38: 2012/12/27(木) 01:59:37.11 ID:RWkVYB11o
【都内某所・765プロ事務所】


最初から:春香「戦わなければ生き残れない」

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! SPECIAL SOLO RECORDS 天海春香





貴音「おはようございます。……あなた様だけでしたか」

P「……ああ、貴音か。おはよう」

貴音「どうかいたしましたか?何やら顔色が優れない様子」

P「まぁ、やよいの事とか色々な……今日、葬式にも顔出してくるよ。仕事があるからずっとはいられないけど」

貴音「真、不幸な話ですね。やよいは私達の中でも特に若く、未来に溢れた者でしたのに」

P「神様ってのがいるなら不公平だよな。あんなに頑張ってるやよいがなんで……」

貴音「あなた様。その言い方では、氏んでも良い人間がいるようにとれますよ」

P「あ、いや、そういう意味じゃ……ダメだな、どうもまともに頭が回ってない。貴音のスケジュールはどうだったかな」

貴音「今日は響とばらえてぃの撮影があったはずですが」

P「そうなってるな。けど、響か……あいつ、かなり参ってたからな」

貴音「響は心優しいですから、傷付きやすくもあるのでしょうね」

P「そうだな。ちょっと連絡取ってみるか。無理そうなら申し訳ないけどキャンセルだ」チャッ

貴音「致し方ありませんね」

P「……出ないな。寝てるのか?」

貴音「……」

39: 2012/12/27(木) 02:00:04.13 ID:RWkVYB11o
P「お、出た出た。響?ああ、おはよう。今日の仕事なんだがな」

P「え?ああ、そうだけど……いや、大丈夫かと思ってな。その、お前昨日……」

P「そう、か。だったらいい。とりあえず事務所に顔出してくれ」プッ

貴音「どのような様子でしたか?」

P「思ったよりずっと元気だった。気を使ってるのかもしれないな。とにかく、仕事は大丈夫だそうだ」

貴音「……一人欠けただけで、何かとても大きな物を失ったような気持ちですね」

P「実際、一人一人が大きいんだろう。この事務所では特にな」

貴音「皆、滅多な事をしないと良いのですが」

P「やめてくれよ、縁起でもない」

貴音「そうですね、失言でした」

P「……大丈夫だ。お前達には俺がいる」

貴音「……はい」

……。

40: 2012/12/27(木) 02:00:31.91 ID:RWkVYB11o
【如月千早】

千早「丁度いい鏡面が無くて時間がかかってしまったわ……もしかすると、もう誰か倒してしまっているかもしれないわね」

千早「そうなったら……そのライダーを倒せばいいだけなのだけれど」

ドゴォォォン……

千早「やっぱり……」ソードベント

千早「えっ、あれは……」

春香「遅かったね、千早ちゃん」

千早「春香……その姿は」

春香「契約しちゃったんだ、この龍……ドラグレッダーと。これで、私も戦わないわけにはいかなくなった」

千早「どうして……あれだけ言ったのに、どうして!」

春香「大切な人を守る為に」

千早「だからって、春香はバカよ!戦いの果てに何が待っているかは、わかっているはずなのに!」

春香「バカでいいんだよ、千早ちゃん。私は私に出来る事をやるって決めたの。それがどんなにバカな事でも」

春香「戦いを、止める。それが私の……ライダーとしての願いだから」

千早「春香……そこまで……」

「その話、どこまで本気なのかしら」シュートベント

41: 2012/12/27(木) 02:01:09.96 ID:RWkVYB11o
春香「誰っ!?」

律子「動かないで」チャキッ

千早「この声……律子ね。あなたまで……」

律子「勘違いしないで頂戴。私は戦うつもりはないわ」

千早「なら、その銃を下ろして欲しいわ」

律子「それは無理よ。私に戦う気が無くとも、貴方達は違うかもしれない」

律子「ちょっと欲を出しただけなのに、命を賭ける事になるだなんて嫌だもの。こちらが有利な状況を保たせてもらうわ」

春香「私は戦うつもりは無いですよ?」

律子「春香は……多分、本気でしょうね。けど、千早はどうかしら。ストイックだからね、あんたは」

千早「……だから、その銃口を春香に向けているのね」

律子「そういう事。自分が苦しいのは平気でも、春香は見捨てられないでしょ」

千早「わかったわ、戦わない。口約束だけど、信用してもらえないかしら」

律子「……こっちも形式上やっただけだから、言質が取れればいいのよ。ごめんなさい、春香」スッ

春香「生きた気がしなかったですよ~……」

千早「それで、どうして律子は私達の前に姿を見せたのかしら。黙っていれば危険も無かったのに」

律子「理由は一つ。千早、あんたを止める為」

千早「私を?……私が春香に危害を加えるとでも?」

春香「そうですよ律子さん。千早ちゃんはそんな事……」

42: 2012/12/27(木) 02:01:40.75 ID:RWkVYB11o
律子「護るために倒す事だってあるのよ。契約してしまったとなれば、春香も戦う事になる。どうやってもね」

