1: 2008/04/07(月) 18:09:22.37ID:EmQyoVqB0
そこは、幽霊の声が聞こえるお屋敷。
テープレコーダーを持参して録音スタート。
「お邪魔します」
「きれいな家ですね」
「トイレ借ります」
「お邪魔しました」
テープを再生すると・・・。
「お邪魔します」「どうぞ」
「きれいな家ですね」「そうですか」
「トイレ借ります」「どうぞ」
「お邪魔しました」「ちょっと待て!」
びびりまっくて、家に帰ると母親が「変な電話あったわよ。必ず連れ戻すって」
うちの電話は着信が見れるタイプなので即かけ直した。
「OK、一緒に暮らそう」「え・・・」
そしてサリーちゃんとの共同生活が始まった・・・。
テープレコーダーを持参して録音スタート。
「お邪魔します」
「きれいな家ですね」
「トイレ借ります」
「お邪魔しました」
テープを再生すると・・・。
「お邪魔します」「どうぞ」
「きれいな家ですね」「そうですか」
「トイレ借ります」「どうぞ」
「お邪魔しました」「ちょっと待て!」
びびりまっくて、家に帰ると母親が「変な電話あったわよ。必ず連れ戻すって」
うちの電話は着信が見れるタイプなので即かけ直した。
「OK、一緒に暮らそう」「え・・・」
そしてサリーちゃんとの共同生活が始まった・・・。
3: 2008/04/07(月) 18:18:49.77ID:EmQyoVqB0
本当は怖かった。ぶるってた。正直20ccほどちびった。
でもどうせ連れて行かれるなら前向きに検討すべきだ。
昔から言うじゃないか。
赤信号、皆で渡れば恐くない。
男「というわけで、家族ごと引っ越してきました」(長男:ニート)
父「おー、思ったよか上等な屋敷ばい」(父:エセ九州人)
母「不束者ですが…」(母:パート)
妹「引越してきたZE☆」(妹:ラッパー)
しかし屋敷には誰もいない。
待ちぼうけしていると携帯が鳴った。
男「もしもし?」
サ『私、サリーちゃん、今あなたの後ろにいるの』
男「それ話が違いますよ」
サ「え・・・」
振り返ると銀様みたいな美少女が顔を真っ赤にしてうつむいてた。
でもどうせ連れて行かれるなら前向きに検討すべきだ。
昔から言うじゃないか。
赤信号、皆で渡れば恐くない。
男「というわけで、家族ごと引っ越してきました」(長男:ニート)
父「おー、思ったよか上等な屋敷ばい」(父:エセ九州人)
母「不束者ですが…」(母:パート)
妹「引越してきたZE☆」(妹:ラッパー)
しかし屋敷には誰もいない。
待ちぼうけしていると携帯が鳴った。
男「もしもし?」
サ『私、サリーちゃん、今あなたの後ろにいるの』
男「それ話が違いますよ」
サ「え・・・」
振り返ると銀様みたいな美少女が顔を真っ赤にしてうつむいてた。
4: 2008/04/07(月) 18:35:46.84ID:EmQyoVqB0
すぐにサリーちゃんは消えてしまった。
とりあえず屋敷に家具を運び込んでから今後の相談をする。
サリーちゃんとはテープレコーダーで会話することにした。
男「とりあえず部屋割りを決めよう」
妹「二階はあたしのもんだYO☆」
妹が二階にダッシュしていった。
俺はテープレコーダーを再生した。
男「とりあえず部屋割りを決めよう」「そうね」
妹「二階はあたしのもんだYO☆」「床が腐ってるから気をつけてね」
妹が落ちてきた。
お尻をしたたかに打って「うにゅう」とか言ってる。キショイ。
とりあえず屋敷に家具を運び込んでから今後の相談をする。
サリーちゃんとはテープレコーダーで会話することにした。
男「とりあえず部屋割りを決めよう」
妹「二階はあたしのもんだYO☆」
妹が二階にダッシュしていった。
俺はテープレコーダーを再生した。
男「とりあえず部屋割りを決めよう」「そうね」
妹「二階はあたしのもんだYO☆」「床が腐ってるから気をつけてね」
妹が落ちてきた。
お尻をしたたかに打って「うにゅう」とか言ってる。キショイ。
5: 2008/04/07(月) 18:41:16.57ID:EmQyoVqB0
男「とりあえずサリーちゃんの話をちゃんと聞け」
妹「OK☆」
父「部屋は後からでよかけん飯ば食わんか」
母「キッチン借りますね」
母がキッチンに行った。
テープレコーダーを再生した。
男「とりあえずサリーちゃんの話をちゃんと聞け」「それがいいわ」
妹「OK☆」「ほんにわかってるの?」
父「部屋は後からでよかけん飯ば食わんか」「いいわね」
母「キッチン借りますね」「ヤクルトしかないわよ」
母がヤクルトを両手一杯もってきた。
母「晩御飯ですよ」
男「当然のように受け入れるなババア」
妹「OK☆」
父「部屋は後からでよかけん飯ば食わんか」
母「キッチン借りますね」
母がキッチンに行った。
テープレコーダーを再生した。
男「とりあえずサリーちゃんの話をちゃんと聞け」「それがいいわ」
妹「OK☆」「ほんにわかってるの?」
