121: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:22:00.52 ID:H8Ei8tAA0
フリーザ一味を壊滅させた出木杉と仲間たち。
その後、悟空はせっかくだから、ということで別の星へいってみる。と言い出した。

行き先はギニュー特選隊の宇宙船にインプットされていたヤードラット星。
宇宙の旅が夢だった出木杉はこれに同行。

ヤードラット星では、悟空は瞬間移動、そしてヤードラット星人の助けをえて
超サイヤ人へと覚醒する。

そして、ときは流れる。
 
出木杉「カプセルコーポレーション?」前編
122: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:24:11.66 ID:H8Ei8tAA0
全員が地球に帰還。なりゆきでベジータはカプセルコーポレーション(=ブルマんち)
にすむこととなった。
戦士たちはそれぞれの日常へ戻り、出木杉もまた、研究と仕事の生活へと復帰。

宇宙での経験は出木杉にとって、大変有益なものとなっていた。


しばし日常編になります。これも大事な伏線なのでごりょうしょうください。
セルとブゥを倒す知略もあるので、気長におつきあいください。


124: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:26:45.22 ID:H8Ei8tAA0
出木杉は20代だが、その類まれない功績と能力で、すでに
カプセルコーポレーション専務取締役

同社宇宙開発事業部研究主任

同社科学顧問

私立ブリーフ大学工学部学長

同大学名誉教授

国連プロジェクト有人外宇宙探査隊リーダー

の肩書きをもっていた。

128: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:31:53.91 ID:H8Ei8tAA0
カプセルコーポレーションはビジネスマンとして、また科学者として超一流の
出木杉の活躍もあり、業績を10年で3倍に伸ばしていた。

容姿端麗にして頭脳明晰、長身でスマートな上に、リッチで社会的地位もあり、
運動神経抜群にして性格も誠実でさわやか、ユーモアもあり、涼やかな美声をもち、
料理もプロ級、芸術への造詣も深い出木杉は全世界で注目のヤングエグゼクティブとして
名を馳せていた。ビジネス誌、科学誌にのみならず、ファッション誌、女性誌の表紙
をかざることも多く、抱かれたい男NO1を8年連続でキープ。

所有する博士号は物理学、工学、生物学、医学、数学、経済学、天文学の
7つ。

最高権威たるメールズ賞(ノーベル賞イメージして)はすでに14回受賞。

まさに、人類史上最高の頭脳をもった天才青年だった。

132: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:36:36.96 ID:H8Ei8tAA0
そんな出木杉はある日、仕事をおえ帰社するまえに付属のジムへ立ち寄ったところ、
休憩室にいたベジータに遭遇した。

出「ベジータ。ひさしぶりだね。近所に住んでるのにさ」
ベ「ふん。オレは地球人となれあうつもりはない」

出木杉はベジータのことが嫌いではなかった。もともと敵だった相手だが、
その誇り高き生き方、そしてあくなき強さを求める鋼の意志。
好感すらもっていたのだ。

出「ねぇベジータ。ぼく仕事終わったんだ。よかったらこれから飲みにいかない?」


134: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:38:38.81 ID:H8Ei8tAA0
ベ「なに? ノミ? それはなんだ?」
出「いや、ただ食事して、お酒飲むだけだよ。よければ」
ベ「なぜオレが貴様なんかと」

出「そういうなよ。一応一緒に戦ったこともある仲じゃないか。それに、いろいろ
話もしてみたいし。ベジータはないの? 僕にききたいこととかさ。
あれ? それともベジータ王子ともあろう漢が、お酒飲めないのかい?」

すこし挑発してみる。


135: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:40:03.97 ID:H8Ei8tAA0
ベ「そんなことがあるか!! ふん。いいだろう。つきあってやる」

ベジータも実は出木杉に興味をもち、また一目おいてもいた。戦闘力をもたないくせに
、あのフリーザを倒した男。それに酒というものにも興味があったのも事実だ。


136: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:42:37.23 ID:H8Ei8tAA0
2人で近くのダイニングバーへ移動。出木杉チョイスの食事が旨い店だ。

