612: 2016/05/26(木) 17:42:33.89 ID:Zxl9eCpU0


前回:三日月「もっと……もっと頑張らないと……私は」電「……三日月ちゃん」【第十五夜】

最初から:三日月「もっと……もっと頑張らないと……私は」電「……三日月ちゃん」
「艦これ」運営鎮守府 公式カレンダー二○二六

電「……ん……ぅ……?」

電(あれ……?)

菊月「……あぁ、ようやく起きたか」

電「き、菊月さん……?」

菊月「……鎮守府に向かっていた深海棲艦から奇襲を受けたんだ」 ボタ、ボタ

電「!? き、傷が!!」

電(そうだ、電……菊月さんに助けられたんだ)

電「な、なんで電のこと……」

菊月「……身体は勝手に動くものなんだ。貴様は…………妹の大切な友人だからな」

電「…………」

菊月「……一緒にいたイ級は撃退できたんだが、あれは厳しかった……」

ヲ級「…………」

電「ヲ、ヲ級……?」

菊月「……奇襲を仕掛けて来たのはあれの空爆だ。……無事でよかった」

電「…………あ、ありがとうございました」

菊月「…………」

菊月「恐らくだが、司令官達から通信が途切れたのはこいつが原因だ。……空母だったら、直接乗り込まなくとも攻撃できる。……無事だと信じたいがな」

電「し、司令官さん……!!」

菊月「……鎮守府までもう間もなくだ。こいつを何とかするぞ」

電「……は、はい!!」

菊月「……私と協力するなんて……色々と思う事はあるかもしれない」

電「…………」

菊月「……けど、今は……協力してくれ。……頼む」

電「あ、当たり前なのです!」

菊月「……感謝する」

ヲ級「…………」 スッ

菊月「来るぞ!」

電「……はい!!」

613: 2016/05/26(木) 17:43:40.91 ID:Zxl9eCpU0

提督「おい!! しっかりしろ!! ……大佐!!」

提督(くっそ!! ……まさか、空爆されるとは思わなかった!! 通信することに夢中になり過ぎていた……くそ!!)

提督「……どうして俺の事を助けた!!」

前提督「…………」

提督(くっそ……血が、止まらねぇ!!)

妖精さん「テ、提督!! 消化作業終ワリマシタ!!」

提督「あぁ、ありがとう!! 天井が空いたおかげで煙が残らなくて幸いだったな……通信機の方は直せそうか!?」

妖精さん「ヤ、ヤッテミマス!!」

提督「頼む!!」

妖精さん2「……コ、コレハ……モウ、厳シソウデスヨ……提督」

提督「諦めんな!! 応急手当だけでもなんとかしなければこいつはこのまま……!!」

妖精さん2「ダ、ダッテモウ……両足ガ……ソレニコノママダトマタ深海棲艦カラ空爆サレル可能性モ!!」

提督「……どこにいたってそんなのは同じだ。やれることはやろう。協力してくれ……頼む!!」

妖精さん2「……了解シマシタ」

提督「……こんなやつでも、慕ってくれている部下はいるんだ。無事を祈っている奴らが、いるんだ!!」

提督「それに、俺はまだアンタとのしたい話がたっぷりあるんだ!! だから……氏ぬんじゃねぇ!!」


614: 2016/05/26(木) 17:46:20.61 ID:Zxl9eCpU0

菊月「はぁ、はぁ、はぁ……!!」

電「はぁ、はぁ、はぁ」

ヲ級「…………ドウシタノ? モウ、終ワリ?」

電(分かってはいたけれど……まったく攻撃が通らないのです)

菊月(イ級とは比べ物にならない強さだ。こっちの攻撃は通らないのに……!!)

ヲ級「……ソロソロ沈ンダ方ガ楽ダヨ?」 スッ

 ピュンピュン!!

菊月(来る!!)

 バァンバァンバァンッ!!