父「部屋は後からでよかけん飯ば食わんか」「いいわね」
母「キッチン借りますね」「ヤクルトしかないわよ」
母がヤクルトを両手一杯もってきた。
母「晩御飯ですよ」
男「当然のように受け入れるなババア」
8: 2008/04/07(月) 19:08:47.61ID:EmQyoVqB0
男「だめだこいつら、早くなんとかしないと…」
そう思いながらも今日は寝ることにした。
翌日、ヤクルトを飲みながら家族を見送った。
妹は学校へ、父は仕事へ、母はパートへ出かけた。
妹「スクールでホーミーとエンジョイだZE☆」
父「車で送ったげるばい」
母「私はバスで行きますね」
再生ボタンを押した。
妹「スクールでホーミーとエンジョイだZE☆」「楽しそうでいいわね」
父「車で送ったげるばい」「優しいのね」
母「私はバスで行きますね」「近くにバス亭ないわよ」
母だけ帰ってきた。
母「財布を忘れたわ」
男「そっちかYO☆」
関係ないけど妹の口調うぜぇ。
そう思いながらも今日は寝ることにした。
翌日、ヤクルトを飲みながら家族を見送った。
妹は学校へ、父は仕事へ、母はパートへ出かけた。
妹「スクールでホーミーとエンジョイだZE☆」
父「車で送ったげるばい」
母「私はバスで行きますね」
再生ボタンを押した。
妹「スクールでホーミーとエンジョイだZE☆」「楽しそうでいいわね」
父「車で送ったげるばい」「優しいのね」
母「私はバスで行きますね」「近くにバス亭ないわよ」
母だけ帰ってきた。
母「財布を忘れたわ」
男「そっちかYO☆」
関係ないけど妹の口調うぜぇ。
9: 2008/04/07(月) 19:13:19.61ID:EmQyoVqB0
仕方ないので母はパートをやめて狩りをすることになった。
毎日のように猪や鹿やよくわからん肉が食卓に出るようになった。
妹「今日はまたご馳走だZE☆」
父「ほほぅ、これはまた乙なもんばい」
母「なんの肉かは秘密です」
再生ボタンを押した。
妹「今日はまたご馳走だZE☆」「あら、ポチが見当たらないわ?」
父「ほほぅ、これはまた乙なもんばい」「ポチー?ポチー?」
母「なんの肉かは秘密です」「…あら?キッチンにポチの首輪が…」
俺はそっと箸を置いた。
毎日のように猪や鹿やよくわからん肉が食卓に出るようになった。
妹「今日はまたご馳走だZE☆」
父「ほほぅ、これはまた乙なもんばい」
母「なんの肉かは秘密です」
再生ボタンを押した。
妹「今日はまたご馳走だZE☆」「あら、ポチが見当たらないわ?」
父「ほほぅ、これはまた乙なもんばい」「ポチー?ポチー?」
母「なんの肉かは秘密です」「…あら?キッチンにポチの首輪が…」
俺はそっと箸を置いた。
11: 2008/04/07(月) 19:22:01.37ID:EmQyoVqB0
ついにインターネットが開通した。
2chをしながらサリーちゃんとおしゃべり。
男「痴漢男おもすれー」
男「新ジャンル増えてないかなー」
男「野菜レイパーktkr」
再生ボタンを押した。
男「痴漢男おもすれー」「口リ巨Oうざいわね」「わんわん!」
男「新ジャンル増えてないかなー」「私の名前があるわね」「わん!」
男「野菜レイパーktkr」「ば、ばか…!そんなとこ開かないでよ…!///」「くぅんくぅん」
なんか増えてた。
2chをしながらサリーちゃんとおしゃべり。
男「痴漢男おもすれー」
男「新ジャンル増えてないかなー」
男「野菜レイパーktkr」
再生ボタンを押した。
男「痴漢男おもすれー」「口リ巨Oうざいわね」「わんわん!」
男「新ジャンル増えてないかなー」「私の名前があるわね」「わん!」
男「野菜レイパーktkr」「ば、ばか…!そんなとこ開かないでよ…!///」「くぅんくぅん」
なんか増えてた。
13: 2008/04/07(月) 19:31:59.27ID:EmQyoVqB0
夜寝る時にこっそり録音ボタンを押しておいた。
朝。
起床してすぐに再生ボタンを押した。
「……もう寝てるかな?」
「もしもーし、本当に寝てるー?」
「ふふ、ほんと、ぶちゃいくな寝顔」
「…………」
「ちゅ」
「…あは、またしちゃった」
ふと鏡を見ると、顔を真っ赤にしたサリーちゃんがなにか大声でまくしたててた。
このときのメモリディスクは今でも大事にしまってある。
朝。
起床してすぐに再生ボタンを押した。
「……もう寝てるかな?」
「もしもーし、本当に寝てるー?」
「ふふ、ほんと、ぶちゃいくな寝顔」
「…………」
「ちゅ」
「…あは、またしちゃった」
ふと鏡を見ると、顔を真っ赤にしたサリーちゃんがなにか大声でまくしたててた。
このときのメモリディスクは今でも大事にしまってある。
15: 2008/04/07(月) 19:45:50.98ID:EmQyoVqB0
元同級生の女が遊びにきた。
ちょっとヤンキー入ってるが基本的には良い奴だ。
女「へー、ここが男の新しい家かー」
男「まあゆっくりしてけよ。また泊まってってもいいし」
