399: 2015/09/05(土) 22:06:33.18 ID:mBi3XWUf0
前回:夕立「ランダウンプレー」
最初から:神通「ランダウンプレー」
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夕立『ただいまっぽい!』
暁『ふぅ、疲れた』
提督『お疲れー、どうだった?』
夕立『んー、いつも通りっていうか……。大したことなかったっぽい』
提督『そうか、相変わらず随分と平和な海域だな』
夕立『今日ね、夕立が一番活躍したっぽい!褒めて褒めてー』
提督『はいはい、よく頑張ったねー』
夕立『雑っぽい!?』
暁『………………』
────き、今日はMVPじゃなかったし仕方ないわよね
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400: 2015/09/05(土) 22:07:37.33 ID:mBi3XWUf0
暁『報告よ、司令官』
提督『おう……、って、夕立は?』
暁『少し被弾したみたいだから入渠中。旗艦は私だから問題ないでしょ?』
提督『もちろん。夕立が飛んでこないってことは、MVPは暁だな?』
暁『ま、まあね。敵が弱かっただけよ』
提督『謙遜?』
暁『一人前のレディなら自慢なんてしないわ』
提督『なるほど』
暁『……で、でももう少し褒めてもいいのよ?』
提督『そこは要求するのか』
提督『んー、どうしよう……。なんかある?』
暁『そ、そうね』
────でも、MVPでも結局言えない
401: 2015/09/05(土) 22:08:13.95 ID:mBi3XWUf0
暁『あ、そうだ!ランチとかどう?』
提督『そんなんでいいのか?』
暁『司令官の奢りで』
提督『えー』
────こんなの、そんなに望んでもないのに
402: 2015/09/05(土) 22:08:47.39 ID:mBi3XWUf0
暁『なによ、ご褒美なんだしそれくらいはいいでしょ?』
提督『冗談だよ、冗談。じゃあそうだな……、30分後に』
暁『わかった、楽しみにしてるからね』
────また今日もダメなのかな?
403: 2015/09/05(土) 22:09:16.38 ID:mBi3XWUf0
提督『よし、じゃあそういうことで。被害は夕立の被弾だけ?』
暁『うん』
提督『なるほど。それなら特にこれといった報告はなくていいよ』
暁『…………わかった』
暁『あ、ランチだけどお子様ランチは認めないからね?』
提督『ほう、出てくると美味しそうに食べるくせに』
暁『お、美味しいんだもん!仕方ないでしょ』
────それとも
405: 2015/09/05(土) 22:10:05.09 ID:mBi3XWUf0
暁『とにかく司令官と同じのでいいんだからっ』
提督『わかったわかった』
暁『絶対よ?』
暁『じゃあ準備してくるから』
提督『ああ、お疲れ』
暁『失礼しました。……また来るけど』
────もう、ずっとダメなのかな
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406: 2015/09/05(土) 22:10:37.83 ID:mBi3XWUf0
提督「『頭をなでなでしないでよ』って最近言わなくなったよな」
暁「撫でられてもないのに言わないわよ」
提督「あ、それもそうか」
提督「撫でると暁が機嫌悪くなるから」
暁「……べ、べつにそんなことないし」
提督「でも撫でるなって」
暁「あ、あれは…………」
407: 2015/09/05(土) 22:11:15.53 ID:mBi3XWUf0
もう言い訳なんてしても無駄なことはわかっている。きっと本気にされずに、軽く笑って流されるだろう。
それでも、色んな手段を試してみたつもりだ。
帽子を脱いで過ごしてみたこともあった。ちょっとわざとらしく差し出してみたこともあった。躍起になってたくさん活躍したり、秘書に名乗り出て随分と遅くまでお手伝いしたり。褒めてもらえばいつかは撫でてもらえると思って、必氏になっていた。
でも意識してやったことはぜんぶ不発。司令官は、撫でると私が怒ると思っているみたい。
べつに撫でるから怒るわけでもないし、そもそも怒っているわけではない。ただ……、
人前で撫でられるのが恥ずかしいだけ。たったそれだけのプライド。いっそ捨てちゃえば楽なのかも。
夕立はいいな、といつも思う。人前でも恥ずかしがらないからだ。だから司令官も日常的に、なんの抵抗もなく撫でていられるのだろう。
でも私は違う。人前で撫でられることを恥ずかしがって、まるで怒っているような言動を取ってしまう。司令官にも気を遣わせちゃってるし、周りから見たって怒っているようにしか見えないんだと思う。
それが原因で、二人だけの時ですら司令官の手が頭に乗ることはなくなっていった。希望も言えず、強がって、気を遣わせて……。なんだかバカみたい。私が目指してた『一人前のレディ』ってこういうことなのかな?
そうだとしたら…………
もう、一人前のレディなんてプライドは要らない。
もう、ずっと子供のままでいい。
まだ間に合うなら、今からでもやり直したい。
それで素直になって、司令官にもっと知ってもらうんだ。そうすれば楽になるはず。とにかく今ほど悩むことはない。
夕立はこういう悩みなんてないんだ、きっと。活躍できなかった日も、出撃しなかった日だってお構いなしに飛びついていける。私がやっても驚かれて終わり。そういうふうに自分で作っちゃったんだから自業自得だ。
少なからず夕立を羨ましいと思っていた。いつか司令官ごと持っていかれちゃうんじゃないかって、そう思ってた。
だからあんな言葉が出てきたのだろう。誰がどう見ても私が原因、私が発端。でも少しくらい大目に見てくれてもいいと思う。
結果的に、みんなで幸せになる発端なんだから。
408: 2015/09/05(土) 22:11:41.73 ID:mBi3XWUf0
暁「ねえ司令官?話変わるけど、最近書類が少なくて楽でしょ?」
提督「え?ああ、うん。なんでだろうな」
暁「敵がいなくなっちゃったしね」
提督「もともと多くないから……。前線はもっと多いのかもしれない」
暁「同期さんの鎮守府とか?」
提督「あー、あいつのとこもそうかも」
暁「…………そういうところって、戦闘に集中するために執務は後方の鎮守府に流したりするみたいよ」
提督「ありそうな話だ」
暁「────そこが壊滅したりすると、一気に減るんだって」
提督「……………………まさか」
暁「まさか、だといいけど」
提督「…………………………」
409: 2015/09/05(土) 22:13:45.87 ID:mBi3XWUf0
引用: 神通「ランダウンプレー」



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