1: 2007/12/04(火) 22:29:27.25ID:yl0A0rLC0
男 「ふあぁ……今朝もだいぶ冷えるのう、ううっ……ん?」

女 ぼー

男 「ったく」

女 ぼー

男 「おはよう、女。相変わらず風にそよいでるな」

女 ぼー

男 「ああもう! 学校に遅刻するぞ! 手ぇ引っ張るからな!」

女 ぼー
葬送のフリーレン(15) (少年サンデーコミックス)
4: 2007/12/04(火) 22:34:31.69ID:yl0A0rLC0
男 「ほら、到着したぞ! じゃあまた後でな」

女 ぼー

男 「そうそう、だろぉ? 昨日のテレビ面白かったよなぁ、やっぱり? わっかるぅ」

女 ぼー

男 「んーでもそりゃあなぁ、でもあの話も悪く、あ……先生来たぜ! 戻れよ」

女 ぼー

男 「起立! 礼! おはよーございます! 着席!」

先生「あー出席を取るぞ。○○! よし、じゃあ○○! ん、元気そうだ」

男 「ふぅ」

女 ぼー

先生「それじゃ次、女!」

男 「あ、こっち居ます」

先生「保護者共に確認っと」

7: 2007/12/04(火) 22:36:44.23ID:yl0A0rLC0
先生「それじゃここ! ちゃんとノートに写しておくようにな」

男 かりかりかり

女 ぼー

男 「……午後の授業は眠いなぁ。つか何であいつ成績良いんだろう、不思議だ」

先生「それじゃあ、この問題を……男! 何よそ見してるんだ、解いてみろ」

男 「やべっ! えっと、えっと……だ、誰か助け」

女 じー

男 「お、女っ? 大丈夫か? 答え知ってるのか?」

女 「……」

男 「……」

女 「……おはよー」

男 「今朝の返事かよっ!!」

先生「あー男は廊下に立ってろ」

8: 2007/12/04(火) 22:39:26.37ID:yl0A0rLC0
友 「そうそう、やっぱ高校生活に潤いをっ! って奴だな」

男 「はぁ? 恋人欲しいかって?……何か皆そんなもんなのかね、やっぱ」

友 「そりゃそうだろ。でも男はマジで恋人いねぇの?」

男 「あーホントに居ないんだが」

友 「ホントにぃ? 例えば女ちゃんと仲良いじゃん、な!?」

男 「仲良いというか、保護者というか……ま、まあ仲は良いかもしれんが」

友 「照れるなって、顔真っ赤だぜ! あはは、でも見た目は可愛いんだしよ」

女 ぼー

男 「ふぅむ、それ以前にオレみたいな奴と付きあいたい女なんて居るのかね……」

友 「そりゃお前なぁ、まずは動か」

女 「……はーい」

二人「!?」

女 ぼー

友 「おまおまおまおあ、お前! 彼女と何ががががが」

男 「ち、違うぞ! アレは今朝の出席の返事なんだっ!」

10: 2007/12/04(火) 22:43:12.38ID:yl0A0rLC0
男 「はぁ、もう散々な一日だったなぁ。勘ぐられてばっかだ……ったく」

女 ぼー

男 「……相変わらず風に乗って訳のわからん所を風に乗って彷徨ってるな、こいつは」

女 ぼー

男 「おーい、何してんだそんな所で、さっさと帰るぞ」

女 ぼー

男 「はぁ、ああもう! しょうがないな! 送ってやるからさっさと行くぞっ!」

女 ぼー

男 「先生には叱られて、野郎共にはさんざ勘ぐられて、女共はわいわいしやがって」

女 じー

男 「……ついてねぇ日だったな、まあいいか、帰るぞ」

女 じー

男 「んだよ」

女 「……48ページ」

男 「遅いってば」

14: 2007/12/04(火) 22:47:08.41ID:yl0A0rLC0
男 「ふぅ、そういや母さんから帰りに八百屋で野菜頼まれてたっけな」

女 ぼー

男 「女? ちょっと買い物あるから付き合ってな」

女 ぼー

男 「……了承と受け取るからな、えっと、こっちだっけか」

八百屋「ヘイらっしゃい! そこの若いカップルさん! 今日も野菜が安いよ!」

男 「カップルじゃねぇって、保護者だ。えっとじゃがいもと、なっだっけ……ニンジンか」

八百屋「ヘイ! 毎度! それにしても可愛い彼女さんだね! でぇじにしてやんな!」

女 ぼー

男 「彼女じゃないって、それじゃ小銭、小銭……このニンジン太いな」

女 じー

男 「ん、んだよ」

女 「……仲良し、だもんねー」