女「助かる!ここからのが会社近いからな!」
男「あれ…扉が開かない…」
再生ボタンを押した。
女「へー、ここが男の新しい家かー」「あなたが男の古い彼女ね?」
男「まあゆっくりしてけよ。また泊まってってもいいし」「え……」
女「助かる!ここからのが会社近いからな!」「だ、ダメ!絶対にダメだからね!」
男「あれ…扉が開かない…」「らめぇ!そんなとこ開けちゃ、らめぇ…!ここは通さないもん!」
どうみても確信犯です。どうもありがとうございました。
ちょっとヤンキー入ってるが基本的には良い奴だ。
女「へー、ここが男の新しい家かー」
男「まあゆっくりしてけよ。また泊まってってもいいし」
女「助かる!ここからのが会社近いからな!」
男「あれ…扉が開かない…」
再生ボタンを押した。
女「へー、ここが男の新しい家かー」「あなたが男の古い彼女ね?」
男「まあゆっくりしてけよ。また泊まってってもいいし」「え……」
女「助かる!ここからのが会社近いからな!」「だ、ダメ!絶対にダメだからね!」
男「あれ…扉が開かない…」「らめぇ!そんなとこ開けちゃ、らめぇ…!ここは通さないもん!」
どうみても確信犯です。どうもありがとうございました。
17: 2008/04/07(月) 19:53:02.09ID:azTOtO780
サリーちゃんが拗ねてしまった。
さっきからテープレコーダーをカチカチしてるが馬鹿犬の声しか入ってこない。
女「さっきから何してんの?」
男「いやさ、ここ幽霊がいるんだよ」
女「……おいおい、やめてくれよそういうの」
男「あれ? 涙目? ひょっとして涙目ですか?」
女「う、うるせーな! こえーもんはこえーんだよ!」
再生ボタンを押した。
男「あれ? 涙目? ひょっとして涙目ですか?」
女「う、うるせーな! こえーもんはこえーんだよ!」
やっぱりダメか…と、スイッチを切ろうとしたその時。
サ「うーらーめーしーやー」
女「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!?」(男に抱きつく)
サ「きゃああぁぁ!?私の男になにしてんのよぉーー!?」
女「うわぎゃあmふぁpwだmなんをい」
男「ぐええええ!首が!首がああぁぁぁ!」
阿鼻叫喚。
さっきからテープレコーダーをカチカチしてるが馬鹿犬の声しか入ってこない。
女「さっきから何してんの?」
男「いやさ、ここ幽霊がいるんだよ」
女「……おいおい、やめてくれよそういうの」
男「あれ? 涙目? ひょっとして涙目ですか?」
女「う、うるせーな! こえーもんはこえーんだよ!」
再生ボタンを押した。
男「あれ? 涙目? ひょっとして涙目ですか?」
女「う、うるせーな! こえーもんはこえーんだよ!」
やっぱりダメか…と、スイッチを切ろうとしたその時。
サ「うーらーめーしーやー」
女「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!?」(男に抱きつく)
サ「きゃああぁぁ!?私の男になにしてんのよぉーー!?」
女「うわぎゃあmふぁpwだmなんをい」
男「ぐええええ!首が!首がああぁぁぁ!」
阿鼻叫喚。
18: 2008/04/07(月) 20:00:12.25ID:azTOtO780
女が涙目のまま帰っていった。
俺は正座させられ、実体化したサリーちゃんにお説教されている。
サ「あのね、家主はあくまで私なんだからね。勘違いしないでよね」
男「はい、すいません。もう二度と悪ふざけしません」
サ「本当に反省してるの?」
男「はい、本当の本当に反省してます。浮気しないから許してください」
サ「う、浮気ってなによ! 勘違いしないでよね! あれはたんに家主として風紀が乱れないように――」
再生ボタンを押した。
サ『きゃああぁぁ!?私の男になにしてんのよぉーー!?』
男「俺、サリーちゃんの男だから」
サ「……ば、ばかっ!///」
俺はおおむね幸せです。
俺は正座させられ、実体化したサリーちゃんにお説教されている。
サ「あのね、家主はあくまで私なんだからね。勘違いしないでよね」
男「はい、すいません。もう二度と悪ふざけしません」
サ「本当に反省してるの?」
男「はい、本当の本当に反省してます。浮気しないから許してください」
サ「う、浮気ってなによ! 勘違いしないでよね! あれはたんに家主として風紀が乱れないように――」
再生ボタンを押した。
サ『きゃああぁぁ!?私の男になにしてんのよぉーー!?』
男「俺、サリーちゃんの男だから」
サ「……ば、ばかっ!///」
俺はおおむね幸せです。
19: 2008/04/07(月) 20:11:19.27ID:azTOtO780
妹が風邪をひいた。
妹「YOッ!YOッ!YOッ!」
男「くしゃみもそれかよ、うぜぇ」
父「風邪薬ば飲みんしゃい」
母「薬をかってくるわね」
母が血相を変えて外に飛び出した。
再生ボタンを押した。
