1: 2009/06/04(木) 21:28:27.25ID:0P88oQFt0
澪「あれ……私達さっきまで夏合宿帰りの列車に乗っていたところなのに……」
律「トンネルくぐったらそこはただの街中であった……ってどこだよココ!」
紬「どうやら日本ですらないようですね」
唯「すごい! ムギちゃんよくそんなことがわかるね!」
梓「いや、唯先輩……。さっきから行きかう人たち、どうみても外人ですから」

期せずして見知らぬ街にやってきた5人は、戸惑いを隠せず辺りを見回していた。
すると、

紬「ここ……ロンドンですね」
澪「ロンドンって……あのイギリスの?」
紬「ええ。小さい頃に何度か来たことがあって、見たことのある街並みだなと思っていたので……。
ほら、あの2階建てバスとか」
律「ほえー、さすがにお嬢様は違うなぁ」
唯「イギリス……っていうことはオバマさんとかいるのかなぁ~」
梓「唯先輩、それはアメリカです。って、皆さんそんなことより気にすることがあるんじゃないですか!?」
澪「そうだよ。どうしてまたいきなり外国なんかに……」
映画「けいおん!」【TBSオンデマンド】

2: 2009/06/04(木) 21:29:58.55ID:0P88oQFt0
紬「それに……もう一つ気になることがあります」

そう言って紬は通りを行きかういかにも英国紳士といった風の通行人の一人に声をかけた。

紬「あの~、すみません」
紳士「なんだい、お嬢さん?」

唯「あれ? 英語じゃなくても通じてるよ?」
律「その辺は大人の事情だ。察してやれ」

紬「今って西暦何年なんでしょうか?」
紳士「おやおや、これはおかしなことを聞くお嬢さんだ。今は1967年だよ」
紬澪律唯梓「!!」
紳士「お嬢さんたち、見たところ東洋人かい? 観光にしても東洋人は珍しいな。
まあ、ロンドンはちょっと汚いけど見るべきところは多い街だ。楽しんでいくといいよ」

3: 2009/06/04(木) 21:30:58.39ID:0P88oQFt0
紬「やっぱり……街並みがやけに古めかしいと思ったら……」
澪「私達……タイムスリップしたということ?」
梓「そんなこと有り得るんですか?」
唯「と、いうことは、これはきっと夢だということですね、律ちゃん隊員!」
律「その通りだね、唯隊員! 夢ならば我々がなすべきことは一つ、わかるな?」
唯「モチロンであります!」
澪「そこで互いのほっぺたをつねりあってるアホ二人は置いといて……」
梓「どうしましょうか……。42年も前に来てしまって……」

悪ふざけ隊員二人を置いて、必氏に頭を捻らせる澪と梓だったが、
打開策など浮かぶはずもなかった。すると、

紬「電車……電車だわ!」
澪梓「電車?」
紬「ほら、私達がここに来る時、合宿帰りの列車の中だったでしょう?」
澪「ああ、そうだな……それでなんか長いトンネルを潜ってみたら……って、そうか!」
梓「あの時と同じように電車に乗ってれば、そのうち現代に帰れるかも!」

8: 2009/06/04(木) 21:36:09.28ID:0P88oQFt0


とりあえずはロンドン名物の地下鉄に乗ってみようと決心した5人だったが、ここで重要なことに気付く。

唯「そういえば私達お金……」
澪「持ってないことはないけど……」
梓「2009年時点の日本のお金が1967年のロンドンで使えるわけないですね……」
紬「両替も無理でしょうし……」
律「下手したら偽造紙幣だと思われて捕まるな~」

 万事休すか。意気消沈した5人だったが、

律「なんのことはない! お金がないなら稼げばいいさ!」
唯「でもどうやって?」
紬「見ず知らず東洋人の女の子を雇ってくれるところがあるとは思えませんし……」
澪「楽器を売るとか言うなよ? このフェンダー・ジャズベースは私の命だ!!」
梓「私のムスタングもです!!」
律「それだよそれ! 今の私達にあるのは楽器だけ!
  だったらその楽器を持って、ロンドン中のライヴハウスに乗り込んでやればいいさ!」


7: 2009/06/04(木) 21:34:24.06ID:0P88oQFt0
律の提案は突拍子もないものであったが、
それしか選択肢が残っていないのもまた事実だった。

律「よし! 出演させてくれそうなライヴハウスを探して、交渉しよう!」

そうして5人はロンドンの街を隈なく歩き回った。

律「しかし、あれだな……。42年も前の街なのに、行きかう人間はなんと言うかオシャレだよな」
唯「女の人なんて今より派手な服着てるね(私のTシャツのセンスも負けてないけどね!)」
梓「それにスタイルもいいです……(羨ましいなぁ)」
紬「いわゆるスウィンギング・ロンドン――1967年といえば、この街でポップな新しいファッション文化が花開いた時代ですからね
(あそこのミニスカでショートカットの女の人なんて、脚が長くてモデルみたい……好みだわ♪)」
澪「それに何といってもこの時代のイギリスは音楽も凄いからな。
ビートルズ、ストーンズ、フー、キンクス、ヤードバーズ、ピンクフロイド……」
律「あー、確か澪の好きなジェフ・ベックもこの時代のミュージシャンだっけ」