律子「だけど、例えばデッキケースを破壊するとか、契約モンスターを倒すとか。そういう方法でリタイアさせられれば……」

千早「私はそんなつもりは無かったわ」

律子「そうかもしれない。だけど、そうじゃないかもしれない。確信が持てない以上、牽制する必要があった」

千早「……どうして春香を守ろうとするのかしら」

春香「そりゃ、仲間だからに決まってるよ!」

律子「春香は利用価値があるからよ」

春香「り、律子さ~ん……」

律子「春香の思想は理想的よ。というより理想論とでもいいましょうか。実践値とは乖離している」

千早「それは私もわかっているわ」

律子「だけど、そういう理想を唱えられる人が必要なの。欲望のぶつかり合う、ライダーバトルには」

春香「私が、必要?」

律子「私ともう一人……あるライダーは、戦いを止めようとしているわ。だけど、それにはまず戦力がいる」

律子「損得を無視して、護る為に戦える戦力がね……私は、自分が特別な勇気を持っていると思えない。だから私自身も信用できないのよ」

千早「春香は信用出来るというの?」

律子「それは、千早が一番良く知ってるでしょう」

千早「……その通りね」

春香「あのっ、つまり、律子さんともう一人のライダーさんも一緒に戦ってくれるんですよね!?」

律子「それは無理ね。私達に出来るのは、こうやって牽制する所まで。私達は、少し……大人すぎるのよ」

43: 2012/12/27(木) 02:02:07.41 ID:RWkVYB11o
春香「そんな……一緒に戦ってくれれば、きっとみんな止められるのに」

律子「そうね、それが叶うよう、あなたは自分の想いを見失わないで欲しい。そして……この戦いを、止めて」

春香「律子さん……」

千早「身勝手な話ね」

律子「ええ、そうね。我ながらひどい話だと思うわ。でも、託せるのは春香しかいないの」

春香「……どうなるかわかんないけど、やれるだけやってみます!」

律子「ありがとう。……千早にも、少し忠告をしておいてあげるわ。あなた、狙われてるわよ」

千早「私が?」

律子「ええ。765プロには私も知らないライダーがまだまだいるみたい。やよいがいなくなって、これからきっと大きく動くわ」

春香「そんな事、させません!私が千早ちゃんを守ってみせます!」

千早「例え何が起こっても、私は春香を守るわ」

律子「それでこそ、よ。それじゃあまた会いましょう。ミラーモンスター退治は任せたわよ~」タッ

春香「あっ……行っちゃった」

千早「765プロに他のライダーがいる……それも、複数」

春香「誰なんだろうね……」

千早「春香、本当に戦いを止める気なの?」

春香「……うん。そうしたいと思ってる」

千早「なら、出来る限り協力するわ……だけど、最後の局面、どうしても戦わなくちゃいけなくなったら」

春香「わかってる。千早ちゃんにはそれだけの願いがあるんだもんね。……それは、止められないよ」

千早「……ごめんなさい」

春香「……帰ろっか」

……。

44: 2012/12/27(木) 02:02:40.92 ID:RWkVYB11o
【四条貴音】

響「お疲れ様でしたー!」

貴音「お疲れ様でした」

響「今日は結構良く動けたなー。さっすが自分!」

貴音「……響、無理をしているのではありませんか?」

響「無理?自分無理なんかしてないぞ?」

貴音「ですが、昨日はとても辛そうに見えたので……」

響「辛くなんかないさー。頑張らなきゃいけない事ばっかりだからな、辛いなんて言ってる暇ないぞ」

貴音「……響、落ち着いて聞いてください。あなたは今余り良い状態にない」

響「そんな事ないよ!」

貴音「あるのです、響。あなたは……」

響「うるさいな!自分は平気だって言ってるでしょ!ほっといてよ!」ダッ

貴音「待ちなさい、響!響!」

貴音「……響、どうして……」

……。

45: 2012/12/27(木) 02:03:16.12 ID:RWkVYB11o
【菊地真】

真「……信じ、られないや」

雪歩「……そうだね」

真「やよいがそんな事になってたなんて知らなかった……ボクは事務所の仲間なのに」

雪歩「誰だって気付くわけないよ……聞いた今でも信じられないもん」

真「やよいもやよいだよ、相談してくれれば何か出来たかもしれないのに」

雪歩「真ちゃん、自分を責めないで……見てる私も辛くなってくるから」

真「……相談されたって、どうせ何も出来やしなかったんだけどね。あの時のボク達は」

雪歩「……」