妹「YOッ!YOッ!YOッ!」「わんッ!わんッ!わんッ!」
男「くしゃみもそれかよ、うぜぇ」「わぉぉぉん!」
父「風邪薬ば飲みんしゃい」「わぅ?」
母「薬局に行ってくるわね」「ただいまー、そういえば風邪をひきやすい時期ね。薬は居間の戸棚にあるから」
母が帰ってきた。
母「太陽草とアオキノコとってきた」
男「ちょwwwモンスターハンターwwwうぇwww」
×薬を買ってくる ○薬を狩ってくる
妹「YOッ!YOッ!YOッ!」
男「くしゃみもそれかよ、うぜぇ」
父「風邪薬ば飲みんしゃい」
母「薬をかってくるわね」
母が血相を変えて外に飛び出した。
再生ボタンを押した。
妹「YOッ!YOッ!YOッ!」「わんッ!わんッ!わんッ!」
男「くしゃみもそれかよ、うぜぇ」「わぉぉぉん!」
父「風邪薬ば飲みんしゃい」「わぅ?」
母「薬局に行ってくるわね」「ただいまー、そういえば風邪をひきやすい時期ね。薬は居間の戸棚にあるから」
母が帰ってきた。
母「太陽草とアオキノコとってきた」
男「ちょwwwモンスターハンターwwwうぇwww」
×薬を買ってくる ○薬を狩ってくる
20: 2008/04/07(月) 20:17:37.51ID:azTOtO780
サリーちゃんの様子がおかしい。
やけに人の出入りを気にしている。
サ『……あれがくるわ』
サ『どうしよう』
サ『私、男と離れたくないのに…』
屋敷中にしかけたレコーダーからそんな声が聞こえる。
俺は不安になった。
妹『シャワーが気持ちいぃ~♪ お兄ちゃんのためにも綺麗綺麗しなきゃね♪』
風呂場にしかけたレコーダーからそんな声が聞こえる。
不覚にもおkk(ry
そして、サリーちゃんとの別れの日が近づいていた。
やけに人の出入りを気にしている。
サ『……あれがくるわ』
サ『どうしよう』
サ『私、男と離れたくないのに…』
屋敷中にしかけたレコーダーからそんな声が聞こえる。
俺は不安になった。
妹『シャワーが気持ちいぃ~♪ お兄ちゃんのためにも綺麗綺麗しなきゃね♪』
風呂場にしかけたレコーダーからそんな声が聞こえる。
不覚にもおkk(ry
そして、サリーちゃんとの別れの日が近づいていた。
21: 2008/04/07(月) 20:20:15.91ID:azTOtO780
支援thx
楽しんでもらえてると嬉しい
ちょっと飯作ってくるノシ
楽しんでもらえてると嬉しい
ちょっと飯作ってくるノシ
25: 2008/04/07(月) 21:08:17.24ID:azTOtO780
一ヶ月という時間は、はたして短いのだろうか。
それは見ず知らずの他人が友人になるには十分すぎる時間だが。
家族になるには短すぎる時間だ。
もちろん、それも人によるのだろうが……。
さて、俺達の場合はどうだろう――
それは見ず知らずの他人が友人になるには十分すぎる時間だが。
家族になるには短すぎる時間だ。
もちろん、それも人によるのだろうが……。
さて、俺達の場合はどうだろう――
26: 2008/04/07(月) 21:14:13.12ID:azTOtO780
幽霊屋敷は今日も賑やかだ。
ラッパーの妹はいつにもましてうざい。
天然の母は、あいかわらず狩りに励み、こちらの斜め上をいく。
あと馬鹿犬と父。このへんは同列。
俺は、サリーちゃんをからかって毎日を楽しく過ごしている。
しかしどうも最近、サリーちゃんの様子がおかしい。
どうしたのと聞いても答えてくれない。
何か脅えているようだ。
ここは一発はげましてやろう。
男「あー…サリーちゃんの顔が見たいなー」
男「笑うと可愛いんだよなーほんと」
男「最近はめったに見れないけどさー」
彼女の真っ赤な顔を想像しながらそんなことを呟く。
そして、いつものようにニヨニヨしながら再生ボタンを押した。
カチリ
ラッパーの妹はいつにもましてうざい。
天然の母は、あいかわらず狩りに励み、こちらの斜め上をいく。
あと馬鹿犬と父。このへんは同列。
俺は、サリーちゃんをからかって毎日を楽しく過ごしている。
しかしどうも最近、サリーちゃんの様子がおかしい。
どうしたのと聞いても答えてくれない。
何か脅えているようだ。
ここは一発はげましてやろう。
男「あー…サリーちゃんの顔が見たいなー」
男「笑うと可愛いんだよなーほんと」
男「最近はめったに見れないけどさー」
彼女の真っ赤な顔を想像しながらそんなことを呟く。
そして、いつものようにニヨニヨしながら再生ボタンを押した。
カチリ
27: 2008/04/07(月) 21:22:35.62ID:azTOtO780
男『あー…サリーちゃんの顔が見たいなー』
サ『きゃああああぁぁぁ…っ!』
男『笑うと可愛いんだよなーほんと』
サ『やめ…て!出ていきなさい!私の…私達の家から…ッ!』
男『最近はめったに見れないけどさー』
サ『……男…ごめんね…もう顔を見せることができないの…』
男「サリーちゃん!?」
俺はありったけの力で叫んだ。
