1: 2012/12/26(水) 01:03:56.10 ID:6vkT7jwQo

2: 2012/12/26(水) 01:04:30.27 ID:6vkT7jwQo
【都内某所・765プロ事務所】

P「じゃあいくぞー。じゃん、けん……」

春香・P「ぽんっ!」パッ

春香「……やった!また私の勝ちですね!」

P「ああ、やられたよ。勢いがあるアイドルは違うな」

春香「えへへ……」

千早「……」

P「千早もやるか?」

千早「あ、いえ……私は……」

春香「そうですよ、プロデューサーさんはじゃんけん弱いんですから。やめときましょうよ!」

千早「えっ、春香、あなたまだ……」

P「そうだなー、俺弱いもんなー。じゃあやめとくか、また負けるしなー」

千早(驚いたわ……わざと負けてくれている事にまだ気付いて無いなんて……)

春香「よっし、今日も気持ちよく帰れますよ!それじゃお疲れ様でした!」

千早「待って春香。私も今帰るから……プロデューサー、お疲れ様でした」

P「おう、お疲れ。……ああ、二人とも。ちょっと待った」

3: 2012/12/26(水) 01:05:10.31 ID:6vkT7jwQo
春香「はぇ?なんですか?」

P「いや、ちょっとな。最近、あんまり良くない噂が多いから注意しろよ」

千早「良くない噂、ですか?」

P「ああ。ほら、あの……失踪事件の話、知ってるだろ?」

春香「あー……ニュースもそればっかりですもんね。密室で消失がどうとか……」

P「うん、だからまぁ、一応注意しておいてくれって言おうと思ったんだ。物騒だからな」

春香「はーい、わかりました!」

千早「心配しなくても、春香はちゃんと私が見てますから」

P「そうか。任せたぞ」

春香「えっ、なんで私だけ……」

P「日頃の行いの差かな」

千早「そういう事ね」

春香「うぅ……ふたりともひどい……」

千早「さ、帰りましょう。それでは失礼します」ガチャッ

春香「また明日ですね!」

P「ん、また明日ー」バタンッ

P「……さて、もう一仕事だなー」

……。

4: 2012/12/26(水) 01:05:48.01 ID:6vkT7jwQo
春香「うわっ見て見て千早ちゃん、息真っ白!」

千早「そうね。この季節は乾燥しているから、喉には気を使わないといけないわよ、春香」

春香「マスクして歩こうかなぁ。ほら、芸能人っぽいでしょ?変装ってさ」

千早「っぽいじゃなくて芸能人なんだから、変装していても誰も不思議には思わないと思うけれど」

春香「でも、私これで歩いてても誰にも気付かれないんだよ……オーラ無いのかな……」

千早「私は何度か声をかけられた事もあるけど……」

春香「うそっ!?どうやったの!?」

千早「何もしてないわ。ただ歌を聞いてくれていると言ってくれただけ」

春香「羨ましいなー、千早ちゃん……」

千早「春香だって、これからきっといろいろな所で気付かれるようになるわ」

春香「そうかなぁ。私じゃ駄目かも……」

千早「そんな事無いわよ。今にきっと……!?」リィィィイン

春香「千早ちゃん?」

千早「ごめんなさい、春香。先に帰っていてもらえるかしら」

5: 2012/12/26(水) 01:06:17.42 ID:6vkT7jwQo
春香「えっ、いいけど……どうかしたの?大丈夫?」

千早「事務所に忘れ物をしてしまったみたいなの。取りに戻ってくるから」

春香「そのくらいなら待っててもいいよ?」

千早「寒いし、待たせるのは悪いわ。私は大丈夫だから、ね?」

春香「う、うん……じゃあ、また明日ね」

千早「ええ、また明日」タッ

春香「……どうしたんだろう、千早ちゃんが忘れ物なんて珍しい。私じゃあるまいし……って、あ!」

春香「千早ちゃん!私借りてたCD持ってきてたんだよ!渡し忘れてたけど!」タタッ

春香「千早ちゃ……あれ?」キョロ

春香「おかしいな……こっちに来たはずなんだけど」

春香「千早ちゃん、足早いよー。仕方ないから明日また持ってこよう……」

千早「……見られなかったようね。良かった」

千早「春香を巻き込むわけにはいかないもの」

ソードベント

……。

6: 2012/12/26(水) 01:06:55.65 ID:6vkT7jwQo
春香「おはようございまーす」

P「おはよう、春香」

春香「あ、プロデューサーさん。昨日千早ちゃん戻って来ました?」

P「あの後か?いや、見てないな」

春香「そうですか……変だなぁ」

P「何かあったのか?」

春香「昨日、二人で帰ってる途中で千早ちゃんが事務所に忘れ物したって言い出して」

P「それってこれか?携帯音楽プレイヤー。千早のだよな?」

春香「あ、ほんとだ……忘れ物は本当だったんだ。けど戻ってきてないんですよね?」

P「しばらく残った仕事片付けてたからな。間違いないよ。それに忘れ物も回収してないし」

春香「だとしたら……?うーん……」

P「そんなに気になる事か?」

春香「えっ、いや、そんなには……大したことじゃないんですけど」

P「そうか……?」

千早「私がどうかしましたか?」

春香「わっ、千早ちゃん!」

千早「おはよう春香」

P「おお、おはよう千早。そうだ春香、直接聞けばいいんじゃないか?」

7: 2012/12/26(水) 01:07:26.75 ID:6vkT7jwQo
千早「何がですか?」

春香「えっとね、コレなんだけど……」ゴソゴソ

千早「あ、このCD……持ってきてくれたのね」

春香「うん、返そうと思って。本当は昨日持ってきてたんだけど、渡し忘れちゃってて。それでね、昨日あの後追いかけたんだけど……」

千早「ごめんなさい、あんまり寒いものだから明日でいいと思ってそのまま帰っちゃったのよ」

春香「あ、そうだったんだ。ちょっと気になっちゃって……」

P「ほら、千早。もう忘れちゃ駄目だぞ?」

千早「ありがとうございます」

春香(気のせい?……じゃ、ないよね。だとしたら、何故……)

春香(千早ちゃんは、今嘘をついた。理由はわからないけれど、昨日私と別れてから何かしていたのを隠そうとしている)

千早(見られては、いないはずだけれど……何か勘付いたのかもしれない)

千早(ああ見えて鋭い所もあるから。だけど、春香には知られちゃいけない、知られたくない……私のしている事を)