八百屋「くぅー! 若いって良いなぁ! こいつももってけドロボー!」

男 「ちが、あのこれはお昼に友達と! あれ!? えー!?」

17: 2007/12/04(火) 22:52:26.56ID:yl0A0rLC0
男 「はぁ、何か荷物が多くなった……」

女 ぼー

男 「彼女ねぇ、こいつも何考えてるんだか」

女 ぼー

男 「女の好きなタイプってどんな野郎なんだろうな、そもそもそういうの考えているのかどうか」

女 ぼー

男 「夕焼け綺麗だなぁ……」

女 じー

男 「ん?」

女 「……早く帰ろう、遅くなっちゃう」

男 「校庭の返事か、はは。タイミング合うと嬉しいもんだな」

女 ぼー

男 「……ま、いいか。ゆっくりで」

19: 2007/12/04(火) 22:56:55.35ID:yl0A0rLC0
女母「あららー♪ 今日も仲良しさんねー♪」

男 「からかわないでください、それじゃこいつ引き取ってな」

女 ぼー

女母「ふふ、何時もごめんね、この子ったら少しぼうっとした所があって」

男 「……少しか?」

女母「少し上がって行く? お茶くらいなら」

男 「いえ、買い物届けなきゃならねぇから、直ぐに帰るよ」

女 じー

女母「残念ねぇ、それじゃまた時間あるときにでも」

男 「そんときゃまたお願」

女 「……男君、太いね……」

二人「……」

女 ぼー

女 「おとーーーーさぁぁぁん♪ おとーーーーーさぁっぁぁぁぁん♪ おせきはぁぁぁぁん♪」

男 「止めてっ! これは帰りに八百屋ッ……やめてええええええ!」

20: 2007/12/04(火) 22:59:35.23ID:yl0A0rLC0
男 「か、体中痛い……やっと帰れた」

男 「ほれ、買い物の奴、こっち置くぞ」

男 「ん? 多いって? えっと、女にでも礼は言ってくれ」

男 「それじゃ夕飯出来たら呼んでくれな」

男 「……」

男 「ふぅ、今日も散々な一日だ」

携帯「ぷるるるるる ぷるるるるるる」

男 「ん、携帯? 女からか、はいはい? どうした」

女 「……」

男 「ん?」

女 「……優しい人が、好きかも、ねー」

男 「……はいはい、明日も一緒に学校行くか」

27: 2007/12/04(火) 23:10:29.67ID:yAj9wn9q0
>>22 じゃあ、ためしにやってみます

男「ん~、あいつ今日はまだ歩いてない…寝てんのか?
迎えにいってやるか…」

ピンポーン

男「おはようございます」

女母「あら男君、おはよう。ほら、女っ、男くんが迎えに来てくれたわよ」

女 ぼ~

女母「ほらほら、行ってきなさい」

女「うん、いっしょにイこう・・・」

女母「ま、まあ…男君、堅苦しいことは言わないけど避妊だけはお願いね」

男「なんでそんな意味に解釈するんですっ!?」

942: 2007/12/07(金) 03:47:14.69ID:+wQ3p+s/0
いつもぼんやり、放っておくとどこに行ってしまうか知れない彼女。

今日みたいに雲が空より多い日は、
紅葉の色も常よりくすみ、彼女の動きも常より鈍いような気が。

そばにいるにはそっちのほうが安心だけど、
やっぱり君には日溜りのもとにいてほしい。

943: 2007/12/07(金) 03:51:32.05ID:+wQ3p+s/0
話しかけてもぼうっとしたまま。君は何を想っているのか。

髪の匂いが形になってふれられそうな、そんな間近で一緒にいても
心の色さえ見えやしない。

願わくば、二人がこうしているうちに
この小春日がたとえほんのわずかでも
君の想いをぼくに照らして見せてくださいますように。

947: 2007/12/07(金) 03:57:59.14ID:+wQ3p+s/0
採ってほしげにぼんやりと、君が見上げる、誰が植えたか川辺に咲いた枇杷の花。

ぼくは樹に手をかけてそっと花を摘んだふり。

思ったとおり、君はそれからだいぶ遅れて首を振る。
大丈夫、花は冬に隠れてこのとおり。

このままぼんやり待っていたら初夏には実になるだろうから
そしたらほんとに採ってあげよう。

950: 2007/12/07(金) 04:04:06.81ID:+wQ3p+s/0
よけいなことを考えずぼうっと生きていれば見逃すものも多いだろうけど、
だからこそ見えるものもほんの少しはあるかもしれない。