ゾクゾクと背筋に悪寒がはしる。
あたりに視線をめぐらすが、屋敷は静かなものだ。
男「サリー!なんだよ!俺をからかってんのか!?」
レコーダーをもつ手が震える。
男「なにが起きてんだ!この屋敷になにがいるってんだ!」
再生ボタンを押し込む。
サ『きゃああああぁぁぁ…っ!』
男『笑うと可愛いんだよなーほんと』
サ『やめ…て!出ていきなさい!私の…私達の家から…ッ!』
男『最近はめったに見れないけどさー』
サ『……男…ごめんね…もう顔を見せることができないの…』
男「サリーちゃん!?」
俺はありったけの力で叫んだ。
ゾクゾクと背筋に悪寒がはしる。
あたりに視線をめぐらすが、屋敷は静かなものだ。
男「サリー!なんだよ!俺をからかってんのか!?」
レコーダーをもつ手が震える。
男「なにが起きてんだ!この屋敷になにがいるってんだ!」
再生ボタンを押し込む。
29: 2008/04/07(月) 21:31:40.47ID:azTOtO780
サ『……冥府の番犬に見つかったわ』
サ『実体化したせいで、気配を悟られたみたい』
サ『あれは私みたいな自縛霊を狩っていくの……ポチは逃がせたけれど』
サ『バカみたいね…せっかく屋敷に隠れていたのに…いまさら見つかるなんて…』
サ『で、でも、楽しかったんだからね。男が一緒に暮らそうって言ってくれて』
サ『…本当にありが
カチッ
空気を読めないレコーダーが不意に止まった。
メモリが一杯になったことを告げるランプがちかちかと明滅する。
俺は呆然と立ちすくんだ。
こんな別れ方でいいのかと、天井を睨んだ。
男「俺は、どうしたらいい?」
サ『実体化したせいで、気配を悟られたみたい』
サ『あれは私みたいな自縛霊を狩っていくの……ポチは逃がせたけれど』
サ『バカみたいね…せっかく屋敷に隠れていたのに…いまさら見つかるなんて…』
サ『で、でも、楽しかったんだからね。男が一緒に暮らそうって言ってくれて』
サ『…本当にありが
カチッ
空気を読めないレコーダーが不意に止まった。
メモリが一杯になったことを告げるランプがちかちかと明滅する。
俺は呆然と立ちすくんだ。
こんな別れ方でいいのかと、天井を睨んだ。
男「俺は、どうしたらいい?」
30: 2008/04/07(月) 21:39:01.02ID:azTOtO780
すべて、俺のせいだ。
彼女をこの世に引きずり出した俺のせいだ。
だというのに俺にはサリーを救う手立てがない。
恐らくは、サリーにだって。
だからこその決別の言葉。別れの挨拶。あれはそういう意味。
『本当にありがとう』
男「ふざけんなよなぁ…今時そんな台詞でしめるなんてさぁ…」
ぼろぼろと涙がこぼれる。
男「どこの三文小説だよ。今時のドラマだって、もっとビビットな捨て台詞を残すんだぞ…?」
彼女は知らないだろうけど。
男「この世にはなぁ、他に良い言葉がたくさんあるんだぞ…」
それはテレビにだって、マンガにだって、2chにだって溢れてる。
男「例えば…さ……――」
俺はからからになった喉をふりしぼって叫んだ。
彼女に相応しいのは、きっとこの言葉だ。
男「――助けてくれ!!!」
彼女をこの世に引きずり出した俺のせいだ。
だというのに俺にはサリーを救う手立てがない。
恐らくは、サリーにだって。
だからこその決別の言葉。別れの挨拶。あれはそういう意味。
『本当にありがとう』
男「ふざけんなよなぁ…今時そんな台詞でしめるなんてさぁ…」
ぼろぼろと涙がこぼれる。
男「どこの三文小説だよ。今時のドラマだって、もっとビビットな捨て台詞を残すんだぞ…?」
彼女は知らないだろうけど。
男「この世にはなぁ、他に良い言葉がたくさんあるんだぞ…」
それはテレビにだって、マンガにだって、2chにだって溢れてる。
男「例えば…さ……――」
俺はからからになった喉をふりしぼって叫んだ。
彼女に相応しいのは、きっとこの言葉だ。
男「――助けてくれ!!!」
31: 2008/04/07(月) 21:43:48.44ID:azTOtO780
――さて、俺達の場合はどうだろう――
不意に玄関の扉が開かれる。
夕日を背にして黒い影が現れる。
そして、影は言った。
母「今日の晩御飯は――地獄の番犬ね」
35: 2008/04/07(月) 21:51:58.49ID:azTOtO780
男「珍しく空気を読んだなババア!」
母「ポチが教えてくれました。サリーちゃんの危機だと」
ベタベタなことを言いながら母は跳躍した。
3mほど上にある天井に足をつけて槍を振り絞り――
母「刺し穿つ――氏棘の槍!」
赤い閃光を伴って槍が投擲される。
槍の光跡は爆音をたててホールの地面中央に突き刺さると、そこから黒い煙が吹き上がった。
いや、それはもうすでに爆発だった。
ゆっくりと煙が晴れると、そこにいたのは――
男「サリー!」
サ「……男…?」
妹「あたしもいるYO!」
男「お前はいらん」