P「……そうだ、今日のレッスン二人で行ってもらえるか?」

春香「え?私達だけでですか?」

千早「それは……かまいませんけど」

P「うん。千早と春香はお互いに吸収する所があると思うし。しっかりやれよ」

春香「えっと……わかりました!それじゃ行こっか、千早ちゃん!」

千早「え、ええ。それじゃあ行ってきます」

P「……さて。何があったか知らないけど、二人でよーく話しあってもらうとしよう。俺は事務仕事~っと」

……。

8: 2012/12/26(水) 01:08:07.51 ID:6vkT7jwQo
都内某所・レッスンスタジオ】

春香「あ~あ~あ~あ~あ~♪」

千早「音がズレてるわよ、春香」

春香「あ、えへへ……」

千早「一度聞いてみて。あ~あ~あ~あ~あ~♪」

春香「流石だね、千早ちゃん」

千早「このくらい、なんてこと無いわ」

春香「私はそのなんてこと無い事が出来ないんだけど……」

千早「あ……ごめんなさい」

春香「いいよ、謝らなくても。ねぇ、千早ちゃん」

千早「何?」

春香「千早ちゃん、私に隠してる事無い?」

千早「……いきなり何を言うの。そんなの」

春香「あるよね?」

千早「無いわ。どうしてそう思ったのかわからないけど」

春香「私、千早ちゃんの事一番の親友だと思ってる」

千早「と、突然何を……」

9: 2012/12/26(水) 01:08:42.80 ID:6vkT7jwQo
春香「だから、わかるんだよ。千早ちゃんが嘘ついた事」

千早「……」

春香「あのね、千早ちゃん、その、深く詮索するつもりは……」

千早「ごめんなさい、春香。何も言えないわ」

春香「うん、それはいいんだけど。千早ちゃんは、悩んでるわけじゃないの?」

千早「そうね……悩んでいないと言えば嘘になるわ。だけど、大丈夫だから」

春香「そっか。ごめんね、なんか問い詰めるみたいになっちゃって」

千早「私が悪いのよ、変に隠し事したりするから……」

春香「本当に心配ないんだよね?」

千早「ええ、自力でなんとか出来る事だから。安心していいわ。ありがとう」ニコッ

春香「そっか……うん、じゃあわかった!レッスン続けよ!」

千早「そうね。春香には安定して音を取ってもらわないと」

春香「しょ、精進します……」

……。

10: 2012/12/26(水) 01:09:20.09 ID:6vkT7jwQo
千早「お疲れ様」

春香「千早ちゃんもお疲れ様。ちょっとはマシになったかな?」

千早「上達したと思うわ。私も春香の歌い方からは学ぶ事が多くて助かるわ」

春香「本当?私なんかでも?」

千早「春香が歌に込める気持ちは私とは違うもの。それだけでも参考になるわ」

春香「そっかー……何か照れるなぁ」

千早「ふふっ、本当のことよ。春香は……っ」リィィィン

春香「千早ちゃん?」

千早「えっ、ああ、何でも無いわ。私、もう少し自主練したいから先に事務所に帰ってもらえるかしら」

春香「あ、うん。じゃあ私は帰るね?」

千早「ええ。また後で事務所で」

春香「うん……」バタンッ

千早「……行ったかしら」カチャッ

千早「ごめんなさい、春香。また嘘をついたけれど……心配いらないというのは本当よ」

千早「私は、自分の力だけで勝利するから。……レッスン場は鏡張りの壁があって助かるわね」

千早「変身!」フォォン

11: 2012/12/26(水) 01:10:35.20 ID:6vkT7jwQo
春香「千早ちゃん!」

千早「はるっ……」

春香「千早ちゃん、なんだよね?その格好……」

千早「……」クルッ

春香「ち、千早ちゃん?」

千早「……ごめんなさい、春香」シュゥン

春香「千早ちゃん!?鏡の中に……入っちゃった!」

春香「心配するなって言いながらあんな顔してたから、何かあるとは思ったけど……ど、どうしよう」

春香「追い掛ける方法が……」カツーン

春香「誰っ!?」シーン…

春香「誰もいない……じゃあ今の音は……あれ?」

春香「これ、なんだろう。カードケースと……ベルト?」

千早『変身!』

春香「そっか、これで……千早ちゃん、待ってて。話を聞かせて」カチャカチャ

春香「それで、鏡に向かって……変身!」

フォオオン バシィン

春香「わっ……千早ちゃんのと違って、なんかちょっと弱そうだけど……これできっと!」タッ

シュゥゥン……

12: 2012/12/26(水) 01:11:29.93 ID:6vkT7jwQo
春香「わぷっ!ここが、鏡の中……全部左右反対なんだ」キョロ

春香「って、それどころじゃないんだった。千早ちゃーん!どこにいるのー!?」

春香「いない……逃げちゃったのかな。レッスン場から出ちゃってたら追い掛けるの大変だよ」ガサッ

春香「あ、今の音もしかして……千早ちゃん?」

春香「あの、千早ちゃーん……?私、千早ちゃんが悩んでるなら話しが聞きたいなって思って……」

春香「だから、逃げなくていいんだよ?隠さなくても、私は……」

ディスパイダー「グギ……」ガサガサ

春香「あれっ」

ディスパイダー「ギ……」シュルシュル

春香「あー、千早ちゃん、えっと、また変身したのかな?」

ディスパイダー「ガァァァ!」

春香「うわぁ!これ千早ちゃんじゃ無さそう!逃げなきゃ!」

「春香さん!下がってください!」アドベント

春香「今の声っ……」

ボルキャンサー「ギッギッ」カチンカチン

春香「もう一匹出たぁ!」

「大丈夫ですよ、春香さん。あのカニさんは私達の味方ですっ!」ストライクベント

13: 2012/12/26(水) 01:12:02.87 ID:6vkT7jwQo
