1: 2008/04/11(金) 22:09:22.71ID:eJ83fKQi0
兄「お前、夜になるたびに枕元に立つのやめろよ」

妹「だって、お兄ちゃんに会えないのは嫌だもん」

兄「いやそれは・・・俺もお前に会えないのは寂しいけど・・・
  だけど生霊にまでなって表れることはないだろ
  電話とかしてこいよ」

妹「声だけじゃいやなの」
艦隊これくしょん -艦これ- 4コマコミック 吹雪、がんばります!(1) (ファミ通クリアコミックス)

13: 2008/04/11(金) 22:46:31.80ID:qVkKhBiB0
姉「ちょっともう!枕元に立つのやめてったら!!」
妹「…だって、さみしい」
姉「だからって、こう毎晩」
妹「さみしい」
姉「…しょうがないわね、で?」
妹「あのね、きょうね、こーえんにね、カモさんがいたの」
姉「そう」
妹「かわいかった」
姉「うん」
妹「ちかづいてもにげないし」
姉「でしょうね」
妹「…なでてもにげない」
姉「…でしょうね」
妹「それからね、さっちゃんが………」

14: 2008/04/11(金) 22:50:38.07ID:qVkKhBiB0
姉「う゛~」
友「…眠そうねぇ」
姉「ねむいのよ」
友「夜更かししてると、朝ごはんが美味しく食べられないよ?」
姉「知ってる。夜更かししたくてしてるんじゃない」
友「だったら」
姉「ごめん…寝るから静かにして…」
友「はいはい、昼休み終わったら起こしてあげるね」
姉「うん…」

16: 2008/04/11(金) 22:58:41.63ID:qVkKhBiB0
A「きょうって、体育、バレーボール?」
B「うん」
妹『…ばれーぼーる!』
A「つきゆびしちゃうからにがてー」
B「だよねー」
妹『でも、たのしいよ?』
A「はぁ…あめ、ふらないかなぁ」
妹『てんきよほう、はれだって』
B「あさのニュースで晴れっていってた」
A「そっかー」
妹『………』
A「そういえばさ、妹ちゃんってバレー好きだったよね」
B「そうそう、でもレシーブぜんぜんできなかったよね」
妹『………』
A「なつかしいなぁ」
B「あ、そういえばさ、きょうカニ座のうんせい1位だったのー」
A「えーへびつかい座はー?」

妹『………』

17: 2008/04/11(金) 23:07:15.32ID:qVkKhBiB0
姉「………」
妹『………』
姉「…なに?後ろからじっと見つめるのやめてくれない?」
妹『…あ…え…その、まだ、おやすみしないの?』
姉「まだ」
妹『………』
姉「で?」
妹『…えっと、じゃあ、まってる』
姉「…なんで?」
妹『だって、おきてるときにおはなしするとおねーちゃん、おこる』
姉「それは、あんたが………」
妹『わたしが?』
姉「…なんでもない」
妹『えっと、おかーさんのとこ、いってるね』
姉「…そう」

姉「………もう。まだ宿題終わってないっていうのに。朝、学校でやるか。はぁ…」

20: 2008/04/11(金) 23:11:41.63ID:qVkKhBiB0
姉「…で?」
妹『あの、きのう、おこられたから、すわってみた』
姉「…脚、床にめりこんでるわよ」
妹『え?………むずかしい、すわるの』
姉「…いいわよ、別に立ってても座ってても」
妹『うん…ごめんね、おねーちゃん』
姉「…で、今日は何があったの?」
妹『あ、あのね、みーちゃんが…きょう、たいくがばれーぼーるで』
姉「うん」

21: 2008/04/11(金) 23:17:13.25ID:qVkKhBiB0
姉「……うぅ」
友「うわ…宿題今やってるの?」
姉「昨日、やるの忘れてて」
友「あ~あ~おこられるぞ~居残りだぞ~」
姉「………それは、困る」
友「なんで?」
姉「………こまる」
友「は~しかたないなぁ。お姉さんがノートを貸してあげよう」
姉「…私のほうが2ヶ月年上」
友「ふぅ~ん。そゆこと言う?」
姉「…お姉さん、貸してください」
友「うんうん。人間素直が一番よん」

22: 2008/04/11(金) 23:23:37.93ID:qVkKhBiB0
A「9かける3は?」
B「えっとー」
妹『…くさん…にじゅうひち!』
A「きょう、テストがあるんだよ?」
B「う~、わかってるよぉ…くさん…くいちがきゅう…くにじゅうはち…くさんにじゅう…」
妹『にじゅうななだよ!さっちゃん!』
A「じかんぎれー」
B「え~!!」
A「せいかいは27でしたー」
妹『ほらっ』
B「あ、そっかぁ」
妹『じゃあ、ろく かける なな は?』
A「つぎは、さっちゃんがもんだいだしてよ」
B「1かける4は?」
A「4!」
B「わ…みーちゃんすごい」
A「へへへー」
妹『………』

23: 2008/04/11(金) 23:31:48.44ID:qVkKhBiB0
姉「ただいま」
妹『あ、おかえり、おねーちゃん』
姉「………」
妹『あ、あのね』
姉「(…話しかけないで)」
妹『で、でも』
姉「(母さんが不審に思う)」
妹『ふしん?…あの、おかーさん、いま、おかいものだから』
姉「…そう」
妹『だから、その、おはなししても』
姉「……もうしてる。で?」
妹『あ、うん…あのね、さっき』
母「ただいまー」
姉「…おかえり」
妹『ねこさんが…』
母「帰ってたんだ?」
姉「母さん、戸締りくらいはして」
母「ごめんごめん~」
妹『ねこさん…が…』
姉「ごめん…って、空き巣にでも入られたら」
母「今度から気をつけるわ~」

妹『………ねこさんがね、おうちのまえにいたの、でね…でね…』

25: 2008/04/11(金) 23:37:25.31ID:qVkKhBiB0
母「いただきまーす」
姉「いただきます」
妹『………』
母「………最近どう?」
姉「なにそれ?」
母「いや、ほら、学校とか?」
姉「ふつう」
母「ふつうって…」
姉「お父さんは?」
妹『………』
母「あ、今日も遅いんだって」
姉「そう」
母「…もうそろそろよねぇ…妹ちゃんが」
妹『…!』
姉「母さん」
母「え?なに?」
姉「おかわり」
母「あら…もう?」
姉「…育ち盛りだから」
母「そっかぁ~よっしじゃあ大盛りにしちゃうぞ~」
妹『………』

29: 2008/04/11(金) 23:50:14.17ID:qVkKhBiB0
姉「………」
妹『…あの』
姉「…おやすみ」
妹『ねるまえに…ちょっとだけ、おはなし』
姉「…ねむいんだけど」
妹『ちょっとでいいから』
姉「…しょうがないわね」
妹『あのね、きょう、かけざんのね、てすとがあったの』
姉「…ネコは?」
妹『え?』
姉「家の前にネコがいたんじゃないの?」
妹『あ…うん』
姉「で?」
妹『う、うん!えっと、くろいねこさんでね、ちっちゃいこねこをくわえてたの、おくちに。それでね』
姉「(………ごめん、ね)」
妹『え?』
姉「くわえたサカナがどうしたの?」
妹『………おさかなじゃなくて、こねこだよぅ』
姉「で?」
妹「うぅ…でね、ちっちゃくってかわいくて。こねこもまっくろでね」

