1: 2007/06/22(金) 00:57:26.04ID:Yfk/7yN80
男「おい、屋根に登ったりしてどうした?」

女「くくっ見たまえ、見事な夕焼けだと思わないか?」

男「おお、ホントだ」

女「だろう? こういう空を見ると思わず一杯掛けたくなる」

男「お前、いつも呑んでるじゃねーか」

女「それをいうな、風情が無いだろう?」

男「はいはい」

女「ほら、コッチにきたまえ。切子細工が綺麗だぞ?」

男「はぁ……俺は呑まねぇぞ?」

女「なんだ、つれないなぁ」
葬送のフリーレン(15) (少年サンデーコミックス)
2: 2007/06/22(金) 01:00:11.48ID:Yfk/7yN80
男「昼から飲酒とは、良い身分だな」

女「ああ、ウグイスの声が心地よくてね?」

男「お前、何かに付けて飲みたいだけじゃないのか?」

女「キミは酷いことを言うなぁ。ほら一緒に飲もう」

男「俺に昼間から酒飲む趣味はないわ」

女「つれないことを言わないでくれたまえ。たまには良いじゃないか」

男「けど、お酌くらいはするよ」

女「おお、ありがたい」

男「……って、お前昼間からテキーラかよ」

女「くく、昼から強い酒を飲むと意外と楽しいぞ?」

4: 2007/06/22(金) 01:01:02.67ID:Yfk/7yN80

女「見たまえ、綺麗だろう?」

男「梅って切っていいのか?」

女「桜切るバカ、梅切らぬバカといってね。梅は手をかけないと花付きが悪くなるのだよ」

男「だからって、勝手に持って来ちゃダメだろう?」

女「流石の私もそれは無いよ。さあ、この香りを肴に一杯いこうか?」

男「いや、俺下戸だし」

女「なに、ちゃんと発泡酒でも用意するさ。重要なのは酔うことだよ」

男「お前はぜんぜん酔わないだろうが」

女「くくっほろ酔いが心地良いんじゃないか」

男「はぁ……お付き合いしますよ」

7: 2007/06/22(金) 01:02:42.94ID:Yfk/7yN80
男「筍とってきたぞ」

女「む、おお、これはこれは……なかなかに大きいね」

男「それだけかい」

女「ん? 筍といえば、若竹煮がおいしいね」

男「言うと思ったから木の芽も取ってきた」

女「わかっているじゃないか。さあ、呑もう」

男「お前は、本当に飲むことしか頭にないなぁ」

女「そんなことないぞ? 早く作ろう、今宵は望月だ」

男「春の満月を見ながら一杯か……なかなか風情があっていいじゃないか」

女「キミも風情が解ってきたかい?」

男「正直よくわからんが、まあ、とりあえず酒は美味そうだ」

女「そうか……おっと、言い忘れていた。筍ありがとう」

男「ん、どういたしまして」

女「さあ、おいしい料理を振舞おうか」

8: 2007/06/22(金) 01:04:46.36ID:Yfk/7yN80
女「ほら、沖縄土産だよ」

男「これは……焼酎?」

女「紅珊瑚といってね、結構呑みやすいぞ? ヨモギ団子も作ったんだ、さあ呑もうか?」

男「仕方ないな……ん、呑みやすいけど、結構きついな」

女「焼酎だしね。こらこら、あまり飲み過ぎるなよ?」

男「ゴクゴクゴクッ……ぷはっ…………う……おんらぁ~コレはキツい……」

女「情けないね君は。おいで、膝枕をしてあげよう」

男「むぅ~、つめぇたくてきもちぃ~」

女「ほら、オレンジジュースだ。飲みたまえ」

男「も、もうちょっと……きもちぃからぁ~……」

女「ふぅ……まあ、膝枕に夜風というのも、また風情かな?」

9: 2007/06/22(金) 01:06:02.78ID:Yfk/7yN80
女「やあ、猿酒を買ってきたよ」

男「伝説の酒がなんで売ってるんだよ?」

女「雑穀で造ったお酒も猿酒と言うのさ」

男「へぇ、どんな味するの?」

