83: 2013/06/30(日) 00:28:36.35 ID:FFvXeCCro
1/


恒子「という訳で始まりました!雀士マル秘ドッキリレポート!」

京太郎「どういう訳なのかはまったくわかりませんが始まりました」

恒子「実況は私、福与恒子と!」

京太郎「解説兼雑用兼いざという時の生贄……生贄?の須賀京太郎でお送りいたします」

恒子「いやー、ついに来てしまいましたね……普段は華やかな世界に隠れて窺い知れぬ、女性雀士達の赤裸々な素顔がお茶の間に引き摺り出されてしまう時間が!」

京太郎「そうですね。ところで福与アナ、俺の役職名におかしな所があるんですが」

恒子「それでは早速ドッキリについて説明いたしましょう!」

京太郎「あの生贄って……」
咲-Saki- 27巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
84: 2013/06/30(日) 00:30:54.18 ID:FFvXeCCro
2/


恒子「まず、女性雀士の方々にはドッキリ御約束のウソ番組の収録予定が告げられています」

京太郎「世界の雀荘からという番組ですね。車窓とか街道ならともかく雀荘なんてそう変わり映えするもんなんでしょうか?ところで生贄って……」

恒子「雀士の方々には楽屋で待機していただきますが、ここがドッキリポイント!楽屋には暇潰しの為にweekly麻雀todayなどの週刊誌が置かれていますが、なんとそこに工口本が紛れこんでいるのです!」

京太郎「良い大人にするドッキリじゃないですね……あ、遺書を書く時間を下さい。あと実家の両親に最後の電話を」

恒子「誰もが仰ぎ見る卓上の花達はこの工口本にどういった反応をするのか!さあ、それではご覧いただきましょう!」

京太郎「あ、母さん?俺だよ、京太郎だよ。東京って怖い所だなぁ……」

恒子「最初のターゲットはこの人!」

三尋木咏

85: 2013/06/30(日) 00:32:05.69 ID:FFvXeCCro
3/


京太郎「横浜ロードスターズに所属し、過去に首位打点王とゴールドハンド賞を受賞、日本代表では先鋒も担当と、日本女子プロ雀士の中でもトップクラスの実力者ですね。
    また日常的に和服を着こなすという、ファッションにおいても注目度の高い選手です」

