165: 2013/01/10(木) 00:13:54.14 ID:CkMgx33jo



前回:春香「戦わなければ生き残れない」【その6(IF)】

最初から:春香「戦わなければ生き残れない」

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! SPECIAL SOLO RECORDS 天海春香


高木「良い覚悟だ。だがそれではまだ駄目だ」

P「気をつけろ、千早。社長はまだまだ底を見せてないぞ」

千早「プロデューサー、お願いがあります。可能な限り確実に実行してください」ボソッ

P「な、なんだ?出来る事ならなんだって……」ボソボソ

千早「……」ボソボソ

P「……それは構わないけど、でも、それじゃ」

千早「……もう、無理なんです」

P「そうか……なら俺はそれを」

千早「私は……やれる所までやってみます!」ソードベント

高木「待ちたまえ。その前にやることがある」

千早「何を……?」

高木「むんっ!」ガキンッ

ダークウイング「キキッ!」バサバサッ

千早「ダークウイング!私のデッキが破壊されたから……」

高木「デッキを壊されて尚、主人だった者を狙わんか。なるほど、奇妙な信頼があったようだね。だが……」フワッ

高木「たかがモンスターが私に歯向かうなど、意味の無いことだ」

ダークウイング「ギ……キ……」バシュウウウ

高木「邪魔者はこれで消えた。さて、それでは……」

166: 2013/01/10(木) 00:14:21.77 ID:CkMgx33jo
千早「やあっ!」シュッ

高木「良い選択だ。どんな隙も見逃さない。そして躊躇わない」ガキンッ

高木「何よりも迷いが無いから出来る行動だ。如月君はナイーブだから心配していたんだが、どうやら成長したようだね」

千早「……皮肉ですけれど、あなたのお陰です。この戦いで色んな物を失い、それが私から迷いを消した」バッ

高木「君が成長出来たのなら何よりだよ。三浦君からデッキを、水瀬君、そして天海君からサバイブのカードを手に入れた」

高木「君の姿は今までの戦いの集大成と言った所か。だが、それでは足りないのだよ」スッ…

高木「まず第一。私は常にサバイブ状態である事。君が手に入れたカードではせいぜい互角になったにすぎない」パァアア

高木「そして第二……それは、見てもらえばわかるだろう。これだ」シュンッ

千早「消え……!?」フア…

高木「こっちだ」バシッ

千早「ぐっ!……後ろに!?」クルッ

高木「おっと、こっちだよ」バシュッ

千早「きゃあっ!どういう事……金色の羽が見えたと思ったら、気付けば私の背後にいる」

高木「これが、第二の理由。君と私はサバイブ体という意味では互角だ。だが、そもそもの性能が違いすぎる」

千早「このっ!」バッ

高木「君に私を捉える事は出来ない。攻撃は空を切るだけ……だ。そして私は一方的に君を攻撃する」ズバッ

千早「が、はっ……こんな……こんな差が……」ヨロ

167: 2013/01/10(木) 00:14:55.12 ID:CkMgx33jo
高木「元々私が勝つ為に始めたゲームだ。負ける訳が無いのだよ」

千早「卑怯よ、こんな……」

高木「卑怯?それは君達の事を言うんじゃないかね?今こうしている間にも……」フワッ

P「くらえっ!」ブンッ

高木「背後から私を討とうとしている。不意打ちは卑怯だろう、君ぃ」

P「くそっ!やっぱり無理か!」

高木「やれやれ……邪魔はしないで欲しいんだがね。君はライダーバトルの外にいる人間だ。本来倒す価値もない」

P「なら退けてみたらどうです?社長ならすぐでしょう」

高木「もうやっているよ」ザクッ

P「ぐぁ……千早……約束は……」グググッ

バタッ

高木「……さて、今度こそ本当に邪魔者はいなくなった。そろそろ終わらせよう」