女「とても甘いな。弱いし、下戸の君もおいしく飲めるだろう」

男「じゃあ、早速飲みますか」

女「いやいや、どうせなら夜を待って月明かりの下に飲もうじゃないか」

男「そういうとこだけは律儀だな」

女「せっかく君と飲めるんだ。なるべく楽しいもという心の表れだよ」

男「嬉しいことを言ってくれるじゃないの」

女「では、甘い酒にあったツマミでも買ってこようか。ここに居ると貞操の危機を感じるのでね」

男「酷でぇなぁ……ああ、待った! 柿ピーよろしく」

10: 2007/06/22(金) 01:07:38.83ID:Yfk/7yN80
男「あつ~」

女「こういう日は冷たいビールに限るな」

男「ちょっと早くないか?」

女「文句は急に頑張りだした太陽に言いたまえ」

男「へいへい。ん、ひぐらし……」

女「ほぉ、夕闇にヒグラシとは、なかなか乙なものだね」

男「もう、夏だなぁ」

女「ああ、もう夏だね」

11: 2007/06/22(金) 01:09:12.98ID:Yfk/7yN80
男「また飲んでるのか」

女「ん、どうだい? キミも早めの空蝉を肴に一杯」

男「うわ、もう蝉居るのかよ」

女「どうやらそのようだね」

男「異常気象か」

女「いいじゃないか、暑い方がビールが美味い」

男「お前はホント何でも良いんだな?」

女「そんなことはないよ? あ、そうだ。もう紫陽花が咲いていたな」

男「また採ってくるのか?」

女「いや、今度一緒に見にいこうか」

男「ん、そうだな」

女「くくっビニールシートを忘れるなよ?」

男「まだ飲む気なのか……」

13: 2007/06/22(金) 01:11:51.48ID:Yfk/7yN80
女「蓮の花が咲いていたよ」

男「へぇ……」

女「蓮根の旬は遠いけどね? 今から待ち遠しいよ」

男「ああ、蓮根の煮付けはうまいよなぁ」

女「キミ、そんなことを言うと食べたくなるじゃないか」

男「そうか? で、もし作ったらどんな酒が合うよ?」

女「吟醸酒……辛口をぬる燗でいきたいね」

男「そうか、じゃあちょっと買ってくる」

女「ああ、頼んだよ。出来るならツマミも一緒に頼もうか?」

男「ああ、わかったよ」

女「では、私は屋根の上にでもシートを広げておくかな? 十五夜とは言わないが、宵闇月も風流だろう」

14: 2007/06/22(金) 01:14:05.47ID:Yfk/7yN80
男「お、赤トンボだ」

女「おお、ナツアカネか」

男「ん、夏?」

女「アキアカネの方が有名だが、複眼も赤くなるのはナツアカネだよ」

男「へー」

女「では、夕方を待って縁側で一杯飲もうか」

男「はいはい、付き合うよ」

女「悪いね。ああ、蚊取り線香は忘れずに頼むよ」

男「わかった、わかった」

女「くく、ではツマミでも用意してくるよ」

男「ん、キュウリで良いだろ」

女「なら、味噌で頼もうか」

男「任せとけ」

21: 2007/06/22(金) 01:25:50.63ID:Yfk/7yN80
女「やあ、面白い物を見つけたよ」

男「畳……どこから持ってきた」

女「リフォームすると言う家から貰ってきたよ。ちょっと焼けているが、またそこも良い感じだろう?」

男「もしかして、コレそのまま外で飲む気か?」

女「なに、雨に濡れないよう家の中に仕舞えば問題ないさ」

男「面倒くさくないか?」

女「ビニールシートより素晴らしく風情があるじゃないか、ほら、お酌してくれないか?」

男「はいはい、おっ良い座り心地」

女「だろう? 夜まで蛍を待ってみようか」

男「いいなぁそれ」

23: 2007/06/22(金) 01:35:51.82ID:Yfk/7yN80
女「ホトトギス なきつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる」

