルコ「司令塔を二つ立てるっていうのかい?」
アルミン「それに近い感じだね。だからマルコにはMFとDFの橋渡し的なポジションに入って欲しいんだ」
ジャン「ああ、それを考えるとオレが受け取るのが妥当か」
アルミン「二人の呼吸は傍で見ててもぴったりなのが分かるからね」
マルコ「責任重大だなあ」
ジャン「ま、でもやるしかねえだろ」
エレン「アルミンは出ないのか?」
アルミン「僕はちょっと、ずっと試合に出続けるのは無理かな……」
ライナー「まあ、アルミンは監督ポジションで皆を客観的に見てくれる位置でも構わんさ」
フランツ「そうだね。3試合目はこの新しいシステムでやってみようか」
男子一同「おー!」
とりあえず新しい方針が決まった。これで試してみる。コートが空き次第、次の3試合目に入る。
次は5組との対戦だった。笛が鳴って、試合が始まった。
最初はボールを相手に奪われて攻められたけど…。
ベルトルトのカウンターボールが滅茶苦茶伸びてびびった。
コニーがMF寄りに下がってたとは言え、あのラインからコニーのいる付近まで普通、ボール飛ばないぞ?!
ボールを受け取ったコニーが瞬時に前線にあがる。そしてそのままドリブルで切り抜けて、シュートを決めた。
開始3分程度で1点目が入った。やった! 先取点が取れた!
ユミル「よしゃあああ! いいぞベルトルト!!!」
おお? ユミルがえらく興奮してやがる。あいつ、スポーツ観戦好きみてえだな。
ノリノリで応援されるとこそばゆいけど、嬉しいもんだ。ベルトルトも例外じゃねえな。
ミカサとアルミンがベンチで何かしゃべってるみたいだけど、こっちまでは聞こえない。
きっと解説でもしてんのかな。アルミンは親切な奴だからな。
にしてもベルトルトの動きがいいな。GKの時より、のびのびとプレイしているのが傍で見てても分かる。
193: 2014/05/09(金) 21:41:22 ID:u02WytFQ0
2試合目の時と違って3試合目はすごくやりやすかった。
システム変更をして正解だったぜ!
ジャン「この新システム、案外いいな!」
マルコ「ああ。ベルトルトのカウンターがこうもうまく機能するなんて思わなかった」
ジャンとマルコも同じことを思ったようだ。
敵はベルトルトのカウンターを恐れ始めている。
でもその分、ライナーが暇そうにしていた。
敵はベルトルト側の突破は難しいと見たのか、トーマスとフランツの方にボールを集めだした。
しかしそこにマルコが加わる。3対1になるとさすがに相手も引いてボールを戻す。
するとその後ろからジャンが攻めてボールを取り戻した。
余裕のある布陣のおかげで攻撃のリズムがいい。
コニーのシュートが外れたが、そこに悲壮感は全くなかった。
3点目はオレのシュートが決まった。前半戦で3点も奪えた。
皆、ベンチに戻るとアルミンとハイタッチした。
エレン「アルミン作戦、すげえうまくいってるぞ! やったな!」
ベルトルト「アルミン、ありがとう。おかげですごくやりやすくなったよ」
アルミン「へへへ……そう言ってもらえて嬉しいよ」
フランツ「…………あの」
しかしその時、思わぬ事態が起きたのだ。
フランツ「ごめん。さっきの接触の時に足を捻ったかも…」
アルミン「え?!」
トーマス「ああ。敵も右翼側をこじ開けようと必氏だったからな」
ベルトルト「うっ……それって僕との勝負を避けたからかな」
エレン「馬鹿! それは仕方ねえだろ! ベルトルトのせいじゃねえよ!」
ライナー「どれ、足を見せてみろ」
按配を見ると多分、捻挫のようだ。とりあえず氷で冷やさないとな。
保健委員のミーナが保健室から氷を持って来てくれた。
冷やして痛みが引いて動けるようになったら、保健室でテーピングして貰った方がいいだろう。
エレン「仕方ねえな。フランツのポジションに別の奴入れるしかねえな」
ジャン「アルミン、出れるか?」
アルミン「ぼ、僕でいいの?」
マルコ「この新しい布陣を考えたのはアルミンだからね。アルミンも出た方がいいよ」
アルミン「でも………」
エレン「アルミンがいいに決まってるだろ! 体力きついなら、途中で交代してもいいからさ!」
ライナー「そうだな。途中交代を挟みながらでもアルミンには出てもらいたいな」
アルミン「皆……」
ミカサ「アルミンも出るべきだと思う。皆もそれを望んでいる」
アルミンは迷ってたけど、参加する事に意義があるんだ。
だから、下手だからとか、そういう理由で尻込みするのは良くねえ。
オレがアルミンの背中を叩いてやる。すると、
アルミン「うん。分かった。精一杯、やらせてもらうよ」
フランツのポジションに出ることを決意したようだった。
システム変更をして正解だったぜ!
ジャン「この新システム、案外いいな!」
マルコ「ああ。ベルトルトのカウンターがこうもうまく機能するなんて思わなかった」
ジャンとマルコも同じことを思ったようだ。
敵はベルトルトのカウンターを恐れ始めている。
でもその分、ライナーが暇そうにしていた。
敵はベルトルト側の突破は難しいと見たのか、トーマスとフランツの方にボールを集めだした。
しかしそこにマルコが加わる。3対1になるとさすがに相手も引いてボールを戻す。
するとその後ろからジャンが攻めてボールを取り戻した。
余裕のある布陣のおかげで攻撃のリズムがいい。
コニーのシュートが外れたが、そこに悲壮感は全くなかった。
3点目はオレのシュートが決まった。前半戦で3点も奪えた。
皆、ベンチに戻るとアルミンとハイタッチした。
エレン「アルミン作戦、すげえうまくいってるぞ! やったな!」
ベルトルト「アルミン、ありがとう。おかげですごくやりやすくなったよ」
アルミン「へへへ……そう言ってもらえて嬉しいよ」
フランツ「…………あの」
しかしその時、思わぬ事態が起きたのだ。
フランツ「ごめん。さっきの接触の時に足を捻ったかも…」
アルミン「え?!」
トーマス「ああ。敵も右翼側をこじ開けようと必氏だったからな」
ベルトルト「うっ……それって僕との勝負を避けたからかな」
エレン「馬鹿! それは仕方ねえだろ! ベルトルトのせいじゃねえよ!」
ライナー「どれ、足を見せてみろ」
按配を見ると多分、捻挫のようだ。とりあえず氷で冷やさないとな。
保健委員のミーナが保健室から氷を持って来てくれた。
冷やして痛みが引いて動けるようになったら、保健室でテーピングして貰った方がいいだろう。
エレン「仕方ねえな。フランツのポジションに別の奴入れるしかねえな」
ジャン「アルミン、出れるか?」
アルミン「ぼ、僕でいいの?」
マルコ「この新しい布陣を考えたのはアルミンだからね。アルミンも出た方がいいよ」
アルミン「でも………」
エレン「アルミンがいいに決まってるだろ! 体力きついなら、途中で交代してもいいからさ!」
ライナー「そうだな。途中交代を挟みながらでもアルミンには出てもらいたいな」
アルミン「皆……」
ミカサ「アルミンも出るべきだと思う。皆もそれを望んでいる」
アルミンは迷ってたけど、参加する事に意義があるんだ。
だから、下手だからとか、そういう理由で尻込みするのは良くねえ。
オレがアルミンの背中を叩いてやる。すると、
アルミン「うん。分かった。精一杯、やらせてもらうよ」
フランツのポジションに出ることを決意したようだった。
194: 2014/05/09(金) 21:52:35 ID:u02WytFQ0
そして後半戦が始まった。敵はやはりアルミンの位置を狙ってきた。
アルミンも善戦はしているが、あっと言う間に抜かれてボールをゴール付近に押し込まれそうになる。
アルミン「くそっ!」
落ち着けアルミン。アルミンはこのチームに必要なんだから。
トーマスとマルコが下がってフォローに入る。
敵からボールを奪い返して一度体勢を整えるようだ。
アルミン「ごめん、マルコ、トーマス」
マルコ「謝るのは無しだよ。まずは落ち着こうか」
マルコは慣れたように周りを見渡してベルトルトにボールを渡す。
ベルトルトの蹴りの飛距離は軽く前線に届くので、あっと言う間に反撃出来る。
オレの方に飛んできた。けど、さすがに敵もパターンが読めてきたのか、3人がかりでそれを止めに来た。
エレン「くそ!」
3対1だとさすがに分が悪い。すぐさま一度、ミリウスに下げようとボールを蹴ったが、そこを読まれてボールを奪われちまった。
ジャン「馬鹿か! こっちに寄越せよ!」
ジャンにキレられた。うるせ! 咄嗟の判断ミスだよ!
下がって体勢を整える。ベルトルトがボールを奪い返してくれたおかげで、何とか拮抗を保てた。
ボールがジャンに繋がった。MFのジャンがFWの位置まで上がってくる!
シュートが決まった! これで4-0。もはや勝敗は決したと言える。
相手チームはこの瞬間、さすがに意気消沈して一気に動きが悪くなった。
そしてそのまま逃げ切った。次はいよいよ決勝戦になる。
195: 2014/05/09(金) 22:20:10 ID:u02WytFQ0
ユミル「ベルトルさん、すげえな。もはや守護神じゃねえか」
エレン「ははは! だよな! GKじゃないのにベルトルトが守護神だったな!」
ベルトルトがいるって思うと、多少のミスも大丈夫な気がしてくる。
皆に褒められてベルトルトは少し顔を赤くして照れていた。
ライナー「全くだ。GKが一番暇だったんだが」
マルコ「まあまあ。暇なのはいい事だよ」
アルミン「にしてもまさか、敵がベルトルトの癖を見抜いてくるなんて思わなかったな」
アルミンがブツブツ言い出した。
ん? って事はもしかして、オレんとこに3人もきたのはそのせいか?
ベルトルト「そんなにわかるもんかな? 蹴る方向って」
アルミン「どうだろうね。でも、敵の動きは明らかにベルトルトの蹴る方向を読んだ上でエレンの傍に集まった。やはり何処かで読まれてたとしか思えないよ」
ジャン「もしそうだとしたら、ちょっと厄介だな。オレもそう何度も前線に上がれないぞ」
マルコ「そうだね。となると、ベルトルトのカウンター頼みの作戦も危ないって事になるね」
そうだな。何度も同じ手は通じねえって事だ。
だったら新しいルートを考えるしかねえな。
アルミン「うん。ベルトルトのカウンターを軸にもう一本、攻撃のパターンを作る必要性が出てきたね」
エレン「つーと、普通のパスルートも同時に考えておくのか?」
アルミン「うん。ベルトルトからエレン、コニー以外のルートも考えよう」
ライナー「それだったら、一度、俺にボールを戻してくれないか?」
と、その時ライナーの方から提案をした。
なるほど。それはいい手かもしれねえ。
ライナー「蹴る飛距離で言えば俺もベルトルト程ではないが、そこそこ飛ばせる。ジャンのいる辺りまでなら一気に蹴れると思うが」
アルミン「なるほど。ベルトルトルートからライナールートの二択だね。いいと思うよ」
マルコ「つまり攻撃の軸を両翼だけじゃなくて3本柱にするって事だね」
ジャン「オレの仕事が増えるじゃねえか……」
サムエル「いい事じゃないか。女子に見られてるんだぞ?」
コニー「そうだぞ。モテるかもしれないぞ」
ジャン「そ、そうかな……?」
ジャン、そこでミカサを見るんじゃない。
まあ、ミカサはその視線の意味に気づいてないみたいだが。
マルコ「何よりあの子の見てる前で、サボるなんて真似出来ないだろ」
ジャン「マルコ、それ以上は言うなよ」
マルコは本当に優しい奴だ。ちゃんとミカサには聞こえないように突っ込んでるし。
ジャン「まあいい。しょうがねえ。やるしかねえか」
ま、その通りだな。
アルミン「いよいよ、決勝戦だ。このまま女子と一緒に優勝しよう!」
男子一同「おー!」
エレン「ははは! だよな! GKじゃないのにベルトルトが守護神だったな!」
ベルトルトがいるって思うと、多少のミスも大丈夫な気がしてくる。
皆に褒められてベルトルトは少し顔を赤くして照れていた。
ライナー「全くだ。GKが一番暇だったんだが」
マルコ「まあまあ。暇なのはいい事だよ」
アルミン「にしてもまさか、敵がベルトルトの癖を見抜いてくるなんて思わなかったな」
アルミンがブツブツ言い出した。
ん? って事はもしかして、オレんとこに3人もきたのはそのせいか?
ベルトルト「そんなにわかるもんかな? 蹴る方向って」
アルミン「どうだろうね。でも、敵の動きは明らかにベルトルトの蹴る方向を読んだ上でエレンの傍に集まった。やはり何処かで読まれてたとしか思えないよ」
ジャン「もしそうだとしたら、ちょっと厄介だな。オレもそう何度も前線に上がれないぞ」
マルコ「そうだね。となると、ベルトルトのカウンター頼みの作戦も危ないって事になるね」
そうだな。何度も同じ手は通じねえって事だ。
だったら新しいルートを考えるしかねえな。
アルミン「うん。ベルトルトのカウンターを軸にもう一本、攻撃のパターンを作る必要性が出てきたね」
エレン「つーと、普通のパスルートも同時に考えておくのか?」
アルミン「うん。ベルトルトからエレン、コニー以外のルートも考えよう」
ライナー「それだったら、一度、俺にボールを戻してくれないか?」
と、その時ライナーの方から提案をした。
なるほど。それはいい手かもしれねえ。
ライナー「蹴る飛距離で言えば俺もベルトルト程ではないが、そこそこ飛ばせる。ジャンのいる辺りまでなら一気に蹴れると思うが」
アルミン「なるほど。ベルトルトルートからライナールートの二択だね。いいと思うよ」
マルコ「つまり攻撃の軸を両翼だけじゃなくて3本柱にするって事だね」
ジャン「オレの仕事が増えるじゃねえか……」
サムエル「いい事じゃないか。女子に見られてるんだぞ?」
コニー「そうだぞ。モテるかもしれないぞ」
ジャン「そ、そうかな……?」
ジャン、そこでミカサを見るんじゃない。
まあ、ミカサはその視線の意味に気づいてないみたいだが。
マルコ「何よりあの子の見てる前で、サボるなんて真似出来ないだろ」
ジャン「マルコ、それ以上は言うなよ」
マルコは本当に優しい奴だ。ちゃんとミカサには聞こえないように突っ込んでるし。
ジャン「まあいい。しょうがねえ。やるしかねえか」
ま、その通りだな。
アルミン「いよいよ、決勝戦だ。このまま女子と一緒に優勝しよう!」
男子一同「おー!」
196: 2014/05/09(金) 22:30:14 ID:u02WytFQ0
そして少し時間が空いて、いよいよ決勝戦である。
決勝戦は2年1組と1年1組の偶然にも、1組同士の対決となった。
ギャラリーが一気に増えた。敗退した男子と、試合の終わった女子のグループがわいわい試合を見に来ている。
2年1組女子1「サッカー部の意地を見せなさいよ!」
2年1組女子2「そうだぞー! 1年に負けるな!」
2年1組男子1「おう! 1年には負けられん!」
どうやら決勝の相手の組には現役のサッカー部員がいるようだな。
こちらは運動神経のいいメンバーは揃ってはいるが、確かサッカー部員はいなかった筈だ。
でもそんなのは関係ない。勝負は時の運もある。全力でやるだけだ。
そしてホイッスルが鳴り、試合が始まった。
敵のチームは素早く中に切り込んで、アルミンのいる側を狙っている。
敵はやはりアルミン狙いのようだ。
アルミン「くそっ…!」
アルミンがらしくねえ。意地張ってるせいか、動きが悪い。
確かに体力では他の奴らには劣るけど、アルミンには誰にも負けない武器がある。
それがうまく機能すれば、オレ達はずっと戦い易くなる筈だ。
アルミン、お前の持ち味を忘れるなよ!
そう、声をかけてやりたかったけど、オレのFWとアルミンのDFの位置は遠過ぎる。
下がり過ぎると良くないから、様子を見るだけしか出来ないが…。
その時、ベルトルトがしびれを切らしてアルミン側に寄った。
まずい!
アルミン「ダメだベルトルト!」
アルミンも気づいた。そう叫んだ時は遅かった。
敵はパスを切り替えてベルトルトの領域を突破した。
197: 2014/05/09(金) 22:31:43 ID:u02WytFQ0
ベルトルト「しまった!」
アルミンのところを執拗に攻めたのもそのせいか。
アルミンを狙い続け、味方のフォローの動きに合わせてベルトルトの横を抜く。
うまいと思った。サッカー部員のいるチームなだけあるぜ!
ライナーの守るゴールは危うく奪われそうになったが、そこをジャンピングパンチでセーブした。
ライナーがベルトルトに何か言っていた。今のミスを諌めているみたいだった。
そしてそのまま前半戦が終了する。0-0のまま折り返してしまった。
アルミン「ふー……相手もさすがに研究してきたね」
アルミンは水を補給しながら何やら考えているようだ。
エレン「何か、3試合目の時ほどうまくリズムに乗れないよな。何でだろ?」
コニー「だよなあ。オレ達二人の攻撃、読まれてるのかな?」
ジャン「まあ、攻撃パターンが分かればカウンターもそこまで怖くはねえよ」
マルコ「うん。3試合目のカウンターは、ベルトルトの蹴りの飛距離を甘く見てた敵の油断があったからこそ、だもんね」
アルミン「まあそうなるね。1、2試合目の時のベルトルトの動きと、全然違ったから、敵も動揺したんだと思うよ」
ベルトルト「じゃあ、今はもう、僕の存在を恐れてないって事か」
アルミン「加えて敵もDFの数を多めにしてる。カウンターに対抗して持久戦で挑むつもりなんだよ」
ライナー「つまり同じような布陣で戦い合ってるから、ジリ貧になってるのか」
アルミン「そうだね。ここはまた、ちょっとポジションを変更する必要が出てきたかも」
アルミンは木の枝で地面に文字を書きながら作戦を練り直しているようだ。
アルミン「あのね、ちょっと奇策に近い布陣なんだけどさ」
エレン「ん? 奇策? ってことはあんまり見ない陣形って事か?」
アルミン「うん。ちょっと変な陣形になるけど、こういうのはどうだろう?」
FW エレン ジャン コニー
MF ミリウス サムエル
ナック トーマス
マルコ
DF ベルトルト ライナー
GK アルミン
アルミンのところを執拗に攻めたのもそのせいか。
アルミンを狙い続け、味方のフォローの動きに合わせてベルトルトの横を抜く。
うまいと思った。サッカー部員のいるチームなだけあるぜ!
ライナーの守るゴールは危うく奪われそうになったが、そこをジャンピングパンチでセーブした。
ライナーがベルトルトに何か言っていた。今のミスを諌めているみたいだった。
そしてそのまま前半戦が終了する。0-0のまま折り返してしまった。
アルミン「ふー……相手もさすがに研究してきたね」
アルミンは水を補給しながら何やら考えているようだ。
エレン「何か、3試合目の時ほどうまくリズムに乗れないよな。何でだろ?」
コニー「だよなあ。オレ達二人の攻撃、読まれてるのかな?」
ジャン「まあ、攻撃パターンが分かればカウンターもそこまで怖くはねえよ」
マルコ「うん。3試合目のカウンターは、ベルトルトの蹴りの飛距離を甘く見てた敵の油断があったからこそ、だもんね」
アルミン「まあそうなるね。1、2試合目の時のベルトルトの動きと、全然違ったから、敵も動揺したんだと思うよ」
ベルトルト「じゃあ、今はもう、僕の存在を恐れてないって事か」
アルミン「加えて敵もDFの数を多めにしてる。カウンターに対抗して持久戦で挑むつもりなんだよ」
ライナー「つまり同じような布陣で戦い合ってるから、ジリ貧になってるのか」
アルミン「そうだね。ここはまた、ちょっとポジションを変更する必要が出てきたかも」
アルミンは木の枝で地面に文字を書きながら作戦を練り直しているようだ。
アルミン「あのね、ちょっと奇策に近い布陣なんだけどさ」
エレン「ん? 奇策? ってことはあんまり見ない陣形って事か?」
アルミン「うん。ちょっと変な陣形になるけど、こういうのはどうだろう?」
FW エレン ジャン コニー
MF ミリウス サムエル
ナック トーマス
マルコ
DF ベルトルト ライナー
GK アルミン
198: 2014/05/09(金) 22:42:39 ID:u02WytFQ0
エレン「ええええ?! DFが二人だけ?! ちょっと無謀じゃないか?!」
こんな陣形は初めて見るぞ。
オレ以外の奴らも動揺していた。だってこれじゃ、DFラインが薄すぎる。
マルコ「さっきとは打って変わって攻撃的な布陣だね」
そのせいでマルコにかかる負担が一番大きくなる。そういう布陣だった。
ジャン「つか、アルミン、GK出来るのか?」
ジャンが突っ込んだ。確かに。アルミンがGKやってるとこは見た事がない。
小中学校の頃も大抵、DFをやる事が多かったんだが…。
アルミン「あんまり自信はないけど、まあ所謂『背水の陣』戦法かな」
うーん。まさにその通りだな。
マルコ「これって僕のポジションを抜かれたらやばいよね」
アルミン「責任重大だよ。マルコの場所が実質、守備の扇の要になるからね」
マルコがちょっとびびっていた。無理もねえ。
マルコのところを抜かれたら、アルミン対敵の一騎打ちになりかねない。
ジャン「なるほど。これだけ前線よりに人がいれば、突破するのもいけるんじゃないか?」
マルコ「いや、でももしカウンター食らったらベルトルトとライナーだけになっちゃうよ」
そうなんだ。これ、攻めるのはやりやすいけど、守りにくい布陣なんだ。
ベルトルト「……………でも、これならこっちのカウンターを打つルートがかなり増やせるよ」
アルミン「ベルトルトの言う通りだ。これなら、ベルトルトがカウンターを蹴るルートが全部で7つになるんだよ」
ライナー「ん? 8つじゃないのか?」
アルミン「マルコはMFと言っても、実質DF寄りに守って貰うから。マルコだけはMF&DFみたいな位置になるよ」
ジャン「あーなんだっけ。そういうポジションって別に言い方があったような」
アルミン「うん。CB(センターバック)またはCH(センターハーフ)だったかな?」
マルコ「なるほど。だったら、DFは2.5人って考えればいいのかな」
そうか。だったらそこまで心配しなくてもいいんかな。
いやでもな。これ、結構勇気のいる布陣だよな。
アルミン「そんな感じだね。後あれだよ。僕がGKをする事によって、皆に危機感が生まれるでしょ?」
エレン「うっ……まさか、そういうプレッシャーのかけ方するのか?」
アルミン「吉と出るか凶と出るか分かんないけどね。でも、これで一度やってみない?」
ライナー「わかった。アルミン作戦2ってところだな。いくぞ、皆!」
男子一同「おー!」
そしてアルミン作戦2による後半戦が始まった。
敵は案の定、カウンターを決めて中に切り込んできた。
まずい! マルコのいる場所が抜かれた!
ライナーとベルトルトのフォローが間に合うのか。
そう、焦った時、
ライナー「うおおおおおおお!」
ライナーが突進するようにボールを奪い返した。
そしてベルトルトにパスしてカウンターが決まる!
良かった。ライナーの足が間に合った。
クリスタの応援パワーがここにきて生きてるみたいだぜ!
ライナー「いやーGKで休ませて貰った分、働かないとな」
ライナーはまだ体力が余っているようだ。だったら尚更、やりやすい。
こんな陣形は初めて見るぞ。
オレ以外の奴らも動揺していた。だってこれじゃ、DFラインが薄すぎる。
マルコ「さっきとは打って変わって攻撃的な布陣だね」
そのせいでマルコにかかる負担が一番大きくなる。そういう布陣だった。
ジャン「つか、アルミン、GK出来るのか?」
ジャンが突っ込んだ。確かに。アルミンがGKやってるとこは見た事がない。
小中学校の頃も大抵、DFをやる事が多かったんだが…。
アルミン「あんまり自信はないけど、まあ所謂『背水の陣』戦法かな」
うーん。まさにその通りだな。
マルコ「これって僕のポジションを抜かれたらやばいよね」
アルミン「責任重大だよ。マルコの場所が実質、守備の扇の要になるからね」
マルコがちょっとびびっていた。無理もねえ。
マルコのところを抜かれたら、アルミン対敵の一騎打ちになりかねない。
ジャン「なるほど。これだけ前線よりに人がいれば、突破するのもいけるんじゃないか?」
マルコ「いや、でももしカウンター食らったらベルトルトとライナーだけになっちゃうよ」
そうなんだ。これ、攻めるのはやりやすいけど、守りにくい布陣なんだ。
ベルトルト「……………でも、これならこっちのカウンターを打つルートがかなり増やせるよ」
アルミン「ベルトルトの言う通りだ。これなら、ベルトルトがカウンターを蹴るルートが全部で7つになるんだよ」
ライナー「ん? 8つじゃないのか?」
アルミン「マルコはMFと言っても、実質DF寄りに守って貰うから。マルコだけはMF&DFみたいな位置になるよ」
ジャン「あーなんだっけ。そういうポジションって別に言い方があったような」
アルミン「うん。CB(センターバック)またはCH(センターハーフ)だったかな?」
マルコ「なるほど。だったら、DFは2.5人って考えればいいのかな」
そうか。だったらそこまで心配しなくてもいいんかな。
いやでもな。これ、結構勇気のいる布陣だよな。
アルミン「そんな感じだね。後あれだよ。僕がGKをする事によって、皆に危機感が生まれるでしょ?」
エレン「うっ……まさか、そういうプレッシャーのかけ方するのか?」
アルミン「吉と出るか凶と出るか分かんないけどね。でも、これで一度やってみない?」
ライナー「わかった。アルミン作戦2ってところだな。いくぞ、皆!」
男子一同「おー!」
そしてアルミン作戦2による後半戦が始まった。
敵は案の定、カウンターを決めて中に切り込んできた。
まずい! マルコのいる場所が抜かれた!
