1: 2008/04/07(月) 22:09:17.44ID:f9nn+qKU0
ピリリリリリリッ!! ピリリリリリリッ!!

青年「はい、もしもし?」

?『…あたし、メリーさん。いま、ゴミ捨て場にいるの』 ブチッ ツーツーツー

青年「…メ、メリーさん…だって?」

青年「ウ、ウソだろ!?あれ都市伝説じゃなかったのかよ!?」

ピリリリリリリッ!! ピリリリリリリッ!!

青年「…も、もしもし?」

?『…あたし、メリーさん。いま、公園にいるの』 ブチッ ツーツーツー
艦隊これくしょん -艦これ- 4コマコミック 吹雪、がんばります!(1) (ファミ通クリアコミックス)

3: 2008/04/07(月) 22:11:52.99ID:f9nn+qKU0
青年「ち、近づいてきてる…!?本物なのか!?」

ピリリリリリリッ!! ピリリリリリリッ!!

青年「ダメだ!電話に出たら余計に近づいてくる!電話に…電話に出なかったらいい―――っ!?」

?『…あたし、メリーさん。いま、あなたのマンションの前にいるの』 ブチッ ツーツーツー

青年「なんだよ!?耳…いや、脳に直接声が響き渡る!?くそっ!どうしたら…どうしたらッ!」

ガチャガチャガチャッ!!

青年「ビクッ…ド、ドアの向こうに誰か…いる!?」

4: 2008/04/07(月) 22:13:55.99ID:f9nn+qKU0
ピリリリリリリッ!! ピリリリリリリッ!!

青年「ちくしょうッ!!電話線…電話線を抜けば!」 ブチッ

ピリリリリリリッ!! ピリリリリリリッ!!

青年「ウ、ウソだろ…なんで鳴るんだよ!ど、どこから聞こえてくるんだ?この電話の音…」

?『…あたし、メリーさん。いま、あなたの家の前にいるの』 ブチッ ツーツーツー

青年「…き、来た…」

6: 2008/04/07(月) 22:16:05.96ID:f9nn+qKU0
青年「ま、窓だ!窓から逃げないとっ―――っ!?」

青年「おいっ!!窓開かないじゃないかッ!?なんでだよ!くそ!」

ピリリリリリリッ!! ピリリリリリリッ!! ガチャ

青年「…き、切れた…?た、助かったのか…?よかった―――ッ!?」

?「…あたし、メリーさん。いま、あなたの後ろにいるの」

青年「えっ!?あ、あああああああああああああッ!!!!」

―――――
―――

8: 2008/04/07(月) 22:18:16.85ID:f9nn+qKU0
-4月7日 昼頃-

業者「はいよ、今日の分だ。いくら不況って言っても空き缶拾いは関係ないだろ?
   最近数が少ねえじゃねーか、ああ?」

男「っせーな。調子が乗らねえんだよ。
  いーじゃねぇか、500円ありゃ1日生きることが出来る。
  今の俺にはそれで十分だ」

業者「お前らしいな。…ん?お前そのポケットに入れてるのは携帯電話か?」

男「拾ったんだ。最近は携帯電話から金が取り出せるんだろ?何かの役に立つかもしれねえからな」

業者「へっ、金なんて携帯の1こや2こじゃどうにもならねーよ。
   調子乗ってると、『メリーさん』から電話がかかってくるぜ?」

男「…メリーさん?」

10: 2008/04/07(月) 22:20:31.57ID:f9nn+qKU0
業者「知らねえのか?都市伝説だ。
   メリーさんを名乗る少女から電話がかかってくるとな、殺されるんだよ。
   ま、いわゆるホラーだな」

男「俺みたいな根無し草の空き缶拾いでも女の子が電話かけてくれるんなら願ったり叶ったりだ。
  別に頃してくれて構わねーよ」

業者「くく、そうやって言ってるやつが殺されるんだよ。
   メリーさんはな、ちょっとずつ近寄ってくる。最後に自分の背後に現れる。
   そして振り返った瞬間―――鎌でバッサリ、だ」

男「アホらし、なんだよそれ。いるわけねーだろそんなやつ」

11: 2008/04/07(月) 22:22:37.79ID:f9nn+qKU0
業者「ところでよ、お前はいつまでそうやってくすぶってるつもりだ?
   余生もこんなふらふらしたまま過ごすのか?ああ?」

男「ふん、俺にはもう家族も何もない。たった1人だ。
  俺の人生で得たものはこの孤独なんだよ」

業者「お前が人生で得たもの?単にお前がケツまくっただけだろうが。
   どうせ家族も大方捨ててきたんだろ?ああ?」

男「…ふん、どうせ俺のせいだよ」

業者「おっと、これは失礼。どうやら図星か。まあいい。
   せいぜい寂しい余生を空き缶拾いに費やすんだな」

男「いいさ…もう、俺は何も望まない」

12: 2008/04/07(月) 22:24:36.80ID:f9nn+qKU0
-同日 夜-

男「ふあーあ、さてそろそろ寝床に帰るか。腹減ったな」

ブブブブブブッ!!

男「ん、携帯電話か?ああ、拾ったやつか。
  ふん、暇つぶしに出てやるか。ちょうどイライラしてたところだ、おちょくってやるよ」

男「はい、もしもし?」

?『…あたし、メリーさん。いま駅前にいるの』 ブチッ ツーツーツー

男「…は?いま、メリーさんとか言ったのか?」

男「………」

男「どういうことだ?駅前って…つーかこれって例の話のやつか?」

ブブブブブブッ!!