男「朝っぱらからなに飲んでんだ?」

女「いや、朝からではないよ」

男「完徹か、恐れ入る」

女「徹夜をすると悪いことばかりのように思えるが、今日は良いことがあった」

男「ホトトギスか」

女「喧しい鳥だが、私は好きだよ。残り月と共に見れば格別だ」

男「そうかい、それはよかった」

女「さて、君も起きたのだから、一杯どうだい?」

男「それはない」

25: 2007/06/22(金) 01:46:26.76ID:Yfk/7yN80
女「トラツグミの声も酒の肴に良いね」

男「なんでだよ、あんな不気味な声」

女「それが良いんじゃないか」

男「それは判りかねるな」

女「それにこの声を不気味とは心外だね。せめて悲しげと言ってくれないかい?」

男「鵺の異名がある鳥にそれは無いだろう」

女「まあ、どちらにせよ。酒が美味しければそれでいいのだよ」

――ふぃーほーふぃーほー

女「風情だね」
男「不気味だ」

28: 2007/06/22(金) 02:00:11.53ID:Yfk/7yN80
男「ちょ……デカい鳥だな」

女「うむ、どうやら庭に迷い込んだらしいね」

男「なんだこの鳥?」

女「コサギだね。個人的にはアオサギが好きなのだが……」

男「あっ飛んでいった」

女「む、せっかくツマミと焼酎を用意したのに、肴に逃げられてしまった。君の姿に驚いたか?」

男「そうかもな」

女「はぁ、どうしてくれる? まあ、それでも私はこの焼酎を飲むがね」

男「はいはい、お酌しますよ」

女「おお、付き合ってくれるか。ありがたい」

男「しかし、夏だなぁ」

女「ああ、夏だな」

36: 2007/06/22(金) 02:36:02.98ID:Yfk/7yN80
男「なんか、珍しい酒飲んでるな。なにソレ?」

女「ワイルドターキーだ」

男「へぇ。ところで、その酒はがぶ飲みするものか?」

女「私は一気に呷るのが好きだな」

男「アルコール度数50%ってお前……」

女「テキーラと同じようなものだろう?」

男「テキーラはがぶ飲みする酒じゃねぇよ」

女「くくっスピリタスよりも弱いじゃないか?」

男「スピリタスは純粋なアルコールの塊だろうが」

女「まあ、私は辛い酒が好きなのだよ。君も飲むかい? 身に沁みる美味さだよ」

男「遠慮しとくわ」

40: 2007/06/22(金) 02:43:53.87ID:Yfk/7yN80
女「ミミズクや 上手に眠る 竿の先」

男「小林一茶だっけ?」

女「ああ、そうだよ。見てみたまえ」

男「おお、でけぇ鳥。あれがミミズク? フクロウ?」

女「ミミズクだね。日本では耳のあるフクロウをミミズクと言うのだよ」

男「へぇ、で、今日の酒は?」

女「酷いなぁ、まるで私がアルコール中毒者のようではないか」

男「せめて手に持ってる一升瓶隠してから言えや」

41: 2007/06/22(金) 02:52:55.89ID:Yfk/7yN80
女「む、見事な彼岸花だな」

男「おお、毒々しい」

女「毒々しくも妖しく、そしてなにより艶やかだから美しいのではないか」

男「実際、毒あるけどな」

女「そこがまたいいとは思わないかい?」

男「そういうものか?」

女「そういうものだ」

男「じゃあ、またここに来て酒飲むのか?」

女「ああ、それがいいね。すまないが畳を頼むよ」

男「はいはい、その代わり美味いツマミを頼むぜ?」

女「くくっ元よりそのつもりだよ」

49: 2007/06/22(金) 03:07:00.36ID:Yfk/7yN80
女「忍ぶ草、岩松、宿木、どれも地味ながらも良いだろう?」

男「ああ、どれも名脇役だな」

女「くくっキミもまだまだだな」

男「ん?」

女「これらはコレでこそ美しいのだよ。酸漿(ほおずき)やコスモスの華やかさこそ無いがね」

男「ふうん、そういうもんか」

女「ほら、こちらに来たまえ。虫の声も肴に一杯といこうじゃないか」

男「ん、キツイ酒はよしてくれよ?」

女「ああ、自重するよ」

男「あ、かげろうだ」

女「おお、これはこれは……なかなかに風流だね。酒がすすむ」

男「なんとなく、岩松の美しさがわかったな」

女「そうかい? 怪しいものだね」

52: 2007/06/22(金) 03:17:40.74ID:Yfk/7yN80
男「また屋根の上で飲んでるのか」

女「ああ、見たまえ。いい夕日だ」

男「おお、すげぇ」

女「高いところからの景色と言うのは、また格別だね」

男「だから、屋根の上で飲むのか?」

女「ああ、そうだよ。では酌を頼もうか。手酌と言うのも乙なものだが、やはり注いで貰った方が良いものだ」

男「へいへい、って、また大きいビンを空にして……」

女「ふん、この程度すぐに空いてしまうものだよ」

男「いや、お前だけだ」

女「ん、ほら見たまえ、雁群だ」

男「風流で誤魔化すな」

55: 2007/06/22(金) 03:31:42.66ID:Yfk/7yN80
男「海だ!」

女「くくっ秋の海で一杯とは、また風流だろう?」

男「なに、焚き火してるんだ?」

女「肴の塩を作っているのだよ。二人分程度なら、焚き火で作れないことも無い」

男「なんか、入ってね?」

女「む、われからか、風流だな」

男「……なにこのグロい虫?」

女「ほう、知らないのか?」

男「まったく解らん」

女「清少納言に言わせれば、虫は 鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫。きりぎりす。はたおり。われから。ひをむし。螢。と言うくらいだぞ?」