高木「ああ、第三の理由を言っていなかったね。君はその力を色んな人から受け継いだようだが……」

高木「そのデッキに、戦闘に使えるカードは少ない。せいぜいソードベント、アドベント、フィア0ルベント。その三枚だ」

高木「三浦君は鍛錬で補っていたようだが……君では使いこなせないねぇ。ナイトのままの方が強かったのだよ、君は」

千早「プロデューサー……受け取りました、確かに」グッ

168: 2013/01/10(木) 00:16:03.05 ID:CkMgx33jo
高木「それは……?」

千早「確かに、私はあずささんより弱い。カードの効果に頼った戦い方と言われて、その通りだと思いました」

千早「だから、この力では勝てない……それもその通りだと思います。でも、それなら」チャッ

高木「天海君のデッキか。彼は天海君のデッキを取りに行っていたようだね。という事は……天海君は氏んだか。それは楽でいい」

高木「で、今更そんな物を使ってどうするつもりかね?王蛇のデッキのように、君が変身してみるのかな?」

千早「違う。私は、このデッキを……こうする」ブンッ

バキッ

高木「何?デッキを破壊して……何の意味があるんだね?」

千早「社長はデッキの内容をご存知だったはずですよね。考えてみてください。私のデッキに入っているカードを」

高木「王蛇のデッキ……まさか!!」

千早「そのまさかです」

ドラグレッダー「グオオオオオオオオオ!!」

千早「デッキが破壊されれば、契約モンスターは解き放たれる。そして、私のデッキには……」シュッ

千早「白紙のコントラクトカードがまだ残っている!」

千早「ドラグレッダー!私と契約しなさい!春香の仇を取るのに……あなたの力を貸して!」パシィイイン

ドラグレッダー「ガォオオオオオオオオオン!」

高木「……考えたねぇ。使える手札が少ないなら増やせばいい。その発想は中々だ」

千早「……春香には、最後まで頼りっぱなしね。借りるわ、もう一枚。これできっと、勝てる」ス…

高木「もう一枚のサバイブ……烈火と疾風。なるほど、それも計算に入れての行動か」

千早「ええ。あなたを倒せば戦いは終わる。その為に……」ガシャンッ

千早「あずささん……春香……一緒に、行きましょう!」SURVIVE

169: 2013/01/10(木) 00:16:34.22 ID:CkMgx33jo
高木「素晴らしい……今の如月君は力の結晶のような存在だ。闘争の中、そこまで磨き上げたか!」

千早「私一人の力じゃありません。あずささんのデッキ、春香のカード……そして、それを渡してくれたプロデューサー」

千早「私がここに立っていられるのだって、高槻さんや律子、四条さん、美希達に助けられたから」

千早「そして、道は違えど……大事な何かを守る為に戦った他の皆」

千早「どこかで一歩間違えれば、私はここにいなかった。全てが私の為にあった……」

高木「それは傲慢ではないかね?」

千早「そうでしょうね。だけど、そう考えた方が……楽しいじゃないですか、生きる事が」

千早「生きる事は戦いかもしれない。でも、周りの人達は敵じゃない。だから、私は……」

千早「なんとしても、“生き残る”道を選びます」

高木「ふむ……随分と楽観的だが、まだ私の攻撃を破ったわけではないんだがね」

千早「そうですね。でも、不思議……何故か、負ける気がしないんです」

高木「ならば試してみよう。はぁっ!」スッ

千早「……」ガードベント

高木「む!?」バシッ

ベノスネイカー「シュルルルルル……」

千早「蛇って、ピット器官っていうのがあるそうです。人間よりよっぽど、気配を捉えるのが上手いらしいですよ」

170: 2013/01/10(木) 00:17:13.91 ID:CkMgx33jo
高木「防御に徹すれば防げるようだが、それでも君の反撃は当たらない。攻撃せずに勝てるとでも言うのかね?」

