1:2015/03/23(月) 15:32:17.69 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「...」

( ^^ω)「今日はお家に帰るホマ...」
2:2015/03/23(月) 15:32:39.48 ID:+6fWS/M8a.net
こいつなんなん?
8:2015/03/23(月) 15:35:43.31 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「ご飯食べるホマ!」

( ^^ω)「...」

( ^^ω)「やっぱりお腹空いてないから残すホマ...」
14:2015/03/23(月) 15:38:48.37 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「お散歩するホマ」

( ^^ω)カサカサ...

( ^^ω)「橋の上に誰かいるホマねぇ...」
18:2015/03/23(月) 15:45:21.33 ID:WwhFRKZt0.net
(ヾ'ω`) 「もう生きる気が起きないお...」

( ^^ω)「...」

奇形はしばらく彼を見つめていました

(ヾ'ω`)「もう漏れも終わりかお...」

彼は手すりに足を掛けました
すると奇形は彼に声を掛けました
21:2015/03/23(月) 15:50:34.70 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「待ってぃ!!」

(ヾ'ω`)「???」

( ^^ω)「話ならいくらでも聞くホマよ」

(ヾ'ω`)「...君だれだお?」

( ^^ω)「は瀬川ホマ」

(ヾ'ω`)「漏れはツンドリーだお」

ツンドリーは手すりから足を離しました
24:2015/03/23(月) 15:56:45.81 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「何で死のうとしたホマ?」

(ヾ'ω`)「漏れは今までずっとニートだったお」

ツンドリーはゆっくりと話し始めました

(ヾ'ω`)「消防の頃も厨房の頃もいじめられた挙句父親は酒とパチンコにのめり込んで消えたお」
(ヾ'ω`)「それからどうにか働いてきたお」
(ヾ'ω`)「でも結局中卒だったからニートになったお」

( ^^ω)「壮絶な人生ホマ...」
31:2015/03/23(月) 16:05:10.61 ID:WwhFRKZt0.net
(ヾ'ω`)「もう話すことは話したお」

( ^^ω)「?」

(ヾ'ω`)「やっぱり死ぬお」
(ヾ'ω`)「君に話したってどうにもならないお」

( ^^ω)「生きてぃ!!!!!!」

奇形は力の限り叫びました

(ヾ'ω`)「!?」

( ^^ω)「死なないでぃ...」

奇形の目にはうっすらと涙が浮かんでいました
35:2015/03/23(月) 16:12:50.56 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「僕は奇形ホマ」

(ヾ'ω`)「...」

( ^^ω)「赤ちゃんの頃は虐待を受け施設に入れられたホマ」
( ^^ω)「その施設でもいじめられ通ってた幼稚園でもいじめられたホマ」

奇形は夢中になって話しました

( ^^ω)「幼稚園を卒園して安心してたら小学校中学校高校でもいじめられたホマ」

( ^^ω)「今度こそ学校を卒業したから平和に暮らせると思ったホマ」
( ^^ω)「でも道行く人には怖がられ近所からも見事に孤立したホマ」
36:2015/03/23(月) 16:17:10.52 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「気づけば近所の子供からは3日に1回殺害予告が届くようになっていたホマ」
( ^^ω)「憎んだホマ」

( ^^ω)「何度も何度も憎んだホマ」
( ^^ω)「何度も何度も涙を流したホマ」
( ^^ω)「何度も何度も死にそうになったホマ」

(ヾ'ω`)「...」
38:2015/03/23(月) 16:21:47.12 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「それでも僕は死ねなかったホマ」
( ^^ω)「それはどこかに愉しみがあったからだと思うホマ」

( ^^ω)「毎日テレビを見て笑っておいしいご飯を食べて暖かいお風呂に入って...」

( ^^ω)「毎日がその繰り返しホマけど僕はそれが楽しみで楽しみで仕方なかったホマ」
42:2015/03/23(月) 16:25:26.34 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「君にはどうしてもその愉しみに気づいて欲しいホマ」
( ^^ω)「毎日の生活をただの繰り返しと思ったらだめホマ」