男「へー」

女「まあ、秋の季語程度に思っておけばいい、食べられるぞ?」

男「遠慮しておくわ」

58: 2007/06/22(金) 03:50:24.05ID:Yfk/7yN80
女「ほう、いい声だ」

男「この啼き声は、斑鳩?」

女「ああ、いい酒のツマミだろう?」

男「鳥は不細工だけどな」

女「顔に似合わぬ可愛い声だろう? そこが風流なのではないか」

男「そういえば、枕草子にも出てくるよな」

女「頭赤き雀。斑鳩(いかるが)の雄鳥。たくみ鳥。だね? しかし、昔の人は風流と言うのを良くわかっているな」

男「ああ、清少納言ならお前と仲良く出来そうだよ」

女「そうかもしれないな。だが、紫式部とは仲良くなれそうにないがね?」

男「女同士の争いは、風流じゃないのか?」

女「当たり前だろう? だが、酒のツマミには出来そうだな」

60: 2007/06/22(金) 04:01:43.17ID:Yfk/7yN80
男「ん、今日も月見酒か」

女「ああ、光環映える朧月。まさしく春に相応しい風情だろう?」

男「そうだな。コレは随分と綺麗だな」

女「そう思うなら、共に飲もうではないか? 今日はいい酒だぞ」

男「ん、なんだコレ? 魔王?」

女「素敵なネーミングセンスだろう?」

男「うまいのかコレ? ネタじゃなくて」

女「ああ、味は保障しよう。朧月に魔王、なんだか良く似合ってると思わないかね?」

男「なんか、厨二病っぽいな」

女「ふむ、朧月を見上げ囚われの姫は何を思うかな?」

男「さあね、そういう創作は苦手だよ」

女「くくっこういう下らない話も、また風流だとは思わないかね?」

63: 2007/06/22(金) 04:12:12.79ID:Yfk/7yN80
男「おお、結構降ったなぁ」

女「ああ、ぼた雪だったからね。随分と積もったはずだ」

男「また、酒か?」

女「ああ、そうだな。熱燗が美味そうだ」

男「ん、外には出ないのか?」

女「炬燵と蜜柑。冬には欠かせない風流だろう?」

男「確かにその通りだが……」

女「月明かりと雪は窓からでも見れるさ。わざわざ外に出て、熱燗をぬるくするのも癪だろう?」

男「外に出たくないだけか」

女「いや、外でも良いとは思うがね? 身近な温かさというのもまたよいモノさ」

男「ふーん、まっいいけどさ」

女「くくっさあ、こっちに寄って酌を頼もうか?」

男「はいはい」

177: 2007/06/22(金) 17:31:30.79ID:Yfk/7yN80
保守㌧

女「天つ風 雲の通い路 吹き閉じよ をとめの姿 しばしとどめむ」

男「人の風呂を覗きながらなにをほざくか、覗きも風情か?」

女「いや、偶然だよ。夜風に誘われて外に出たのだが、ちょうどキミの風呂の明かりがついてね」

男「おまえは、俺が彼女でも連れ込んで居たらどうするつもりだよ」

女「さあね? まあ鈍感なキミには彼女なぞ出来ようもないと思うがね」

男「ひでぇなぁ」

女「その鈍さが少しでも改善すれば彼女も出来ると思うのだが?」

男「そうか? その程度で出来るならぜひとも努力したいものだが、流石にそれはないだろう」

女「いやいや、私が保証しよう」

男「はいはい、そうですか」

女「くくっ、だから、もっと思慮深く生きてくれたまえ? ほら、火照った体に夜風が気持ちいいよ」

男「それは、風呂から出たらだな」

女「おっと、コレは失礼」

185: 2007/06/22(金) 17:55:19.40ID:Yfk/7yN80
男「おお、コレは見事な八重桜」

女「ここは夜になると人が居なくてね。絶好の穴場さ」

男「いにしえの 奈良の都の 八重桜」

女「けふ九重に 匂ひぬるかな だね? 蓑虫がなかなかに多いが、それもまた一興」

男「ひさかたの 光のどけき 春の日に」

女「しず心なく 花も散るらむ。では、私から、我妹子に 恋ひつつあらずは 秋萩の咲きて」

男「え? ……わからん」

女「くくっ、続きはな……おや?」

男「どうした?」

女「見たまえ、杯に桜が綺麗に浮かんだよ。これは、随分と風流だね」

男「おお、って、結局飲むのか」

191: 2007/06/22(金) 18:12:56.23ID:Yfk/7yN80
女「いまどき、カラタチの生垣とは、珍しい」

男「白くて綺麗な花だな」

女「カラタチの実で酒が造れるらしい。ぜひとも飲んでみたいものだ」

男「結局酒かよ」

女「花を愛で、肴に一杯の酒。私はそれで十分なのだよ」

男「そうですか」

女「一つ欲を言うなら、そう、カラタチのようになりたいかな」

男「確かに綺麗だよな、この花」

女「ああ、綺麗だ、私達もこうなりたいものさ」

195: 2007/06/22(金) 18:42:31.18ID:Yfk/7yN80
男「また、花を肴に飲んでるのか。今日は、椿?」

女「いや、山茶花だ。背が低いだろう?」

男「葉っぱも似てるから解りにくいな」

女「それに、私は寒椿では飲まないよ」

男「なんでだ?」

女「縁担ぎさ、たいした意味はないよ」

男「ふうん、どんな?」

女「む、そうだな。強いて言うなら、寒椿のようになりたくないだけさ」

男「椿と言えば……首切り?」

女「……やはり、キミに風流は難しいようだね」

寒椿、花言葉は「謙譲」
山茶花、花言葉は「困難に打ち勝つ」

>>194
この程度で詳しいとは言えないなw ググれば多分出るだろうしなwww
てか、解りにくかったと思うから、追加

カラタチの花言葉は「思い出」 けれど、花だけなら「相思相愛」

224: 2007/06/22(金) 20:05:37.44ID:Yfk/7yN80
女「黄金の稲穂を前に一杯飲もうか」

男「お前は、何でも肴にするな」

女「見たまえ、風にあわせて揺れる様は見事なものだろう?」

男「おお、夕焼けと相まってこれはすごい」

