96: 2014/09/12(金) 02:33:49.31 ID:ofU5pHj5o
>>1の頭はボロボロ


【8月1週】

劇場版 艦これ


提督「……なあ、龍驤」

龍驤「何や?」

提督「…陰陽師ってさ」

龍驤「うん」

提督「負けると脱げたりするの?」

龍驤「…………何言うとんねんこのアホは…」

提督「いや、あの、違うんだって、何だろう、なんつーかさ」

龍驤「そんな工口ゲみたいな事あるわけないやろ」

提督「…しかし例え脱げたとしても龍驤じゃサービス不そぐっ!?」

龍驤「……そのまま寝ててええで」

提督「ぐぅ…」




コミュ対象 02:36に一番近いレス


阿賀野  **0/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    247/500
翔鶴    *88/500

108: 2014/09/12(金) 02:46:24.65 ID:ofU5pHj5o


阿賀野「きらりーん!」

提督「……おごえっ!?」

それは、近所のコンビニまで歩いていた時のことである。

今日の昼飯は何食おうか、そんな事を思っていたのだ。

当然、後ろから人が飛んでくることなど予測しているはずもなく。

思いっきり前のめりにバランスを崩した。

提督「阿賀野ォ!」

阿賀野「なーにー?」

掛け声だけでわかる、その犯人。

悪びれる様子の一切ない無邪気な笑顔の乳女に、とりあえず怒鳴ってみた。

…効果は無かった。

提督「…はぁ…何してんだ、お前」

阿賀野「んー、歩いてたら提督くん見つけたの!」

提督「そうか、お前は俺を見つけるとタックルするのか、素晴らしいな」

阿賀野「それほどでもー」

照れた風に髪を弄る阿賀野。

…素でやってるのかおちょくってるのか、よくわからん奴だ。

阿賀野「提督くん、お昼ご飯買うんでしょ?」

提督「そうだな、…って、よくわかったな」

阿賀野「それじゃ、折角だし阿賀野と一緒に食べようよ!」

提督「……昼飯?」

阿賀野「うん!」

提督「………」

昼飯か、別に今日は家に帰ったって一人で食う事になるし構わんけども…。

どうにも、財布の中身が不安である。

さて――


>>+4


A.悪い、金が無い。

B.いいぞ。

C.……やめとくよ。

113: 2014/09/12(金) 02:58:20.09 ID:ofU5pHj5o
C.……やめとくよ。(*0.5)


…うん。

やめとこ。

提督「……やめとくよ」

阿賀野「えー…?」

明らかに不満そうな様子を隠そうともしない阿賀野。

悪いとは思うが、節約しなければならない部分もある。

阿賀野「お金ないなら出すよー?」

提督「…それは…いや、悪い」

…一瞬揺られてしまった。

しかし、流石にそれは悪い…というか情けない。

阿賀野「ねー、提督くん」

提督「ま、そういう訳で…またな、阿賀野」

阿賀野「あ………もー」

とりあえず、これ以上この場にいるのも―と、足早にコンビニへと向かう。

幸い、後ろから追ってくるようなことは無かった。

――――――――――――

阿賀野「……睦月ちゃんとは行くのになー」

阿賀野「……そっちにはお金使うのになー」

阿賀野「……睦月ちゃんは、ダメだもんね」



阿賀野→  *39/500

117: 2014/09/12(金) 03:05:03.26 ID:ofU5pHj5o


【8月2週】


翔鶴「………くー」

お盆。

山に囲まれた親戚の家。

その縁側、影になった場所で、翔鶴が寝ている。

聞こえるのは、扇風機の音と蝉の声。

そして、静かな寝息。

ほんの少しだけ汗が見える首筋。

夏真っ盛りだというのに、褪せぬ真っ白な肌。

息に合わせて盛り上がる身体。

提督「………ああ」

すげー寝起きドッキリしてぇ!