出「僕はビール。ベジータは?」

ベ「なんでもかまわん。知るか」

出「じゃあ、ビール2つ」

運ばれてくるビール

出「ふぅ。おいしいね」
ベ「なんだこれは。苦いぞ」
出「そんなチビチビ飲むからだよ。ぐいっといかなきゃ」
ベ「ちっ…。ぐぃっ。さぁ教えろ。どうやってフリーザをやった!?」
出「まぁまぁ、夜は長いんだ。どんどん行こう。生中2つ追加お願いします」


137: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:45:28.91 ID:H8Ei8tAA0
数時間後。

ベ「おい!ビールはまだか!? 月見はんばーぐジューシーふんわり焼きとお肉たっぷりチンジャオロースも
着てないぞ!このオレをまたせるとはどういうことだ!?」

出「さすがサイヤ人。20杯飲んでもまだイケル。やるねぇ」
ベ「ふん! さぁデキスギ、貴様も飲め。もっと飲め。そしてさっきいってた重力トレーニング
の新しい方法とやらの話を続けろ」

出「よしきた」


ごめん。日常パートだと退屈かもしれぬ。しかしがまんしてくれ。
これもあとあとの策略のため。

138: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:49:01.44 ID:H8Ei8tAA0
出「よしきた! 従来の部屋型の重力室だと、エネルギーの問題があって、200倍が
限界だけど、今ぼくが開発してる小型設置式は手のひらサイズの制御版を地面におくだけで
半径数メートルの重力を変更できるんだ。これはエネルギーさえ調達できれば
3000倍までの負荷が可能なんだよ!…まぁ、そんなネルギーはちょうたつできないけど。

完成したらぜひ使ってくれよ」

やはり酒は国籍・星籍とわず、抜群のコミュニケーションツールだった。
また、出木杉の話術が卓越していたこともある。


女性A「あのぉ、すいませーん。ひょっとして、カプセルコーポレーションの
『知の勇者』出木杉さんじゃないですかぁ?]


141: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:52:42.60 ID:H8Ei8tAA0
出「うん。そうだよ。知の勇者っていうのはちょっとおおげさだけどね」

女性A・B「うそー。すごーい! 握手してください! わたしファンなんですぅ」
出「あはは。別に芸能人じゃないんだから」
ベ「…」

女性A・B「あ、すいませぇん。お邪魔しちゃって。こちらの方はお友達ですか?」

出「うん。かれはトっプアスリートなんだよ。ほらこの筋肉」

ベ「!?」

女性「うわー。ほんとだー。すごーい! かっこいいー!(サワサワ)」

ベ「おいっ、キサマら。やめっ。おいどこを触っている!…あっ」


143: 名も無き被検体774号+ 2011/12/02(金) 23:56:18.02 ID:H8Ei8tAA0
出「照れるなよ。ベジータ」
ベ「このオレが照れているだと…!」

にぎやかな夜だった。
ちなみにこの日の会計は大食漢で大酒のみのベジータがいたことで
200万ゼニーにのぼった。これは天下一武道会の優勝賞金に匹敵する額だが、
世界で三人しかいないスーパープラチナカード所有者の出木杉にとっては
はした金であったのはいうまでもない。

147: 名も無き被検体774号+ 2011/12/03(土) 00:00:17.21 ID:H8Ei8tAA0
そして出木杉にとってうれしいことがこの数日後におこった。

またも偶然あったベジータがこう言ったのだ。

ベ「おいデキスギ。今日も行きたいならつきあってやっておいいぞ。ノミとかいうやつにな」

出「今日は用事が」
ベ「ふんっ。そうか」

出「うっそー。じゃあいこうか。ベジータ。そういうの僕のいた世界ではツンデレって言うんだよ
知ってたかい? じゃあきょうはベジータの女性経験でもきこうか」


圧倒的な戦闘能力差があるにもかからず、まったく自分にものおじしない出木杉。
ベジータはそんな彼といることが新鮮だったのかもしれない。

152: 名も無き被検体774号+ 2011/12/03(土) 00:05:43.06 ID:99KEUNZ90
また別の日
出木杉はクリリンとともに悟空の家に招かれていた。平和とはいいものだ。

日中、クリリンは悟空と釣りへ。出木杉はチチの激しい要望で悟飯の家庭教師
をすることになった。夫の友人でただひとりの知性派の彼は、チチにとって歓迎すべき
客だったのだ。