千早「……一つ運試しをしてみましょう。これ次第で、勝敗が決まる」ストレンジベント

高木「ストレンジのカード……なるほど、面白い!いいだろう、何を引こうと叩き潰すのみ!」ザッ

千早「……」パシッ

千早「どうやら、私の勝ちのようです」

高木「ほう、余程良いカードを引いたようだね。だが全ては私の前に砕け散る」

千早「社長は絶対に受けられません。瞬間移動で避けるでしょう。そうしなければ痛手を負うから」

高木「……何?」ピク

千早「あなたでも私には勝てないと、そう言ったんです。これから出す技を、あなたは受けられない」

高木「下手な挑発だ。私は間違いなく最強のライダーであり、敗北はありえない。避けたとして、勝利に最も近い道だからそうするだけの事」

千早「だからあなたは勝てないんです。確実だなんて言葉を使って、勝負から逃げているから」

高木「……」

千早「春香は言いました。戦う事に疲れて、ただ逃げる為に自分を危険に晒していたと。恥ずかしそうに、言いました」

千早「諦めているのに、抗っているフリ。あなたの行為は闘争ではない。ただの逃避です。恥です」

高木「そこまで言うのなら、いいだろう。受けてみせよう、君の全てを」

千早「……ありがとうございます。行きますよ」ファイナルベント

高木「こちらも、行くぞ」ファイナルベント

171: 2013/01/10(木) 00:17:56.77 ID:CkMgx33jo
千早「ふっ……」タンッ

高木「おぉおおおおお……」ゴゥッ

千早「はぁあああああああああ!!」バシュゥッ

高木「はぁあっ!!」ゴッ

バゴオオオオオオオン

高木「なん、だと……互角とは……信じられん!」スタッ

高木「だが、受け止めたぞ!止めを……!」

リターンベント

172: 2013/01/10(木) 00:18:28.80 ID:CkMgx33jo
千早「本当に、下手な挑発でした。私は人の心の機微に関しては……どうにも、得意じゃありませんから」

