145: 2013/01/08(火) 00:47:58.07 ID:brxHKv6qo




前回:春香「戦わなければ生き残れない」【その5】

最初から:春香「戦わなければ生き残れない」

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! SPECIAL SOLO RECORDS 天海春香



2.春香は戦いをやめる



千早「春香……あなたはもう、戦いをやめてしまったの?」

千早「なんて、当然よね。元々不本意にライダーになったのだし」

千早「……帰ろう。多分もう、ここに来る事も無いでしょうね」

ガチャ

春香「あ……」

千早「はるっ……!」

春香「あ、えと……久しぶり、だね。千早ちゃん」

千早「一週間ぶりね。どこに行っていたの?」

春香「うん、いろいろ。あの、今時間あるかな?」

千早「時間?ええ、構わないけれど……」

春香「そっか。じゃあちょっと話さない?」

千早「そうね……ここで?」

春香「うん。ダメかな?」

千早「いえ、いいわ。もう随分変わってしまったけれど、やっぱりここが私達の事務所だもの」

春香「そうだよね。みんな、いなくなっちゃったけど……」

千早「ついさっきまで春香もその中に入っていたのよ。改めて聞くけど、何をしていたの?」

146: 2013/01/08(火) 00:48:24.84 ID:brxHKv6qo
春香「……戦ってた。ずっと」

千早「一人で?」

春香「うん。誰よりも早くミラーモンスターを倒すのが目標だったんだ」

千早「どうしてそんな事を……私だって協力するのに」

春香「戦うって意味が知りたくて。ずっと戦ってたら何か見えるのかなって思ってさ」

千早「それで、気は済んだの?」

春香「……色んな人を助けて、文句言われたり、感謝されたり。いろいろあったけど、結局わかんなかった」

春香「戦う事に意味なんてあるのかなぁ?私、バカだからわかんないや……」

千早「春香だけじゃないわ。きっと誰にもわかることでは無いのよ」

春香「そうかもしれないね。けど、意味がないなら戦い続ける理由ってなんだろうって思って」

春香「……少し、疲れちゃった」

あずさ『疲れたのよ……誰かの為に戦う事も、自分の為に、戦う……事も』

千早「そんな事言わないで……春香らしくないわ」

春香「そうかな?でも、もういいんだ。元々願いなんて無かったし、もうやめようって思って」

春香「痛いのも怖いのも、誰かの代わりだと思えば我慢できた。けど……私だけ痛くて怖いのはもう、疲れたな」

千早「何かあったの?私が知らない間に……」

春香「……真美が、ね」

千早「真美……?」

春香「真美が、私の事を……!?」リィィイン

147: 2013/01/08(火) 00:48:54.95 ID:brxHKv6qo
千早「この感覚……!」リィィィン

春香「千早ちゃんはここにいて!私、行ってくる!変身!」ガシャッ

千早「待って、春香こそ残って!私が行ってくるから!」

春香「ダメなんだよ、千早ちゃん。私が行かないと」ドッ

千早「うっ……くっ、春香……どうして……」ドサッ

春香「前はこうやって助けてもらったっけ。今度は私の番だね」

春香「会わせるわけにいかないよ、今の真美とは……なんだかんだでさ、痛いのも怖いのも……悲しいのも、私だけでいいから」

千早「はる……か……」

……。

【天海春香】

春香「モンスターは……!」

真美「おっそいよー、はるるん」

春香「……流石に早いね、真美」

真美「んっふっふ~、もう倒しちゃったもんね!そんでさ」

真美「今日こそ、デッキ渡してくれるよね?」

148: 2013/01/08(火) 00:49:25.31 ID:brxHKv6qo
春香「それは出来ないって言ったでしょ?真美に渡すには……このデッキは、重すぎるから」