母「ポチが教えてくれました。サリーちゃんの危機だと」
ベタベタなことを言いながら母は跳躍した。
3mほど上にある天井に足をつけて槍を振り絞り――
母「刺し穿つ――氏棘の槍!」
赤い閃光を伴って槍が投擲される。
槍の光跡は爆音をたててホールの地面中央に突き刺さると、そこから黒い煙が吹き上がった。
いや、それはもうすでに爆発だった。
ゆっくりと煙が晴れると、そこにいたのは――
男「サリー!」
サ「……男…?」
妹「あたしもいるYO!」
男「お前はいらん」
40: 2008/04/07(月) 22:00:41.70ID:azTOtO780
俺は涙でくしゃくしゃになった顔を隠すことも忘れて、
男「サリー…! サリーッ!」
何度も躓きながらサリーに駆け寄る。
しかし
サ「こないで!」
サリーに突き飛ばされた。
尻餅をつく俺の背後で、母がぼそりと呟いた。
あたりを見回しながら、珍しく焦燥感を露にした声で。
母「……この数、私達だけで食べきれるかしら」
そこには無数の黒い番犬がいた。
男「サリー…! サリーッ!」
何度も躓きながらサリーに駆け寄る。
しかし
サ「こないで!」
サリーに突き飛ばされた。
尻餅をつく俺の背後で、母がぼそりと呟いた。
あたりを見回しながら、珍しく焦燥感を露にした声で。
母「……この数、私達だけで食べきれるかしら」
そこには無数の黒い番犬がいた。
45: 2008/04/07(月) 22:17:20.66ID:azTOtO780
サ「……もういいの。冥府の番犬は無限にいるのよ。そのまま元の生活に戻りなさい」
サリーは弱弱しい笑みを浮かべて俺を見つめた。
あちこちから獣たちの歯軋る音がする。
奴らは笑っていた。肉食獣がそうするように。攻撃的に笑っていた。
俺は「そうじゃないだろ」と小さく呟いた。
サ「え……?」
メモリースティックを差し替え、レコーダーの再生ボタンを押す。
サ『きゃああぁぁ!?私の男になにしてんのよぉーー!?』
そして、言ってやるんだ。
男「俺、サリーちゃんの男だから。だから。諦めるなんて……絶対にできねぇ!」
サ「…ば……ばかぁ……っ…」
サリーは弱弱しい笑みを浮かべて俺を見つめた。
あちこちから獣たちの歯軋る音がする。
奴らは笑っていた。肉食獣がそうするように。攻撃的に笑っていた。
俺は「そうじゃないだろ」と小さく呟いた。
サ「え……?」
メモリースティックを差し替え、レコーダーの再生ボタンを押す。
サ『きゃああぁぁ!?私の男になにしてんのよぉーー!?』
そして、言ってやるんだ。
男「俺、サリーちゃんの男だから。だから。諦めるなんて……絶対にできねぇ!」
サ「…ば……ばかぁ……っ…」
46: 2008/04/07(月) 22:19:37.78ID:azTOtO780
お互いに涙を尽くした。
お互いに言葉を尽くした。
さあ、これで足りるだろうか。
俺達が家族と呼び合える仲になる程度には、足りるだろうか。
きっと、絶対に、足りるんだ。
男「…番犬ども、俺らの父の異名を教えてやるよ…」
母「私との結婚生活を生き抜いた稀有な存在のあり方を……」
妹「ようやく登場だZE☆」
俺はニヤリと笑って、母は肩すくめて、妹はラップ調で呟いた。
「空気父(エアーダディ)又の名を――
――九州・ザ・サイレントキラー」
お互いに言葉を尽くした。
さあ、これで足りるだろうか。
俺達が家族と呼び合える仲になる程度には、足りるだろうか。
きっと、絶対に、足りるんだ。
男「…番犬ども、俺らの父の異名を教えてやるよ…」
母「私との結婚生活を生き抜いた稀有な存在のあり方を……」
妹「ようやく登場だZE☆」
俺はニヤリと笑って、母は肩すくめて、妹はラップ調で呟いた。
「空気父(エアーダディ)又の名を――
――九州・ザ・サイレントキラー」
51: 2008/04/07(月) 22:29:44.58ID:azTOtO780
それは突風だった。
扉の隙間から、ひゅうと音をたてて何かが室内に滑り込んだかと思うと。
それは突風から旋風となって、あたりを蹂躙した。
まるで爆竹のように黒い番犬どもが連鎖的に破裂していく。
パパパパパパパパパパ――パパンッ!
妹「あれ、父(パパ)とかけてんだZE☆」
男「……氏ぬほどどうでもいい…」
最低のオヤジギャグをのせて、黒い霧を振り払いながら父はサリーのそばに降り立った。
父「ふぅ、戦場を思い出すわい」
母「それを言うなら結婚初夜でしょ、あなた」
父「アフガニスタンの初夜…か。あれは熱い夜だった」
妹「まだまだくるZE☆ どうするのだZE☆」
男「無理やりZEをつけるな。しかし、くそ、これじゃ埒があかない…!」
増殖し続ける黒い犬を、俺達は静かに睨んだ。
サ「……みんな……」
扉の隙間から、ひゅうと音をたてて何かが室内に滑り込んだかと思うと。
それは突風から旋風となって、あたりを蹂躙した。
まるで爆竹のように黒い番犬どもが連鎖的に破裂していく。
パパパパパパパパパパ――パパンッ!