「……息子、何か間違ってんぞ」

提督「あ、母さん、油性ペンある?」

「……やだこの子鬼畜」




コミュ対象 03:08に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    247/500
翔鶴    *88/500

157: 2014/09/12(金) 23:10:34.44 ID:ofU5pHj5o


蝉の声が響く、田舎の山中。

墓へと伸びる細い道を、俺達はのろのろと歩いていた。

提督「…ひぃっ!何か変な虫がっ!?」

翔鶴「…お兄さんったら」

ぷしゅー。

目の前を飛ぶ変な虫は殺虫剤を撒かれて地へ堕ちた。ナムサン。

提督「ったくー…これだから嫌なんだよ、此処」

翔鶴「良いじゃないですか、自然って感じで」

提督「自然ねぇ……ふん、自然保護なんて必ずしも良いことじゃねーな」

こんな植物と虫と野生動物達の楽園なんて保護したところで俺にもたらすメリットは想像できない。

いっそ開発してしまえ、綺麗な舗装道を作れ。

翔鶴「やさぐれてますねぇ、何か」

提督「だいたい、翔鶴は嫌じゃねーのかよ」

翔鶴「嫌…ですか?」

提督「そう、普通嫌がるだろ年頃の女の子は!」

そう噛み付いた俺に、翔鶴は笑顔を崩さないままで答える。

真白いワンピースを着て麦わら帽子を被った彼女は、何だかいつもよりも大人びて見えた。

翔鶴「そんなことはありませんよ」

翔鶴「ちゃんと虫除けだってしてますし、さっきみたいに殺虫剤も持ってますし」

翔鶴「それに……」

そこで初めて、言葉を少し濁して。

翔鶴「…お、お兄さんとの、お出かけですから」

頭に被った麦わら帽子を忙しなくいじりながら、続けた。

提督「…変な奴、墓参りだろ、ただの」

翔鶴「それでも、です」

提督「………」

恥ずかしそうに髪や帽子を手で何度も触りながらも、向けた視線は逸らさない。

なんだか、俺のほうが恥ずかしくなってくる。くぅ。

翔鶴「…毎年こうしてお兄さんとお墓参りに行くのは、私の楽しみだったんですよ?」

翔鶴「昔はお兄さん、俺についてこーいなんて言って…ふふ、今より男らしかったです」

提督「……成長したの、ほっとけ」

遂に、俺の方が先に目を逸らしてしまった。くそう。

…そういや、昔からあの親戚の家に行くとこいつといつも遊んでたっけ。

ふむ――――


>>+4

A.……今度どっか出かけるか、ちゃんとしたところに。

B.…さっさと行くぞー。

C.何となく恥ずかしさを誤魔化してみる。

163: 2014/09/12(金) 23:25:16.47 ID:ofU5pHj5o
C.何となく恥ずかしさを誤魔化してみる。(*1.0)


………。

提督「…ていっ!」

翔鶴「きゃっ!?」

翔鶴の頭の上、日に照らされた黄金色の麦わら帽子を奪い取る。

そしてそのまま傾斜のある山道を少し駆けて、振り向いた。

提督「はっは!討ち取ったりー!」

翔鶴「…何してるんですか、全く」

もう、と翔鶴が呆れた風に溜息を吐く。

何となく、そんな彼女を見て思い浮かぶ光景。

『…てーいっ!』

『きゃぁっ!?もう!おにーさん!』

明らかに風ではない人為的な力で靡くスカートと、その下に見えた真っ白なワンピースと同じ色の下着。

………。

…まあ、俺も昔よりは進歩したのか…それとも、何も変わっていないのか。

提督「ほれほれ、返してほしかったらこっちまで来いよ、翔鶴!」

翔鶴「…はあ、…お兄さん、首の所に虫が」

提督「嘘ぉっ!?」

慌てて振り返る。

しかし何もいない。

提督「…ほへー…」

良かった、と間抜けに安堵の息を付いていると、後ろから俺を掴んだ暖かい感触。

翔鶴「はい、捕まえましたよ、おにーさん」

もう一度、振り返る。

その先で、俺の服を控え目に掴んだ翔鶴が、子どもっぽく笑っていた。

提督「………わ、わー…捕まっちまったー」

翔鶴「ふふっ」

今度は、誤魔化す方法も無く。

俺は、ただ曖昧に笑うことしか出来なかったのだった。



翔鶴→  165/500

171: 2014/09/12(金) 23:35:05.38 ID:ofU5pHj5o


【8月3週】


龍驤「……キミなぁ」

提督「持つべきものは友だな、龍驤!」

俺の前に大量に積み重ねられた教科書やら問題集やらの山。

龍驤さんが有り難くも貸してくれたそれらを、必氏こいて俺は写している。

提督「これぞ…夏休み、だな!」

龍驤「……あー…そーかい」

とても微妙な表情で龍驤が答える。

…いやほんとありがとうございます。

提督「あ」

龍驤「…んー?」

提督「龍驤、此処間違ってるぞー…全く、しょーのないやつだぜ」

龍驤「……キミ心の底からムカつくなぁ…」



コミュ対象 23:38に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    247/500
翔鶴    165/500