電(艦載機が多い……!!艦攻と艦爆の両方が来るから常に動き回りながら対空しなければいけないのです。……厳しい)

 ボカァァン!! ボカンッ!!

電(対空が成功しても、こっちの攻撃は効かない。オマケに弾も減っていくし、疲労は溜まっていくばかりなのです!)

菊月「いけぇ!!」 バァンバァン!!

 ドカンドカァァン!!

ヲ級「……避ケルノガメンドクサカッタカラ当タッテアゲテタケド……チョットムカツイテキタ」 ギロ

菊月「……クソッ」

電「…………」

電(どうすれば、どうすればいいのだろう)

菊月「……魚雷しかないだろうな。駆逐艦の必殺技の様なものだ。奴を倒すためには、魚雷しかない」

電「え?」

菊月「どうすれば奴を倒せるか考えていたのだろう? ……私も同じことを考えていた」

電「…………」

菊月「ただ、魚雷はそうそう当たってくれないだろう。だから――」

電「ふふ……!!」 プルプル

菊月「へ?」

615: 2016/05/26(木) 17:47:09.39 ID:Zxl9eCpU0

電「ひ、必殺技って……き、菊月さんが言うとは思わなかったのです……ふふふふふ……!!」 プルプル

菊月「な!! こ、こんな時にそんなことで笑ってるんじゃない!! い、良いだろ別に!!///」

電「ご、ごめんなさいなのです……けど、ちょっと面白くて」

菊月「……くぅ、な、なんなのさいったい……!!///」

菊月「というか、貴様は私の事嫌っているのだろう!? わざわざこんな事気にして笑うんじゃない!」 プンスカ

電「……嫌ってる?」

菊月「あぁ!」

電「別に、嫌いではないのです」

菊月「は?」 ポカーン

電「菊月さんの事は、確かに許せません。けど別に、嫌いなんかじゃないです」

菊月「…………」

電「菊月さん」

電「迷っていても、何も解決しないのです」

電「……三日月ちゃんと、正面から会話してあげてください。行動するべきなのです。逃げているだけじゃ、何にも解決できないのです」

電「三日月ちゃんはきっと、行動できたから……夕立ちゃんと仲直りできたのです」

菊月「!!」

電「……菊月さんが良い人だって事は、分かりましたから」

菊月「…………」

菊月「電」

電「……はい、何ですか?」

菊月「ありがとう」

菊月「必ず、生き延びるぞ。轟沈は嫌だからな」

菊月「それに……三日月に、謝りたい。あと、一人で抱え込み過ぎだって、怒ってあげないとな。……はは……やりたいこと、たくさんだ」 ニコ

電「!! ――はいなのです!!」

616: 2016/05/26(木) 17:47:53.15 ID:Zxl9eCpU0

ヲ級「……作戦会議ハオシマイ?」

菊月「わざわざ待ってくれるなんて余裕のある奴だな」

ヲ級「……? タカガ駆逐艦ガ二隻イタトコロデ、ドウトデモナルモノ」

ヲ級「楽ニ、楽シマセテネ?」

電「いえ、楽しませないのです。勝つのは、電達なのですから」 バッ

菊月「……駆逐艦を、甘く見るなよ!!」 バッ

617: 2016/05/26(木) 17:48:54.97 ID:Zxl9eCpU0

 ザザー!!

三日月「ポイント1-1、そろそろ抜けます!!」

三日月(ダメだ、通信機も繋がらない。電ちゃん、菊月……金剛さんも司令官も無事でいて!!)

夕立「!! 神通さん、三日月ちゃん!! あれ!!」

 ザーザー!!