ライナーとベルトルトのフォローが間に合うのか。
そう、焦った時、
ライナー「うおおおおおおお!」
ライナーが突進するようにボールを奪い返した。
そしてベルトルトにパスしてカウンターが決まる!
良かった。ライナーの足が間に合った。
クリスタの応援パワーがここにきて生きてるみたいだぜ!
ライナー「いやーGKで休ませて貰った分、働かないとな」
ライナーはまだ体力が余っているようだ。だったら尚更、やりやすい。
199: 2014/05/09(金) 22:58:40 ID:u02WytFQ0
敵は何度も攻めてくるが、ライナーとベルトルトのコンビネーションがうまくかみ合っているおかげで、突破されない。
加えてこっちのカウンターボールが何度も行き来するから、敵の体力も奪う事が出来る。
拮抗していた試合展開が徐々にこっち寄りになってきた。
リズムが生まれてきた。ジャンが状況をうまく判断してパスを展開させる!
ジャンのパスを戻して、ジャンに決めさせる!
しかし相手のGKがそれに合わせてジャンプした。
2年1組GK「させるか!」
ジャンピングパンチでボールが零れた。
零れ球をヘディングで押し込んでやる!
後半戦、遂に得点した。ねじ込んでやったぜ!
ジャン「くそ、おいしいところを持って行かれた!」
エレン「こぼしたお前が悪いんだろ! 一発で決めろよ!」
ジャンに花を持たせてやりたかったのに。一番いい位置にいたからな。
ジャン「ああ?! ここまでこれたのは、オレの戦略があってこそだろうが!」
それは分かってるが、今、お前はFWだろうが!
FWはゴールに押し込むのが仕事なんだよ!
サムエル「おいおい、試合中だぞ! 喧嘩すんなって!」
ミリウス「喧嘩は後でしろ!」
エレン「ちっ……」
ジャン「くそ……FWはいいよな! ゴールを決めて目立ててよ!」
いやだから、お前に花を持たせようとしたのに、ミスしたのはそっちだろ?!
エレン「ああ?! 今はお前もFWだろうが! 自分で決めればいいじゃねえか!」
サムエル「蒸し返すなエレン! 全く……この二人を並べるのはまずいんじゃないか?」
ミリウス「一回、タイム取らせて貰おうぜ」
そんな訳で急遽、タイムが取られてしまった。
オレとジャンはお互いに舌打ちして視線を合わせなかった。当然だ。
アルミン「弱ったね。FW同士で喧嘩になっちゃうとは…」
エレン「オレは別に悪くねえだろ。自分の仕事をしたまでだ」
ジャン「こいつは、つなげたパスに対する感謝の念が足りねえよ!」
カチーン☆
エレン「オレは別に感謝してねえとは言ってねえよ! 皆のパスがあってこそのFWだと思ってるよ!」
だからこそ、お前にもパス回したんだろうが!
コニー「まあ、ジャンはヘタレだからFW向いてねえのかもな~」
ジャン「ああ?! なんつったコニー!」
アルミン「コニーまで余計な事言わないで…」
いや、コニーの言うのは正しい。ジャンはFWには向いてねえよ。
アルミン「仕方ない。ポジション、修正しようか」
FW エレン コニー
MF ミリウス サムエル
ナック ジャン トーマス
DF ベルトルト マルコ ライナー
GK アルミン
加えてこっちのカウンターボールが何度も行き来するから、敵の体力も奪う事が出来る。
拮抗していた試合展開が徐々にこっち寄りになってきた。
リズムが生まれてきた。ジャンが状況をうまく判断してパスを展開させる!
ジャンのパスを戻して、ジャンに決めさせる!
しかし相手のGKがそれに合わせてジャンプした。
2年1組GK「させるか!」
ジャンピングパンチでボールが零れた。
零れ球をヘディングで押し込んでやる!
後半戦、遂に得点した。ねじ込んでやったぜ!
ジャン「くそ、おいしいところを持って行かれた!」
エレン「こぼしたお前が悪いんだろ! 一発で決めろよ!」
ジャンに花を持たせてやりたかったのに。一番いい位置にいたからな。
ジャン「ああ?! ここまでこれたのは、オレの戦略があってこそだろうが!」
それは分かってるが、今、お前はFWだろうが!
FWはゴールに押し込むのが仕事なんだよ!
サムエル「おいおい、試合中だぞ! 喧嘩すんなって!」
ミリウス「喧嘩は後でしろ!」
エレン「ちっ……」
ジャン「くそ……FWはいいよな! ゴールを決めて目立ててよ!」
いやだから、お前に花を持たせようとしたのに、ミスしたのはそっちだろ?!
エレン「ああ?! 今はお前もFWだろうが! 自分で決めればいいじゃねえか!」
サムエル「蒸し返すなエレン! 全く……この二人を並べるのはまずいんじゃないか?」
ミリウス「一回、タイム取らせて貰おうぜ」
そんな訳で急遽、タイムが取られてしまった。
オレとジャンはお互いに舌打ちして視線を合わせなかった。当然だ。
アルミン「弱ったね。FW同士で喧嘩になっちゃうとは…」
エレン「オレは別に悪くねえだろ。自分の仕事をしたまでだ」
ジャン「こいつは、つなげたパスに対する感謝の念が足りねえよ!」
カチーン☆
エレン「オレは別に感謝してねえとは言ってねえよ! 皆のパスがあってこそのFWだと思ってるよ!」
だからこそ、お前にもパス回したんだろうが!
コニー「まあ、ジャンはヘタレだからFW向いてねえのかもな~」
ジャン「ああ?! なんつったコニー!」
アルミン「コニーまで余計な事言わないで…」
いや、コニーの言うのは正しい。ジャンはFWには向いてねえよ。
アルミン「仕方ない。ポジション、修正しようか」
FW エレン コニー
MF ミリウス サムエル
ナック ジャン トーマス
DF ベルトルト マルコ ライナー
GK アルミン
200: 2014/05/09(金) 23:24:11 ID:u02WytFQ0
アルミン「攻撃力は下がるけど、ジャンはMFに戻そう。これなら攻守のバランスも取れていいと思う」
オレとジャンの距離が大分遠くなった。よしよし。
マルコ「そうだね。1点先制したし、今度は無理に点を取りに行かなくてもいいからこれで十分だね」
アルミン「1点を守りきろう。敵は全力で残り時間、攻めてくるよ」
アルミンの予想通り、この後の敵の布陣は変わった。
残り時間で同点に追いつくべく、攻撃側に人数を割いてきたんだ。
でもこっちもジャンとマルコが下がったおかげで、守備力も安定している。
DFに余裕が生まれているおかげで、敵も安易に中に攻め込めない。
アルミンは殆ど活躍の場はなかった。このまま逃げ切りたい。
しかし残り5分を切ったその時、遂にゲームが動いた。
ベルトルトの反応が一歩、遅れたのだ。横を抜かれて、遂にアルミンとの対決になる。
敵のシュートが、アルミンの頭上を飛び越えて行きそうになる。
そこをジャンプしてヘディングでセーブした。しかし!
エレン「!」
敵のフォローが早かった。まずい。
あの距離で蹴られたら、アルミンの顔面にボールがいく!
ドゴオオオオ!
でもアルミンは怯まず、顔面でセーブした。
ボールは跳ね返り、ライナーの方へ転がる。
笛が鳴った。審判がタイムをかけたのだ。
審判「大丈夫ですか? 怪我は?」
アルミンは鼻血を出していた。
当然だ。至近距離のシュートを顔面でセーブしたのだから。
ボタボタと血が落ちていく様に女子もざわついている。
オレとジャンの距離が大分遠くなった。よしよし。
マルコ「そうだね。1点先制したし、今度は無理に点を取りに行かなくてもいいからこれで十分だね」
アルミン「1点を守りきろう。敵は全力で残り時間、攻めてくるよ」
アルミンの予想通り、この後の敵の布陣は変わった。
残り時間で同点に追いつくべく、攻撃側に人数を割いてきたんだ。
でもこっちもジャンとマルコが下がったおかげで、守備力も安定している。
DFに余裕が生まれているおかげで、敵も安易に中に攻め込めない。
アルミンは殆ど活躍の場はなかった。このまま逃げ切りたい。
しかし残り5分を切ったその時、遂にゲームが動いた。
ベルトルトの反応が一歩、遅れたのだ。横を抜かれて、遂にアルミンとの対決になる。
敵のシュートが、アルミンの頭上を飛び越えて行きそうになる。
そこをジャンプしてヘディングでセーブした。しかし!
エレン「!」
敵のフォローが早かった。まずい。
あの距離で蹴られたら、アルミンの顔面にボールがいく!
ドゴオオオオ!
でもアルミンは怯まず、顔面でセーブした。
ボールは跳ね返り、ライナーの方へ転がる。
笛が鳴った。審判がタイムをかけたのだ。
審判「大丈夫ですか? 怪我は?」
アルミンは鼻血を出していた。
当然だ。至近距離のシュートを顔面でセーブしたのだから。
ボタボタと血が落ちていく様に女子もざわついている。
201: 2014/05/09(金) 23:30:04 ID:u02WytFQ0
アルミン「大丈夫です。大した事ありません」
審判「それを判断するのは君じゃない。立てるかい?」
アルミン「はい……(フラッ)」
審判「ダメだね。担架を用意。保健室で治療を受けてきて」
アルミン「………分かりました」
アルミンは青褪めた表情で担架に運ばれていった。
エレン「ひでえラフプレーだなおい」
苛ついていた。だからつい、言っちまった。
今のはプレイ中の事故、として片付けるには余りにも、ひでえと思ったんだ。
2年男子1「わざとじゃねえよ。つか、顔で受け止めるとか。素人か」
エレン「ああ?! 素人に決まってるだろ。何言ってやがる!」
この時は頭に血が上っていた。だから感情を制御出来なかったんだ。
相手はバツの悪そうな顔してたからわざとじゃないのは分かってた。
でも、相手の言葉につい、腹が立っちまって。
2年男子1「普通はああいう時は避けるだろ! 何で自分から当たりに行ってんだよ!」
エレン「それはGKだからだろ! アルミンはそういう奴なんだよ!」
避ける事を前提にボール蹴ってんじゃねえよ!
そりゃサッカーをし慣れている奴は咄嗟に避けられるかもしれんが、
アルミンだけじゃねえ! 他の奴らだって、普段は授業くらいでしかサッカーをしねえんだ!
サッカー部員が部活の試合と同じ感覚でやってんじゃねえよ!
審判「やめなさい! 警告出しますよ!」
エレン「ちっ……」
……いや、手加減しないって意味では決して間違ってはいないんだが。
向こうもだんだん、本気になってたんだろうな。
球技大会のノリじゃなくて、部活の時のテンションで試合してたんなら、
これはもう、どうしようもねえ事なんだけど。
アルミンもきっと、手加減されるのは本意じゃないから、相手のラフプレイに対しては怒りもないだろう。
でも心配だった。アルミンの鼻、大丈夫かな。
オレ達は当然、ここでタイムを取った。アルミンの抜けたポジションに誰が入るか話し合わないと。
ライナー「アルミンが抜けた以上、また布陣を変えないといけないな」
ベルトルト「………………ライナー」
ライナー「ん?」
ベルトルト「僕、GKに戻ってもいいかな?」
意外だった。皆、ベルトルトに一斉に注目する。
ベルトルト「僕のせいだ。僕が最後、抜かれたからアルミンは無理をしたんだ」
ライナー「そんな事は考えなくていい。体力が消耗してきてたんだろ。お前は身体能力は高いが、持久力はそこまである方じゃないからな」
ベルトルト「うん……少しだけ疲れが出てきたんだ。でもまさか、抜かれるとは思ってなかった」
ライナー「敵もサッカー部員がいるだけあるってことだ。体力配分は向こうの方が上なんだろ」
マルコ「まあ、後半のこの時間が一番、辛い時間帯だよね」
ジャン「野球で言うところの9回裏スリーボールツーストライクツーアウトってところだな」
コニー「どういう意味だ?」
エレン「正念場って事だろ」
審判「それを判断するのは君じゃない。立てるかい?」
アルミン「はい……(フラッ)」
審判「ダメだね。担架を用意。保健室で治療を受けてきて」
アルミン「………分かりました」
アルミンは青褪めた表情で担架に運ばれていった。
エレン「ひでえラフプレーだなおい」
苛ついていた。だからつい、言っちまった。
今のはプレイ中の事故、として片付けるには余りにも、ひでえと思ったんだ。
2年男子1「わざとじゃねえよ。つか、顔で受け止めるとか。素人か」
エレン「ああ?! 素人に決まってるだろ。何言ってやがる!」
この時は頭に血が上っていた。だから感情を制御出来なかったんだ。
相手はバツの悪そうな顔してたからわざとじゃないのは分かってた。
でも、相手の言葉につい、腹が立っちまって。
2年男子1「普通はああいう時は避けるだろ! 何で自分から当たりに行ってんだよ!」
エレン「それはGKだからだろ! アルミンはそういう奴なんだよ!」
避ける事を前提にボール蹴ってんじゃねえよ!
そりゃサッカーをし慣れている奴は咄嗟に避けられるかもしれんが、
アルミンだけじゃねえ! 他の奴らだって、普段は授業くらいでしかサッカーをしねえんだ!
サッカー部員が部活の試合と同じ感覚でやってんじゃねえよ!
審判「やめなさい! 警告出しますよ!」
エレン「ちっ……」
……いや、手加減しないって意味では決して間違ってはいないんだが。
向こうもだんだん、本気になってたんだろうな。
球技大会のノリじゃなくて、部活の時のテンションで試合してたんなら、
これはもう、どうしようもねえ事なんだけど。
アルミンもきっと、手加減されるのは本意じゃないから、相手のラフプレイに対しては怒りもないだろう。
でも心配だった。アルミンの鼻、大丈夫かな。
オレ達は当然、ここでタイムを取った。アルミンの抜けたポジションに誰が入るか話し合わないと。
ライナー「アルミンが抜けた以上、また布陣を変えないといけないな」
ベルトルト「………………ライナー」
ライナー「ん?」
ベルトルト「僕、GKに戻ってもいいかな?」
意外だった。皆、ベルトルトに一斉に注目する。
ベルトルト「僕のせいだ。僕が最後、抜かれたからアルミンは無理をしたんだ」
ライナー「そんな事は考えなくていい。体力が消耗してきてたんだろ。お前は身体能力は高いが、持久力はそこまである方じゃないからな」
ベルトルト「うん……少しだけ疲れが出てきたんだ。でもまさか、抜かれるとは思ってなかった」
ライナー「敵もサッカー部員がいるだけあるってことだ。体力配分は向こうの方が上なんだろ」
マルコ「まあ、後半のこの時間が一番、辛い時間帯だよね」
ジャン「野球で言うところの9回裏スリーボールツーストライクツーアウトってところだな」
コニー「どういう意味だ?」
エレン「正念場って事だろ」
202: 2014/05/09(金) 23:33:14 ID:u02WytFQ0
オレがそう、簡潔に伝えるとコニーがプンスカ怒り出した。
コニー「なら最初からそう言えよ!」
ジャン「いや、分かれよ。コニー野球部入ってんだろ」
コニー「はあ? その時間は一番、楽しい時間だろ! 辛いとか意味分かんねえよ」
ジャン「お前ポジションどこだ」
コニー「サード! 今は7番打者だけど将来は4番になるぜ!」
ジャン「悪かった。オレが今言ったのは、投手の立場だよ」
マルコ「つまり向こうにとっては、打者で、僕らは投手って事だね」
ジャン「ああ。オレはそう言いたかったんだよ」
コニー「ああ、そっか。オレ、打者のつもりで言っちまった」
コニーは本当、おっちょこちょいだな。
エレン「まあいい。ここを逃げ切れれば勝ちなんだ。ベルトルトがGKに入るなら布陣をまた変更するぞ」
ライナー「ではこんな風に変えるのはどうだろうか?」
FW エレン
MF ミリウス トーマス
ナック サムエル
DF ライナー コニー
マルコ ジャン ダズ
GK ベルトルト
コニー「なら最初からそう言えよ!」
ジャン「いや、分かれよ。コニー野球部入ってんだろ」
コニー「はあ? その時間は一番、楽しい時間だろ! 辛いとか意味分かんねえよ」
ジャン「お前ポジションどこだ」
コニー「サード! 今は7番打者だけど将来は4番になるぜ!」
ジャン「悪かった。オレが今言ったのは、投手の立場だよ」
マルコ「つまり向こうにとっては、打者で、僕らは投手って事だね」
ジャン「ああ。オレはそう言いたかったんだよ」
コニー「ああ、そっか。オレ、打者のつもりで言っちまった」
コニーは本当、おっちょこちょいだな。
エレン「まあいい。ここを逃げ切れれば勝ちなんだ。ベルトルトがGKに入るなら布陣をまた変更するぞ」
ライナー「ではこんな風に変えるのはどうだろうか?」
FW エレン
MF ミリウス トーマス
ナック サムエル
DF ライナー コニー
マルコ ジャン ダズ
GK ベルトルト
203: 2014/05/09(金) 23:52:56 ID:u02WytFQ0
ライナー「ここはもう、逃げ切る事を前提にFWは一人でいいと思うんだ」
ジャン「コニーをDFまで下げるのか」
ライナー「ああ。コニーは複雑な指示をされると混乱するから、MFには向かないしな」
コニー「今度は守る方だな。いいぜ!」
エレン「オレがFWに残るのか」
驚いた。まさか一人でFWになるとは思わなかった。
マルコ「エレンはFWとして一番、活躍しているからね。ここは残って欲しい」
エレン「了解した」
逃げ切る事が前提だけど、もしもの時は絶対決めてやる!
ライナー「残り時間、逃げ切るぞ。もし同点に追いつかれたとしても、陣形は変えない」
エレン「ああ。もし追いつかれたらベルトルトのカウンターでオレがゴールを決めてやる」
ライナー「よし、じゃあ、いくぞ!」
男子一同「おおお!」
後半戦。残り5分を切ったところから再開だ。ホイッスルの合図と共にボールが動き出した。
ライナーの蹴りがマルコ、ジャン、サムエル、トーマス、と右翼側に繋がる。
敵は残り時間、全力で攻めてくるが、コニーがうまい具合に敵のボールを奪い返している。
2年男子1「くそ……しぶといなこいつら」
そろそろ体力が落ちてくると思っていたのか、相手チームは舌打ちしていた。
ジャン「ははは! 元野球少年を舐めんなよ! 走り込みなら散々やらされてるんだよ!」
ジャンは意外と体力があるのか、まだ動けるようだ。
コニーもまだ余力がある。さすが現役野球部だ。スタミナが違うな。
あ、でも、アルミンの代わりに入ったダズがオロオロしている。
判断が出来なくてモタモタしているところを狙われた!
ジャン「げっ……!」
しかもゴール付近だった。まずい!
一気に空気が変わって敵がシュート体勢に入った。
残り1分。時計が刻む途中で、そのシュートは放たれた。
ベルトルトが飛んだ!
ベルトルト「………!」
だけどその時、運命の女神は悪戯をした。
ベルトルトの指先は確かにボールを弾いた。ゴールを守ったのに。
直後、ボールはゴールの枠の部分に当たり、つまりビリヤードの球当ての要領に近い動きで、ゴールの中にボールが吸い込まれた。
運がねえ。ベルトルトのセーブ失敗が空気を変えた。
敵チームは俄然、勢いに乗って全員の顔色が変わったんだ。
ジャン「コニーをDFまで下げるのか」
ライナー「ああ。コニーは複雑な指示をされると混乱するから、MFには向かないしな」
コニー「今度は守る方だな。いいぜ!」
エレン「オレがFWに残るのか」
驚いた。まさか一人でFWになるとは思わなかった。
マルコ「エレンはFWとして一番、活躍しているからね。ここは残って欲しい」
エレン「了解した」
逃げ切る事が前提だけど、もしもの時は絶対決めてやる!
ライナー「残り時間、逃げ切るぞ。もし同点に追いつかれたとしても、陣形は変えない」
エレン「ああ。もし追いつかれたらベルトルトのカウンターでオレがゴールを決めてやる」
ライナー「よし、じゃあ、いくぞ!」
男子一同「おおお!」
後半戦。残り5分を切ったところから再開だ。ホイッスルの合図と共にボールが動き出した。
ライナーの蹴りがマルコ、ジャン、サムエル、トーマス、と右翼側に繋がる。
敵は残り時間、全力で攻めてくるが、コニーがうまい具合に敵のボールを奪い返している。
2年男子1「くそ……しぶといなこいつら」
そろそろ体力が落ちてくると思っていたのか、相手チームは舌打ちしていた。
ジャン「ははは! 元野球少年を舐めんなよ! 走り込みなら散々やらされてるんだよ!」
ジャンは意外と体力があるのか、まだ動けるようだ。
コニーもまだ余力がある。さすが現役野球部だ。スタミナが違うな。
あ、でも、アルミンの代わりに入ったダズがオロオロしている。
判断が出来なくてモタモタしているところを狙われた!
ジャン「げっ……!」
しかもゴール付近だった。まずい!
一気に空気が変わって敵がシュート体勢に入った。
残り1分。時計が刻む途中で、そのシュートは放たれた。
ベルトルトが飛んだ!
ベルトルト「………!」
だけどその時、運命の女神は悪戯をした。
ベルトルトの指先は確かにボールを弾いた。ゴールを守ったのに。
直後、ボールはゴールの枠の部分に当たり、つまりビリヤードの球当ての要領に近い動きで、ゴールの中にボールが吸い込まれた。
運がねえ。ベルトルトのセーブ失敗が空気を変えた。
敵チームは俄然、勢いに乗って全員の顔色が変わったんだ。
204: 2014/05/09(金) 23:57:40 ID:u02WytFQ0
残り時間は、1分を切っている。
ライナーがベルトルトに耳打ちしていた。
前もって打ち合わせていたそれを、ここでやる気なんだ。
心臓がドクドク言い始めた。
やってやる。
この時の為に、オレは一人、このFWに残ったんだから。
ベルトルトのボールが空を舞った。
狙い通りだ。狂いない。ナイスカウンターボール!
オレは全力で走ってそのボールを追いかけた。
キープする。3対1だ。一人抜いて、また抜いて、最後の奴も、抜いて見せた!
残り時間は多分、10秒無い。
ここで決めるしかない!
シュートを放った。体勢が崩れたまま、渾身の力で蹴って見せた。
だけど………
エレン「!」
ボールは、ゴールの左端の枠に当たってしまった。
あと数センチ。ほんの少しのズレだった。
シュート失敗と同時にホイッスルが鳴った。
後半戦が終了したのだ。
ち、ちくしょおおおおおお!
今のは絶対、決めるべきだった。
何の為のFWだよ! くそくそくそ!
歯がゆくて、悔しくて、思わず涙が溢れそうだった。その時、
PK戦に入った事もあり、ライナーがすぐさまチームをまとめたんだ。
ライナーがベルトルトに耳打ちしていた。
前もって打ち合わせていたそれを、ここでやる気なんだ。
心臓がドクドク言い始めた。
やってやる。
この時の為に、オレは一人、このFWに残ったんだから。
ベルトルトのボールが空を舞った。
狙い通りだ。狂いない。ナイスカウンターボール!
オレは全力で走ってそのボールを追いかけた。
キープする。3対1だ。一人抜いて、また抜いて、最後の奴も、抜いて見せた!
残り時間は多分、10秒無い。
ここで決めるしかない!
シュートを放った。体勢が崩れたまま、渾身の力で蹴って見せた。
だけど………
エレン「!」
ボールは、ゴールの左端の枠に当たってしまった。
あと数センチ。ほんの少しのズレだった。
シュート失敗と同時にホイッスルが鳴った。
後半戦が終了したのだ。
ち、ちくしょおおおおおお!