高木「ストレンジで引いたのは……そのカードか!」

千早「賭けでした。ですが、社長が全力で受けてくれて助かりました。これで、もう一度は躱せない」ファイナルベント

高木「ふ、ははは……負け、か。私の……幾度と無く繰り返したライダーバトルの中で、初めて……」フラッ

千早「最後に打つのは……」ゴゴゴゴゴゴ

千早「春香の、技です」バッ

千早「やぁああああああああああ!!」ゴォオッ

高木「ぐわああああああああああ!!」

千早「……やったわ、あずささん、春香、皆」スタッ

高木「ぐ、ふ……君の、勝ちだ、が。まだ、終わりでは無いぞ……」ズッ

千早「もうあなたは戦えない。ライダーバトルは終わりでしょう?」

高木「言っただろう、負ける勝負はしていない……これがあるからな」

千早「そのカードがこの状況を逆転させるとでも言うんですか?」

高木「その通り、だ……これはタイムベント。時間を止めるも遡るも、自在に操るカード」

173: 2013/01/10(木) 00:20:21.90 ID:CkMgx33jo
千早「時間を……まさか!」

高木「また、最初からやり直しだ……今度は、失敗しないように……修正……」

千早「そんな……そんなカードがあるならなぜこんな戦いを!望みなんて全て叶えられるでしょう!?」

高木「駄目なのだよ、これでは。私の願いは……君と同じ。かつて失った、大切な人を……蘇らせる事」

高木「そもそもの、始まりは……彼女だった。私の担当アイドルだった、音無小鳥……彼女の氏が……ミラーワールドの、始まり」

高木「彼女の氏によって出来たこの世界は、奇妙な力に満ちていて……タイムベントや、他のカードは全て、その力を使う」

高木「だから、彼女の氏の瞬間より前には……戻れないのだよ……」

千早「……」

高木「だからこそ、ライダーバトルが必要だった。戦いによって磨きぬかれた、12の魂を抽出し、新たな生命を作り出す……」

高木「ミラーワールドにいる、鏡像の音無君に命を与える為に、ね。すまないが、君達の願いなど最初から叶わなかったのだよ……」

高木「笑ってくれたまえ。こんな歳で、かつて失ったたった一人の女性に執着し続けている。恥ずかしい話だ、情けない」

千早「笑えません。社長の姿は、ほんの数分前までの私の姿ですから」

高木「そうか……今更だが、君たちには本当に済まない事をしたと思う。そして、これからも……」

高木「戦いは、また繰り返す……君達は、また私のせいで失って、失い続ける……私の願いが……叶う……まで」ググッ

高木「また、会おう。如月く」ズブッ

P「はぁ、はぁ……させる、もんか。戦いは、ここで終わりだ。俺の……そしてあなたのアイドル達は……これから……」グラッ

千早「プロデューサー!」

高木「まだ、生きて……君にも……あやま……」

千早「ぁ……ああ……」

千早「うあああああああああああああああああああああああああ!!」

……。

174: 2013/01/11(金) 01:32:24.10 ID:FP1+F6sio
【都内某所・765プロ事務所】

P「……っていう夢を見たんですよね」

小鳥「はぁ……?」

P「嫌に真に迫った夢でしたね。辛かったー」

小鳥「あの、今仕事中ですよね?」

P「ええ、そうですよ?」

小鳥「仕事は……」

P「はっはっは、やってますとも。その上で無駄話をしてるわけです」

小鳥「そうでしたね、いつもそうですもんね……でも、私氏んじゃってるなんて嫌だなぁ」

P「そう言われても、そればっかりは俺にもなんとも」

小鳥「それに、千早ちゃんが報われなさすぎますよ。せっかく決意して戦ったのに、何も残らないなんて」