真美「またそうやってバカにして……真美だって戦える!戦いを終わらせられる!」

春香「そうじゃない、そうじゃないんだよ。真美には戦って欲しくないから……」

真美「うるさい!だったらさっさとリタイアしちゃえばいいんだ!」ソードベント

春香「……そうだね、何やってるんだろう、私。だけど、だけどね」ソードベント

春香「もうやめたいって思っても、やめるわけにはいかないんだよ」

……。

149: 2013/01/08(火) 00:50:06.02 ID:brxHKv6qo

【プロデューサー】

P「それが、社長の思惑ですか」

黒井「そうなるな」

P「……その為に、アイドル達が頃し合いを」

黒井「……そう、なるな」

P「くそっ!」ダッ

黒井「おい、どこへ行くつもりだ?」

P「すぐにでも春香と千早に連絡して戦いをやめさせるんです!そんな……くだらない願いなんかに、あの二人の命が費やされていいはずがない!」

黒井「貴様は家族を喪った事があるか?」

P「……それは、ありませんけど」

黒井「なら恋人は?」

P「それもありません」

黒井「ならば、貴様を慕うアイドルを亡くした事は?」

P「……」

黒井「貴様はヤツの願いを馬鹿にする事は出来ん。なぜなら同じ願いを一度でも持ってしまったからだ」

黒井「誰でもそうだ。私がヤツより先にミラーワールドとやらを知っていたら同じ事をしたかもしれん」

150: 2013/01/08(火) 00:50:58.00 ID:brxHKv6qo
黒井「なんだ、その目は。けなされて喜ぶとは妙な趣味だな。ちょうど潰れかかった事務所があるから使える人材を頂こうというだけの事だろうが」