今のは絶対、決めるべきだった。
何の為のFWだよ! くそくそくそ!
歯がゆくて、悔しくて、思わず涙が溢れそうだった。その時、
PK戦に入った事もあり、ライナーがすぐさまチームをまとめたんだ。
205: 2014/05/10(土) 00:11:17 ID:IzYmrvEQ0
ライナー「誰から行く?」
オレは顔を上げられなかった。申し訳なくて。
ライナー「…………おい、皆、顔が暗いぞ。気持ちを切り替えろよ」
エレン「…………」
ライナー「特にエレン、ベルトルト。お前ら二人、暗過ぎる。女子の前でそんな顔してどうするんだ」
は! そうだった。女子が見てるんだった。
女子一同は皆で「がんばれー!」とか「まだ分からんぞ!」とか声援をくれる。
周りの声が聞こえてなかった。そういう自分が恥ずかしかった。
そうだ。まだ試合は終わっちゃいねえ!
ミカサもこっち見てる。オレはミカサに頷いて見せた。
ライナー「よし、ここは俺からいくぞ。まずは先取点を取ってくる」
ピー!
ホイッスルが鳴った。ライナーが、位置について走り込む。
ボールは右端に飛んだ。結果は…。
ミカサ「よし!」
ユミル「よしゃあああ!」
クリスタ「決まったああああ!」
アニ「まずは先取点だね」
ライナーのキックはうまい具合にゴールに突き刺さった。
これで空気が変わった。流れはまだ、失ってはいない!
次はベルトルトのセーブだけど、顔色はまだ戻っていなかった。
ベルトルト「ライナー、やはり僕はGKに向いてないかもしれない」
ライナー「おいおい」
ベルトルト「この大事な場面、防げる自信がない。キーパーを替わって貰えないだろうか」
ライナー「それは構わないが、お前、本当にそれでいいのか?」
ライナーは女子の方を見た。誰か探しているみたいだ。
視線の先には、アニがいた。
そっか。ベルトルトは、アニの事が好きなんだったな。
だったらアニの前で格好悪いところは見せられないよな。
ライナー「格好いいところ、見せたくないのか? あいつに」
ベルトルト「うぐっ………」
ライナー「まあ、譲ってくれるっていうなら、俺もクリスタにいいところを見せられるからいいけどな」
ベルトルト「……………」
ベルトルトが迷う気持ちは分かるが、でも、ここは逃げずにやって欲しい。
ここで逃げたら、後悔するのはきっと、ベルトルト自身だ。
声援の中、時間が過ぎる。数秒、考え込んだベルトルトに、声が届く。
オレは顔を上げられなかった。申し訳なくて。
ライナー「…………おい、皆、顔が暗いぞ。気持ちを切り替えろよ」
エレン「…………」
ライナー「特にエレン、ベルトルト。お前ら二人、暗過ぎる。女子の前でそんな顔してどうするんだ」
は! そうだった。女子が見てるんだった。
女子一同は皆で「がんばれー!」とか「まだ分からんぞ!」とか声援をくれる。
周りの声が聞こえてなかった。そういう自分が恥ずかしかった。
そうだ。まだ試合は終わっちゃいねえ!
ミカサもこっち見てる。オレはミカサに頷いて見せた。
ライナー「よし、ここは俺からいくぞ。まずは先取点を取ってくる」
ピー!
ホイッスルが鳴った。ライナーが、位置について走り込む。
ボールは右端に飛んだ。結果は…。
ミカサ「よし!」
ユミル「よしゃあああ!」
クリスタ「決まったああああ!」
アニ「まずは先取点だね」
ライナーのキックはうまい具合にゴールに突き刺さった。
これで空気が変わった。流れはまだ、失ってはいない!
次はベルトルトのセーブだけど、顔色はまだ戻っていなかった。
ベルトルト「ライナー、やはり僕はGKに向いてないかもしれない」
ライナー「おいおい」
ベルトルト「この大事な場面、防げる自信がない。キーパーを替わって貰えないだろうか」
ライナー「それは構わないが、お前、本当にそれでいいのか?」
ライナーは女子の方を見た。誰か探しているみたいだ。
視線の先には、アニがいた。
そっか。ベルトルトは、アニの事が好きなんだったな。
だったらアニの前で格好悪いところは見せられないよな。
ライナー「格好いいところ、見せたくないのか? あいつに」
ベルトルト「うぐっ………」
ライナー「まあ、譲ってくれるっていうなら、俺もクリスタにいいところを見せられるからいいけどな」
ベルトルト「……………」
ベルトルトが迷う気持ちは分かるが、でも、ここは逃げずにやって欲しい。
ここで逃げたら、後悔するのはきっと、ベルトルト自身だ。
声援の中、時間が過ぎる。数秒、考え込んだベルトルトに、声が届く。
206: 2014/05/10(土) 00:15:18 ID:IzYmrvEQ0
アルミン「ベルトルト! 頑張れ!」
アルミンだ。鼻の応急処置を終えてこっちに戻ってきたようだ。
ミカサ「アルミン、まさか骨折?」
アルミン「いやいや、そこまではないよ。ただ、鼻血が止まるまでは止血してるだけ」
そっか。大したことなくて良かったぜ。
アルミン「ベルトルトは体格で言えば一番、GKに向いているんだ! 自信を持って!」
ユミル「そうだ! アルミンの言う通りだ! リーチの長いお前がゴールを守れ!」
ベルトルトに声援が集まった。外野の応援にベルトルト自身が一番びっくりしている。
ライナー「俺はどっちでもいいぞ。だが、今回だけは自分で決めろ」
ベルトルト「ライナー………」
ライナー「こんなに盛り上がってる場面で、GKをやれる機会なんてそうはないと思うがな」
確かに。周りにこれだけのギャラリーが集まってる球技大会はなかなかないぞ。
それになにより、アニが見てるんだぜ。
アニの視線はベルトルトを見ていた。その表情は険しかった。
だけど、オレにはそれが、アニなりの精一杯の応援に見えた。
ベルトルトは、暫く悩んでいたようだが、気持ちを固めたようだ。
ベルトルト「わかった。やる。やらせてくれ」
ライナー「ああ、ベストを尽くそう」
コニー「そうだな! ベストを尽くそうぜ!」
ジャン「頼んだぞ」
マルコ「大丈夫だよ! ベルトルト!」
サムエル「気持ちを楽にな!」
トーマス「手足の長さを活かせば大丈夫!」
ダズ「が、頑張ってくれ……」
ナック「自分に負けるなよ」
ミリウス「お前なら出来る!」
エレン「ベルトルト、頼む」
皆の声援に見守られてベルトルトが再びGKのグローブを身につけた。
気合を入れなおして、いざ、PK合戦だ!
アルミンだ。鼻の応急処置を終えてこっちに戻ってきたようだ。
ミカサ「アルミン、まさか骨折?」
アルミン「いやいや、そこまではないよ。ただ、鼻血が止まるまでは止血してるだけ」
そっか。大したことなくて良かったぜ。
アルミン「ベルトルトは体格で言えば一番、GKに向いているんだ! 自信を持って!」
ユミル「そうだ! アルミンの言う通りだ! リーチの長いお前がゴールを守れ!」
ベルトルトに声援が集まった。外野の応援にベルトルト自身が一番びっくりしている。
ライナー「俺はどっちでもいいぞ。だが、今回だけは自分で決めろ」
ベルトルト「ライナー………」
ライナー「こんなに盛り上がってる場面で、GKをやれる機会なんてそうはないと思うがな」
確かに。周りにこれだけのギャラリーが集まってる球技大会はなかなかないぞ。
それになにより、アニが見てるんだぜ。
アニの視線はベルトルトを見ていた。その表情は険しかった。
だけど、オレにはそれが、アニなりの精一杯の応援に見えた。
ベルトルトは、暫く悩んでいたようだが、気持ちを固めたようだ。
ベルトルト「わかった。やる。やらせてくれ」
ライナー「ああ、ベストを尽くそう」
コニー「そうだな! ベストを尽くそうぜ!」
ジャン「頼んだぞ」
マルコ「大丈夫だよ! ベルトルト!」
サムエル「気持ちを楽にな!」
トーマス「手足の長さを活かせば大丈夫!」
ダズ「が、頑張ってくれ……」
ナック「自分に負けるなよ」
ミリウス「お前なら出来る!」
エレン「ベルトルト、頼む」
皆の声援に見守られてベルトルトが再びGKのグローブを身につけた。
気合を入れなおして、いざ、PK合戦だ!
207: 2014/05/10(土) 00:34:55 ID:IzYmrvEQ0
ピー!
シュートが、放たれた。ベルトルトのセーブは果たして…。
ミカサ「おおお!」
ユミル「よしゃああああ!」
クリスタ「防いだあああ!」
ベルトルトが見事にボールを弾いた。迷いなくボールを防いだのだ。
汗だくだ。相当緊張したんだろう。両手が震えてる。
でも、ベルトルトの表情は、何ていうか、凄くいい表情だった。
アニもちょっとだけ微笑んでいるように見えた。
片方だけ器用に口の端を持ち上げて笑ってる。
ニヒルな笑い方だ。でも、満足そうに見える。
あの小さな笑い方が、アニの精一杯の笑みなんだろうな。
ライナー「次は誰が行く?」
コニー「オレ、やりたい!」
コニーに先を越されてしまった。
ライナー「よし、じゃあコニーに打たせよう。決めろよ!」
コニー「おう!」
1組の女子は「コニーガンバレー!」と声援を送る。
ピー!
コニーのシュートが放たれた。ボールは……。
ミカサ「おお?!」
ユミル「左端いった!」
クリスタ「キーパーの手が届かない!」
コニー「よしゃああああああ!」
勢いがついてきた。次はまたベルトルトのセーブだ。今のベルトルトならきっとセーブ出来る。
アニ「頑張れ」
アニの口が動いたような気がした。
その声までは届いてないけど。きっと、応援の言葉だ。
敵チームがシュートを放った! その結果は…。
シュートが、放たれた。ベルトルトのセーブは果たして…。
ミカサ「おおお!」
ユミル「よしゃああああ!」
クリスタ「防いだあああ!」
ベルトルトが見事にボールを弾いた。迷いなくボールを防いだのだ。
汗だくだ。相当緊張したんだろう。両手が震えてる。
でも、ベルトルトの表情は、何ていうか、凄くいい表情だった。
アニもちょっとだけ微笑んでいるように見えた。
片方だけ器用に口の端を持ち上げて笑ってる。
ニヒルな笑い方だ。でも、満足そうに見える。
あの小さな笑い方が、アニの精一杯の笑みなんだろうな。
ライナー「次は誰が行く?」
コニー「オレ、やりたい!」
コニーに先を越されてしまった。
ライナー「よし、じゃあコニーに打たせよう。決めろよ!」
コニー「おう!」
1組の女子は「コニーガンバレー!」と声援を送る。
ピー!
コニーのシュートが放たれた。ボールは……。
ミカサ「おお?!」
ユミル「左端いった!」
クリスタ「キーパーの手が届かない!」
コニー「よしゃああああああ!」
勢いがついてきた。次はまたベルトルトのセーブだ。今のベルトルトならきっとセーブ出来る。
アニ「頑張れ」
アニの口が動いたような気がした。
その声までは届いてないけど。きっと、応援の言葉だ。
敵チームがシュートを放った! その結果は…。
208: 2014/05/10(土) 00:36:00 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「ああ……」
ユミル「おう……」
アニ「セーブ失敗か…」
しかし相手も強い。そう簡単には勝たせては貰えないか。
ベルトルトの汗が凄かった。プレッシャーで消耗しているのが分かる。
ベルトルト「……ここでセーブ出来れば、有利なまま進められたのに」
ライナー「まだ大丈夫だ。逆転された訳じゃない」
ベルトルト「ごめん……」
ライナー「大分、疲れが見え始めているな。集中力が切れかかってるなら、GKを交代してもいいぞ」
ベルトルト「でも………」
ライナー「格好いいところは見せられただろ? 最後の美味しいところは俺に譲ってくれないのか?」
ベルトルト「………ありがとう。ライナー」
そうだな。ここはもう、交替しても構わないだろうな。
ベルトルトはやれるだけの事はやった。後はライナーに任せよう。
現在の勝負の行方はこんな感じだ。
1年1組 ○ ○
2年1組 × ○
ジャン「次はオレがいってもいいか?」
あ、また先を越されてしまった。
自分から言い出すタイミングを逃しちまった…。
ライナー「ああ、いいぞ。決めてきてくれ」
ピー!
笛が鳴った。ジャンが走り込んで、蹴る。
右端にボールが飛んだ。その行方は…。
ミカサ「おお!」
ジャンのシュートが一瞬弾かれてダメかと思いきや、ゴールの枠に当たって中に入った。
ラッキーゴールだ! 今度はこっち側が幸運に恵まれた!
ジャン「よしゃああああああ!」
これで次、セーブを決めたら1年1組の優勝だ!
ユミル「おう……」
アニ「セーブ失敗か…」
しかし相手も強い。そう簡単には勝たせては貰えないか。
ベルトルトの汗が凄かった。プレッシャーで消耗しているのが分かる。
ベルトルト「……ここでセーブ出来れば、有利なまま進められたのに」
ライナー「まだ大丈夫だ。逆転された訳じゃない」
ベルトルト「ごめん……」
ライナー「大分、疲れが見え始めているな。集中力が切れかかってるなら、GKを交代してもいいぞ」
ベルトルト「でも………」
ライナー「格好いいところは見せられただろ? 最後の美味しいところは俺に譲ってくれないのか?」
ベルトルト「………ありがとう。ライナー」
そうだな。ここはもう、交替しても構わないだろうな。
ベルトルトはやれるだけの事はやった。後はライナーに任せよう。
現在の勝負の行方はこんな感じだ。
1年1組 ○ ○
2年1組 × ○
ジャン「次はオレがいってもいいか?」
あ、また先を越されてしまった。
自分から言い出すタイミングを逃しちまった…。
ライナー「ああ、いいぞ。決めてきてくれ」
ピー!
笛が鳴った。ジャンが走り込んで、蹴る。
右端にボールが飛んだ。その行方は…。
ミカサ「おお!」
ジャンのシュートが一瞬弾かれてダメかと思いきや、ゴールの枠に当たって中に入った。
ラッキーゴールだ! 今度はこっち側が幸運に恵まれた!
ジャン「よしゃああああああ!」
これで次、セーブを決めたら1年1組の優勝だ!
209: 2014/05/10(土) 00:39:33 ID:IzYmrvEQ0
ライナー「じゃあ、いってくる」
美味しいところでライナーの登場だ。
ここでセーブを決めたらクリスタもライナーに惚れるかもしれんな。
敵チームも緊張の面持ちだが、ここで登場したのはサッカー部員のあいつだ。
アルミンにうっかり顔面シュートを放ってしまったあいつは外野のアルミンを一度見ると軽く頭を下げた。
アルミンも会釈を返した。これでわだかまりは溶けた。
ピー!
シュートが、放たれた。勝利の女神よ、微笑んでくれ!
ライナー「ふん!!!」
正面に飛んできたボールをライナーは気合と共に防いだ。
それと同時に優勝が決まり、その瞬間、なんと1年1組は男女でダブル優勝を果たすという快挙を遂げた。
男子は全員、ライナーの元に走って駆け寄り、大いに勝利を喜んだ。
ライナーの背中を叩きまくって、咳込ませるくらいにはしゃいだんだ。
ジャン「やったなライナー! さすがだぜ!」
マルコ「凄いよライナー! よく止めた!」
グラウンドは拍手喝采だった。女子の中には泣いている者もいる。
クリスタ「凄かったあ。ライナー格好良かったよ~」
ユミル「いや、ベルトルさんも頑張った。皆、よくやったよ」
アニ「おめでとう」
ミカサ「しかしよく止めた。左右にボールが飛ぶのが多かったから、釣られるかと思ったのに」
ミカサの言う通りだ。
殆どのキッカーが左右に振り分けて蹴るから、キーパーはどちらかを先読みして飛んでセーブする事が多い。
ボールが飛んでから反応しても間に合わないからだ。
しかしライナーは左右に飛ばずに来たボールを素直にそのまま受け止めた。
度胸がねえと出来ない判断だ。相手の蹴りを読んだんだろうな。
ライナー「ああ、まあ……そろそろ正面にも来るかなと、何となく思ったんだよ」
ライナーは照れくさそうに笑っていた。
いや、そう思ってもなかなかそれに賭けるのは難しいんだぜ?
ベルトルトは感動で泣きべそをかいている。ライナーは「泣くな泣くな」と宥めていた。
2年1組の対戦相手達は全員、悔しそうにしていた。サッカー部員の彼はそれでも、ライナーに握手を求めた。
読み合いで負けた事に対して思うところもあるだろうが、それでも勝ったのはこちらだ。
負けた側は悔しさを飲み込んで勝った方に祝福を述べたようだ。
そしてサッカーコートの整備が終わった後、体育館に全員、再び集まって表彰式が行われ、この日の球技大会は幕を下ろしたのだった。
球技大会が終わった後の放課後は、それはもう、賑やかだったな。
1年と2年の女子がわらわら集まってくるし、運動部の先輩達も今頃勧誘合戦を始めるし。
オレも何人かの女子からメルアド渡されたりしたけど、正直困ったな。
だって全然知らない人だし、何話していいか分からんし。
ミカサもミカサで運動部に声かけられてたな。断るのが大変そうだった。
美味しいところでライナーの登場だ。
ここでセーブを決めたらクリスタもライナーに惚れるかもしれんな。
敵チームも緊張の面持ちだが、ここで登場したのはサッカー部員のあいつだ。
アルミンにうっかり顔面シュートを放ってしまったあいつは外野のアルミンを一度見ると軽く頭を下げた。
アルミンも会釈を返した。これでわだかまりは溶けた。
ピー!
シュートが、放たれた。勝利の女神よ、微笑んでくれ!
ライナー「ふん!!!」
正面に飛んできたボールをライナーは気合と共に防いだ。
それと同時に優勝が決まり、その瞬間、なんと1年1組は男女でダブル優勝を果たすという快挙を遂げた。
男子は全員、ライナーの元に走って駆け寄り、大いに勝利を喜んだ。
ライナーの背中を叩きまくって、咳込ませるくらいにはしゃいだんだ。
ジャン「やったなライナー! さすがだぜ!」
マルコ「凄いよライナー! よく止めた!」
グラウンドは拍手喝采だった。女子の中には泣いている者もいる。
クリスタ「凄かったあ。ライナー格好良かったよ~」
ユミル「いや、ベルトルさんも頑張った。皆、よくやったよ」
アニ「おめでとう」
ミカサ「しかしよく止めた。左右にボールが飛ぶのが多かったから、釣られるかと思ったのに」
ミカサの言う通りだ。
殆どのキッカーが左右に振り分けて蹴るから、キーパーはどちらかを先読みして飛んでセーブする事が多い。
ボールが飛んでから反応しても間に合わないからだ。
しかしライナーは左右に飛ばずに来たボールを素直にそのまま受け止めた。
度胸がねえと出来ない判断だ。相手の蹴りを読んだんだろうな。
ライナー「ああ、まあ……そろそろ正面にも来るかなと、何となく思ったんだよ」
ライナーは照れくさそうに笑っていた。
いや、そう思ってもなかなかそれに賭けるのは難しいんだぜ?
ベルトルトは感動で泣きべそをかいている。ライナーは「泣くな泣くな」と宥めていた。
2年1組の対戦相手達は全員、悔しそうにしていた。サッカー部員の彼はそれでも、ライナーに握手を求めた。
読み合いで負けた事に対して思うところもあるだろうが、それでも勝ったのはこちらだ。
負けた側は悔しさを飲み込んで勝った方に祝福を述べたようだ。
そしてサッカーコートの整備が終わった後、体育館に全員、再び集まって表彰式が行われ、この日の球技大会は幕を下ろしたのだった。
球技大会が終わった後の放課後は、それはもう、賑やかだったな。
1年と2年の女子がわらわら集まってくるし、運動部の先輩達も今頃勧誘合戦を始めるし。
オレも何人かの女子からメルアド渡されたりしたけど、正直困ったな。
だって全然知らない人だし、何話していいか分からんし。
ミカサもミカサで運動部に声かけられてたな。断るのが大変そうだった。
210: 2014/05/10(土) 00:56:09 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「エレン、お昼を食べよう」
エレン「お、おう。もうそんな時間か」
ミカサが声をかけてくれたおかげで人ごみから脱出できた。ふー。疲れたぜ。
エレン「どこで食べる? 今日は中庭も空いてるんじゃねえか?」
ミカサ「天気もいいし中庭で食べよう」
という訳で中庭の東屋を確保してミカサと昼飯を食う事にした。
エレン「はあああああ」
にしても、オレ、情けねえええええ。
ミカサ「どうしたの?」
エレン「いや……今日の球技大会、活躍出来なかったなあって」
ミカサ「そんなことない。エレンは頑張った」
エレン「でもよー1番、決めたい時にすかしたんだぞ。あの場面は、シュート決めたかった…」
肝心な場面ですかしたんだ。アレは本当に凹んだ。
エレン「PK戦にもつれ込む前にあそこで逆転してりゃあな…くそ、オレもジャンの事言えたもんじゃねえな」
ジャンに文句を言う資格なんてねえな。オレ。
ミカサ「エレン、それは結果論。エレンは十分頑張った」
エレン「そうだけど……やっぱりあそこで決めた方が格好良かっただろ?」
ミカサ「ううん。エレンはずっと格好良かった。今日の試合、皆、格好良かったと思う」
ミカサは嘘を言ってるようには見えなかった。
お世辞、とかじゃない。本心を言ってくれるようだ。
ミカサ「前にも言ったと思うけど、結果が伴わない事もある。それよりも、それに向かって頑張っている姿が好き」
エレン「そうだろうけど、やっぱり男は結果を出したい生き物なんだよ!」
オレの気持ち、分かる奴には分かるよな?
決めたかったところですかすのほど、格好悪いのって、ねえよ。
エレン「はー……特に前線に出る奴は結果を出してこそだしな。皆のパスを最後に決められないとFWの意味はねえし」
ミカサ「それは分かるけども」
エレン「だろ? 皆に支えて貰ってる立場なんだから、結果は出してえよ」
でないと何のためのFWだよ。
エレン「お、おう。もうそんな時間か」
ミカサが声をかけてくれたおかげで人ごみから脱出できた。ふー。疲れたぜ。
エレン「どこで食べる? 今日は中庭も空いてるんじゃねえか?」
ミカサ「天気もいいし中庭で食べよう」
という訳で中庭の東屋を確保してミカサと昼飯を食う事にした。
エレン「はあああああ」
にしても、オレ、情けねえええええ。
ミカサ「どうしたの?」
エレン「いや……今日の球技大会、活躍出来なかったなあって」
ミカサ「そんなことない。エレンは頑張った」
エレン「でもよー1番、決めたい時にすかしたんだぞ。あの場面は、シュート決めたかった…」
肝心な場面ですかしたんだ。アレは本当に凹んだ。
エレン「PK戦にもつれ込む前にあそこで逆転してりゃあな…くそ、オレもジャンの事言えたもんじゃねえな」
ジャンに文句を言う資格なんてねえな。オレ。
ミカサ「エレン、それは結果論。エレンは十分頑張った」
エレン「そうだけど……やっぱりあそこで決めた方が格好良かっただろ?」
ミカサ「ううん。エレンはずっと格好良かった。今日の試合、皆、格好良かったと思う」
ミカサは嘘を言ってるようには見えなかった。
お世辞、とかじゃない。本心を言ってくれるようだ。
ミカサ「前にも言ったと思うけど、結果が伴わない事もある。それよりも、それに向かって頑張っている姿が好き」
エレン「そうだろうけど、やっぱり男は結果を出したい生き物なんだよ!」
オレの気持ち、分かる奴には分かるよな?