P「そう、それですよ!夢の先が気になって仕方ないんです!千早、大丈夫だったのかなぁ……」

小鳥「って言っても……ねぇ?」

千早「ええ、夢の話ですし。心配していただかなくとも大丈夫ですよ」

P「わかってはいてもなぁ。結局振り回されて、願いも叶わなかったわけだろ?千早はそれで辛くないか?」

小鳥「ですから夢の……」

千早「それは……辛いでしょうね。けれど、その後私が何をしたかによって気持ちは大きく変わるんじゃないでしょうか」

P「それもそうか。よし!音無さん!俺達で千早を幸せにしてやりましょう!」

175: 2013/01/11(金) 01:32:50.31 ID:FP1+F6sio
小鳥「あの、私は仕事が……」

P「千早が心配じゃないんですか!?」

小鳥「……わかりました、考えてみましょう!千早ちゃんが可哀想ですもんね!」

千早「音無さん、仕事が残ってるんじゃないんですか?」

小鳥「仕方ないのよー、プロデューサーさんが無理にでもって言うんですもの。だから律子さんにはそう証言してね?」

千早「……はぁ、まぁ、なんでもいいですけれど」

P「さーてどうするか。とりあえず不思議な事が起こって……」

小鳥「プロデューサーさん、妄想にも一定のリアリティが必要なんですよ?」

P「む、手厳しいですね。流石妄想のプロ……」

小鳥「とはいえ、発想が突飛すぎて中々難しいですねぇ。タイムベントが使えたら色々出来るかもって思ったんですけど」

P「でも、結局小鳥さんは氏んだままですよね」

小鳥「それは私が避けたい……!」

P「駄目だ、思い浮かばない。千早、お前自身はどうなったらいいと思う?」

千早「私ですか?そうですね……例えば、こういうのはどうでしょうか」

……。

176: 2013/01/11(金) 01:33:18.78 ID:FP1+F6sio
【如月千早】

千早「戦いは、終わった。けれど……もう何も……」

パァアアアア

千早「光……これは、一体」

高木「……新たなる、命。これが君の勝利の証だ」

千早「これが……命」

高木「もうじき私の命も……そこに取り込まれ、氏者に再び命を与える新たな生命が……完成する。君の、物だ」

千早「……」

高木「君は、それをどう使う?よく考える事だ。タイムベントはもう使えない……戦いは、もう繰り返さない」

高木「この生命が……最後の、一つ、だ」

千早「光が強く……完成したのね、新たな命が。これを、どう使うか」

千早「萩原さん、真、我那覇さん、四条さん、亜美……」

千早「水瀬さん、律子、美希……」

千早「高槻さん……」

やよい『駄目ですよ!この力は、そんなことのために使っちゃ……』

千早「あずささん……」

あずさ『これで、やっと……千早ちゃんに託して、私は……』

千早「プロデューサー……」

P『むしろ謝るべきは俺だ。こうなる前に、止める事だって出来たはずなんだ』

千早「はる、か……」

177: 2013/01/11(金) 01:33:52.32 ID:FP1+F6sio
千早「選べないわ、とても。失った命はこんなに多いのに、救えるのは一人だけだなんて」

千早「いっそ、私が負けてしまえば……こんな思いはしなくて済んだのかもしれない。その方が、楽だったのかも」

千早「こんな物だけ残っても……」

千早(……?)

千早「いえ、やり直しは出来ないわ。タイムベントが無いもの」

千早(違う。私はあのカードを手に入れる事が出来る)

千早「……だとしても、戻せる時はミラーワールドが出来た直後まで。それ以前には戻れないと社長が」

千早(その時点まで戻れば、もしかして……)