15: 2008/04/07(月) 22:26:37.69ID:f9nn+qKU0
男「また…?」

男「はい、もしも―――」

?『…あたし、メリーさん。いま小学校の前にいるの』 ブチッ ツーツーツー

男「おいっ!ちっ…切れてやがる」

男「駅前から小学校の前って…こっちへ向かってきてるのか」

男「…あの話マジだったのか」

男「………」

男「俺を頃しに来るってか?ふん、面白いじゃねーか」

17: 2008/04/07(月) 22:28:38.04ID:f9nn+qKU0
ブブブブブブッ!!

男「はいよ、今どこにいるんだ?」

?『…あたし、メリーさん。いま公園にいるの』 ブチッ ツーツーツー

男「了解。その公園脇の階段降りた高架下が俺の寝床だ。さっさと頃しに来いよ」

男「さて…もうすぐ来るな」

ブブブブブブッ!!

男「…よう、着いたか?」

?『…あたし、メリーさん。いまあなたの後ろにいるの』

19: 2008/04/07(月) 22:30:39.90ID:f9nn+qKU0
男「来たか。このまま振り返れば、俺を頃してくれるってか?
  いいぜ、バッサリやってくれ。もう俺には生きる意味などないからな――なにっ!?」

少女「………」

男「お、お前…む、娘かっ!?」

少女「………」 スゥッ

男「お、おい消えるなっ!待て畜生ッ!」

男「………」

男「ど、どーゆうこった!?あいつは、あいつは…」

男「俺の…俺の娘じゃないかっ!?」

21: 2008/04/07(月) 22:32:45.09ID:f9nn+qKU0
-4月8日 朝-

業者「あん?メリーさんについてもっと教えろだと?」

男「頼む。どうしても…聞きたいんだ」

業者「ふん、どういう風の吹き回しか分からんがまあいい。
   あくまで噂だが、もともとメリーさんは『捨てられた人形』が『捨てた女の子』に復讐するホラーなんだよ。
   だから最初はゴミ捨て場から始まるらしい」

男「捨てられた…」

業者「そうだ。ただまあ最終的にどうなるかは分からない。
   昨日言った、振り返ると鎌で殺されるという話はあくまで派生した話だしな」

男「…(そういやアイツも鎌なんて持ってなかったな)」

25: 2008/04/07(月) 22:34:49.50ID:f9nn+qKU0
業者「有名なところはそれくらいだな。あとはそこらへんのガキの方が詳しいんじゃねーか?」

男「そ、そうか…すまん」

業者「なんだお前らしくねーな。メリーさんが怖くなったのかよ?」

男「いや、そういうわけじゃねーんだがな…」

業者「くっくっく、じゃあついでにメリーさんを追い払う呪文を教えてやろう。
  あくまで噂だが、メリーさんが現れたらこう言うんだ。『お父さんだよ』ってな」

30: 2008/04/07(月) 22:36:55.38ID:f9nn+qKU0
-同日 昼-

男「メリーさんは『お父さんだよ』という呪文で追い払うことができる…
  これってやっぱり…。しかし、もし娘がメリーさんだって言うのなら、もう…娘は…」

男「…いや。結論を出すにはまだ早い。この目で娘の安否を確かめればいいんだよ。
  あれは俺の見た幻であるという可能性もある!」

男「離婚して25年か…消息を掴むにはあまりに長い年月だ。だが…調べないと―――」

女「―――オトウサンッ♪」

男「っ!?」

33: 2008/04/07(月) 22:39:05.13ID:f9nn+qKU0
女「あはははっ!びっくりしてるよこの人っ」

男「誰だお前は…女子高生、か?」

女「ひっどーいっ!私まだ中学生なんですケド?そんなに更けて見えます?
  本当に失礼なんだから!」

男「初対面でしかも年上の人間に向かってその口の利き方はないだろう?
  そっちの方がよっぽど失礼じゃねーか」

女「あら、女子中学生にお父さんって呼ばれてビクビクしてた薄汚い中年親父にそんなこと言われたくないんですケド?
  なんだかヤラシイなあ♪にししししっ」

35: 2008/04/07(月) 22:41:16.35ID:f9nn+qKU0
男「ちっ、ガキのくせに調子に乗りやがって。俺はお前の相手をするほど暇じゃねーんだよ、行くぞ」

女「ねえねえ、オジサン職業はなぁに?」

男「ああ?援交目的か?だったら残念だな。俺は路頭を彷徨う無職だ。
  金ならねえよ」

女「へえ、結局惨めな人生を送ったんですねえ♪」

男「結局だと?お前なんぞに俺の何が分かるんだよ。やかましいガキだな」

女「知ってますよぉっ!奥さんと娘さんを捨てて逃げ出したんでしょ?」

男「…っ!?なんで…それを知ってる?」

38: 2008/04/07(月) 22:43:18.08ID:f9nn+qKU0
女「さあて、何ででしょーねぇ。で、奥さんと娘さんは今どこに?」

男「知らねえよ、知ったことか」

女「ふーん、じゃあ奥さんと娘さんのこと、知りたい?」

男「な、なんだと!?」

女「あら?さっきまでの威勢はどこへいったのカナ?もう1度言いますよ。
  奥さん…あ、間違えた♪『元』奥さんと『元』娘さんのこと、知りたいんですか、それとも知りたくないんですか?」