恒子「さあ、それでは!ドッキリスタート!」



ガチャ

詠『……』

恒子「ターゲットが楽屋に入りました!」荷物を置いて、椅子に腰かけて……」

詠『~♪』プラプラ

恒子「足をプラプラさせてます!」

京太郎「データによると三尋木プロの身長は145cmと同世代の20代女性の平均と比べかなり低めですからね、足がつかないのは仕方ないでしょう。」

恒子「しばらくお茶を飲んだりして寛いでいたターゲットですが、いよいよ雑誌の山に手を伸ばしました!」

京太郎「緊張の一瞬ですね……俺の命運的にも」

86: 2013/06/30(日) 00:33:51.66 ID:FFvXeCCro
4/


詠『んー…………ん?んん!?』

恒子「気づいたぁー!」

京太郎「かなり戸惑ってるみたいですね。いつもの余裕溢れる姿からは程遠いです」

詠『……』パッ

恒子「扇子を広げて顔を扇ぎ始めました!むむむ……流石は三尋木プロ、一瞬でいつものペースに戻りました」

京太郎「……三尋木プロの顔を見てください。むしろ何か始まってますよ」

恒子「あれは!?」




詠『…………』バッサバッサバッサバッサバッサバッサバッサ

恒子「耳が真っ赤です!表情はいつもと変わらないのに耳だけ真っ赤!そもそも室温はそこまで高くないのにさっきから扇ぎすぎです!」

京太郎「育ちが良さそうですからね、ああいったものには耐性が無いのでしょう。しかし、自分のスタイルを崩すのは癪なのでなんとか取り繕いたいのではないかと」

87: 2013/06/30(日) 00:34:40.30 ID:FFvXeCCro
5/


詠『はぁ……』

恒子「落ち着いたみたいですね……扇ぐのを止めました。手持ち無沙汰なのか他の雑誌を読み始めました」

京太郎「それでも視線はチラチラと工口本と手元の雑誌を往復しています。ヤバいです可愛いです」

恒子「おーっと!ここでまた動きが!」




詠『っ…………』チョンチョン

恒子「なんと!扇子を使って工口本のページをちょっとずつ捲ってます!」

京太郎「捨てられた工口本のページを蹴って捲った小学生の時を思い出しますね」

88: 2013/06/30(日) 00:35:27.79 ID:FFvXeCCro
6/


詠『……わひゃっ!?』

恒子「急に過激なページが来たのか、思わず両手で目を覆った!」

京太郎「ヤバいヤバいこのままだと好きになっちゃう」

詠『うー……』

恒子「部屋の中をぐるぐる歩き始めました!見た目は子供、心は思春期!その名は三尋木咏!」

京太郎「本格的に余裕が無くなってきたようですね。もはや顔を扇ぐ事もしなくなりました」

恒子「それではそろそろネタバラシをば。須賀君、この看板を持って三尋木プロの元へ」

京太郎「ここにきて俺ェ!?嫌ですよ!他のスタッフさんとか」

恒子「須賀君、いけ」

京太郎「……はい」

89: 2013/06/30(日) 00:36:46.07 ID:FFvXeCCro
7/


咏「はっー……はっー……」


バァン!


咏「うわっ!」

京太郎「ドッキリ大成功ー!」

咏「……」

京太郎「大成功ー!」

咏「…………」

京太郎「だいせい……こう……」







咏「――京太郎よ」

90: 2013/06/30(日) 00:38:14.94 ID:FFvXeCCro
8/


京太郎「あの……ドッキリ……」

咏「見てたのか?」

京太郎「俺はそのですね……呼ばれただけというかなんというか」

咏「見てたんだな?」

京太郎「自発的に参加したわけでは……」




咏「――見たな」

京太郎「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

91: 2013/06/30(日) 00:40:21.24 ID:FFvXeCCro
9/


恒子「えー、三尋木プロより伝言です。『あんな醜態を曝すとは私もまだまだだねぃ。恥ずかしいけど面白おかしくイジっちゃってよー、知らんけど。あと須賀は氏ね』」




京太郎「彗星かなぁ?違うよなぁ、彗星ってもっとバァーって動くもんなぁ」

恒子「えー……先ほどの放送で、皆様のご家庭に、社会倫理を無視した映像が流れてしまった事を深くお詫びいたします」

京太郎「なんだか息苦しいなぁ」

恒子「気を取り直していきましょう!次のターゲットは!」

京太郎「おーい、出してくださいよ。ねぇ」

↓2



290: 2013/09/30(月) 22:36:06.47 ID:xJssXZbXo
1/14

恒子「君の名前は?」


京太郎「スガ……キョ……キョ……」


恒子「もう少し……!ほら喉まで出かかってる!」


京太郎「スガキョウタロウ!」


恒子「よし!治療完了!最後にもう一つ……」


京太郎「……」


恒子「おはよう……?」







京太郎「ゴザイマシタ」


恒子「あー……まぁ、いっか。……あれ?カメラまわってる!?失礼しました!」


京太郎「マシタ」

291: 2013/09/30(月) 22:37:25.09 ID:xJssXZbXo
2/14


恒子「ちょっとした小休止を挟んだわけですが、そろそろ皆さんお待ちかねのあの人のドッキリに移りたいと……」


京太郎「マシタ」


恒子「…………」


京太郎「マシタマシタ」


恒子「……もっかいCMお願いしまーす……」


  五分後


恒子「さぁ!ちょこっと時間を食ってしまったので巻いて行ってみましょう!」


京太郎「お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた……オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦……」


恒子「次のターゲットはこの人!」

292: 2013/09/30(月) 22:38:08.47 ID:xJssXZbXo
3/14


恒子「野依理沙プロ。年齢は――はい?事務所的にNG?――えー、インハイ準決勝での壮絶な闘牌が記憶に新しい北九州の強豪、新道時女子出身。
   
   いぶし銀の堅実な打ち方でコアな人気を集めている方ですね。また、最近は独特な語り口による解説で新たなファン層を開拓してるとか」



京太郎「暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム………そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう……雨の中の涙のように……」


恒子「いつも寡黙な彼女が何を考えてるのか気になりますよね?皆さん!」


京太郎「……俺も氏ぬ時が「それでは!よーい……スタート!」


ガチャ


理沙『……!』=З=З=З


恒子「入った瞬間から臨戦態勢!通称”激のよプンプン丸”フェイスでのスタートだ!テレビで見る野依プロの九割を占めると噂される表情ですが、一体全体何に対して怒っているというのでしょうか!」