春香「この声……やよい!?」

やよい「うっうー!今やっつけちゃいますから、待っててください!」

ボルキャンサー「ギギッ」ガチンッ

ディスパイダー「ガッ……!」グググ

やよい「そのまま、そのまま……えぇい!」ガキィンッ

ディスパイダー「ガガァアアアアア……ガ……」バシュゥ

やよい「ふぅ。それじゃ食べちゃってください、カニさん」

春香「や、やよい……これ、一体……」

やよい「その前に、ちょっといいですか?カニさん!」スッ

ボルキャンサー「ギ!」スッ

やよい「ハイ、ターッチ!」カチンッ

ボルキャンサー「ギギ!」カンッ

やよい「いぇいっ!……詳しい説明は元に戻ってからにしましょう!今は早くこの場から……」

千早「……」スタッ

春香「あっ、ちは……」

千早「ふっ……」ソードベント

やよい「っ!」ガードベント

ガキィンッ

14: 2012/12/26(水) 01:12:30.10 ID:6vkT7jwQo
春香「ちょ、えっ、千早ちゃん!何やってるの!?」

千早「知ってしまったのね、春香。なってしまったのね、ライダーに。もう、引き返せないわ」グググ

春香「それ、どういう……」

やよい「ち、千早さん?千早さん……なんですか?」グググ

千早「この声、高槻さん!?どうしてあなたが……」

春香「と、とにかく話しあおうよ!剣しまって!」

千早「……そうね。ごめんなさい、高槻さん」

やよい「うっうー、いいんです……けど。そろそろ時間なので、私は失礼します!後で事務所で会いましょう!」タッ

千早「確かに私もそろそろね……春香、帰りましょう」

春香「どうなってるの、何もかも……」

千早「戻ってから説明するわ。もう無関係ではいられないものね。私のやっている事、今起きている事全て」

春香「今、起きている事……」

千早「入ってきた鏡から帰れるわ。高槻さんも待っているだろうし、事務所に帰りましょう」

春香「うん……」

……。

15: 2012/12/26(水) 01:13:25.51 ID:6vkT7jwQo
【都内某所・765プロ事務所】

春香「やよいはどうしてあんな事してたの?」

やよい「えっと、もともとデッキを持ってたのは違う人だったんです」

千早「譲り受けたのね」

やよい「ミラーモンスターが襲ってきた時に助けてもらって、だけどその人は負けちゃって……」

やよい「その人の代わりに、いろんな人を助ける為に戦ってるんです!」

春香「そうなんだ……怖くないの?」

やよい「ときどきすっごく怖いです。だけど、戦わないと誰かが襲われて、辛い目にあうから……」

春香「そっか。やよいは偉いね」

千早「……高槻さんは、そのデッキを持っていた人から詳しい説明を受けなかったのね」

やよい「はい。だけど、人を助けられるならそれでいいかなって」

千早「違うのよ。ライダーの力はその為にあるんじゃないの」

春香「どういう事?」

千早「ライダーは私達以外にもいるのよ。私達を含めて13人」

やよい「うっうー!すごいですぅ!それだけいれば、みーんな助けられますね!」

千早「そうとは限らないわ。高槻さんは知らないようだけど、ライダーはそもそも協力関係にないのよ」

春香「あ、それでやよいと知らずに斬りかかったんだね」

千早「そうなの。ごめんなさいね、高槻さん」

16: 2012/12/26(水) 01:13:53.67 ID:6vkT7jwQo
やよい「それはもういいんです。けど、それってどういうことですか?ライダーのお仕事は人助けじゃないんですか?」

千早「ライダーの目的は……ライダーバトルに勝ち残ること。つまり、ライダー同士は戦う宿命なのよ」

春香「……え?」

やよい「どっ、どーいう事ですかぁ?」

千早「ライダーはその力を持って戦いあい、最後の一人を決めるのが目的。いえ、厳密に言えばその先……」

千早「ライダーバトルに勝ち抜いた者は、その願いを叶えることが出来ると言われているわ」

春香「願いを……って、そんな荒唐無稽な……」

千早「そうかしら。ミラーワールドにミラーモンスター、それに介入できるライダーシステム。願いを叶える機構くらいあってもおかしくないと思うけれど」

やよい「……でも、このデッキを持っていた人は私の為に戦ってくれました!」

千早「力の使い方は個人の自由だから、高槻さんやその人のようにライダーバトルに積極的に関わらず、人助けをする人もいるわ」

春香「でも……千早ちゃんは戦うんだよね。だから、やよいにも挑んだんだよね」

千早「そうよ。何に縋ってでも叶えたい願いがあるから……氏んだ人を生き返らせることだって出来るのよ」

春香「そっか……」

やよい「でも……でも、駄目ですよ!この力は、そんなことのために使っちゃ……」

千早「もともとその為の力よ。高槻さんたちの使い方の方が間違っているのよ」

やよい「だけど……うぅ……」

春香「……私は、やよいに賛成だな」

やよい「春香さんっ!」

春香「だって、少なくともやよいと千早ちゃんが戦わなきゃいけないんでしょ?そんなの、私やだよ……」

17: 2012/12/26(水) 01:14:26.35 ID:6vkT7jwQo
千早「それでも、私は願いを……」

やよい「……じゃあ!最後の一人になったら私、棄権します!」

千早「高槻さん……?」

やよい「デッキを渡すことが出来たってことは、きっと捨てることも出来るんですよ!千早さんと私が残ったら、私が棄権します!」

春香「じゃあ私もそうする!叶えたい願いなんて……無くはないけど、私のは自力で叶えて見せるし!」

春香(きっと、千早ちゃんの願いは……人の手じゃ、叶えようがないから)