31: 2008/04/12(土) 00:04:46.99ID:rownmYXG0
妹『それは、まともなお墓参りもしてもらえない、可愛そうな妹のお話……』
兄「俺たちのお墓参りはこれからだ!」
妹『打ち切らないでよ』
兄「お墓参りなんてそう何度もするものじゃないだろ」
妹『仏壇の扉開けてくれたらこんなにしつこくお墓来いなんて言わないよ』
兄「埃入るからヤダ」
妹『もしかして私の事嫌いだった?』
兄「そんなことは無いぞ。現にこうやって、可愛い妹のお墓をピンクに染める計画を立てている」
妹『それ本気で勘弁して……。戒名取上げられちゃう』
兄「字はラインストーンがいいかな」
妹『だからやめて……ってちょっと、何本気で注文してるの!』

32: 2008/04/12(土) 00:12:17.95ID:rownmYXG0
妹『ねぇ、私の携帯まだある?』
兄「お前が煩く言うからまだ契約は解除してない」
妹『メール送りたいから代わりに打ってよ』
兄「誰宛に?」
妹『お兄ちゃん』
兄「今言えよ!」
妹『今日お兄ちゃんの誕生日でしょ? デコメでお祝いしたいし』
兄「へぇへぇ、そりゃありがたい」

妹『で、終わり。後は送信~』
兄「……」
妹『お、届いたみたいだね。どう? 嬉しい?』
兄「どう見ても自作自演ですげぇ虚しい……」

38: 2008/04/12(土) 00:42:47.59ID:rownmYXG0
妹『氏ぬと楽しめなくなる事って多いんだよね』
兄「そうだな。お前の好きだったマンホールの蓋集めも、もう出来ないんだな……」
妹『生前にもやってないし、全然楽しそうじゃないし、しかも迷惑だし』
兄「今度新品のマンホールの蓋お墓に供えてやるからな」
妹『要らない。超邪魔。そうじゃなくてね、可愛いアクセサリーとかさ』
兄「よし、お前にぴったりな奴今度持って行ってやる」

妹『……何その板。ピンクのラメラメで、ストラップっぽいものがジャラジャラ付いてるし』
兄「凄いだろ。自作卒塔婆だ」
妹『何で萌えキャラの絵が描いてあるの……』
兄「このアニメお前も見てたろ」
妹『見てたけどさ……』
兄「これは我ながら自信作だ。とても卒塔婆には見えない」
妹『痛卒塔婆……』

42: 2008/04/12(土) 00:53:55.13ID:rownmYXG0
妹『ねぇ。一つ聞いてもいいかな』
兄「何だ。兄は今お墓参りに余念がない」
妹『墓石にかけてくれてる液体さ、なんだか妙に香り豊かなんだけど』
兄「それはそうだろう。高級カツオだしのそばつゆだからな」
妹『……私からかって、そんなに楽しい?』
兄「好きな子に素直になれない、ツンデレってやつだな」
妹『そっかー。じゃあそのビンに書いてある、賞味期限が今日だってのは関係ないんだ』
兄「洞察力に優れているな、妹よ」
妹『こんなのが自分の兄だと思うと、情けなくて涙が出てくるわ』
兄「自分のお墓の中で泣かないで下さい」
妹『歌うのはいいけど、最後はちゃんと水かけてよ、虫寄ってくるから……』

43: 2008/04/12(土) 01:03:07.36ID:rownmYXG0
妹『お花も持ってきてよ』
兄「すぐ枯れるから面倒なんだがなぁ」
妹『殺風景で寂しいんだよ。1人で居ること多いし……』
兄「……」

妹『確かに殺風景で寂しいって言ったけどさ』
兄「何だ」
妹『やしの木と大量のハイビスカスはあんまりだと思うの』
兄「にぎやかになって良いだろ。高かったんだぞ、やしの木。重機で植えてもらったし」
妹『にぎやかなのは好きだけど、トロピカルな方に持っていかなくても良いと思うんだ』
兄「ハワイアン音楽エンドレスで流しておこうか」
妹『近所迷惑だからやめてお願い……』

48: 2008/04/12(土) 01:25:28.17ID:rownmYXG0
兄「妹、そっちでは元気でやってるか?」
妹『何が始まったわけ、いきなり』
兄「今年も、お前が好きなラフレシアが咲いたよ」
妹『好きじゃないし、それ日本に自生してないよね?』
兄「今度、一輪お墓に持っていくよ」
妹『やめて。盛大に迷惑だから』
兄「寂しくないように、ちょくちょくお墓参りしてやるからな」
妹『いや、当分来なくていいから。お兄ちゃんが来る度に、お隣さんに謝る私の身にもなってよ」
兄「お兄ちゃんな、色々勉強して、将来は機械設計の仕事したいと思ってる」
妹『へぇ。それは初耳だ』
兄「設計の勉強して、お前のお墓、変形してロボットに代わるように改造してやるからな」
妹『それやったら、変形したロボットのまんま、お兄ちゃんの所に殴りこみに行くから』
兄「……せっかくそれらしい雰囲気を出してしんみりしようと思ったのに、風情のない妹だ」
妹『元からそんなつもり無かったくせに……」

51: 2008/04/12(土) 01:48:41.18ID:rownmYXG0
兄「あ、これ妹に似合いそうだな」
妹『(何何? 面白そうだからしばらく隠れてよっと)』
兄「……なんてな、服買っても、あいつもう着れないもんな」
妹『(お、こんなシリアスな顔もするんだ)』
兄「一緒に歩いたり、飯食ったり、もう出来ないんだな……」
妹『(お兄ちゃん……)』
兄「もっと、生きてる時に色々してやればよかった……!」
妹『そんなことない! 私、凄い幸せだった! 今だって……!』
兄「……いたのか」
妹『ちょっと迷惑だったりもするけど、お兄ちゃんが居てくれて毎日楽しいし』
兄「そう思ってくれるか?」
妹『もちろん! そんな可愛い服かって貰わなくても……あれ?』
兄「どうした?」
妹『お兄ちゃんが今見てるHPさ。着ぐるみの通販だよね?』
兄「そうだが何か?」
妹『それ見て、私に似合いそうとか言ってたの?』
兄「そうだ。何の生物か分からないあたりがお前にぴったりだ」
妹「……どこから芝居してたの?」
兄「『あ、これ妹に似合いそうだな』から」
妹『最初からかよ。今回は本気で怒ったからね! 呪ってこっちの世界に引き込んでやる!』
兄「おーおー、照れるな照れるな」
妹『うるさいっ!』

55: 2008/04/12(土) 02:02:47.91ID:rownmYXG0
妹『やっと仏壇開く気になったのね』
兄「あのくそ坊主、お前の墓石に蛍光塗料塗ろうとしたら切れやがってよ」
妹『住職じゃなくても切れるし。てか私も切れたし』
兄「半年出入り禁止とかありえねぇよな」
妹『それには全面的に同意するわ。ありえないのはお兄ちゃんの方って意味で』
兄「開いたからには毎日お茶とか食事供えなきゃな」
妹『なんで嬉々としてるのかが凄い気になるんだけど……』

妹『確かに食べ物よ、これ。食べ物だけどさ』
兄「何だ? 久々に仏壇に供えるから奮発したんだぞ」
妹『なんで米軍のレーションなのよ……』
兄「そうそう手に入るものじゃないんだぞ、味わって食え」
妹『供えられた食べ物は味くらいは感じれるんだけどさ、だからこそレーションはやめて……』
兄「……フランス軍のレーションは美味らしいぞ」
妹『いや、そういう問題じゃなく……』

91: 2008/04/12(土) 13:18:24.27ID:rownmYXG0
兄「仏壇にお香か。火事が心配だな」
妹『お香上げてくれる気があった事が凄い驚きだわ』
兄「火事の心配がないようにしないとな。ちょっと待ってろ」
妹『……凄い嫌な予感しかしない』