たとえばいま
こうやって中庭のベンチに腰をおろしぼんやりしている君の眼には
上空を行く――あるいは地磁気のさまなどなんとなく――見えているかもしれないじゃないか。

そういえばあの地磁気というやつ
せわしなく流れているものなのか、それともぼんやりまったりただよっているものなのか。

訊いてみても君はただ、うん、と呟くだけだったので
仕方がないから自分の眼で確かめようと、上空に眼を凝らしたけれど
見えるものはこの空に一個では少なすぎる冬の太陽だけだった。

952: 2007/12/07(金) 04:09:20.86ID:+wQ3p+s/0
全校マラソン大会の日、放っておいたら君はどこに走っていくかわかったもんじゃない。

たかが一回走っただけで何か鍛えられるはずもなし
なら沿道の景色でも一緒に見ながら順位のことなど考えず、ただぼんやりと走ろうか。

二人一緒に帰ってきたのは、待ちくたびれた校舎の影がだらけきって伸びきった頃。

君は景色を見ていたとも言い切れないけど、
ぼくもだいたい君を見ていたんだから似たようなもの。

955: 2007/12/07(金) 04:16:25.87ID:+wQ3p+s/0
いつものようにただぼんやりと歩き続ける君の足元
なに思ってか君を見上げてくるくるじゃれつく子犬の姿。

君は子犬に構うことなくぼうっと虚空を見上げ、なに探すでもなく歩を進め
子犬は君をとどめようとするでもなく、歩みに合わせて絡まってくる。

そしてぼくは君の少しうしろ
君はぼくの少し前。

956: 2007/12/07(金) 04:19:29.47ID:+wQ3p+s/0
追っても打っても払っても、しばらくたてばどこからともなく寄ってくる蚊。

手で払うのも億劫なのか、君はぼんやりうわのそらなまま、
壁にベッドに、たんすに机に、挙句の果てはぼくに向かって蚊のとまった体ごとぶつかってくる。

でも相手だってヒット&アウェイのプロフェッショナル
そんなぐらいじゃ仕留められない。

君はぼうっとしたままぼくのそばに座り込む。

ぼくに蚊を叩けというのか
それとも
蚊にぼくを刺せといっているのか。

960: 2007/12/07(金) 04:25:56.33ID:+wQ3p+s/0
吹きすさぶ木枯しをものともしないのか
花の終わったセイタカアワダチソウと穂の痩せたすすきが残る河川敷を、君は歩く。
風と一緒にぼくと一緒に、ぼんやりと、どこまでも。

この木枯しよりもほんのちょっぴり先のほうまで行ってみたい

そんなことを呟いて、もうどのくらい歩き続けてきたんだろう。

さっきからずっと一緒についてきている川の流れは、木枯しの行き着く先を知っているはずなのに、
ぼくと君の間に野暮は差すまいと、何も教えてはくれやしない。

965: 2007/12/07(金) 04:34:04.42ID:+wQ3p+s/0
洗い立ての水滴を涼しくまとったままの枇杷の実数個。
二人の間に置かれたままで聞くともなしにぼんやりと聞く蝉時雨。