金剛「はぁ、はぁ、はぁ」

金剛「ごっほ……ごほ!!」 ヨロヨロ

ル級「…………」



三日月「!! 金剛さぁぁぁぁぁん!!」

神通「ル級が一隻……まずいです……!! 金剛さん!!」



ル級「…………」 ガチャリ

金剛(ま、まずい……身体、動かない……。クラクラもする)

金剛「……はは……動け……動きなさい金剛ッ!!」

金剛「――ッ!! ゲッホ!! ゲホ!!」 ボタ、ボタ

金剛「……ファック……」



三日月「ッー!! 神通さん!! 私を思い切り投げてください!! 夕立ちゃんを投げたときみたいに!!」

夕立「ぽい!?」

神通「……分かりました」

神通「本気で投げますから、気を付けてくださいね?」 ガシッ

三日月「はい、お願いします!!」

神通「行きます……でぇええええええええいッ!!!!」 バッ

618: 2016/05/26(木) 17:50:00.31 ID:Zxl9eCpU0

 ブオオオオオオオオオオオオンッ!!!!

三日月「――――ッ!!」 ガシ

三日月(魚雷を上手く、ル級の近くに!!)

三日月「っええぇぇぇぇぇいッ!!」 ブンッ!!

 空中で無理やり身体を動かしたからバランスが崩れ始める。感覚が変だ。どっちが上だか下だか分からなくなる。――けど、そんなの関係ない。

三日月(角度計算、着弾時間計算、風向き計算……!!) チャキ

 ――撃ち抜く。

三日月「ッッッ!! 今ッ!!」

 バァァァァンッ!!




 シュルシュルシュルシュル!!

ル級「!?」

 ――カンッ!!   ――ドカアアアアアアアアアアンッ!!

ル級「ッ――――――ァッ!?」

金剛「!?」

619: 2016/05/26(木) 17:53:00.70 ID:Zxl9eCpU0

 バシャーン!!

三日月「いッたたぁ……ッあ、当たった!!」 バッ

 頭がくらくらする。けど、私はすぐに立ち上がる。

三日月(魚雷は、ル級の近くで爆破させることができたみたいね……目くらましできたこのチャンスに!!)

三日月「金剛さんッ!!」 ザザッ

金剛「ヅ、ヅッキー!!」

三日月「ま、間に合ってよかった、です!!」

金剛「……ごめんネ。逆に助けに来てもらっちゃっタ……」

三日月「何言ってるんですか!! 仲間なんですから、当然です!!」

金剛「ヅッキー……!!」

ル級「……ッ!!」 ギロ

三日月「…………金剛さんを傷つけた分は、しっかりと……仕返しさせていただきますからね」 ギロ

ル級「!?」

 ザッ

神通「えぇ、そうですね」

夕立「数の暴力っぽい!」

金剛「アナタ達……」

神通「……さぁ、三日月ちゃん。夕立ちゃん」

神通「久しぶりのチームプレイですが、相手はたったの一隻です。即座に撃退しますよ。……やれますね、二人とも」

三日月「はい!!」

夕立「っぽい! 今実弾なのは夕立だけだから、トドメは任せてくださいっぽい!!」

神通「えぇ、任せます。……では、行きますッ!!」

三日月・夕立「はいっ!!」

622: 2016/06/02(木) 16:48:47.75 ID:FeJDxbnI0

電「電の本気を見るのです!!」 ブンッ!!

 キィィィィィンッ!!

ヲ級「ッ、ウッザイナァ……」

菊月「電、一旦離れろ!!」 チャキ

電「っはい!!」 バッ

菊月「全弾、持ってけぇぇぇえええええ!!」 バンバンバン!!

 ポンポンポンッ!!

菊月(イカリを武器にして接近するなんて、考えたな電)

菊月(砲撃と魚雷の同時撃ちだ……!!)

ヲ級「チッ」

電「なのです!!」 バンバン!!

ヲ級「な!?」

 バシャーンバシャーン!!

ヲ級(狭叉弾……!!)

ヲ級「本当ニ、メンドクサイ……」

電・菊月「いっけええええええええええええッ!!」

ヲ級「ッ!! ミンナ!!」

ヲ級「ワタシヲ守ッテ!!」

電「な!?」

 ピュンピュン!! バシャンバシャン!!