兄「えーと、水を入れるんだな。これくらいか?」
妹『ちょっと待って! それ違うよね?!』
兄「何が違うと言うんだ。煙もニオイも少ない、お部屋を汚さないと書いてある」
妹『いや、商品名読んでみてよ』
兄「水ではじめるバルサンとあるな」
妹『水で何を始めるつもりよ……』
兄「妹の供養だが。煙も出るし、火は使わないし、良いことだらけだ」
妹『お香はもういいよ……。それ台所に置いてきなよ……』
兄「む、効果的な設置場所だ。なかなか聡明だな、妹」
妹『ありがと……』

92: 2008/04/12(土) 13:27:06.69ID:rownmYXG0
兄「要するに煙が出ればいいんだよな?」
妹『いや、そういう訳でもなく』
兄「火を使っても、見ていれば問題ないな。よし」
妹『あ、ちょっと! 行っちゃった……』

兄「もうちょっとで火が通るな」
妹『ねぇ』
兄「静かだと思ったら空腹で喋れなかったか。もう少しだ、我慢しろ」
妹『いや、私氏んでるから空腹とか感じないけど。何のつもり?』
兄「何って、七輪で秋の味覚、秋刀魚を焼いて食べようとしているのだが」
妹『お線香の代わりじゃなかった?』
兄「煙も出るし、良いにおいだし、焼き終わったら火の始末するし」
妹『はぁ……』
兄「お、出来たぞ。ほら、こっちはお前の分だ」
妹『……おいしいね』
兄「そうだな」

93: 2008/04/12(土) 13:56:11.21ID:rownmYXG0
妹『普通は若いうちに氏ぬと、事実を受け止め切れなくて色々大変らしいけど』
妹『お兄ちゃんの相手しなきゃいけなくて、そんな事考えてる余裕もなかったな』
妹『むしろ氏んでからの方が、生きてる間よりたくさん会話してるし』
妹『もしかして、お兄ちゃん……』

兄「せっかく煙だすからな。スモークチーズでも作るか」

妹『まさかね』

95: 2008/04/12(土) 14:24:42.74ID:rownmYXG0
兄「おい妹。しょうゆを取ってきてくれ」
妹『無理だって。私幽霊で物持てないし』
兄「持たずとも物を動かす幽霊も居るだろう」
妹『ポルターガイストは悪霊化でもしなきゃ無理だし』
兄「つまり怒らせればいいんだな?」
妹『いや、そういう訳じゃ』
兄「ばーかばーか。あほー」
妹『これが自分の兄かと思うと、自分が不憫でならない……』
兄「お前の兄ちゃんでべそー」
妹『……そうだったの?』

98: 2008/04/12(土) 15:07:09.22ID:rownmYXG0
兄「お前、昼間にも普通に出てこられるんだな」
妹『いや、私だけじゃないし。他にもいるよ、昼間で歩いてる人』
兄「何? 俺はてっきり幽霊は昼間は活動出来ないものかと」
妹『見えにくくなるだけで、特に問題ないよ』
兄「そうか……。太陽の下では砂になるものとばかり思っていた」
妹『……何かと勘違いしてない?』
兄「あぁ、学校も試験も何にもない方だったか」
妹『いや、まぁ学校も試験もないけどさ』
兄「有名な奴今度連れてきてくれよ、一反木綿とか」
妹『お兄ちゃん、一回氏んでみる?』

103: 2008/04/12(土) 15:45:59.40ID:rownmYXG0
兄「お前、氏んでからやることないのか?」
妹『特にやらなきゃいけないこともないし』
兄「だから家に入り浸ってるわけか」
妹『何よー。いいじゃない、私の家なんだから』
兄「悪いとは言ってないが。そうだ、いっそ墓なくすか?」
妹『え? 何言ってんのよ』
兄「こう毎日会話してると、お前がどうも氏んだ気がしない」
妹『え……えと』
兄「お前騙してないか? 氏ぬ氏ぬ詐欺か?』
妹『この透けてる体が何よりの証拠なんだけど』
兄「透けるとか……卑猥にも程があるぞ、妹』
妹『いや、服が透けてる訳じゃないから。姿そのものが透けてるってことで』
兄「まぁいい。氏ぬ前とあまり変わらん。問題なしだ」
妹『そう……だね』

106: 2008/04/12(土) 15:58:00.98ID:rownmYXG0
兄「お前が氏んでから色々と考えが変わった」
妹『へぇ。例えば?』
兄「氏んでも寂しいと思わなくなった』
妹『まぁね~。結局毎日顔合わせてるからね』
兄「仏壇にお香を上げるのは美味しい」
妹『もう七輪で何か焼くのやめてよ……。仏壇に煤ついて取れなくなるよ……』
兄「今日は焼肉でもしようかと思うんだが」
妹『油飛ぶから本気でやめて』
兄「お墓参りは楽しい」
妹『お兄ちゃんはもうちょっと真面目にお墓参りするべきだと思う』
兄「何を言うか! 常に真面目にお墓参りしているだろうが!」
妹『全然違う方向に真面目なのが問題なの!』

109: 2008/04/12(土) 16:36:20.90ID:rownmYXG0
兄「せっかくコミュニケーションが取れる幽霊がいるからな」
妹『なんか嫌な予感。私今日はお墓の方にいく』
兄「まて、どこに行く」
妹『何させるつもりよ……』
兄「スタンドって」
妹『断る』
兄「まだ何も言ってないぞ」
妹『その一言で全てを語ったも同然だし』
兄「しかも間違っている。『だが断る』だぞ」
妹『岸辺露伴のマネじゃないし』
兄「妹! きさま! 読んでいるなッ!」
妹『実はすごい暇なんでしょ、今』
兄「うん」
妹『はぁ……』

113: 2008/04/12(土) 17:10:06.88ID:rownmYXG0
妹『こうやって会話は出来ても、物に触れることが出来ない』
妹『食事作ることも出来ない……』
妹『ただ、お兄ちゃんが作ったご飯を、見てるだけ……』
妹『やっぱり、氏ぬって、いやだな……』
兄「妹、夕食だぞ」
妹『だから嫌だって! 何まぜたらそんな臭いになるのよ!』
兄「聞きたいか? 後悔するかもしれないぞ」
妹『自分で食べてよ! 何で仏壇にまで!』
兄「自分だけ食べて妹には食べさせない、冷たい兄ではないからだ」
妹『自分の無力が恨めしい……。私に力が、力があればご飯くらい……!』
兄「力が欲しいか!! 力が欲しいのならくれてやる!!」
妹『うるさいっ! 力よりもまともなご飯作れ!』

118: 2008/04/12(土) 17:55:49.99ID:rownmYXG0
兄「お、今日はTVで心霊現象特集があるな」
妹『えー……。違うのないの?』
兄「ほかは面白くなさそうなのばかりだ。何だ? 怖いのか?」
妹『ば、馬鹿な事言わないでよ! 誰が幽霊なんか怖がるのよ!』
兄「まぁ自分も幽霊だしな。て事で気にせず一緒に見ろ」

妹『うぅ……やっぱり見るんじゃなかった……』
妹『お兄ちゃん……寝ちゃった? 起きてお話しない?』
兄「んー……煩いぞ……」
妹『ねぇ! 明日休みでしょ? もうちょっと起きててよ!』
兄「お前……まさか本気で怖いのか?」
妹『わ、悪い? どうせ怖がりだもん!』
兄「というか……そんなもんなのか? 同じ幽霊だろうに」
妹『そんなもんなの!』
兄「幽霊に対する認識を改めねばならんな」