出「この考えを、デデキントの切断っていうんだよ」
飯「なるほど! すっごくわかりやすです」
出「しかしすごいよ。悟飯くんはその年でもうこんなにハイレベルな数学を」
飯「えへへ…出木杉さんにはまけますよ」
出「そんなことないさ。僕がオイラー予想を証明したのは16のとき。悟飯くんなら
いけるかもしれないよ。そうだ。もう少ししたらぼくの大学にくるといい」
チチ「裏口入学させてくれるだか!?」
出・飯「……」



156: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 00:10:27.37 ID:99KEUNZ90
そんな会話をしつつ日がくれ、食事。チチの自慢の手料理に舌鼓をうつ

クリ「しっかし、悟空はいいよなー。嫁さんも、子供もいてさぁ」
悟「うめぇメシが食えるしな!」
出「あはは。そうだねぇ。でも、たしかにぼくらももう落ち着く年頃だよね」
ク「出木杉はモテモテじゃないかよ。よりどりみどりなのに、なんで彼女つくらないんだよ
このやろう」

冗談まじりにひがみをもらすクリリン。

出「うーん。ぼくはいまは科学が恋人…ってのは冗談さ。ホントはずっと好きな
子がいるんだよ」

悟「スキ? スキってなんだ?」
クリ「おい! まじかよ!? いつからなんだよ。どんな子だ? 水臭いな
いえよおい」



159: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 00:14:58.76 ID:99KEUNZ90
ありがとう。

出「子どものころかだよ。かわいい子だったよ。よく下手くそなバイオリンを聞かせてくれたっけ。
もうずっとあってないけど、もしかしたらもう結婚してるのかもしれないな」

チチ「ホントだか? 出木杉さにほれられるなんてたいしたもんだべ。なんでふられちまったんだ?」

出「ライバルが強力でね。純粋で、やさしい男の子だったよ」

そのとき、ほんの一瞬だけ、昔の世界を思い出したが、後悔はない。今では
ここに、素敵な仲間たちがいる。



しかし、平和は長くは続かなかった。
このあと、新たなる脅威に出現によって、出木杉は再びその知略を武器に
仲間たちとともに戦うことになる。


188: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 20:34:01.92 ID:63sQFXNf0
そして時は流れた。

ある日、研究室にいた出木杉はサイヤ人襲来時に造成していた外宇宙
レーダーに巨大なパワーが反応・地球に接近していることに気づく。

戦闘力は測定不可。このレーダーは理論上53万までは観測可能なはずだ。

地球の戦士たちは、まだこのことに気付いていない。彼らの気の探知能力では
集中しているときをのぞけば、外宇宙までは感知できないのだ。

190: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 20:38:57.83 ID:63sQFXNf0
危機を感じた出木杉はすぐに仲間の戦士たちに事態を伝え、午後休を取得。

翌日到着予定の謎の巨大パワーの離陸地点で全員に集合を呼び掛けた。


ヤム「なぁ、出木杉。ホントにそんなのがくるのか?」

出「こないならそのほうがいいけど‥。あのレーダーは完璧なんだ」

ベ「ちっ。カスが、お前はまだあのパワーの接近に気付かんのか。よく気を
感じてみろ。あのナメック星人はとっくにそうしている」

飯「はっ、この気‥似てる」



ヤ「な、なんだよ。そんなやべぇヤツなのか‥」

クリ「これは‥フリーザの‥気だ」

出木杉には彼らのような能力はない。だがフリーザならたしかにこの手で
コナゴナに葬ったはずだ。

191: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 20:45:52.77 ID:63sQFXNf0
謎の敵が到着。

あらわれたのはフリーザによく似た気をもつその父。コルド大王だった。

対面する両者。

コ「これはこれはお待ちかねか。さて聞いておこう。フリーザをやったのは、
どの男だ。そっちのサイヤ人か? それともナメック星人か?」

緊張が走る。クリリンが一瞬出木杉をみた。


192: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 20:49:02.25 ID:63sQFXNf0
悟「フリーザをやったのはオラだ!」