決めたかったところですかすのほど、格好悪いのって、ねえよ。
エレン「はー……特に前線に出る奴は結果を出してこそだしな。皆のパスを最後に決められないとFWの意味はねえし」
ミカサ「それは分かるけども」
エレン「だろ? 皆に支えて貰ってる立場なんだから、結果は出してえよ」
でないと何のためのFWだよ。
211: 2014/05/10(土) 00:58:25 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「エレンはやはり、表側の人間なのね」
エレン「ん?」
ミカサ「皆の光。その前向きな明るさは、皆を明るく照らしていると思う」
いや、それはオレよりもむしろライナーの事だろ。
エレン「いや……それを言ったら、多分、ライナーの方がそういう奴だよ。本当はオレもPKに出るべきだったんだろうけど、すぐに気持ち切り替えられなくて、言い出せなかった。情けねえけど」
コニーとジャンに先越されたのもあるが、でも、手をあげる勇気がなかったのも本当だ。
ライナーがセーブを失敗してたらその次は出てたかもしれないが、そこで決められたかどうかは分からねえ。
エレン「だからコニーやジャンが決めてくれて助かったと思ったよ。もし、後半までもつれ込んでオレの番まで回ってきてたら、決められてたかどうかは分からねえ」
ミカサ「そう……」
エレン「ライナーにはかなわねえな。やっぱりあいつはすげえ奴だよ」
なんていうか、メンタルの部分で敵わない。そう思わされたんだ。
エレン「ライナーはまだ部活入ってないとか言ってたが、勿体無いよな。バスケとかバレーとか似合いそうだがサッカーもいけそうだし」
ミカサ「ライナーは恐らく弓道部に入ると思う」
エレン「はあ?! 何でそこで弓道?」
イメージがすぐには結び付かなかった。すると、
ミカサ「クリスタが弓道部に興味を示しているので、後ろを追っていったのを先程見た」
エレン「えええ……まさか、クリスタの後を追うつもりかよライナー…」
勿体ねえ! いや、弓道部的には万々歳だろうけど。
ライナーなら球技系の激しい運動部でも十分やっていけると思うのにな。
そうか。でも、それだけライナーは本気って事なんだな…。
いやでも、もしクリスタに振られたらどうするつもりなんだ?
エレン「女の尻追いかけてる場合かよ……ライナーなら運動系なら何でもいけるだろ」
ミカサ「弓道も一応、スポーツに入るけれども」
エレン「いや、それは分かってるんだが、もっと合うところあるだろって話だよ」
ミカサ「好きな人を追いかけて同じ部に入るのはそんなに悪い事だろうか?」
きょとんと言い返すミカサにオレも「うっ」となってしまう。
エレン「ん?」
ミカサ「皆の光。その前向きな明るさは、皆を明るく照らしていると思う」
いや、それはオレよりもむしろライナーの事だろ。
エレン「いや……それを言ったら、多分、ライナーの方がそういう奴だよ。本当はオレもPKに出るべきだったんだろうけど、すぐに気持ち切り替えられなくて、言い出せなかった。情けねえけど」
コニーとジャンに先越されたのもあるが、でも、手をあげる勇気がなかったのも本当だ。
ライナーがセーブを失敗してたらその次は出てたかもしれないが、そこで決められたかどうかは分からねえ。
エレン「だからコニーやジャンが決めてくれて助かったと思ったよ。もし、後半までもつれ込んでオレの番まで回ってきてたら、決められてたかどうかは分からねえ」
ミカサ「そう……」
エレン「ライナーにはかなわねえな。やっぱりあいつはすげえ奴だよ」
なんていうか、メンタルの部分で敵わない。そう思わされたんだ。
エレン「ライナーはまだ部活入ってないとか言ってたが、勿体無いよな。バスケとかバレーとか似合いそうだがサッカーもいけそうだし」
ミカサ「ライナーは恐らく弓道部に入ると思う」
エレン「はあ?! 何でそこで弓道?」
イメージがすぐには結び付かなかった。すると、
ミカサ「クリスタが弓道部に興味を示しているので、後ろを追っていったのを先程見た」
エレン「えええ……まさか、クリスタの後を追うつもりかよライナー…」
勿体ねえ! いや、弓道部的には万々歳だろうけど。
ライナーなら球技系の激しい運動部でも十分やっていけると思うのにな。
そうか。でも、それだけライナーは本気って事なんだな…。
いやでも、もしクリスタに振られたらどうするつもりなんだ?
エレン「女の尻追いかけてる場合かよ……ライナーなら運動系なら何でもいけるだろ」
ミカサ「弓道も一応、スポーツに入るけれども」
エレン「いや、それは分かってるんだが、もっと合うところあるだろって話だよ」
ミカサ「好きな人を追いかけて同じ部に入るのはそんなに悪い事だろうか?」
きょとんと言い返すミカサにオレも「うっ」となってしまう。
212: 2014/05/10(土) 01:10:47 ID:IzYmrvEQ0
エレン「…………いや、まあ、個人の考えはそれぞれだからオレは反対はしねえけどさあ」
弁当をつっついて食べながらウダウダしてしまう。
本当はバスケかバレーか。野球でもいいけどさ。サッカーもいい。
ライナーが活躍するとこを見てみたかったなーって思いがあるんだよ。
弓道が悪いって話じゃない。だけど、こう……な?
オレの勝手な願望だな。これ。うん。
エレン「ライナーはそっか。クリスタが好きっぽいなとは思ってたが、本気なんだな」
クリスタが好きならしょうがねえか。
恋愛至上主義の奴は別にライナーだけじゃない。ジャンだってそうだ。
ミカサ「あの態度を見ればほぼ確定だと思う」
エレン「まあ報われるといいけどな。クリスタは競争率高そうだけど」
アルミンもクリスタの事、好きっぽいしな。
オレはどっちも応援はしてやれねえけど……。
ミカサ「エレンも先程、2年女子に囲まれてたけれど……」
急に話題がそれで思わず喉を詰まらせかけた。
エレン(ゲホゲホ)
ミカサ「?」
エレン「あーいや、その………まあ、なんかいろいろ声はかけられたよ。うん」
何だ? 何でいきなりそういう話になったんだ?
ミカサ「告白されたの?」
エレン「いや、それはねえけど、何か勝手にアドレス渡された。メル友からお願いとか何とか」
ミカサ「それは良かった。エレンはモテている」
どや顔された。なんだこれ。何で安心したような顔するんだ。
微妙に傷つくぞ。それ。
エレン「別に嬉しくはねえよ。相手のこと殆ど知らんのだし」
ミカサ「嘘。本当は嬉しいくせに」
ミカサが変な風に勘違いしているな。つか、何なんだよ。
まるで保護者のような面、すんなよ。
エレン「お前な……オレがモテても何とも思わないのか?」
ミカサ「? モテるのはいい事では?」
がっくりした。何だよ。オレがモテて嬉しいとか。
エレン「そこは嘘でもいいからヤキモチ焼く素振りを見せろよー」
ミカサ「え? 何故?」
そ、それは……。
エレン「その方が女の子らしいだろ?」
と、思わず言っちまった。そうだ。焼きもち妬く方が女らしいよな。
ミカサ「そうかしら? 女らしくなくてごめんなさい」
エレン「いや、素直に謝る必要はないんだが……」
本気でミカサはオレがモテて嬉しいのかな。嘘はついてねえみたいだけど。
………いや、待て待て。そもそもオレなんかより、ミカサの方がモテるだろ。
これだけの美人だ。ジャンだって既に惚れてるし。
ミカサ「何?」
エレン「いや、ミカサって美人だよな。オレよりも、モテるんじゃねえの?」
ミカサがその瞬間、物凄い勢いで青ざめた。
ガタガタガタ震えている。露骨な反応に逆に驚いた。
ミカサ「大丈夫。私はモテない。中身が残念なので」
エレン「いや、そんな事はないと思うが……あいつはミカサ狙いっぽいし」
ミカサ「え?」
おっと、危ない。口が滑るところだった。
弁当をつっついて食べながらウダウダしてしまう。
本当はバスケかバレーか。野球でもいいけどさ。サッカーもいい。
ライナーが活躍するとこを見てみたかったなーって思いがあるんだよ。
弓道が悪いって話じゃない。だけど、こう……な?
オレの勝手な願望だな。これ。うん。
エレン「ライナーはそっか。クリスタが好きっぽいなとは思ってたが、本気なんだな」
クリスタが好きならしょうがねえか。
恋愛至上主義の奴は別にライナーだけじゃない。ジャンだってそうだ。
ミカサ「あの態度を見ればほぼ確定だと思う」
エレン「まあ報われるといいけどな。クリスタは競争率高そうだけど」
アルミンもクリスタの事、好きっぽいしな。
オレはどっちも応援はしてやれねえけど……。
ミカサ「エレンも先程、2年女子に囲まれてたけれど……」
急に話題がそれで思わず喉を詰まらせかけた。
エレン(ゲホゲホ)
ミカサ「?」
エレン「あーいや、その………まあ、なんかいろいろ声はかけられたよ。うん」
何だ? 何でいきなりそういう話になったんだ?
ミカサ「告白されたの?」
エレン「いや、それはねえけど、何か勝手にアドレス渡された。メル友からお願いとか何とか」
ミカサ「それは良かった。エレンはモテている」
どや顔された。なんだこれ。何で安心したような顔するんだ。
微妙に傷つくぞ。それ。
エレン「別に嬉しくはねえよ。相手のこと殆ど知らんのだし」
ミカサ「嘘。本当は嬉しいくせに」
ミカサが変な風に勘違いしているな。つか、何なんだよ。
まるで保護者のような面、すんなよ。
エレン「お前な……オレがモテても何とも思わないのか?」
ミカサ「? モテるのはいい事では?」
がっくりした。何だよ。オレがモテて嬉しいとか。
エレン「そこは嘘でもいいからヤキモチ焼く素振りを見せろよー」
ミカサ「え? 何故?」
そ、それは……。
エレン「その方が女の子らしいだろ?」
と、思わず言っちまった。そうだ。焼きもち妬く方が女らしいよな。
ミカサ「そうかしら? 女らしくなくてごめんなさい」
エレン「いや、素直に謝る必要はないんだが……」
本気でミカサはオレがモテて嬉しいのかな。嘘はついてねえみたいだけど。
………いや、待て待て。そもそもオレなんかより、ミカサの方がモテるだろ。
これだけの美人だ。ジャンだって既に惚れてるし。
ミカサ「何?」
エレン「いや、ミカサって美人だよな。オレよりも、モテるんじゃねえの?」
ミカサがその瞬間、物凄い勢いで青ざめた。
ガタガタガタ震えている。露骨な反応に逆に驚いた。
ミカサ「大丈夫。私はモテない。中身が残念なので」
エレン「いや、そんな事はないと思うが……あいつはミカサ狙いっぽいし」
ミカサ「え?」
おっと、危ない。口が滑るところだった。
213: 2014/05/10(土) 01:32:55 ID:IzYmrvEQ0
エレン「いや、何でもねえよ。ま、もし将来彼氏が出来たらちゃんと紹介しろよ。見定めてやるから」
ミカサ「そう? エレンの審査を通さないといけないの?」
エレン「だって義理の義理の兄弟になるかもしれんのだし……って、気が早いのかもしれんが」
やばい。これじゃ保護者面してるのはどっちだよって話だな。
エレン「……悪い。ちょっとお節介が過ぎたか。やっぱり無しで。ちゃんと好きになった奴なら認めてやるよ」
ミカサ「そう……」
親父が今の家庭を壊すような事がない限りは、ずっとミカサとは家族としてやっていく事になるだろう。
いつになるかは分からんが、ミカサもいつかは誰かと結婚とかするだろうし。
その時になってみないと分からんかもしれんが、変な奴がミカサとくっついたりしたらオレも困るしな。
義理とはいえ、親戚になるんだ。日本の法律ではそうなんだから仕方ない。
だからお節介は焼く。でもミカサが本気で好きになった奴なら、認める。
そう、その時は思ってたんだ。
ジャン「お前らここに居たのか」
ミカサとたわいもない話をしていたその時、ジャンがこっちにやってきた。
お前の鼻は犬並みの嗅覚だな。ミカサの匂いを辿ってきたんかと思うくらいに。
ジャン「ここいいか?」
エレン「ダメだ。お前はこっちの席だ」
ミカサの横はまだ早い。
ジャン「ちっ……小舅か。てめーは」
ははは。間違っちゃいないな。言わねえけど。
ジャン「いやーにしても参った参った。サッカー部の先輩達にさっきまで熱心に誘われててよ」
エレン「ああ、だろうな。オレもさっきまでそうだった」
ジャン「でもオレは演劇部に入ってるって言ったらすげー残念そうにされてさー」
エレン「オレもそうだよ」
ジャン「掛け持ちでもいいからさー入ってくれないかって言われてどうするか迷ってたら遅くなったんだよな」
エレン「オレは迷わなかったけどな」
ジャン「お前はいちいち突っかかるなよ。オレはミカサに話してるんだよ」
エレン「ミカサも同じような目に遭ってるんだからだいたい想像はついてんだよ」
ジャン「そりゃそうだが、報告するのはオレの勝手だろ」
ミカサ「二人共、飯時に喧嘩しない」
ミカサに止められた。ふん。喧嘩してる訳じゃねえけどな。
ミカサ「ご飯は楽しく食べたいので、喧嘩はしないで欲しい」
ジャン「すまん……」
エレン「はあ。全く……どいつもこいつも青春しやがって」
ミカサ「?」
エレン「何でもねえ。ちょっと愚痴を言っただけだ」
そうだ。さっきのも喧嘩というより愚痴に近い。
ジャンの頭の中がお花畑化していて、呆れてたんだよ。
ミカサ「そう? エレンの審査を通さないといけないの?」
エレン「だって義理の義理の兄弟になるかもしれんのだし……って、気が早いのかもしれんが」
やばい。これじゃ保護者面してるのはどっちだよって話だな。
エレン「……悪い。ちょっとお節介が過ぎたか。やっぱり無しで。ちゃんと好きになった奴なら認めてやるよ」
ミカサ「そう……」
親父が今の家庭を壊すような事がない限りは、ずっとミカサとは家族としてやっていく事になるだろう。
いつになるかは分からんが、ミカサもいつかは誰かと結婚とかするだろうし。
その時になってみないと分からんかもしれんが、変な奴がミカサとくっついたりしたらオレも困るしな。
義理とはいえ、親戚になるんだ。日本の法律ではそうなんだから仕方ない。
だからお節介は焼く。でもミカサが本気で好きになった奴なら、認める。
そう、その時は思ってたんだ。
ジャン「お前らここに居たのか」
ミカサとたわいもない話をしていたその時、ジャンがこっちにやってきた。
お前の鼻は犬並みの嗅覚だな。ミカサの匂いを辿ってきたんかと思うくらいに。
ジャン「ここいいか?」
エレン「ダメだ。お前はこっちの席だ」
ミカサの横はまだ早い。
ジャン「ちっ……小舅か。てめーは」
ははは。間違っちゃいないな。言わねえけど。
ジャン「いやーにしても参った参った。サッカー部の先輩達にさっきまで熱心に誘われててよ」
エレン「ああ、だろうな。オレもさっきまでそうだった」
ジャン「でもオレは演劇部に入ってるって言ったらすげー残念そうにされてさー」
エレン「オレもそうだよ」
ジャン「掛け持ちでもいいからさー入ってくれないかって言われてどうするか迷ってたら遅くなったんだよな」
エレン「オレは迷わなかったけどな」
ジャン「お前はいちいち突っかかるなよ。オレはミカサに話してるんだよ」
エレン「ミカサも同じような目に遭ってるんだからだいたい想像はついてんだよ」
ジャン「そりゃそうだが、報告するのはオレの勝手だろ」
ミカサ「二人共、飯時に喧嘩しない」
ミカサに止められた。ふん。喧嘩してる訳じゃねえけどな。
ミカサ「ご飯は楽しく食べたいので、喧嘩はしないで欲しい」
ジャン「すまん……」
エレン「はあ。全く……どいつもこいつも青春しやがって」
ミカサ「?」
エレン「何でもねえ。ちょっと愚痴を言っただけだ」
そうだ。さっきのも喧嘩というより愚痴に近い。
ジャンの頭の中がお花畑化していて、呆れてたんだよ。
214: 2014/05/10(土) 01:36:14 ID:IzYmrvEQ0
オレの言いたい意味が通じたのか、ジャンがこっちにつっかかってきた。
ジャン「は! エレンはまだまだお子様なんだろ」
エレン「ああ?」
ジャン「初恋もまだとかいうタイプなんじゃねえの? そうなんだろ?」
エレン「んなわけあるか。初恋くらいなら既にしてるに決まってるだろ」
ミカサ「え? そうなの?」
やべ。口が滑った。まずいな。
ジャン「ほーあれか? 幼稚園の先生とかか?」
ミカサ「そうなの? エレン」
エレン「いや、違うけど」
ジャン「じゃあいつだよ。小学校か? 中学か?」
あーどうすっかな。まあ、いっか。
エレン「………………………小学生だ」
オレの初恋は、小学生の時だ。
正確に言うなら、9歳の時。10歳の誕生日がくる前の、冬。
オレの母さんを亡くした年に出会った、名前も聞かずに別れたあの子だ。
長い黒髪が印象的だった。少し垂れ目の可愛い女の子だった。
オレはあの子に、酷い事をさせちまった。罪悪感は消えない。
いや、あれを「恋」と言うのも強引かもしれないけど…。
でもあの子の事を思い出すと、今でも胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになる。
あの子、今頃どうしてんのかな。もし会えるなら、会ってみたい。
そう思うんだから、きっとこれは「初恋」なんじゃねえかって思うんだが。
……………まあ、淡い恋心だって言われちまったら、そうなんだけどな。
ジャン「ふーん。ま、オレと似たようなもんか」
ジャンも初恋は済ませてるみたいだな。そらそうだろうな。
しかしこの後、意外な言葉が、
ミカサ「いいな。私はまだ、初恋もない」
ジャン「え……」
エレン「え……」
ミカサ「恋をしたことがないので、恋愛感情が分からない。とても羨ましい」
ジャン「は! エレンはまだまだお子様なんだろ」
エレン「ああ?」
ジャン「初恋もまだとかいうタイプなんじゃねえの? そうなんだろ?」
エレン「んなわけあるか。初恋くらいなら既にしてるに決まってるだろ」
ミカサ「え? そうなの?」
やべ。口が滑った。まずいな。
ジャン「ほーあれか? 幼稚園の先生とかか?」
ミカサ「そうなの? エレン」
エレン「いや、違うけど」
ジャン「じゃあいつだよ。小学校か? 中学か?」
あーどうすっかな。まあ、いっか。
エレン「………………………小学生だ」
オレの初恋は、小学生の時だ。
正確に言うなら、9歳の時。10歳の誕生日がくる前の、冬。
オレの母さんを亡くした年に出会った、名前も聞かずに別れたあの子だ。
長い黒髪が印象的だった。少し垂れ目の可愛い女の子だった。
オレはあの子に、酷い事をさせちまった。罪悪感は消えない。
いや、あれを「恋」と言うのも強引かもしれないけど…。
でもあの子の事を思い出すと、今でも胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになる。
あの子、今頃どうしてんのかな。もし会えるなら、会ってみたい。
そう思うんだから、きっとこれは「初恋」なんじゃねえかって思うんだが。
……………まあ、淡い恋心だって言われちまったら、そうなんだけどな。
ジャン「ふーん。ま、オレと似たようなもんか」
ジャンも初恋は済ませてるみたいだな。そらそうだろうな。
しかしこの後、意外な言葉が、
ミカサ「いいな。私はまだ、初恋もない」
ジャン「え……」
エレン「え……」
ミカサ「恋をしたことがないので、恋愛感情が分からない。とても羨ましい」
215: 2014/05/10(土) 01:52:06 ID:IzYmrvEQ0
まじか。こんなに美人なのに。
言い寄られても、自分から好きになった事がねえのか。
ジャンの方を見ると、あああもう、こいつ、気持ち悪いくらいにニヤけてる。
隠しきれてない。そんなに嬉しいのか。
言うなら誰も手をつけてない、天然の花を見つけたような。そんな気持ちなんだろうな。
断崖絶壁に生えた天然の貴重な美しい花を見つけて、胸が躍るような。
有頂天になるのは分かるが、ここでは自重してくれよ。頼むから。
ミカサ「? 何か変な事を言っただろうか?」
断崖絶壁の天然の花が風に揺れる。いつか誰かに毟り取られなきゃいいが。
エレン「いや……そっか。まあでも、これからだろ、きっと」
ジャン「ああ、きっとそうだ。運命の相手がきっと現れる」
大事にしてくれる相手が見つかるといいけどな。
ミカサ「そうだといいのだけれども」
ジャン「身近にいるかもしれない。周りの男をよく見ればいると思うぜ」
だから、自重しろって。露骨なアピールすんなよ…。
ま、ミカサは気づいてないみたいだけどな。
ミカサ「では今後は注意して見てみよう。部の先輩やクラスメイトも含めて」
ジャン「おう! きっといる! 頑張れよミカサ!」
ミカサ「うん」
やれやれ。ま、この話はもうこの辺でやめておこう。
エレン「飯、食い終わったならぼちぼち部活行くぞ」
ジャン「あ、ちょっと待ってくれ。あともうちょい」
エレン「早くしろよ。1年が遅れたらまずいだろ」
ジャン(もぐもぐ…ごっくん)
ジャン「悪い。待たせた」
エレン「じゃ、ぼちぼち移動するか」
ミカサ「そうね」
そしてオレ達三人は昼食を食べ終わって部室に移動する事になった。
音楽室にはこの間、部員紹介の時にはいなかった女子がいる。
あ! やっぱり、あの人だ。部員なのか、そうじゃないのか、気になってた人だ。
パク「あーーーーーーー」
ジャン「?」
ジャンはここでは初対面だな。
パク「あ、そっちの馬面の子は初対面だっけ?」
ジャン「は、はい」
いきなり馬面と言われてジャンがちょっとだけ微妙な顔したな。
言い寄られても、自分から好きになった事がねえのか。
ジャンの方を見ると、あああもう、こいつ、気持ち悪いくらいにニヤけてる。
隠しきれてない。そんなに嬉しいのか。
言うなら誰も手をつけてない、天然の花を見つけたような。そんな気持ちなんだろうな。
断崖絶壁に生えた天然の貴重な美しい花を見つけて、胸が躍るような。
有頂天になるのは分かるが、ここでは自重してくれよ。頼むから。
ミカサ「? 何か変な事を言っただろうか?」
断崖絶壁の天然の花が風に揺れる。いつか誰かに毟り取られなきゃいいが。
エレン「いや……そっか。まあでも、これからだろ、きっと」
ジャン「ああ、きっとそうだ。運命の相手がきっと現れる」
大事にしてくれる相手が見つかるといいけどな。
ミカサ「そうだといいのだけれども」
ジャン「身近にいるかもしれない。周りの男をよく見ればいると思うぜ」
だから、自重しろって。露骨なアピールすんなよ…。
ま、ミカサは気づいてないみたいだけどな。
ミカサ「では今後は注意して見てみよう。部の先輩やクラスメイトも含めて」
ジャン「おう! きっといる! 頑張れよミカサ!」
ミカサ「うん」
やれやれ。ま、この話はもうこの辺でやめておこう。
エレン「飯、食い終わったならぼちぼち部活行くぞ」
ジャン「あ、ちょっと待ってくれ。あともうちょい」
エレン「早くしろよ。1年が遅れたらまずいだろ」
ジャン(もぐもぐ…ごっくん)
ジャン「悪い。待たせた」
エレン「じゃ、ぼちぼち移動するか」
ミカサ「そうね」
そしてオレ達三人は昼食を食べ終わって部室に移動する事になった。
音楽室にはこの間、部員紹介の時にはいなかった女子がいる。
あ! やっぱり、あの人だ。部員なのか、そうじゃないのか、気になってた人だ。
パク「あーーーーーーー」
ジャン「?」
ジャンはここでは初対面だな。
パク「あ、そっちの馬面の子は初対面だっけ?」
ジャン「は、はい」
いきなり馬面と言われてジャンがちょっとだけ微妙な顔したな。
216: 2014/05/10(土) 01:53:40 ID:IzYmrvEQ0
パク「どーも! パクです! 元部員の2年です。時々発声練習させて貰ってるんだ」
エレン「あれ? 確か俺達が初めてここに来た時にいましたよね? てっきり部員かと思ってました」
パク「うん。元部員なんだ。実は私、劇団に在籍しててね。メインはそっちで、こっちはたまに助っ人でやってるんだ」
ミカサ「劇団所属……」
ジャン「え?! って事はまさか、プロって事ですか?」
パク「そうだよ~スカウトされたから、今は劇団の公演中じゃないんで、こっちにも顔出してるんだ。ユウとユイも劇団所属だよ」
ユウ「どうも! 初めまして!」
ユイ「初めまして。ユイです」
綺麗な先輩三人組だ。それぞれタイプの違う美人なんだよな。
パク先輩は大人っぽくて、ユウ先輩はオシャレで、ユイ先輩は和風美人って感じなんだ。
パク「将来本気で役者か声優目指す子は演劇部に所属している間にスカウトされて、プロの劇団に移籍する例も珍しくないんだ。ペトラ先輩達もスカウトされた経験あるけど、進路が違うから断ったみたいだけど」
ユウ「公演の出来によってはスカウトの声がかかる事もあるよ」
ユイ「私達三人は去年、声がかかって2年から移籍したんだ」
なるほど。確かに実力があればプロでやっていく奴もいるだろう。
子役だっている時代だもんな。実力の世界に既に飛び込んでいる三人が眩しく見えた。
