432: 2013/05/27(月) 02:20:44.85 ID:PK5nBGaYo
誰も居ないかな? 居なけりゃ15レスぐらい投下します。
昔書いた旧約一巻再構成物のリメイクβ版

旧題:美琴「あなた、病室間違えてない?」禁書「……、っ」

設定パクッて書いた物の更にリメイクとか意味分からんものだから注意な!

433: 2013/05/27(月) 02:22:39.84 ID:PK5nBGaYo
 ある日の放課後、御坂美琴は秘密(バレバレ)の日課をこなす為常盤台中学学生寮の裏庭に向かっていた。

 今日は一日中イライラが治まらなかった。
 原因はあの馬鹿、何が理由かは思い出すのも腹立たしい。
 昨日は文字通り雷を落としてやったがそれでも気が済まない。

 とにかくそんなささくれ立った心を鎮めようと両手に猫缶を抱え、秘密の日課である野良猫たちへの餌やりをしようとしていた。
 もっとも、日課とは言っても美琴が近づくとみんな逃げてしまうのだが……。

「え……?」

 寮の裏庭に到着した美琴は腹立たしさも忘れ、思わず呆けた声を出してしまった。

「え……?」

 ぽかーんと口を開けたまま美琴はもう一度呆けた声を出す。
 いつもなら美琴が近づくともぬけの殻になるはずのそこに残っているモノがいたからだ。
 普通ならぱぁっと目を輝かせて大喜びするところだが、生憎そこにいたのは猫ではなく――

「むにゃむにゃ……お腹へったんだよ…………」

 意地汚い寝言をつぶやき涎を垂れ流す真っ白な服の少女だった。
とある魔術の禁書目録 33巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
434: 2013/05/27(月) 02:23:31.83 ID:PK5nBGaYo
 ともあれ、人が倒れてる(どうみても寝てるように見える)のは事実だ。

「ちょ、ちょっとアンタ。大丈夫? しっかり!」

「……ぉ」

「あ、良かった。気が付いたのね」

「お腹へった」

「え?」

 とりあえず目を覚ました事にほっとしたのも束の間、開口一番吐かれたのは空腹を訴えると言うなんともあんまりな言葉。
 いや、よくよく見ればこの子は外人だ。この子の母国語で喋った言葉がたまたま「オナカスイタ」と聞こえてしまったのかもしれない。

 常盤台学生の例に漏れず美琴も高い教養を身につけ、英語やフランス語など複数の言語を操る事が出来る。
 それでもまだまだ知らない言語はたくさんある、その知らない言語が空耳のように聞こえてしまったのかもしれない。

「お腹へったって言ってるんだよ」

 完全無欠に日本語だった。

435: 2013/05/27(月) 02:24:23.56 ID:PK5nBGaYo
「いや、急にそんな事言われても……」

「それ」

「へ? それ?」

「あなたが今持ってる物をくれると嬉しいな♪」

 目の前の少女が要求するのは美琴の持つ猫缶、では無くもう片方の手に持つビニール袋の中身。
 猫缶と一緒に買った美琴の昼食のサンドイッチである。

「いや、これは私のお昼で……」

 美琴はやんわりと拒絶の言葉を口に出したにも関わらず、少女はニコニコと屈託の無い笑顔をしている。
 「だからこれは……」と言い募ろうとしたが、性格上こう言った攻撃には弱い。

「……はぁ、分かったわよ」

 結局折れた美琴はがっくりと頭を垂れて昼食を献上する事になった。

436: 2013/05/27(月) 02:25:14.88 ID:PK5nBGaYo
 あぐあぐモグモグむしゃむしゃ、余程空腹だったのかサンドイッチは物の数秒で姿を消した。

「ごちそうさま! 量は全然足りないけど助かったんだよ」

「人から食事を奪っておいてその言い種かい!」

「むう、これでも感謝はしてるんだよ」

 ほんとか? と美琴は疑わしげな視線で少女を見る。
 なにせ最初に口にした言葉が「お腹へった」だ。
 感謝とか遠慮なんて言葉からは程遠く見える。

「あ、えっと自己紹介がまだだったね」

 わたわたと若干落ち着かない様子で空々しく話題転換をしてくる。
 さすがに美琴のジトッとした視線に居心地が悪くなったようだ。
 まあ何となく憎めない感じなので、美琴もわざわざそれを追求しようとは思わないようだ。