菊月(艦載機が海の中に!?)

ボシャンボシャアアアアアアアアアンッ!!

ヲ級「……ハァ……大切ナ艦載機ガ……」

菊月「……ははは……」

電「……めちゃくちゃなのです」

ヲ級「……メチャクチャ?」

ヲ級「アナタ達ノ方ガメチャクチャジャナイ」

623: 2016/06/02(木) 16:49:51.84 ID:FeJDxbnI0
菊月「は……?」

ヲ級「ナンデ人間ノ味方ヲシテイルノ?」

電「え……?」

ヲ級「人間ハ、悪ダヨ」

電「あ、悪……?」

ヲ級「人間ハ全テヲ荒ラス存在」

ヲ級「人間ハ争ウ。人間ハ全テヲ汚ス」

ヲ級「人間ハ戦イノ原因ニナル」

電「!?」

ヲ級「ワタシ達ハ人間ヲ滅ボスタメニ生キテイル。アナタ達ハ人間ヲ守ルタメニ生キテイル。……私達ガ戦ウノッテ、人間ガ原因ニナッテイルジャナイ」

電「…………」

菊月「…………」

ヲ級「ネェ」

ヲ級「艦娘ハナンデ人間ノ味方ヲシテイルノ?」

624: 2016/06/02(木) 16:50:52.59 ID:FeJDxbnI0

菊月「じゃあ、逆に聞くがなぜ貴様らは人間を襲うんだ?」

ヲ級「知ラナイ」

菊月「……ふざけ――」

ヲ級「別ニ、フザケテナンカイナイヨ」

ヲ級「本能ガ叫ブンダヨ」

ヲ級「人間ヲ殺セ、滅ボセ、海ヲ取リ返セッテ」

菊月「人類だって、海を貴様らから取り返すために戦っている」

ヲ級「戦ッテイルノハアナタ達ジャナイ」

菊月「ッ!!」

ヲ級「人ノ作ッタ普通ノ軍艦ナンテ、イ級一隻デ潰セル」

ヲ級「ダカラコソ、人類ハアナタ達ヲ生ミ出シタンダ。違ウ?」

電「……分からないのです」

ヲ級「……ホウ?」

電「電達は……艦娘なのです。電は、艦娘が何なのか、いまだによく分かっていないのです。私達は人間? それとも、兵器? ……分からないのです。きっと、それはみんな同じなのです」