( ^^ω)「だからこそ僕は叫んだホマ」

(ヾ'ω`)「...」

ツンドリーは何も言わずただ奇形の言葉を待っているようでした
44:2015/03/23(月) 16:28:47.60 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「人生はいくらでもやり直せるなんてことは言わないホマ」

( ^^ω)「でもきっと生きてる限り何か道はあるホマ」

( ^^ω)「その道を捨てて消えるなんてとてももったいないホマ」
45:2015/03/23(月) 16:31:58.87 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「君にはこれからも道を歩んで欲しいホマ」
( ^^ω)「生きて欲しいホマ...」

奇形はとても疲れたようでした

( ^^ω)「帰るホマ」

(ヾ'ω`)「...」

ツンドリーは冷たい風を浴びながらただそこに立っていました
47:2015/03/23(月) 16:35:21.66 ID:WwhFRKZt0.net
ツンドリーは慌てて家を出て行きました

(ヾ'ω`)「やべーお遅刻確定だお」
(ヾ'ω`)「もうニートはやだお」

ツンドリーは全速力でバイト先へ行きました
49:2015/03/23(月) 16:39:06.87 ID:WwhFRKZt0.net
奇形はいつものように公園のベンチに座っていました

( ^^ω)「寒いホマ」
( ^^ω)「もうコーシーも無くなったホマ」

放課後の子供達で賑わっていた公園もすっかり寂れてしまいました
51:2015/03/23(月) 16:42:16.85 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「ツンドリーに偉そうに言った癖に今や公園の長ホマ...」
( ^^ω)「ツンドリーに会ったら怒られるホマね」

そう呟く声も冬風の音に消されてしまいました
52:2015/03/23(月) 16:46:30.53 ID:2dIwya+H0.net
悲しい結末はやめてください
53:2015/03/23(月) 16:46:38.96 ID:WwhFRKZt0.net
(ヾ'ω`)「急に働き始めたらきついお」
(ヾ'ω`)「軽く運動しておくべきだったお」

ツンドリーは帰路についていました

(ヾ'ω`)「?」

ふと公園の方に目を向けると何かが街灯に照らされていました

(ヾ'ω`)「...」

ツンドリーは公園へ足を向けました
54:2015/03/23(月) 16:50:37.02 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「ホマ?」

奇形は足音に気づきました

( ^^ω)「どうせまたDQNホマ」

奇形は落胆した様子でそう言いました

(ヾ'ω`)「は瀬川...?」

( ^^ω)「...」

奇形は何も言わずツンドリーから顔を背けていました
55:2015/03/23(月) 16:53:44.90 ID:s3HRKEce0.net
悲しい
56:2015/03/23(月) 16:54:50.34 ID:WwhFRKZt0.net
(ヾ'ω`)「は瀬川かお?」

( ^^ω)「は瀬川?きっと人違いですホマ」

(ヾ'ω`)「...何言ってるんだお?」

( ^^ω)「殴るなら早く殴ってくださいホマ」

(ヾ'ω`)「...」
59:2015/03/23(月) 16:59:21.19 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「どうせDQNかなんかでしょうホマ」

奇形は必死に他人のふりをしました
ツンドリーに気付かれないようただただ自らの存在を隠しました

(ヾ'ω`)「もうバレてるお」
(ヾ'ω`)「話ならいくらでも聞くお」

奇形はもう我慢の限界でした

( ^^ω)「ツンドリー...」

その頰には一筋の涙が溢れていました
60:2015/03/23(月) 17:01:11.80 ID:nkPvQStH0.net
どういうことなの?
意味がさっぱりわからないんだが
63:2015/03/23(月) 17:06:29.90 ID:2dIwya+H0.net
>>60
奇形はツンドリーに叱咤激励したのに自分を変えられずにいた
そんな自分を責め自己嫌悪に陥り、奇形は他人のフリをしたが、ツンドリーにはお見通しだった
62:2015/03/23(月) 17:03:40.98 ID:WwhFRKZt0.net
(ヾ'ω`)「どうしてこんなところにいるんだお?」
(ヾ'ω`)「家や仕事はどうしたんだお?」