10: 2009/06/04(木) 21:37:20.11ID:0P88oQFt0
>>7


そんなこんなで5人はロンドンの街並みを楽しみながら、ライヴハウスを探した。
だが、

店主「ああん? ダメダメ。君たちみたいな東洋人の子供を出演させるなんて無理だ」
律「な! けちなこと言うなよなー!」
澪「一曲だけでもいいんです。ギャラも電車代ほどもらえれば……」
紬「元の時代に帰ったらお礼はしますから(金銭的な意味で)」
店主「だからダメだって。そもそも君たちみたいなイ工口ーモンキーの小娘にまともな音楽が演奏できるのかい?」
梓「なっ!」
唯「イ工口ーモンキーって可愛い響きだよね~」
律澪紬「(それはバカにされてるんだよ……!」」

11: 2009/06/04(木) 21:39:05.90ID:0P88oQFt0
結局、そんなこんなでどのライヴハウスでも門前払いだった。
それもそうだろう。
女子というだけでもロックなどできないと思われていた時代で、さらに彼女達は日本人。
1967年の日本といえばロックのロの字も存在しない旧石器時代だったのだから。

梓「これで10件連続門前払いですね……」
唯「私、もう歩けないよ~(ヘトヘト)」
澪「せめて、少しでも私達の演奏を聴いてくれたら……」

?「君達、まさか演奏が出来るのかい?」

すると背後から5人に声をかけた男がひとり。
振り返ればそこにいたのは熊のような大きな図体の、赤鬼のようなイギリス人だった。

律「ななな、なんだーッ!? 私達が可愛いからってどーにかしよーっていう暴漢かー!?」
紬「私の可愛い仲間に手を出すなら……相手しますよ?」
男「いや、怪しいものじゃない。私の名前はチャスだ。とあるミュージシャンのマネージャーをやってる」
澪「チャス……どこかで聞いたことがあるような……」
チャス「ところで君達演奏が出来るっていうのは本当かい?」

13: 2009/06/04(木) 21:40:59.97ID:0P88oQFt0
男の問いに、5人は自分達がハイスクールのクラブ活動でバンドを組んでいること
(もちろん2009年から来たなどということは濁して)を説明した。

チャス「そうか。実はね、僕のマネージメントしてるバンドのギグが今夜あるんだが、メンバー3人のうち2人が急病でね。
    代役のミュージシャンを至急探していたところだったんだ。ベーシストとドラマーなんだけど……」
澪「私、ベース弾けます!」
律「私もドラム叩けるよ!」
チャス「そうか! なら今日のギグの代役、頼まれてくれないかい? 
    勿論タダとは言わないよ! ギャラは払う!」
律澪「!!」

こうして律と澪はチャスという男のいう、とあるミュージシャンのバックとしてギグに代訳出演することとなった。
奇しくもお役御免だった唯、紬、梓も二人につき従い、チャスの案内するライヴハウスへと連れて行かれた。

澪「ここ……マーキー・クラブじゃないか!」
梓「本当だ……私も本で見たことあります!
  ストーンズやフーが出演していたライヴハウス……これが実物……」
律「ただのボロイ建物にしか見えないけどなあ」
唯「マーキーって、何か美味しそうな響きだよね」
紬「とにかく入りましょう」

チャス「これから君達には今日一緒に演奏してもらうギタリストに会ってもらうよ」
澪「本場イギリスのミュージシャンだからな……。きっと相当な手だれに違いないよね」
律「もしかして……めっちゃ怖い人だったりして。
  フレーズ一つミスっただけで『ファック!! テメエ! 二度とベースを弾けねえ指にしてやろうかぁ!?』って」
澪「……怖くない怖くない怖くない怖くない怖くな(ry」

18: 2009/06/04(木) 21:44:34.78ID:0P88oQFt0
そうしてまだ一人の客もいないフロアに通された5人。
するとそこには、巨大なマーシャルアンプの壁を背に、神経質そうな表情でストラトキャスターのチューニングを合わせる、
鳥が巣を作りそうなアフロ頭に、ファッションに目覚めたギリシャの農夫のようなハデな服を着た男がいた。

唯「ギターを左で持ってる……。あの人、澪ちゃんと同じ左利きだね」
澪梓「まさか!!」
律「なんだ、二人とも。あの黒人みたいなギタリストのこと、知ってんの?」
澪「知ってるもなにも……」
梓「知っているというより知っていて当然というか……」
紬「そう言えば前に音楽室にあった雑誌で見たことがあるような……」
チャス「今から紹介するよ。おーいジミ!! 今日の代役、見つかったぞー!」

するとジミと呼ばれた男は、顔をあげるとニコリと白い歯を浮かべて、

男「ワァオ!! 随分とまた可愛らしいバックバンドを見つけてきたもんだ! 
  ……と、今日は急に呼び寄せて悪かったね。俺の名前はジミ。ジミ・ヘンドリックスだ。
  気軽にジミって呼んでくれよ。今日はよろしくな」