136: 2008/04/12(土) 21:10:49.67ID:rownmYXG0
妹『えーと、何で今日は夕食が豪華なの?』
兄「今日は記念の日だからな」
妹『私の命日が何の記念なのよ……』
兄「氏んだんじゃなくて、第二の人生と考えるんだ」
妹『え……?』
兄「こうやって普通に会話できるんだ。生前と変わりないだろう?」
妹『そ、そんな、いきなり真面目な顔されても……』
兄「しかし第二の人生が無茶苦茶な兄のお守りとはなぁ。険しい道のりになるぞ」
妹『自分で言うなぁ!』
兄「なんだ、不服か?」
妹『お兄ちゃん1人にしたら周りが迷惑だからね。しょうがないからしばらく憑いててあげる』
兄「ふむ。随分頼りない守護霊だ」
妹『文句あるの? 言っとくけどこっちだって仕方なくなんだからね!』
兄「まぁまぁ、ツンも程ほどにしておけ。デレも必要なんだぞ?」
妹『デレなんて今までもこれからも一切ない!』

144: 2008/04/12(土) 21:31:27.77ID:rownmYXG0
兄「む、塩が切れたか。これ妹」
妹『何?』
兄「塩が切れた。食料庫から塩の袋を持ってくるのだ」
妹『だから無理だって言ったでしょうが』
兄「まったく情けない妹だ」
妹『しょうがないでしょ……』
兄「私が幽霊だったころは米俵すら軽がる担いだものだぞ」
妹『うん、それ色々おかしいよね。てか蘇ったの?』
兄「仕方ない。自分で行くか」

147: 2008/04/12(土) 21:37:58.71ID:rownmYXG0
兄「やれやれ、袋でまとめ買いも考え物だな。詰め替えが面倒だ」
妹『あ、ちょっとこぼした』
兄「おい、そんな所にいたら塩が……あっ!」
妹『きゃっ! ちょっとぉ~ またこぼしたぁ!』
兄「だ、大丈夫か?!」
妹『何? 何でそんなに大げさなの?』
兄「な、なんとも無いか? 消えかかったりしてないか?」
妹『消えかかるって……あ! もしかして、除霊されかけたとか思ってる?』
兄「なんとも……ないのか?」
妹『塩撒けばなんでも除霊とかされるわけじゃないって。お清めにしてもちゃんと方法あるし』
兄「と、いう事は……」
妹『いきなり塩ふってきたからびっくりしただけ。なんとも無いよ』
兄「そうか……。そうか……」
妹『ふっふっふっふ。ねぇねぇ、消えると思った? ねぇ、どうなの? 心配した? ねぇねぇ」
兄「よし、今日の焼肉は仏壇の前でやる」
妹『あ、ちょっと、本気でやるつもりでしょ?! やめてよね! 油飛び散って大変なんだから!』
兄「まったく……。心配させるんじゃない」
妹『ごめんね。でも嬉しかったよ。ありがと』
兄「ふん」

152: 2008/04/12(土) 22:14:09.84ID:rownmYXG0
兄「今更だが、お前の部屋の荷物を整理しようと思う」
妹『本当に今更だよね。あの部屋のダンボール、もしかして全部私の?』
兄「何だと思ってたんだ」
妹『いや、私の部屋を物置代わりにしてるものかと』
兄「学校にあったお前の荷物と、生前お前が通販で頼んでたのとかだ」
妹『あ、そうだ! 私HD-DVD BOX頼んでたんだ!』
兄「えっ……?」
妹『私あの映画好きなんだよねー。ねぇ、プレーヤー買ってくれない?』
兄「えーと、お前ネットとか見てない?」
妹『見れるわけないじゃない。お兄ちゃんはいきなりエOチなページ見たりするから一緒に見れないし』
兄「あー……。妹よ。俺は今からお前に大変辛い事実を告げねばならん」
妹『何よぉ。確かに高いかも知れないけど、いずれはBlue-rayかHD-DVDか買うんでしょ?』
兄「実は――。」
妹『――えぇぇぇぇえええええ! 何よそれぇぇえええ!』
兄「何か言いたい事はあるか? 愚痴なら聞いてやるぞ」
妹『あんなに苦労してバイトしてお金貯めて買って……私……氏にたい』
兄「うん、お前もう氏んでる」

163: 2008/04/12(土) 23:03:40.52ID:rownmYXG0
兄「なぁ」
妹『……』
兄「悪かったって。謝る。だから機嫌直してくれよ」
妹『……』
兄「お前の部屋の片付けしなきゃいけなかったからさ」
妹『……』
兄「まさかお前が着替えてるなんて思わなかったんだって。見てないからさ、大丈夫だ」
妹『……っ!』
兄「幽霊って……着替え必要か? しかもどうやって服変えたんだ?」
妹『気分の問題! 毎日同じ服なんて気持ち悪いでしょ!』
兄「でも、実際に服着れるわけじゃないし」
妹『着替えるイメージすると変えれるの! 私はなれてないから実際に着替える動作しちゃうけど!』
兄「なるほど。だからあんなに面白おかしい動作だったのか」
妹『しっかり見てるんじゃない! 最っ低! もうお兄ちゃんと口利かない!」
兄「ああ、嘘、嘘だ! 今のは妄想だ! 今夜はお前の好物供えるから。な?」
妹『ふんっ……今回はそれに免じて許してあげる」

166: 2008/04/12(土) 23:21:53.90ID:rownmYXG0
兄「一つ、疑問に思っていたことがあるん」
妹『何?』
兄「お前、夜寝てるのか?」
妹『夜は寝るに決まってるでしょ』
兄「……寝れるのか」
妹『寝れるって、当たり前じゃない』
兄「だって、脳、ないんだぞ?」
妹『い、言われて見れば……。な、何で寝れるんだと思う?!』
兄「詰め寄るな! 今までどうやって寝てたかこっちが知りたいわ」
妹『生きてるときと同じように……あれ?』
兄「ま、いいか。そろそろ寝る。お前も早く休めよ」
妹『ちょ、ちょっと待って? あれ、今までどうやって寝てたの?』

妹『寝れなくなっちゃったよ……。寝方が分からないよ……』
兄「んー……。煩いぞ妹……」
妹『うぅ……どうしよう……』

169: 2008/04/12(土) 23:58:10.52ID:rownmYXG0
兄「お前の友達、ちょくちょく顔出してくな」
妹『うん、今日はあの子達と友達になった日だからかな』
兄「良い友達を持ったな」
妹『うん……。氏んじゃって、居るのに気が付いてもらえないけどね』
兄「そうだな、お前、氏んでるんだったな。最近忘れそうになるよ」
妹『お兄ちゃん……』
兄「お前が小学校1年の時までオネショしてた事を。こんなネタを忘れそうになるなんて」
妹『忘れてよ! いつまで覚えてるのよ、昔の事でしょ!』
兄「こっそり後始末手伝ってやった兄に対する言葉がそれか?』
妹『そりゃ感謝してるけどさ、いつまでも覚えて無くてもいいじゃない!』
兄「生きてる時の、お前との思い出なんだ。忘れられないさ」
妹『そ、そんなの……そんな事言われたら、何もいえないじゃない。ずるいよ……』
兄「この思い出、お前の友と分かち合う事としよう。さっき来た子、まだ遠くまで行ってないな」
妹『やめてよ! なんてこと考えるのよこの馬鹿兄貴! ちょっと、本気で外出ないでよ!』
兄「楽しみだなぁ、お前の友達の反応」
妹『やめろってばぁ! お兄ちゃんの馬鹿っ!』