女「なんにでも肴にするのではないよ。他の人よりちょっと気がつきやすいだけさ」

男「なるほど、その姿勢は見習いたいな」

女「まあ、キミには到底無理なことだろうけどね?」

男「お前と比べられても困るさ」

女「ほら見たまえ、風流と遠く感じる飛行機すらも、その後引く雲はこうも美しい」

男「コレは見事な飛行機雲だ」

女「こういう情景に気づかぬ現代人はどれほど損をしているか計り知れないな」

男「急いでいないで、足を止めてみるのもいいなぁ」

女「全くだ。自分に言い聞かせたまえ」

233: 2007/06/22(金) 20:43:52.10ID:Yfk/7yN80
男「半纏似合うなぁ、どこかいくのか?」

女「照れることを言うなよ。ちょっとツマミのスルメが切れそうでね」

男「おい、雪降ってるぞ?」

女「そのようだね。一番乗りで足跡を付けられると思うと、心が弾む」

男「前向きでいいことで」

女「では、ぎしぎしという足音を肴に飲みながらいくかな。ちょうど寒さも忘れられる」

男「大丈夫か? 一緒に行くぞ」

女「おお、それはありがたい。これを二人で飲みながら行こうじゃないか」

男「どぶろくか、雪と同じ色の酒ってこと?」

女「そういうことだ。寒さに身を寄せ合い飲む酒は格別だぞ?」

235: 2007/06/22(金) 20:56:43.57ID:Yfk/7yN80
>>234
じゃあ俺は手元にある芋焼酎の魔王で乾杯

244: 2007/06/22(金) 21:28:08.96ID:Yfk/7yN80
男「でかっ」

女「私らしいペットだろう?」

男「ニシキヘビ……いや、ウワバミか」

女「その名で呼ぶのが相応しいだろう。なにしろ、私のペットだからな」

男「今日はコイツを肴に一杯ですか」

女「そうしようか。おっと、本当に食べないでくれよ? コレでも可愛いペットなんだ」

男「いや、そんな蛇は食わん」

256: 2007/06/22(金) 21:59:13.00ID:Yfk/7yN80
女「見たまえ、もうホトケノザが咲いているぞ」

男「小さい頃蜜吸ったなぁ」

女「風情がないねぇ、まあ、私も小さい頃には吸ったがね」

男「ああ、懐かしいな。もう雪もほとんど残ってないし、もうすぐ春か」

女「そうだね、一年でもっとも酒の美味い季節だ」

男「お前は一年中飲んでるだろう?」

女「そうかもしれない。だが、夜桜に勝る肴は早々あるものではないよ?」

男「一応あるんだろう?」

女「ああ、だがね、ソレは季節とは無縁なのさ」

男「なんだよ?」

女「くくっ、自分で考えたまえ」

男「へいへい」



女「しかし、かきくらしふる白雪の下ぎえに きえて物思ふころにもあるかな とは、よく言ったものだ」

262: 2007/06/22(金) 22:30:23.23ID:Yfk/7yN80
女「ふむ、いいなぁ」

男「ちょっとあんた。なんてモノを肴に飲んでるんだ」

女「延寿。無銘だけどね」

男「刀を酒の肴にするな、危ないだろう」

女「いや、一応長巻直しなのだが……男よ、刀は手入れをしなければダメになってしまうのだよ?」

男「お前絶対に手入れとかしてなかっただろう」

女「なに、手入れが終わったら、名刀の波文を肴に飲みたくなったのだよ」

男「じゃあ、危ないから飲みながら刀を振り回すな」

女「こら、わかった。斬れるから離れたまえ。全く、刀の風情も解らないとは、キミには玉が付いていないのかい?」

男「うるせえ、本当に付いてないくせに」

270: 2007/06/22(金) 23:03:28.26ID:Yfk/7yN80
男「また月見酒か?」

女「む? ああ、強いて言えば、そうだな。新月を肴にね」

男「新月って見えないだろう?」

女「今宵の主役は月じゃないよ。月のない闇夜に映える星々が肴だ」

男「確かに、月がないから星が綺麗だな」

女「だが、見えぬ月に想いを馳せるのもまたいい」

男「どっちだよ」

女「どちらもだよ。こちらに来てみたまえ、ほら、おそらく近年稀に見る大きさのスピカだ」

男「おお、思わず声が出るほど綺麗だな」

女「では、杯に映る闇夜と星明かりに乾杯」

男「乾杯」

女「くくっ、一口でいきたまえ、星を飲み干す勢いでね」

304: 2007/06/23(土) 00:37:07.68ID:/zKrs/xf0
女「鹿の乾肉が手に入ったぞ」

男「ほぉ、紅葉か。コレが今日の肴か?」

女「いやいや、コレは単なる演出だよ」

男「?」

女「来た前、ああ、コレを忘れずにね?」

男「碁盤を持っていくのか?」

女「一局しながら乾肉と桑、そして満天の星空を肴に一杯飲もうじゃないか、もちろん南北に陣取ってね」

男「捜神記の北極老人と南極老人か」

女「ああ、もしかしたら寿命を延ばすように頼まれるかもしれないじゃないか」

男「それも風情か?」

女「まあね、面白そうだろう」

314: 2007/06/23(土) 01:06:02.02ID:/zKrs/xf0
女「こんなものを持ってきたよ」

男「ダーツ?」

女「ああ、今日はカクテルを飲みながらダーツと興じようじゃないか」

男「手に持ってるのはウォッカじゃねーか、そんなもの飲めねぇよ」

女「なに、これは私のマティーニ用だよ。第一ウォッカベースでも弱い酒だってあるさ」

男「は?」

女「バックファイアーだよ。こうやって作る」

男「ライター? おお、ウォッカに火をつけるのか、すげぇ」

女「見た目は良いだろう? さて、酔う前に、一投しておこう……おっとブルズアイ。これは幸先がいい」

男「お前、勝てるわけないだろう」

316: 2007/06/23(土) 01:21:31.58ID:/zKrs/xf0
>>314後日談
女「勝利の美酒というのは、予想以上に乙なものだね。病み付きになりそうだ」