と、爽やかな自己紹介をカマしたのであった。

21: 2009/06/04(木) 21:45:44.56ID:0P88oQFt0
澪「本物のジミヘンだ……」
梓「雑誌とテレビの中でしか見たこと無かったです……」
紬「ロックに詳しくない私でも聞いたことがある名前ですね……」
唯「うわ~、このおじさんの頭すごーい!! 実験に失敗した博士みたいだね! 律ちゃん隊員!」
律「その通りだけどな! そういう言葉はもうちょっと場とタイミングを弁えて言え! な? 唯隊員……」
ジミヘン「ははは……おじさんとは酷いもんだ。俺はこう見えてもまだ24だぜ?」

24: 2009/06/04(木) 21:47:57.69ID:0P88oQFt0
ジミヘン「しかし、何度見ても可愛らしいミュージシャンを連れて来たもんだよ。  
     チャス、アンタ、ティーンズアイドルのスカウトに転職した方がいいんじゃないか?
     女の子版モンキーズみたいなので一発当ててみろよ」

澪「すごい……。あのジミヘンが……本物が喋ってる」
梓「ギターを弾く手が……ものすごく……大きいです……」
紬「チューニングしているだけでも凄さが伝わってきましたね」
唯「律ちゃん隊員、あの人右利き用のギターを左で弾いてるよ? よっぽど貧乏なのかな?」
律「唯隊員、そろそろ黙ろうぜ……」

ジミヘン「さて、と。ダベッてる暇もないな。急造のリズム隊のために曲のリハーサルでもしておこうか。
     ベースとドラムはどの子?」
澪律「は、はい!」

ジミに促されるように、澪は背負っていたソフトケースから取り出した愛機のフェンダー・ジャズベースをアンプにプラグインし、
律はステージに備え付けてあったドラムキットに腰かけた。

26: 2009/06/04(木) 21:49:49.08ID:0P88oQFt0
澪「凄い……本物の……60年代のマーシャルアンプだ」
律「こっちなんかツーバス仕様のプレミアのドラムキット!
  こんなのドラムマガジンでしか見たことないよ!」

ジミヘン「それじゃ早速……と言いたいところだけど、君達は俺の曲、知らないよな?」

澪「いや……ちょっとくらいならわかります!
  律、ほら『パープル・ヘイズ』って曲、前にコピーしたことがあるだろ?(まさか42年後にはロックのスタンダードになってるなんて言えないよな)」
律「そう言えば……確かそれと『ファイア』っていう曲もやったよな?」
ジミヘン「ワオ! 知ってるっていうのかい? 俺も有名になったもんだぜ! それじゃさっそく、ワン、ツー……」

 そして雷鳴のような六弦の振動とともに、ジミのギターが歌い出した。

唯「わぁっ、あのアフロおじさん……すごくギターうまいよ?!」
梓「ギターが……咆えてるみたいです……」
紬「律ちゃんと澪ちゃんもよくついて行っていますけれど……次元が違いますね」

27: 2009/06/04(木) 21:51:36.12ID:0P88oQFt0
そしてリハーサル終了後。

律「す、凄い……。この『走りの律』と呼ばれた私がついていくだけでやっとだった……」
澪「私なんかベース弾くのを忘れてギターに聴き惚れちゃった……」

ジミヘン「なかなかだね。ノエルやミッチと比べても悪くない。これで今夜のギグは何とかなりそうだな」
律「!? 本当ですか……?」
澪「あのジミヘンからそんな言葉を貰えるなんて……。お世辞でも嬉しいです」
ジミヘン「本当のことさ。で、そう言えばそこの3人の友達、君達も楽器は演奏するのかい?」
唯「ふえ?」
梓「わ、私達ですかっ?」
紬「あ……はい。私はキーボードを担当しています」
梓「わ、私は……ギターを少々……(ジミヘンの前で自分がギタリストだなんて恐れ多くて名乗れないよ……)」
唯「私もギターだよ~。アフロおじさんと一緒だね♪」
律「唯はなんであんなに自信満々なんだ……」
澪「おそらく知らないんだろう? ジミヘン」

28: 2009/06/04(木) 21:53:32.40ID:0P88oQFt0
ジミヘン「そうか。それじゃ君達も全員、今日のステージで一緒に演奏するといいさ。
     ヘイ、チャス! ギターアンプを追加2台と、ピアノかオルガン、
     彼女達のためにステージにセットしてやってくれないか」

梓「ええええええっ!!??」
紬「……いいんですか? 確かヘンドリックスさんのバンドは通常3人編成では?」

ジミヘン「俺はそういうジャムセッションが好きだからな。
     それに客も汚いニガーを一人見ているより、可愛い女の子を5人見ていた方が、ずっと気分がいいだろう?」

唯「おじさん、面白アフロのくせに話わかるね~♪」
律「(唯はあとで一発殴っておいた方がいいな……)」

31: 2009/06/04(木) 21:55:11.11ID:0P88oQFt0
澪「でも……どうして私達みたいな技術も未熟で……
  ロックのロの字もわからないような東洋人と一緒にやってくれるんですか?」