悟空の発言。これは出木杉をかばったものだ。いつでも知略で相手を圧倒できるとは
かぎらない。

出「悟空。大丈夫だよ」

一同「!?」

出「フリーザを倒したのは、僕だ。あなたが父親だというなら心中お察しする。
でも、アナタの息子は討たれても仕方のない男だった」


コ「ほう‥。貴様か。戦闘力はわずか85。そうか変身タイプというわけか」


194: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 20:54:57.36 ID:63sQFXNf0
出「それで、アナタの目的はなんだ。仇討かい?」
コ「そうだな。だがお前の力が本物なら、かわりに私の息子になるがいい。
ともに宇宙を支配しよう。さぁ、力をみせてみろ」

出「なるほど、悪い話じゃないね」
コ「物わかりのいい男だ」
出「もう一つききたい。『就職前』にね。フリーザ軍は世襲制というわけかい? アナタが先代
だとすれば、今フリーザなきあと、軍はどうなっているんだ?」

コ「チリヂリになった。ハンパな力をもった連中だ。各地で暴れまわっているらしいな。
もっとも、今でも最高指揮権はわたしにあるがな」

出「なるほど。では条件がある」

195: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:01:56.73 ID:63sQFXNf0
コ「生意気な。ここで殺されたいのか?」

出「あんたには無理さ。それに僕を味方に引き入れたいのは、不安があるからだろ?
フリーザを倒した謎の男、自分はそいつに勝てるのか、とね。僕のほうはアナタを
確実に殺せる自信はあるけど、無駄な闘争は嫌いなんだ。めんどくさいからね。
それに宇宙の支配にも興味はある。せっかくアナタ方親子が築き上げた地盤だ。
無駄にしたくはない」



コ「‥よかろう。条件というものをいってみろ」

天「出木杉。おまえ、なにを」
クリ「どうしちまったんだよお前‥」

悟・ベ「‥」

出「条件は簡単だ。各地で暴れまわってるアンタの部下すべてに撤退命令を出せ。
そして、この地球に衛星である月に1か月に全軍集結だ。僕は部下の管理は完璧にしたい
タイプでね」

このとき、ピッコロと悟飯だけは、出木杉の狙いに気付いた。

コ「簡単なことだ」

出「今やってくれ。そのスカウターでできるんだろ? 指示が」

コ「せっかちなやつだ(中略)これで満足か」


196: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:03:58.54 ID:63sQFXNf0
出「やっぱりアナタの息子になるのはやめるよ。宇宙は支配するものじゃない。
理解するものだ」

コ「なんだと。貴様なにを言っている」

出「アンタはここで死ぬんだよ」

コ「そうか。なんのつもりかは知らんがよかろう。フリーザのようにいくと
思うなよキサマ!!」

激こうするコルド、高まる戦闘力

コ「さぁ、かかってこい!!」


198: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:08:02.57 ID:63sQFXNf0
出「なにを勘違いしてるんだ。ぼくはアンタとやりあう気はないよ。
自慢じゃないけど、格闘は弱いんだ」

ここまでくれば、一同、出木杉の狙いがわかっていた。
悟空・ピッコロ・ベジータが前面に立ちふさがる。

出「餅は餅屋さ。僕にはとても頼もしい仲間がいる」


すでに超サイヤ人に覚醒した悟空を有する戦士たちにとって、もはやコルドは
絶望的な相手ではなかった。

また、ここから一ヶ月後
月は一度、悟空のかめはめ波によって一度破壊され、DBにて再生されることとなった。

被害
フリーザ軍残党による宇宙の混乱・犯罪・紛争の多発→フリーザ軍残党全滅。

199: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:09:39.10 ID:63sQFXNf0
その直後、謎の少年があらわれ、一同と対面。

少年「申し訳ありませんが。お話があります。悟空さん、それと出木杉さんだけ
来ていただけますか?」


205: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:17:57.41 ID:63sQFXNf0
トラ「‥と、いうわけです。アナタがた二人にだけ話したのは。母から
人類でもっとも頼りになる男たちだったと聞いていたからです」

出「あれ? その未来ではぼくはどうなってるの?」

トラ「出木杉さんは、そのころには地球にいません。外宇宙探査船で往復
15年の旅に出ています。母はあなた方のどちらか一人でも生きていれば、
世界は変わっていた、と言っていました。どうか、未来を変えてください」

