351: 2012/12/20(木) 19:58:01.56 ID:rHM5oIbJ0
学園都市。

科学が発展し、超能力を開発する奇妙な街。

10月30日、この街とロシアの間に起こった戦争が終結した。

その戦争は学園都市の圧勝に終わり、氏傷者はゼロと報道された。

人々はその事実に湧き踊り、互いに祝福しあった。

2日後から、戦争の影響で休みになっていた学校が再開された。

学生たちは、口では「もう少し休みで良かった」「学校メンドくせえ」など悪態をつく人々もいたが、みんな学校で誰一人かけることなく再び出会えたのを喜んでいた。
ゆるゆり: 1 (百合姫コミックス)

352: 2012/12/20(木) 19:59:37.80 ID:rHM5oIbJ0

とある学校もそうだった。お互いに会えたことを始業前に祝福しあっていた。

担任の教師が泣いて喜び、変Oクラスメイトが飛びつき、真面目クラスメイトに頭突かれる。

そんな、前と変わらないいつも通りの日常。

みんなで笑いあって、また会えることを喜んでいた。

そんな喧騒の中、ただ二人だけはまだ学校にきていなかったが、その二人は真面目な方の生徒ではなかったので、どうせすぐくるだろうとクラスメイトはあまり気にしなかった。

始業直前になって、いなかった片方のクラスメイトが入ってきた。

353: 2012/12/20(木) 20:00:39.44 ID:rHM5oIbJ0
その少年は、いつもと変わらない格好と表情をしていた。

クラスメイトたちは、その少年を巻き込み、さらに喜び合う。

クラスメイトたちとふざけた挨拶を交わしながら、笑いながら、その少年は窓際の一席に視線をやった。

本来ならそこには彼の親友がいる。

黒髪で、ツンツン頭で、不幸で、一緒に何度も戦い、バカやった親友が。

その少年は、いつだっていろんなことに巻き込まれて、フラグを乱立して、怪我だらけになって帰ってくる。

そんな親友の席を見た。

354: 2012/12/20(木) 20:02:59.75 ID:rHM5oIbJ0






少年の頬に、涙が伝った。




355: 2012/12/20(木) 20:03:59.86 ID:rHM5oIbJ0
その事実に気づいたのは数人だった。

彼は無言で、笑っている表情を崩さないまま、静かに涙を流していた。

その笑顔は、酷く悲しげで。

まるで大切なものを失ったように、淋しげだった。

356: 2012/12/20(木) 20:05:01.48 ID:rHM5oIbJ0


「ど、どうしたんやつっちー?」


クラスメイトがたずねる。


「なんでもないにゃー」


その少年が答える。

何時の間にか、その少年の涙のあとは消え、いつもと全く変わらない口調で彼らに答えた。

357: 2012/12/20(木) 20:05:42.97 ID:rHM5oIbJ0

そして、授業が始まった。

学校が休みだったことで授業が遅れていたので、いつもよりもハイペースな授業だった。

寝るものがいれば、早弁するものがいる。

真面目にノートを取るものがいれば、先生に質問するものもいる。

そんないつも通りの授業の中で、そこにいない少年が、一人。

358: 2012/12/20(木) 20:06:32.21 ID:rHM5oIbJ0




結局その日、欠席者は一人だった。




359: 2012/12/20(木) 20:07:16.06 ID:rHM5oIbJ0
次の日、いつも通りの授業が続く。

その日も欠席者は一人だった。

昨日と同じ少年だったため、クラスメイト達は少し心配したが、普段からその少年は学校を休みがちだった為、そんなに深く考えなかった。

次の日もその少年は学校を休んだ。

三日連続となると流石に不安になったのか、彼のケータイや家に連絡をいれるクラスメイトが出てきた。

その少年にその電話がつながることはなかった。

360: 2012/12/20(木) 20:08:34.76 ID:rHM5oIbJ0

次の日もその少年は学校を休んだ。

次の日もその少年は学校を休んだ。

土日を挟んだ。

月曜日だ。

その少年は、月曜日も学校にこない。

彼は第三次世界大戦以後学校を休んだままだ。

誰かが、あいつは第三次世界大戦に巻き込まれたんじゃないか。と発言した。

そんなわけないじゃないか。と誰かは笑い飛ばした。

当たり前だ。なんせ統括理事会は氏傷者はゼロだと発表したのだから。

それよりもまた誰かを救ってフラグを立ててる確率の方が高いでー。と誰かが言った。

そこにいたクラスメイトは笑う。

一人を除いて。

361: 2012/12/20(木) 20:09:08.34 ID:rHM5oIbJ0

三週間経った。

まだその少年は学校にこない。

おかしい。

誰もがそう考えた。

いくらなんでも三週間だ。

小萌先生に連絡もないらしい。

その少年はクラスのムードメーカーだった。

いつも彼の親友と三人でバカやって、制裁を受ける。みんなはそれを見て笑う。

こんなことが毎日のように行われていた。

そんな風景を、もう一ヶ月近く見ていない。

おかしい。

誰もがそう考えたが、どうすればいいのかわからなかった。

362: 2012/12/20(木) 20:09:59.27 ID:rHM5oIbJ0

期末テストが終わり、終業式になった。

その少年は、まだ現れない。

363: 2012/12/20(木) 20:10:28.55 ID:rHM5oIbJ0

冬休みがあけた。

三学期である。

始業式が開かれる。

そこに、その少年の姿はない。


364: 2012/12/20(木) 20:11:29.80 ID:rHM5oIbJ0


三学期の修了式の二日前のこと、とある事件が起こった。