40: 2008/04/07(月) 22:45:16.54ID:f9nn+qKU0
男「…お前、なんでそんなことを…」

女「質問は許しませんよぉ?にししししッ♪どうです、聞きたいでしょう?」

男「ふん、デタラメ言いやがって!お前なんぞの話は聞かん。行くぞ」

女「あらららら、行っちゃった。もう!強情なんだからぁ」

女「クスッ…さぁて、どうなることやら?…ふふふっ」 

42: 2008/04/07(月) 22:47:13.48ID:f9nn+qKU0
-同日 夕方-

男「ふうやっと着いたか。25年前、離婚した時は家も妻にくれてやった。
  今も同じ場所に止まっている可能性は薄いが…賭けてみる価値はあるな」

男「さてこの辺りのはずだが、自宅はどこだったっけなあ…
  お、あそこに人の良さそうなにいちゃんがいるな。聞いてみるか」

男「すみません」

青年「はい?」

男「このあたりに××というお宅があると聞いたんだが…知らないか?今もいるのかどうかは分からないんだけど―――」

青年「…あなた、何者です?」

男「は?何者?」

46: 2008/04/07(月) 22:49:17.73ID:f9nn+qKU0
青年「ですから、あなたは何者ですかと聞いているんです」

男「何者って…別に怪しい者じゃあ…ただ××という家に用事があってだな」

青年「…知らない、のですか?」

男「知らない?…何を?」

青年「何をって…あなたも興味本位で『氏神の家』にやって来たんでしょう?」

男「し、『氏神の家』だと…?」

48: 2008/04/07(月) 22:51:29.17ID:f9nn+qKU0
青年「あなたのいう××さんというお宅はこの辺では有名な心霊スポット、通称『氏神の家』です。
   あなたもそれと知って面白半分で来たのではないのですか?」

男「心霊スポットだと?どういうことなんだ?」

青年「本当に何も知らないのですか?
   18年前にその××さんというお宅で凄惨な母子惨殺事件があったんです。
   それ以来、その廃屋は心霊スポットと化して、今も佇んでいます」

男「母子…惨殺事件、だとぉ!?ち、ちょっと詳しく聞かせてもらえるか!?」

54: 2008/04/07(月) 22:53:25.56ID:f9nn+qKU0
青年「その廃屋には母親と娘の2人が住んでいたんです。
   どうやら離婚したようでね、あまり経済的に裕福ではなかったようですが…
   ある時母親は再婚を決意したようです」

男「………」

青年「だが、その再婚相手は闇金幹部で重度のくすり中毒者でね、手の付けられないほどの凶暴な男だった。
   それでも再婚を決意したのは経済的な理由でしょう―――再婚して数日後、事件は起きました」

男「………」

青年「その闇金幹部は庭にあった手入れ用の鎌で母子ともども惨頃したようです。動機は分かりません」

58: 2008/04/07(月) 22:55:39.14ID:f9nn+qKU0
青年「闇金幹部はその後どうなったのか分かりません。
   捕まっていませんから今ものうのうと生きているのではないかという説があります。
   ま、とにかくそれ以来『氏神の家』として畏怖されるようになったんですよ」

男「『氏神』ってのは…なんなんだ?」

青年「事件が起こるずっと前から度々この家で、見たこともない少女の姿が目撃されていたそうです。
   その少女が『氏神』で、不幸をもたらしたのではないか、と言われています」

男「『氏神』の少女、だと…?」

青年「…一緒に、行ってみますか?」

59: 2008/04/07(月) 22:57:46.61ID:f9nn+qKU0
-同日 夜-

青年「ここです。だいぶ風化していますが、呪いを恐れて当時のまま残されていますよ―――
   って何勝手に入ろうとしているんですか!?不法侵入ですよ!」

男「不法侵入じゃねーよ。俺は元々この家の主だったんだからな」

青年「あ、主…!?ま、まさかあなたは離婚した母親の…!?」

男「昔の話だ。だいたいアンタこそ誰なんだ?」

青年「まあ…いわゆるジャーナリストです。色々とこの廃屋にまつわる事件に興味がありまして、ね…」

男「ふーん。アンタもなかなか怪しいやつだ。まあどうでもいいけどな」

青年「………」

61: 2008/04/07(月) 22:59:49.04ID:f9nn+qKU0
青年「どうやって入るんですか?」

男「あの頃のままなら花壇の土に合鍵が隠してある…ほらな」

青年「どうやらあなたは本当に主人だったようですね」

男「ふん。で、その…惨殺現場とやらはどこなんだ?」

青年「居間です。母親と娘が再婚相手に殺されたんです…ってこんな話、ご遺族の方に…すみません」

男「構わん、25年も前に離婚したんだ。今更どうということは…ないさ」

青年「Mary…」

63: 2008/04/07(月) 23:01:51.97ID:f9nn+qKU0
男「ん?今なんて言った?メリーだと!?」

青年「いえいえMary、マリーと言ったんです。
   犯人の再婚相手はくすり、つまりマリファナ中毒者だったんですけどね…
   マリファナは隠語でMaryと呼ばれることがありますから」