トラ「それから」

出「わかってるよ。歴史がかわって君の存在がなくなるかもしれないから、
君についてはほかの人には秘密に、だろ?」


206: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:21:06.75 ID:63sQFXNf0
トラ「さすがですね」

出「昔の知り合いによくにたケースがいてね。わかったみんなには僕からうまくいっておくよ
。それから僕が銀河の果てを目指すのは、地球の混乱がおちついてからにするさ。
ここは大事な故郷だからね」

悟「ああ! オラたちが未来を変えてみせるさ。くー。ワクワクすんなぁ!! あのフリーザより
強い相手か!」

トラ「おふたりとも、僕の思ってた以上の方でした。未来を頼みます」

その後、出木杉はうまくトランクスのことをかくし、仲間たちに危機を伝えた。



207: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:25:41.72 ID:63sQFXNf0
半信半疑の仲間たちだったが、トランクスがタイムマシンできえるのを目撃。

全員が未来の危機を理解した。

なお、このとき、出木杉だけは別のところに着目していた。

出「あのタイムマシン‥」
話に聞いていたドラえもんの所有するそれとはすこし違うようだ。
形も原理も。
ドラえもんのものは超空間にもともと設置されており、その内部を移動するもの。
トランクスのものは通常空間から直接タイムトラベルをするものらしい。
彼が未来へさったとき、タイムマシンの屋根部分に付着していた土までも消えてしまった
ことも実に興味深い。

これは、なにかの役にたつかもしれないな。
天才の頭脳はすでに、次の戦いへと高速で稼働を始めていた。

208: 忍法帖【Lv=2,xxxP】 2011/12/03(土) 21:26:28.52 ID:m37PQu5M0
やっぱおもしろい

209: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:32:42.18 ID:63sQFXNf0
>>208
まじでうれしい。ありがとう。

そのあと、戦士たちはおのおの修行へ。
出木杉もまた、独自の準備をすすめた。

まず、心臓病の特効薬をひとつもらい、成分を解析、予備を15個作成。
副作用が少ないことも確かめ、症状が出なくても予防として悟空に服用を支持。

そしてタイムマシンの構造の解析。もともと着想はあったがトランクスのそれを
目撃してから、より具体的なイメージがわいたのだった。

さらに重量室をさらに強化、ほかにも空気圧や荷電などさまざまな負荷による
トレーニング法を開発。ベジータとは二人三脚で準備を進めることとなった。

また、人造人間開発前のDrゲロを説得することも考えたが、
なんとDrゲロは資料にある研究室にはおらず、消息不明だった

※これはなぜかというと、当然ゲロは出木杉の存在も知っているため、自分の研究が
どこかから流れて科学者である出木杉に知られることを恐れて雲隠れしたからだ。
原作と違うのはここ。

210: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:35:16.35 ID:63sQFXNf0
そして時は流れ、人造人間が現れる。

ここはちょっと割愛。出木杉の支持した『予防』によて心臓病が発症しなかった
悟空、さらにハードなトレーニングによって原作より強くなっていたベジータ
の手によって人造人間20号は破壊された。残された19号は17号・18号
を起動させるべく、逃亡をこころみる。

211: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:36:47.37 ID:63sQFXNf0
悟「追うぞ!!」

出「そっちはまかせるよ。ぼくは少し気になることがある」

出木杉は敗北した20号の部品を回収。ひとり研究所にもどった。
Drゲロは人間的には外道だが、このテクノロジーはすぐれた部分もある。


212: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:38:09.50 ID:63sQFXNf0
その後、出木杉不在のなか、17号、18号さらに16号までが覚醒。

出木杉は遅れてきたトランクスとともに人造人間と仲間たちの戦う場所へと急いだ。



214: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:44:31.69 ID:63sQFXNf0
このあと原作準拠が続くから飛ばします。
その後、セルが目覚め。

出木杉の必死の説得むなしく、思い上がったベジータの手によって完全体へと覚醒。

セルゲームの開催が決定する。

悟空、悟飯、ベジータ、トランクス、ピッコロは精神とときの部屋で修行。
出木杉もまた、精神と時の部屋に研究室ごと移動し、劣悪な環境と引き換えに得た
1年という時間で、策を練り、準備をすすめた。