菊月「…………」

電「けど、電は人間なのです」

ヲ級「……アナタ達ハ人間ジャナイ」

電「いえ、人間なのです」

ヲ級「ドウシテソンナコトガ言エル」

電「私達艦娘の事を、人間だと言ってくれる方がいるからなのです」

ヲ級「…………」

電「電は……私は、その人の言葉を信じているのです」

電「だから、私は人間なのです」

電「だから……人間として、人類を守りたいのです」

625: 2016/06/02(木) 16:52:08.25 ID:FeJDxbnI0

菊月「電……」

ヲ級「……ハッ」

ヲ級「守リタイ? 人間ヲ? アナタノソノ今ノ感情ッテヤツモ、人間ガアナタニ刷リ込マセタモノナノカモシレナイノニ?」

電「はい」

ヲ級「……人間ハアナタ達ヲ利用シテイルヨ?」

電「それでも、構わないのです。誰かを守れるのなら、それでも、いいのです」

ヲ級「……ホラ、メチャクチャナノハアナタ達艦娘ジャナイ」

ヲ級「傷付クノハアナタ達ダ!! 人間ハソノ間何ヲシテイル? ノウノウト生キテルダケジャナイ」

ヲ級「ナゼ戦ウ? ナゼ守ル? 全テノ害悪ト化シテイル人間ナンカナゼ守ル!!」

ヲ級「“消耗品”トサレテイルアナタ達ガ、ナゼアノクズ共ヲ守ル必要ガアル!!」

電「人間が全員ひどい人達とは限らないのですッ!!」

電「色々の人がいます。ひどい人だって、たくさんいる……でも、電達が何もしなかったら、優しい人だって……氏んでしまいます。電達にしかできないことなのです」

ヲ級「…………」

電「……『本音を言うと、君達を戦わせることは非常に心苦しいよ。……私達が言っていいことでは無いかもしれないが、怪我だけはしないようにな』……」

ヲ級「…………」

電「私の司令官が言ってくれた言葉なのです」

電「この言葉だけで……電は充分なのです」

電「電は、戦うのです。……全てを、守るために」

ヲ級「……メチャクチャ通リ越シテル。馬鹿ダネ、アナタ」

電「……知っているのです」

電「……菊月さん、今から言う事……聞かなかったことにしてください」

菊月「へ?」

電「……ヲ級さん」

電「電は、戦争には勝ちたいけど、命も助けたいのです」

626: 2016/06/02(木) 16:53:41.95 ID:FeJDxbnI0

ヲ級「……ハ?」

電「電は……あまり戦いたくはないのです。……できれば助けたいのです」

電「……それが“人類の敵”である、あなた達であってもなのです」

ヲ級「……何ヲ言テイルンダアナタハ」

ヲ級「……今コウシテワタシノ邪魔ヲシテイルノニ?」

電「……はい」

ヲ級「……笑ワセルナ」

ヲ級「ドウヤッテ助ケルンダ? コノママワタシニ殺サレルカ?」

電「いえ、そういうわけにはいかないのです」

ヲ級「ッー!! アナタノ言ッテイル事ハ矛盾シテイルンダヨ!!」

電「知っているのです。電は、あなたが言うように馬鹿なのです。助ける明確な方法もいまだに見つけられていないのにこんなことを言う馬鹿なのです」

電「けど、自分の気持ちに嘘は付けないのです」

電「戦わなければ守れない。戦えばあなた達を助けられない。けど、何もしなければ誰も助けられないし、あなた達も助けられない……」

電「何もできないのが……一番つらいのです。だから、電は……強くなることを誓いました。全てを守れるように、助けられるように」

ヲ級「…………本当ニ馬鹿ダネ、アナタ」

電「……知っているのです」

菊月「…………」

ヲ級「…………」

電「……ヲ級さん、退いてください」

電「……多分、もうすぐ電の仲間が助けに来てくれる気がするのです。今は……退いてください」

ヲ級「…………ハハハ」

ヲ級「退クワケナイデショ?」

電「……ですよね。知ってたのです」 カチャ

ヲ級「構エルンダ」

電「退かないのなら……戦うしかありませんから。まだ、電は……あなたも救えるほど強くありませんし、やり方も見つけることができていません。だから今は……」

電「……あなたを倒して、皆を守るのです」

ヲ級「……ソウ」

ヲ級「デモ、モウ遅イヨ」

電「へ?」

ヲ級「タイムリミット」

 ドォォォォォォンッ!!

電「あっ」

――ドカアアアアアアアアアアンッ!!