真「でも、今は違う。ボクは力を手に入れた。これで……」

雪歩「戦うの?」

真「うん。戦って、やよいを取り戻す。ボク達の日常は、誰が欠けてもダメなんだ」

真「……雪歩まで戦えとは言わない。それを誰かに渡して、なるべく安全に」

雪歩「ううん、私も戦う。真ちゃんの言う通りだと思うから。私達の事務所は、みんな揃って初めて765プロだもんね」カタカタ

真「雪歩……」

雪歩「ご、ごめんなさい。やっぱり、怖くて。私なんかに出来るかなって」カタカタ

真「……ありがとう」ギュッ

雪歩「……私がそうしたいから、そうするんだよ」ギュッ

……。

46: 2012/12/27(木) 02:03:43.96 ID:RWkVYB11o
【秋月律子】

律子「……デッキを配っている金のライダー以外、確認しているライダーの正体は把握出来たわね」

伊織「そうね。随分助かったわ」

律子「それで、伊織はどうするつもりなの?」

伊織「知ってるでしょ。やよいの仇討ちよ」

律子「それは何も産まないわ」

伊織「それでも、そうせずにいられないのよ。そうじゃなきゃ、私は一歩も進めない」

律子「……言っておくけど、千早は違うわよ」

伊織「あら、意外ね。律子が千早を庇うなんて」

律子「そりゃ庇うわよ。仲間の誰にも人頃しになって欲しくないし、氏んで欲しくもない」

伊織「私はどっちになると思ってるわけ?」

律子「さぁね。何にせよ、あの子は何もしてないわ」

伊織「それを証明出来るものは?」

律子「物証はないわ」

伊織「話にならないわね」

律子「強いて言うなら……千早は、自分から誰かを殺せない。命の重さを誰より知っているから」

47: 2012/12/27(木) 02:04:18.01 ID:RWkVYB11o
伊織「それは、律子の意見?」

律子「そうね、諸々鑑みての話よ」

伊織「……一応、覚えておいてあげるわ」スッ

律子「帰るの?」

伊織「ええ。少しやる事があるから」

律子「仇討ちもいいけど、体は大事にしなさいよ。私の担当アイドルなんだから」

伊織「伊織ちゃんを甘く見ないでよね。またね」バタンッ

律子「……」

ガチャッ

美希「律子……さんか。今そこででこちゃんに会ったの。二人で何のお話?」

律子「なんでもないわ。あんたはどうするの?やよいの……」

美希「もう顔出して来たの。ソファー借りるね、昨日あんまり寝られなかったから」

律子「どーぞ」

美希「……あふぅ」パタン

……。

48: 2012/12/27(木) 02:04:59.46 ID:RWkVYB11o
【我那覇響】

響「戦わなきゃ、戦わなきゃ……」ブツブツ

ギガゼール「キー」

響「倒したか?良くやったぞ。全部食べていいからな」

ザッ

響「ん……ひっ!ら、ライダー……」

……。

49: 2012/12/27(木) 02:05:26.09 ID:RWkVYB11o
【プロデューサー】

P「やよいが氏んだ」

P「……誰かに殺された、らしい」

P「やよいのファンか?この業界でいれば、氏ぬまでは行かなくとも危険なファンの話は聞く……」

P「それなら、納得できる。確かに不幸だけど、理屈は通る」

P「だけど、何かおかしい。何か、どこかが引っかかるんだ」

P「……調べてみるか。やよいに起きた事を」

51: 2012/12/27(木) 23:46:00.66 ID:RWkVYB11o
【都内某所・765プロ事務所】

春香「今日、来ないんですね、千早ちゃん」

P「ああ、連絡があったよ。やよいの事は妹みたいに思ってたからな。やっぱり普段通りではいられないんだろう」

春香「そうですよね……なんか、私が普通にお仕事してるのがおかしいのなかって思っちゃいますよ」

P「いや、立派だよ。春香だって辛いんだろ」

春香「……はい」

P「春香達は年齢的には子供だけど、立場は社会人と変わらない。辛いことも多いよな」

春香「でも、それは私達が選んだ事ですから」

P「そうか。一応、今日はレッスンだけど……どうする?千早もいないし、休んでもいいぞ」

春香「そうですか?でも……?」リィィィン

P「どうした?」

春香「あ、えと、やっぱりお休みさせてもらおうかな。ちょっと気分転換に散歩してきますね」

P「そうだな、それもいい。また後でな」

春香「はいっ、それじゃ!」タッ

P「なんだかわからんが忙しないな。……そろそろ響が来る頃なんだが、おかしいな」

真美「ねぇ、兄ちゃん」

P「ん?おお、真美か。どうした、珍しく深刻な顔だな」