パク「今日は暇だったからこっちにも遊びに来たんだ。私達以外にも、劇団所属の元部員はいるから追々紹介してあげるね」
エレン「はい! ありがとうございます!」
ミカサ「ジャン、良かった」
ジャン「え?」
ミカサ「綺麗なお姉さん達がいっぱい……きっといい人がいる」
ジャン「……………」
おーっと、ジャンが微妙な面してやがる。
ジャン、言っておくがミカサは本心で言ってるぞ。
誤解されたくないなら、いつかは告白しないと永遠に伝わらないだろうな。ククク。
ジャンの落ち込みぶりが可笑しくてついつい笑っていたら、
エレン「あれ? 確か俺達が初めてここに来た時にいましたよね? てっきり部員かと思ってました」
パク「うん。元部員なんだ。実は私、劇団に在籍しててね。メインはそっちで、こっちはたまに助っ人でやってるんだ」
ミカサ「劇団所属……」
ジャン「え?! って事はまさか、プロって事ですか?」
パク「そうだよ~スカウトされたから、今は劇団の公演中じゃないんで、こっちにも顔出してるんだ。ユウとユイも劇団所属だよ」
ユウ「どうも! 初めまして!」
ユイ「初めまして。ユイです」
綺麗な先輩三人組だ。それぞれタイプの違う美人なんだよな。
パク先輩は大人っぽくて、ユウ先輩はオシャレで、ユイ先輩は和風美人って感じなんだ。
パク「将来本気で役者か声優目指す子は演劇部に所属している間にスカウトされて、プロの劇団に移籍する例も珍しくないんだ。ペトラ先輩達もスカウトされた経験あるけど、進路が違うから断ったみたいだけど」
ユウ「公演の出来によってはスカウトの声がかかる事もあるよ」
ユイ「私達三人は去年、声がかかって2年から移籍したんだ」
なるほど。確かに実力があればプロでやっていく奴もいるだろう。
子役だっている時代だもんな。実力の世界に既に飛び込んでいる三人が眩しく見えた。
パク「今日は暇だったからこっちにも遊びに来たんだ。私達以外にも、劇団所属の元部員はいるから追々紹介してあげるね」
エレン「はい! ありがとうございます!」
ミカサ「ジャン、良かった」
ジャン「え?」
ミカサ「綺麗なお姉さん達がいっぱい……きっといい人がいる」
ジャン「……………」
おーっと、ジャンが微妙な面してやがる。
ジャン、言っておくがミカサは本心で言ってるぞ。
誤解されたくないなら、いつかは告白しないと永遠に伝わらないだろうな。ククク。
ジャンの落ち込みぶりが可笑しくてついつい笑っていたら、
217: 2014/05/10(土) 02:10:49 ID:IzYmrvEQ0
オルオ「お? 今日はパク達も来てるのか」
パク「あ、どーも! お邪魔してます!」
ペトラ「ちょっと聞いてよパクー! オルオと脚本煮詰めてたんだけどさー」
と、先輩達は何やら込み入った話を始めたようだ。
ペトラ「絶対、新選組系の時代劇やるっていって聞かないんだよー予算考えてよって言ってるのに、融通きかないし!」
パク「新選組ですか? 去年も冬公演でやりましたよね? またやるんですか?」
オルオ「今度はスポットを別のキャラに当てるんだよ。題して『侍・悲恋歌』だ」
ペトラ「私は純愛路線やりたいのに! ちょっと私の書いたの読んで!」
パク「ふむふむ。ちょっと速読しますね。…………オリジナルファンタジー系ですね」
ペトラ「そう! 恋愛メインの女性ウケしそうなやつなんだけど」
パク「タイトルは『仮面の王女』ですか。ふむ……絶世の美女と噂される王女が敵国に政略結婚をされそうになるが、それを破談にする為に、自らの顔に火傷の細工をして偽り、仮面をかぶる。見合いの席で破談にさせようとするものの、予定した相手とは違う王子と結婚させられる、といったお話ですか」
ペトラ「そんな感じ! どう?!」
パク「ちょっと尺が長くなりそうな劇ですよね。どちらも。もっと短くて普遍的な物語の方がいいと思いますが」
ペトラ「えーそう? やっぱり既存の物語のアレンジの方がいいかな?」
パク「まあオリジナル劇の方がやりがいはありますけどね」
エレン「あの、一度脚本を読ませて貰ってもいいですか?」
読んでみないと分かんねえもんな。どっちがいいか、なんて。
ペトラ「いいよ! はい、どうぞ!」
と言う訳でオルオ先輩とペトラ先輩の脚本を両方読む事になった。
エレン「どちらも面白いと思いますが、個人的にはチャンバラシーンのある方がいいです」
ジャン「オレも殺陣のシーンは好きだな」
時代劇はそれだけで何かわくわくするんだよな。
模造刀を振り回せるならそっちの方がいいなーとこの時は思ってたんだ。
ペトラ「ミカサはどっち!? どっちでいきたい?!」
ミカサ「ええっと……」
でもミカサの次の言葉で、意見が分かれたんだ。
パク「あ、どーも! お邪魔してます!」
ペトラ「ちょっと聞いてよパクー! オルオと脚本煮詰めてたんだけどさー」
と、先輩達は何やら込み入った話を始めたようだ。
ペトラ「絶対、新選組系の時代劇やるっていって聞かないんだよー予算考えてよって言ってるのに、融通きかないし!」
パク「新選組ですか? 去年も冬公演でやりましたよね? またやるんですか?」
オルオ「今度はスポットを別のキャラに当てるんだよ。題して『侍・悲恋歌』だ」
ペトラ「私は純愛路線やりたいのに! ちょっと私の書いたの読んで!」
パク「ふむふむ。ちょっと速読しますね。…………オリジナルファンタジー系ですね」
ペトラ「そう! 恋愛メインの女性ウケしそうなやつなんだけど」
パク「タイトルは『仮面の王女』ですか。ふむ……絶世の美女と噂される王女が敵国に政略結婚をされそうになるが、それを破談にする為に、自らの顔に火傷の細工をして偽り、仮面をかぶる。見合いの席で破談にさせようとするものの、予定した相手とは違う王子と結婚させられる、といったお話ですか」
ペトラ「そんな感じ! どう?!」
パク「ちょっと尺が長くなりそうな劇ですよね。どちらも。もっと短くて普遍的な物語の方がいいと思いますが」
ペトラ「えーそう? やっぱり既存の物語のアレンジの方がいいかな?」
パク「まあオリジナル劇の方がやりがいはありますけどね」
エレン「あの、一度脚本を読ませて貰ってもいいですか?」
読んでみないと分かんねえもんな。どっちがいいか、なんて。
ペトラ「いいよ! はい、どうぞ!」
と言う訳でオルオ先輩とペトラ先輩の脚本を両方読む事になった。
エレン「どちらも面白いと思いますが、個人的にはチャンバラシーンのある方がいいです」
ジャン「オレも殺陣のシーンは好きだな」
時代劇はそれだけで何かわくわくするんだよな。
模造刀を振り回せるならそっちの方がいいなーとこの時は思ってたんだ。
ペトラ「ミカサはどっち!? どっちでいきたい?!」
ミカサ「ええっと……」
でもミカサの次の言葉で、意見が分かれたんだ。
218: 2014/05/10(土) 02:11:26 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「私はペトラ先輩の脚本の方が好きです」
ペトラ「おっしゃあああ!」
オルオ「うぐっ……」
エレン「えー? でもこっちはベタベタな恋愛劇だぞ?」
ミカサ「それは時代劇の方も同じ。ただ、暗殺という要素はちょっと重すぎるような気がしたの」
ペトラ「あーなるほど。言われてみればそうかもね。ちょっとそういうのを受け付けない人もいるかも」
オルオ「そうか……そういう視点もあるのか」
ジャン「男から見たら別にそこまで思わないよな」
エレン「ああ。時代劇だったら必殺シリーズとかもろに暗殺だからな」
むしろその暗殺シーンがメインだしな。
でも格好いいよな。キューンと音を鳴らして悪人を倒すシーンは。
単純だって言わないでくれ。男なんて皆そんなもんだ。
パク「今回の脚本は総文祭用のものですか? だったら確かにあまりグロい描写は入れられないと思いますよ」
ユウ「そうだね~所謂、一般向けの物か、コメディか、恋愛物が多いよね」
ユイ「時代劇やりたいなら、学校の文化祭とかの方が向いてるかもね」
ミカサ「総文祭、とは」
ペトラ「全国高等学校総合文化祭の略。夏に予選があって、8月頃に全国大会があるんだ。所謂、文化部のインターハイみたいなものだよ」
オルオ「俺達3年はこの舞台で最後になるからな。気合入れて今から脚本を書いているんだ」
ミカサ「なるほど…」
8月に向けて今から準備するんだから演劇は大変だと思ったよ。
ペトラ「うーん、でも確かに男子の言うようにチャンバラシーンも捨てがたいのよね」
ミカサ「だったら和風ではなく、西洋風で戦うシーンを入れたらどうだろう?」
ペトラ「そうね。フェンシングの動きに近いものを入れられないか調整入れてみるわ」
オルオ「頼んだぞ」
ペトラ「オルオの脚本は秋の文化祭用に一応、残しておいたら? 同時進行で今から準備進めていれば楽だし」
オルオ「それもそうだな。分かった。俺は俺で書き進めておくよ」
先輩達は詳しい話を煮詰めていってるようだ。
ペトラ「おっしゃあああ!」
オルオ「うぐっ……」
エレン「えー? でもこっちはベタベタな恋愛劇だぞ?」
ミカサ「それは時代劇の方も同じ。ただ、暗殺という要素はちょっと重すぎるような気がしたの」
ペトラ「あーなるほど。言われてみればそうかもね。ちょっとそういうのを受け付けない人もいるかも」
オルオ「そうか……そういう視点もあるのか」
ジャン「男から見たら別にそこまで思わないよな」
エレン「ああ。時代劇だったら必殺シリーズとかもろに暗殺だからな」
むしろその暗殺シーンがメインだしな。
でも格好いいよな。キューンと音を鳴らして悪人を倒すシーンは。
単純だって言わないでくれ。男なんて皆そんなもんだ。
パク「今回の脚本は総文祭用のものですか? だったら確かにあまりグロい描写は入れられないと思いますよ」
ユウ「そうだね~所謂、一般向けの物か、コメディか、恋愛物が多いよね」
ユイ「時代劇やりたいなら、学校の文化祭とかの方が向いてるかもね」
ミカサ「総文祭、とは」
ペトラ「全国高等学校総合文化祭の略。夏に予選があって、8月頃に全国大会があるんだ。所謂、文化部のインターハイみたいなものだよ」
オルオ「俺達3年はこの舞台で最後になるからな。気合入れて今から脚本を書いているんだ」
ミカサ「なるほど…」
8月に向けて今から準備するんだから演劇は大変だと思ったよ。
ペトラ「うーん、でも確かに男子の言うようにチャンバラシーンも捨てがたいのよね」
ミカサ「だったら和風ではなく、西洋風で戦うシーンを入れたらどうだろう?」
ペトラ「そうね。フェンシングの動きに近いものを入れられないか調整入れてみるわ」
オルオ「頼んだぞ」
ペトラ「オルオの脚本は秋の文化祭用に一応、残しておいたら? 同時進行で今から準備進めていれば楽だし」
オルオ「それもそうだな。分かった。俺は俺で書き進めておくよ」
先輩達は詳しい話を煮詰めていってるようだ。
219: 2014/05/10(土) 02:12:01 ID:IzYmrvEQ0
エレン「何か徐々に動き出してる感じだな」
ミカサ「そうね。ちょっとだけわくわくする」
ジャン「でも『仮面の王女』の方をするっていうなら、ヒロイン役は誰がやるんだ?」
まさかこの時点では、オレがヒロイン役になるとは本当に思ってなかった。
オーディションで手を抜いたわけじゃないけど、あの演技で評価されるなんてな。
本当、人生って奴は分からんもんだ。
パク「それはちゃんとオーディションで決めるよ。ペトラのイメージに一番近い子を選ぶよ。男子だろうが、ね」
エレン「え? まじっすか?」
パク「うん。女性役を男子がやるのも珍しくないよ。其の辺は平等に審査するから」
ミカサ「エレン、やる?」
エレン「いやいやいや、ヒロイン役は無理だぞ」
ジャン「ミカサはやらないのか?」
ミカサ「私は裏方なので、役者はやらない」
ジャン「え? そうだったんか?」
あ、そういや話してなかったっけ。
ミカサ「うん。私は裏方希望でここにいる」
エレン「オレはケースバイケースってところだな。役者の数が足りない時は表もやるけど、基本は裏方だな」
ジャン「まじかよ……じゃあオレ、お前らとは活動場所が違うじゃねえか」
エレン「役者希望だったっけ? でも、一緒にやるのは同じだから別にいいだろ」
ジャン「そうだけどさー……くそ、今更オレも裏方希望しても無理そうだよな」
ミカサ「裏方やりたいの? だったらそれを伝えたほうがいいと思うけど」
エレン「でも、適正で言ったらジャンは役者っぽい感じもするけどな」
ジャン「其の辺はオレにも良く分からんが……まあいい。状況を見て判断するよ」
ジャンもこの時点ではきっと、オレの相手役を務める事になるとは、夢にも思ってなかっただろうな。
オレ達はそのオーディションが来る日までは、お互いに「本音は裏方やりてえな」と思ってたんだし。
でも、運命の悪戯というか…。二人が選ばれちまったんだからしょうがねえ。
オレ達の練習風景については、後々説明する事にしよう。
ミカサ「そうね。ちょっとだけわくわくする」
ジャン「でも『仮面の王女』の方をするっていうなら、ヒロイン役は誰がやるんだ?」
まさかこの時点では、オレがヒロイン役になるとは本当に思ってなかった。
オーディションで手を抜いたわけじゃないけど、あの演技で評価されるなんてな。
本当、人生って奴は分からんもんだ。
パク「それはちゃんとオーディションで決めるよ。ペトラのイメージに一番近い子を選ぶよ。男子だろうが、ね」
エレン「え? まじっすか?」
パク「うん。女性役を男子がやるのも珍しくないよ。其の辺は平等に審査するから」
ミカサ「エレン、やる?」
エレン「いやいやいや、ヒロイン役は無理だぞ」
ジャン「ミカサはやらないのか?」
ミカサ「私は裏方なので、役者はやらない」
ジャン「え? そうだったんか?」
あ、そういや話してなかったっけ。
ミカサ「うん。私は裏方希望でここにいる」
エレン「オレはケースバイケースってところだな。役者の数が足りない時は表もやるけど、基本は裏方だな」
ジャン「まじかよ……じゃあオレ、お前らとは活動場所が違うじゃねえか」
エレン「役者希望だったっけ? でも、一緒にやるのは同じだから別にいいだろ」
ジャン「そうだけどさー……くそ、今更オレも裏方希望しても無理そうだよな」
ミカサ「裏方やりたいの? だったらそれを伝えたほうがいいと思うけど」
エレン「でも、適正で言ったらジャンは役者っぽい感じもするけどな」
ジャン「其の辺はオレにも良く分からんが……まあいい。状況を見て判断するよ」
ジャンもこの時点ではきっと、オレの相手役を務める事になるとは、夢にも思ってなかっただろうな。
オレ達はそのオーディションが来る日までは、お互いに「本音は裏方やりてえな」と思ってたんだし。
でも、運命の悪戯というか…。二人が選ばれちまったんだからしょうがねえ。
オレ達の練習風景については、後々説明する事にしよう。
223: 2014/05/10(土) 20:41:33 ID:IzYmrvEQ0
そんな訳でその日の活動はいつものように体力づくりの軽いジョギングと、発声練習、柔軟体操。既存台本での演技練習等を行った。それに加えてその日は簡単な演劇用語講座も開かれ、裏方などで使われる独特な用語の勉強などもした。
先輩達にプリントを渡された。追々、やりながら覚えていって欲しいとの事だった。
家に帰宅してからも一応、それに目を通す。
バミるとか、はけるとか、あと金槌の事を「なぐり」とか言ったりするのが面白いなと思った。
資料を読んでいたら、ミカサが部屋にやってきた。
ミカサ「エレン、明日の事だけど」
エレン「ん?」
ミカサ「明日は午前中、黒い洋服を買いに行きたい。ので、勉強会は午後からにしてもらった」
エレン「一人で行くのか?」
ミカサ「そのつもりだけど」
少し考えて、オレもそれに便乗する事にした。
エレン「オレも一緒に行ってもいいか?」
ミカサ「え? でもエレンは黒い私服は持ってる筈……」
エレン「いや、何か話によると途中で何度も汗かくから着替えは何枚か用意してた方がいいって言ってたからさ。オレも追加して買いたいんだよ」
あと、ミカサを一人にすると、変な奴らに絡まれる可能性もあるしな。
過保護とか言うなよ。ミカサは女の子なんだからこれくらい心配するのは家族として当然だ。
ミカサ「なるほど。では、一緒に午前中に買い物をすませましょう」
明日の予定が決まってミカサが部屋に戻った。
さて、明日に備えて早めに寝るとするか。おやすみ。
次の日。オレは早速、ミカサに同行して洋服屋に出かけた。
通称「ウニクロ」と呼ばれるそのチェーン店はシンプルなデザインが売りの洋服屋だ。
薄くても暖かいヒートテック生地なんかで有名だ。ここは値段も手頃だし学生が買うのには丁度いい店だ。
ミカサは店内に入るなりすぐさま男性用のコーナーへ向かった。
エレン「ん? 女性用のコーナーに行かないのか? 先に買ってきていいんだぞ」
ミカサ「男性用の方が種類があるので」
あ、そうか。ミカサはオレと同じくらい背あるもんな。
170cmもあるから、男性用のTシャツの方がいいんだろう。
アルミンもたまに女性用のコーナーの方が合うサイズが多い場合があるって言ってた。それと同じだな。
先輩達にプリントを渡された。追々、やりながら覚えていって欲しいとの事だった。
家に帰宅してからも一応、それに目を通す。
バミるとか、はけるとか、あと金槌の事を「なぐり」とか言ったりするのが面白いなと思った。
資料を読んでいたら、ミカサが部屋にやってきた。
ミカサ「エレン、明日の事だけど」
エレン「ん?」
ミカサ「明日は午前中、黒い洋服を買いに行きたい。ので、勉強会は午後からにしてもらった」
エレン「一人で行くのか?」
ミカサ「そのつもりだけど」
少し考えて、オレもそれに便乗する事にした。
エレン「オレも一緒に行ってもいいか?」
ミカサ「え? でもエレンは黒い私服は持ってる筈……」
エレン「いや、何か話によると途中で何度も汗かくから着替えは何枚か用意してた方がいいって言ってたからさ。オレも追加して買いたいんだよ」
あと、ミカサを一人にすると、変な奴らに絡まれる可能性もあるしな。
過保護とか言うなよ。ミカサは女の子なんだからこれくらい心配するのは家族として当然だ。
ミカサ「なるほど。では、一緒に午前中に買い物をすませましょう」
明日の予定が決まってミカサが部屋に戻った。
さて、明日に備えて早めに寝るとするか。おやすみ。
次の日。オレは早速、ミカサに同行して洋服屋に出かけた。
通称「ウニクロ」と呼ばれるそのチェーン店はシンプルなデザインが売りの洋服屋だ。
薄くても暖かいヒートテック生地なんかで有名だ。ここは値段も手頃だし学生が買うのには丁度いい店だ。
ミカサは店内に入るなりすぐさま男性用のコーナーへ向かった。
エレン「ん? 女性用のコーナーに行かないのか? 先に買ってきていいんだぞ」
ミカサ「男性用の方が種類があるので」
あ、そうか。ミカサはオレと同じくらい背あるもんな。
170cmもあるから、男性用のTシャツの方がいいんだろう。
アルミンもたまに女性用のコーナーの方が合うサイズが多い場合があるって言ってた。それと同じだな。
224: 2014/05/10(土) 20:43:05 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「あった。2Lサイズ。これを何枚か買っていく」
エレン「え? Lサイズでよくねえか? 男性用なんだぞ?」
ミカサ「エレン、私の背丈はまだ伸びている」
エレン「あ、そっか! なるほど。先を見越して買うのか」
羨ましいな。ミカサ、成長期まだ終わってないのか。
ミカサ「エレンも2Lサイズを買うといい」
エレン「いや、実はオレ、男性用だとLでも少し大きいくらいなんだよな」
ミカサ「MとLの間くらいなの?」
エレン「そうそう。胸板薄いからな。悲しいことに」
オレ自身の成長期はどうなのか分からんが、本当はもう少し大きくなりたいんだ。
ミカサ「でも後から背が伸びたら困る。洗濯で若干縮む場合もあるし」
エレン「うーん。それも確かにそうだが、ぶかぶかだと格好悪くないか?」
ミカサ「可愛いと思うけど」
エレン「それが嫌なんだよ!」
ミカサがニヤニヤしてんな。くそ! そんなに可愛いのが見たいんかな。
男としてみればあまり嬉しくはないんだが。
ミカサ「なら仕方がない。Lサイズにするといい」
エレン「………いや、でも、背丈は伸ばそうとしている訳だし」
ミカサが笑いを必氏に堪えてやがる。くそう。
ああでも、迷う。どうすっかなー。
ミカサ「ふふふ……まあ、エレンが迷っている間に私はズボンの方も見てくる」
エレン「おう。ゆっくり見てこい」
という訳で一旦、ミカサとは離れてしばし葛藤した。
そしてうんうん考えて、結局ミカサと同じ2Lサイズを購入する事にした。
エレン「将来、背が伸びることを期待して買った。これで後戻りは出来ん」
ミカサ「ふふふ……」
ミカサがやっぱり笑ってやがる。
くそ…絶対、身長伸ばして見せるからな!
エレン「ズボンはもう買ってきたのか?」
ミカサ「うん。ウエストが少し余ったけれど、お尻が大きいので仕方がない」
エレン「え? ああ、そうなのか? まあ、確かにくびれてる方ではあるけれど」
ミカサ、腰細い方だもんな。と、見ていたらミカサに「もう」と文句を言われた。
あ、悪い悪い。ついついジロジロ見ちまった。
ミカサ「エレンはズボンは買わないの?」
エレン「ああ、黒のズボンは持ってる。今回は黒Tシャツだけだな」
ミカサ「そう。では家に一旦帰りましょう。荷物を置きたいので」
エレン「え? ロッカーに預けておけばいいんじゃないか? 駅にあるだろ」
ミカサ「!」
ミカサが大げさに驚いていた。そういう発想がなかったようだ。
エレン「え? Lサイズでよくねえか? 男性用なんだぞ?」
ミカサ「エレン、私の背丈はまだ伸びている」
エレン「あ、そっか! なるほど。先を見越して買うのか」
羨ましいな。ミカサ、成長期まだ終わってないのか。
ミカサ「エレンも2Lサイズを買うといい」
エレン「いや、実はオレ、男性用だとLでも少し大きいくらいなんだよな」
ミカサ「MとLの間くらいなの?」
エレン「そうそう。胸板薄いからな。悲しいことに」
オレ自身の成長期はどうなのか分からんが、本当はもう少し大きくなりたいんだ。
ミカサ「でも後から背が伸びたら困る。洗濯で若干縮む場合もあるし」
エレン「うーん。それも確かにそうだが、ぶかぶかだと格好悪くないか?」
ミカサ「可愛いと思うけど」
エレン「それが嫌なんだよ!」
ミカサがニヤニヤしてんな。くそ! そんなに可愛いのが見たいんかな。
男としてみればあまり嬉しくはないんだが。
ミカサ「なら仕方がない。Lサイズにするといい」
エレン「………いや、でも、背丈は伸ばそうとしている訳だし」
ミカサが笑いを必氏に堪えてやがる。くそう。
ああでも、迷う。どうすっかなー。
ミカサ「ふふふ……まあ、エレンが迷っている間に私はズボンの方も見てくる」
エレン「おう。ゆっくり見てこい」
という訳で一旦、ミカサとは離れてしばし葛藤した。
そしてうんうん考えて、結局ミカサと同じ2Lサイズを購入する事にした。
エレン「将来、背が伸びることを期待して買った。これで後戻りは出来ん」
ミカサ「ふふふ……」
ミカサがやっぱり笑ってやがる。
くそ…絶対、身長伸ばして見せるからな!
エレン「ズボンはもう買ってきたのか?」
ミカサ「うん。ウエストが少し余ったけれど、お尻が大きいので仕方がない」
エレン「え? ああ、そうなのか? まあ、確かにくびれてる方ではあるけれど」
ミカサ、腰細い方だもんな。と、見ていたらミカサに「もう」と文句を言われた。
あ、悪い悪い。ついついジロジロ見ちまった。
ミカサ「エレンはズボンは買わないの?」
エレン「ああ、黒のズボンは持ってる。今回は黒Tシャツだけだな」
ミカサ「そう。では家に一旦帰りましょう。荷物を置きたいので」
エレン「え? ロッカーに預けておけばいいんじゃないか? 駅にあるだろ」
ミカサ「!」
ミカサが大げさに驚いていた。そういう発想がなかったようだ。
225: 2014/05/10(土) 20:44:29 ID:RHNxUebY0
エレン「図書館から帰る時に駅に寄って荷物持って帰ればいいだろ?」
ミカサ「凄い。その発想はなかった」
エレン「え? お前今までどんな生活してたんだよ」
オレだけじゃねえよな? こういう事するの。
いちいち家に戻るの面倒だし、荷物預けられるロッカーがあるなら、そこに置いておくよな。
忘れたりしたら面倒だけど、駅は頻繁に利用するし、大丈夫だろ。
エレン「友達と街に遊びに行ったり買い物したりする時は、ロッカーを利用したりしないのか?」
ミカサ「した事ない……」
エレン「そうか。まあオレもアルミンに言われて始めた事だけどな」
アルミンが言い出したやり方を真似たんだ。アルミン、頭いいだろ?