P「すみません、生意気言いました。高木社長の友人ですもんね。無関係なんて言えない」

黒井「断じて友人などではない!が、自分の分を弁えたようだな」ポイッ

P「わっと、なんですかこれ……これは!」

黒井「765のアイドルが私に寄越した物だ。プロトタイプだそうだが、実際に動作はするようだ」

P「伊織……」

黒井「わかったらさっさと行け。……甘さは捨てろ。最悪の場合、高木を頃してでも」

P「わかってます。俺はアイドル達とは違う。大人ですから、汚い事も出来る」

黒井「少しは良い顔になった。高木と相対してもその顔でいられるといいがな」

P「……行ってきます」

黒井「……フン」

……。

151: 2013/01/08(火) 00:51:32.11 ID:brxHKv6qo
【如月千早】

千早「……う、ぁ」

千早「まだそんなに時間は経ってない。良かった、間に合いそうね……」

千早「春香、あなたが戦いをやめたいのなら手伝うわ。だから、一人で無茶しないで」

千早「変身!」

……。

千早「……戦闘の痕が点々と。追いやすいのはいいけど、追いついた時が怖いわね」

千早「無事でいて、春香……」

ゴッ

ゴォォオオオオ

千早「今の音は!?」バッ

千早「すぐ近く……そこにいるのね、春香!」

春香「……」

真美「……はるるん」

千早「春香!」

152: 2013/01/08(火) 00:52:04.87 ID:brxHKv6qo
真美「なんで、止めを刺さないの?」

春香「……」

千早「真美……?何が、どうなっているの?」

真美「最後までそうやって、真美の事を馬鹿にするの?」

春香「……違うよ、真美」

真美「だったら!真美も頃して!亜美と同じ、みんなと同じ所へ送ってよ!」

春香「それは無理、かなぁ」

真美「なんでさ……どうして真美だけ……なんで……」

春香「ごめんね、真美。それから、千早ちゃん」

千早「春香……?」

春香「私、本当に疲れちゃった。もう……」グラッ

真美「あ……」

千早「春香ぁあ!!」

153: 2013/01/09(水) 00:22:56.20 ID:eP3WPJzto
千早「真美!あなた……」

真美「ちっ、違う!真美じゃない!だって、真美そんな深く……」

春香「真美のせいじゃ、ないよ……」

千早「春香!まさか、体に何か……」

春香「この一週間、ずっと、ずーっと戦ってたんだ。寝る時間も削ってずっと……」

春香「だから、もう……限界みたい。体もボロボロで、力が入らないんだ」

千早「何故、どうしてそんなになるまで……春香は戦う事なんて嫌いだったはずでしょう!?」

春香「嫌いだよ……大嫌い。辛くて、やめたくて……」

春香「ううん、私はきっと、戦っていなかった。あの日から、戦う理由を失くして……」

春香「忘れる為に、逃げる為に命を危険に晒していただけ。私はとっくに、戦ってはいなかった」

千早「春香……ダメよ、諦めちゃダメ。あなたはまだ大丈夫だから」

春香「もう、いいんだよ。私、もう戦いたくない。このまま、時間が過ぎて……変身が、解けて」

春香「モンスターにやられるか、ミラーワールドに耐え切れず氏んでしまうか……そうすれば、私はもう戦わなくて済む」

真美「は、るる……ん」

春香「戦うって事はこういう事なんだよ、真美。辛くって、痛くって、怖くって……」

真美「でも、真美は……」

春香「……いい加減に、しなさい。亜美だって、真美に戦って欲しいなんて思ってない」

154: 2013/01/09(水) 00:23:41.66 ID:eP3WPJzto
真美「……」

千早「春香、ダメ。力を抜かないで。歩くのよ。ミラーワールドから出て、体を手当すれば……」

春香「……」フルフル

千早「私は、春香に生きていて欲しいのよ!そんな……そんな終わり方って……!」

春香「千早ちゃん……願い、叶えてね。きっと、勝って……」スッ

千早「カード……?見たことのない……」

春香「使って……伊織から受け取った、カード……」

千早「え、ええ。でも、どうして……」

春香「……眠く、なってきたから。渡しておこうと思って……」

千早「春香、ダメ、ダメよ……」

春香「……」

千早「春香……!」

真美「あ、あ……はるるん……」

千早「……真美」

真美「あ、う……うん」

千早「春香の言いたいことは理解出来たわね?」

真美「……でも」

千早「聞き分けなさい。それとも戦うかしら?この私と」

真美「……っ」

155: 2013/01/09(水) 00:24:15.61 ID:eP3WPJzto
千早「構わないのよ、真美がそのつもりなら。私は……受けて立つわ」

千早「誰だって構わない気分なのよ。別に、あなたでも」

真美「ひ……!」ゾクッ

P「……そこまでにしておけよ、千早」

真美「兄ちゃん!」

P「あんまり真美をいじめるな。真美も真美で、意地になるんじゃない。お前だって本当はわかってるはずだろ」

真美「……う、うん」

千早「今頃出てきて何の用ですか?私は今忙しいんですが」

P「そうだな、確かに今頃だ。お前たちが戦っている間、俺は何も知らずにオロオロしていただけだった」

P「何もかも手遅れで、救える物も救えなかった。でも、まだ間に合う事もある」

P「真美。お前は早くここを出て、そのデッキを壊せ。いや、壊さなくてもいいけど、二度と使わないって約束してくれ」

真美「わかった。あの、兄ちゃん……」

P「俺に謝る必要は無いよ。むしろ謝るべきは俺だ。こうなる前に、止める事だって出来たはずなんだ」

真美「……じゃあ、後でいっぱい謝るね。外で待ってるから」

P「すぐ帰るよ。十分もしない内にな」

真美「千早お姉ちゃんも、待ってるからね」タッ

千早「……私に何を言う気なのかしら。まぁ、なんでもいいけれど」

P「さて、千早。お前が今優先するべき事はなんだ?」

千早「ライダーバトルももう終わりです。オーディンを倒し、私が願いを叶える」

156: 2013/01/09(水) 00:24:49.01 ID:eP3WPJzto
P「違うだろう。春香を助けて、ここから去る事だ」

千早「違いません。勝って願いを叶える事が何よりも優先されます。春香と約束したんです」

P「……オーディンは、俺が倒す。それでいいだろう」

千早「それでは私の勝利と認められないかもしれない。私が戦う必要があるんです」

P「どうしても、無理か」

千早「どうしても、無理です」

P「……甘さは捨てろ、か。黒井社長も無茶言うよ、ほんとに」

千早「プロデューサーこそ、どうしても邪魔をしますか」

P「ああ、する。お前が戦う必要なんてもう無いんだ。過ぎた事よりも未来を優先しろ。春香はまだ間に合う」

千早「過ぎた過去……その通りです。でも、まだ取り戻せるかもしれない。その可能性が残されている」

千早「プロデューサーにとって、他のみんながただの過去で済む存在なのは良くわかりました。そんな人に、私の邪魔はさせない」

P「千早、聞け。この戦いはそんなもんじゃ……」

千早「聞きません。私はあなたも倒してライダーバトルを続ける。それが変わらない答えです」

P「……わかった。それでお前の気が済むのなら」

千早「行きますよ」ソードベント

P「来い」ソードベント

千早「……」ジリッ

P「……」ズッ

157: 2013/01/09(水) 00:25:16.38 ID:eP3WPJzto
千早「……はっ!」バッ

P「おっ」ガキッ

千早「たぁっ!」バシュッ

P「おお、速いな」スッ

千早(当たらない……モンスターかスーツの力かしら。でも、これは素早いというより……)

千早「なら、これでっ!」トリックベント

P「……分身か。なるほど、便利なカードだ」

千早「出処のわからない攻撃も避けられますか」

P「どうだろうな。俺もわからん」

千早「はぁあ!」ダッ

P「おっと、こっちか」ヒョイッ

千早「くっ……やぁっ!」ブンッ

P「本体がバレたら分身の意味も無いぞ」サッ

千早「目じゃない……なら、これは!」ナスティベント

P「うおっ!すごい音だ……千早は撹乱用のカードをたくさん持ってるんだな。いいカードだ」キィィィン

千早「もし音で察知しているのなら、これで封じたはず」

千早「そして、背後からの一撃なら……はぁああ!」ブオッ

P「だが」ザッ

P「無意味だ」バシュッ

158: 2013/01/09(水) 00:25:43.82 ID:eP3WPJzto
千早「ぐはっ……!な、どうして……!」

千早(この感覚、やはり違う。私の攻撃を見てから、聞いてから避けているというよりも……)