182: 2008/04/13(日) 01:02:36.89ID:koOGY/yE0
>>152の修正版
兄「今更だが、お前の部屋の荷物を整理しようと思う」
妹『本当に今更だよね。あの部屋のダンボール、もしかして全部私の?』
兄「何だと思ってたんだ」
妹『いや、私の部屋を物置代わりにしてるものかと』
兄「学校にあったお前の荷物と、生前お前が通販で頼んでたのとかだ」
妹『あ、そうだ! 私HD-DVD BOX頼んでたんだ!』
兄「えっ……?」
妹『私あの映画好きなんだよねー。ねぇ、プレーヤー買ってくれない?』
兄「えーと、お前ネットとか見てない?」
妹『見れるわけないじゃない。お兄ちゃんはいきなりエOチなページ見たりするから一緒に見れないし』
兄「あー……。妹よ。俺は今からお前に大変辛い事実を告げねばならん」
妹『何よぉ。確かに高いかも知れないけど、いずれはBlue-rayかHD-DVDか買うんでしょ?』
兄「実は――。」
妹『――東芝HD-DVD撤退でBlue-rayの勝利ぃぃぃ?! 何よそれぇぇえええ!』
兄「何か言いたい事はあるか? 愚痴なら聞いてやるぞ」
妹『あんなに苦労してバイトしてお金貯めて買って……私……氏にたい』
兄「うん、お前もう氏んでる」

183: 2008/04/13(日) 01:11:10.54ID:koOGY/yE0
兄「ぬぉっ! 何だお前!」
妹『何だと言われましても。あなたの妹ですが何か?』
兄「『何か?』じゃない。壁から上半身生やすのはやめろ」
妹『ごめん、なんかボーっとしてたら流された』
兄「何に流されるんだよ」
妹『時代の波に……』
兄「なんかちょっとカチンと来たわ」
妹『何でよ! あ、どこ行くの、スルー? ボケ頃し?!』
兄「スイッチON! 風力最大!」
妹『扇風機なんてどうするの……うそ、私流されてる?! ちょっと、やめてよ!』
兄「面白い、幽霊って風に流されるのか。ほれほれ、頑張らないと吹き飛んでいくぞ」
妹『うそ、ちょっとやめてよ、全然踏ん張れないし、きゃーーー!』
兄「おー、随分吹き飛んだなー。台風の日とか気をつけさせないとな、あいつ」

184: 2008/04/13(日) 01:23:33.10ID:koOGY/yE0
妹『うぅ……時代はHD-DVDを捨てたのね……』
兄「まだ悔やんでるのか」
妹『買いなおしたいけどお金ないし……』
兄「せめて物に触れるか、動かせるか出来たら、内職くらい出来るがな」
妹『お兄ちゃぁん、だ~い好き!』
兄「やらん。断る。自分で買え』
妹『ケチ! 守銭奴! 自分で何とかするからいいもん』

妹『動いて……動け……くっ……動けぇぇええ!』
兄「あー、特訓は良いけど、静かにな」
妹『もー! 邪魔するから気が散ったぁ! もう寝る! あっち行って!』
兄「痛っ! 危ないだろ! そんなもん投げるな……え?」

190: 2008/04/13(日) 01:58:39.97ID:koOGY/yE0
妹『寝てる……よね? ……お兄ちゃん、ごめんね。バイバイ』

兄「おい、妹。入るぞ……寝てるのか?」
兄「お~い。部屋には居ないか」
兄「家中探したがいないな。墓か? まったく、勝手にふらふらするなと言ってあるのに」

兄「ここにもいない。……寝てるうちに風で流されたか?」
兄「しばらく待ってみるか。そのうち帰ってくるだろう」

兄「……もう夜だと言うのに、まだ帰らないのか」
兄「いや……分かってはいたんだ。それが一番可能性が高いからな」
兄「でも、いく前に一言くらい……欲しかったんだがな……」


192: 2008/04/13(日) 02:05:27.31ID:koOGY/yE0
兄「思えば、あいつが氏んだ後も普通に会話したりできてたのも」
兄「本来、あってはいけないことだったのかも知れないな……」
兄「あいつが氏んだ辛さを、また味わうことになるとは……」
兄「寂しく……なるな」

チーン
兄「妹。そっちでは元気にやってるか?」
兄「今日はお前の好きな筑前煮だ。なかなか上達しただろう」
兄「お墓の方も、ちゃんと片付けておいたぞ」
兄「あの坊主、びっくりしてたぞ。面白いよな。しかも慰められた」
兄「そうとうまいってる様に見えたらしいよ。実際かなり凹んでるけどな」
兄「この家な。1人で暮らすには、広すぎるって知ってたか……?」

194: 2008/04/13(日) 02:17:17.27ID:koOGY/yE0
妹『知ってるよ。だから普段使わないところ埃だらけじゃない』
兄「!!! お、お前、なんでここに?!」
妹『何でって、私の家だからいいじゃない。……って前にも言わなかったっけ』
兄「いや、それはいいんだが、お前、消えたはずでは……」
妹『あー、実はね。お兄ちゃんが寝てる間にこっそり消えて脅かそうと思ったらさ」
兄「つまりからかったと……」
妹『いや、途中まではね。で、夜中外に出たら、見回りの幽霊の警官に深夜徘徊で捕まってさ』
兄「氏後の世界にも警察とかあるのか」
妹『そうらしいよ。で、氏んだらちゃんと登録しなきゃいけないらしいんだけど』
兄「リアルだな」
妹『そうなの。それで、氏んですぐ私ここにいたから登録とかしてなくてさ』
兄「それで?」
妹『なんか呪縛霊とか悪霊とかと勘違いされちゃってさ。そのまま今まで拘束』
兄「……」
妹『親戚の人が来てくれて説明してくれたから解放されたの。いやぁ、まいったまいった」

195: 2008/04/13(日) 02:18:12.96ID:koOGY/yE0
兄「ふ……ふふふ……ははは……!」
妹『え~とぉ~、お、怒ってる? よねぇ……』
兄「妹」
妹『ごめんっ! ちょっと困らせてみたかっただけなの! 本気でごめん!』
兄「また会えるとは思わなかった。ありがとう」
妹『何でもするから……え?』
兄「よしっ! 腹減ったし、飯だ飯! お前も仏壇じゃなくこっちで食え!」
妹『あ、筑前煮まだ下げないでよ! 私食べてないんだから!』
兄「早く食わないとなくなるぞ」
妹『私が食べてからにしてよ! あ、もう半分もないし!』
兄「――!」
妹『――!」
……
妹『ごめんね』
兄「お前が帰ってきたんだ。それで十分だ」

196: 2008/04/13(日) 02:27:00.70ID:koOGY/yE0
兄「というわけで、筑前煮争奪戦に完全勝利した兄だ」
妹『私が食べても減らないんだから、ちょっと待ってくれてもいいじゃない……』
兄「戦場に待ったはないぞ、妹よ」
妹『戦場て。それにしてもさ』
兄「何だ?」
妹『結構良い感じで終わりそうな事やっておいて、色々台無しだよね、私たち』
兄「妹よ、それは色々な意味でぎりぎりの発言だな」
妹『そう? あー、それにしても、お兄ちゃん、あの時仏壇の前で結構恥ずかしい事言ってたよね~』
兄「今度参加する演劇の練習だが?」
妹『照れなくてもいいって。何、あれが『デレた』って言うの? ねぇねぇ』
兄「ただでさえ知性の感じられない顔がますますだらしなくなってるぞ」
妹『言うに事欠いて顔が馬鹿っぽいとか……。いいよ、あの仏壇での台詞、ず~っと覚えててやるから!』
兄「お前の事だ。明日には忘れている」
妹『忘れないもん! 絶対……忘れないんだから……』