437: 2013/05/27(月) 02:25:55.79 ID:PK5nBGaYo
「私の名前はインデックスって言うんだよ」

 インデックス――直訳すれば目次か目録と言ったところか。
 日本人ではなさそうだから横文字の名前が出てくると思ったが、さすがに本名とは思い難い。
 となると能力名か通り名だろうか? だとしても耳にした覚えは無い能力名だが。

「んー、悪いけど聞いた事無い能力名だわ。それより本名は?」
 
「だから私の名前はインデックスって言うんだよ! これが本名なんだよ!」

「え、マジ?」

「マジなんだよ」

 ふん、と鼻息荒く少女――インデックスは肯定する。

「…………目次ちゃん?」

「うう、その呼ばれ方は嫌かも……」

 まあ時代なのだろう、学園都市でも度々妙な名前(失礼)を見かける事はあるので今更である、外国でもそうなのだろうと納得する事にする。

438: 2013/05/27(月) 02:26:45.06 ID:PK5nBGaYo
「で、見たとこインデックスは日本人じゃなさそうだけど一四学区から来たの? 結構遠いわよ?」

「一四学区っていうのがどこなのかは知らないけど多分違うんだよ。私は見ての通り教会の者だから。あ、バチカンじゃなくてイギリス清教のほうだね」

 見ての通り教会の人間、まあ派手な色合いはともかくインデックスが着ているのが修道服なのだろうと言う事は見て取れる。
 しかしシスターならイメージではあるが黒が基本なのではないのか。
 教会の内情などは美琴の知る所ではないので考えても仕方ないのだが。

「じゃあ一二学区から?」

 留学生の多い第一四学区でないとすると、シスターなら神学系学校の多い一二学区の学生だろうかと当たりをつける。
 どちらにしろかなり遠いことには変わりないが。

「だからそのナントカ学区っていうのはよく分かんないんだよ。私は外からここに来たんだから」

「ああ、『外』から学園都市に来たのね」

 となると十中八九迷子だろうか。
 見たところ同年代に見えるがちょっと世間知らず過ぎるのではなかろうか、と美琴は他人ながら心配になってくる。
 もしかして今時珍しい純粋培養のシスターとかなのだろうか?

439: 2013/05/27(月) 02:27:21.98 ID:PK5nBGaYo
「ふーん、ここは学園都市って言うんだ?」

「え? まさかアンタそれも知らないの?」

 そりゃ迷子にもなるわけだ、と美琴はため息をつく。
 まあ自分が付いていてあげなければいけない程幼いわけでもない。
 警備員(アンチスキル)か風紀委員(ジャッジメント)まで連れて行って後は任せよう。
 そう思った美琴の耳に決して無視できない言葉が飛び込んできた。

「うん、だって外からここに逃げこんできたんだからね」

「『外』から逃げてきた、って……なによアンタ、追われてるわけ? 保護者は?」

「ううん、いないよ。私はずっと一人で逃げまわってるから」

 こんな年端もいかない少女が一人で逃げているという。
 漫画や小説じゃあるまいし、普通なら何を馬鹿なと思うところだ。
 が、この学園都市の幾つもの闇を見たことのある美琴には一概に切って捨てることは出来ない。

440: 2013/05/27(月) 02:27:47.63 ID:PK5nBGaYo
「……誰に、追われてるの?」

 スッ、と目を細め美琴は真剣な表情でインデックスを見つめる、が

「魔術師だよ」

「………………はい? 魔術師って、あの魔術師?」

「うん、魔術師」

「能力者じゃなくて?」

「うん」

「……………………はぁ…………」

 いるのだ、たまにこう言うのが。
 学園都市で発現した能力を見て、魔法やら神の奇跡やらと思い込むのが。

441: 2013/05/27(月) 02:28:15.09 ID:PK5nBGaYo
「あ! なにかなそのため息は! 信じてないの!?」

「だってアンタ、言うに事欠いて魔術って……」 

「魔術は本当にあるんだよ!」

 もしかしたら追われてる事は本当かもしれない。
 長い銀髪に緑の目、黙っていれば美少女なインデックスである。
 おまけにこの目立つ服装だ。武装無能力者集団(スキルアウト)に不良能力者、学園都市内部でもインデックスを見て良からぬ事をたくらむ者は残念ながら少なくない。
 『外』の現状がどうなのかは分からないが、同じように良からぬ事を企む人間がいても不思議ではないだろう。
 とは言え、『魔術』である。