君は枇杷に手をつけることなく、ぼんやりと何を待っているの。

夏の陽、ふたり、扇風機。
鳴らない風鈴、蝉時雨。

やがて陽が飽きてきた頃、自堕落に働いていた扇風機が突然ぷつんと止まった頃
風鈴が小さく鳴って、わずかに風が笑った気がした。

ようやく君が枇杷に手を伸ばしたのは果たして
この風を待っていたのかそれとも
ただいつものように枇杷を認識してから手を伸ばすまでに時間がかかっただけなのか。

968: 2007/12/07(金) 04:40:52.58ID:+wQ3p+s/0
ぼんやりと土手行く君の目の前に、青大将もまたぼんやりと。

気付いているのかいないのか、君はかまわずぼんやり歩を進め、思わず踏みつけそうになる。

あわてて君をうしろから抱きすくめると、ようやく気付いた青大将は、
舌を出してちろちろと何か呟き藪に消えた。

手を離すと今度はぼうっと立ち尽くしたまま、君は歩みを止めたまま。

しばらくたって、ああと呟き、またぼんやりと歩き出す。

972: 2007/12/07(金) 04:47:49.86ID:+wQ3p+s/0
お正月に逢っても君の口から出てくる言葉はいつもの通り。

正月信心の参拝客でごった返す神社に行っても君とはぐれるだけなので、
土手の下で去年一年、もう姿形もはっきりしない身なのに頑張っていた野仏さんに
ふたりだけで会いに行こう。

特にお正月らしいことをするでもなく、三人でぼんやり眺める初御空。

正月仕事に嫌気が差した年の神もいたような気がしたけれど、
ぼんやりしたまま確かめることもなく過ぎていったいつもと同じとある一日。

976: 2007/12/07(金) 04:54:31.96ID:+wQ3p+s/0
こたつの中で目を覚ます。
君の匂いで目を覚まし、君の重みで声を出す。

どうやらぼくの向こうに転がっていったみかんをとろうと身を乗り出して
そのままぼくにつまずき乗っかって
ずっとぼんやりしていたらしい。

手を伸ばしみかんをとってあげたけど、
君はぼんやりしたままで、もうみかんには興味なし。

仕方がないので君をおろし、こたつに入れて毛布をかけて、みかんはぼくが食べておいた。

980: 2007/12/07(金) 05:01:31.98ID:+wQ3p+s/0
最後に残った文旦を一かけ賭けてじゃんけんぽん。

君はただぼんやりと、手を動かしているだけだから、その気はないのにいつも後出し。
でもただぼんやりと、手を動かしているだけだから、勝ってしまうのはなぜかぼく。

勝ったあとうっかりしばらくこっちがぼうっとしていたら、
負けたことなどふんわりどこか流れていってしまったか、
ぼうっとしていてそれでいて、無駄のない動きでさりげなく、伸びてきた手が文旦つまんでそのまま口に。

982: 2007/12/07(金) 05:04:14.39ID:+wQ3p+s/0
ほうっておくとぼんやりしたままどこに行ってしまうかわからない君。

初めて行った街の中で偶然君を見かけたときは、さすがにぼくも驚いた。
しかも君は、ただぼんやり歩いていたらいつの間にかここにいたという。

心配だからちゃんと考えて行動してといったところで
ぼくたちのいるこの銀河自体が
君と同様、特に何も考えず、ぼうっとしたまま宇宙をほっつき歩いてるんだから
たぶん、どうしようもないことなんだろう。

987: 2007/12/07(金) 05:08:22.15ID:+wQ3p+s/0
どことなく機械じみた重低音で鳴く春の夜の虫。

夏の重さも秋の遠さもないかわり、どことなく意図の掴めぬ不気味さただよう。

こんな夜は必ず君と一緒に歩こう。
君みたいにいつもぼんやりしていると、春の虫がきっとどこかにさらっていってしまうだろうから。

989: 2007/12/07(金) 05:10:10.27ID:+wQ3p+s/0
空が風を止めた日に、ならば微力ながら私が起こしてみせましょうかと綿虫が舞う。

木漏れ日の下、ぼうっとしていた君の足が
綿虫の風に招かれ回遊し始め

ぼんやり歩く君のまわりに風は集まり
仕方なく、空も再び風を吹かせる。

得意そうな綿虫のうしろ
大きな仕事を成し遂げた君は、誇るでもなく風の吹くまま気の向くまま、
あっちをふらふら、こっちをうろうろ。

991: 2007/12/07(金) 05:12:26.12ID:+wQ3p+s/0
闇を歩く君が見上げているのは、星のない夜にひとりぼっちのお月さま。

ぼんやりしている君が目印にするには、お月さまのほうだってちょっとぼんやりしすぎじゃないか。

ぼくは君に寄り添っていく。
毎夜同じ空に出るあの月には、誰が付き添ってあげているんだろう。

999: 2007/12/07(金) 05:14:51.39ID:+wQ3p+s/0
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引用: 新ジャンル「まんぼう」