澪の問いかけに思わず、その場の時間が止まる。
5人の脳裏に、ロンドン中のライヴハウスから門前払いを受けたいやな記憶が蘇った。だが、

ジミヘン「君達は見たところ東洋人だろ? 旅行か何かでイギリスには来たのかい?」
澪「いえ……これには深い事情がありまして……」
ジミヘン「そうか。言いたくないなら無理に詮索はしないけど、ようは俺と君達は同じってことさ」
梓「同じ……ですか?」

ジミヘン「ああ。実は俺はアメリカ人でね。
     イギリスにやってきてバンドを組んだのはほんの数か月前の話さ。
     だから未だに自分がこの国じゃよそ者であるような意識が抜けなくてね」

唯「確かに~。さすがにおじさんみたいな面白アフロの人、なかなかいないもんね~」

ジミヘン「肌の黒い者と黄色い者、どっちもこの国じゃよそ者だ。だから何となく情がわいたのさ――」

律「ヒソヒソ(黒人のミュージシャンなんて……そんな珍しくないだろ?)」
紬「ボソボソ(それは2009年の話で……この時代はまだ黒人差別が色濃く残っていたんじゃないでしょうか?)」

ジミヘン「――というのが半分。あと半分は純粋に君達と一緒にプレイをしてみたかったからだね。
     さっきの二人と演奏して感じたけど、どうやら君達のバンドには技術的に荒削りな面を補って余りあるソウルがあるよ。戦前のブルースシンガーと同じさ」

澪律紬唯梓「!!!!!」

こうして、『ジミ・ヘンドリックス・アンド・桜高軽音部』という一夜限りの夢のバンドが結成されたのであった。

34: 2009/06/04(木) 21:58:17.00ID:0P88oQFt0
そしてその晩。
マーキー・クラブのフロアは、アメリカかやってきた噂の凄腕ギタリストの演奏を一目見ようと押しかけた聴衆で、
立錐の余地もないほどに埋まっていた。
そんな光景を舞台袖から眺めていると、5人は背筋が緊張で縮むような錯覚に襲われた。

唯「凄いお客さんの数だね~……。アフロおじさんって、もしかして有名人?」
梓「!」
律「どうしたんだ、梓?」
梓「あそこの柱の影にいるの……
  ローリング・ストーンズのキース・リチャーズとブライアン・ジョーンズじゃないですか?」
澪「!!」
紬「澪ちゃん?」
澪「向かいの柱の影には……エリック・クラプトンにザ・フーのピート・タウンゼント……
  それにあのジェフ・ベックまでいるぞ……」

超新星ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの噂はイギリスのミュージシャンたちの間でも評判で、
ロンドンでのギグともなれば毎回のように、有名バンドのメンバーがいち聴衆として訪れていたという。

37: 2009/06/04(木) 22:00:37.29ID:0P88oQFt0
澪「どうしよう……私、緊張してきちゃった……(ガクガクブルブル)」
律「やばい! いつもの澪の発作だ!」

このままじゃまともな演奏なんてできやしない。5人の誰もがそう思ったときだった。

ジミヘン「大丈夫。所詮こんなのただのロックンロール、生きる氏ぬの話じゃない」
唯「アフロおじさん……」

ジミヘン「ユイ、キミはソロを取るのは苦手だけど、リズムギターは絶品だ。
     ファンキーなカッティングをキメまくってバンドをドライヴさせてくれ」
唯「がってんしょうち!」

ジミヘン「アズサ、キミには『パープル・ヘイズ』の2回目のソロを任せたい。オーケーかな?」
梓「わ、わ、私でよければ!!」

ジミヘン「ムギ、キミにはオルガンはとってもブルージーでグルーヴィーだ。
     客の膀胱が思わず破裂するようなサウンドを聴かせてやりな」
紬「ビショ濡れにしてみせます♪」

ジミヘン「ミオとリツはさっきのリハーサル通りやってくれればオールオーケーだ」
律「おう!」
澪「……頑張ります」

ジミヘン「さてと、それじゃいっちょ客どものアスホールを蹴り飛ばすようなライヴ、見せてやろうぜ」

そうして5人+ジミヘンはマーキー・クラブのステージに立った。

唯「そういえば……アスホールってどういう意味?」
紬「唯ちゃんは知らなくてもいいことですわ♪」

41: 2009/06/04(木) 22:09:54.27ID:0P88oQFt0
そうして5人はジミヘンのレパートリーを数曲、必氏に演奏した。

そしてジミが最後の曲を強烈なフィードバック音で締めると、
集まった聴衆は一斉に賞賛の声と鳴り止まぬ拍手を送った。

律「すごい……! メチャクチャウケてるよ!」
澪「でもお客さんの賞賛が向けられてるのは……」
紬「明らかにヘンドリックスさんですね」
梓「と言うか私と唯先輩のギター、明らかに要らないくらい凄いプレイでした……」
唯「歯ギターの元祖ってさわちゃん先生じゃなかったんだね……」

42: 2009/06/04(木) 22:14:37.25ID:0P88oQFt0
当初の聴衆はジミのバックとしてステージに登場したのが5人の日本人。
しかもまだ若い女の子であることに酷く当惑したような反応を見せ、中にはあからさまにブーイングを飛ばす者もいた。
しかし、それでもひとたび演奏が始まれば止んだのだ。
まさに音楽に国境や人種の違いは関係ないということか。