妹「あれ、父(パパ)とかけてんだZE☆」
男「……氏ぬほどどうでもいい…」
最低のオヤジギャグをのせて、黒い霧を振り払いながら父はサリーのそばに降り立った。
父「ふぅ、戦場を思い出すわい」
母「それを言うなら結婚初夜でしょ、あなた」
父「アフガニスタンの初夜…か。あれは熱い夜だった」
妹「まだまだくるZE☆ どうするのだZE☆」
男「無理やりZEをつけるな。しかし、くそ、これじゃ埒があかない…!」
増殖し続ける黒い犬を、俺達は静かに睨んだ。
サ「……みんな……」
64: 2008/04/07(月) 22:48:36.88ID:azTOtO780
自慢じゃないが、俺は霊感が強いほうだ。
かなり特殊な方向に特化しているとはいえ、それは日常で役立つレベルのものだ。
そもそも、なぜテープレコーダーを持ち歩いているのか。
この時代にMDやMP3でなく、あえてテープレコーダーを選んだ理由…。
それこそが、この状況を打破するキッカケになる。
メモリスティックと互換できるように魔改造したテープレコーダー「聞きとりくん」を
高々と掲げて録音ボタンを押した
男「どこの浮遊霊でもいい!守護霊でもいい!この番犬どもを追っ払う方法を教えてくれ!」
そして、マークのすりきれた再生ボタンを押した。
かなり特殊な方向に特化しているとはいえ、それは日常で役立つレベルのものだ。
そもそも、なぜテープレコーダーを持ち歩いているのか。
この時代にMDやMP3でなく、あえてテープレコーダーを選んだ理由…。
それこそが、この状況を打破するキッカケになる。
メモリスティックと互換できるように魔改造したテープレコーダー「聞きとりくん」を
高々と掲げて録音ボタンを押した
男「どこの浮遊霊でもいい!守護霊でもいい!この番犬どもを追っ払う方法を教えてくれ!」
そして、マークのすりきれた再生ボタンを押した。
65: 2008/04/07(月) 22:51:52.51ID:azTOtO780
俺の能力とは、すなわち霊の声を聞く力だ。
ただし、テープでしか霊の声を封印することができない。
この力のせいでよく気味悪がられたりもした。
でも、そういう時は決まって霊が慰めてくれていた。
だからだろうか。
サリーちゃんを放っておけなかったのは――
ただし、テープでしか霊の声を封印することができない。
この力のせいでよく気味悪がられたりもした。
でも、そういう時は決まって霊が慰めてくれていた。
だからだろうか。
サリーちゃんを放っておけなかったのは――
66: 2008/04/07(月) 22:56:51.10ID:azTOtO780
声だ。無数の声が響きだした。
仲間を救うために、自分たちが消されることもいとわぬ英雄達の声だ。
『ハーデースを殺せ。やつこそ冥府の主だ――』
『冥府を滅ぼせ。あそこは霊の墓場だ。消されたくない――』
『彼女を助けてやってくれ。心優しい彼女をどうか――』
『我らの力でハデスを誘き出そう――あとは任せた――』
その時だ。
冥府の番犬がいっせいに渦を巻きながら天井を貫いた。
天井を闇が覆い、その闇から――冥府の主ハーデースが姿を現した。
それはまさに冥王。漆黒の仮面を歪に歪ませて、俺達を睨みつけている。
ハ『――オロカモノドモメ――』
地鳴りのような声に、心臓を鷲掴みにされた気がした。
仲間を救うために、自分たちが消されることもいとわぬ英雄達の声だ。
『ハーデースを殺せ。やつこそ冥府の主だ――』
『冥府を滅ぼせ。あそこは霊の墓場だ。消されたくない――』
『彼女を助けてやってくれ。心優しい彼女をどうか――』
『我らの力でハデスを誘き出そう――あとは任せた――』
その時だ。
冥府の番犬がいっせいに渦を巻きながら天井を貫いた。
天井を闇が覆い、その闇から――冥府の主ハーデースが姿を現した。
それはまさに冥王。漆黒の仮面を歪に歪ませて、俺達を睨みつけている。
ハ『――オロカモノドモメ――』
地鳴りのような声に、心臓を鷲掴みにされた気がした。
68: 2008/04/07(月) 23:02:45.67ID:azTOtO780
震える足をおさえつける。
止まれ、止まれ、と心の中で念じながら歯を食いしばる。
背後からは家族の声が、
妹「あたしたちがついてるZE☆」
母「あなたは、私達の息子ですよ。見せつけてあげなさい」
父「男ならぶちかましたるんじゃ」
顔をあげればサリーがいる。
彼女もまた震えている。
サ「……男ぉ……」
泣き出しそうな顔で、それでもギリギリで涙をこらえて。
ついにこらえ切れなかったものが、言葉として漏れていた。
サ「助けて…男ぉ…私、あんたと…離れたくない…」
それで心は決まった。
悲しい結末になることには、すぐに気づいたけど。
不思議と、恐さはなかった。
さあ、家族の別れに相応しき一幕を、開こうじゃないか。
止まれ、止まれ、と心の中で念じながら歯を食いしばる。
背後からは家族の声が、
妹「あたしたちがついてるZE☆」
母「あなたは、私達の息子ですよ。見せつけてあげなさい」
父「男ならぶちかましたるんじゃ」
顔をあげればサリーがいる。