P「不思議か?俺の動きが。まるで自分の行動が読まれているようだと」

千早(そう、まるで私の動きを知っていて、先に動かれているよう。あり得ないわ、こんな事)

P「そうだな、俺も驚いたよ。だけど、俺は誰だ?お前のプロデューサーだぞ?」

P「日常的な動きは勿論、非日常における動きだって。お前の事は誰よりも見てきた男だ。もしかしたらお前自身より」

千早「まさか、そんな……」

P「俺は、多分お前たちにとって最悪のアンチユニットだ。日頃の真面目な仕事の成果か……」

P「お前の考えてる事、繰り出す攻撃、取るだろうリアクション。全て、わかる。もっとわかりやすく言おうか」

P「千早、お前が俺に勝つことは不可能だ」

千早「まだ、手はあります。私の動きが読めたとして、モンスターの動きは別なはず!」アドベント

P「それは正解だ。だけどその選択も予想の範囲内」アドベント

ダークウイング「キキッ!」

サイコローグ「ギュィン」

P「モンスターはモンスターに相手をさせればいいだけだ。そして……」

サイコローグ「ギギッ!」ガキン

ダークウイング「キー!」バタバタ

千早「ダークウイング!」

P「これはただのラッキーだが、俺のモンスターの方がお前のより強いみたいだな。さあ、どうする?手はあるか?」

159: 2013/01/09(水) 00:26:53.88 ID:eP3WPJzto
千早「……それでも、私は負けるわけにはいかないんです」

P「そうか。なら、来い。お前の全てを受け止めて……わからせてやる」

千早「はぁあああ……」ファイナルベント

P「それがお前の最大の技か!いいぞ、来い!」バッ

千早(恐らくプロデューサーはガードベントで凌ごうとするはず……だけど、それを撃ちぬけば私の勝ち!この一撃に……)

千早「全てを賭ける!はっ!」バッ

千早「飛翔斬!!食らって……倒れてっ!!」ギュルルルル

ズドッ ゴォオオオン

千早「……はず、れた」

P「嘘ついて悪かった。受け止めるって言ったが、そもそも俺にそんな手は無いんだ」

P「アクセルベントって言ってな。俺の動きを一時的に加速させる事が出来るカードだ。お前の最大攻撃を誘って、これで避ける。そういうプラン」

千早「ま、だぁっ!」ブンッ

P「もう、止せ。もういいんだ」パシッ

千早「でも、それじゃ春香が……春香との約束が……」

P「……悪いけど、ここまでだ。逃げろよ、千早」ドスッ

千早「あ……」バリンッ

P「デッキは破壊した。これでお前はライダーじゃない。早く春香を連れて……」

パァアア

高木「なるほど、こうなったか。ならば私が天海君を倒してゲーム終了と言うわけだ」

千早「あれは……」

P「出たな、オーディン。いや、高木社長」

160: 2013/01/09(水) 00:27:21.93 ID:eP3WPJzto
高木「君が何か探っているのは知っていたが……私の事まで辿り着いているとはね。恐れ入る、やはり優秀だねえ」

P「あなたが選んだプロデューサーですよ。無能なわけがないでしょう」ザッ

高木「嬉しい事を言うねぇ。さて、それでは業務命令だ。そこを退きたまえ。邪魔だよ」

P「実は961プロに移籍が決まってまして。今日限りで上司部下の関係は終わりということで……」

高木「なんと!そうか……残念だよ。では一人の男として君に聞こう。私の邪魔をやめる気はないかね?」

P「ありません。俺が今からやることは一つ。俺のアイドル達をこんな目に遭わせてくれたあんたをぶちのめすことだ」

高木「君の、ではない。私の事務所で私のアイドルだ。そもそもその為に集めた彼女達なのだから、別に怒るような事ではないよ」

P「どこまで言っても平行線。ならやる事は一つだけ……勝負だ、オーディン」チャッ

高木「……ふむ。無能ではない、が、頭は良くないようだ。君は如月君との戦いで消耗しているね?」

高木「それに、君の戦闘能力は如月君やそこにいる天海君より低いだろう。君が彼女に勝ち得たのは、その技能故だ」

高木「君は私の行動が読めるかね?そうでなくては勝ち目は無いよ」

P「……やってみなくちゃ、わからない!」ダッ

高木「ならば試してみるがいい。そして知りたまえ、自分の限界を」

千早(オーディンの正体は社長。私達はライダーバトルの為に集められた……?)