253: 2008/04/13(日) 12:54:00.71ID:koOGY/yE0
兄「ところで妹よ」
妹『何?』
兄「お前、居なくなる前に、物を投げつけてきたな?」
妹『あ、あれは……無意識にというか……物投げるイメージしたら勝手に……』
兄「いや、責めている訳ではない。今も物は持てたりするのか?」
妹『どうかな……やっぱり無理みたい。あの時は感情が高ぶってたというか……』
兄「つまり、本当に物を持ちたい、動かしたいと、心の底から思わないと動かせないのか」
妹『そうなるのかな。悪霊とかが物動かすのも、同じ感じだろうし』
兄「まぁ動かしたいという動機が善か悪かの違いでしかない訳だ」
妹『上手くコントロール出来たら、お料理くらい出来るのになぁ』
兄「まぁ出来たとして、お前が美味い食事を作れるかどうかは別問題なわけで』
妹『もー、うるさいっ!』
兄「うわっ! お、お前な……至近距離から……危ないだろうが!」
妹『クッションなんだし良いじゃない。物を投げるのは完璧みたいだよ』
兄「今まで通り、こちらが有利という状況でもなくなった訳か……」

259: 2008/04/13(日) 13:47:15.86ID:koOGY/yE0
兄「あー……。暇だな、妹よ」
妹『やることいっぱいあると思うんだけど、お兄ちゃん』
兄「ならば問おう。それらは今やらねばならんことか?」
妹『布団はそろそろ干さないと日が暮れちゃうよ』
兄「布団など、太陽があればいつでも干せる」
妹『えーと、コーヒー淹れて来て』
兄「急を要する事ではないな」
妹『お墓掃除しない? 雑草が生えてきたし』
兄「雑草という名前の草はない。彼らも頑張って生きている」
妹『要するに、何もしたくないんでしょ』
兄「それは心外だ、妹。しょうがないな、コーヒーでも淹れて来てやるか」
妹『エスプレッソがいい!』
兄「直火式しかないというのに、お前という奴は……」

266: 2008/04/13(日) 14:30:21.32ID:koOGY/yE0
妹『ねぇ~、たまにはニュース以外の番組見ようよぅ』
兄「何を言うか。情報収集は大切だぞ」
妹『朝も見たんだし、夕方はいいじゃない』
兄「駄目だ。まぁ実力でチャンネル変えられるならかまわないぞ?」
妹『馬鹿にしてぇ! そうやってお兄ちゃんは、永遠に他人を見下すことしかしないんだぁ!』
兄「何っ! チャンネルが変わった?! リモコンに触れずにか!」
妹『やったぁ! へっへっへ、男に二言はないよね?』
兄「よくやった妹! これから楽になるな」
妹『へ?』

兄「おい妹。NHKに変えるのだ」
妹『リモコンで変えてよ……』
兄「口で言えば済むお前の方が楽だ」
妹『なんか騙された気がする、私……』

283: 2008/04/13(日) 16:54:45.51ID:koOGY/yE0
兄「いい天気だなぁ」
妹『せっかくの休日なのに、何にもやらないんだね、お兄ちゃん』
兄「『何もやらない』ことをやっている」
妹『なんか似たくさい台詞見たことがあるよ』
兄「お茶でも淹れるか。ほうじ茶でいいか?」
妹『いいよ~。ありがと~』

兄「よし、出来た。飲め」
妹『二人分……? 私の分は別に』
兄「二人で飲むから二つだ。何か変か?」
妹『……そうだね。へへっ、頂きま……え? これミルク入ってる?』
兄「ほうじ茶チャイだ。まぁ牛乳で煮込んだわけだ」
妹『また変なことしてるし……あ……』
兄「美味いだろ?」
妹『ま、まぁ飲めない味じゃないよね』
兄「そうか、普通の淹れ直すか?」
妹『これはこれでありだから、飲んであげる』

289: 2008/04/13(日) 17:39:31.03ID:koOGY/yE0
妹『そういえば私、氏んでから本読んでない』
兄「お前も読んでたやつ、続きあるぞ。読むか?」
妹『読みたいけど、持てないしなぁ。と、言うわけで……』

兄「こうなるわけか。俺は一度読んだんだが……」
妹『いいじゃない。こうやって並んで一緒の本読むの久しぶりじゃない』
兄「久しぶりも何も、幼稚園以来だな」
妹『同じ絵本何度も読んでもらってたね、そういえば』
兄「……次、いいか?」
妹『まーだ。良かったら良いよって言うから』
兄「……」
妹『何? 私の顔に何か付いてる?』
兄「目と鼻と口、それと耳が付いてるな」
妹『あ、そう……。次、いいよ』
兄「はいはい」

292: 2008/04/13(日) 18:03:09.94ID:koOGY/yE0
兄「では出かけてくる。ふらふら出歩くなよ、また補導されるぞ」
妹『分かってますって。いってらっしゃい』

妹『外に出て買い物したり、友達と遊んだりできないんだなぁ、私』
妹『今更だけど、氏ぬってこういう事なんだ……』
妹『でも、なんでお兄ちゃんとは普通に会話できるんだろう』
妹『お兄ちゃん、霊感強いわけじゃないしなー』
妹『たまにそういう相手もいるって、親戚の幽霊には言われたけど……』

兄「今帰ったぞ、妹」
妹『おかえりなさい……ってそれ何?!』
兄「聞きたいか? これはな、普通に戻してしまったお前のお墓を改造するために」
妹『やめてよ! せっかく戻したのに、なんでまたそんな……しかも何その大量の赤いペンキ!』
兄「ピンクはちょっと品が無いと思ってな、今度は赤にしてみようかと」
妹『もっと品がないでしょ! ……あれ? どうかした?』
兄「いや、大量に買い込んだせいか、少々疲れてな。前はこれくらいではなんとも無かったんだが」
妹『運動不足~。太らない体質でも、ちゃんと動かないとダメだよ』
兄「む、そうだな。運動も兼ねて、早速墓の改造に取り掛かるか」
妹『だからダメだって!』

300: 2008/04/13(日) 18:27:37.79ID:koOGY/yE0
兄「確かに、最近運動不足かもしれないな」
兄「ただ、疲れとも違うんだよな……何だろうな」
妹『何ぶつぶつ言ってるの?』
兄「妹よ、兄は決めた』
妹『何? 何か知らないけど、がんばってね』
兄「兄は毎日走ることにした」
妹『ああ、早速運動するんだ』
兄「というわけで、お前も明日から5時起きだ」
妹『ええええ!? 私もぉ?』
兄「俺は走るから、お前は料理の練習をしておけ」
妹『私も巻き込んで、後に退けなくする作戦?』
兄「そうだ。一緒に暮らす以上、お前にも食事は作ってもらわないと困る」
妹『……そうだね。へへっ。よ~し』
兄「なんだ? さっきまで不満タラタラだったのに」
妹『なんでもないっ!』

311: 2008/04/13(日) 20:01:40.04ID:koOGY/yE0
兄「はぁ、はぁ、はぁ」
妹『ちょっと疲れすぎじゃない……?』
兄「はぁ……はぁ……そっちはどうだ?」
妹『うん、普通に物を手に持つことが出来るようになったよ』
兄「はぁ……はぁ……そうか……早いな」
妹『まだかなり集中しないとダメだけどね。それよりお兄ちゃんの方……』
兄「ちょっと……休む……お前もちょっと寝とけ……」
妹『うん……』

316: 2008/04/13(日) 20:28:49.68ID:koOGY/yE0
兄「……おかしいな」
兄「こんなに疲れるくらい走った訳でもないんだが……」
兄「むしろ……帰ってきた後の方が……しんどい気もする」
妹『お兄ちゃん……大丈夫?』
兄「あぁ……お前……それ、どうしたんだ?』
妹『元気になってもらおうと思って、朝食作ったの』
兄「よく出来たな……そこに置いてくれ」
妹『ここ? はい』
兄「……? ん……なんか……楽に……」
妹『何? 食事作ってもらった位で大げさだって』
兄「いや、まぁ……いいや。早速頂くか」
妹『はい、召し上がれ』

319: 2008/04/13(日) 20:50:57.29ID:koOGY/yE0
まきますか? まきませんか?