エレン「まあいいや。ついでに昼飯も駅の何処かで食べようぜ。なんかあるだろ」
という訳で、洋服を買い終わると、電車を乗り継ぎ、駅まで移動して、荷物をロッカーに預けて、駅中の店を見て回った。
まだちょっと早い時間帯だからか、お客さんの数が少ない。今のうちに決めてしまおう。
でも途中でたい焼きなどの甘味を見つけてそっちに気持ちが釣られてしまった。
エレン「お、どれもうまそー」
ミカサ「エレン、それはデザートで良いのでは?」
エレン「そうだな。先に飯食うか」
たまたま視界に入ったハンバーグ屋は、まだ人がすいてる。ここいいかもな。
エレン「んー……あ、ドッキリドンキーがある。ここにしようぜ」
ここも割と有名なハンバーグのチェーン店だ。
木の丸い皿にハンバーグとご飯とサラダをまとめてのせてくれる。
ミカサ「ふむ。まあ手頃なお店なのでここにしよう」
オレは普通のハンバーグにトッピングでチーズをのせた。
ミカサもオレのと同じものを注文した。
エレン「意外と早く買い物済んだな」
もっと時間食うかと思ってたから意外だった。
ミカサ「そうだろうか? 元々買うものは決まっていたので」
エレン「いや、ほら、ついでに他の物に目移りして一緒に買うのかと思ったんだよ」
Tシャツ見るつもりがそれ以外の物も一応、買わなくても見たりするだろ? 女は特に。
ミカサ「凄い。その発想はなかった」
エレン「え? お前今までどんな生活してたんだよ」
オレだけじゃねえよな? こういう事するの。
いちいち家に戻るの面倒だし、荷物預けられるロッカーがあるなら、そこに置いておくよな。
忘れたりしたら面倒だけど、駅は頻繁に利用するし、大丈夫だろ。
エレン「友達と街に遊びに行ったり買い物したりする時は、ロッカーを利用したりしないのか?」
ミカサ「した事ない……」
エレン「そうか。まあオレもアルミンに言われて始めた事だけどな」
アルミンが言い出したやり方を真似たんだ。アルミン、頭いいだろ?
エレン「まあいいや。ついでに昼飯も駅の何処かで食べようぜ。なんかあるだろ」
という訳で、洋服を買い終わると、電車を乗り継ぎ、駅まで移動して、荷物をロッカーに預けて、駅中の店を見て回った。
まだちょっと早い時間帯だからか、お客さんの数が少ない。今のうちに決めてしまおう。
でも途中でたい焼きなどの甘味を見つけてそっちに気持ちが釣られてしまった。
エレン「お、どれもうまそー」
ミカサ「エレン、それはデザートで良いのでは?」
エレン「そうだな。先に飯食うか」
たまたま視界に入ったハンバーグ屋は、まだ人がすいてる。ここいいかもな。
エレン「んー……あ、ドッキリドンキーがある。ここにしようぜ」
ここも割と有名なハンバーグのチェーン店だ。
木の丸い皿にハンバーグとご飯とサラダをまとめてのせてくれる。
ミカサ「ふむ。まあ手頃なお店なのでここにしよう」
オレは普通のハンバーグにトッピングでチーズをのせた。
ミカサもオレのと同じものを注文した。
エレン「意外と早く買い物済んだな」
もっと時間食うかと思ってたから意外だった。
ミカサ「そうだろうか? 元々買うものは決まっていたので」
エレン「いや、ほら、ついでに他の物に目移りして一緒に買うのかと思ったんだよ」
Tシャツ見るつもりがそれ以外の物も一応、買わなくても見たりするだろ? 女は特に。
226: 2014/05/10(土) 20:46:04 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「私は必要な物以外は買わないので」
エレン「うちの母さんとは正反対だな。母さん、買い物すると長かったからなあ」
母さんがそうだったんだ。自分の物だけじゃなく、オレと父さんの分もついでに買っていったりするから、大体、予定時間を過ぎる。
エレン「うちの親父とオレはいつも待たされて、本屋で時間を潰すのが日課だったな」
ミカサ「なるほど。エレンのお母さんは買い物が好きだったのね」
エレン「ああ。買い物が趣味みたいなところがあったな。あ、でも別に無駄な買い物をする訳じゃねえぞ? 選ぶのに物凄く時間がかかってただけだ」
ミカサ「私から見ればエレンも十分、選ぶのに時間がかかってる」
エレン「うっ……オレ、母さんに似てるのかな?」
ミカサに頷かれた。
ミカサ「私は母親に顔は似ているけども、性格は似ていないと言われる」
エレン「おばさんはおっとりしてるもんな。ミカサはどちからといえばキリッとしてる」
ミカサ「父もおっとりしていたので、誰の性格に似たのか良く分からない」
エレン「まあでも、ご先祖様の誰かのが遺伝してるのは間違いないだろ」
ミカサ「そうね。きっとそう」
エレン「オレは親父の頭の良さをもうちょっとだけ欲しかったけどなー」
と、言った頃にもう注文の品がきた。早いな。さすがドッキリドンキー。
ミカサ「エレンは決して馬鹿ではない。普通」
エレン「ははは………まあ、十人並みだとは思うけどな」
エレンは苦笑を浮かべてチーズハンバーグを頬張った。
エレン「(もぐもぐ)でもさ、アルミンとかミカサを見てたら……やっぱりもうちょっと頭良かったらなあとは思うぜ」
ミカサ「(もぐもぐ)でも足りない部分は努力で補えると思う。その為の勉強会なのでは?」
エレン「(もぐもぐ)まあな。午後は頼むぜ」
ミカサ「(もぐもぐ)大丈夫。皆でやれば怖くない」
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……。
買い物で歩き回ったせいか、お互いに腹減ってたみたいだ。
もぐもぐ。うまい。腹減ってる時は何でもうまいな。
二人共残さず完食すると、オレは先に会計を済ませて店を出た。
するとミカサに呼び止められて、
ミカサ「エレン、会計、割り勘…」
エレン「ああ、いいよ。面倒だからオレが出しといた」
ミカサ「そんな……お小遣いを切り詰めさせるのは忍びない」
エレン「いや、うちは結構ざっくりしてるからそんなに気遣わなくていいからさ」
ミカサ「エレン、それでは将来困るのでは?」
いきなり何の話だ?
エレン「うちの母さんとは正反対だな。母さん、買い物すると長かったからなあ」
母さんがそうだったんだ。自分の物だけじゃなく、オレと父さんの分もついでに買っていったりするから、大体、予定時間を過ぎる。
エレン「うちの親父とオレはいつも待たされて、本屋で時間を潰すのが日課だったな」
ミカサ「なるほど。エレンのお母さんは買い物が好きだったのね」
エレン「ああ。買い物が趣味みたいなところがあったな。あ、でも別に無駄な買い物をする訳じゃねえぞ? 選ぶのに物凄く時間がかかってただけだ」
ミカサ「私から見ればエレンも十分、選ぶのに時間がかかってる」
エレン「うっ……オレ、母さんに似てるのかな?」
ミカサに頷かれた。
ミカサ「私は母親に顔は似ているけども、性格は似ていないと言われる」
エレン「おばさんはおっとりしてるもんな。ミカサはどちからといえばキリッとしてる」
ミカサ「父もおっとりしていたので、誰の性格に似たのか良く分からない」
エレン「まあでも、ご先祖様の誰かのが遺伝してるのは間違いないだろ」
ミカサ「そうね。きっとそう」
エレン「オレは親父の頭の良さをもうちょっとだけ欲しかったけどなー」
と、言った頃にもう注文の品がきた。早いな。さすがドッキリドンキー。
ミカサ「エレンは決して馬鹿ではない。普通」
エレン「ははは………まあ、十人並みだとは思うけどな」
エレンは苦笑を浮かべてチーズハンバーグを頬張った。
エレン「(もぐもぐ)でもさ、アルミンとかミカサを見てたら……やっぱりもうちょっと頭良かったらなあとは思うぜ」
ミカサ「(もぐもぐ)でも足りない部分は努力で補えると思う。その為の勉強会なのでは?」
エレン「(もぐもぐ)まあな。午後は頼むぜ」
ミカサ「(もぐもぐ)大丈夫。皆でやれば怖くない」
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……。
買い物で歩き回ったせいか、お互いに腹減ってたみたいだ。
もぐもぐ。うまい。腹減ってる時は何でもうまいな。
二人共残さず完食すると、オレは先に会計を済ませて店を出た。
するとミカサに呼び止められて、
ミカサ「エレン、会計、割り勘…」
エレン「ああ、いいよ。面倒だからオレが出しといた」
ミカサ「そんな……お小遣いを切り詰めさせるのは忍びない」
エレン「いや、うちは結構ざっくりしてるからそんなに気遣わなくていいからさ」
ミカサ「エレン、それでは将来困るのでは?」
いきなり何の話だ?
228: 2014/05/10(土) 20:56:28 ID:IzYmrvEQ0
エレン「え? 何で? 昨日、親父に「ミカサと外食するかも」って前もって言っておいたから多めに金貰ってたんだけど」
うちは大体、必要な時に必要な理由を言えば、それに合わせてちょい多めに金をくれる。
おつりはそのまま持ってていいけど、レシートや領収書は後で親父に渡す事になってるんだ。
そういうのが出ない自販機での購入の時は、メモ書いて渡せばいい。
○月○日 ジュース120円×2本
みたいなメモだけでいい。メモは書き溜めて後から渡しても大丈夫だ。
ミカサ「お小遣いとは別に貰ってたの?」
エレン「ああ。うちは毎回そんな感じだ。必要な時に必要な分だけ、貰う感じ」
ミカサ「月にいくら、とかではないの?」
エレン「え? 何それ。月に一回しか金貰えないって何?」
この時初めて、他の家庭では月々の月給制の方が多いって知ったんだ。
親に買い物の内容を報告するのが普通だと思ってたから、報告しないでいいっていう感覚が、すぐには理解出来なかった。
ミカサ「エレン、それでは人と感覚がズレてくると思う」
エレン「え? そんなに変か?」
ミカサ「普通はお金は月に一度、貰う程度だと思う。それをやりくりするのでは?」
エレン「何でそんな面倒臭いことするんだよ」
ミカサ「収入と支出の割合を大まかに見る為だと思うけど」
エレン「ん? 収入は親父のしか分からんだろ。何でオレが収入の分を計算しないといけないんだ?」
ミカサ「ええっと、確かに家の全体の収入は把握できないけれども、そういう意味ではなくて……」
ミカサが一生懸命考えてくれる。
ミカサ「エレン、日本人は殆どの人が会社や何かに属して収入を得ている」
エレン「ああ。そうだな」
ミカサ「人によっては年単位の収入の人もいるけれど、普通は月一くらいで収入を得る」
エレン「ああ、そうらしいな。うちは良く知らないけど」
ミカサ「だから、月の収支を把握する癖はつけた方がいい。将来的にも必要だと思う」
エレン「サラリーマンになるかもしれないから、家計簿つけろっていうのか?」
ミカサ「そう! つまりそう言う事」
うちは親父が医者で、サラリーマンとは違うから、そのせいで感覚が違ったのかもしれない。
病院の経営を含めて全部、親父がやってるから、月給制という感覚ではなく、年俸制に近い生活だったんだと思う。
事務的な事は全部、親父が3月あたりにバタバタやってるからか、オレにとってはそっちのイメージの方が強かったんだ。
うちは大体、必要な時に必要な理由を言えば、それに合わせてちょい多めに金をくれる。
おつりはそのまま持ってていいけど、レシートや領収書は後で親父に渡す事になってるんだ。
そういうのが出ない自販機での購入の時は、メモ書いて渡せばいい。
○月○日 ジュース120円×2本
みたいなメモだけでいい。メモは書き溜めて後から渡しても大丈夫だ。
ミカサ「お小遣いとは別に貰ってたの?」
エレン「ああ。うちは毎回そんな感じだ。必要な時に必要な分だけ、貰う感じ」
ミカサ「月にいくら、とかではないの?」
エレン「え? 何それ。月に一回しか金貰えないって何?」
この時初めて、他の家庭では月々の月給制の方が多いって知ったんだ。
親に買い物の内容を報告するのが普通だと思ってたから、報告しないでいいっていう感覚が、すぐには理解出来なかった。
ミカサ「エレン、それでは人と感覚がズレてくると思う」
エレン「え? そんなに変か?」
ミカサ「普通はお金は月に一度、貰う程度だと思う。それをやりくりするのでは?」
エレン「何でそんな面倒臭いことするんだよ」
ミカサ「収入と支出の割合を大まかに見る為だと思うけど」
エレン「ん? 収入は親父のしか分からんだろ。何でオレが収入の分を計算しないといけないんだ?」
ミカサ「ええっと、確かに家の全体の収入は把握できないけれども、そういう意味ではなくて……」
ミカサが一生懸命考えてくれる。
ミカサ「エレン、日本人は殆どの人が会社や何かに属して収入を得ている」
エレン「ああ。そうだな」
ミカサ「人によっては年単位の収入の人もいるけれど、普通は月一くらいで収入を得る」
エレン「ああ、そうらしいな。うちは良く知らないけど」
ミカサ「だから、月の収支を把握する癖はつけた方がいい。将来的にも必要だと思う」
エレン「サラリーマンになるかもしれないから、家計簿つけろっていうのか?」
ミカサ「そう! つまりそう言う事」
うちは親父が医者で、サラリーマンとは違うから、そのせいで感覚が違ったのかもしれない。
病院の経営を含めて全部、親父がやってるから、月給制という感覚ではなく、年俸制に近い生活だったんだと思う。
事務的な事は全部、親父が3月あたりにバタバタやってるからか、オレにとってはそっちのイメージの方が強かったんだ。
229: 2014/05/10(土) 20:57:54 ID:IzYmrvEQ0
エレン「家計簿だったらうちもつけてるぞ。ただうちの場合は年単位で計算してるが」
ミカサ「え? 年単位?」
エレン「そうそう。うちはこういう必要経費は全部、領収書を取っててさ。全部パソコンで記録して年単位でファイル作ってるって親父が言ってた」
ミカサ「何故、年単位…?」
エレン「さあ? 昔から1年単位でざっくり計算するのが親父のやり方だからなあ。その方が都合がいいんじゃねえの?」
ミカサ「そ、そうなの?」
エレン「ああ。だからミカサも親父に言えば、その都度金はくれると思う。ただし、その買い物の内容は前もって言わないと出してくれないけどな」
ミカサ「その都度、申告しないといけないの?」
エレン「え? 普通そういうもんじゃねえの?」
ミカサ「私はお小遣いの範囲内で自由に買って良かった。…ので、その内容を親に報告した事はない」
この時は本当に驚いた。同時に「いいのかそれ?!」と羨ましくも思った。
オレは贅沢をさせては貰ってたけど、その分自由ではなかったんだ。
エレン「うちと全然違う。え? もしかしてそっちの方が普通なのか?」
ミカサ「わ、分からない。けど、うちはそうだったので」
エレン「うわー…これはちょっと親父に聞いてみる必要があるな」
後で親父と話し合ってその真意を確かめて納得したけどさ。
でも、デート代とか申告する事になったら恥ずかしいな、とも思ったんだよ。
先心配し過ぎかもしれんが、親に筒抜けってのも恥ずかしいんだよ。
エレン「もしそうならオレ、親父に騙されてた事になるな。くそ! 頭いいな親父!」
ミカサ「あ、アルミンのご家庭はどうなの?」
エレン「アルミンもうちと同じだよ。その都度貰うって言ってた」
ミカサ「そ、そうなの? でもそれだと無駄遣いをしてしまうのでは…」
エレン「え? 何でだよ。必要な物を買う時だけしか貰わないんだぞ? 余計な物を買う余裕はねえよ」
例えばケーキを2個買うはずが、予定外に4個買ったりとかはあるけど、それ以外の物を買ったりはしない。
母さんの買い物もそんな感じで、洋服を買いに行って、自分の分だけの筈がオレと父さんの分も買ったり、とかはあった。
でもそれは父さん曰く「余計な買い物」ではないそうで、むしろ効率を考えればそれは時間の節約になるそうだ。
一番良くないのは「予定していない種類の買い物」をする事だ。
例えばたまたまバーゲンセールをデパートで見かけたとしよう。
その日は鞄を買いに行ったのであって、洋服を買いにいった訳ではないとする。
でもその日の所持金が多くあったから、その洋服を買えるとする。そこでつい、衝動買いをしてしまったとする。
家に帰って確認したら、似たようなデザインの服が実はあった。とかいうパターンはないだろうか?
親父曰く、予定していた買い物の個数が変動するのはセーフで、種類が増えるのはアウトなんだ。
人間の記憶なんて曖昧でいい加減だから、ちゃんと筋道を立てて予定を立てないと記憶違いを起こしやすいらしい。
母さんがオレと父さんの洋服をついでに買うのも、ちゃんと前もって「もしいいのがあれば買うかも」という心づもりはしていく。
つまり「予定:母さんの洋服(オレと父さんの洋服)」という感じで、衝動買いとは少し違うんだ。
勿論、親父の方法でも失敗する人はいるだろう。ただうちの場合はそれで大体、間違う事はなかった。
だから無駄に金を使わないという意味では、親父のやり方は多分、間違ってはいないと思う。
ミカサ「え? 年単位?」
エレン「そうそう。うちはこういう必要経費は全部、領収書を取っててさ。全部パソコンで記録して年単位でファイル作ってるって親父が言ってた」
ミカサ「何故、年単位…?」
エレン「さあ? 昔から1年単位でざっくり計算するのが親父のやり方だからなあ。その方が都合がいいんじゃねえの?」
ミカサ「そ、そうなの?」
エレン「ああ。だからミカサも親父に言えば、その都度金はくれると思う。ただし、その買い物の内容は前もって言わないと出してくれないけどな」
ミカサ「その都度、申告しないといけないの?」
エレン「え? 普通そういうもんじゃねえの?」
ミカサ「私はお小遣いの範囲内で自由に買って良かった。…ので、その内容を親に報告した事はない」
この時は本当に驚いた。同時に「いいのかそれ?!」と羨ましくも思った。
オレは贅沢をさせては貰ってたけど、その分自由ではなかったんだ。
エレン「うちと全然違う。え? もしかしてそっちの方が普通なのか?」
ミカサ「わ、分からない。けど、うちはそうだったので」
エレン「うわー…これはちょっと親父に聞いてみる必要があるな」
後で親父と話し合ってその真意を確かめて納得したけどさ。
でも、デート代とか申告する事になったら恥ずかしいな、とも思ったんだよ。
先心配し過ぎかもしれんが、親に筒抜けってのも恥ずかしいんだよ。
エレン「もしそうならオレ、親父に騙されてた事になるな。くそ! 頭いいな親父!」
ミカサ「あ、アルミンのご家庭はどうなの?」
エレン「アルミンもうちと同じだよ。その都度貰うって言ってた」
ミカサ「そ、そうなの? でもそれだと無駄遣いをしてしまうのでは…」
エレン「え? 何でだよ。必要な物を買う時だけしか貰わないんだぞ? 余計な物を買う余裕はねえよ」
例えばケーキを2個買うはずが、予定外に4個買ったりとかはあるけど、それ以外の物を買ったりはしない。
母さんの買い物もそんな感じで、洋服を買いに行って、自分の分だけの筈がオレと父さんの分も買ったり、とかはあった。
でもそれは父さん曰く「余計な買い物」ではないそうで、むしろ効率を考えればそれは時間の節約になるそうだ。
一番良くないのは「予定していない種類の買い物」をする事だ。
例えばたまたまバーゲンセールをデパートで見かけたとしよう。
その日は鞄を買いに行ったのであって、洋服を買いにいった訳ではないとする。
でもその日の所持金が多くあったから、その洋服を買えるとする。そこでつい、衝動買いをしてしまったとする。
家に帰って確認したら、似たようなデザインの服が実はあった。とかいうパターンはないだろうか?
親父曰く、予定していた買い物の個数が変動するのはセーフで、種類が増えるのはアウトなんだ。
人間の記憶なんて曖昧でいい加減だから、ちゃんと筋道を立てて予定を立てないと記憶違いを起こしやすいらしい。
母さんがオレと父さんの洋服をついでに買うのも、ちゃんと前もって「もしいいのがあれば買うかも」という心づもりはしていく。
つまり「予定:母さんの洋服(オレと父さんの洋服)」という感じで、衝動買いとは少し違うんだ。
勿論、親父の方法でも失敗する人はいるだろう。ただうちの場合はそれで大体、間違う事はなかった。
だから無駄に金を使わないという意味では、親父のやり方は多分、間違ってはいないと思う。
230: 2014/05/10(土) 21:00:12 ID:IzYmrvEQ0
一旦、ちょっと休憩します。続きはまた。
231: 2014/05/10(土) 23:29:45 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「驚いた。私の方が少数派だったのね」
エレン「いや、そうとは限らねえよ。ジャンとマルコにも後で聞いてみよう。気になる!」
オレはつい、デザートが欲しくなった。
エレン「頭使ったらなんか甘いもの欲しくなった。ちょっと買ってくる。ミカサも食うか?」
ミカサ「そうね。ちょっと食べたい」
エレン「じゃあ買ってくる。2本な」
こういうのも、今日は「飲食代」として大体計算して金貰ってるからOKなんだ。
チョコバナナを食べながらオレはミカサに言った。
エレン「オレ、もしかして親父に甘やかされて育てられてるのか…?」
ミカサの反応がなかった。肯定されてるな。無理もないか。
エレン「オレ、このままだとまずくないか? この感覚ってやばいのか…?」
ミカサ「え、エレン……その……」
エレン「…………ミカサの目から見たらやはりそうなんだな」
でもそれが分かったのはかえって良かった。
エレン「そっか。そうだな。いや、それが分かっただけでも収穫だ。ありがとな、ミカサ」
ミカサ「うう……」
ミカサが微妙にバツの悪そうな顔をしている。
別にミカサが悪いとかそういう話じゃねえから、そんな顔しなくてもいいんだけどな。
エレン「今度、親父の暇な時に話し合ってみる。どういうつもりでそういうやり方でオレに金くれてたのか、真意を確かめたいしな」
ミカサ「そうね。そうした方がいいかもしれない」
その時、チョコレートが少し垂れた。
ミカサがそれに気づいて慌ててそれを舐めた。
なんか、ソフトクリームの時より、それが官能的に見えて思わず「うっ」となる。
な、何でだろ? あ、そっか。バナナの形状のせいか!
ミカサ「エレン、端っこ、溶けてる」
エレン「あ、ああ……悪い」
オレはミカサを見ないようにしてさっさと全部食べ切った。
邪な事は考えたらいかん。自重しろ、オレ。
そして食べ終わると、ミカサが急に何かを思いついたようで、
エレン「いや、そうとは限らねえよ。ジャンとマルコにも後で聞いてみよう。気になる!」
オレはつい、デザートが欲しくなった。
エレン「頭使ったらなんか甘いもの欲しくなった。ちょっと買ってくる。ミカサも食うか?」
ミカサ「そうね。ちょっと食べたい」
エレン「じゃあ買ってくる。2本な」
こういうのも、今日は「飲食代」として大体計算して金貰ってるからOKなんだ。
チョコバナナを食べながらオレはミカサに言った。
エレン「オレ、もしかして親父に甘やかされて育てられてるのか…?」
ミカサの反応がなかった。肯定されてるな。無理もないか。
エレン「オレ、このままだとまずくないか? この感覚ってやばいのか…?」
ミカサ「え、エレン……その……」
エレン「…………ミカサの目から見たらやはりそうなんだな」
でもそれが分かったのはかえって良かった。
エレン「そっか。そうだな。いや、それが分かっただけでも収穫だ。ありがとな、ミカサ」
ミカサ「うう……」
ミカサが微妙にバツの悪そうな顔をしている。
別にミカサが悪いとかそういう話じゃねえから、そんな顔しなくてもいいんだけどな。
エレン「今度、親父の暇な時に話し合ってみる。どういうつもりでそういうやり方でオレに金くれてたのか、真意を確かめたいしな」
ミカサ「そうね。そうした方がいいかもしれない」
その時、チョコレートが少し垂れた。
ミカサがそれに気づいて慌ててそれを舐めた。
なんか、ソフトクリームの時より、それが官能的に見えて思わず「うっ」となる。
な、何でだろ? あ、そっか。バナナの形状のせいか!