セルゲーム開催まであと二日。

215: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:46:18.53 ID:63sQFXNf0
精神とときの部屋からでた出木杉はその二日の間に最後の準備を完了。

もちろん、悟空やベジータの手によってセルを倒すことができればそれがベストだが
、万が一のときは自分が戦うしかない。


217: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:53:04.50 ID:63sQFXNf0
そしてセルゲーム開催。
ここもおおむね原作準拠。悟空の狙いが悟飯の怒りによる覚醒であることを
見抜いていた出木杉はあえて静観を選んだ。

覚醒した悟飯はセルを圧倒するも、そのおごりから、セルに自爆の機会を与えてしまう。

膨らむセル

セ「ふはは自爆してやる!」
飯「させるか!」
セ「おっとそれは」出「駄目だ!! 悟飯くん!! 刺激をあたえると爆発する!!」

戦士たちに絶望が走る。だが天才は即座に回答を導き出す。一瞬の間もなく声を上げる。

出「悟空!! 瞬間移動だ!! セルをつれて界王星へ!! ほかのみんなはできるだけ気を
高めるんだ!! 一刻を争うぞ!! 早く!!!」


この一瞬が大事なのだ。少しでも逡巡すれば、地球、あるいは悟空の命が失われてしまう。

出「移動したらセルだけおいて、界王と猿をつれてすぐに戻るんだ!! 気を察知する手間はみんながなるべく省いてくれる!」

悟空の反応も速かった。それほど、出木杉の言葉には信頼があったのだ。

悟「わかった!! 」



218: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:54:43.46 ID:63sQFXNf0
そして作戦は成功。気を極限まで高めた仲間のおかげで、それを探知するのが容易
になり、悟空は見事セルを残して戻ってきた。


しかし

219: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 21:56:39.76 ID:63sQFXNf0
セルは戻ってきた。しかもより強くなって。

さらに悪いことに。勝利に浮かれ、油断していた一同を襲った不意の一撃で
仲間の一人が死亡。


これはただの偶然なのだが最悪にも命を散らした戦士は
この場でただひとり戦闘力でセルに対応できる


孫 悟飯だった。

※ここも原作と違うところ。歴史はちょっとしたことでかわる(ドラ談)

226: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:02:20.06 ID:63sQFXNf0
そして勝ち誇るセル

セ「ふはは。まさか孫悟飯とはな。こいつはラッキーだ。いや、残念というべきかな?
今の私はすでに孫悟飯を超えている」

一同「‥」

セ「もうこの星に用はない。おまえら全てとともに破壊してやる」

気を高め、最大出力のかめはめ波の態勢にはいる。

ベジ「もう‥おわりだ」
クリ「結婚したかった」
悟「すまねぇ。みんな、こんなはずじゃ」

鍛え抜かれた戦士たちですら、絶望せずにはいられなかった。

そう、たった一人の知恵者を除いては。

227: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:11:12.69 ID:63sQFXNf0
出木杉は前に出る。
戦士たちは道着や戦闘服だが、出木杉はスーツ姿だ。ネクタイとジャケットをはためかせ

かめはめ波の矢面にでる。

一同「しぬ気か!? よせ。どうするつもりだ!!」

出「みんなの力もかりたい。全員、最大出力のエネルギー波をセルへ」

ベジ「おまえにはわからんかもしれんが、俺達全員のネネルギー波程度では
セルのかめはめ波をとめられやしない‥! もう終わったんだ‥」

クリ「それにお前、今セルとおれらの間にいるじゃないか。けし飛んじまうぜ」

出「ぼくはけして絶望しない。銀河の果てを知るまでは」

力強い言葉。それにいち早く反応したのが、出木杉とは別の道で頂点を目指す
男、悟空だった。

悟「いいから出木杉の言う通りにするんだ!! コイツはいつでも答えてくれた!!」

セル「フハハハ、すでに地球どころか、太陽系すべてが吹き飛ぶほどの気がたまっているぞ!!」


一同「‥わかった。

セル「‥ん。なんだデキスギ。まっ先にしにたいのか? データでは銀河一の
知恵者とのことだったが。終末を悟るのも一番早いというわけか」

出「やってみろ。この借り物だらけの昆虫野郎。ぼくは戦士を尊敬している。
悟空も、ベジータも、クリリンも餃子も。それは彼らが鉄の意志と不断の努力で
その強さの高みにいるからだ。だがお前は違う。お前には誇りも意志もない。
他者の命によってしか自らを高められない。
そんなか弱い存在に、ぼくが、いや僕らが負けるはずがない。


