99: 2013/06/23(日) 16:57:16.72 ID:BVh4eMtho
元ネタは「不思議の海のナディア」ってアニメ
庵野監督がエヴァの前に作った作品です
登場人物は無駄に多くなっても嫌なんで、かなり絞りました
―――
――
ネモ船長「ここはどこだ?」
エレクトラ副長「……わかりません」
エーコー測的長「レーダー反応も不明瞭です」
機関長「機関は依然として停止中! 修復急ぎます」
ネモ「…………」
100: 2013/06/23(日) 16:58:09.88 ID:BVh4eMtho
ネモ「場所はわからないが、ここは地上だな」
エレクトラ「……我々は旧タルテソス王国の地下にいたはずです」
エレクトラ「ナディアたちへの接触を試みようとした矢先でした」
エレクトラ「突然周りの景色が変わって……」
ネモ「うむ……」
ネモ(直前にブルーウォーターが一瞬反応した……上空にいたガーゴイルが原因だろうか?)
ネモ「機関長」
機関長「ハッ」
ネモ「こうなる直前に船体のいずれかに反応がなかったかね?」
機関長「……微弱ではありますが」
エレクトラ「何かあったのですか!?」
機関長「ワープ用の次元跳躍装置部分に熱反応がありました」
エレクトラ「なんですって!」
エーコー「どういうことだ……」
ネモ(……そうか)
101: 2013/06/23(日) 16:58:52.25 ID:BVh4eMtho
ネモ「諸君」
ネモ「詳細はわからないが、我々は本艦の次元跳躍装置の発動によって強制転移させられたものと思われる」
エーコー「強制転移……」
エレクトラ「何故そんなことが」
ネモ「恐らく原因は私の持つブルーウォーターだ」
エレクトラ「!」
ネモ「……ともかく我々は元の場所に戻ることを考えねばならない」
ネモ「まずは現状の把握に努めたい」
エーコー「船長! 対人レーダーに反応があります!」
ネモ「なに?」
エレクトラ「補助電源のパワーをモニターにまわしてください」
機関長「ハッ」
102: 2013/06/23(日) 16:59:30.43 ID:BVh4eMtho
エーコー「!?」
エレクトラ「これは!?」
機関長「なんじゃ……この怪物たちは」
エレクトラ「……巨人? おびただしい数」
ネモ「ネオアトランティスかっ!?」
エレクトラ「……しかし様子が変です」
エーコー「我々を無視してどこかへ向っています」
ネモ「副長」
エレクトラ「ハッ! 怪物の向う先にあるものを光学望遠捜査!」
エーコー「了解!」
103: 2013/06/23(日) 17:00:10.94 ID:BVh4eMtho
エーコー「……捉えました。モニターにまわします」
エレクトラ「……壁? なんて長大な」
機関長「ずいぶん高い壁のようじゃな。城壁のようにも見えるが」
エレクトラ「城壁ですって?」
ネモ「…………」
エーコー「なんだって? 今は19世紀だぞ!? そんな前時代的な」
機関長「じゃが、そこにあるのは事実じゃな」
ネモ「…………」
エレクトラ「船長……これは」
ネモ「おそらく……ここは我々とは異なる世界だ……」
一同「!?」
ネモ「どのみち主機関が動くまでは何もできぬ。我々に危害が及ばぬうちは様子を見る」
一同「ハッ!」
――
104: 2013/06/23(日) 17:01:45.94 ID:BVh4eMtho
――845年――
――ドオォォォォォン!
ミカサ「!!?」ビリビリビリ
アルミン「な……何だ!?」
エレン「地震ってやつか!?」
<ざわざわざわ>
アルミン「街の人みんなが向こうを見てる」
エレン「壁か?」
アルミン「行ってみよう」
エレン(……壁の向こうに……煙?)
ミカサ「……ッ!?」
アルミン「え……そ、そんな……あれは」
アルミン「あ、あの壁は……50メートルだぞ……」
エレン「……ヤツだ……」
エレン「巨人だ!!」
―――― その日、人類は思い出した ――――
―――― ヤツらに支配されていた恐怖を…… ――――
―――― 鳥籠の中に囚われていた屈辱を………… ――――
105: 2013/06/23(日) 17:02:27.60 ID:BVh4eMtho
――ドゴォッ!!!