真美「うん、ちょっと、相談したい事があってさ……」

P「俺に?いよいよ珍しいな。明日は雨か?なんてな。何でも聞くよ。言ってみてくれ」

真美「……亜美の事なんだけど、さ」

……。

52: 2012/12/27(木) 23:46:32.99 ID:RWkVYB11o
【如月千早】

千早「はぁあ!」ガキィン

メガゼール「ギィイイ」バシュゥウ

千早「ダークウイング」

ダークウイング「ギッ」グァ

千早「これで八体目……だけど、まだまだ力不足ね」

千早「強くならないと……私の為だけじゃなく、高槻さんや春香の為にも」

ソードベント

千早「今の音……そこのライダー、出てきなさい!」

王蛇「……」スッ

千早「紫のライダー……初めまして、ね」ソードベント

千早「一応聞いておくわ。私は貴方と争うつもりはない。その剣を下ろしてもらえないかしら」

王蛇「……ごめんなさいね、千早ちゃん。その提案は聞けないわ」

千早「えっ、その声……あなた、まさか」

あずさ「律子さんから話を聞かなかったかしら?あなたを狙っているライダーがいる、って」

千早「それは……でも、どうしてあずささんが私を?」

あずさ「ライダーは、戦う者よ。あなたや春香ちゃんみたいに、戦いを止めようとする事が間違っているの」ダッ

53: 2012/12/27(木) 23:47:08.57 ID:RWkVYB11o
千早「あずささん!私は本当に争うつもりは……!」ガードベント

あずさ「こういうの、何て言うのかしら~……そうそう、“問答無用”よ」ブンッ

千早「くっ……!」キィン

あずさ「ほら、剣だけじゃないのよ。手足だって立派に武器になるんだから」ドスッ

千早「あっ……ぐ」グラッ

あずさ「よいしょ、っと」バキィン

千早「きゃあっ!」ズザッ

あずさ「……弱いわね、千早ちゃん。今まで良く生き残ってこれたわね~」

千早「あなたにそんな事を言われる筋合いは無いわ!」トリックベント

あずさ「カードに頼った戦い方……さっきの動きを見てもわかったわ。あなたは自分を鍛える事をしていない」アドベント

あずさ「千早ちゃんは結構博識だから知っているかしら?それとも蛇なんて興味もない?」

ベノスネーカー「シュルルルルル……」キョロ

あずさ「ピット器官……蛇は赤外線を感知する事が出来るのよ~。サーモグラフィみたいな物が見えるのね」

千早「だから何だと言うんですか!」ダッ

あずさ「だから、私にはわからなくても……ベノスネーカーにはあなたが見えているってことよ」

ベノスネーカー「!」グルンッ

千早「なっ……」バシッ

あずさ「ほら、見えていたでしょう?」

54: 2012/12/27(木) 23:47:52.29 ID:RWkVYB11o
千早(強い……あずささんは飛び抜けて身体能力が高いわけではないわ、むしろ私の方が上でしょう)

千早(だけど、戦いに対する勘のような物が鋭すぎる。まるで私の何倍も戦ってきたかのような……)

千早「問答無用、とは言われました。けれど、一つだけ教えてください。あずささんがライダーになったのはいつですか?」

あずさ「そうね。千早ちゃんは今まで、みんなの先輩ライダーだったものねぇ。だけど、この戦いは千早ちゃん達が参加する前からずっと続いている」

あずさ「答えは……わかりやすく言えば、千早ちゃんよりずっと前から、よ」

千早「やはり、場数が違う……という事ですか。私では勝てないと」

あずさ「付け加えて言えば、千早ちゃんはまだ躊躇いがある。口では願いの為なら……って言いながら、最後の場面で躊躇する。そんな人は何も成すことは無いの」

千早「そんな、そんな事は……」

あずさ「私はこれから本気で千早ちゃんを頃すわ。そういう相手にはね、千早ちゃん」

あずさ「純然たる願いの下、漆黒の意志を持って、その剣を振り下ろすしか無いのよ」

千早「でも、私は……私と春香は、そんな事の為に力を手に入れたんじゃ……」

あずさ「構えなさい。それとも、あなたの願いはその程度だったのかしら?」

千早「私の、願い……」

千早「……」グッ

あずさ「それでいいの。それじゃあ……」シャコッ ファイナルベント

千早「決着を」ジャキッ ファイナルベント

55: 2012/12/27(木) 23:48:24.58 ID:RWkVYB11o
あずさ「ふっ」クルンッ

千早「はぁあああ……」ギュルンッ

あずさ「はぁっ!!」

千早「やぁああああ!!」

バッ……

バシィィィィン!!