「へぇ、じゃあその魔術とやらを見せてみなさいよ」

「わ、私は魔翌力が無いから魔術が使えないんだよ……」

 なんともお粗末な事だが、どうやらそう言う『設定』のようだ。

442: 2013/05/27(月) 02:29:24.53 ID:PK5nBGaYo
「じゃ、じゃあこの服! これはね、歩く教会って言う極上の防御結界なんだよ! これを着てればあらゆる攻撃から身を守れるんだからね!」

 何とか信じさせようと自らの服について熱弁を振るう少女を見て美琴は再び大きく溜息をつく。
 あらゆる攻撃を防ぐってどこぞの第一位でもあるまいし、と。

「あらゆる攻撃を防ぐのよね? ならもちろん電撃も防げるのよね?」

「当たり前なんだよ!」

「ふーん……えい」

 空想好きな目の前の少女を少々驚かせてやろう、そう思い電撃を目の前の少女に放った。
 とある無能力者の少年に放つような強力なものではなく、最新の注意を払って演算したごくごく弱い電撃をだ。だが――

「……今、何かしたのかな?」

 ふっふーんとインデックスは腰に手を当て勝ち誇ったようにドヤ顔をする。
 
「え、あ、あれ? そんなはずは……。も、もう一度よ!」  

 もう一度、先程と同じ電撃を放つがインデックスは平気そうにニヤニヤとしている。
 それならばと徐々に出力を上げて何度となく電撃を放つがその尽くを防がれる。

 最終的にはムキになった美琴が最大出力で電撃を放ったが焦げ目すら付かず、成果と言えばインデックスが少しびびったぐらいだ。

「そ、そんな……」

「ふっふーん、どうかな? これで魔術を信じる気になったかな?」

 同系統の能力者が電撃に干渉して逸らしているのとも違う、完全に電撃を打ち消されている。
 事ここに至り、ようやくこの少女が只者でないことに美琴は気づかされた。

443: 2013/05/27(月) 02:30:13.42 ID:PK5nBGaYo
(まさか、本当に魔術!? いやでも、あの馬鹿みたいな能力者って可能性も……)

 可能性としては無くは無い。
 美琴としてはそう何人も自分の能力を無効化する能力者に存在されたらたまったものではないが。

「ちょっとそのフード貸して」

「うん、いいよ」

 インデックスが言うにはこの服自体が能力を完全にシャットアウトしている。
 だからもしこのフードだけで美琴の電撃を防ぐことが出来れば――

「………………」 

「ね?」

 如何に学園都市の科学力が進んでいるとは言え、美琴の手加減なしの電撃を防ぐには専用に対策を立てた装備が必要だ。
 しかもそんなものを作ればかなりの大型に、それこそ兵器と言えるような物になってしまう。
 第一『歩く教会』は特異な見た目であっても服である、如何な学園都市の科学力が優れてるとは言えこんな物で10億Vに迫る電撃を防げるとは思えない。

444: 2013/05/27(月) 02:31:12.65 ID:PK5nBGaYo
 ふと美琴の脳裏に第二位の『未現物質(ダークマター)』が思い浮ぶ。詳しくは知らないが、あれは物質を生み出す能力だと耳にした記憶がある。あの能力で作られた服ならどうだろうか?
 業腹ではあるが自分より高位の能力で産み出された物なら完全に防がれても不思議ではない。
 可能性としては十分あり得るが、目にした事はおろか詳細も知らないのでそれと断定する事は出来ない。
 まあ最先端科学産だろうが未現物質産だろうが、そんな物で出来た物を身につけている時点でインデックスが只者でない事に変わりは無いのだが。

 それにもしかしたら、と言う思いもある。
 何を馬鹿な事を、と思う。突然の事で冷静な思考が出来ていないのかも知れない。
 ただ、否定できるも材料がないのも確かだ。
 現に想定以上の事を目の当たりにしている。

 問題の先送りだろうが、今ここで重要なのは『魔術』の是非を問う事ではない。
 少なくとも只者ではないインデックスに「何か」起きているのだ、ここは相手に話を合わせるのが得策だろう。 