千早「やってみる価値は、あるかもしれないわね」チャッ

……。

178: 2013/01/11(金) 01:34:21.21 ID:FP1+F6sio
【都内某所・765プロ事務所】

P「それで、その後何をしたんだ?」

千早「そこで、社長の……オーディンのデッキを破壊したんです」

P「デッキを?なんで今更そんな事を?」

小鳥「あ!春香ちゃんのデッキと同じように……」

千早「そういう事です。デッキを破壊し、モンスターが解放されれば……」

P「……予備は一枚だけじゃなかったってことか」

千早「そういう事です。私はコントラクトのカードを使い、ゴルトフェニックスの新たな主となるんです」

小鳥「それでタイムベントを手に入れるのね。でも、それじゃ駄目なんじゃないかしら。いくらやり直せると言っても……」

千早「そうですね。結局の所同じ道を辿ることになる。それじゃ意味が無いので、私はこう考えたんです」

千早「ミラーワールドが消せないなら、ライダーシステムを消してしまおう、と」

……。

179: 2013/01/11(金) 01:34:54.78 ID:FP1+F6sio
【如月千早】

千早「可能な限り過去へ……ミラーワールドが出来る切欠となった、音無さんの氏の瞬間の直後へ」

千早「私を導きなさい、ゴルトフェニックス!」

カチッ

ゴーン

ゴーン

ゴーン

千早「……ここ、が。そうなのね」スタッ

千早「交差点……そうか、音無さんは交通事故で亡くなったのね。そしてあの男の人は、当時の社長。腕に抱えているのが音無さんね。すごい美人……」

千早「社長が驚いたような顔をしているわ。この時初めてミラーワールドが生まれ、そこを観測した。これが全ての始まり」

「あなたは……誰?」

千早「……音無さんと、同じ顔。鏡像の音無さんというのはあなたの事ね」

小鳥「そう、私はあの体から離れたもう一人の音無小鳥……彼女、私は元々二面性の強い性格だったのね」

小鳥「それが、事故が原因で本当に二つに別れた。私は彼女であって彼女ではない、そういう中途半端なモノ」

千早「いいえ、あなたと本物の音無さんに違いは無いわ」

小鳥「鏡写しですもの、真逆なのは当然よ」

千早「違うわ。鏡というのは、その人の本当の姿を写す物。真逆に見えても、実際は本質を描いているだけなの」

小鳥「……それで、結局あなたは何者なのかしら」

千早「私は、そうね……あなたと、彼を救う為に来た者よ」

180: 2013/01/11(金) 01:35:29.24 ID:FP1+F6sio
小鳥「私とプロデューサーを……?」

千早「ええ。これから、あなたを失った悲しみの余り、彼は暴走とも言える行動を取るわ。それを止める為に私はやってきた」

小鳥「どこから?」

千早「未来から。あなたさえ良ければ、これを使って欲しい」パァアア

小鳥「眩しい……これは……」

千早「本来、あなたの為に使われるべきだったものだから。これがあれば、あなたはまたあの体に戻って生きる事が出来る」

小鳥「生きる……いいわ、もう。疲れたし、そんなの」

千早「もう、やめるの?」

小鳥「ストレスだったのよ。ずーっとそう。周りに期待される私で居続けるのはすごく辛い。人格が別れてしまう程に」

小鳥「私を隠す為に生まれた、もう一人の私は氏んだ。これから私はこの世界で好きに生きていいんだから」

千早「……それも、自由。でも、いいのかしら?」

小鳥「問題なんて無いわ。ここは私の為にあるようなものなんですもの」

千早「ここには、高木しゃ……プロデューサーはいないわ」

小鳥「……!」

千早「見て。あの人の顔を。あなたを失って悲嘆にくれていたのが、この世界にあなたがいるという希望を得て……」

小鳥「すごい顔。鬼みたい。……何を、決意したのかしら」

千早「何もかもを、よ。これから周りの何を、自分の人生すら犠牲にしても、あなたを取り戻すという覚悟をしたのよ」

181: 2013/01/11(金) 01:35:59.24 ID:FP1+F6sio
千早「もう一度言うわ。いいのかしら。この、彼のいない世界で生きて」

小鳥「……でも、私は、本当の私は、すぐ妄想に走って、全然かわいくなくて、ダメダメなのに」

小鳥「そんな私が、もう隠れ蓑も無いのに、あの人と一緒にいていいわけが……」

千早「あなたもアイドルなら……プロデューサーを信頼しなさい。私から言えるのはそれだけ」

小鳥「私も……あなたもそうなの?」

千早「……それは、秘密。だけど、あなたもわかっているんじゃないかしら」

小鳥「……だって、私がこんな子だってバレたら恥ずかしいし」

千早「もう。やっぱりそうなのね。いい、音無さん。聞いて」

小鳥「……」コク

千早「プロデューサーの事が好きなら、恥ずかしがってないでちゃんと全部見せなきゃ駄目。お互いがお互いの全部をわかった上で……」

千早「それから、先に進むの」

小鳥「全部、見せる……」

千早「友達の、受け売りなのだけれど」

小鳥「会ってみたいな、そのお友達に」

千早「……きっと、会えるわ」

小鳥「私、もうちょっと生きてみる。今度は変に飾らずに、本当の私で」

千早「それがいいわ。それじゃ……縁があったら、また会いましょう」タイムベント

小鳥「ええ。きっと、また」

……。

182: 2013/01/11(金) 01:36:27.42 ID:FP1+F6sio
【都内某所・765プロ事務所】

P「そうか!その手があった!」

小鳥「私をすぐに蘇生させる事で、社長がライダーシステムを開発する事を無くしたのね」

千早「これでどうでしょう?」

P「やるなぁ千早。それでみんな戦わなくて済むわけだ」

小鳥「……でも、ちょっと待って千早ちゃん。それだと、結局ミラーワールドは残るのよね?」

P「あ、そうだ。そしたらモンスターも残る事にならないか?」

小鳥「それなのにライダーシステムが無いと……人が襲われて大変な事になるんじゃないかしら」

P「みんな助かってもそれじゃあなぁ……」

千早「ふふ、その点は大丈夫ですよ。その時間軸ではライダーシステムは開発されていなくても、一つだけデッキが残っていますから」

P「一つだけ?」

千早「ええ。タイムベントで改変された後の時代に戻ってきたという事は……」

小鳥「そうか、千早ちゃんの持っていたデッキは残っているのね」

P「いやいや待てよ。それじゃ千早はずっと一人で戦う事に」

千早「そうなりますね」

P「それじゃ意味が無いだろ!俺はだな、誰も戦わずに済む方法を……」

春香「プロデューサーさん!大変ですよ!」バタンッ

P「うおっ!どうした春香!」

183: 2013/01/11(金) 01:37:02.73 ID:FP1+F6sio
春香「律子さんがカンッカンに怒って、プロデューサーさん呼んでこいって……何かしたんですか?」