セル「おもしろいたわごとだ」

出「うってみろ!! セル!!!」


今位置関係わかりにくいかな?
セル→出木杉←他

ってことね。

229: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:19:20.48 ID:63sQFXNf0
打ち出されるセルのかめはめ波・そして仲間たちのエネルギー波

その両方が出木杉に迫る。


これでは細胞ひとつ、残りはしない。

誰もがそう思った。

しかし


数秒後彼らがみたのは、あとかたもなく消滅したエネルギー波と
その進路上のえぐれた地面。そしてその中心に無傷でたつ科学者の姿だった。

両の腕を開き、それぞれのエネルギー波がきた方向にむけている。

出木杉にエネルギー波をけすことなどできるはずがない。

だが、科学の力がそれを可能にした。

人造人間19号に使われていたエネルギー吸収装置。
出木杉はそれを小型の板状に再設計し、スーツのポケットにいれておいたのだ。
極端なダウンサイジングによって、使用限界はたったの一度。個数は二個。



もちろん、反射速度におとる出木杉がいつでもこれを使って身を守れるわけではない。

確実に、ここに、確実に今、そのタイミングでしかこれは使えない。

出木杉はあらわれたその決定的瞬間に、これを用いたのだ。

事態が理解できず、呆然とする一同。

だが出木杉はその間に次の行動にでる。
セルは動きは速いが、思考速度までがそうではない。この領域で出木杉に
勝るものなど、いないのだ。

出木杉はすばやくポイポイカプセルを投げつける。セルの前方数メートルだ。

あらわれたのは小型のスプリンクラーのような器具、これが大地に接着した。


事態の異常に気付いたセルがそれを破壊しようと思った。

しかし、それはかなわない。体が、動かないのだ。

出「見覚えがあるかい? ベジータ?」


231: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:27:12.39 ID:63sQFXNf0
ベジータの脳裏にあの夜の記憶がよみがえる。

従来の部屋型の重力室だと、エネルギーの問題があって、200倍が
限界だけど、今ぼくが開発してる小型設置式は手のひらサイズの制御版を地面におくだけで
半径数メートルの重力を変更できるんだ。これはエネルギーさえ調達できれば
3000倍までの負荷が可能なんだよ!…まぁ、そんなネルギーはちょうたつできないけど。


出「そう。これはエネルギーが問題でね。莫大な量が必要なんだ。本当に莫大な。
それは大変優秀な先行研究が解決してくれたよ。まぁ、これも資源の問題でたったの
一度しか使えないんだけどね。さっきいただいたみんなのエネルギーを無線で送っている」
3000倍の重力、それがどういうことかわかるかいセル?

体重が3000倍になる。
実はこれは間違いだ。なぜならそこには大気があるからね。実質君がいま感じてる
重さはその比じゃあない。ぼくならあとかとも残らないだろうね」


セル「ぐぅっ‥。きさま‥! だがこの装置。永遠に作動可能というわけではあるまい。
一度しか使えない、といったな。この重さではたしかに動けないが、わたしは
死にはしない。効果がきれたときが貴様らの最後だ」


出「よく気づいたね。その装置はわずか3分しか作動できない。そしてそれっきりだ。
でも問題ない。君は3分後にはここに。いや失礼『今』に、いないからね」

さらに次のカプセルをなげる出木杉。
これはトランクスが乗ってきたタイムマシーンの複製だ。重力の影響を受けない
ギリギリの位置までセルに近付けている。

出「無から作るのはさすがに無理だけど、お手本があれば、一回だけで故障する
不良品はつくれるさ」

232: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:34:14.18 ID:63sQFXNf0
出「そしてこのタイムマシン。トランクスも話してたけど、莫大なエネルギーを使う。
まぁ、それも優秀な先行研究者の君(セル)の父上のおかげでさきほど解決した」