とある少年が、クラスメイトを殴り飛ばしたのだ。


365: 2012/12/20(木) 20:12:45.25 ID:rHM5oIbJ0

「………なにするにゃー」

殴られた少年は殴った少年を睨みつけながら答える。

「つっちー。正直に言ってや。アンタ、カミやんがどうなったか知ってるやろ」

「………なにいってるんだぜい?何で俺がカミやんがどうなったかなんて知ってるんだにゃー?」

「とぼけるんやない。そないならなんでカミやんのことについて話すたびになんでそんな悔しそうな顔するんや!!」

「そんな顔してないぜい。見間違いじゃないのかにゃー?」


366: 2012/12/20(木) 20:13:41.58 ID:rHM5oIbJ0

「11月1日」

「それがどうかしたのかにゃー?」

「戦争が終わって学校が始まった日や。覚えてるやろ?」

「当然だぜい。あんなやばいことの直後だったんだからにゃー」

「アンタは学校にきてから、カミやんの机を見た。そんときつっちーどんな顔してたか覚えてるかいな?」

367: 2012/12/20(木) 20:17:00.77 ID:rHM5oIbJ0

「…………覚えてないな」

「つっちーは泣いてたんや!! 酷く淋しそうな顔で!!」

「…………覚えてない」

「まるで!! もう二度と!! 大切な人に会えないのを悲しんでいるように!!!」

「知らないにゃー!!!」

368: 2012/12/20(木) 20:17:39.44 ID:rHM5oIbJ0

「もう一度聞くでつっちー………アンタ、あんときカミやんがどんな状態にあったのか知ってたんやろ………?」

「…………………」

「教えてくれや!! 残酷でもかまへん!!!」

「なぜ、そんなに知りたがるんだ!? お前とカミやんは他人だろう!!」

369: 2012/12/20(木) 20:18:20.83 ID:rHM5oIbJ0

「親友やからや!!!」

「!!!」

「一緒にゲーセン行って、一緒に工口い馬鹿話して! モテないなんてふざけたこというカミやんをボコボコにして!!義妹に手を出すつっちーにひいて!!ボクの守備範囲の酷さに苦笑いする!!」

「…………………」

「そんな素敵で愉快で楽しくて、最ッ高な親友やからや!!!!!」

「…………………」

「なあつっちー………お願いや」

「…………………」

「教えてくれ「上条当麻は、第三次世界大戦開始時にロシアにいた」!」

370: 2012/12/20(木) 20:20:27.17 ID:rHM5oIbJ0

「あいつは、第三次世界大戦の首謀者をぶん殴るために、単身で突っ込んでったんだ」

「な………」

「大陸を割るような攻撃をする敵相手に、上条当麻は勝利した」

「…………」

「そして第三次世界大戦を止めた」

「…………」

「だがそこにはその首謀者が呼び出した化け物がいた。そいつは学園都市第一位がすべての力を持ってしても到底敵わないようなやつだ」

「…………」

「そいつを放っておくと世界が滅びるからと言って、上条当麻はそいつに勝負を挑んだ」

「…………」

「結果は勝利。化け物は消えた。だけどその代わりに、上条当麻は11月の北極海に沈んだ………」

「…………」

「上条当麻の消息は以前不明。だけど生存は絶望的………」

「…………」

「これがすべてだ。満足したか?」

「ああ………感謝するで、つっちー」



371: 2012/12/20(木) 20:21:19.82 ID:rHM5oIbJ0




そして彼らの高1生活が終わる。

土御門元春は新年度に転校、元クラスメイト達ははクラスがバラバラになった。

上条当麻の真実を知ったものは、上条が救ってくれた命を粗末にするわけにはいかないと、残りの高校生活を全力で楽しむ。

それが、上条の望んだことだから。





372: 2012/12/20(木) 20:22:01.93 ID:rHM5oIbJ0








数年後、土御門元春は、ロシアの北極海の沿岸にいた。

片手には、花束を携えている。

静かに北極海を眺めながら、虚空に向かって話しかける。

「カミやん………俺はお前に迷惑かけっぱなしだったな」

「魔術師のテロに巻き込んだり、飛行機からお前を落としたり、イギリスに無理やり連れてったりしたんだ」

「たくさんお世話になった」

「それに比べて、俺はお前に何かできたか?」

「………っとと、こんな話をしにわざわざこんなとこまできたんじゃない」



373: 2012/12/20(木) 20:23:18.13 ID:rHM5oIbJ0

「お前のおかげで第三次世界大戦が終結した」

「それに、様々なトラブルを解決できた」

「舞夏を守ることができた」

「そして、俺の親友でいてくれた」

「だから厚かましいのはわかっているが一言だけ言わせてくれ」



374: 2012/12/20(木) 20:24:00.12 ID:rHM5oIbJ0









「ありがとう、だぜい」








375: 2012/12/20(木) 20:24:31.96 ID:rHM5oIbJ0

土御門元春は、最後にそういうと、北極海に花束を投げ入れ、去って行った。

北極海には、菊の花がゆらゆらと浮かんでいた。


376: 2012/12/20(木) 20:28:32.92 ID:rHM5oIbJ0
はいおわりー。青ピがカッコいい………だと………

一時間でipodでss見ながら書いたやつだから誤字脱字はスルーで。
口調がおかしかったりしたら教えてください。
土御門真実話しちゃっていいのか?とかつっちーそんな簡単に泣かねーよ!とかそこらへんはなあなあで。

引用: ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-38冊目-【超電磁砲】