326: 2008/04/13(日) 21:08:04.48ID:koOGY/yE0
兄「少々危険だが……試してみるか」

兄「妹よ! 兄は食後の紅茶が怖い!」
妹『び、びっくりしたぁ! もう元気になったの?』
兄「この兄を舐めてもらっては困る。それより紅茶だ」
妹『紅茶なんて淹れたことないよ』
兄「では教えてやろう。食事とお茶はセットだからな」
妹『さっきまで元気なかったのが嘘みたい……ほんとに嘘とか?』

兄「そう、あとは蓋をしてコージーをポットにかぶせて待つだけだ」
妹『コージー? やりすぎ?』
兄「何を言っているお前は。コージーはこれだ」
妹『このドーム状のやつ?』
兄「そうだ。それをかぶせることでポットの温度低下を避ける」
妹『へぇ~』
兄「(色々やらせてみたが、なんともないな。やはり関係ないのか?)」

329: 2008/04/13(日) 21:16:34.30ID:koOGY/yE0
兄「さて、時間だ。カップは温めてあるな?」
妹『うん。2つとも温めたよ』
兄「ではポットから注ぐのだ」
妹『よ……む、ちょっと集中しないとすり抜けちゃいそう……』
兄「(ここで体調が悪くなれば……)』
妹『ふぅ……出来たよ。……お兄ちゃん?』
兄「(なんともない……ということは、ただの偶然だったのか?)」
妹『で・き・た・よ!』
兄「ぬおっ! そ、そうか。ご苦労であった」
妹『も~、いきなり具合悪くなったり、ぼ~っとしたり。今日はなんか変だよ』
兄「何?! 変って言った方が変なんだぞ!」
妹『いや、そういう事じゃなくてさ……まぁいいけど』

331: 2008/04/13(日) 21:25:08.78ID:koOGY/yE0
兄「(あれから数日色々やらせてみてるが、特に変化はないな)」
兄「(具合が悪くなることもないし……しかし、何か引っかかる)」

兄「妹よ。お前、俺以外に存在を悟られた事はあるか?」
妹『んー、外歩いてると、たまーに『あれ?』って顔される時はあるよ』
兄「ほぅ、気が付く人もいるのか」
妹『気が付いてるっていうか、何となく気になって、って感じ。姿は見えてないみたい』
兄「声はどうだ?」
妹『全然。お兄ちゃんも、耳から聞いてる訳じゃないかもしれないよ』
兄「ん? つまり電話は無理という事か。試してみるか」

妹『もしも~し。聞こえる~』
兄「……何も聞こえないな。音を発していた訳ではないのか、あいつ」
妹『やっぱり無理みたいだね』
兄「そうだな。よし、早速特訓だ! 電話も出来ないとは情けないぞ、妹!」
妹『えぇぇええ?! またそのノリなのぉ?』

333: 2008/04/13(日) 21:32:40.78ID:koOGY/yE0
妹『えーと、つまり私は、この部屋の中で、ずーっと電話で話しかけていろと?』
兄「そうだ。俺が電話越しにお前の声を聞けたら褒美をやろう」
妹『犬ですか私。まぁいいや。電話できれば便利だしね』

兄「(電話からあいつの声が聞こえて欲しいのか、欲しくないのか)」
兄「(微妙なところだな……。これも"新しい能力"になるからな……)」
兄「(聞こえてなんとも無ければ、それが一番いいな……)」

妹『(お兄ちゃん、最近色々やらせてくるなぁ。料理とか、お茶の淹れ方とか)』
妹『(本気で幽霊の私と暮らそうとしてるとか?)』
妹『(へへへ、よ~し!)』
妹『お兄ちゃん、聞こえる?』

334: 2008/04/13(日) 21:39:03.96ID:koOGY/yE0
さて、どうしたものか
ちょっと考えてみます

342: 2008/04/13(日) 22:10:16.80ID:koOGY/yE0
兄「さっきから何も聞こえないな。やはりいきなりは無理か」
妹『お兄ちゃん、聞こえる?』
兄「! おぉ、聞こえるぞ。いきなり成功とは……くっ……何っ!」
妹『お兄ちゃん? どうしたの? ねぇ!』

兄「……ここ、は?」
妹『お兄ちゃん! 良かった、目が覚めて……』
兄「病室……?」
妹『あの後、お兄ちゃんいきなり倒れちゃって……私、びっくりして……』
兄「お前が……救急車を呼んでくれたんだな?」
妹『うん……。お兄ちゃん以外の人にも、ちゃんと聞こえたみたい』
兄「よく、やったな……。さすが我が妹だ」
妹『あんまり喋らないで、ゆっくり休んで……あっ、看護婦さんが来たよ』

346: 2008/04/13(日) 22:21:00.57ID:koOGY/yE0
兄「……お医者さん、居なくなったぞ。隠れてないで出て来い」
妹『……うっ……えつ……ふぇ……』
兄「何を泣いているか、情けない」
妹『だって……えっ……お兄ちゃん……』
兄「まぁ流石の俺も、もって3カ月なんていきなり言われたからな、動揺は隠せないが」
妹『もしかして……私が色々力使っちゃったから……私が、お兄ちゃんを……!』
兄「この馬鹿っ!」
妹『ひっ!』
兄「なんて事を考えるお前は。……例えそうだとしても、俺は後悔もしないし、恨みもしない」
妹『で、でも……』
兄「そのおかげで、本来話すことすら出来ないはずの、氏んだお前と暮らせたんだからな」
妹『お兄ちゃん……』
兄「ん……少し……休む……誰か来たら……起こしてくれよ……」
妹『お兄ちゃん……絶対、氏なないでね! まだこっち来ちゃダメだからね!』

349: 2008/04/13(日) 22:28:36.33ID:koOGY/yE0
妹『お兄ちゃん! お兄ちゃん、まだ氏なないで!』
兄『うるさいぞ……感情に任せて話したらお医者さんにも声聞こえてしまうぞ』
妹『お兄ちゃん?! え? でもお兄ちゃん意識不明で……』
兄『どうも、お前が、俺が言いたい事を感じ取ってるようだな。お前が話してるのと逆の理屈だ』
妹『ねぇ、氏なないで! まだ頑張って!』
兄『……落ち着いて聞け。おそらく、俺はもうだめぽ』
妹『何冗談言ってるのよ! 全然笑えないよ……! そんな事言わないでよ!』
兄『つまらなかったか……ちょっとショックだ。まぁいい。それよりだ』
妹『何?』
兄『お前が氏んでから、随分楽しく過ごせた。お前のおかげだ。ありがとう』
妹『過去形で言わないでよ……これからも楽しく暮らそうよ……』
兄『こうやって居るのもそろそろ限界だ……。最後に……家の俺の机の引き出し……』
妹『引き出し? 何かあるの?』
兄『後で……見てくれ……お前に伝えたい事が書いてある……じゃあの』
妹『お兄ちゃん……? お兄ちゃーん!』

