1:2018/01/02(火) 21:45:27.39
彡(゚)(゚)「ワイの職業はホラー小説家や」

彡(゚)(゚)「でもデビュー作も2作目もてんで売れずじまい」

彡(-)(-)「最近はちんけな三流オカルト雑誌の記事を書いて糊口をしのいどる」
2:2018/01/02(火) 21:45:50.85
彡(゚)(゚)「せやけど見とれ! ワイは今書いている小説で現代にホラーブームを巻き起こした伝説の人間として名を馳せるんやからな」

彡(゚)(゚)「その小説とは最近巷で話題の都市伝説について」

彡(゚)(゚)「一度入ったら二度と出られない『呪いの館』についてや!」


3:2018/01/02(火) 21:46:06.69
彡(゚)(゚)「この都市伝説はここ1年程前から急に中高生の間で広まったものや」

彡(゚)(゚)「内容に関しては大したもんやない」

彡(゚)(゚)「一度入れば二度と出られなくなるというありふれたもんや」
4:2018/01/02(火) 21:46:22.93
彡(゚)(゚)「けど話のしょうも無さに対して話が話題になりすぎとる」

彡(゚)(゚)「これにワイの感がビクンビクンしとるんや」

彡(゚)(゚)「この話はデカいネタになるとな」
5:2018/01/02(火) 21:46:35.88
(´・ω・`) 「で、取材に行ってくると」

彡(^)(^)「おう、1週間ほど待っててくれや原ちゃん。確かな情報筋からその館の場所を突き止めたんや」

彡(^)(^)「必ず最高のネタを仕入れて最高のホラーに仕立ててみせるで!」

(´・ω・`) 「あっそう。まあ出来上がった作品がどうしようもないぐらい売れない時は、うちの編集部で雇ってあげるから安心して行ってきなよ」
6:2018/01/02(火) 21:46:49.56
彡(^)(^)「ワハハ原ちゃん」

彡(●)(●)「後々ホラー界の巨匠となるワイに対してそんなセリフを投げかけたこと、今に後悔するで」

(´^ω^`)「あはは。寝言は寝ていった方がいいよお兄ちゃん」
9:2018/01/02(火) 21:47:07.00
数日後

彡(゚)(゚)「あのクッソ原住民。絶対ワイの最高作品でひれ伏させたる」

彡(゚)(゚)「しかしえらい山の中やな。草と木しかないやんけ!」

彡(゚)(゚)「スマホも気づいたら圏外やし。地図あるからいいものの、こんな山奥に館なんてあるんやろうか?」
11:2018/01/02(火) 21:47:21.49
彡(゚)(゚)「ま、まさか騙されたんやろうか……」

彡(゚)(゚)「いや、そんなことはない。ワイの感に間違いはないんや!」

彡(゚)(゚)「地図が確かならもうすぐなはずやし、このまま突き進むで!」
12:2018/01/02(火) 21:47:32.89
数分後

彡(゚)(゚)「あ、あった。このアホみたいにデカい洋館で間違いないやろ」」

彡(゚)(゚)「……なんか意外とすんなり見つかったな。ちょっと拍子抜けや」

彡(゚)(゚)「しかし何やろう。こんな山奥にあるくせして意外とボロっちくないな。妙な生活感すらあるし」
13:2018/01/02(火) 21:47:43.84
彡(゚)(゚)「まあええわ。とりあえず探索するで探索」

彡(^)(^)「おお、ごついドアやな。鍵の方は……、よしよし開いとるな」

彡(゚)(゚)「とりあえず中に入って取材開始や!」
14:2018/01/02(火) 21:47:54.11
彡(゚)(゚)「ファ!? なんやこれ!?」

彡(゚)(゚)「ドア開けてエントランスでも広がっとるかと思ったら、クッソ長い廊下しかないやんけ!」

彡(゚)(゚)「しかも壁、天井、床に至るまで全部真っ白。この時点でもう怪しさしかないわ」

彡(゚)(゚)「白い廊下の先にはやっぱり白いドアがあるばかりやし」
17:2018/01/02(火) 21:48:05.66
彡(^)(^)「ええぞ。この館は最高や! オカルトの宝庫待ったなし!」