――メキメキメキ……ドオォォォォォ
エレン「……あ……あ…………」タラ
アルミン「か……壁に……」
ミカサ「…………」ガクガク
アルミン「穴を空けられた……?」
<ひぃっ!!>
<うわああああああああ!!>
<あああぁぁぁ……!!>
アルミン「逃げるぞ二人とも!」
アルミン「早くしないと次々と巨人が入ってくる!!」
エレン「くっ!!」ダッ
ミカサ「エレン!?」
エレン「壁の破片が飛んでいった先に家が!! 母さんが!!」ダダダ
ミカサ「!!」ダッ
アルミン「ミカサ!!」
アルミン(……もぅ……駄目なんだ……)
アルミン(この街はもう……無数の巨人に占領される……)
――
106: 2013/06/23(日) 17:03:07.08 ID:BVh4eMtho
エーコー「大型の巨人が城壁を蹴り破りました!」
エレクトラ「城壁の向こうに……街が見えます!」
機関長「人間がいるのか!?」
エーコー「対人レーダーに反応! 光学ズームでモニターにまわします!!」
機関長「こ、これは」
エレクトラ「人々が……逃げ散ってる……」
ネモ「…………ッ!」
エレクトラ「!!」
ネモ「…………」
エレクトラ「機関はまだ動きませんか!?」
機関長「たった今、修復が完了したようじゃ! 自動修復装置が機能を停止していっとる」
エレクトラ「行きましょう船長!! 目の前の惨劇を見過ごすことなんてできません」
107: 2013/06/23(日) 17:03:43.73 ID:BVh4eMtho
ネモ「……だが、ネオアトランティスの動向がわからん」
ネモ「ここは我々の世界とは異なる……」
ネモ「目的を忘れてはならん……軽率に動くべきではない」
エレクトラ「彼らの文明レベルから見れば、この先に惨状があるのは目に見えています!」
ネモ「…………」
エレクトラ「船長!!」
ネモ「…………」
エレクトラ「たとえ無関係であっても……」
エレクトラ「目の前の……大勢の人の命の重さも考えて下さい」
エーコー「船長!」
機関長「船長!」
エレクトラ「……お願いします!」
ネモ「……」
108: 2013/06/23(日) 17:05:13.70 ID:BVh4eMtho
ネモ「……副長」
エレクトラ「は……」
ネモ「全艦発進準備!」
エレクトラ「!」
エレクトラ「ハッ!!」
エレクトラ「全艦発進準備! 各員……艦体起動に入りなさい!!」
一同「はい!」
<補機対消滅機関チェック完了!>
<フライホイール接続準備よろし!>
<主機オルフェウス型大型縮退炉内圧力上昇! 臨界点を突破>
<反重力推進及び粒子推進機へ動力伝達!>
<推力上昇……1160万トン!!>
<半径30キロ以内に障害物なし!>
<各部問題なし! すべて離陸位置>
ネモ「――いくぞ」
ネモ「N(ニュー)ノーチラス号発進!!」
――
109: 2013/06/23(日) 17:05:53.10 ID:BVh4eMtho
エレン(家に当たってるわけがない)
エレン「はあ……はあ……」
ミカサ「はあはあ……」
エレン(とっくに逃げたに決まってる……!)
エレン「ハァッ……ハァツ……」
ミカサ「ハァハァ……」
エレン(あの角を曲がれば……いつもの家が……)
エレン「!!」
ミカサ「!?」
エレン「母さん!!」
110: 2013/06/23(日) 17:06:27.31 ID:BVh4eMtho
エレン「か……母さん……?」
カルラ「……エレンかい?」
エレン(倒れた柱の下に……母さんが!)
エレン「ミカサ、そっちを持て!! この柱をどかすぞ!!」
――ウオオオオオオオン!
ミカサ「!!?」
――ズシン!!
エレン「うっ……」
エレン(巨人……!!)
カルラ「エレン!! ミカサを連れて逃げなさい!!」
エレン「!?」
カルラ「早く!!」
エレン「母さんを置いて行くなんて……嫌だっ!!!」
カルラ「母さんの足は潰されて……とても走れない……わかるだろ?」
111: 2013/06/23(日) 17:06:55.72 ID:BVh4eMtho
エレン(嫌だっ!! わからない!!!)
エレン「オレが担いで走るよ!!」
カルラ「どうして……」ジワ
カルラ「どうしていつも母さんの言うこと聞かないの!」
カルラ「最後くらい……言うこと聞いてよ!!」
エレン「嫌……だ…………」ギリギリ
カルラ「ミカサ!!」
ミカサ「ヤダ……イヤダ……」ポロポロ
――――――ズシン
カルラ「!!」
――――ズシン!