千早「春香まで……だけど、それでも戦わなければいけないのよ?」

春香「でも、私達が手を組んだって事をはっきり示せばさ、人数差があるんだから積極的に仕掛けてくる人もいなくなるんじゃない?」

やよい「そうですよっ!仲間をいっぱい、いーっぱい作って、みんなでお願いして千早さんの願い事を叶えさせてもらいましょう!」

千早「そんな風に上手く行くかしら。私もそうだけど、他のライダー達もきっと何を捨てても叶えたい願いが……」

やよい「大丈夫ですよ!だって765プロにもう一人ライダーがいますから!きっと手伝ってくれますよ!」

春香「そうなの?それって誰の……」

P「ふぃー疲れ……って、お前ら何やってんだ神妙な顔して」

春香「わわっ!プロデューサー!」

やよい「う、うっうー!なんでもないかなーって!」

P「そうか?まぁいいけど」

やよい「私、お仕事も終わったし帰りますねー!お疲れ様でしたー!」バタバタ

千早「あのっ、高槻さん!さっきの話、高槻さんにお願いしていいかしら」

やよい「あっ、任せてください!私から話して見ます!それじゃ、また明日ー!」

P「なんだ、何か企んでるのか?」

春香「ぜ、ぜぜぜんぜんそんなことないですから!気にしないでください!」

千早「ええ。企むにしても悪いことじゃありませんし」

P「そうか。あんまり危ないことはするなよ。二人はもう帰るか?」

春香「あっ、そうしようかな。千早ちゃんは?」

千早「私も帰るわ。一緒に帰りましょう」

P「気を付けてなー」

春香「はーい、お疲れ様でしたー」ガチャッ

千早「お疲れ様でした」バタンッ

18: 2012/12/26(水) 01:15:21.64 ID:6vkT7jwQo
春香「はわぁ、びっくりしたぁ……聞かれちゃったかと思った……」

千早「春香」

春香「ごめんね千早ちゃん。もしかしたらバレちゃったかも……」

千早「そうじゃないのよ。春香はライダーになる資格を手に入れたわ。だけど、その力を使わないで欲しいの」

春香「えっ?それってどういうこと?」

千早「詳しい話はまた今度するけど、例えば今日のようにミラーモンスターが出現すると、ライダーには感覚でわかるの」

春香「ふんふん」

千早「それで、ミラーモンスターは時折鏡の外の人を襲うこともある。それを聞いてどうしようと思った?」

春香「そりゃ、戦えるんだから助けなきゃ!」

千早「そう言うと思ったわ。でもダメよ。あなたのデッキはまたフルに機能しているわけじゃないの」

春香「えっ、そうなんだ。それじゃ、どうすればフルに使えるようになるの?」

千早「それについても説明はするけど……どちらにせよ、危険なのよ。だから、なるべく使わないで」

春香「うーん、でもなー。非常事態なら私も戦わないと……」

千早「それなら私か高槻さんがいる時だけにして欲しいの。お願い」

春香「……ん、わかった。だけどどうしても仕方ない時は使うよ?」

千早「そうね、自分の身を守らなければならない時もあるでしょう。極力使わないようにしてくれたらそれでいいわ」

春香「わかった。詳しい話はまた明日、やよいも含めてね!」

千早「もしかしたら増えるかもしれないもう一人と合わせて……ね」

春香「うん。それじゃ、また明日!」

千早「ええ、また明日」

千早「……また、明日」

……。

19: 2012/12/26(水) 01:15:48.23 ID:6vkT7jwQo
【天海春香】

アーオーイートリーモシーシアーワーセー

春香「んん……電話……?」カチャッ

春香「もしもし、おはようございます……プロデューサー?」

春香「……え?ちょ、ちょっと待ってください。寝起きで良く……もう一度、お願いします」

P『だから、その……やよいが、氏んだ。今日お通夜だそうだ』

春香「ドッキリですか?だとしたら悪質すぎますよ。私、だって昨日、また明日って」

P『事実だ。俺も詳しくは知らないけど、お通夜は出るよ。春香も夕方時間あったら……』

春香「は、い……わかりました。とりあえず、事務所に顔出します」

P『そうしてくれるか。朝早くに連絡してすまなかったな。それじゃ、他の皆にも連絡回さないといけないから』

春香「はい……また後で……」プツッ

春香(やよいが、氏ん……事故?隠してた病気?それとも……殺された?)

春香(ライダーバトルの危険……そういう事なの?私も、その渦中にいる……)