男「マリファナ…マリー…」

青年「それにしてもメリーに聞こえたなんて…何かメリーに心当たりでもあるんですか?」

男「いや…なんでもない」

青年「………やはりメリーさんに…」 ボソッ

男「ん?何か言ったか?」

青年「いえ、何もありませんよ…何も、ね」

67: 2008/04/07(月) 23:03:57.06ID:f9nn+qKU0
男「それにしても…この家は封鎖されてるんじゃなかったのか?」

青年「はい、そうですけど」

男「にしては埃が年月を感じさせないな。まるで誰かが頻繁に出入りしているような…」

青年「心霊スポットですからね…興味本位の人間が出入りしている可能性はありますよ…
   あ、ボクあっち行ってきます」

男「そうか…ん?このソファの下に転がってるのは―――っ!?」

男「ち、注射器…?しかも…それほど古くはない…」

男「まさかこの家を出入りしているのは…!?」

男「ふん…もし見つけたら今度は俺が鎌で引き裂いてやるよ」

69: 2008/04/07(月) 23:06:06.11ID:f9nn+qKU0
青年「今日は夜も遅いです。また調査されてはどうですか?」

男「そうだな、改めて明日にでも来るか」

青年「ボクはそこの安ホテルに泊まってます。アナタは?」

男「俺は野宿には慣れてる。その辺にいるさ」

青年「そう…ですか。何か色々事情がおありのようですが…?」

男「女に愛想尽かされた男の末路だ。アンタ指輪してるってことは既婚者だろ?気をつけろよ」

青年「もうすぐ娘が生まれる予定です…ま、気をつけますよ。それでは、また」

75: 2008/04/07(月) 23:08:52.52ID:f9nn+qKU0
男「アイツも娘も殺されてたなんて、な…離婚して、自暴自棄になってる内にそんなことになってなんて…」

男「やはり俺が離婚しなければこんなことには…俺のせいなんだろうか」

男「………」

男「…なんだろうな、この感じ。どうにも腑に落ちない。
  どうして俺はこれほどまでに衝撃的な事実を知ったばかりなのに、平然としていられるんだろうか」

男「…俺も冷たくなったもんだな」

女「やだー♪老人に近いおっさんが一人言ってなんかキモーイっ」

77: 2008/04/07(月) 23:10:47.91ID:f9nn+qKU0
男「っ!?お前昼間の…どうしてここに!?」

女「中学生ですから夜アソビくらいしますけど、何か?ふふふ、奥さん見つかりましたか?」

男「…ふん、お前には関係ない」

女「またまた強がっちゃって♪氏んでたんでしょ?
  18年前の母子惨殺事件だっけ?離婚してなかったら、起こらなかったのかもね?ふふふっ」

男「………ちっ」

79: 2008/04/07(月) 23:12:49.34ID:f9nn+qKU0
男「お前に…お前なんかに俺の気持ちが分かってたまるかッ」

女「分かりませんよ、おっさんの気持ちなんか、とてもねぇ」

男「ちっ、イライラするガキだ。とっととどっかに消えろ」

女「消えますよ、言われなくてもねぇ♪ふふふっ」

男「ふん」

女「メーリさんのーひ・つ・じっ♪ひ・つ・じっ♪ひ・つ・じっ♪
  メーリさんのーひ・つ・じっ♪まっしーろね~♪」

男「…?」

女「この歌詞、最後まで知らない人多いですよね?ふふふっ♪じゃあ今日はさようならっ」 タタタッ

男「あ、おい!ったく、メリーさんの羊…だと?何が言いたいんだアイツは…」

82: 2008/04/07(月) 23:15:19.71ID:f9nn+qKU0
-4月9日 朝-

青年「おはようございます、調査ですよね?」

男「ああ、もう少し色々と見てみたい」

青年「私も同行させてもらってよろしいですか?」

男「…構わん、代わりに教えて欲しいことがある」

青年「なんでしょうか?」

男「メリーさんの羊ってどういう歌詞なんだ?」

83: 2008/04/07(月) 23:16:30.20ID:f9nn+qKU0
青年「これまた意外な質問ですね。
   うろ覚えですが確かメリーという女の子が白い羊を飼っていて、ある日学校に羊がついてきちゃうんです。
   生徒はみんな大笑い、先生は怒る…で、羊は学校から追い出されちゃうんですよ。
   でも羊はずっと校庭でメリーが迎えに来るのを待っている、みたいな感じでしたね」

男「ほう…そんな展開をするんだな」

青年「どうして突然そんなことを聞くんです?」

男「何でもない、ちょっと懐かしくなっただけだ」

青年「そう、ですか。では私もついでに質問があります、よろしいですか?」

85: 2008/04/07(月) 23:18:29.71ID:f9nn+qKU0
男「なんだ?俺は何も面白い話は知らないぞ」

青年「なぜそこまで『メリーさん』という言葉に反応するんですか?
   そしてそれが今更事件となったこの家を訪れる理由と何か関係があるのですか?」

男「…言ってもたぶんアンタは信じないさ」

青年「いえ、恐らくある程度信じることが出来ると思います。
   私はメリーさんに直接会いました。
   目を疑いましたが…かつてのボクの同級生、いえ、更に言いましょう。
   惨殺事件の被害者である娘さんでした」