「……疑って悪かったわ。さすがにこんなの見せられたら信じないわけにはいかないわよね」

「うんうん、分かればいいんだよ」

445: 2013/05/27(月) 02:31:43.87 ID:PK5nBGaYo
「で、なんでアンタは狙われてるのよ? その服が狙われてるとか?」

 可能性としてはありそうなものだ。
 その服自体も、それを解析して得られるデータも『外』の人間としては喉から手が出るほど欲しいだろう。
 いや、学園都市内部だって十分貴重品だ。

「たしかにこの服も貴重品だけど、それよりも私の持っている10万3000冊の魔道書を狙ってるんだと思うんだよ」

 10万3000冊と言えば図書館レベルだ。
 魔道書が何なのかは分からないが、およそ個人としては相当な蔵書量だろう。

「10万3000冊って、図書館でも持ってるの?」

「ううん、違うよ。全部持ち歩いてるよ」

「…………はい?」

 再度の突飛も無い発言に美琴はいい加減げんなりとする。
 やっぱりこの子の妄想なんじゃないの、と切って捨てたくなる衝動に駆られるので深く考えない事にした。
 人それを諦めたと言う。

446: 2013/05/27(月) 02:32:13.39 ID:PK5nBGaYo
「まぁ、いいわ……で、アンタはこれからどうすんの?」

「んー、とりあえず教会まで行こうかなって。そこまで逃げきれれば匿ってもらえるから」

「その教会はどこにあんのよ?」

「ロンドン」

「遠っ!」

 いくら高性能な服を着てるからとは言え、一人の少女がそこまで逃げ切れるとは思えない。
 そもそも厳重なセキュリティを誇る学園都市の外に出る事すら難しい。

 ――ふと、気になった。
 (彼女の言葉を信じれば)学園都市の外部から来たという事は、そのセキュリティを突破してきたのだ。
 こう見えて意外と凄腕なんだろうか?

447: 2013/05/27(月) 02:32:51.66 ID:PK5nBGaYo
「そう言えばアンタ、良く学園都市に入って来れたわね。結構厳重なセキュリティに監視されてるはずなんだけど」

「そうなの? 昨日この街に入ってきた時はなんとも無かったんだよ?」

「そんな訳……うん?」

 昨日と言えば美琴がどこぞの誰かに久々にぶち切れた日だ。
 あんまりにもあの馬鹿が馬鹿過ぎたのでフルパワーで――
 
 (フルパワーで、アイツに……雷……停d)

 何か危険な結論に行き着きそうな気がして慌てて考えるのを止めた。
 断じて現実逃避ではない。断じてだ。
 汗が止め処無く吹き出て来るのも今が夏だからだ。
 きっと何事も無かった、自分のせいでセキュリティがざるになったとか、ツンツン頭の高校生の冷蔵庫の中身が全滅してるとかそう言う事もきっと無い。多分。

448: 2013/05/27(月) 02:33:33.88 ID:PK5nBGaYo
「あ、でも大丈夫だよ。日本にも支部はいくつかあると思うし」

「…………一人でそこまで行くつもり? 私に助けを求めたりしないの?」

 ほんの一瞬、何かを我慢するようにインデックスの体が強張るのを美琴は見逃さなかった。
 その後小さくインデックスは首を横に振る。

「敵が来るからね。一緒に居たら巻き込んじゃうんだよ」

「だったら尚更でしょ。」

「じゃあ、私と一緒に地獄の底までついてきてくれるの?」

 にっこり、なのに欠片も幸せそうでない辛そうな笑顔。
 それを見た美琴は何も言えなかった。
 どんな言葉をかけようが無駄だと悟ってしまったから。

「大丈夫だよ、今までも一人で何とか逃げてきたし」

「…………そう、頑張ってね」

「うん、サンドイッチ美味しかったんだよ」

 ばいばい、と手を振り去って行くインデックス。
 その後姿に声を掛けなかった。
 今ここで美琴一人に出切る事は、無いのだ。

449: 2013/05/27(月) 02:37:59.64 ID:PK5nBGaYo
おわり。

超電磁砲S第6話の一方さんの「ヨロシクゥ」って声が工口くてやばすぎた。

あ、なんかここをこうした方が良いとかあったらドンドン言ってください。
むしろそれ目当てで投下したんで。


ではでわノシ

引用: ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-39冊目-【超電磁砲】