あずさ「……」スタッ

千早「……くっ」グラッ

千早(芯を外された……!全力で打ったせいで、もう戦闘は無理ね……)

千早「私の、負けです」

あずさ「そうね、私の勝ちね」

千早「最後に二つだけ、お願いしてもいいでしょうか?」

あずさ「何かしら?」

千早「春香を……よろしくお願いします。あずささんほどの実力があれば、命を奪わずにリタイアさせる事もできるはず」

千早「それから、止めは一息にお願いします。苦しむのは、嫌なので」

あずさ「……どちらも、聞けないわねぇ。ごめんなさいね、千早ちゃん」

千早「なら、まだ氏ぬわけにはっ……!」ググッ

あずさ「だって、氏ぬのは私だもの」ドスッ

千早「……え?」

あずさ「うふふ」グラリ パタン

56: 2012/12/27(木) 23:48:56.08 ID:RWkVYB11o
千早「なっ、あずささん!?」ダッ

あずさ「驚かせて……ごめんなさい。だけど……千早ちゃんの覚悟が、見れたら……こうす……げふっ」ビチャッ

千早「わけがわかりません!説明してください!」

あずさ「言った、でしょう……?私は、千早ちゃんよりずっと、長く……ライダーを、やってきたの、よ……」

あずさ「残った時間は多く無いけれど、少しだけ、私の……昔話を、聞いて……もらえるかしら……」

……。

【三浦あずさ】

「願い事が叶う、と言われても~……」

「その為に誰かを犠牲にするのは、やっぱりダメよねぇ……」

「ミラーモンスターっていったかしら。アレが人を襲って食べてしまうなら、それから人を守る為に戦おうかしら」

……。

「こ、怖かったわぁ……けど、なんとか勝てたわね。あの、お怪我はありませんか?」

「あ、ありがとうございます!あなたが居なければどうなっていたか……」

「え、あの、その……」

「あなたは命の恩人です!ありがとうございます!ありがとうございます!」

「……あんまり丁寧にお礼を言われると、妙な気持ちがするものね~」

……。

57: 2012/12/27(木) 23:49:45.15 ID:RWkVYB11o
「はぁっ!」

「ギィィィ!」

「大丈夫ですか?」

「痛っ……怪我しちまったよ。あんた、そんな力があるならなんで今まで放っておいたんだ」

「え、その、お仕事が……」

「人の命より仕事が大事だってのか!?ええ!?」

「ええと、そのぉ……すみません、でした」

「全く……」

……。

「ありがとう!」

「なんで助けてくれなかったの!?」

「あんた、ヒーローだよ!」

「遅いんだよ!」

「助かったぁ!」

……。

「また、助けられなかった」

「……私は、なんで戦ってるのかしら」

「……」

……。

58: 2012/12/27(木) 23:50:22.65 ID:RWkVYB11o
【如月千早】

あずさ「私が頑張って戦っても……助けた人は何も思わない、の。そして、助ける事すら……出来ない、ことも」

あずさ「人が、わからなく、なって……もう……戦う事も……疲れ……」

千早「なら、何故私と戦ったんですか……?」

あずさ「……春香ちゃん、は、いい子……ね。あの子は、本気で、戦いを止めようと……」

あずさ「だけど、想いだけじゃ、ダメ……最後に、必要なのは……覚悟と、力……」

あずさ「春香ちゃんには、それが足りない……わ。だけど、あの子の隣には、いつも……あなた、が」

千早「そんな……その為に私と……」

あずさ「千早ちゃんには、その意志が……ある。それを確かめたかった……だけ、なの」

千早「だからって、氏ぬ事は無いじゃない!」

あずさ「疲れたのよ……誰かの為に戦う事も、自分の為に、戦う……事も。これで、やっと……千早ちゃんに託して、私は……」

千早「……」

あずさ「うん、めいの……人には、会えなかった、けれど……後は、よろしくね……」

千早「……わかりました。きっと、戦いを終わらせます。私と、春香で」

あずさ「これ以上、誰かが泣くのは……見たくないから。受け取って、私の願いと……」ググッ

あずさ「お疲れ様でした、プロデューサーさん」

千早「あずささん!」

あずさ「……」

千早「……お疲れ様でした、あずささん」

……。

59: 2012/12/27(木) 23:50:50.47 ID:RWkVYB11o
【天海春香】

春香「……ふぅ。なんとか片付いたかな」

ガシャッ

春香「またモンスター!?」

ガイ「……」

春香(……じゃない、ライダー!ど、どうしよう。戦いたくないけど……)