194: 2014/09/12(金) 23:54:15.73 ID:ofU5pHj5o


睦月「……歩きづらいにゃー…」

提督「慣れねーもん着てるからだろ」

俺達の住む街にとっての、夏の一大イベント。

人、それを夏祭りという。

何てことはない。

出店があって、花火を打ち上げるだけだ。

なのに、アホみたいに混む。

お前ら他に行く場所ねーのかよ。ねーよな、俺もだ。

さて。

そんな中、睦月がやたら歩きづらい歩きづらいと文句を言っている。

勿論人混みのせいというのもあるのだろうが、最大の原因はその格好だろう。

睦月「何ですかその言い方!せーっかくおめかしして来たのにー!」

青を基調として、花の模様をあしらったシンプルな浴衣。

そして、しっかりと履いた下駄。

…そりゃ歩きにくかろうよ。

提督「……まあ、おめかししたっつーのは、認めよう」

睦月「なにゆえ上から目線!?」

提督「…その…普通に可愛いと思うし」

睦月「………にゃ」

…やっと言えた。

会った時から言うタイミングを図っていたのだが、どうにも難しいものだ。

がやがやと煩い喧騒の中で、何故か立ち尽くす俺達。

…慣れない事をするもんじゃねーのは俺もだな。

そんな俺の視界の端に、睦月がス、と手を差し出す。

睦月「……あの…」

小さな身体を緊張したように少しだけ伸ばして、上目遣いで俺を見る。

……む――――


>>+4


A.なんだお嬢ちゃん、お小遣いが欲しいのかい?

B.…その手を、無言で握って歩き出した。

C.……ていっ。ペシー

210: 2014/09/13(土) 00:07:37.71 ID:ARflreR6o
C.……ていっ。ペシー(*1.0)


提督「………」

とりあえず弾いてみる。

乾いた音とともに、睦月の手が揺れた。

睦月「にゃっ!?」

提督「……ふっ」

睦月「なんで笑ってるんですかー!」

提督「ああいや、綺麗にぱちーんと音が鳴ったなと」

睦月「…提督くん」

提督「………すまん」

どうしてこう俺は恥ずかしがり屋なのか。

もうこういう時誤魔化し方だけを考えてるねいつも。

ベ、別に友達と手を繋いで夏祭りくらいはいまどきの高校生なら普通…普通のはず。

…ああ、無理無理、絶対無理だこれ。

そんな風に頭の中でぐるぐる思考を回していると、急に掌に伝わる体温。

睦月「……で、ではー…行きましょー!」

提督「…お、おう…そう、だな」

強引に俺の手を引いた睦月の掌は、じっとりと汗ばんでいて。

少しだけ、自分の情けなさを恥じた。



睦月→  317/500

212: 2014/09/13(土) 00:14:18.42 ID:ARflreR6o


【睦月―その2】


「……綺麗だにゃー」

「…そうだな」

暗い、大きな夜空に、大輪の花が咲く。

周りで上がる歓声、少しだけ煩わしい硝煙の匂い。

でも、全部全部、睦月の意識には入らない。

まるで身体の全部の神経がそこに移っちゃったみたいに、握った右手だけに意識が集中している。

空に咲く安っぽいありきたりな花も、今の睦月にとってはただの背景だった。

遂にその花からこっそり視線を切って、横に並んだ彼を見る。

彼の目は、無邪気に夜空のキャンバスを捉えていた。

「……綺麗、だにゃー…」

「…ん?…ああ、そうだな」

繰り返した言葉に、不思議そうな風でもう一度彼が頷く。

睦月が見ていたのは、彼の瞳。

瞳に映った、大輪の花。

それが、夜空に咲く物よりもずっと魅力的に見えたのは。

きっと――――

213: 2014/09/13(土) 00:21:18.66 ID:ARflreR6o


【8月4週】


提督「夏休みがー…終わるー」

翔鶴「…むー…」

むすーっと、これ見よがしに翔鶴が頬を膨らましている。

先週からずっとご不満顔である。

というのも――

翔鶴「…私も行きたかったです、夏祭り」

提督「だから、悪かったって」

これである。

部活から帰って翔鶴が気持ちよさそうに寝ていたので、起こすのも―とそのまま放っておいた所。

帰ってきてからずっと不機嫌だ。

翔鶴「埋め合わせを要求します、お兄さん!」

提督「…どこに行きたいの?」

翔鶴「…えっと…ど、どこでもいいです」

……どこでもいいのか。

よくわからんやっちゃ。

提督「…まあ、考えとく」

翔鶴「はいっ!」



コミュ対象 00:24に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    317/500
翔鶴    165/500