彡(^)(^)「あのドアの先には何が待っとるんやろなあ。よっしゃ、ガンガン行くで!」バタン

彡(゚)(゚)「ファ!? 玄関のドアが勝手に閉まりよった!?」
19:2018/01/02(火) 21:48:19.47
彡(-)(-)「アカン……。ドアが開かん」

彡(゚)(゚)「ってダジャレ言っとる場合やない。一体どうなっとるんや」

彡(゚)(゚)「ドアが突然閉まったと思ったら、鍵がかかってなぜか室内側には鍵の開錠装置が付いて無いし」

彡(゚)(゚)「玄関のドアは頑丈でビクともせん」

彡(゚)(゚)「思いっきり閉じ込められとるやんけ! スマホも相変わらず圏外やし」
20:2018/01/02(火) 21:48:33.47
彡(゚)(゚)「だれかおらんかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

彡(゚)(゚)「おるわけないよなぁ」

彡(゚)(゚)「こうなったら廊下の先のドアを開けるしかないんやろうな」
22:2018/01/02(火) 21:49:01.30
彡(゚)(゚)「よし。開けるで」ガチャ

彡(゚)(゚)「……ドアの先は地下へと続く階段か」

彡(゚)(゚)「おまけに真っ暗で先は見えんし」
25:2018/01/02(火) 21:49:43.40
彡(゚)(゚)「しゃーない。行くで」

彡(゚)(゚)「一応上着をドアに挟んで閉まらんようにしとくか」

彡(゚)(゚)「ではいざ地下へ!」バタン
26:2018/01/02(火) 21:49:51.46 ID:lg2HTFsG0.net
ホラーか
28:2018/01/02(火) 21:50:00.99
彡(●)(●)「なんでドアにモノを挟んだはずなのに後ろのドアが閉まるんですかねえ」

彡(-)(-)「上着はなぜか無くなっとるし。ズルはアカンってか」

彡(゚)(゚)「もうやけくそや。このまま下に降りたるわ」
30:2018/01/02(火) 21:50:18.94
彡(゚)(゚)「ワイはこの後ゆっくりと下に降りて行った」

彡(゚)(゚)「しばらく階段を降りていくと真っ暗な廊下に出て、その先には1つのドアが待っとった」

彡(゚)(゚)「開けたドアの先にあるのは真っ白な部屋と2つのドア」

彡(゚)(゚)「それと2つのドアの間には看板が立ててある」
33:2018/01/02(火) 21:50:39.04
彡(゚)(゚)「看板にはこう書いとる」

『いらっしゃいませ』

『このドアのうちのどれか1つが出口へと通じています』
『さあ、正解目指してがんばりましょう』
35:2018/01/02(火) 21:50:53.25
彡(゚)(゚)「ふざけとるんかクソが」

彡(゚)(゚)「けど正解すれば出れるんやな」

彡(゚)(゚)「どれが正解なんや……」
37:2018/01/02(火) 21:51:08.06
彡(^)(^)「決めた。右にしたろ!」

彡(^)(^)「ワイのシックスセンスがこのドアだと叫んでるんや!」ガチャ

彡(゚)(゚)「そうと決まればさっさとこんな所とはおさらばするンゴ」バタン
38:2018/01/02(火) 21:51:21.61
彡(゚)(゚)「また後ろでドアが勝手に閉まる音がしたがワイはもう止まらなかった」