ミカサ「エレン、端っこ、溶けてる」
エレン「あ、ああ……悪い」
オレはミカサを見ないようにしてさっさと全部食べ切った。
邪な事は考えたらいかん。自重しろ、オレ。
そして食べ終わると、ミカサが急に何かを思いついたようで、
232: 2014/05/10(土) 23:31:19 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「そうだ。皆にお菓子のお土産を買っていこう」
エレン「え? 別に要らねえよ」
ミカサ「でも、勉強の途中で甘いものはだいたい欲しくなる」
エレン「図書館の中って飲食しても良かったっけ?」
ミカサ「確かラウンジのある図書館もある。休憩スペースと分けて設置されている筈」
エレン「へーそうなのか。普段行かねえから知らなかったぜ」
子供の頃はアルミンと何度か行ってたけど、中学あがった辺りからは行ってない。
小さい頃の記憶は朧だから、もしかしたらその頃からラウンジもあったかもしれないが。
ミカサ「もしかしてエレン、欲しい本もいつも買って貰ってた?」
エレン「ああ。オレは図鑑とか見るのが好きだったし、親父自身も本好きで、親父の書斎には4つ本棚あるしな。小さい頃に買って貰った本は今も書斎にあるかもしれん」
親父の部屋は小さな図書館みたいになってるんだ。
ミカサ「私はなかなか買って貰えなかった。だから図書館で借りて読んだり学校の図書館で読むことが殆どだった」
エレン「そ、そういうもんか。オレの家は本はすぐ買うもんだったからな」
駅中を移動していると人の波が多くなってきた。
昼を過ぎたからだろうな。人を避けながらミカサと歩く。
歩きながら思い出す。そういえばオレ、親父に「買っちゃダメ」って言われた記憶がねえ。
エレン「……オレ、よく考えてみたら親父に「買っちゃダメ」って言われた記憶がねえ」
ミカサに「おお…」って顔された。
エレン「ただ、買う時は「どうしてそれを買いたいんだい?」と理由を聞かれてた気がする」
ミカサ「理由も聞かれたの?」
エレン「ああ。そうだ。親父は必ず「理由」を聞いてくる。だからオレは毎回説明してた。ただ何となく欲しいって言った場合は「理由がない筈がない」と言って理由を言うまで買ってはくれなかったけど、言えば必ず買ってくれたんだよ」
子供の頃からそんなんだったから、それがずっと普通だと思ってたんだ。
エレン「だからずっとそれが普通だと思ってた。でもそうか……家によっては違う場合もあるんだな」
ミカサ「そうね。それはひとつ勉強になった。私も自分の感覚が絶対のモノとは思わないようにする」
ミカサを通じて世界が広がったような感じだった。
無知だった自分が恥ずかしい。でも同時に知る事が出来て良かったとも思う。
エレン「そうだな。オレも今後は気をつける。じゃあお菓子は安いその辺のコンビニのスナック菓子で…」
ミカサ「え? 皆で食べるのにスナック菓子はちょっと」
エレン「…………え?」
この流れだと、贅沢は出来るだけしない方がいいんじゃ?
と、オレは思ったんだが、
エレン「贅沢はしない方がいいんだよな?」
ミカサ「そうは言っていない。使うべき時は使う。特に皆で食べる時はお金をかけるべき」
エレン「…………やっぱりその辺の感覚がオレとは違うんだな」
むしろ、あんまりいいお菓子だと、かえって相手に気遣わせないかな?
とも思ったんだが、まあミカサがそうしたいんだったら任せようと思った。
エレン「え? 別に要らねえよ」
ミカサ「でも、勉強の途中で甘いものはだいたい欲しくなる」
エレン「図書館の中って飲食しても良かったっけ?」
ミカサ「確かラウンジのある図書館もある。休憩スペースと分けて設置されている筈」
エレン「へーそうなのか。普段行かねえから知らなかったぜ」
子供の頃はアルミンと何度か行ってたけど、中学あがった辺りからは行ってない。
小さい頃の記憶は朧だから、もしかしたらその頃からラウンジもあったかもしれないが。
ミカサ「もしかしてエレン、欲しい本もいつも買って貰ってた?」
エレン「ああ。オレは図鑑とか見るのが好きだったし、親父自身も本好きで、親父の書斎には4つ本棚あるしな。小さい頃に買って貰った本は今も書斎にあるかもしれん」
親父の部屋は小さな図書館みたいになってるんだ。
ミカサ「私はなかなか買って貰えなかった。だから図書館で借りて読んだり学校の図書館で読むことが殆どだった」
エレン「そ、そういうもんか。オレの家は本はすぐ買うもんだったからな」
駅中を移動していると人の波が多くなってきた。
昼を過ぎたからだろうな。人を避けながらミカサと歩く。
歩きながら思い出す。そういえばオレ、親父に「買っちゃダメ」って言われた記憶がねえ。
エレン「……オレ、よく考えてみたら親父に「買っちゃダメ」って言われた記憶がねえ」
ミカサに「おお…」って顔された。
エレン「ただ、買う時は「どうしてそれを買いたいんだい?」と理由を聞かれてた気がする」
ミカサ「理由も聞かれたの?」
エレン「ああ。そうだ。親父は必ず「理由」を聞いてくる。だからオレは毎回説明してた。ただ何となく欲しいって言った場合は「理由がない筈がない」と言って理由を言うまで買ってはくれなかったけど、言えば必ず買ってくれたんだよ」
子供の頃からそんなんだったから、それがずっと普通だと思ってたんだ。
エレン「だからずっとそれが普通だと思ってた。でもそうか……家によっては違う場合もあるんだな」
ミカサ「そうね。それはひとつ勉強になった。私も自分の感覚が絶対のモノとは思わないようにする」
ミカサを通じて世界が広がったような感じだった。
無知だった自分が恥ずかしい。でも同時に知る事が出来て良かったとも思う。
エレン「そうだな。オレも今後は気をつける。じゃあお菓子は安いその辺のコンビニのスナック菓子で…」
ミカサ「え? 皆で食べるのにスナック菓子はちょっと」
エレン「…………え?」
この流れだと、贅沢は出来るだけしない方がいいんじゃ?
と、オレは思ったんだが、
エレン「贅沢はしない方がいいんだよな?」
ミカサ「そうは言っていない。使うべき時は使う。特に皆で食べる時はお金をかけるべき」
エレン「…………やっぱりその辺の感覚がオレとは違うんだな」
むしろ、あんまりいいお菓子だと、かえって相手に気遣わせないかな?
とも思ったんだが、まあミカサがそうしたいんだったら任せようと思った。
233: 2014/05/10(土) 23:32:22 ID:IzYmrvEQ0
ミカサ「あそこに和菓子屋さんがある。買ってきてもいいだろうか?」
エレン「ああ、お菓子の蒼海だな。いいぞ。ここは昔ながらの名店だもんな」
観光客とかはこういうお土産屋でお菓子を買うんじゃねえかな。
ちょっと敷居の高い感じだったけど、店内は明るくて上品な雰囲気だった。
ミカサは既に買う物を決めていたようだ。ひよこのお菓子を選んでいる。
エレン「え、そっちにするのか?! なんか食うの可哀想じゃないか?」
ミカサ「そういうデザインなので……」
エレン「オレはこっちの変な顔のせんべいがいいな」
こういう笑える感じの方が皆で食べる時にウケるかなと思ったんだが、
ミカサ「せんべいは食べかすが出るので、外で食べるのには向かない」
エレン「あ、そっか……じゃあこっちのちっこいバームクーヘンみたいなのは?」
ミカサ「こっちの方がいいの? 美味しいの?」
エレン「いや、知らないけど」
ミカサ「食べたことないのに買うの? 味が分からないのに」
エレン「別にいいだろ。まずかったらまずかったで話のネタになる」
おっと。口が滑っちまった。店員に睨まれてしまった。
店員「どちらも味は保証しますよ。30年近く続く銘菓ですし」
ふーん。そうなんだ。でも店員はまずいとは言わないよな。普通は。
売りつけたいのが店側の心理だが、さあどうするか。
値段的にはそう高くないから買ってもいいけど、オレが言う前にミカサが呆れたように両方選んじまったんだ。
ミカサ「分かりました。両方で」
エレン「え? 両方買うのか?」
ミカサ「私はこのひよこの饅頭が昔から好きなので」
どっちかでいいような気もしたが、ミカサがそういうなら仕方ねえか。
エレン「ふーん。そうなのか。じゃあ両方買えばいいか」
ミカサ「すみません。それぞれ5個ずつ包んで下さい」
お土産も買ったし、用事が済んだし、あとは図書館で合流するだけだ。
オレ達が図書館に移動すると既にあいつら全員揃ってた。
アルミンの私服は男っぽいものが多い。ただでさえ女の子に間違われやすいから、ユニな服を着ると本気で間違われるからだ。
マルコは優しい色の服でまとめていた。上品な感じだった。
………しかし一人だけ場違いなファッションの奴がいた。
ジャンだ。こいつだけ何故か紺色のスーツでしかもネクタイ付きだった。
どこの面接に行くんだよ。とツッコミ入れたかったが、アレかな。スーツがこいつなりの一番のオシャレ服だったんかな。
聞きたかったけど、やめておいた。気合入れすぎて空回りしている感じがしたからだ。
ちなみにミカサはシンプルな水色の緩めのワンピースだ。
ミカサは薄い色合いの服が好きみたいで、ピンクか水色か、ベージュ、白が多い。
割とスカートが多いな。ワンピースか、ロングスカートだ。
オレはパーカーにジーンズだ。普通の格好が一番だろ。
エレン「ああ、お菓子の蒼海だな。いいぞ。ここは昔ながらの名店だもんな」
観光客とかはこういうお土産屋でお菓子を買うんじゃねえかな。
ちょっと敷居の高い感じだったけど、店内は明るくて上品な雰囲気だった。
ミカサは既に買う物を決めていたようだ。ひよこのお菓子を選んでいる。
エレン「え、そっちにするのか?! なんか食うの可哀想じゃないか?」
ミカサ「そういうデザインなので……」
エレン「オレはこっちの変な顔のせんべいがいいな」
こういう笑える感じの方が皆で食べる時にウケるかなと思ったんだが、
ミカサ「せんべいは食べかすが出るので、外で食べるのには向かない」
エレン「あ、そっか……じゃあこっちのちっこいバームクーヘンみたいなのは?」
ミカサ「こっちの方がいいの? 美味しいの?」
エレン「いや、知らないけど」
ミカサ「食べたことないのに買うの? 味が分からないのに」
エレン「別にいいだろ。まずかったらまずかったで話のネタになる」
おっと。口が滑っちまった。店員に睨まれてしまった。
店員「どちらも味は保証しますよ。30年近く続く銘菓ですし」
ふーん。そうなんだ。でも店員はまずいとは言わないよな。普通は。
売りつけたいのが店側の心理だが、さあどうするか。
値段的にはそう高くないから買ってもいいけど、オレが言う前にミカサが呆れたように両方選んじまったんだ。
ミカサ「分かりました。両方で」
エレン「え? 両方買うのか?」
ミカサ「私はこのひよこの饅頭が昔から好きなので」
どっちかでいいような気もしたが、ミカサがそういうなら仕方ねえか。
エレン「ふーん。そうなのか。じゃあ両方買えばいいか」
ミカサ「すみません。それぞれ5個ずつ包んで下さい」
お土産も買ったし、用事が済んだし、あとは図書館で合流するだけだ。
オレ達が図書館に移動すると既にあいつら全員揃ってた。
アルミンの私服は男っぽいものが多い。ただでさえ女の子に間違われやすいから、ユニな服を着ると本気で間違われるからだ。
マルコは優しい色の服でまとめていた。上品な感じだった。
………しかし一人だけ場違いなファッションの奴がいた。
ジャンだ。こいつだけ何故か紺色のスーツでしかもネクタイ付きだった。
どこの面接に行くんだよ。とツッコミ入れたかったが、アレかな。スーツがこいつなりの一番のオシャレ服だったんかな。
聞きたかったけど、やめておいた。気合入れすぎて空回りしている感じがしたからだ。
ちなみにミカサはシンプルな水色の緩めのワンピースだ。
ミカサは薄い色合いの服が好きみたいで、ピンクか水色か、ベージュ、白が多い。
割とスカートが多いな。ワンピースか、ロングスカートだ。
オレはパーカーにジーンズだ。普通の格好が一番だろ。
234: 2014/05/10(土) 23:33:57 ID:IzYmrvEQ0
ジャンが照れたようにこっちに手を振っている。
ジャン「よ、よう! 早かったな」
ミカサ「そちらの方が早かった。ごめんなさい。遅れて」
ジャン「いや、待ち合わせ時間には遅れてねえよ。その、こっちはたまたま早く着いだだけだ」
マルコ「じゃあ中に入ろうか。今日はビシバシ鍛えるからね」
全員が座れるテーブルを確保してそれぞれ席に座った。
オレとジャンが隣同士で座り、その向こう側にマルコとアルミンとミカサが座った。
オレは前もってやりたかった実力テストの復習をする事にした。
研修旅行でやったアレだ。答案はかえってきてたけど、ちゃんと復習はしてなかったからだ。
エレン「この間の実力テストの復習からいっていいか?」
ミカサ「ああ、そう言えばテストの返却はされていた。忘れていた」
エレン「忘れてたって事は点数良かったんだな」
ミカサ「いえ、いつもよりはさすがに点数は下がっていた。今回は首席は取れないと思う」
アルミン「仕方ないよ。あの時、ミカサは体調を崩し気味だったから」
そういえば何であの時、ミカサの様子が変だったのか、分からずじまいだ。
一時的に胃の調子が悪かっただけなのかな。
ミカサ「アルミンのおかげで持ち直した。感謝している」
アルミン「うん。まあそういう時もあるよね。じゃあまずはテストの復習からいこうか」
と言う訳で国数英の復習が始まった。
オレは典型的な文系で、ジャンはやや理系だった。
アルミン「あーあ。エレンは数学苦手だねえ。相変わらず」
エレン「小難しい数式を覚えるのが面倒なんだよ。将来役にたつのかこれ」
ジャン「んな事言いだしたら勉強は全部、役にたつか分かんねえだろうが」
エレン「いや、にしても数学を実生活で利用する場面なんてあんまりねえだろ。算数は別にして」
ジャン「数学は頭の体操だと思えよ。パズルみてえなもんだろ」
アルミン「ジャンの言うことは一理あるかな。感覚的には僕もそれに近い」
エレン「暗記科目の方がまだいい。国語と英語は漢字と英単語覚えれば割と点数取れるからな」
暗記科目は努力さえすればある程度の点数を取れるからな。
数学は一種の才能がないと無理なんじゃねえかって思うんだ。
エレン「暗記科目の方がまだいい。国語と英語は漢字と英単語覚えれば割と点数取れるからな」
ミカサ「でもエレンは古典が苦手みたいね。現国の部分との差が激しい」
エレン「うぐっ……古典もその、実生活の何処に役に立つのか分からんから」
覚えたってなんも役に立たないだろ。
マルコ「そんな事言いだしたら、勉強の全てが無駄に思えちゃうよ」
エレン「いや、オレは全部が無駄とは思わねえよ。現国と英語は生活するのにも使うし、社会だって歴史も地理も公民も、それぞれ使う部分はあるし。ただ数学と古典に関してだけ言えば、何で勉強するのかいまいち分かってないだけだ」
ジャン「理由なんて何でもいいだろ。とりあえず、流されて覚えればいいんだよ。深いこと考えるとそれこそ頭のエネルギーの無駄使いだ」
エレン「オレは嫌だね。流されて生きていくのはごめんだ。ちゃんと理由があれば真面目にやるさ」
ミカサ「二人共、今はそういう話は後にして」
うっ。ミカサに怒られちまった。
ジャン「よ、よう! 早かったな」
ミカサ「そちらの方が早かった。ごめんなさい。遅れて」
ジャン「いや、待ち合わせ時間には遅れてねえよ。その、こっちはたまたま早く着いだだけだ」
マルコ「じゃあ中に入ろうか。今日はビシバシ鍛えるからね」
全員が座れるテーブルを確保してそれぞれ席に座った。
オレとジャンが隣同士で座り、その向こう側にマルコとアルミンとミカサが座った。
オレは前もってやりたかった実力テストの復習をする事にした。
研修旅行でやったアレだ。答案はかえってきてたけど、ちゃんと復習はしてなかったからだ。
エレン「この間の実力テストの復習からいっていいか?」
ミカサ「ああ、そう言えばテストの返却はされていた。忘れていた」
エレン「忘れてたって事は点数良かったんだな」
ミカサ「いえ、いつもよりはさすがに点数は下がっていた。今回は首席は取れないと思う」
アルミン「仕方ないよ。あの時、ミカサは体調を崩し気味だったから」
そういえば何であの時、ミカサの様子が変だったのか、分からずじまいだ。
一時的に胃の調子が悪かっただけなのかな。
ミカサ「アルミンのおかげで持ち直した。感謝している」
アルミン「うん。まあそういう時もあるよね。じゃあまずはテストの復習からいこうか」
と言う訳で国数英の復習が始まった。
オレは典型的な文系で、ジャンはやや理系だった。
アルミン「あーあ。エレンは数学苦手だねえ。相変わらず」
エレン「小難しい数式を覚えるのが面倒なんだよ。将来役にたつのかこれ」
ジャン「んな事言いだしたら勉強は全部、役にたつか分かんねえだろうが」
エレン「いや、にしても数学を実生活で利用する場面なんてあんまりねえだろ。算数は別にして」
ジャン「数学は頭の体操だと思えよ。パズルみてえなもんだろ」
アルミン「ジャンの言うことは一理あるかな。感覚的には僕もそれに近い」
エレン「暗記科目の方がまだいい。国語と英語は漢字と英単語覚えれば割と点数取れるからな」
暗記科目は努力さえすればある程度の点数を取れるからな。
数学は一種の才能がないと無理なんじゃねえかって思うんだ。
エレン「暗記科目の方がまだいい。国語と英語は漢字と英単語覚えれば割と点数取れるからな」
ミカサ「でもエレンは古典が苦手みたいね。現国の部分との差が激しい」
エレン「うぐっ……古典もその、実生活の何処に役に立つのか分からんから」
覚えたってなんも役に立たないだろ。
マルコ「そんな事言いだしたら、勉強の全てが無駄に思えちゃうよ」
エレン「いや、オレは全部が無駄とは思わねえよ。現国と英語は生活するのにも使うし、社会だって歴史も地理も公民も、それぞれ使う部分はあるし。ただ数学と古典に関してだけ言えば、何で勉強するのかいまいち分かってないだけだ」
ジャン「理由なんて何でもいいだろ。とりあえず、流されて覚えればいいんだよ。深いこと考えるとそれこそ頭のエネルギーの無駄使いだ」
エレン「オレは嫌だね。流されて生きていくのはごめんだ。ちゃんと理由があれば真面目にやるさ」
ミカサ「二人共、今はそういう話は後にして」
うっ。ミカサに怒られちまった。
235: 2014/05/10(土) 23:34:41 ID:IzYmrvEQ0
アルミン「うーん。エレンの言うことも一理あるけど、ジャンの言うことも間違ってないよね」
マルコ「分かる。両方の感覚、あるよね」
しかし今度はアルミンが話を広げちまった。
アルミン「でもさ、将来、何が役にたって何が役に立たないかって、現時点じゃ誰にも分からないんじゃない?」
エレン「そうか?」
アルミン「うん。それぞれの進路によると思うよ。例えば教師になりたい人なんかは、こういう知識を今度は次世代に教えるっていう意味で役に立つし、科学者だったら、国語は使わないけど科学分野の知識は豊富に必要になるし、歴史学者になったら、古典の知識が大いに必要になるし」
エレン「ああ、そうか。なるほどな」
自分の視点だけで考えちゃダメだったな。
確かに古典とかも将来必要な奴には必要かもしれない。
全員が同じ進路って訳じゃねえんだから、同じように考える方が間違ってたな。
エレン「そうか。オレ、自分のことしか考えてなかったな」
アルミン「まあ、普通はそうだけども。所謂僕らは、作物の「種」みたいなもんで、どこの大地で埋まって育って広がって行くかはこれからだからね」
マルコ「詩人だねえ、アルミン」
アルミン「いや、あくまで例えだからね?」
オレはどんな種類の花を咲かせられるのかな。
ミカサ「その理論で言うと、学校の勉強は作物でいう土の「栄養」の部分ね。どの栄養成分を吸収するかは、種の種類によるから、必要のないものは無理に取り込まなくてもいいけれど、栄養は多いに越したことはない」
アルミン「そうそう。だからエレンも、将来を見据えた上で頑張らないとね」
エレン「ううーん。将来か。まだ漠然としているのが一番の問題な気がするが……」
未来が見えない。こういう曖昧な状態が一番、苦手かもしんねえ。
エレン「皆は高校卒業したらどうするか決めてるのか?」
だからつい、皆の事が気になってしまった。
アルミン「え? 入学したばかりでもう卒業後の話?」
エレン「3年間なんてあっという間だろ。どうするか決めてるのか?」
アルミン「とりあえず、僕は今の成績を維持して卒業する事しか考えてないな」
マルコ「僕もまだ、今はそれだけだね」
エレン「ミカサは? 何か将来やりたいことあるのか?」
ミカサ「特にない」
ジャン「オレは一応、あるけど」
意外だと思った。ジャンは将来、決めてるのか。
マルコ「分かる。両方の感覚、あるよね」
しかし今度はアルミンが話を広げちまった。
アルミン「でもさ、将来、何が役にたって何が役に立たないかって、現時点じゃ誰にも分からないんじゃない?」
エレン「そうか?」
アルミン「うん。それぞれの進路によると思うよ。例えば教師になりたい人なんかは、こういう知識を今度は次世代に教えるっていう意味で役に立つし、科学者だったら、国語は使わないけど科学分野の知識は豊富に必要になるし、歴史学者になったら、古典の知識が大いに必要になるし」
エレン「ああ、そうか。なるほどな」
自分の視点だけで考えちゃダメだったな。
確かに古典とかも将来必要な奴には必要かもしれない。
全員が同じ進路って訳じゃねえんだから、同じように考える方が間違ってたな。
エレン「そうか。オレ、自分のことしか考えてなかったな」
アルミン「まあ、普通はそうだけども。所謂僕らは、作物の「種」みたいなもんで、どこの大地で埋まって育って広がって行くかはこれからだからね」
マルコ「詩人だねえ、アルミン」
アルミン「いや、あくまで例えだからね?」
オレはどんな種類の花を咲かせられるのかな。
ミカサ「その理論で言うと、学校の勉強は作物でいう土の「栄養」の部分ね。どの栄養成分を吸収するかは、種の種類によるから、必要のないものは無理に取り込まなくてもいいけれど、栄養は多いに越したことはない」
アルミン「そうそう。だからエレンも、将来を見据えた上で頑張らないとね」
エレン「ううーん。将来か。まだ漠然としているのが一番の問題な気がするが……」
未来が見えない。こういう曖昧な状態が一番、苦手かもしんねえ。
エレン「皆は高校卒業したらどうするか決めてるのか?」
だからつい、皆の事が気になってしまった。
アルミン「え? 入学したばかりでもう卒業後の話?」
エレン「3年間なんてあっという間だろ。どうするか決めてるのか?」
アルミン「とりあえず、僕は今の成績を維持して卒業する事しか考えてないな」
マルコ「僕もまだ、今はそれだけだね」
エレン「ミカサは? 何か将来やりたいことあるのか?」
ミカサ「特にない」
ジャン「オレは一応、あるけど」
意外だと思った。ジャンは将来、決めてるのか。
236: 2014/05/10(土) 23:35:20 ID:IzYmrvEQ0
エレン「………どうするつもりなんだよ」
ジャン「公務員。片っ端から受ける。警察、消防、自衛隊、地方公務員、国家公務員。何でもいいけど、民間には属するつもりはねえな」
アルミン「安定志向だねー。大学行かないの?」
ジャン「成績次第だな。ただ、高卒で取ってくれるところがあれば受ける。コネがある訳じゃねえけど、夢なんだ」
ミカサ「公務員が夢なの?」
ジャン「いや、公務員が夢っていうより、安定した収入と、その……嫁さんを早くもらって家庭を作りたいのが夢」
マルコ「おおお、大人な発言だね。結婚願望あるんだ」
ジャン「当たり前だろ。だから彼女を高校時代に作っておきたいんだよ。卒業したらすぐにでも結婚出来るように」
ああ、そういう事か。
だから焦ってるのか。ミカサを嫁にしたいんだな。
そういう事なら、ジャンの努力の結果次第では認めてやらなくもねえな。
マルコ「ああ、焦っているように見えたのはそのせいだったのか」