春香「そうだ、千早ちゃん……千早ちゃんに、詳しく話を聞かないと。ライダーバトルについて、私はまだ何も知らないし……」ピッピッ

春香「出て、千早ちゃん……」グッ

……。

20: 2012/12/26(水) 01:16:48.29 ID:6vkT7jwQo
【如月千早】

千早「何の用かしら、こんな深夜に」

伊織「……とぼけないで」

千早「どうしたの、水無瀬さん。私、何かしたかしら」

伊織「やよいの事よ」

千早「高槻さんの?何が……」

伊織「いいわ、だってアンタは白を切るしか無いんだから。全部聞いたのよ、やよいから」

千早「……何のことだか、わからないわ」

伊織「やよいをやったのはアンタね」

千早「……」

伊織「ライダーの事についてはやよいから聞いてたわ。昨日、アンタ達と別れた後に一度私に連絡をくれたから」

伊織「今まで人を助けるために力があると思っていたのに……悲しそうに、言ってたわ」

伊織「その後、もう一人のライダーに協力を頼みに行くって。私は、胸騒ぎがして、それで……」

伊織「最後を看取ったのは私よ。その時、やよいが言ったの」

やよい『千早、さん……に……』

千早「高槻さんが……そう……」

伊織「アンタが直接やってないにしても、何か知っているはずよ。出しなさい、アンタの持ってる何もかも!洗い浚い!」

千早「……何も、無いわ。私は何も知らない」

伊織「アンタっ、状況わかってるワケ!?この周囲は包囲させてもらってるわ!そう簡単に言い逃れ出来ると……」

千早「何度でも言うわ。私は何も知らない。これからどこで会おうとも、それ以外の回答が返ってくると思わないで」

千早「それから……付け狙うなら、私だけにしておきなさい。春香は本当に無関係。それだけ言いたかった」カチャッ

千早「高槻さんの……お通夜ね、今日は。また会うとしたらそこかしら。それじゃ、その時に。変身」フォン

伊織「しまっ……逃がさないで!」ザザザッ

千早「無理よ、水無瀬さん。ライダーの力は、人智を遥かに超越している」トリックベント

伊織「千早が分身っ!?どれが……」

伊織「……絶対に、掴んでやる。アンタの尻尾を!待ってなさい、如月千早!!」

……。

21: 2012/12/26(水) 01:17:30.32 ID:6vkT7jwQo
【都内某所・765プロ事務所】

春香「千早ちゃん、どうなってるの?やよいはどうして……」

千早「私にもわからないわだけど、他の誰かが高槻さんを襲った可能性はあるわね」

春香「ライダーバトルって、こんな風に人が氏んじゃう物なの?また、誰かが氏ぬの?」

千早「……高槻さんが言っていた、モンスターに負けたライダーの話。詳しくは聞かなかったわね」

春香「え、うん……それがどうかしたの?」

千早「きっと、その人はそのモンスターに捕食されたのよ」

春香「ホショク……捕食って、え?」

千早「ミラーモンスターは人食いの化け物。そして、私達はそのミラーモンスターと契約して力を振るう」

千早「高槻さんがモンスターを使っていたでしょう?私達のデッキには、最低一枚の契約カードが入っているの」

春香「契約カード……そんなのあったんだ」

千早「それを使うと、モンスターの意志を無視して契約が成立する。そうする事でモンスターの力を得る事が出来る」

春香「そっか、それがライダーの力をフルに使うって事……でも、契約って事はこっちからも何か払う必要があるって事なの?」

千早「それが重要なのよ。ライダーは皆、そのリスクを背負っている。モンスターは、力を与える代わりに餌を求めるの」