京太郎「特に怒っているわけではありません。あの顔が野依プロにとっての普通の状態なんです」


恒子「おお!やっと正気に戻ったね、須賀くん。このままの状態が続けば放送倫理規定に引っ掛かるかと戦々恐々だったんだけど」


京太郎「いやぁ、ご迷惑をおかけしました。流石に”小鍛治プロが耳元で結婚をせがむだけCD”を三十分も聞き続ければ元に戻れますよ」


恒子「でしょー?一度だけ麻雀協会が気の迷いで作った世界に百枚しかないCDだからね。なんでも、全部回収すると結婚が早まるとかなんとか」


京太郎「なんですかそのザックリとしたドラゴンボール的な設定。あ、野依プロに動きがありましたよ」

294: 2013/09/30(月) 22:38:34.45 ID:xJssXZbXo
4/14


理沙『……♪』



恒子「荷物を置いて、席に――座らない!そのまま素通りしたと思ったら、今度は姿見の前に立ちました!」


京太郎「衣装チェックですかね?楽屋に到着してすぐにやるものなんでしょうか」








理沙『…………』グギ



恒子「!?」



京太郎「!?」



理沙『アメンボ赤いなあいうえお……』


恒子「なんということでしょう!笑顔と発声の練習を始めました!」


京太郎「……周りの評判とか結構気にしてたんですね。つーか、野依プロのあんな表情初めて見ました」

295: 2013/09/30(月) 22:39:01.59 ID:xJssXZbXo
5/14


理沙『練習ならうまくいくのになぁ……』


恒子「まさか影ながら努力していたとは思いませんでした!好感度が爆上げだー!」


京太郎「むしろ練習してあれだったんですか……笑顔というより顔が筋肉痛の人みたいだったんですけど……」



理沙『ふー……』


恒子「練習に疲れたのか席に着きました。さあ!俺達の戦いはここからだ!」


京太郎「縁起でもないこと言わないでください」







理沙『ふんふ~ん………ん?……!!!!』=З=З=З





恒子「赤ぁぁぁぁい!説明不要!顔を真っ赤にして固まった!」


京太郎「正直、予想通りでしたけど、まさかここまでの反応を取るとは」

296: 2013/09/30(月) 22:39:27.27 ID:xJssXZbXo
6/14


恒子「どうする野依プロ!ここからどう出るんだ!」


理沙『……』=З=З=З


恒子「さあ!」


理沙『……』=З=З=З=З


恒子「えーっと……」


理沙『……』=З=З=З=З=З









恒子「……須賀くん、モニター壊れてないよね?」


京太郎「……全て正常なはずです」

297: 2013/09/30(月) 22:40:01.45 ID:xJssXZbXo
7/14


理沙『……』=З=З=З=З=З=З


恒子「これぞヤラセ無しの証!野依プロ、動かざること休日のアラフォーの如し!」


京太郎「車道に飛び出た野生動物みたいな状態ですね。あまりの驚愕で体が言う事を聞かないのでしょうか」


理沙『うぅ…………』=З=З=З


恒子「おっと!何やら慌ただしくカバンを漁りはじめた!一体何をしようというのか!」


京太郎「手に持ったのは……携帯電話ですかね?」









理沙『……もしもし!みさきちゃん?』


恒子「知り合いに助けを求めたー!何ということでしょう!我々はかつて、ここまで大きな子供を見た事があったでしょうか!?」


京太郎「女性プロ雀士はスOベなことに耐性がないのか(困惑)」

298: 2013/09/30(月) 22:40:34.91 ID:xJssXZbXo
8/14


理沙『あのね……あの……』


恒子「しかし野依プロ!パニクッて電話をかけてみたはいいものの、何も喋れない!」


京太郎「元々が口下手なのに加えてこの状況ですからね。ちなみに、村吉アナも今回のドッキリの事については把握しているそうです」


理沙『……違う!用はある!…………あるけど』


理沙『…………ううん、なんでもない。ごめんね……』


恒子「結局何も言えずに電話終了!どうしたんだ野依プロ!何のための電話だー!」


京太郎「ええっと、村吉アナから連絡です”気にせずどんどんやっちゃってください”。あの人もプロ意識が高いというかドSというか……」


理沙『はぁ……』


恒子「工口本をテーブルの端っこに寄せて見ないフリを決め込んだようです。同じ”はぁ”でも三尋木プロとの差!」


京太郎「三尋木プロよりも年上のはずなんですがこの人……」

299: 2013/09/30(月) 22:41:52.29 ID:xJssXZbXo
9/14