ガイ「……はるるん?」

春香「え?」

ガイ「その声、はるるんだよね?」

春香「ええと……って事は……真美!」

亜美「ぶっぶー、亜美だよん!」

春香「あ、亜美ぃ……良かった、戦わなくちゃいけないのかと思って……」

亜美「んっふっふ~、ビビった?」

春香「めちゃくちゃビビった……亜美は、私と戦わない……よね?」

亜美「うん、はるるんと戦う理由なんて無いもん。そっちこそ、亜美やっつけちゃわないでいいの?」

春香「私は、出来れば誰とも戦いたくないなって思ってるんだ。良かった、知り合いで……」

亜美「さっすがはるるん、良いこと言うね!実はねー、亜美達もそう思って仲間集めてるんだ~」

春香「ええ!?それ、本当?」

60: 2012/12/27(木) 23:51:17.42 ID:RWkVYB11o
亜美「うん、ライダーバトルの事、知らずにライダーやってる人が結構いるみたいでさ。っていう亜美も知らなかったんだけどね~」

春香「そっか、そういう人もいるんだ……」

亜美「でー、せっかくだからチーム組んだらあんまり戦わなくていいんじゃないかって!」

春香「それ、私もおんなじ事考えてたんだよ!すごいじゃん亜美!」

亜美「でしょでしょー!はるるんも良かったら仲間入りしてみちゃーDoーDai?」

春香「うん!……あ、だけどちょっとだけ時間ちょうだい?」

亜美「え?どしてどして?」

春香「実は、千早ちゃんもライダーなんだよね。今のところ私と一緒に戦うって言ってくれてるんだけど……」

亜美「そっかそっか、相談したいんだね」

春香「うん。千早ちゃんもわかってくれると思うけど」

亜美「おっけー!じゃあ、えっと……明日さ、公園で集まろうよ!あ、もちろんミラーワールドでだかんね?」

春香「わかった!じゃあ今日中に相談しとくね!ありがとう、亜美」

亜美「こっちこそ、はるるんと戦うなんてやだもんね!じゃ、またね!」

春香「良かった、戦いたくないのは私だけじゃないんだ。えへへ、嬉しいな……」

……。

61: 2012/12/27(木) 23:52:10.87 ID:RWkVYB11o
【双海亜美】

響「ん……ひっ!ら、ライダー……」

亜美(この声……ひびきんかぁ。あ、もしかして亜美の事気付いてないっぽい?)

亜美(んっふっふ~、ちょっとおどかしちゃお!)

亜美「……!」ストライクベント

響「う、うわあああああああ!行けっ、ギガゼール!!」

ギガゼール「ケェーン!」ザワザワ

亜美(うわっ!似たようなモンスターがいっぱい……あれ、これ、やばいんじゃ……)