彡(゚)(゚)「先ほどより足早に階段を進んでいくと、また真っ暗な廊下に出て、その先には1つのドアが待っとった」

彡(゚)(゚)「開けたドアの先にあるのは真っ白な部屋と3つのドア」

彡(゚)(゚)「それと3つのドアの真ん中には看板が立ててある」
41:2018/01/02(火) 21:51:38.34
彡(゚)(゚)「看板にはこう書いとる」

『いらっしゃいませ』

『残念ですが、先ほどは不正解です』

『次は正解だといいですね。このドアのうちどれか1つが出口へと通じています』

『さあ、正解目指してがんばりましょう』
43:2018/01/02(火) 21:51:58.33
彡(〇)(〇)「なん、やと……」
47:2018/01/02(火) 21:52:27.98
彡(〇)(〇)「ワイはドアを開け続けた」

彡(〇)(〇)「階段を降りては開け」

彡(〇)(〇)「降りては開け」
50:2018/01/02(火) 21:52:48.24
彡(〇)(〇)「今何回目や」

彡(〇)(〇)「何回階段を下りたんや」

彡(〇)(〇)「何回ドアを開けたんや」

彡(〇)(〇)「もう降りるのもドア開けるのもやめようか……」
52:2018/01/02(火) 21:53:02.02
彡(〇)(〇)「……いや、だめや」

彡(゚)(゚)「ワイは帰るんや」

彡(゚)(゚)「そしてこれは将来のホラー界の巨匠としての第一歩として永遠に語り継がれる話となるんや!」
53:2018/01/02(火) 21:53:09.89 ID:+qVV2c+Ed.net
ええな
54:2018/01/02(火) 21:53:14.41
彡(゚)(゚)「階段を進んでいくと、また真っ暗な廊下に出て、その先には1つのドアが待っとった」

彡(゚)(゚)「開けたドアの先にあるのは真っ白な部屋と1000個のドア」

彡(゚)(゚)「それと1000個のドアの真ん中には看板が立ててある」
55:2018/01/02(火) 21:53:28.01
彡(゚)(゚)「看板にはこう書いとる」

『いらっしゃいませ』

『残念ですが、先ほどは不正解です』
『次は正解だといいですね。このドアのうちどれか1つが出口へと通じています』

『さあ、正解目指してがんばりましょう』
59:2018/01/02(火) 21:53:42.65
彡(゚)(゚)「ワイが選ぶのは一番右のドアや」

彡(^)(^)「ワイのシックスセンスがこのドアだと叫んでるんや!」

彡(゚)(゚)「もう間違いはないで」ガチャ
62:2018/01/02(火) 21:53:55.29
<ピンポーン!正解

彡(゚)(゚)「……やった」

彡(^)(^)「出られる」

彡(^)(^)「出られるんやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
63:2018/01/02(火) 21:54:07.43
彡(^)(^)「開けたドアの先にあるのは今までと違って、上りの階段やった」

彡(^)(^)「ワイはスキップを踏みながら階段を上った」

彡(^)(^)「階段を進んでいくと、また真っ暗な廊下に出て、その先には1つのドアが待っとった」
65:2018/01/02(火) 21:54:18.76
彡(゚)(゚)「……え?」

彡(゚)(゚)「開けたドアの先にあるのは真っ白な部屋と999個のドア」

彡(゚)(゚)「それと999個のドアの真ん中には看板が立ててある」
67:2018/01/02(火) 21:54:30.48
彡(゚)(゚)「看板にはこう書いとる」

『いらっしゃいませ』

『おめでとうございます。先ほどのドアは大正解でした』

『次もこの調子でがんばりましょう』

『このドアのうちどれか一つが出口へと通じています』

『さあ、正解目指してがんばりましょう』
69:2018/01/02(火) 21:54:47.11
彡(〇)(〇)「――」

ワイはすべてをあきらめた
71:2018/01/02(火) 21:55:00.65
おわり
76:2018/01/02(火) 21:55:29.94 ID:6Jew9pLR0.net
おつやで
78:2018/01/02(火) 21:55:39.25 ID:5nJa80YUp.net
えぇ…