男「何だとっ!?やはりそうなのかっ!?」

青年「…どうやらあなたもやはり同じような目的のようですね」

86: 2008/04/07(月) 23:20:34.74ID:f9nn+qKU0
青年「―――なるほど。そちらの事情は分かりました。
  どうやら『メリーさん』とやらはどうもこの家と例の事件に関係があるようですね」

男「信じたくはなかったが…くそ。どうやら何かありそうだな」

青年「間違いなく何かあるでしょう。すると気になるのが1つ…。
   事件前からこの家で目撃されていた通称『氏神』の少女は何だったのでしょうか」

男「俺のところに現れた『メリーさん』は間違いなく娘だった。
  ってことはその『氏神』は別の…あるいは元からいた『メリーさん』ということか?」

青年「『メリーさん』にも交代があるんでしょうか…いやそれとも『メリーさん』は元から複数いる可能性も…?」

男「まずはもう1度家を調べよう。何か分かるかもしれない」

88: 2008/04/07(月) 23:22:05.42ID:f9nn+qKU0
-同日 昼-

青年「ふう、5時間ほど探しましたけど特に気になるものはありませんねえ」

男「元々特に何もない家だったからな。あと残ってるのは地下室だけか」

青年「この家、地下室なんてあるんですか?」

男「ああ、住んでる人間しか知らないような場所に、ひっそりとな。
  まあ地下室と言ってもただの小さな物置だから収穫は見込めないと思うが」

青年「いえ、一応確認しましょう」

90: 2008/04/07(月) 23:25:25.83ID:f9nn+qKU0
男「くそっ入り口が開かないな…」

青年「これは人為的な原因ではないですね。
   恐らく何年か前の地震で骨格自体が歪んでしまったんでしょう。
   私たちの力ではどうしようもない…何か機械がないと」

男「知り合いが廃品回収の業者をやっている。たぶんそいつに言えば何か借りれるだろう。 
  夜までに借りて戻ってくるから…それまで一時散会でどうだ?」

青年「その方が良さそうですね。私はそれまで事件のことをもう少し調べてみます」

男「決まりだな。じゃ、また夜に会おうぜ」

92: 2008/04/07(月) 23:27:39.42ID:f9nn+qKU0
-同日 昼過ぎ-

業者「ああん?そんな機械何に使うんだ?」

男「いいじゃねーか、哀れな親父を救うと思って少しだけ貸してくれよ」

業者「まあお前とは付き合いが長いからな、信用も出来る。
   いいだろう。1日だけだぞ」

男「すまねえ。助かるぜ」

業者「…お前、昨日も今日も空き缶持ってこなかったじゃねーか。
   一体何してんだよ?」

男「…『過去』と闘っているんだよ。俺の『過去』とな」

業者「は…?何のことだ?」

93: 2008/04/07(月) 23:29:37.20ID:f9nn+qKU0
男「さて、機械も借りたし早めに戻るか」

女「やっほー♪なんかゴツイもの持ってるねえ」

男「…またお前か、いい加減ガキの相手は疲れたぜ。無視するからな」

女「にしししっ♪で、それで『地下室』でも掘り返すの?」

男「っ!?…なんで、そんなことまで知っているんだ!?」

女「へー、図星かぁ。単純だねぇ」

男「…お前、一体何者なんだよ」

女「何者?さて…何者でしょうかぁ♪ただのガキんちょですけども?」

95: 2008/04/07(月) 23:31:46.28ID:f9nn+qKU0
男「まるで俺たちの行動をどこかから逐一見ているかのような口ぶりだな?」

女「…たい」

男「は?」

女「携帯、震えてるよ?ふふふっ」

男「何だと!?…ほ、本当だ!お前…どうしてそれを―――き、消えた!?」

男「い、いつの間に…どこへ行ったんだ!?」

男「………」

男「も、もしもし…?」

?『…あたし、メリーさん。いま、おウチの地下室にいるの』 

99: 2008/04/07(月) 23:33:48.24ID:f9nn+qKU0
-同日 夜-

青年「あ、どうも。ちょっと凄いことが分かりましたよ!
   例の『氏神』とされた少女なんですが、実はこの家の―――」

男「とりあえずそれは後だ!早く…早くしないと!」

青年「は?何を早くするんです?」

男「急げ、急げ地下室に!何かが、何かがあるんだ地下室に…!」

青年「何か?何かってなんですっ!?」

男「分からん!でも…何か、何かあるんだ!」

100: 2008/04/07(月) 23:35:55.79ID:f9nn+qKU0
男「機械は1つしかない。俺が地下室への扉をこじ開けておく」

青年「分かりました。ボクは少々気になることがあるので、もう1度この家を調べてみます」

男「…なあ」

青年「なんでしょう?」

男「アンタが見た『メリーさん』はどんな感じだったんだ?」

青年「当時と変わらない…かわいい娘でしたよ。手に『鎌を持っていた』ことを除けばね」

102: 2008/04/07(月) 23:37:35.39ID:f9nn+qKU0
青年「もし…ボクが予想していることが正しいとすれば、『氏神』と称された少女の正体は…
   何か、何か証拠は残されていないか!?」

―――コトン

青年「ん、何か落ちたぞ?これは…に、妊娠検査薬か?」

青年「使用期限を見る限り…25年前のもの…」

青年「………」

青年「やはり…この家で目撃されていた『氏神』の正体は…」

106: 2008/04/07(月) 23:39:55.01ID:f9nn+qKU0
ガガガガガガッ!! ガキィッ!!