響「やっつけちゃえ!勝てば……勝てばやよいみたいにならなくてすむんだろ!」ダッ

亜美「わわっ!こ、来ないでっ!」ブンッブンッ

響「その声……亜美?真美?どっちだ!?」

亜美「亜美だよっ!」

響「や、やめろ!止まれ、ギガゼール!」

亜美「……っ!と、止まった」

響「ごめんなぁ、亜美。びっくりしただろ?」ギュッ

亜美「わっ、びっくりしたけど、最初におどかしたの亜美だし……」

響「ごめんな、ごめんなぁ……ぐすっ」

亜美「泣かないでよひびき~ん……」

62: 2012/12/27(木) 23:52:38.93 ID:RWkVYB11o
響「自分、怖くて……負けたら氏んじゃうって思ったら、怖くて……」

亜美「うそっ!?負けたら氏んじゃうってどゆこと!?」

響「亜美も知らなかったのか?ライダーバトルは負けたら氏んじゃうんだぞ。だけど最後まで勝ち抜けばどんな願いでも叶うんだって」

亜美「そうだったんだ……亜美、とんでもない事始めちゃったかな……」

響「自分も最初知らなくて……だから、ちょっとでも強くなろうって思って」

亜美「そか……あ、でもさ!氏んじゃわなくてもライダーじゃなくなればいいんでしょ?」

響「え、そりゃ……そうだと思うけど」

亜美「じゃあさじゃあさ!このデッキケース、壊しちゃえばいいんだYO!亜美あったまいい!」

響「……そっか、なんで気付かなかったんだろ!そうじゃん、そうすれば戦わなくて良くなるさー!」

亜美「でしょでしょー!じゃあ亜美がひびきんの壊すから、ひびきんは亜美の壊してよ!」

響「う、うん……緊張するな……」

亜美「ほらほらー構えて構えて!いっくよー」

響「よ、よし!来いっ!」スピンベント

亜美「せーの、てりゃっ!」ガキンッ

響「ちょ、まっ……」パリッ

亜美「ひびき~ん、同時にやるとこっしょ、今の!」

響「ごめん、ちょっと手元が……でも、自分のデッキ壊れたさ!」

63: 2012/12/27(木) 23:53:07.24 ID:RWkVYB11o
亜美「これでイチ抜けだねっ!」

響「うんっ!もう戦わなくていいんだ!良かった、ほんと……?」

亜美「うんうん、亜美のおかげだね~!ね、ひびき……ん?」

ギガゼール「ガフッ、ガシュガシュ」バリバリ

亜美「え、ちょ、これ、どうな……」

亜美(ひびきんのモンスターが、ひびきんを、食べっ……?)

亜美「うっ……ぇ……」

亜美(に、逃げなきゃ。逃げなきゃ、次は亜美が……)

亜美「うぅ……ごめんね、ひびきん。ごめんねっ……」

……。

亜美「はぁ、はぁっ……はぁ……」

真美「あ、亜美おかえりー……ど、どったの?」

亜美「え?な、なんでもないよ!なんでも……」

真美「そ、そう?なんか調子悪そうだけど……」

亜美「なんでもないから!ほっといてよ!」

真美「あっ……ごめん……」

亜美(ひびきんは、氏んだ。氏んだ……?デッキが壊れると、モンスターが敵に戻るのかな)

亜美(知らなかった……ごめんね、ひびきん。ごめ……)

響『だけど最後まで勝ち抜けばどんな願いでも叶うんだって』

亜美(そっか……勝てばいいんだ。最後まで生き残れば、願いが……ひびきんが、帰ってくる)

亜美「そっか……そうすればいいんだ。そっか、そうじゃん……ふふ、ふふふふふ」

真美(……亜美、やっぱり変だよ)