ジャン「まあな。思い通りにはいかねえかもしれんが、一応、それが今のオレの願望だ」
ミカサ「具体的に夢があるのはいい事だと思う」
ミカサも旦那にするならちゃんと収入のある男がいいだろう。
オレは未来を見据えているジャンが少しだけ羨ましかった。
エレン「そうか。この中で具体的なのがあるのはジャンだけか」
アルミン「羨ましい限りだね」
マルコ「全くだよ。だったら尚更、早く彼女を見つけないとね」
ジャン「お、おう……」
ジャンがミカサをチラッと見ている。
でも、その直後、
ミカサ「頑張って。ジャン。あなたならきっと出来る」
ジャン「そ、そう思うか?」
ミカサ「うん。きっといい人が見つかる」
ジャン「…………」
あーあ。やっぱりミカサ、気づいてねえな。可哀想に。
ジャン、悪い事は言わん。告白しない限りは永遠にこのままだぞ。
ミカサに察して貰おうなんて思うな。諦めろ。
エレン「オレの場合は勉強よりも目標を先に見つけた方がかえってはかどる気がするな」
オレ、こう見えても計画を立てて頑張るのは得意なんだ。
ただし目標が見えないと逆にやる気が出ないというデメリットもある。
ジャン「公務員。片っ端から受ける。警察、消防、自衛隊、地方公務員、国家公務員。何でもいいけど、民間には属するつもりはねえな」
アルミン「安定志向だねー。大学行かないの?」
ジャン「成績次第だな。ただ、高卒で取ってくれるところがあれば受ける。コネがある訳じゃねえけど、夢なんだ」
ミカサ「公務員が夢なの?」
ジャン「いや、公務員が夢っていうより、安定した収入と、その……嫁さんを早くもらって家庭を作りたいのが夢」
マルコ「おおお、大人な発言だね。結婚願望あるんだ」
ジャン「当たり前だろ。だから彼女を高校時代に作っておきたいんだよ。卒業したらすぐにでも結婚出来るように」
ああ、そういう事か。
だから焦ってるのか。ミカサを嫁にしたいんだな。
そういう事なら、ジャンの努力の結果次第では認めてやらなくもねえな。
マルコ「ああ、焦っているように見えたのはそのせいだったのか」
ジャン「まあな。思い通りにはいかねえかもしれんが、一応、それが今のオレの願望だ」
ミカサ「具体的に夢があるのはいい事だと思う」
ミカサも旦那にするならちゃんと収入のある男がいいだろう。
オレは未来を見据えているジャンが少しだけ羨ましかった。
エレン「そうか。この中で具体的なのがあるのはジャンだけか」
アルミン「羨ましい限りだね」
マルコ「全くだよ。だったら尚更、早く彼女を見つけないとね」
ジャン「お、おう……」
ジャンがミカサをチラッと見ている。
でも、その直後、
ミカサ「頑張って。ジャン。あなたならきっと出来る」
ジャン「そ、そう思うか?」
ミカサ「うん。きっといい人が見つかる」
ジャン「…………」
あーあ。やっぱりミカサ、気づいてねえな。可哀想に。
ジャン、悪い事は言わん。告白しない限りは永遠にこのままだぞ。
ミカサに察して貰おうなんて思うな。諦めろ。
エレン「オレの場合は勉強よりも目標を先に見つけた方がかえってはかどる気がするな」
オレ、こう見えても計画を立てて頑張るのは得意なんだ。
ただし目標が見えないと逆にやる気が出ないというデメリットもある。
237: 2014/05/10(土) 23:37:02 ID:IzYmrvEQ0
アルミン「ダメだよエレン。そんな風に言って現実逃避しちゃ」
エレン「うっ………バレたか」
アルミン「付き合い何年だと思ってるの。エレン、数学分かんないなら僕がマンツーマンするよ?」
エレン「頼む。数学はアルミンの説明の方が先生のより分かり易い」
アルミンはやや理系、ミカサはやや文系のオールラウンダータイプだ。
と言ってもその差はそんなにない。正五角形に近い学力を持っている。
きっと二人なら、望めば何処へでもいけるんだろうな、と思う。
ジャン「解説を頼む」
ジャンもミカサに真面目に勉強を教えて貰っていた。
特に変な真似をする気配もない。
心配のし過ぎだったかな。あいつ、意外と真面目なとこあるな。
具体的に未来を考えて本気でミカサの事を幸せにするつもりなら、オレもちょっと考えを改めた方がいいのかもな。
そんな風に思いながら勉強を進めていたらあっという間に時間が過ぎた。
ミカサ「そろそろ一回、休憩を入れましょう。おやつは買ってきている」
ジャン「え? わざわざ買って持ってきてたのか?」
ミカサ「一人2個ずつ。食べよう」
ジャン「あ、ありがとう……」
…………ジャン。お前、デレ過ぎだろ。気持ち悪いぞ。
いや、そういう小さな気遣いですら、幸せなんだろうな。
ジャンの場合はミカサが用意していたという事実が嬉しいんだ。
きっとミカサが持ってきた食べ物なら賞味期限切れてても、ジャンは食べるだろうな。
マルコ「ラウンジの方に一度、移動しようか。お茶も飲みたいし」
アルミン「そうだね。一度、移動しようか」
と、言う訳でオレ達は席を離れて少し離れたラウンジまで移動した。
ジャン「……………」
マルコ「ジャン? 食べないの?」
勿体なさ過ぎて食べられないって顔してるな。
でも、食べろよ。保存効かないんだから。
ジャン「は! 悪い。食べる。食べるよ」
ジャン「!」
ミカサ「そんなに急いで食べなくても」
喉詰まらせてる。ミカサが慌てて背中を擦ってやってる。
全く。ジャンの奴は、本当にミカサにベタ惚れだな。
エレン「うっ………バレたか」
アルミン「付き合い何年だと思ってるの。エレン、数学分かんないなら僕がマンツーマンするよ?」
エレン「頼む。数学はアルミンの説明の方が先生のより分かり易い」
アルミンはやや理系、ミカサはやや文系のオールラウンダータイプだ。
と言ってもその差はそんなにない。正五角形に近い学力を持っている。
きっと二人なら、望めば何処へでもいけるんだろうな、と思う。
ジャン「解説を頼む」
ジャンもミカサに真面目に勉強を教えて貰っていた。
特に変な真似をする気配もない。
心配のし過ぎだったかな。あいつ、意外と真面目なとこあるな。
具体的に未来を考えて本気でミカサの事を幸せにするつもりなら、オレもちょっと考えを改めた方がいいのかもな。
そんな風に思いながら勉強を進めていたらあっという間に時間が過ぎた。
ミカサ「そろそろ一回、休憩を入れましょう。おやつは買ってきている」
ジャン「え? わざわざ買って持ってきてたのか?」
ミカサ「一人2個ずつ。食べよう」
ジャン「あ、ありがとう……」
…………ジャン。お前、デレ過ぎだろ。気持ち悪いぞ。
いや、そういう小さな気遣いですら、幸せなんだろうな。
ジャンの場合はミカサが用意していたという事実が嬉しいんだ。
きっとミカサが持ってきた食べ物なら賞味期限切れてても、ジャンは食べるだろうな。
マルコ「ラウンジの方に一度、移動しようか。お茶も飲みたいし」
アルミン「そうだね。一度、移動しようか」
と、言う訳でオレ達は席を離れて少し離れたラウンジまで移動した。
ジャン「……………」
マルコ「ジャン? 食べないの?」
勿体なさ過ぎて食べられないって顔してるな。
でも、食べろよ。保存効かないんだから。
ジャン「は! 悪い。食べる。食べるよ」
ジャン「!」
ミカサ「そんなに急いで食べなくても」
喉詰まらせてる。ミカサが慌てて背中を擦ってやってる。
全く。ジャンの奴は、本当にミカサにベタ惚れだな。
238: 2014/05/10(土) 23:38:47 ID:IzYmrvEQ0
ジャン「(ごくん)悪い。慌てた」
ミカサ「ゆっくり食べればいい。そんなに慌てる必要はない」
アルミン「(もぐもぐ)うん、和菓子は特に味わって食べないとね」
アルミンはチビチビ味わって食べている。
そうだ。ミカサが折角選んだお菓子なんだから味わって食おう。
無言でじっくり食べてたら、
ミカサ「美味しくないの?」
エレン「んにゃ、うまいけど」
ミカサ「にしては浮かない顔ね」
と、ミカサに心配されてしまった。
ジャンとミカサのやりとりがちょっとだけ苛ついたせいもあるが、それだけじゃない。
ミカサと話していた例の件についても思い出してたんだ。
エレン「いや、さっきミカサと話してた事をふと思い出しててさ」
ミカサ「ああ、お金の使い方の話?」
エレン「そうそう。マルコとジャンはどうなんかな、と」
マルコ「何の話?」
マルコが食いついたので、ミカサがお小遣いについての話を聞かせた。
するとマルコもジャンも凄く驚いた顔になってツッコミを入れてきた。
ジャン「そりゃミカサのが普通だって」
マルコ「そうだね。うちも月にいくら…だよ。その都度貰うなんて、初めて聞いたかも」
エレン「やっぱりそうなのか。オレん家とアルミンところは珍しい例なのか」
アルミン「だろうね。うちの場合はおじいちゃんしかいないからっていうのもあるけど」
ジャン「ああ。いちいち親に全部、買うもの報告してたら、その……バレたくない物も買えないだろ」
工口本とか避妊具の事だが、それはまあ、置いといて。
マルコ「ああ、まあ……いろいろあるよね。中学生くらいになったら欲しくなるよね。そういうのは、どうしてたの?」
エレン「んー……」
恥ずかしい話だが、実はまだ、そういうのを買った事がない。
エレン「そういうのは、買ったことねえよ」
ジャン「は? 買ったことない? 嘘つけ」
エレン「本当だって。つか、そういうのって別に買わなくてもネットとかでも探せるだろ」
ジャン「ああ、じゃあ画面越しに見るだけで満足してたんか」
すんません。オレも一応男なので、パソコンあるとついつい、たまにはエOチなサイトを検索したりする。
勿論、変なサイトに登録とかはしねえよ。無料で見れる範囲内でもエOチなのは探そうと思えば十分探せるんだ。
……探し方は聞くな。自分でググってくれ。
ミカサ「ゆっくり食べればいい。そんなに慌てる必要はない」
アルミン「(もぐもぐ)うん、和菓子は特に味わって食べないとね」
アルミンはチビチビ味わって食べている。
そうだ。ミカサが折角選んだお菓子なんだから味わって食おう。
無言でじっくり食べてたら、
ミカサ「美味しくないの?」
エレン「んにゃ、うまいけど」
ミカサ「にしては浮かない顔ね」
と、ミカサに心配されてしまった。
ジャンとミカサのやりとりがちょっとだけ苛ついたせいもあるが、それだけじゃない。
ミカサと話していた例の件についても思い出してたんだ。
エレン「いや、さっきミカサと話してた事をふと思い出しててさ」
ミカサ「ああ、お金の使い方の話?」
エレン「そうそう。マルコとジャンはどうなんかな、と」
マルコ「何の話?」
マルコが食いついたので、ミカサがお小遣いについての話を聞かせた。
するとマルコもジャンも凄く驚いた顔になってツッコミを入れてきた。
ジャン「そりゃミカサのが普通だって」
マルコ「そうだね。うちも月にいくら…だよ。その都度貰うなんて、初めて聞いたかも」
エレン「やっぱりそうなのか。オレん家とアルミンところは珍しい例なのか」
アルミン「だろうね。うちの場合はおじいちゃんしかいないからっていうのもあるけど」
ジャン「ああ。いちいち親に全部、買うもの報告してたら、その……バレたくない物も買えないだろ」
工口本とか避妊具の事だが、それはまあ、置いといて。
マルコ「ああ、まあ……いろいろあるよね。中学生くらいになったら欲しくなるよね。そういうのは、どうしてたの?」
エレン「んー……」
恥ずかしい話だが、実はまだ、そういうのを買った事がない。
エレン「そういうのは、買ったことねえよ」
ジャン「は? 買ったことない? 嘘つけ」
エレン「本当だって。つか、そういうのって別に買わなくてもネットとかでも探せるだろ」
ジャン「ああ、じゃあ画面越しに見るだけで満足してたんか」
すんません。オレも一応男なので、パソコンあるとついつい、たまにはエOチなサイトを検索したりする。
勿論、変なサイトに登録とかはしねえよ。無料で見れる範囲内でもエOチなのは探そうと思えば十分探せるんだ。
……探し方は聞くな。自分でググってくれ。
239: 2014/05/10(土) 23:40:33 ID:IzYmrvEQ0
エレン「まあ、なあ……あとはアルミンから貰ったり、とかな」
アルミン「僕のところはおじいちゃん、騙すのは簡単だからね」
マルコ「酷いなあ。アルミン」
笑いながらいうマルコ。この酷いは、いい意味で酷い、だ。
ジャン「いや、でも今後もし彼女が出来た時はどうするんだよ。まさか避妊具が欲しいから金くれって言って金貰うつもりなのか?」
エレン「………それは無理だな」
それが問題なんだよなー。
ジャン「だろ? 悪いことは言わん。ミカサの家のやり方に変えて貰った方がいいぞ」
エレン「だよな……オレもその方がいい気がしてきた」
ミカサ「でも……エレンのおうちはおじさんが大黒柱。そのうち私もそのやり方になぞった方がいいかもしれない」
おっと。ミカサ、余計な事を言っちまったな。
マルコ「え? 何でミカサがエレンの家のやり方に染まるの?」
ジャン「今、おじさんって言った?」
ほらな。案の定、不審がられた。やれやれ。もう2回目だからいいけど。
エレン「あ、まだ言ってなかったな。実はオレの親父と、ミカサの母親、再婚したんだ。だから今年の春からオレ達四人、一緒に住んでる」
ジャン「は……?」
それを伝えた瞬間のジャンの顔、今思い出しても、笑えるな。
すっげえ顔だった。ポカーンって感じで、頭の中、真っ白になったんだろな。
でもオレは事実を伝えた。もう隠すのが面倒になってきたってのもあるけど。
ジャンとマルコには伝えてもいいかなって、思ったんだ。
エレン「義理の兄妹、いや姉弟か。になっちまったんだ」
ジャン「は、初耳だぞそれ!」
エレン「言ってなかったからな。あ、言っとくがあんまり言いふらすなよ。クラスの他の奴に。面倒臭いから」
マルコ「ああ、人の家の事情だし、それはしないけど……へえ、だから、か」
マルコが納得した様だ。オレとミカサの仲を疑ってたのかな。
事情を知らなければ確かに、オレとミカサの距離は近すぎるように見えたかもしれん。
マルコ「二人がやけに仲良さそうだったのは、一緒に住んでるからだったんだね」
ミカサ「うん……ごめんなさい。黙っていて」
マルコ「いや、いいよ。言いづらいことだろうし。こっちこそごめんね。言わせちゃって」
エレン「いいさ。いずれはバレるだろうと思ってたし」
親しくしていけばいずれは話すべき事だったしな。
エレン「そういう訳で、親父を説得しないことにはオレん家は今のままの制度なんだよな」
アルミン「難しい問題だね」
エレン「ああ……金の事だしな。今はいいけど、いずれは自由に使える金がないと困る場面もあるかもしれんし」
ジャン「………」
ジャン。衝撃の事実をまだ消化しきれてないみてえだな。
まあ、いいや。時間が解決するだろ。
アルミン「僕のところはおじいちゃん、騙すのは簡単だからね」
マルコ「酷いなあ。アルミン」
笑いながらいうマルコ。この酷いは、いい意味で酷い、だ。
ジャン「いや、でも今後もし彼女が出来た時はどうするんだよ。まさか避妊具が欲しいから金くれって言って金貰うつもりなのか?」
エレン「………それは無理だな」
それが問題なんだよなー。
ジャン「だろ? 悪いことは言わん。ミカサの家のやり方に変えて貰った方がいいぞ」
エレン「だよな……オレもその方がいい気がしてきた」
ミカサ「でも……エレンのおうちはおじさんが大黒柱。そのうち私もそのやり方になぞった方がいいかもしれない」
おっと。ミカサ、余計な事を言っちまったな。
マルコ「え? 何でミカサがエレンの家のやり方に染まるの?」
ジャン「今、おじさんって言った?」
ほらな。案の定、不審がられた。やれやれ。もう2回目だからいいけど。
エレン「あ、まだ言ってなかったな。実はオレの親父と、ミカサの母親、再婚したんだ。だから今年の春からオレ達四人、一緒に住んでる」
ジャン「は……?」
それを伝えた瞬間のジャンの顔、今思い出しても、笑えるな。
すっげえ顔だった。ポカーンって感じで、頭の中、真っ白になったんだろな。
でもオレは事実を伝えた。もう隠すのが面倒になってきたってのもあるけど。
ジャンとマルコには伝えてもいいかなって、思ったんだ。
エレン「義理の兄妹、いや姉弟か。になっちまったんだ」
ジャン「は、初耳だぞそれ!」
エレン「言ってなかったからな。あ、言っとくがあんまり言いふらすなよ。クラスの他の奴に。面倒臭いから」
マルコ「ああ、人の家の事情だし、それはしないけど……へえ、だから、か」
マルコが納得した様だ。オレとミカサの仲を疑ってたのかな。
事情を知らなければ確かに、オレとミカサの距離は近すぎるように見えたかもしれん。
マルコ「二人がやけに仲良さそうだったのは、一緒に住んでるからだったんだね」
ミカサ「うん……ごめんなさい。黙っていて」
マルコ「いや、いいよ。言いづらいことだろうし。こっちこそごめんね。言わせちゃって」
エレン「いいさ。いずれはバレるだろうと思ってたし」
親しくしていけばいずれは話すべき事だったしな。
エレン「そういう訳で、親父を説得しないことにはオレん家は今のままの制度なんだよな」
アルミン「難しい問題だね」
エレン「ああ……金の事だしな。今はいいけど、いずれは自由に使える金がないと困る場面もあるかもしれんし」
ジャン「………」
ジャン。衝撃の事実をまだ消化しきれてないみてえだな。
まあ、いいや。時間が解決するだろ。
240: 2014/05/10(土) 23:41:27 ID:IzYmrvEQ0
エレン「まずは親父にどうしてそのやり方できたのか聞いてみる。それを踏まえた上で、よその家じゃうちみたいな例が少ない事も言ってみる。んで、出来たらミカサの家のやり方に変更して貰えるようにやってみるよ」
ミカサ「そうね。高校生になったのだし、自由がないと大変かもしれない」
マルコ「うん。話し合うべき時期なのかもしれないね」
アルミン「だね」
ジャンはまだ表情が定まらない。動揺しまくってるな。
ミカサ「ジャン?」
ジャン「ん? ああ……悪い悪い」
ジャンが急にニヤニヤし始めた。気持ち悪いな。
ミカサ「どうしたの?」
ジャン「何でもねえよ。何でもねえ。ああ、何でもない」
オレとの仲を疑ってたのはジャンも同じか。
でもオレとミカサがそういうんじゃないって知って嬉しかったんだろう。
ま、だからと言ってミカサがジャンを選ぶかは別問題だが?
マルコ「…………そろそろ、勉強再開しようか」
アルミン「そうだね」
二人がそう言い出したので、オレ達はラウンジを出て図書館の方に戻った。
そして閉館の夕方5時近くまで居座って、今日の勉強は無事に終了した。
駅までは一緒に帰って、そこで皆と別れた。
そして忘れないようにロッカーの荷物を回収したのちに帰宅する。
夕方は人が増えていた。帰宅ラッシュと丁度かち合ったみたいだ。
ミカサ「そうね。高校生になったのだし、自由がないと大変かもしれない」
マルコ「うん。話し合うべき時期なのかもしれないね」
アルミン「だね」
ジャンはまだ表情が定まらない。動揺しまくってるな。
ミカサ「ジャン?」
ジャン「ん? ああ……悪い悪い」
ジャンが急にニヤニヤし始めた。気持ち悪いな。
ミカサ「どうしたの?」
ジャン「何でもねえよ。何でもねえ。ああ、何でもない」
オレとの仲を疑ってたのはジャンも同じか。
でもオレとミカサがそういうんじゃないって知って嬉しかったんだろう。
ま、だからと言ってミカサがジャンを選ぶかは別問題だが?
マルコ「…………そろそろ、勉強再開しようか」
アルミン「そうだね」
二人がそう言い出したので、オレ達はラウンジを出て図書館の方に戻った。
そして閉館の夕方5時近くまで居座って、今日の勉強は無事に終了した。
駅までは一緒に帰って、そこで皆と別れた。
そして忘れないようにロッカーの荷物を回収したのちに帰宅する。
夕方は人が増えていた。帰宅ラッシュと丁度かち合ったみたいだ。
241: 2014/05/10(土) 23:42:26 ID:IzYmrvEQ0
エレン「ミカサ、こっちに寄れ」
ミカサ「うん」
ミカサと一緒に端っこに寄る。手荷物があるせいで窮屈だったけど、仕方ない。
電車はガタンガタン……ガタンガタン……と、いつものリズムだ。
しかしその時、
キキキキ………
急ブレーキが起きた。その衝撃に、電車の中が大きく揺れる。
何だ? 事故か?
アナウンスを待つ。どうやら、次の駅の方でトラブルが起きたみてえだ。
ざわざわざわざわ……
皆、落ち着かない。電車の中は不安な空気が流れていた。
ミカサ「大丈夫かしら?」
エレン「…………」
ミカサ「エレン?」
ミカサはまだ気づいてない。うーん、どうするかな、これ。
何も言わなければ、このまま堪能出来そうだが、いや、いかんいかん。
そういう場合じゃない。しゃんとしろ、オレ。
エレン「いや、別に。いいけど」
ミカサ「え?」
エレン「その……太ももでオレの足、挟んでる」
ミカサ「!」
ラッキースOベ再びだ。
ジャンに見られたらまた嫉妬されそうな状態になってしまった。
でもこれは、事故だ。事故のせいでこうなったんだ。
お、オレは悪くねえ。悪いとすれば、事故のせいだ。
と、必氏に言い訳しつつ、ミカサとは視線を合わせないようにする。
ミカサ「ご、ごめんなさい(パッ)」
ミカサも我に返って離れてくれた。
ミカサ「わ、わざとではないので」
エレン「いや、分かってる。大丈夫だ」
勿論、ミカサも悪くない。悪いのは、事故だ。
電車はまだ動きださない。ざわざわしている。
エレン「………………」
あーでもやべえ。今の、ちょっと気持ち良かった。
ミカサの体温とか、太ももの柔らかさとか、匂いとか。
…………って、考えている場合じゃない。
ミカサの感触を噛みしめてどうする。
数分後、やっと電車が動き出した。とりあえずほっとした。
考えない考えない考えない。あー考えない。
何も考えないようにして、オレはミカサと一緒に家に帰ったのだった。
ミカサ「うん」
ミカサと一緒に端っこに寄る。手荷物があるせいで窮屈だったけど、仕方ない。
電車はガタンガタン……ガタンガタン……と、いつものリズムだ。
しかしその時、
キキキキ………
急ブレーキが起きた。その衝撃に、電車の中が大きく揺れる。
何だ? 事故か?
アナウンスを待つ。どうやら、次の駅の方でトラブルが起きたみてえだ。
ざわざわざわざわ……
皆、落ち着かない。電車の中は不安な空気が流れていた。
ミカサ「大丈夫かしら?」
エレン「…………」
ミカサ「エレン?」
ミカサはまだ気づいてない。うーん、どうするかな、これ。
何も言わなければ、このまま堪能出来そうだが、いや、いかんいかん。
そういう場合じゃない。しゃんとしろ、オレ。
エレン「いや、別に。いいけど」
ミカサ「え?」
エレン「その……太ももでオレの足、挟んでる」
ミカサ「!」
ラッキースOベ再びだ。
ジャンに見られたらまた嫉妬されそうな状態になってしまった。
でもこれは、事故だ。事故のせいでこうなったんだ。
お、オレは悪くねえ。悪いとすれば、事故のせいだ。
と、必氏に言い訳しつつ、ミカサとは視線を合わせないようにする。
ミカサ「ご、ごめんなさい(パッ)」
ミカサも我に返って離れてくれた。
ミカサ「わ、わざとではないので」
エレン「いや、分かってる。大丈夫だ」
勿論、ミカサも悪くない。悪いのは、事故だ。
電車はまだ動きださない。ざわざわしている。
エレン「………………」
あーでもやべえ。今の、ちょっと気持ち良かった。
ミカサの体温とか、太ももの柔らかさとか、匂いとか。
…………って、考えている場合じゃない。
ミカサの感触を噛みしめてどうする。
数分後、やっと電車が動き出した。とりあえずほっとした。
考えない考えない考えない。あー考えない。
何も考えないようにして、オレはミカサと一緒に家に帰ったのだった。
242: 2014/05/10(土) 23:46:33 ID:IzYmrvEQ0
引用: エレン「この長い髪を切る頃には」



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