春香「餌……あっ!やよいが倒したモンスターから何か出てたけど、アレが餌になるんだね」

千早「そうね。ライダーが倒したモンスターはエネルギーを残すわ。それを食べるか、もう一つは……」

千早「人を、食べるか」

春香「でも、その話の通りならモンスターと戦い続けていれば問題ないんじゃないの?やよいは昨日も一体倒してたよ」

千早「そうね、普通ならそれでいいわ。だけど、誰かがモンスターを狩ると、その分餌の入手が難しくなる人が出てくる」

千早「積極的にバトルに参加する意志が無くとも、邪魔になる可能性はあるという事よ」

22: 2012/12/26(水) 01:18:02.99 ID:6vkT7jwQo
春香「それじゃあ……やよいはそのせいで……?」

千早「かも、しれないわ。それとも単にライダーバトルが原因か、あるいは……本当にただ殺されただけか」

春香「もう、わからないよ……どうしてこんな事に……」

千早「だから、春香には知られたくなかった。参加なんて以ての外だと思っていたのに」

春香「千早ちゃんは、もう誰かをその……殺、倒したの?」

千早「まだよ。今のところはね」

春香「そっか……あのね、千早ちゃん。私、こんな戦いやめるべきだと思う」

千早「……」

春香「やよいは、その……本当に、可哀想で、辛いけど。これ以上続けたら、千早ちゃんまで戻ってこれなくなる」

千早「私はその覚悟をして戦いを始めたわ」

春香「それでも!……嫌なの」

千早「戦いを続ければ、高槻さんを蘇らせる事も出来るかもしれない。それでもそう言うの?」

春香「それは、確かにそうだけど。だけど、その……」

ガタン

千早「誰っ!?」

23: 2012/12/26(水) 01:18:42.99 ID:6vkT7jwQo
響「わっ、ごめん、盗み聞きするつもりは無かったんだけど……」

春香「……響ちゃん。もしかして、今の話聞いちゃった?」

響「う、うん……けど、多分心配ないと思う」

千早「いいえ、今は誰も信用出来ないわ。もし誰かにこの事を話すなら……」

春香「千早ちゃん!」

響「うわ、待って欲しいぞ!自分、ほら、コレ!」カチャッ

春香「それは……!」

響「自分もライダーなんだ。だから、誰かにバラすつもりも無いし、むしろもっと良く聞きたいと思ってる」

春香「千早ちゃん、響ちゃんが協力してくれたら……」

響「自分、二人と戦うつもりは無いぞ。戦いを止めるべきだっていうのに賛成さー」

春香「ほら、そんな警戒しないで。ね?」

千早「……我那覇さん、どうして私達の会話を聞いていたの?」

響「え?そりゃ、二人がなんかこそこそしてたから……」

千早「みんなは忙しそうね。高槻さんの事でやることが増えたのだから当たり前だけど。そして私達はそれを見計らって抜けだした」

春香「ち、千早ちゃん?何言ってるの?」

千早「私達に関心を払う余裕なんて無いと思ったからよ。我那覇さんは高槻さんの事なんてどうでも良かったのかしら?」

響「そっ!そんなわけないだろ!冗談でも怒るぞ!」

千早「そうよね、あなたはそういう人だわ。それでも私達が抜け出すのを目敏く見つけた……」

千早「あなたは、最初から私達の様子を窺っていたわね?その理由は何かしら」

24: 2012/12/26(水) 01:19:16.37 ID:6vkT7jwQo
響「……それは、その」

千早「私達がライダーだと知っていた。違うかしら。そして、それを知っているのは……高槻さんだけ、のはず」

千早(水無瀬さんの事は黙っていた方がよさそうだし、ね……)