男「よし、やっと開いた!入るか」

男「そんなに地下室は広くない、ライトで照らせば見渡せるはず―――あっ!?」

男「こ、これは白骨氏体っ!?大きさから見て…小学生くらいの…」

男「そうか…娘は惨殺犯から逃れるために地下室に逃げ込んでそのまま…」

男「すまない…すまない娘よ。こんな…こんなことになるなんて…くっ…」

男「…違う。おかしいぞ!青年は惨殺された母子は2人とも居間で発見されたと言っていたはず…
  じゃあ…じゃあこの氏体は一体誰なんだ!?」

?「―――簡単だ。お前の2人目の娘だよ」

109: 2008/04/07(月) 23:41:57.62ID:f9nn+qKU0
業者「よう。失った『過去』は見つかったか?」

男「お前、業者…どうしてここに」

業者「お前がさっき過去がどうのこうの言うからもしやと思ってきてみたら…ふん、俺を忘れたのか?男」

男「まさか…お前あの時の闇金…」

業者「風貌は変わっちまったからなあ!ふひゃひゃっ!
   お前が路頭に迷ってるのを見た時は笑いが止まらんかったよ、どこまでも惨めな野郎だ」

男「どういうことだ?俺の2人目の娘って何のことなんだよ!?ウソだ!」

業者「まだ分からんのか!?頭が悪いな!」

青年「その男の言うことは恐らく事実ですよ」

111: 2008/04/07(月) 23:43:47.23ID:f9nn+qKU0
男「何だと!?どういうことだ!?」

青年「離婚された時、奥さんは妊娠していたんです。2人目の娘さんを」

男「そ、それじゃあなんで2人目の娘が最初からいなかったようになってるんだ!?おかしいじゃねーか!?」

業者「最初からいなかったんだよ。だってアイツの分の出生届を出させなかったんだからよ。
   いらねえだろ?すでに別れた後の男のガキなんてよ?」

男「お前…!」

青年「『氏神』と称された少女は出生届の出されなかった次女だったんです」

114: 2008/04/07(月) 23:45:31.47ID:f9nn+qKU0
男「…降りて来いよ糞野郎っ!」

業者「おっと動くなよ?丸腰のお前らと違って俺はエモノを持ってるからな」

青年「あなたが母子惨殺の犯人ですか…最低な野郎ですね、マリファナ吸ってラリッた勢いで頃したわけですか?」

業者「やかましいわ若造が。あいつらは俺が男を陥れたと罵りやがるから悪いんだよ。
   いつまでも未練タラタラ、『商品』は黙れって殴ってるついに興奮しちまってよ?
   気づいたら庭の手入れ用具で2人バッサリってわけだ、ふひゃひゃひゃひゃッ!」

116: 2008/04/07(月) 23:47:43.99ID:f9nn+qKU0
業者「それにしても逃げ出した次女はこんなところに隠れてやがったか。
   存在しないことになっている分際で外に出るもんだから『氏神』扱いだもんな?
   最期は暗い地下室で衰弱氏…惨めな『氏神』サマだなあ、おい?」

男「黙れよ。ペラペラ喋ってくれた分、仕返してやるぜ」

業者「もう遅い。時候は成立した。俺を頃す以外にカタキは取れんなあ?
   だが今この状況で飛び道具を持つ俺に勝てない。お前の運命はもう決まってるんだよ!」
 
男「ぐっ…!」

業者「じゃあな、お前の人生にお似合いらしく惨めに氏ね!」

男「ちくしょうッ…ちくしょうッ―――」

ジリリリリリッ!! ジリリリリリッ!! 

121: 2008/04/07(月) 23:49:47.74ID:f9nn+qKU0
男「な、なんだ?電話…!?」

青年「あ、有り得ない…この家の電話回線は氏んでるはず…!?」

業者「ちっ、なんだこの電話の音は?」

ザリ…ザリ…ザリ……

青年「誰か…地下室に近づいてきますっ…」

男「ま、まさか…!?」

業者「ふん、誰もいねえじゃねーか。気のせいに決まっ―――」

ザリッ……

?「…あたし、メリーさん。いま、あなたの後ろにいるの」

127: 2008/04/07(月) 23:51:55.41ID:f9nn+qKU0
業者「なにっ!?」 ザクッ

男「ッ!?」

青年「っ!?」

業者「ぐっうごあ…ああああああああああああああッ!!!!」 ガタガタッ ドサッ

女「よくも18年前は私のことを頃してくれたわねえ?ふふふ、やっと役者が揃ったわ…
  まずはお前よ?ふふふっ氏んじゃえ」 ザクッ 

業者「あぐあっ…ハアハア…うええああッ…ぐ…う……」

青年「メ、メリーさん…いや、女!」

男「な、なんだと!?お、お前が…メリーさんッ!?」

131: 2008/04/07(月) 23:54:04.58ID:f9nn+qKU0
男「あ、有り得ない…だってあの日俺の前に現れたメリーさんは…」

女「『小学生のような女の子』だったでしょ?妹はずっとまだ見ぬパパに助けを求めていたのよ?
  この暗い地下室から、ね…?迎えに来てくれるのをずっと、ずぅっと待っていたのにねえ」