ツンドリーは優しく尋ねました

( ^^ω)「襲われたホマ」

(ヾ'ω`)「?」

( ^^ω)「財産も職も全部奪われたホマ」

(ヾ'ω`)「どういうことなんだお...」

奇形は小さな声で語り始めました
64:2015/03/23(月) 17:08:00.53 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「君と会ってから2ヶ月後のことホマ」
( ^^ω)「いつものようにお家で寝ていたら突然ガラスが割れたホマ」

( ^^ω)「最初は何が起きたかわからなかったホマ」
( ^^ω)「でも急に目の前にナイフを突きつけられたホマ」

( ^^ω)「僕はその瞬間何が起きたかを悟ったホマ」
66:2015/03/23(月) 17:12:26.71 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「あっという間に全てが奪われたホマ」
( ^^ω)「気づけばもう男達は去っていたホマ」

( ^^ω)「電話までもが奪われたホマから僕は交番へ行ったホマ」
( ^^ω)「でも警察の人はろくに話を聞いてくれなかったホマ」

( ^^ω)「僕は焦りとともに絶望感を抱いたホマ」
67:2015/03/23(月) 17:16:16.55 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「幸いナイフを突きつけてきた奴の顔には見覚えがあったホマ」
( ^^ω)「斜向かいの家の高校生になる息子ホマ」

( ^^ω)「僕は勇気を出してその家へ行ったホマ」

( ^^ω)「でも思ってた通り話すら聞いてくれなかったホマ」
68:2015/03/23(月) 17:19:24.17 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「とりあえず余ったお金で僕はホテルから会社へ通ったホマ」
( ^^ω)「お金が無くなってからのことは全く考えてなかったホマ」

( ^^ω)「その時第2の事件が起きたホマ」
69:2015/03/23(月) 17:23:18.41 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「ある朝僕は一番に出勤したホマ」
( ^^ω)「すると僕の隣の人のデスクにあった膨大な書類にコーシーがかかっていたホマ」

( ^^ω)「僕は誰がやったのかわからなかったホマからみんなが出勤するまで待っていたホマ」

( ^^ω)「しばらくしてみんなが出勤してきたホマから僕はこのことを説明したホマ」
71:2015/03/23(月) 17:27:46.06 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「そのあとも何度か同じようなことが続いたホマ」
( ^^ω)「その事件もだんだんエスカレートしていったホマ」

( ^^ω)「とうとう現金まで奪われるようになっていった頃上司は僕に声をかけたホマ」

( ^ω^)「は瀬川君ちょっと話があるお」

( ^^ω)「わかりましたホマ」
72:2015/03/23(月) 17:32:08.97 ID:WwhFRKZt0.net
( ^ω^)「いい加減正直に話したらどうだお?」

( ^^ω)「?」

( ^ω^)「今までの事件はもちろん全部は瀬川君の仕業なんだおね?」

(;^^ω)「僕じゃないですホマ」

( ^ω^)「でもみんな君がやったって言ってるお」

(;^^ω)「そんな...酷いですホマ!」

( ^ω^)「1番酷いのは君じゃないかお」
( ^ω^)「酷いのは顔だけにして欲しかったお」

( ^^ω)「...!?」
73:2015/03/23(月) 17:33:00.50 ID:2dIwya+H0.net
救われてくれ…
74:2015/03/23(月) 17:35:05.28 ID:WwhFRKZt0.net
( ^ω^)「今日中に荷物をまとめておきたまえお」
( ^ω^)「君がいたらどうも職場がまとまらないお」