353: 2008/04/13(日) 22:35:24.64ID:koOGY/yE0
兄『この手紙を読んでいるという事は、俺は氏んだらしいな。
  実はお前に黙ってある実験をしていた。どうも、お前が力を使えるようになる度に、
  俺の体調が悪くなる気がした。それを確かめる為だ。
  紅茶を淹れさせたり、電話で会話しようとしたり。これは電話の実験の前に書いている』

妹『お兄ちゃん……あの時、もうこのこと知ってて……』

兄『これを読んでいるという事は、お前の"力"と俺の体調には関係があったという事になる』

妹『やっぱり……! 私、お兄ちゃんの命を……!』

兄『だが待て! 単純に即氏に繋がるとは限らない。体調が悪くなることで、元々煩っていた病気が
  悪化した、という可能性もある。俺らの家系は癌家系だしな。それにだ。俺はこの事について、
  一切後悔もしていない。もちろんお前を恨んでもいない。もし氏にたくなかったら、こんな実験、
  すると思うか?』

356: 2008/04/13(日) 22:43:46.41ID:koOGY/yE0
兄『それに、もしお前が氏んだ後、お前が俺の前に現れなかったとしたら?
  俺の氏因が原因不明以外、そうだな、癌とかであれば、氏んだショックで
  ますます悪化していただろうな』

妹『確かに癌だったけど……。今まで生活してたのが不思議なくらいだって言ってたけど……でも!』

兄『結局、どっちが原因かなんて分からないだろうな。お前に会えない精神的苦痛と、
  お前が力を使うことによる肉体的疲労、どっちが原因かなんて、分からないさ。
  でも、お前と過ごした、お前が氏んでから今までの時間、今まで生きてきた中で、
  一番楽しかったぞ。ありがとうな』

妹『何よありがとうって……私、どう反応すればいいのよ……』

兄『最後に、兄からのお願いだ』

妹『何? 何でもやるよ……』

兄『おれのPCのHDDを、破壊してくれ。あれは……あれはマズイものだ……』

妹『もぅ……最後の最後まで……私、笑えばいいのか、泣けばいいのか……』

359: 2008/04/13(日) 22:49:12.17ID:koOGY/yE0
妹『お兄ちゃん、やっと家の片付け、終わったよ……』

妹『HDDも破壊したからね。中見たけど……お兄ちゃん、アレはないわ……ダメダメあれは』

妹『お兄ちゃん、親戚宛にも遺書みたいなの書いてたんだね。その通りにしたよ』

妹『だから、今この家な~んにもないよ。広いよね、この家……』

妹『私1人じゃ……広すぎるよ……』

妹『いつまでもこの家で、お兄ちゃんの事思い出していたいけど……それじゃ駄目だよね』

妹『新しい人が住むことになったの。感じ良さそうな人だったよ』

妹『だからね、私も、お兄ちゃんに甘えてないで、そろそろ逝かないとね』

妹『氏んだのに、いつまでも地上にいるの、変だもんね……』

妹『じゃあね。私も、楽しかったよ……ばいばい、お兄ちゃん』

361: 2008/04/13(日) 22:55:07.45ID:koOGY/yE0
妹「ここが、天国? 何も書いてないけど……あれ、幽霊いっぱい並んでる」
兄「こら、遅いぞ! 何をやっていた妹!」
妹「お兄ちゃん?! 何でここにいるの?! だって氏んだはずじゃ……」
兄「氏んだから天国に居るんだろうが。お前見たく、いつまでもふらふら地上に居ると思ったか?」
妹「え? え? あ、そ、そうか。天国来れたからか……」
兄「ほほぅ。お前、この兄が地獄に落ちるとでも思っていたんだな?」
妹「ち、違うって! ちょっと混乱して……痛痛痛っ! 頭! 頭痛いからやめて!」
兄「ちょっとそのお花畑な頭を醒まさせる必要があるな」
妹「そ、そうか。私も氏んでたんだよね……だから、お兄ちゃんも氏んで、こうやって会えたんだ」
兄「……まさかとは思ったが、忘れていたとはな。だから氏ぬ時あんなに騒いでいたのか」

363: 2008/04/13(日) 23:03:00.38ID:koOGY/yE0
妹「だって、本当はもっと生きられたのに、私……」
兄「まだ言うか馬鹿が! まぁいい。ちょっと説明する」
妹「痛~い……頭叩かなくてもいいじゃない……」
兄「お前の力で、俺に肉体的疲労が蓄積されていたのは事実だ。
  だが、お前が氏んだ時、俺は既に癌が全身転移した状態だったらしい。
  もしお前が力を使わず、今みたいに真っ直ぐこちらに来ていたとすれば、
  お前を失った精神的ショックで、病状がさらに進行していただろうな」
妹「でも、私が物もったりとかしなきゃ、もっと生きられたのに……」
兄「あれは、俺がお前にやらせた事だ。それにどっちにしても、長くはなかっただろうな」

365: 2008/04/13(日) 23:07:06.84ID:koOGY/yE0
兄「だから気にするな。お前のせいじゃない。住めば都と言うだろう。地上がこっちになっただけだ」
妹「私……お兄ちゃんが氏んだ事を悲しんだら良いのか、会えた事を喜んだらいいのか……どっちか分からないよ……」
兄「だからお前は馬鹿だと言うんだ」
妹「え?」
兄「悲しんだら良いか喜んだらいいか、だと? 簡単だろ。喜べば良い。喜ぶ方が楽しいだろう」
妹「……ぷっ……あははは!」
兄「何を大笑いしている! さっきまで泣いていたくせに」
妹「やっぱり……お兄ちゃんは、氏んでもお兄ちゃんなんだぁ、って思って」
兄「今非常にカチンと来たね。こい、ちょっとお仕置きが足りないようだ」
妹「あ、ちょっと、やめてよ……痛いってば! そんなに引っ張らないでって!」
兄「まったく……手のかかる妹だ」
妹「これからも、よろしくね」
兄「ふん、やれやれだな」

367: 2008/04/13(日) 23:12:39.00ID:koOGY/yE0
妹「ちょっとまって、これ、ハッピーエンドなの? バッドエンドなの?」
兄「さぁな。生きている事に意味を見出す人にとってはバッドエンドかもしれないな」
妹「そうじゃない人にとってはハッピーエンドと?」
兄「ハッピーエンドかどうかは分からないがな。まぁ俺が氏んだらこうにしかならないだろう」
妹「そうなんだけどさ。あんまりギリギリな発言は控えたほうが……」
兄「そうだな。もっとも、俺は氏なずに、お前が消えて終わる、という可能性もあった」
妹「そうだね……。もしそっちならお兄ちゃんは今も……」
兄「また殴られたいか? 同じ事を何度も言わせるなよ?」
妹「なんでもない。紅茶出来たよ。あっちで一緒に飲もう?」
兄「そうだな。少しは上達したんだろうな?」
妹「飲んでびっくりしないでよぉ?」
兄「ほほぅ。随分自信満々だな。お手並み拝見といこう」

368: 2008/04/13(日) 23:15:11.13ID:koOGY/yE0
自分の分は終わりです
良かったんだろうかこれでw
最初は幽霊モノでギャグに走ろうって思って書いてたはずなのにw

そして他の書き手のは……?

引用: 新ジャンル「妹幽霊」