彼女もまた震えている。
サ「……男ぉ……」
泣き出しそうな顔で、それでもギリギリで涙をこらえて。
ついにこらえ切れなかったものが、言葉として漏れていた。
サ「助けて…男ぉ…私、あんたと…離れたくない…」
それで心は決まった。
悲しい結末になることには、すぐに気づいたけど。
不思議と、恐さはなかった。
さあ、家族の別れに相応しき一幕を、開こうじゃないか。
69: 2008/04/07(月) 23:07:54.00ID:azTOtO780
男「やっぱりさ、なんだかんだ言っても…」
俺は頭をかきながらハデスを見上げた。
男「最後には、ありがとう、って言われたいよな…」
だが、悲しいことに、ずっと昔から別れの言葉は決まっているものだ。
どんな小説にだって漫画にだって2chにだって溢れている、ありふれた言葉。
男「さよなら、サリーちゃん」
俺はありったけの力をテープレコーダーにこめて。
そして、ハデスに向けて投げ放った。
レコーダーが閃光を放つ。
世界が白く塗り潰されて。
俺達の不思議な共同生活は、終わりを告げた。
俺は頭をかきながらハデスを見上げた。
男「最後には、ありがとう、って言われたいよな…」
だが、悲しいことに、ずっと昔から別れの言葉は決まっているものだ。
どんな小説にだって漫画にだって2chにだって溢れている、ありふれた言葉。
男「さよなら、サリーちゃん」
俺はありったけの力をテープレコーダーにこめて。
そして、ハデスに向けて投げ放った。
レコーダーが閃光を放つ。
世界が白く塗り潰されて。
俺達の不思議な共同生活は、終わりを告げた。
72: 2008/04/07(月) 23:13:33.31ID:azTOtO780
――半年後――
『……もう寝てるかな?』
『もしもーし、本当に寝てるー?』
『ふふ、ほんと、ぶちゃいくな寝顔』
『…………』
『ちゅ』
『…あは、またしちゃ
カチリ
朝。俺は築四十年の一軒家で目を覚ました。
目覚まし時計を頭から押さえつけたまま、ぼんやりと頭をかく。
男「やっぱり、すげぇ効き目だなこの目覚ましコール」
今日もまたサリーちゃんの気配で目を覚ました。
すわ本物かと、ついつい手を伸ばしてしまう習性を利用した見事なトラップだ。
ちなみに作ったのは妹である。ほんとうぜぇ。
男「さーて…2chすっかなぁ…」
俺はパソコンに向かい、キーボードを打ち始めた。
『……もう寝てるかな?』
『もしもーし、本当に寝てるー?』
『ふふ、ほんと、ぶちゃいくな寝顔』
『…………』
『ちゅ』
『…あは、またしちゃ
カチリ
朝。俺は築四十年の一軒家で目を覚ました。
目覚まし時計を頭から押さえつけたまま、ぼんやりと頭をかく。
男「やっぱり、すげぇ効き目だなこの目覚ましコール」
今日もまたサリーちゃんの気配で目を覚ました。
すわ本物かと、ついつい手を伸ばしてしまう習性を利用した見事なトラップだ。
ちなみに作ったのは妹である。ほんとうぜぇ。
男「さーて…2chすっかなぁ…」
俺はパソコンに向かい、キーボードを打ち始めた。
73: 2008/04/07(月) 23:20:22.02ID:azTOtO780
あの出来事があってから、俺は霊感を失っていた。
さすが俺式メガンテというべきか、見事にハデスを滅ぼしたものの。
その代償として全ての力を失ってしまったのだ。
サリーちゃんの屋敷は、まだあの場所に悠然と建っている。
恐らくは彼女もそこに――
もう二度とサリーちゃんの声を聞くことはないだろう。
聞こえるのは、持ち帰ったメモリースティックの無機質な電子音声だけで。
そのことに後悔はないが、たまに泣き出したいほど寂しくなる。
男「それでも、そこにいるなら」
今日もまた2chの面白い話を聞かせに行こう。
一方通行でもいいのだ。
昔から「初恋は片想い」と相場は決まっているのだから
さすが俺式メガンテというべきか、見事にハデスを滅ぼしたものの。
その代償として全ての力を失ってしまったのだ。
サリーちゃんの屋敷は、まだあの場所に悠然と建っている。
恐らくは彼女もそこに――
もう二度とサリーちゃんの声を聞くことはないだろう。
聞こえるのは、持ち帰ったメモリースティックの無機質な電子音声だけで。
そのことに後悔はないが、たまに泣き出したいほど寂しくなる。
男「それでも、そこにいるなら」
今日もまた2chの面白い話を聞かせに行こう。
一方通行でもいいのだ。
昔から「初恋は片想い」と相場は決まっているのだから
74: 2008/04/07(月) 23:21:58.27ID:azTOtO780
――しかし、さて、俺達の場合はどうだろうか――
―おわり―
77: 2008/04/07(月) 23:24:07.98ID:azTOtO780
というわけでgdgdのまま終わってみるテスト
喉が渇いたんでちょっと飲み物買ってくるノシ
喉が渇いたんでちょっと飲み物買ってくるノシ
引用: 新ジャンル「サリーちゃん」



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