236: 2014/09/13(土) 01:11:22.61 ID:ARflreR6o


龍驤「……氏ねばいい、って思うねん」

提督「は?」

気絶し、倒れた人。

深海棲艦に憑依されていたそれを見て、龍驤はつまらなそうに呟いた。

龍驤「…そりゃー…ウチは仕事でやっとるからな、助けたるけどさ」

龍驤「はっきり言って、ウチ個人の考えで言うなら…氏ねばええと思うわ」

―こんな奴、と吐き捨てるように。

ピクリとも動かない人間を指して言った。

提督「…いきなりどうしたよ」

龍驤「自分の思い通りに事が運ばないからって、簡単にこんなもんに頼ったんや…自業自得やろ」

提督「…そりゃ…お前からしてみればそうかもしれんがよ、本人は」

龍驤「……ウチがこうして対処せんかったら沢山の人に迷惑かけるんやで?」

提督「…違うだろ、論点はそこじゃない」

どうしたって思い通りにならなくて。

何に縋っても思い通りにしたくて。

そんな時に、力をチラつかせられたら。

そこに手を伸ばしてしまうんだ。

提督「弱いんだって、普通の人間は」

龍驤「…ウチにはよーわからんわ、そういうの」

龍驤「自慢じゃないけどな、昔からウチは努力だけは人一倍してきた」

龍驤「どうにかならんことがあったら、どうにかしようと一生懸命頑張った」

龍驤「…せやから、こういう楽しようとする奴は大嫌いなんや」

ふん、とやはりつまらなそうに鼻を鳴らす。

提督「龍驤」

龍驤「……すまんな、ただの愚痴や、気にせんでええ」

龍驤「…最近多すぎるもんでな、どうにも気分まで暗くなるわ」

提督「………」

龍驤が、いつもの笑顔に戻る。


>>+4


A.……間違ってるよ、お前は。

B.…皆、お前みたいに出来るわけじゃない。

C.…どうしようもないことだってある。

247: 2014/09/13(土) 01:24:30.99 ID:ARflreR6o
C.…どうしようもないことだってある。(*1.0)


提督「…どうしようもないことだってある」

例えば、瑞鳳のように。

自分が望んだって、変えられないことだって。

龍驤「…はん、どうしようもない、なぁ」

龍驤「……結局、それにしたって自分で線を引いとるだけやん」

提督「そうかもしれない、でも…」

龍驤「あーええて、もうええ…すまんかったな、変な話題振ってもうて」

提督「……龍驤」

龍驤「…もうええから、ウチにはわからん言うとるやん」

提督「…わかったよ」

手を振って、やめろと促す龍驤。

その様子を見て、思ったのだ。

こいつは、縋らなかったんじゃなくて、縋れなかったんじゃないか、なんて。



龍驤→  308/500

249: 2014/09/13(土) 01:35:47.77 ID:ARflreR6o


【龍驤―その2】


日常に過ごして、思った事は。

結局、自分は向いていなかったのだという事。

それは、小さな頃から過ごしてきた自分にとっての日常のせいだろうか。

厳しい修行をして、ただ陰陽師となるためだけに生きてきた。

「……向いてへんねんやろな、根本的に」

だから、そう結論づけた。

学生の真似事をしてみて、掴めたのは人の心のよくわからなさ位だ。

「…ま、あと半年ちょいで終わりやしな、この仕事も」

ぱん、と頬を張って気合を入れる。

この仕事をしてきて楽しいと思ったことなんて――

「………ありゃ?」

…楽しいと思ったことなんて。

あいつと過ごした時間くらい、だ。

無為な会話、馬鹿らしいこと。

それをあの時、確かに楽しいと思った。

「…………いやいやいや、ないないない」

頭を思い切りぶんぶんと振る。

ああ。

やはり人の心はよくわからない。

だって、自分の心さえもよくわからないのだから。

艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【12週目9月】

引用: 【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★11【安価】