627: 2016/06/02(木) 16:54:57.07 ID:FeJDxbnI0

ヲ級「ガッハ……ァッ!!」

電「ッ!!」

菊月「……砲、撃……?」





金剛「……はは、命中デース……」

三日月「電ちゃん!!」

夕立「菊月ちゃんも無事っぽい!」

神通「この距離で当てるなんて、さすが戦艦ですね。……急いで彼女達の元へ向かいましょう」




電「金剛さんに……三日月ちゃん!!」

菊月「……皆、無事だったみたいだな……よかった……」

電「――!! ヲ級さん、あなた……まさか……砲撃が来るって事……」

ヲ級「……ゲホ、ゲホ!! ……サァネ。……馬鹿ナ話シテタラ避ケソビレチャッタヨ」 大破

電「……な、なんで……」

ヲ級「……ナンデアナタガソンナニ困惑シテルノ? 本当ニワケガワカラナイ艦娘ダ」

ヲ級「ゲッホ!! ゲホ!! ……アァ、コレハ助カラナイワ。艦載機モ出セナイシ、終ワッタネ」

菊月「…………」

ヲ級「ネェ、ソコノサッキカラ何モ話サナイ駆逐艦」

ヲ級「アナタハ何デ戦ウ? ナゼ人間ナンカ守ル?」

菊月「……それが私の……艦娘の……使命だからだ」

ヲ級「……マァ、ソレガ普通ノ回答ダヨネ。ヤッパオカシイヨアナタ。今マデ見タコトナイヨ、アナタミタイナ艦娘」

電「…………」

ヲ級「駆逐艦イナヅマ」

電「!!」

ヲ級「アナタノヤロウトシテルコトハ、タダノ自己満足ダヨ。タダノ綺麗事デモアル」

ヲ級「ケド……コノ不毛ナ争イヲ終ワラセルタメニハ、アナタミタイナ馬鹿ガ必要ダ。キット、必要ニナル」

電「…………」

ヲ級「……トドメヲサシテ。サスガニ、苦シクナッテキタ……至近距離デ頭ヲ撃タレタラ、満身創痍ノワタシハ多分沈メルハズ」

628: 2016/06/02(木) 16:55:48.29 ID:FeJDxbnI0

菊月「……」 チャキ

電「菊月さん、電にやらせてください」

菊月「…………わかった」

ヲ級「……イナヅマ」

電「はい」

ヲ級「…………アナタッテ、本当ニ馬鹿ナンダネ」

電「はい」

ヲ級「…………敵ヲ倒ス時ニ泣ク奴、見タコトナイヨ。感情ガアル艦娘ッテ、メンドクサイネ本当ニ」

電「……それなら、あなただってさっき怒鳴ってたのです……あれも、感情なのです……!!」 ボロ、ボロ

ヲ級「……アァ、ソッカ……」

ヲ級「ワタシ達ニモ感情ッテ……アッタンダ」

電「…………ごめんね……!!」 チャキ

ヲ級「……本当ニ、馬鹿ナ艦娘ダ。戦場ニ出テクルタイプジャナイ……」

ヲ級「……………………今度生まれ変わった時には、あなたみたいな優しい友達がほしいな」 ニコ

電「ッ――――!!」

 バァンッ!!


629: 2016/06/02(木) 16:57:13.49 ID:FeJDxbnI0

電「…………」

菊月「…………」

電「……菊月さん」

菊月「……なんだ?」

電「…………周りの人にこの事を話しても、別に……構わないのです」

菊月「……話す必要性がないな。それに……私は何も聞いていない」 ガシ

電「…………」

菊月「……泣くな。敵を撃って泣くなんて、相手にも、沈められた仲間たちにも失礼だ」 ナデナデ

電「……はい……」 ボロ、ボロ

菊月「…………けど、まぁ……奴はきっとお前に救われたと思う」

電「…………」

菊月「……最後に見せたヲ級の笑顔は、電にしか作ることはできない。きっと、艦娘の中で、お前にしか作ることができない笑顔だ。私には分からない気持ちだけど、お前のその気持ちは絶対に忘れてはいけないものだ」

電「……はい……」

菊月「……きっと、アイツ……深海棲艦の心を、電は助けることができたはずだ。……きっと、な……」

電「はい……はい……!!」

菊月「……戦いが苦手だろうに……よく頑張ったな……」 ナデナデ

電「……ごめんなさい……!!」 ボロボロ

菊月「……三日月達がここに来るまでに、泣き止むんだぞ」 ナデナデ


三日月「もっと……もっと頑張らないと……私は」電「……三日月ちゃん」【第十七夜】

引用: 【艦これ】三日月「もっと……もっと頑張らないと……私は」電「……三日月ちゃん」