すると演奏を終えたストラトキャスターをマーシャルアンプに立てかけ、ジミはゆっくりとマイクに近づいた。

ジミヘン「ヘイ、今夜は素晴らしい夜だぜ。この素晴らしい夜を俺と一緒にエンジョイしてくれたバックバンドを紹介するぜ。
     『サクラコウケイオンブ』の5人、ドラムのリツ、ベースのミオ、オルガンのツムギ、ギターのアズサ、同じくギターのユイだ」

客の半分「ヒューヒュー!!」
客のもう半分「…………」

45: 2009/06/04(木) 22:19:13.45ID:0P88oQFt0
ジミヘン「ここで……だ。
     せっかくの素晴らしい夜だし、彼女達だけの演奏も聴いてみないかい?」

律澪紬梓唯「え!?」

突然のジミのMCに5人は目を剥いた。
だが客の反応は意外によかった。
実際に5人の演奏を聴きたいと思った人間が半分とだとすれば、
もう半分は東洋の島国から来た子供にしか見えないイ工口ーモンキーガールズに
どれだけの演奏が出来るのか、面白半分、お手前拝見という人間だったのだろう。

ジミヘン「オーケー、それじゃ邪魔なムサイ男はステージから消えるぜ」

46: 2009/06/04(木) 22:24:29.83ID:0P88oQFt0
律「ちょ! 私達だけで演奏だって!?」
澪「私達が……ロンドンの聴衆の前で……単独演奏……(あばばばばば)」
紬「さっきの演奏は反応が良かったですけれどあれはあくまでもヘンドリックスさんのおかげでしたし……」
梓「そんな……いくらなんでも無理ですよ……」
唯「アフロおじさん、ドッキリとはやるね~。さてはただの面白アフロじゃないのかな?」

突然の展開に戸惑いを隠せない5人に、

ジミヘン「なぁに大丈夫さ。キミ達の演奏は最高にクールだから。カヴァーでもオリジナルでも何でもいい。
     思い切りカマしてやって、頭の凝り固まった間抜け面の白人どもに泡を吹かせてやりな」

ジミヘンはそう言い残して舞台袖へと消えていった。

48: 2009/06/04(木) 22:27:46.48ID:0P88oQFt0
唯「よ~し! そういうことなら1番、平沢唯! いきます!」
澪「ゆ、唯!?」
律「アイツ……緊張や遠慮ってもんを知らんのか」

唯「それではエゲレスのお客のみなさんに、私の『チャルメラ』を……」
 
そう言って、唯は愛機のレスポールで、彼女にとっては十八番のメロディを弾き出した。だが、

紬「思い切り音が外れていますね……。
  さっきの演奏中にチューニングが狂ったのでしょうか……」
梓「それ以前に選曲としてどうなんでしょう……」

するとさっきまでは熱狂の坩堝にいた半分の聴衆も黙り込む。

唯の演奏に会場は重く沈みこんだ空気になってしまった。

50: 2009/06/04(木) 22:37:26.62ID:0P88oQFt0
唯「むむむ? 『チャルメラ』がわからないなんてエゲレス人には日本の心がないな~」
律「いや、当たり前だろう」
唯「それじゃあせっかく私達、42年後の日本からやって来たんだし、『君が代』でも弾いてみようっと」
梓「そう言えば最近そんなものも練習していましたね」
澪「なんでまたそんな曲を? 右にでも目覚めたか?」
律「いや、どうせいつもの気まぐれだろう……」

唯「それじゃいきます! エゲレス人よ! 日本の心を聴け~♪」

チャーラーチャーラーチャーラーラー……♪

しかし、やはりチューニングが外れていた。

54: 2009/06/04(木) 22:43:33.69ID:0P88oQFt0
唯「ど、どうして~!?」
澪「唯、いくらなんでもその演奏は酷過ぎだ」
律「それ以前に42年前のイギリス人に君が代演奏してどうすんだよ」
唯「だって……スポーツで外国と試合するときとか、テレビで流れててかっこよかったんだもん」
梓「あっ……。クラプトンとベックが帰っちゃいましたよ!」
紬「他のお客さんの空気も悪いです……。どうしましょう……?」

律「こうなったら……一か八かだ! 私達のオリジナルを演ろう!」
澪「でも……この雰囲気の悪くなったお客さんにはたして私達の曲が伝わるのかな……」
紬「大丈夫です! やれるだけやりましょう!」
梓「ここまで来たら後にひけません」
律「そうだ! 何の因果か私達はタイムスリップしてきたんだ!
  だったら、42年前のロンドンの客にも、私達の凄さを見せつけてやろう!」
唯「う~ん、それじゃあもうギターはやめて、私のカスタネットソロを……」
律「お前はもういい」

そんなこんなで気持ちを入れ替えた5人は改めて各々の立ち位置につき、演奏の体勢を整えた。
舞台袖ではジミヘンとマネージャーのチャスが真剣な表情で、5人の姿を見つめている。