千早(わからない事だらけだけど、もういいわ。もう……疲れてしまった)

千早(春香……ごめんなさい。約束は守れなさそう。それから……あずささん。あなたとの……約束も……)

……。

161: 2013/01/09(水) 00:27:50.88 ID:eP3WPJzto
あずさ「こーら。何をうずくまっているの?」

千早「えっ……?」

あずさ「もう。ダメよ~、そんなに簡単に諦めちゃ。私の言った事、覚えてるでしょう?」

千早「でも、春香ももうボロボロで、私ももう……」

あずさ「そうねぇ。大変だったみたい。でも、だからといって諦める理由にはならないわ」

千早「どうしてそんな事を言うんですか?自分は諦めて……氏んでしまったのに」

あずさ「だからこそ、よ。千早ちゃんは、まだ立てるわ」

千早「もういいんです。もう……」

あずさ「立ちなさい、如月千早」

千早「……」

あずさ「あなたには義務があるの。立ち上がる義務が、足掻く義務が、諦めない義務が」

千早「……」

あずさ「あなたには色んな人が色んな物を託しているわ。それを放棄する事は許されない」

千早「……どうして、私が」

あずさ「……そうねぇ。身勝手で、ひどい話だわ。そういう私もその一人なんだけど」

あずさ「あのね、千早ちゃん。あなた、オーディションはいくつ受かってきたかしら」

千早「それは……数えきれません、今更」

162: 2013/01/09(水) 00:28:19.05 ID:eP3WPJzto
あずさ「その時、あなた以外のアイドル達は落選したはずよね?」

千早「それは、そうでしょうけど」

あずさ「逆に、千早ちゃんが落ちた事もあるでしょう?」

千早「最初のうちはたくさん落ちましたよ」

あずさ「そのオーディションに受かった人がチャンスを蹴ったとしたら、どんな気分かしら」

千早「……理解出来ません。どうして私に勝っておいてそんな事をするのか」

あずさ「……そういう事なのよ、全て。私達は生きる上で常に人と競っていて、負けた人の思いを背負うのは残った人の義務なの」

千早「そんな!なら、生きる事って辛すぎるじゃないですか……」

あずさ「そうよ。それでもあなたは生きなければならない。私の事なんてどうだっていいわ。でも、春香ちゃんの事を考えて」

千早「春香……」

あずさ「いろいろと言ったけど、難しく考える必要はないの。あなたが報いたい人を思って戦えば、それでいい」

あずさ「春香ちゃんとの約束は、守ってあげないといけないわよね~。でしょう?」

千早「……春香との約束。勝つこと」

あずさ「きっと、色んな事を考えたと思うわ。けど、その上で出た言葉がそれなの。なら、千早ちゃんはどう応えるかよ」

千早「私は……戦って……」

あずさ「もう、迷わなくていいの!春香ちゃんに勝ってって言われて、プロデューサーさんが危ない。戦う理由がこれ以上必要かしら?」

千早「……あずささん」

あずさ「はーい?」

千早「もう、出てこなくてもいいです」

あずさ「あ、あらあら~」

千早「しっかり伝わりました。わざわざすみません。……ありがとうございました」

あずさ「……頑張ってらっしゃい」

……。

163: 2013/01/09(水) 00:28:58.09 ID:eP3WPJzto
P「くそっ……どうやっても無理、か」

高木「わかっていた事だよ……君では無理だと。残るは戦闘能力の無い天海君と、君が変身不能にしてくれた如月君か」

高木「ライダー全員を倒さなければならないからね、君にもそろそろ本当に退場してもらおう」

P「千早、春香、真美……情けないプロデューサーでごめんな。みんな、今行くよ」

高木「じゃあ、さようならだ」ブンッ

ガキィンッ

高木「……君は、誰だね?」

P「千早……なのか?その姿は……」

千早「私のデッキは、プロデューサーに壊されました。それは間違いありません」

千早「だけど、私以外誰も知らない事もあります。私と、あずささん以外……」

高木「……なるほど。デッキを奪ったのか。その姿……王蛇のデッキは三浦君の物だね?」

千早「奪ったんじゃありません。託されたんです」

千早「あずささんとの約束の為に、プロデューサーを守る為に……春香との約束と、春香を守る為に!」

千早「託された力で、私は戦う!」ガシャンッ

SURVIVE

春香「戦わなければ生き残れない」(IF)【その7】

引用: 春香「戦わなければ生き残れない」