男「なんでコイツ途中からウォッカそのまま飲んでるのに、こんな綺麗に投げるんだよ」

女「キミが下戸で弱い酒に酔うからいけないのだよ」

男「いや、お前の肝機能が異常なんだ」

326: 2007/06/23(土) 01:48:17.63ID:/zKrs/xf0

女「さて、もうすぐ年明けだよ」

男「お前は、年を酒を飲みつつ迎える気か?」

女「迎え酒と言うだろう?」

男「ソレは二日酔いだ。だが、お前らしいな」

女「なるほど私らしいか、では、年越し蕎麦と除夜の鐘を肴に一杯どうだい?」

男「いいなそれ、てか、初詣には行かないのか?」

女「なに、家でTVを見つつ酒を呷る方が、私らしいだろう?」

男「それもそうだ」

女「それに肴を一人で独占できるのは嬉しい限りだよ」

男「ん? なんのことだ?」

女「キミの苦手な風流の話さ」

333: 2007/06/23(土) 02:01:25.03ID:/zKrs/xf0
女「さて、節分……立春だ」

男「柊鰯は飾ったか?」

女「もちろん。さて、鬼の面と炒り豆を肴に酒を飲もうか」

男「豆撒きはしないのか?」

女「風流だとは思うが、ツマミが減るのは勘弁願おう。せめて鳩でも居たら話は変わるがね?」

男「そうかい、それじゃあ鬼に棲まれるぞ」

女「なに、鬼が棲んだら鬼と晩酌を楽しむさ。私と赤鬼、どちらが酒豪だと思う? 実に楽しそうじゃないか」

男「お前ならダントツで勝ちそうだよ」

女「くくっ、キミが見ていたらなおさらね」

男「酒の強さって、人が見てると変わるものか?」

女「ああ、風情があれば酒が美味いように、酔いたくない場では酔わないものさ」

男「俺の前じゃ酔いたくないのかよ」

女「どちらかと言うと、酔えないね。くくっ」

337: 2007/06/23(土) 02:18:08.22ID:/zKrs/xf0
男「おお、本格的な雛人形だな」

女「雛祭りも近いからね? 雛あられと菱餅」

男「生憎だが、3月3日は今日だぞ?」

女「ああ、だから今日も楽しむよ。だが、本来雛祭りは旧暦の3月3日に楽しむものだ」

男「お前はただ単に楽しめる日を増やしたいだけだろう」

女「酷いなキミは。純粋に趣を求めていると言ってくれたまえ」

男「雛あられをツマミに酒を呷りながら言われても説得力ないぞ」

女「そんなことはないさ。コレは趣を求めた結果だよ。ほら、注いであげよう」

男「そういうものかねぇ?」

女「そういうものさ」

345: 2007/06/23(土) 02:42:23.02ID:/zKrs/xf0
男「なあ、桜の季節にしては遅くないか?」

女「時期外れ? くくっ、ソメイヨシノなら確かにもう少し早い方が見ごろだね」

男「ほう、これは、しだれ桜か」

女「ああ、個人的に7分咲きの今が見ごろだよ。さて、茣蓙を敷いて一杯呷ろうか?」

男「おいっライト消すなって!」

女「なに直になれるよ。この月明かりで飲むから美味いんだろう?」

男「全く、ほら風が強いから上着着ておけ。てか、月もちょっと雲に隠れてるぞ?」

女「月に叢雲 花に風と言うじゃないか。第一――おや? 見事だね」

男「おお、桜吹雪」

女「ほら、こういう方が風情があっていいものだろう?」

349: 2007/06/23(土) 03:03:36.21ID:/zKrs/xf0
>>346
女の好意が見え隠れするように
もちろん風情を楽しんでいるだけのSSもあるけど