56: 2009/06/04(木) 22:48:21.62ID:0P88oQFt0
澪「ろ、ロンドンの皆さん、今晩は……。
  私達、日本からやってきた桜高軽音部です……」
客「…………」
律「(ダメだ……。この重苦しい雰囲気の中で、澪にMCを求めるのは酷か……)」
梓「(でも肝心の唯先輩はこれから演奏する曲のコード進行の確認で忙しいですし……)」
紬「(澪ちゃん、頑張って)」
澪「目の肥えた皆さんの前で、私達のような日本の高校生が演奏するのは……とても恐れ多いです。
  ……でも! 一生懸命演奏するんで聴いてください! 『ふわふわ時間』!!」
律「(お! 開き直った!)」

そして、なんとかコード進行を思い出した唯のドライヴするギターリフに導かれ、5人の演奏が始まった。

57: 2009/06/04(木) 22:51:53.18ID:0P88oQFt0
ふわふわっ タァーイム♪ ふわふわっ タァーイム……♪

律「なんとかやりきったぞ……」
澪「我ながらかなりいい演奏だったけど……」
紬「はたしてお客さんの反応はどうでしょうか……」
梓「う、やっぱり静まり返ったままですね……」
唯「やっぱりここは私のカスタネットソロで……」

だが、しばらくの水を打ったような静寂の後、

客1「ウオーーーーーーーー!!」
客2「アメイジング!!」
客3「ファッキンブリリアント!!」
客4「マリファナ!!」
客5「!!」

地鳴りのような歓声が、マーキー・クラブのフロアを響き渡った。

59: 2009/06/04(木) 22:55:57.86ID:0P88oQFt0
そして演奏を終えた5人は、楽屋で信じられないような興奮をわかち合っていた。

律「すごいよ! 私達やっちゃったよ! 聴いたかあの歓声!?」
澪「うん……。なんか今でも興奮が消えないっていうか……」
紬「思わず膀胱がキュンとしました♪」
梓「まさか私達の曲が42年前のロンドンっ子に受けるなんて……」
唯「あのアフロおじさんといい、やっぱり音楽に国境や人種の壁はないんだよ!」

ジミへン「ヘイ、まさにユイの言う通りだな」

60: 2009/06/04(木) 22:59:52.37ID:0P88oQFt0
すると、にこやかに白い歯を剥き出しにしながら、ジミヘンが5人を労った。

ジミヘン「予想以上だ。素晴らしかったよ。
     初めてロバート・ジョンソンのレコードを聴いた時のような衝撃だった」

澪「いや、それは流石に褒めすぎというか……」

ジミヘン「それにしてもまさか即興のギターソロまでやられるとはな。
     あれはなんて曲なんだい、ユイ?」

律「そこに興味を示すのかよ!」
唯「えーっと、チャルメラのこと?」
梓「いや唯先輩、ジミさんが言ってるのはたぶんもう一つの……」
唯「ああ『君が代』のこと? あれは私達の国でスポーツの試合があると流れる……」
紬「いわゆる国歌、ですね」

ジミヘン「そうか。国歌をギターソロにアレンジして演奏するとは、その発想はなかったな。さすがユイだ」

唯「えへへ~♪ 真似してもいいけど使用料高いよ、アフロおじさん♪」
律「(だからコイツは一体何様なんだろう……)」

62: 2009/06/04(木) 23:03:15.67ID:0P88oQFt0
ジミヘン「で、あの曲凄かったな。何だっけFuwa Fuwa……」

澪「『ふわふわ時間』ですか……?」

ジミヘン「ああ、あいにくと日本語じゃ歌詞の意味まではわからなかったけど、それでも澪の歌からはソウルが伝わってきたよ」

律「(歌詞わかんなくて……逆に良かったかもな)」

ジミヘン「リツのドラムもツムギのドラムもアズサのギターも最高だったぜ。
     アメリカのバンドにもあれだけ熱い演奏できる奴はいないくらいさ」

律「なんか恐縮するな~」
紬「うふふ、お褒めの言葉ありがたく頂戴します」
梓「(あのジミヘンが……私のギターを最高だって……! 私、コーフンしてアタマがフットーしそうだよ!!)」
唯「あ、あずにゃんの頭から煙が……」

64: 2009/06/04(木) 23:05:59.55ID:0P88oQFt0
ジミヘン「で、だ――。
     実はチャスがさっきの演奏を見て、キミ達とぜひ契約をしたいと言い出したんだ。勿論、俺は賛成さ――」

律澪紬梓唯「!!!!!」

ジミヘン「そこでだ、もしキミ達がまだロンドンにとどまると言うならば――」

その先の言葉を制したのは澪だった。

澪「それは本当に嬉しいお話です。でも私達には――」
律「帰る場所があるからな!」
梓「文化祭の練習もしなくちゃいけませんしね!」
紬「イギリスのミニスカ女性も素敵ですけど、私はやはり大和撫子の方が好みですから♪」
唯「エゲレスじゃ美味しいアイスも憂の作るご飯も食べられないからね」