――ズシン!!
カルラ(巨人……)
カルラ(……このままじゃ……三人とも)
112: 2013/06/23(日) 17:08:08.53 ID:BVh4eMtho
――フッ
ミカサ「……?」
エレン「…………?」
カルラ(空が急に暗く……?)
――ズズズズズ
エレン「え?」
ミカサ「!?」
カルラ「え?」
エレン(真上に何か巨大なものが浮いてる……)
ミカサ(な……なに……?)
エレン「て……鉄の……船?」
――
113: 2013/06/23(日) 17:08:50.27 ID:BVh4eMtho
エレクトラ「都市上空に到着」
エーコー「都市内部に巨人が多数侵入しています!」
機関長「……むごいもんじゃの」
ネモ「副長」
エレクトラ「ハッ」
ネモ「これより域内の敵性巨人殲滅作戦を開始する」
エレクトラ「ハハッ!」
ネモ「……都市内の巨人群全てを個別捕捉せよ」
エーコー「全巨人にマーキング完了! ロックオン!」
エーコー「自動追尾装置セット完了!」
ネモ「ホーミングレーザー全砲門開け!」
エレクトラ「全60門発射準備よし!」
ネモ「発射!」
エレクトラ「発射!」
――
114: 2013/06/23(日) 17:09:17.23 ID:BVh4eMtho
エレン「な……っ」
ミカサ「え……」
カルラ「何が起きているの……?」
ミカサ「あの船から……たくさんの青い光が……」
エレン「光が次々に巨人を追いかけて……」
ミカサ「……巨人が蒸発して消えてる」
エレン「なんだ……これ……」
ミカサ「……」
エレン「助かった……のか? オレたち」
――
115: 2013/06/23(日) 17:09:59.17 ID:BVh4eMtho
エーコー「第一次目標60体消滅! 残り286体」
エレクトラ「全砲門そのまま自動連射! 1.5秒間隔……5連続!」
――
エレン「まるで……光の雨だ……」
ミカサ「……きれい」
カルラ「神様……?」
――
エーコー「都市内部の目標全て沈黙」
エーコー「ですが……破られた城壁から後続が続々ときます!」
ネモ「壁開口部にバリアーを展開しろ! 後続を防げ!」
エレクトラ「バリアー展開!」
機関長「おお……やつらもバリアーを越えられないようじゃな」
エーコー「ですが……城壁外側にはまだおびただしい数の巨人がいます」
ネモ「微速前進。城壁の外に出ろ」
エレクトラ「微速前進!」
――
116: 2013/06/23(日) 17:10:38.11 ID:BVh4eMtho
エレン「船が……動くぞ」
ミカサ「すごい音……」
エレン「外で戦うのか……?」
ミカサ「……きっとそう」
エレン「今のうちに母さんの上の柱をどけよう」
ミカサ「……うん!」
エレン「いや……誰かくるぞ」
ミカサ「あ」
エレン「……ハンネスさんだ!」
――
エレクトラ「射撃位置につきました」
ネモ「よし……フェーザー砲全門の斉射でなぎ払う。発射準備」
エレクトラ「三連装フェーザー砲14基、連装フェーザー砲20基、発射準備」
エーコー「マーキング完了! ロックオン」
ネモ「発射」
エレクトラ「発射!」
――
117: 2013/06/23(日) 17:11:11.77 ID:BVh4eMtho
ハンネス「おまえら! 無事か!?」
エレン「ハンネスさん! 母さんが柱の下に……助けて!」
カルラ「ハンネスさん……」
ハンネス「……っ!」
ハンネス「これは三人じゃ持ち上がらねぇ……」
ハンネス「よし、待ってろ! 近くにいる仲間たちも呼んでくる!」
エレン「ありがとう!!」
ハンネス「しっかし……なんだ空のあれは……」
ハンネス「壁外の巨人を倒しているのか? すごい光だ」
ハンネス「……ま、わからんものは後回しだな。残った人を救わな」
――
118: 2013/06/23(日) 17:11:50.89 ID:BVh4eMtho
エーコー「全目標消滅です」
エレクトラ「船長。付近にはもういないようです」
ネモ「……」
エレクトラ「どうしました?」
ネモ「……ここの敵の根源を叩かない限りは無駄だ」
エレクトラ「……そうですが」
ネモ「敵の位置をブルーウォーターが私に示してくれた」
エレクトラ「なんですって」