女「さあ、端午の節句だ」

男「粽に柏餅、鯉幟に鎧兜。酒の肴が多いじゃないか」

女「その通りだ。特に刀はいいね。粽を片手に太刀を眺めながらの一杯。なかなか粋だろう?」

男「だから、酔いながら刃物を持つな」

女「端午の節句くらい許してくれたまえ。ほら、この乱れ波文。ゾクゾクするだろう?」

男「何がいいんだか、武器だぞ?」

女「血を吸う定めにあるからこそ、美しく感じるのだよ。西洋の剣にはない趣だと思わないか?」

男「わかんねぇなぁ」

女「まあ、隣に来たまえ。なに眺めていれば、直に魅入られるさ」

男「はいはい、柏餅片手につき合いますよ」

353: 2007/06/23(土) 03:19:27.21ID:/zKrs/xf0
女「見てみたまえ。いつの間にか青田になっているぞ」

男「おー本当だ。田植え何時の間にやったんだか」

女「まあ、今時手で植えることはまずないからね。仕事が速いよ」

男「で、青田を肴に一杯か」

女「ああ、楽しみだろう? これらが日本酒になるんだぞ」

男「なんかそれ、酒を肴に酒飲んでないか?」

女「この期待する気持ちを肴にしてるといってくれたまえ」

男「はいはい、そうですか」

女「ほら、キミにもこのワクワクを分けてあげよう」

男「甘酒? おっコレは美味しい」

女「くくっ、収穫が楽しみになっただろう?」

354: 2007/06/23(土) 03:31:43.49ID:/zKrs/xf0
男「何でわざわざこんなところに……」

女「七夕だからな」

男「だからって崖の上か? 意味が解らん」

女「なに上を見たまえ。すぐに納得するさ」

男「?…………すげ」

女「だろう? これが本当の満天の星空という奴さ。それに高いところの方が、織姫達も願いを見つけやすいだろう?」

男「いや、たった十数メートルなら変わらないだろう」

女「浪漫のない男だなぁキミは。ほら、こっちにきたまえ。背中合わせに酒を飲もうじゃないか」

男「はいはい。キツい酒はよしてくれよ」

女「ああ、わかったよ」

356: 2007/06/23(土) 03:42:00.90ID:/zKrs/xf0
男「あちぃ~、だりぃ~」

女「そうか、今は汗を流したまえ。この暑さを乗り越えた先にある風呂とビールが待っているぞ」

男「うが~……そうだ、銭湯行こうぜ。たまにはゆっくりと風呂に浸かりたい」

女「おお、それはいいね。風呂上りに風鈴の音とビールと枝豆。実に風流じゃないか」

男「豚の蚊取り線香と団扇があれば完璧だな。あ~っクーラー我慢するかぁ」

女「そうだね、それがいい。なんだ、君も趣というのが解ってきたのかね?」

男「ん~、とりあえず、今我慢した方が美味い酒が飲めるのは激しく同意できるな」

女「くくっでは、今は風鈴の音だけで我慢するか」

男「ああ、そうだなぁ~」

女「うむ、いい音色だ」

357: 2007/06/23(土) 03:51:29.24ID:/zKrs/xf0
女「やあ、台風で電車が止まったようだね」

男「ああ、そうみたいだな。こりゃ会社は休みだな」

女「そうかね? 私も有給を取ったよ。では二人で台風を肴に酒を飲むかい?」

男「そうだな。明日に響かない程度なら付き合うよ」

女「そうか、それはありがたいな……おお、一段と強い風だな」

男「何か飛んでなきゃいいけどな。というか、帰るのも大変そうだ」

女「そうだね。けれど安心するといい。台風は後数時間で駆け抜けるそうだよ」

男「まあ、ずっと留まってられても困るけどな」

女「私としてはがんばって留まって欲しいがね? 肴に逃げられる気分だよ」

362: 2007/06/23(土) 04:10:24.66ID:/zKrs/xf0
女「そこの小学校で運動会をやっているようだね」

男「運動会か、懐かしいな」

女「あの独特の興奮と一体感は、青春時代でしか感じることが出来ないからね、懐かしく思えるものさ」

男「あ、ピストルの音」

女「ああ、あの火薬の匂いも懐かしいね」

男「で、火薬の薫りを肴に飲むのか?」

女「いやいや、子供達の歓声と胸中の懐かしさを肴に飲もうか」

男「それはいいな、ツマミ買ってくるよ」

女「ああ、すまないね。出来るなら出店で綿菓子や林檎飴を頼む」

男「ああ、わかったよ」

363: 2007/06/23(土) 04:21:12.26ID:/zKrs/xf0
男「ん、特に肴が見当たらないんだが、なにを肴に呑んでるんだ?」

女「神の留守だよ。太陰暦の10月は出雲大社に神々が集まって、留守にするそうな」

男「そんな気分すら肴にするのか」

女「なに、風情というのは心の持ちようで変わるものさ。綺麗だと思うから綺麗になるのだよ」

男「そういうもんか? 何もないのに騒いでるだけじゃなくて?」

女「そういうものだ。だから呑もう。キミと呑めば、肴が増えるだろう?」

男「まったく、仕方がないな」

女「くく、そういいつつも、しっかりと付き合う君は好きだよ」

男「さいですか」

367: 2007/06/23(土) 04:29:48.08ID:/zKrs/xf0
女「今日はクリスマス・イブか」

男「ってことは、今日はシャンパンか」

女「ああ、もう買って来たよ」

男「相変わらず酒だけは目がないな」

女「くくっ、しかし、肴が今ひとつ物足りないね。ああ、雪でも降らないものか」

男「ああ、確かにホワイトクリスマスなら、それは風情がある」

女「遠くからベルの音が聞こえるのもまた一興」

男「それもいいなぁ」

女「しかし、寒いね。暖房を付けていても震えそうなくらいだよ」

男「ああ、この調子なら雪が降るかもって、なに呑んでんだよ」

女「む、体を温めようと思ってね」

男「それ今日のシャンパンじゃねーか。呑むな!」

女「仕方がないなぁ」



やっと終わった
寝る

445: 2007/06/23(土) 14:57:46.23ID:/zKrs/xf0
男「お、扇風機出したのか」

女「ああ、暑さにも耐えがたくなってきたからね」

男「クーラーはつけないのか?」

女「いや、それは無粋というものだ」

男「そういうものか?」

女「ああ、人工的な涼しさもそうだが、なにより窓が開けられないと言うのは不快だね」

男「暑くて仕方ない時はいいと思うけどなぁ」

女「ふむ……ちょっと縁側に来たまえ。君は弱いから梅酒でいいかな?」