ジミヘン「そうか……。残念だな。でも、帰る故郷があるのはいいことだ。
    それに例えキミ達が海の向こうに帰ってしまったとしても、俺とキミ達は今晩共に演奏した仲だ。魂はつながってるんだぜ?」

65: 2009/06/04(木) 23:10:58.96ID:0P88oQFt0
こうして、夢のようなロンドンはマーキー・クラブでの一夜は終わりを告げた。

翌日、チャスから受け取ったギャラを手に、5人は地下鉄に乗った。

そしてとあるトンネルを潜ると、

律「風景が変わったぞ」
澪「戻ってこれたのか?」
紬「ロンドンのあの曇り空とは違う、この真っ青な空に輝く太陽――間違いなく日本に戻ってこれたようですね」
梓「よかったです……って唯先輩?」
唯「グーグー……」
律「(よくこの状況で眠ってられたよな……)」

そして5人は2009年の日本での日常に戻った。

66: 2009/06/04(木) 23:12:12.69ID:0P88oQFt0
ある日の放課後、いつものように唯達が音楽室でお茶とケーキを囲んでいると、


律「しっかし、あれはまるで夢のような体験だったよな~」
紬「でも夢なんかじゃなかったんですよね」
梓「私、マーキーのステージに立った感触が今でも身体にしっかり残っていますもん」
律「なにせあのジミヘンと私達が共演したんだからな~」

唯「本当、面白アフロだったけどいいおじさんだったよね!
 あのオジサン、42年たった今でもまだギターやってるのかな~。
おじいちゃんになっちゃってるだろうけど、また一緒に演奏したいよね♪」

律紬梓「!!!」

唯「ほえ? どうしたの三人とも……」

梓「唯先輩、実は……」

67: 2009/06/04(木) 23:17:19.15ID:0P88oQFt0
そう、かの伝説の天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスは1970年――5人が遭遇を果たしたその3年後――悲劇の氏を遂げることになるのだ。

唯「そう……なんだ……。あのアフロおじさん、亡くなっちゃってたんだ……」
紬「残念ですけれど、史実ですからね……」
律「ま、その分、共演を果たした私達はレアだってことさ!」
唯「うん……そうだね! あのアフロおじさんが言ってたとおり、『どんなに離れていても魂はつながってる』だもんね!」

澪「た、大変だ!!」

すると、血相を変えた澪が音楽室へと駆け込んできた。

69: 2009/06/04(木) 23:23:21.50ID:0P88oQFt0
律「どうしたんだ澪、そんなに慌てて」
澪「とにかくこのCDを聴いてくれ!」

澪が手に持っていたのは、ジミ・ヘンドリックスのベストアルバムだった。

澪「あの出来事があってから、またジミヘンが聴きたくなって、家のCD棚を漁ってたんだ。そしたら……」

急いで澪が音楽室備え付けのステレオにCDをセットする。
そして、1曲目。
あのストラトキャスターから繰り出される吼えるようなサウンドに導かれ、ジミが歌い出したのは――

『キミヲミテルト イツモハートドキドキ♪ (ギュイーンピロピロピロピロ!!!!)』

律「ブハッ!!」
唯「もう律ちゃん、紅茶吹かないでよ~……って、
  なんか聴いたことがある歌詞だねこれ。カタコトだけど」
紬「この曲……私達の『ふわふわ時間』じゃないですか!」
梓「な、なんでジミヘンがこの曲を……!?」
澪「CDの曲目にもちゃんと『Fuwa Fuwa Time』って書いてあるんだ。
  去年にタワレコでこのCDを買った時にはこんな曲入って無かったはずなのに……」

71: 2009/06/04(木) 23:28:21.66ID:0P88oQFt0
そして澪は続けて、家の本棚から引っ張り出してきたという、
ジミ・ヘンドリックスが生前最後に受けたというインタビュー記事が載っていた音楽雑誌を4人に見せた。

記者『あなたはこれまで古いブルースの曲やボブ・ディランの曲など、
   様々な曲を独自の解釈でカバーしてきましたが、この『Fuwa Fuwa Time』という曲は、誰のカバーなんですか?』

ジミ『それが、正確には誰の曲だかわからないんだ』

記者『と、言いますと?』

ジミ『3年くらい前だったかな。まだ俺がイギリスじゃ無名だった頃、マーキー・クラブでのギグがあってね。
   その時に共演した日本人の女の子達のバンドがやってた曲なのさ』

記者『日本人(笑)ですか? 1970年現在で、ビートルズの劣化コピーのようなロックもどきの歌謡曲バンドしか存在しないらしい日本の人間に
     こんな素晴らしいロックが出来るとは到底思えないんですけれど』

ジミ『でも事実さ。俺は今でもあの晩の彼女達の演奏とこの素晴らしい曲が忘れられなくてね、だからカバーした。
   一回聴いただけだったけどね、あまりにも印象深かったものだから』




72: 2009/06/04(木) 23:31:06.01ID:0P88oQFt0
記者『本当なら凄い話ですね。で、そのバンドは何というバンドなんでしょう?』

ジミ『だからそれがわからないっていうことさ。あの後、すぐに日本に帰ってしまったらしいからね。
   でも確か『サクラコウ……』なんとかとか名乗ってたかな。
   あと覚えているのはメンバーの名前くらいだな。
   リツ、ミオ、ツムギ、アズサにユイ……ま、それがわかったところで今更彼女達を特定しようがないけどね』