……。

64: 2012/12/27(木) 23:53:39.55 ID:RWkVYB11o
【水瀬伊織】

伊織「悪いわね、呼び出して」

P「いや、いいんだが……どうした?事務所じゃダメなのか?」

伊織「あんまりね……聞かれたく無い話なのよ」

P「何か悪い知らせか?」

伊織「さぁ、どうかしら」

P「勘弁してくれよ……今、いっぱいいっぱいなんだよ。やよいの事があって、みんなどっかおかしいんだ」

伊織「そうでしょうね……」

P「今日も真美に亜美の様子がおかしいって相談されたよ。もう、俺もどうしたらいいか……」

伊織「亜美が……?その話、本当なの?」

P「え?あ、ああ……」

伊織「……やっぱり悪い知らせよ。疑念がほぼ確信に変わったわ」

P「どうしたっていうんだよ」

伊織「これ」バサッ

P「ファイル?何のだ?」

伊織「いろいろよ。いい?絶対に読んでよ。それからこれも」チャッ

P「なんだこれ、ベルト?俺に渡してどうすんだ」

伊織「あんただから渡すのよ。使い方はそのファイルに書いてあるわ。……どう使うかは、あんたが決めて」

P「お、おう。わかった……」

伊織「私はやることがあるから、しばらく事務所には顔を出せないけど……他のみんなの事は安心していいわよね?」

P「ん?……そうだな。任された」

伊織「上出来よ。それじゃ……またね」

P「おい、伊織!……どうしたってんだ、ベルトが」

P「……事務所に帰って読んでみるかね」

……。

65: 2012/12/27(木) 23:54:10.92 ID:RWkVYB11o
【四条貴音】

貴音「……響が、行方不明になったそうです」

律子「十中八九、ミラーワールドでってことね」

貴音「恐らくそうでしょう。こうならない為に動いてきたというのに……」

律子「貴音のせいじゃないわ。私だって何も出来なかった」

貴音「どうすれば良いのでしょう、私達は」

律子「今以上に出来る事なんて、無いわよ。今だってギリギリ中立でいられるんだから」

貴音「中立……?どういう事でしょうか?」

律子「……派閥ができてるのよ。春香や千早は戦いを止めるよう動くみたい。だけど、真と雪歩がね」

貴音「やはり、あの二人もライダーになってしまいましたか」

律子「二人は願いを叶えて全てをもとに戻すつもりみたい。なんとか契約は阻止したかったんだけど」

貴音「金のライダー……あの者については今を持って謎のままです」

律子「あいつをなんとかしないと、この戦いは終わらないのよね……きっと」

貴音「しかし、律子嬢の言う通りならば……響を倒したのは真か萩原雪歩という事になりますか」

律子「それが、妙なのよ。どうもその二人じゃなくて他の……」

貴音「なんと……ここに来て新たな存在ですか」

律子「そうなのよ。いろいろ考えてみたんだけど、もしかしたら……」

66: 2012/12/27(木) 23:54:40.81 ID:RWkVYB11o
美希「んーっ!気分爽快なのっ!」

貴音「はっ!?」ガタッ

律子「貴音、落ち着きなさい。美希、いたのね」

美希「うん。社長室でお昼寝してたの」

律子「社長室ってアンタ……」

美希「社長の椅子は座り心地いいんだよ?律子知らないの?」

律子「さん、でしょ。もう、ちゃんと社長に許可取ったんでしょうね」

美希「うん。いいよって言ってたよ。社長は優しいのー」

律子「もう、アイドルに甘いんだから……」

美希「あはっ、ミキに厳しい人なんて律子、さんとハニーくらいなのっ!じゃあミキ、ちょっと出かけてくるね」

律子「はいはい。気を付けてね」

美希「うん。あ、そうそう……真クンと雪歩の様子が変なのってお仕事のせい?」

律子「え?いや、特には……プロデューサー殿の方が詳しいんじゃないかしら」

美希「そっか、そりゃそーなの。ありがと、律子、さん」バタンッ

貴音「……美希、何を知っているのでしょうか」

律子「さぁ、さっぱりだわ。あの子の場合感覚で理解してるって事があるからね……」

貴音「ではその感覚を信じてみるとしましょう。真と萩原雪歩から目を離さぬよう」

律子「……お互いね」

……。

67: 2012/12/27(木) 23:55:15.04 ID:RWkVYB11o
【天海春香】

春香「って、話なんだけど……」

千早『……』

春香「えと、別に千早ちゃんが嫌なら無理にってつもりは無いんだよ?ただ、その……仲間は、多いほうがいいかなって」

千早『……』

春香「千早ちゃんは、どうしても叶えたい願いがあるってわかってる。だけど、ちゃんと話せばわかってくれる人だっているよ」

千早『春香』

春香「だから、その……良かったら、私と一緒に亜美の仲間に会ってくれないかな?」

千早『元から嫌だと言うつもりは無かったわ』

春香「えっ、そうなの?」

千早『ええ。仲間が多いに越した事は無いし……少し、色々とあって、やっぱり戦うのは好きじゃないってわかったの』

春香「そっか、うん、そうだよね。誰だって戦いなんてしたくないよね」

千早『……そうね。ただ、信用出来るかどうか少し探らせてはもらうわ。一緒に行くからといって仲間になるわけではないわよ』

春香「あ、そうだね。それでいいよ。良かった……千早ちゃん、行きたくないって言うのかと思って」

千早『少し前の私ならそう言ったでしょうね。でも、今の私には春香がいるから。願いも、春香も……失いたくないのよ』

春香「……ありがとう、千早ちゃん」

千早『お礼なんていいわ。それじゃ、明日ね』

春香「うん、また明日ね!」プツッ

春香「よかった、不安だったけど……千早ちゃんも戦うの、嫌いだよね。うん」

春香「亜美と一緒かぁ、そうだ、クッキーとか焼いて行こうかな。あ、でもクッキーもう飽きちゃったかも……」

春香「って、そもそももう夜だし、時間無いし。仕方ない、お菓子は同盟成立記念にでも作ろう!」

春香「……大丈夫だよね。私達、わかりあえるよね」

……。

春香「戦わなければ生き残れない」【その3】

68: 2012/12/29(土) 00:12:32.63 ID:rD+E6JXno
乙

【生存ライダー】
春香:龍騎
千早:ナイト
律子:ゾルダ
伊織:ファム
亜美:ガイ
貴音:?
真:?
雪歩:?

【氏亡ライダー】
やよい:シザース 犯人不明
あずさ:王蛇 千早により
響:インペラー 亜美により

【一般人?】
美希
真美

描写で誰がどのライダーか確定していくと
残ってるライダー枠はライア・タイガ・ベルデ・リュウガか。ふむ。
あとPが変身するとしたらアレだろうなきっと。

引用: 春香「戦わなければ生き残れない」