男「ん、ありがと」

女「どうだ? 虫と風鈴の声が涼しいだろう? この声はキンヒバリかな」

男「ああ、これはなかなか……ん、ひぐらしか」

女「くくっ、コレはいい肴だ」

448: 2007/06/23(土) 15:18:03.08ID:/zKrs/xf0
男「なにやってんだ?」

女「やあ、ちょっと大掃除を、ね?」

男「なんと言うグラスの数……」

女「こら、不躾に触るなよ。それは本物の薩摩切子だぞ」

男「は? 復刻版じゃなくて? 何でそんなものを……」

女「いい盃はそれだけでいい肴になるからな。骨董屋で見るとつい手が出てしまうのだよ」

男「しまた、じゃないってことは、まだあるのか……」

女「くくっ、さあ掃除もちょうど終わったところだ。菩提樹を肴に一杯飲もうか?」

454: 2007/06/23(土) 15:44:24.84ID:/zKrs/xf0
女「やあ、今日はいい肴を持ってきたよ」

男「秋刀魚か! いいな、美味そうだ」

女「こんなものもあるよ。なかなか趣があっていいだろう?」

男「七輪もあるのか、コレは重畳」

女「くくっ、ちょっと煙たいのもまた一興だろう? おや?」

男「ん、黒猫か。ほらあっちいけ!」

女「いや、待ちたまえ。ほら、一匹あげよう」

男「いいのか? せっかくの肴なのに……」

女「なに、肴を共に食む愛らしい相伴がついてくれるのだ。秋刀魚一匹くらいどうと言うことはない」

男「そうですか、あっこら擦り寄るなって」

女「懐かれたようだね。まったく羨ましい限りだよ」

474: 2007/06/23(土) 17:42:53.15ID:/zKrs/xf0
男「おっカキ氷か! いいなぁ。ナニ味?」

女「くくっ食べるかい? シロップ代わりは杏露酎だよ」

男「なんというお前らしい選択……」

女「甘い酒は以外と合うものだよ。ほら、君もどうだい?」

男「ん、それじゃあ一杯頂くよ」

女「氷の冷たさと夕焼けの残暑を肴に飲む酒のようだろう?」

男「ああ、風鈴の音が心地いいな」

女「ククッ、君も解ってきたね」

481: 2007/06/23(土) 18:16:06.55ID:/zKrs/xf0
男「また飲んでるな」

女「ああ、桜と紅葉が綺麗でね」

男「桜? 狂い咲きか、初めて見た」

女「槿と桜なんて組み合わせ、早々見ることはないからね。こういうものも好きだよ」

男「季節感ゼロだけどな」

女「どんな厳しい組み合わせでも叶うことはある。それがいいのだよ」

男「まあ、滅多に出会えない幻の組み合わせだけどな」

女「はぁ、こういう時はいつものように、そうかいと言ってくれればいいのだよ」

男「そうかい」

513: 2007/06/23(土) 19:37:21.19ID:/zKrs/xf0
男「むっむ~ん」

女「やあ、起きたかい?」

男「あぁ……俺なんで膝枕されてるんだ?」

女「飲みすぎただけだよ。しかし、ホトトギスのなく声で目覚めるとは、風流だね」

男「って、もう朝かよ。起こしてくれたら良かったのに……」

女「なに、酒の肴を独り占めしたかっただけさ」

男「なに見てたんだ?」

女「むっ、そうだな……朝顔だよ」

男「そうか、もう咲いてるのか……」

女「いや、咲きそうにはないね」

529: 2007/06/23(土) 20:11:20.71ID:/zKrs/xf0
男「やってるな」

女「ああ、私が飲まない日はないよ」

男「よくそんなに肴があるなぁ。彼氏くらい作れよ」

女「ククッ、なんでもない日常が最高の肴なんじゃないか」

男「そうかい、で、今日の肴は?」

女「今の一言で決まったよ、コレだ」

男「バラ?」

女「ミニバラだね、さあ飲もう」

539: 2007/06/23(土) 21:11:47.43ID:/zKrs/xf0
女「いい酒を手に入れたよ。飲もうじゃないか」

男「奇遇だな。こちらはいい肴を手に入れたんだ、どうよ?」

女「ほう、サザエか。ちょうどいい、この酒はこういうものによく合う」

男「ん、黒牛? 和歌山まで行ったのか?」

女「知ってるのかい? 知人に土産で貰ってね。コレはなかなかの名酒だぞ」

男「飲んだことはないんだよ」

女「さて、朧月と共につぼ焼きを楽しもうか」

男「おお、綺麗だな」

女「ククッ、これだから酒はやめられない」

587: 2007/06/23(土) 23:07:26.77ID:/zKrs/xf0
女「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣乾したり 天(あめ)の香具山」

男「ん? ちがくね?」

女「いや、あっているよ。万葉集はこうなのだ。百人一首では「にけらし」だけどね」

男「洗濯物に夏を感じるって、風流なのか?」

女「なんども言っているだろう? 風流とは心で感じるものだよ」

男「わかんねーなぁ」

女「なに、詩が詠まれた600年代を思いを馳せながら呑む酒は格別だと言っているだけさ」

男「なるほど」

女「ということで、私の薀蓄を聞きながら、どうかね?」

男「ご相伴させてもらうよ」

615: 2007/06/23(土) 23:54:58.30ID:/zKrs/xf0
そういえば、このネタやってなかったな


(´・ω・`)「やあ、バーボンハウスへようこそ」

女「マスター、また来てしまったよ」

(´・ω・`)「このテキーラはサービスだから、落ち着いて飲んでほしい」

女「毎度毎度すまないね、マスター」

(´・ω・`)「それで、彼に想いは伝えられたかい?」

女「いつもの通りさ。彼は鈍くてね」

(´・ω・`)「彼は鈍いのだろう? 回りくどく伝えることは難しくないかな?」

女「わかってはいるさ。だが、こういう時すら酒が力を貸してくれなくてね。困ったものだよ」

(´・ω・`)「伝えたい想いがあるなら、はっきりと言わなければならない。それは当たり前のことだよ?」

女「解っているよ。だが、頭でわかっていても心がついてきてくれないのさ」

(´・ω・`)「まあ、君ははっきりと伝えることを、風情がないと言いそうだけれどね」

女「マスターには何でも筒抜けだな……ゴクッ」

(´・ω・`)「君はいつでも豪快だね。では、注文を聞こうか?」

引用: 新ジャンル「ザルクール」