記者『それにしてもたった一回聴いただけの東洋人の曲をカバーですか。
   天才ギタリストと呼ばれるあなたの趣向とは思えないのですが』

ジミ『何度も言うようにそれだけ素晴らしい曲だったってことさ。音楽に国境や人種の壁はないんだ。
  彼女達が今どうしているか分からないし、この曲が売れたところで印税すら渡すことが出来ないのは申し訳ないけど、
  俺のハートの中では彼女達とは今でも魂がつながってるんだ』

73: 2009/06/04(木) 23:32:29.13ID:0P88oQFt0
律「な、なんてこった……」

紬「まさか……私達の曲をカバーしてくれるなんて……」

梓「あのジミヘンが……ですよ?」

唯「やっぱりあのアフロおじさん、違いがわかる人だったんだね!」

澪「で、インタビューにはまだ続きがあるんだ」

76: 2009/06/04(木) 23:34:54.00ID:0P88oQFt0
記者『ジミ、あなたの代名詞といえば、1969年のウッドストック・フェスティバルで見せた
   アメリカ国歌のギター独演によるカヴァーでしたね。
   国歌を歪んだギターサウンドで暴力的に演奏する……あの発想には誰もが驚かされたものですが……』

ジミ『正直に白状しようか。実はあれはパクリなんだ』

記者『ええええ!? 本当ですか!?』

ジミ『さっき話した日本の女の子達のバンドのギタリスト、ユイがね、
  あの晩のマーキー・クラブでひどく印象的なメロディをレスポールで弾いていたんだ。
  それで俺は尋ねた。「あれはいったい何なんだい?」ってね。そしたら彼女、「これは日本の国歌だ」って』

記者『つまり、そのユイというギタリストが、国歌を歪んだギターサウンドで演奏するという斬新な発想のパイオニアだったと』

ジミ『その通りさ。ユイは「真似してくれてもいい」って言ってくれたからね。
   この誌面を借りて謝らせてもらうけど、アイデア料すら送れないけど恨まないでくれよ、ユイ(笑)
   ま、とにかく彼女は素晴らしいギタリストだったよ。
   俺の中ではB.Bキングとかエルモア・ジェイムスとかといったギタリストと同格なくらいさ』

77: 2009/06/04(木) 23:36:56.65ID:0P88oQFt0
律「おいおい……マジかよ」

澪「私も最初は自分の目を疑ったんだけどな……」

紬「まさか私達の曲と唯ちゃんのアイデアがこんな形で世に残るだなんて……」

梓「唯先輩……凄いです」

唯「アフロおじさん……ありがとう! でも印税はちょっぴり欲しかったかな♪」

78: 2009/06/04(木) 23:40:06.92ID:0P88oQFt0
音楽室には、澪の持ってきたCDから流れる、
かの天才ギタリストの繰り出す七色の虹のようなギターサウンドが響き渡っている。

紅茶を啜りながら、その心地よさすら感じるサウンドに身を任せていると、
5人の脳裏には1967年、あのロンドンの曇り空の下、酒と煙草の臭いで満ち溢れたマーキー・クラブでのステージで、
一心不乱にギターをかき鳴らすアフロおじさん……もといギタリストの姿が脳裏にフィードバックするのであった。

『フワフワッタァ~イム!!フワフワッタァ~イム! オウイエッ!!(ギュイーンピロピロピロピロ!!)』

唯「アフロおじさん、音楽に国境や人種の壁はないっていうのは本当だったんだね!」



終わり

87: 2009/06/04(木) 23:49:48.07ID:0P88oQFt0
前にどっかのスレで
「けいおん!のキャラが昔のイギリスとかにタイムスリップしたら……」
みたいなネタが書き込まれていたのを見て衝動的に書きました。後悔はちょっとしている。
ジミヘンを使ったのは、澪と同じ左利きだったからという理由だけですね。
それだったらポール・マッカートニーでもよかったんですが。
ちなみに作中で引用した面白アフロおじさんの曲です↓

http://www.youtube.com/watch?v=5hSW67ySCio
『パープル・ヘイズ』
今見るとそう凄くも感じないが、42年前ということを考えると斬新すぎるwww
奇しくもベーシストのノエルの使用機材は澪とのベースと一緒?
せわしないリズムのドラマーもどこか律ちゃんっぽい。
ちなみにこの映像のライヴ会場が、作中でも引用したマーキー・クラブです。

http://www.youtube.com/watch?v=qR50n0pPCbg
『ファイア』
今じゃレッチリのカヴァーの方が有名かな……。

http://www.youtube.com/watch?v=C2bGUeDnqPY
『アメリカ国歌』
もはや擬音で表現することすら難しい変O爆音。
日本人がこれを君が代でやったら怒られるんだろうなぁ。

と、いうわけで支援してくれた皆様、どうもありがとうございました。






引用: 唯「ここは……どこ? え、42年前のロンドン?」