春香「それって……」

千早「昨日、高槻さんが会いに行くと言ったもう一人のライダー。あなたのことね?我那覇さん」

響「そうだぞ。確かに昨日、やよいと会った」

千早「春香、下がって」

春香「えっ、どうして?」

千早「高槻さんと最後にあったのは恐らく我那覇さんよ。つまり……」

響「違う!自分はやってない!自分は、自分は昨日やよいに……」

千早「悪いけれど、協力の話はしばらく考えさせてもらうわ。今のあなたは潔白とは言い難いから。高槻さんの件を調べてからね」

響「本当なんだよぉ!自分、やってないんだってば!信じてよ、春香、千早ぁ!」

春香「千早ちゃん、きっと響ちゃんは……」

千早「別に信じないとは言っていないわ。信じるに足る裏付けを取るまで待って欲しいと言っているのよ」

春香「ごめんね、響ちゃん。今、ピリピリしてるから……」

響「わかったよ……自分、本当にやってないからな。いくらでも調べていいぞ。それで納得してくれるなら」

千早「……ごめんなさい、我那覇さん。行きましょう、春香」

春香「う、うん……」チラッ

響「……信じて、欲しいぞ」

……。

25: 2012/12/26(水) 01:19:49.72 ID:6vkT7jwQo
【水瀬伊織】

新堂「お嬢様、そろそろお時間ですが……」

伊織「……行かないわ。今の私じゃやよいに顔向けできないもの」

新堂「……は、ではそのように」

伊織「千早の名前をわざわざ出したって事は、ライダーバトルが関わってる事はまず間違いないはず……」

伊織「やよいには止められていたけど、そのやよいも、いなく……なってしまった」

伊織「許してくれるわよね、やよい。アンタの……仇討ちなんだから」カチャ

伊織「新堂!」

新堂「はい、ここに」

伊織「お父様とお兄様に話があるわ。取り次いで頂戴」

新堂「は、それは……」

伊織「早くなさい!」

新堂「……仰せのままに」

伊織「ライダーバトル……そんな物、どうだっていい。私は、やよいを頃した奴を……[ピーーー]」

伊織「とにかく今は、千早に張り付いておくしかなさそうね……」

……。

26: 2012/12/26(水) 01:21:21.91 ID:6vkT7jwQo
【水瀬伊織】

新堂「お嬢様、そろそろお時間ですが……」

伊織「……行かないわ。今の私じゃやよいに顔向けできないもの」

新堂「……は、ではそのように」

伊織「千早の名前をわざわざ出したって事は、ライダーバトルが関わってる事はまず間違いないはず……」

伊織「やよいには止められていたけど、そのやよいも、いなく……なってしまった」

伊織「許してくれるわよね、やよい。アンタの……仇討ちなんだから」カチャ

伊織「新堂!」

新堂「はい、ここに」

伊織「お父様とお兄様に話があるわ。取り次いで頂戴」

新堂「は、それは……」

伊織「早くなさい!」

新堂「……仰せのままに」

伊織「ライダーバトル……そんな物、どうだっていい。私は、やよいを頃した奴を……頃す」

伊織「とにかく今は、千早に張り付いておくしかなさそうね……」

……。

27: 2012/12/26(水) 01:21:55.79 ID:6vkT7jwQo
【高槻家】

P「あの、この度は……」

春香「先に、お焼香済ませて来ようか……」

千早「そうね……」

春香「兄弟、いっぱいいるのにね」

千早「大事にしていたわね」

春香「……やっぱり、戦いなんてだめだよ」

千早「……それでも、私は」リィィイン

春香「あっ……なに、この音……!」リィイイン