( ^^ω)「...」

( ^ω^)「まだ警察に通報しないだけマシだと思えお」
( ^ω^)「糞奇形がお」

( ^^ω)「...」

奇形は無言のままでした
76:2015/03/23(月) 17:36:56.93 ID:2dIwya+H0.net
悲しい
77:2015/03/23(月) 17:38:05.16 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「この事件の犯人もすぐにわかったホマ」
( ^^ω)「でも何もできなかったホマ」
( ;;ω)「何も...」

奇形はたくさん泣きました
79:2015/03/23(月) 17:42:49.04 ID:WwhFRKZt0.net
奇形はやっと泣き止みました

( ^^ω)「それ以来ずっと公園生活ホマ...」
( ^^ω)「これからもきっと公園生活ホマ...」

(ヾ'ω`)「...」

ツンドリーは言葉に迷っていました

( ^^ω)「無駄話をしてしまったすまなかったホマ」
( ^^ω)「早く帰るといいホマ」

ツンドリーはそのままどこかへ行ってしまいました
80:2015/03/23(月) 17:45:42.39 ID:WwhFRKZt0.net
奇形は心のどこかでツンドリーが救ってくれると信じていました

( ;;ω)「...」
( ;;ω)「ツンドリー...」

奇形はそのままベンチに寝そべりました
見上げた空には一筋の流れ星が流れていました
82:2015/03/23(月) 17:50:32.51 ID:WwhFRKZt0.net
( - - ω)「zzz...」

ふと足音が聞こえました

その足音はだんだんこちらへ近づいてくるようでした

(ヾ'ω`)「は瀬川起きろお」

そこにはツンドリーが立っていました

( ^^ω)「何しにきたホマ?」

(ヾ'ω`)「ついて来いお」

( ^^ω)「...?」
83:2015/03/23(月) 17:56:24.08 ID:WwhFRKZt0.net
辿り着いたのはツンドリーのバイト先のインド料理店でした

(ヾ'ω`)「連れてきましたお」

店長「ありがとう」
店長「君がは瀬川くんだね」

( ^^ω)「そうですホマけど...」

店長「よしじゃあ明日から働いてもらうからね」

( ^^ω)「ほんとうですホマ!?」

店長「皿洗いをやってもらうからね」

( ^^ω)「嬉しいですホマ!」

奇形の目は輝いていました
84:2015/03/23(月) 18:00:25.44 ID:TD2n5mYd0.net
優しい人達だといいな…
85:2015/03/23(月) 18:01:23.29 ID:WwhFRKZt0.net
店長「俺の家の隣に空き家があるんだけど...そこに住んでみないかい?」
店長「ものすごくボロいけどその分安く住めるんだよ」

( ^^ω)「もちろんですホマ!」

奇形は雨風凌げる家が欲しくて仕方ありませんでした

(ヾ'ω`)「よかったお」

ツンドリーは満足そうに奇形を見つめていました
88:2015/03/23(月) 18:08:10.80 ID:WwhFRKZt0.net
( ^^ω)「ご飯食べるホマ」

奇形は久々に暖かいご飯を食べました

( ^^ω)「寝るホマ」
( - - ω)「zzz...」

奇形は久々に暖かいお布団で寝ました

( ^^ω)「クスクス」

奇形は久々に心の底から笑いました
89:2015/03/23(月) 18:12:02.85 ID:WwhFRKZt0.net
奇形は最低限の生活を取り戻しました
それと同時に「愉しみ」を取り戻しました

どれだけ退屈な日常でも
どれだけ辛い日々でも
どれだけ悲しい時間だとしても

そこに「愉しみ」を感じた奇形は
とても楽しそうでした

( ^^ω)「おしまいホマ」
90:2015/03/23(月) 18:12:41.52 ID:2dIwya+H0.net
乙!
91:2015/03/23(月) 18:21:32.34 ID:Mri2j5WOr.net
この先も幸せでいて欲しい
( ^^ω)「みんな逃げないでぃ...」
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1427092337