男「ど、どういうことだ!?何が何だかさっぱり…」

女「逆に聞きたいわねえ?本当に事件のこと…あの青年に教えてもらうまで知らなかったの?」

男「なん…だと?」

133: 2008/04/07(月) 23:55:41.03ID:f9nn+qKU0
女「事件のあったあの日、どこにいたの?あの事件に自分は無関係だって言える?」

男「俺は何もしてない!あの事件の日はっ!たまたま前を通りかかっただけで…
  言い争うが聞こえてきてそれで…あっ!?」

女「通りかかって言い争う声を聞いたんでしょ?で、なんでそのまま素通りしたのかしら?」

男「そ…それは…」

138: 2008/04/07(月) 23:57:28.75ID:f9nn+qKU0
女「後ろめたかったんでしょ?ギャンブルで作った借金をチャラにしてもらう代わりに、
  闇金幹部が横槍入れて惚れた自分の妻を、娘ともども渡したんだもんね?
  人間のやることじゃないよねえ。金で家族を捨てたんだもん」

男「…お、思い出したくない」

女「そっかぁ、今まですっかり忘れてたのかあ?良心の呵責による一時的な記憶喪失ってやつカナ?
  最低だよねぇ、どこまで都合よく逃げる気だったのかしら」

男「………」

女「で、売り飛ばされた母子ともども薬中の闇金幹部に見事惨殺されましたっと…」

141: 2008/04/07(月) 23:59:02.36ID:f9nn+qKU0
女「さっきたまたま通りかかった、そういったよね?
  違うでしょ。ずっと売り飛ばした家族が気になってたんでしょ?
  でも悲鳴が聞こえても助け出しに行くほどの勇気がなかったんでしょ?
  逃げてばっかり、それがアナタの人生」

男「………」

女「メリーさんは羊を迎えに行きました。だってメリーさんは羊が大好きだったんだもんね。
  でもアナタは大好きなはずの娘も妻も迎えに行きませんでした。本当に大好きだったのかしらねえ?」

142: 2008/04/08(火) 00:01:15.26ID:MbAdg+fE0
女「覚えてる?あたしの意識が薄れ行く時に、お父さん電話をかけてきたでしょ?
  あたし、女!いま、家の中で倒れてるの!助けて、助けてって必氏に言ったのにどうして無視したのかしらねえ?
  自分でかけたくせに」

男「ち、違う…それは違うっ!」

女「久しぶりね、お父さん。氏んでからのこの18年、アナタを恨まなかった日は1日もないわ。
  探し続けたわ、お父さんのこと。ずっと、ずぅっとね…あたしとお母さんが味わった恐怖を刻むために」

男「…う、あううう…」

女「ふん、そんなのだから妹を見た時、あたしと勘違いしたんでしょ?
  捨てた娘の成長なんてもう眼中になかったってことでしょう?」

146: 2008/04/08(火) 00:02:47.41ID:MbAdg+fE0
女「さあ、お父さん。いまから頃してあげるわ。ふふふっズタズタに引き裂いてあげる」

青年「止めろ女!お父さんを頃しても…そんなことをしても何にもないだろう!?」

男「いいんだ。これで本望だから…俺はずっと、あの贖罪のことばかり考えていた…。これで、いいんだ」

女「そうよ!お父さんは私に殺されなくちゃならないの!鎌で引き裂かれるために今まで生きてきたのよ!
  はははっ!あはははははっ!!」

男「さあ頃してくれ、娘よ。もう…何も未練などない」

148: 2008/04/08(火) 00:04:21.92ID:MbAdg+fE0
青年「止めろぉぉぉぉッ!!」

女「もう…遅いんだよ、青年クン。あたし、メリーさん。
  お父さんを頃すためだけに生まれてきた妖怪…化け物なんだから」

青年「そ、そんな…」

女「…氏んじゃえ、お父さん。バイバイ―――」

男「…いま、そっちに逝くからな。妻、娘よ―――」 

青年「ダメだぁぁぁぁぁっ!!」 


ザクッ


154: 2008/04/08(火) 00:06:01.08ID:MbAdg+fE0
男「………」 ドサッ

青年「どうして…、こんなことに。女…やっぱり君は女なんだよな?」

女「…ゴメン、青年クン。あの日頃す相手が君でびっくりしたよ…結局殺せなくなっちゃった…」

青年「…い、今まで何人の人間を頃してきたんだ?」

女「分からない…お父さんだけを頃すつもりだったのに、気づいたら私が私じゃないような…
  化け物になっていくのが、分かるの…」

青年「何とか!何とか女を救うことは出来ないのか!?」

女「ダメだよ…私は妖怪メリーさん。電話をかけて人を頃す…化け物なんだから…」

156: 2008/04/08(火) 00:07:45.32ID:MbAdg+fE0
女「ねえ…私はこれからも永遠に人を頃し続けるのカナ?」

青年「っ!?」

女「ヤだよ…これじゃあお母さんを頃したあの男と同じ…
  でも!もう私は私じゃないっ!何の罪もない人を…気がついたら毎日頃しているの!
  私はもう私じゃない…ただの化け物メリーさん」

青年「う…くぅッ…」

女「あの事件の日、ただお父さんに迎えに来て欲しかっただけ…それだけなのに。
  メリーさんのように…大好きな羊を迎えにいったメリーさんのように」

161: 2008/04/08(火) 00:09:13.06ID:MbAdg+fE0
女「そろそろ行かなくちゃ…青年クンと一緒にいると、いつか『妖怪メリーさん』が青年クンを頃しちゃう」