千早「これが、ミラーモンスターが近くにいる時の感覚よ……!」リィィィン

春香「って事は、この場の誰かが!?」リィィィン

千早「かもしれないわ」リィィィン

春香「千早ちゃん!」リィィィン

千早「ええ、どこか鏡を……?」

春香「あれ……音が」

千早「誰かが倒した……?まさか!」ダッ

春香「千早ちゃん!待ってよ!」

千早「我那覇さん!我那覇さんはいる!?」

P「おい、千早。何があったか知らんけどあんまり騒がしくするなよ」

千早「す、すみません……あの、ところで我那覇さんは……?」

28: 2012/12/26(水) 01:22:41.37 ID:6vkT7jwQo
P「響?響なら、ほら」

響「うっ、ぐすっ……やよいぃ……なんでだよぉ……」

千早「いる……」

P「ずっとああやって泣いてるぞ。人一倍仲間思いだからな、響は……」

千早「そうですか……」

P「どうかしたのか?」

千早「いえ、なんでも。あの、気分が悪いので帰っても大丈夫でしょうか」

P「ん、ああ、構わないけど。大丈夫か?」

千早「はい。あの、私の分も……」

P「……わかった」

千早「それじゃ、失礼します」

P「……千早も、やよいとは仲良かったもんな」

春香「……千早ちゃん」

春香(私は、戦いを止める。最後には千早ちゃんと戦う事になっても)

……。

29: 2012/12/26(水) 01:23:10.65 ID:6vkT7jwQo
【水瀬伊織】

伊織「思ったより簡単なのね、契約っていうのも……」

伊織「これで、この力で……やよいの……」

伊織「とりあえず、周囲の雑魚を狩りましょう。お腹いっぱいになるまで食べさせてあげるわよ」

ブランウィング「キィッ!」バサッ

30: 2012/12/26(水) 01:23:43.28 ID:6vkT7jwQo
【如月千早】

千早「……高槻さん」

千早「水無瀬さん」

千早「我那覇さん」

千早「春香……」

千早「私は、それでも……」

31: 2012/12/26(水) 01:24:15.38 ID:6vkT7jwQo
【天海春香】

春香「まずは、モンスターと契約する。戦いを止める為に力を、なんて、馬鹿げてるけど……」

春香「いいんだ、私は馬鹿だから。馬鹿でいい、馬鹿正直に……」

春香「もう誰も、氏なせない。殺させない!」

春香「……だから、力を手に入れる」リィィィン

春香「変身!」

32: 2012/12/26(水) 01:24:42.56 ID:6vkT7jwQo
【我那覇響】

響「やよいは、氏んだ。戦ってたのに……」

響「じ、自分もいつ氏ぬか……氏んだら、どうなるんだ?にぃに、プロデューサー、貴音ぇ……」

響「怖い、怖いよ……氏にたくない……」

響「……無くちゃ」

響「もっと強くならなくちゃ。もっと餌をあげなくちゃ。ギガゼールをもっと……」ガタガタガタガタ

響「戦わなくちゃ戦わなくちゃ戦わなくちゃ戦わなくちゃ戦わなくちゃ戦わなくちゃ」

33: 2012/12/26(水) 01:25:39.57 ID:6vkT7jwQo
【???】

「……高槻やよい。やはりライダーでしたか」

「本当、当たるのね……占い」

「ええ。今まで外した事はありません」

「それで、私はどう出てるのかしら?」

「……まだ、なんとも」

「……氏ぬつもりも無いし、頃すつもりも殺させるつもりもないわ。なんとかしましょう」

「ええ……この占いだけは、外れて欲しいものですから」

34: 2012/12/26(水) 01:31:14.32 ID:V9OV/lLzo

引用: 春香「戦わなければ生き残れない」