1: 2016/03/27(日) 19:07:45.78
――ある帝国の城――
大臣「陛下、隣国の女帝は着々と軍備を整え、いつ我が国に攻め込んできてもおかしくない状況です」
大臣「こちらとしても、何らかの手を打ちませんと……今のままでは確実に我が国は敗北します」
皇帝「分かっておる。しかし、軍備を整えるにせよ和解するにせよ、まずは資金をかき集めねばならん」
大臣「おおっ、つまり増税や産業の活性化を!?」
皇帝「いや、そんな暇はあるまい。もっと手っ取り早く金を稼がねばならん」
大臣「その通りです……が、何か手立てはあるのですか?」
皇帝「朕朕詐欺をやろう」
大臣「ハァ!?」
2: 2016/03/27(日) 19:09:33.15 ID:PR8HxrYwo
大臣「朕朕詐欺って……まさか俺俺詐欺の皇帝バージョン!?」
皇帝「電話を用意せよ」
大臣「ど、どうぞ」サッ
皇帝「……」ピッポッパッ
皇帝「あーもしもし、朕、朕だけどさ、今事故っちゃって、示談金を払わなきゃいけなくなったんだ!」
皇帝「だからお金を――」
相手『ふざけんな!』ガチャッ
皇帝「……」ツー…ツー…
3: 2016/03/27(日) 19:11:28.83 ID:PR8HxrYwo
皇帝「もしもし? 朕だけど――」
『間に合ってます』ガチャッ
皇帝「朕、朕だけど……」
『今時振り込め詐欺もないでしょうよ』ガチャッ
皇帝「朕の口座に100万ゴールドほど振り込んで――」
『氏ねボケ!』ガチャッ
4: 2016/03/27(日) 19:13:10.30 ID:PR8HxrYwo
皇帝「どうしよう……誰も騙されんぞ」
大臣「そりゃそうでしょうよ」
大臣「こうしてる間にも、女帝は軍を率いて攻め込んでくるかもしれないのです! 他の手立てを――」
皇帝「なるほど、妙案を思いついたぞ!」
大臣「妙案ですって!? どんな!?」
5: 2016/03/27(日) 19:14:22.91 ID:PR8HxrYwo
皇帝「女帝に直接朕朕詐欺をすればいい! そうすればあいつから資金を引き出せるし、一石二鳥だ」
大臣「ハァ!?」
6: 2016/03/27(日) 19:16:08.23 ID:PR8HxrYwo
大臣「ちょっ、本気でやるつもりですか!? んなことしたら、下手すりゃ戦争に――」
皇帝「……」ピッポッパッ
皇帝「……」プルルルル…
――
女帝「はい、もしもし」
7: 2016/03/27(日) 19:17:34.02 ID:PR8HxrYwo
皇帝「あ、女帝?」
――
女帝(この声は隣国の皇帝!)
女帝「わらわになんの用じゃ? 我が国の軍備拡張を恐れて、ようやくわらわに服従する気になったのか?」
8: 2016/03/27(日) 19:19:50.13 ID:PR8HxrYwo
皇帝「えぇと用件ってのは――」
大臣「やめて下さい! 戦争になっちゃいますよ!」ガシッ
皇帝「うわっ! 何をする!」
――
女帝「なんじゃ? よく聞こえんぞ、ちゃんと喋れ」
9: 2016/03/27(日) 19:22:21.91 ID:PR8HxrYwo
皇帝「朕の声聞こえる? 朕、朕なんだけど、お前の軍資金から100万ゴールドほど欲しいんだ」ドタバタ
大臣「受話器を置いて下さい!」ドタバタ
――
女帝「!!!」ドッキーン
10: 2016/03/27(日) 19:27:08.06 ID:PR8HxrYwo
朕の……ドタバタ……朕朕……ドタバタ……お前の……ドタバタ……万……ドタバタ……欲しい……
チンノ……チNチN……オマエノ……マン……ホシイ……
女帝「おぬし……ようやくわらわの気持ちに気づいたのじゃな!?」
女帝「分かった! 明日にでもわらわはおぬしのもとに嫁ぎ、わらわの初めてをくれてやろう!」 ガチャッ
11: 2016/03/27(日) 19:28:08.58 ID:vgKqC/iJo
どうしてこうなった
12: 2016/03/27(日) 19:28:24.54 ID:PR8HxrYwo
皇帝「……切られた」
大臣「当たり前ですよ! ところで女帝は何と言ってたんですか? まさか戦争……!?」
皇帝「おぬしに嫁ぎ、わらわの初めてをくれてやる、とか言ってた」
大臣「ハァ!?」
13: 2016/03/27(日) 19:31:36.15 ID:PR8HxrYwo
女帝「諸君、わらわは決めたぞ」
女帝「わらわは隣国に攻め込むのをやめ、皇帝の妻になることになった。それを受け、明日より両国は合併する」
側近「なんですって!?」
側近「まさか、近年軍備拡張を進めていたのは、隣国の皇帝を屈服させ結婚するためだったのですか!?」
女帝「その通りだが?」
側近「そんなスイーツな理由で、軍備を拡張したり、勝手に国同士の合併を決めるなんて……」
側近「やっぱり貴方は最高です!」
女帝「当然じゃ」
14: 2016/03/27(日) 19:34:01.08 ID:PR8HxrYwo
次の日、両国の国境で盛大な結婚式が行われる事になった。
皇帝「どうして朕とお前が結婚することになったの?」
女帝「また白々しいことを! おぬしがわらわにプロポーズしたのではないか! あんなにも露骨に!」
皇帝「したっけ? ……まあいいけど」
女帝「今夜は激しくし、て、ね」
この歴史的な事件の発端が“朕朕詐欺”であったことは、あらゆる歴史書に記録され――るわけがなかった。
―完―
15: 2016/03/27(日) 19:35:47.44 ID:ezBwTiRTO
予想は出来たww
乙
乙
16: 2016/03/27(日) 19:37:12.02 ID:ldeTh4GGo
くだらなすぎるw
18: 2016/03/27(日) 20:20:40.58 ID:5Vjk0T8XO
下ネタだろうとは思ってたがワロタ
乙
乙
23: 2016/03/28(月) 01:19:51.05 ID:9uJ3XaWGO
スレタイが言いたかっただけだろww
引用元: 皇帝「朕朕詐欺をやろう」
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