P「律子が?……うわ、着信すごい数入ってる。俺なんかしたっけ」

小鳥「あの~……これじゃないですか?」ツンツン

P「え?『竜宮と合同ステージ、打ち合わせ』……これは一体誰の予定なんだ」

春香「プロデューサーさんのですよ」

P「……行ってきます、小鳥さん!」ダダッ

小鳥「い、急いで気を付けていってらっしゃい!」

春香「もー、そそっかしいなぁ」

小鳥「普段はあんな事ないのに……今日はちょっと、千早ちゃんの事で熱が入っちゃったからかしらね」

春香「え?何ですか、それ」

小鳥「実はね……」

千早「……」リィイイイン

千早「春香、小鳥さん。私、少し出てきます」スッ

小鳥「え?あ、ええ。気を付けて……」

春香「千早ちゃ……!?」ドクンッ

千早「すぐ戻りますから。それじゃ、失礼します」パタン

小鳥「急にどうしたのかしら、千早ちゃん……」

春香「……千早ちゃん。ライダー、バトル……」

小鳥「え?」

春香「待って、千早ちゃん!」ダッ バタン

小鳥「……ええ?」

……。

184: 2013/01/11(金) 01:37:56.13 ID:FP1+F6sio
千早「ふぅ……さて、それじゃ」カチャ

春香「千早ちゃん!」

千早「……春香。どうしたの?何か用事かしら」

春香「……戦いに、行くんだね」

千早「!」

春香「なんか、急に思い出して。デッキの事、ライダーバトルの事、千早ちゃんにあった事」

千早「そう……そういう事もあるのね」

春香「千早ちゃんのおかげで、私達は今こうしてアイドルが出来るんだよね?」

千早「そんな事無いわ。私が最後に残っただけ……」

春香「それで、今から戦いに行くんだよね。モンスターと」

千早「……そうね」

春香「……千早ちゃんが選んだ道だから、止めない。止められない。だけど、その代わりに言わせて」

春香「勝って。生きて戻ってきて。お願い」

千早「……春香が私の立場だったら、だけれど」

千早「きっと『誰かを守る為に戦えるなら、そんなに悪いことじゃない』なんて言うわね」

春香「……」

千早「あの戦いには善悪なんて無かった。誰もがただ、純粋に願いを叶えようとして……」

千早「でも、それは全て自分の為。あの中には一人として、他人の為に戦った人はいなかった」

千早「だからこそ、今……私は、誰かの為に力を使いたい」

千早「応援してくれるなら……春香。決して目を逸らさないで。私の戦いから、私の選んだ道から」

春香「うん……うん。ずっと、見てる。支えてる」

千早「……ありがとう。見ててね」

千早「変身!」

終

185: 2013/01/11(金) 01:40:37.46 ID:FP1+F6sio
くぅ~疲れ

はい。

決着つけらんねえだろこれ・・・アイドルばたばた氏ぬし・・・
書いてる途中で心が壊れそうだよって何回も言いました。
ネタのつもりで始めたけど長々やっちゃって申し訳ない。
また何か書くかもしれないんでそん時はよろしくです。

龍騎は「純粋な願いだけが~」のセリフが全部まとめてると思います。

186: 2013/01/11(金) 01:53:33.75 ID:FuD23psSo
おもしろい
この調子でディケイドを

引用: 春香「戦わなければ生き残れない」