ネモ「少し遠いな……針路0-6-0」
エレクトラ「ハッ……針路0-6-0!」
ネモ「速攻で叩き潰す。大気圏内最大戦速!」
エレクトラ「大気圏内最大戦速! 時速1万2千キロに加速!」
――
119: 2013/06/23(日) 17:12:30.69 ID:BVh4eMtho
獣の巨人「……」
獣の巨人「……何か来るね」
獣の巨人「なんですか、あれは」
――
エレクトラ「あ、あれは!?」
エーコー「なんだ……あれ」
機関長「あの一帯が本拠地というわけかね」
ネモ「……」
機関長「ずいぶん広いの」
エレクトラ「半径……20キロはあります。船長」
ネモ「……一撃で終わらせよう」
エレクトラ「で、では!?」
ネモ「本艦の主砲を放つ」
エレクトラ「ハッ!」
機関長「では……主機のエネルギーを使うのじゃな」
120: 2013/06/23(日) 17:13:03.85 ID:BVh4eMtho
ネモ「電子砲雷撃戦用意!」
エレクトラ「全艦電子砲雷撃戦用意!」
ネモ「目標! 敵本拠地中央!」
ネモ「主砲第一第二砲塔全自動射撃! 最大火力充填!」
エレクトラ「第一第二砲塔へ動力伝達! 最大火力充填モード!」
エーコー「方位盤、目標を捕捉! 全自動追尾装置セット完了!」
機関長「縮退炉圧力臨界点を突破!」
エーコー「装薬充填完了!」
エレクトラ「発射準備完了!」
ネモ「発射!」
エレクトラ「発射!」
――カッ!!
――
121: 2013/06/23(日) 17:13:32.62 ID:BVh4eMtho
――ギュイィィィィィィン
獣の巨人「……え?」
獣の巨人(青い光の筋が……)
――ピカッ
――ドオォォォォン!!
――ゴゴゴゴゴゴ
――
エレクトラ「目標一帯沈黙」
エーコー「やった!」
機関長「凄まじい威力じゃの……大地が溶けて蒸発しとるぞ」
122: 2013/06/23(日) 17:14:21.59 ID:BVh4eMtho
エレクトラ「船長……これで」
ネモ「ああ」
ネモ「帰ろう。我々の世界へ」
機関長「しかし、帰るといってもどうされるんですかな」
ネモ「大丈夫だ……ブルーウォーターが教えてくれる」
エレクトラ「では……」
ネモ「あぁ。このままネオアトランティスに奇襲をかける。その後にナディアたちの回収をする」
エレクトラ「予定が変わりましたね」
ネモ「そうだな」
機関長「宇宙へ出ますか?」
ネモ「うむ……宇宙で次元跳躍装置を稼動させよう。恐らくワープで戻れるはずだ」
ネモ「上昇する……いくぞ、機関最大戦速! 針路0-0-0」
一同「ハッ!」
――
123: 2013/06/23(日) 17:14:51.19 ID:BVh4eMtho
――853年――
エレン「じゃあ父さん母さん……いってくるよ」
ミカサ「おじさんおばさん、お元気で」
グリシャ「長い旅になるだろう。二人とも気をつけていってきなさい」
カルラ「帰ってきたら旅の話をたくさん聞かせてね」
エレン「ああ。もちろんさ」
グリシャ「アルミン君にもよろしく」
エレン「わかってるって! じゃあ!」
ミカサ「いってきます」
エレン「へへ。ようやく念願の壁外冒険の旅にいけるな」
ミカサ「うん」
エレン「巨人がいなくなってくれて本当に良かったな」
ミカサ「あれは結局なんだったの」
エレン「さぁな」
124: 2013/06/23(日) 17:15:20.71 ID:BVh4eMtho
エレン「お、アルミンもう集合場所にいたのか……おーい!」
アルミン「やぁ、二人とも。大荷物だね」
エレン「ああ。でもこれぐらいなら全部アルミンの馬車に乗せられるだろ?」
アルミン「うん、大丈夫だよ」
エレン「よーし、すぐ行こうぜ」
ミカサ「エレンはせっかち」
アルミン「あはは」
エレン「三人で旅に出るこの日をずっと待っていたからな!」
アルミン「そうだね」
アルミン「さぁ行こう……炎の水、氷の大地、砂の雪原、塩水の海がボクたちを待っているんだ!」
ミカサ「うん!」
エレン「おう!」
おわり
引用: 進撃の巨人SS総合スレ



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