恒子「まぁ、ノリノリで工口本読み耽られるよりもイメージ的には良いですよね」


京太郎「……なんか変なフラグ立てませんでしたか?今」


恒子「ではではー!取れ高も稼げたみたいですし――これ以上待っても面白くならなさそうだし――……須賀くん!そろそろ例の奴を一発!」


京太郎「……わかってましたよ。わかってたけどさぁ……また悲劇を繰り返したいんですか?」


恒子「ええー……野依プロなら笑って許してくれるでしょー」


京太郎「何が起こるかわからないでしょうが!ノーモア三尋木プロの精神でいきましょうよ……」


恒子「ぶっちゃけ余りにも野依プロが反応がアレだったから、須賀くんの惨劇で溜飲を下げようかと思ったのに……」


京太郎「この番組マジで生放送なんですか?未成年の人権が堂々と蹂躙されてるんですが、それは」


恒子「うだうだ言ってないで早く行ってきなって!ほら、三尋木プロもお怒りだよ!」






@mihirogiutasan
須賀バーカ(´∀`)


京太郎「無茶苦茶楽しんでるじゃないですかあの人!ああもうわかったよ!行きゃいいんだろ行きゃあ!」

300: 2013/09/30(月) 22:42:19.02 ID:xJssXZbXo
10/14


理沙「…………帰りたいな」~З~З~З




バァン!




理沙「!?」===З





京太郎「ドッキリ大成功ー!」


理沙「……」


京太郎「大成功ー……」




京太郎(二回目ともなると覚悟ができてくるなぁ)

301: 2013/09/30(月) 22:42:44.95 ID:xJssXZbXo
11/14


理沙「……ドッキリ……だったの?」


京太郎「あっはい」


理沙「……」


京太郎(鬼が出るか蛇が出るか……)


理沙「……そっか――」




理沙「――良かった!」=З=З=З


京太郎「え」


モニターの向こう側


恒子「ちっ」

302: 2013/09/30(月) 22:43:11.82 ID:xJssXZbXo
12/14

京太郎(良かった……今回はひどい目に合わなさそうだ)


理沙「嫌がらせで置かれてたと思った……」=З=З=З


京太郎「いやいや、そんなこと絶対にありませんから!あんな努力家な野依さんを誰が嫌いに……」


理沙「……待って!」=З=З=З


京太郎「はい?」


理沙「どうして努力家って?」


京太郎「……あ……」


理沙「…………どこから?」


京太郎「あのーですね……これはそのー……」


理沙「どこから!」=З=З=З


京太郎「…………最初から」


理沙「…………」









理沙「……ッ……みられだぁ……」ポロポロ


京太郎(数秒前の俺氏ね)

303: 2013/09/30(月) 22:43:37.80 ID:xJssXZbXo
13/14


理沙「うぅ……ひっく……!」


京太郎(やばいやばいやばいぐぎぎぎぎぎ)


理沙「……恥かしい…………」


京太郎「は、恥ずかしい事なんてないですよ!とっても素敵な笑顔だったじゃないですか!」


理沙「…………ほんと?」


京太郎「……はい!」


理沙「間があった……嘘なんだ…………」メソメソ


京太郎(いっそ殺せよ)



五分後


理沙「……ごめんね!」=З=З=З


京太郎「いえいえ……俺はただのメッセンジャーですから……ははは……」ゲッソリ


モニターの向こう側


恒子「ご覧ください!twitterのホットワードに須賀くんが上がってきていますよ!」


@mihirigiutasan
泣かしてやんのー!やーいやーい須賀ー(`▽´)

@murayosiANA
おい何やってんだ須賀

@TOSHI
須賀ないわー

304: 2013/09/30(月) 22:44:03.77 ID:xJssXZbXo
14/14


京太郎「戻りましたー……」


恒子「お疲れ!今回は良かったじゃん!ひどい目に合わなかったよ!」


京太郎「合いましたよ!自業自得ですけど!ていうか一回くらい福与アナが行ってきてくださいよ!」


恒子「え、やだよ」


京太郎「これだよ!」


恒子「そういや村吉アナから連絡来てたよ」


京太郎「……なんてですか?」


恒子「『泣 か せ ま し た ね』だって」


京太郎「俺が悪いんですかこれ!?」


恒子「順調に世界中の悪意と敵意が須賀くんに集まっていますねー!この調子でドッキリをやっていけば世界平和も近いのでは!?」


京太郎「確実に氏ぬじゃないですか俺がァ!」

310: 2013/09/30(月) 23:04:11.99 ID:SHldx8IXo
乙ー

引用: 京太郎「断片集」