青年「…必ず、君をこの地獄から救い出してみせるから」

女「ふふふっ嬉しいな…グスッ…なるべく早くお願いね…?ヒグッ…も、もう人を頃すのはヤだよぉ…うええんっ!」

青年「必ずだ、君を早く救ってみせる」

女「ありがとう…お別れ、だね」 スゥッ

青年「…ダメだ!やっぱり行かないでくれ」

女「ごめんね、それ無理。ありがとう、青年クン―――バイバイ」

青年「うああああああああっ!!」

『…あたし、メリーさん。君のことが大好きだったよ』

165: 2008/04/08(火) 00:10:48.94ID:MbAdg+fE0
-エピローグ-

『都市伝説メリーさんの真実!!
 ―――彼女は電話を取るたびに近づいて来る。そして最終的に殺されてしまうという凄惨な結末を迎えることが有名だ。
 しかし唯一殺されることを回避出来る方法がある。それは迎えに行くこと。
 近づいてくるのは彼女が迎えに来て欲しいからなのだ。だから逃げては行けない。
 こちらからメリーさんを迎えに行くこと。それが彼女の希望なのだから』

青年「ふう、とりあえず原稿は出来たっと」

妻「あら、また雑誌の特集?ジャーナリストは忙しいのね」

青年「ああ、まあな。でも…この記事はどうしても書きたくてさ」

妻「へえ、そうなの」

169: 2008/04/08(火) 00:11:44.98ID:MbAdg+fE0
青年「ところでさ、陣痛はまだなのか?」

妻「予定日はもうすぐだから、案外今日にでも来るかもね」

青年「娘かぁ…楽しみだなあ」

妻「ねえ…名前なんだけどね」

青年「名前かあ…何か案でもあるのか?」

妻「うん!『まり』にしようと思うんだけどどうかしら?」

青年「ま…り?」

173: 2008/04/08(火) 00:13:12.33ID:MbAdg+fE0
妻「なーんか長女!って感じな気がするんだよね」

青年「…いいんじゃないか、素敵な名前だ」

妻「パパとママ、そして娘…3人幸せな家庭にしましょうね」

青年「ああ…絶対に幸せになれるさ、してみせる」

ブブブブブブブッ!!

妻「あら!携帯電話、震えてるわよ?」

青年「あ、本当だ―――っ!?」

ドクンッ!!

175: 2008/04/08(火) 00:14:22.82ID:MbAdg+fE0
青年「………」

妻「どうしたの?取らないの?」

―――なんだ、この腑に落ちない感じは?

妻「もしもーし?」

―――何か引っ掛かる…。

妻「ねえ、いきなり怖い顔しちゃってどうしたのよ?」

―――あれだ、あの時の女と父親の会話!

女『覚えてる?あたしの意識が薄れ行く中で、お父さん電話をかけてきたでしょ?
  あたし、女!いま、家の中で倒れてるの!助けて、助けてって必氏に言ったのにどうして無視したのかしらねえ』

男『ち、違う…それは違うっ!』

178: 2008/04/08(火) 00:16:14.00ID:MbAdg+fE0
―――当時携帯電話なんてなかった!それにあの家の近くに公衆電話もない!父親じゃない!!
   じゃあ、氏に際の女に電話をかけたのは誰だッ!?氏に際に女は誰と会話したんだッ!?…まさかッ!?

妻「…私が取っちゃうよ?」

青年「まさか『本物のメリーさん』って…電話に潜んで―――」

妻「はい、もしもし」

青年「取るなぁッ!!その電話を取ったらダメだッ!!」

妻「…へ?」

179: 2008/04/08(火) 00:17:00.69ID:MbAdg+fE0
妻「取るなって…あなたの知り合いだそうよ。かわるわ」

青年「…そ、そうなの?」

妻「はい、電話」

青年「気に…しすぎか…」

青年「はい、もしもし…?」

184: 2008/04/08(火) 00:18:36.63ID:MbAdg+fE0
?『……ザザ…ジジジ……ガー』

青年「…えっと、どちらサマですか?」

?『…ザザザ……ァタシ…メリィ……サン……ジジジ…』

青年「…ッ!?」

?『…ピーガーガー……ィマ………』

青年「…止めろ…止めてくれ……それだけは止めてくれぇぇぇぇッ!!!」

?『…ィマ……
            

              …ォ腹ノ…中ニィルノ……」

Fin

199: 2008/04/08(火) 00:20:36.39ID:MbAdg+fE0
ここまで長々と糞スレに付き合ってくれてありがとう。

かねがねメリーさんを題材に何かssを書けないかと思っていたんだけど、
結果的にホラーなのかサスペンスなのかよく分からない中途半端な感じになってしまった、期待してくれた人には申し訳ない。

若干説明不足のところもあるけど、一応ネタは全て出し切ってるはずなので想像で補える範囲だと思う。
特に1番最後のオチ周辺は読者の想像に委ねたい。
というのもメリーさん(たん)はもはや国民的妖怪ゆえ、全てを固定してしまうのはいささか気が引けたので…。

またなんか書いたら読んでやってくれ。じゃあな、おやすみ(´・ω・`)ノシ

引用: 超王道ジャンル「メリーさん」