セル「‥なにをするつもりだ。なにを」
事態の異常に気づくセル。だが動けない。

出「トランクスがタイムマシンで移動するのは高度のある空中だった。これはなぜか?
それはこのタイムマシンが周囲にあるものも巻き込んでタイムトラベルをするからだよ。

土が消えたときにそれにきづいた」

セル「‥なにをする。なにを」

出「なに。ちょっと昔に行ってもらうだけだよ。長生きできたら、
また会うかもね」

セル「正気か!? いつに送るつもりかは知らんが。私はそのさきの世界を滅亡させるぞ!
それでもいいのかああああ!?」

出「ほんの。ていうのは大きな視点からの意見だよ。
50000000000年ほど昔だね」

セ「!?」

出「知ってるかい? この世界の地球ができたのは60憶年前、太陽系は120億年前
そして銀河系は300億年ほどまえだそうだよ


君がいまからいくところは文字通り『何も無い』どんな世界かみてみたいよ」

セル「そうだ‥そんなことをすれば歴史が変わってしまうぞ」

出「わかってないな。それはパラレルワールドの話だ。実際このトランクスのいる
未来はなにもかわってないだろ。今だって」

セル「しかし‥しかし‥!!」



233: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:37:31.45 ID:63sQFXNf0
出「そしてこれも教えてあげるよ。知性のある動物は無音・無視覚の状態でいると
ストレスで一か月で発狂・死亡するらしい。とってもつよい君ならその12×5憶倍くらいは
耐えられるかもしれないね?」


セルは必死にうごめいた、だが重力で体が動かない。

出「でも君は生後まもない赤ちゃんだ。そんな図体でもね。どのくらい長いのか
その身をもってたしかめるといい。おっと、あと20秒しかないね。急ごう」

出木杉は手持ちのノートPCにタイムマシンの機動シークエンスを入力しはじめる

234: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:42:04.52 ID:63sQFXNf0
セルはもはや絶叫していた

「やめろ! やめてくれ!! わたしはただ、強い人間と戦いたかっただけだ!!
それを‥それを‥」

出「望みは叶ったろ? ぼくに、いやぼくらに敗れて君はいなくなる。これは僕だけの力じゃない
。みんなの、鍛え上げた力の勝利だ」

セル「きさまごときに!‥力なき人間ごときに‥!!」

出木杉はセルに背を向け、歩き始める。タイムマシンの効果範囲から離脱。
だが、後ろは振り向かない。背を向けたまま淡々とコマンドを入力、あとは
エンターキーだけだ。

出「違うタイプかと思ったけど、同じことを言うんだね。やっぱり細胞を借りてるからかな?」

セ「!?」

背をむけたまま、さらに続ける。

出「だからぼくはこう答えるのさ。



『知は、力なり』」


背をむけたままエンターキーを入力。


人類を恐怖に陥れた人造の最強生物ははるかな時の果てへ。
その姿を消した。


235: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/03(土) 22:46:35.22 ID:63sQFXNf0
ってな感じです。

一応とんでも道具ではなくて、DBの作中に存在する科学のみで
セルを葬りました。

フリーザのときとは少し違って、アレ?って感じかと思いますが。
DBを求めたフリーザにはDBで
科学技術で生まれたセルには科学技術で、
って感じを狙っていたりいなかったり。

んで、今日はこのへんにします。

感想など、教えてくれれば幸いです。

では、ありがとうございました。

240: 名も無き被検体774号+ 2011/12/03(土) 23:52:26.96 ID:alVg1hAR0
出来杉くん出来すぎワロタ

267: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:04:26.93 ID:ewA6DSA40
セルとの戦いは終わった。いままで一度も死んでいない悟飯はすぐにDBで復活
トランクスは未来へと帰った。
ここで出木杉の出現によって変化したこれまでの死亡回数を整理
餃子2→0
天1→0
クリ2→0
ベジ1→0
悟飯0→1
悟空2→1
トランクス1→0
ナメック星人多数1→0
宇宙でフリーザ軍残党にやられた人多数1→0
ピッコロ大魔王に襲われた一般人多数1→0

倒した敵一覧
初代ピッコロ→悟空
マジュニア→悟空
ラディッツ→ピッコロ、悟空
ベジータ→(おもに)悟空
フリーザ→出木杉
コルド大王→(おもに)悟空
19号→悟空
セル→(おもに)出木杉
あとは原作と一緒。

さてここから6章スタートです。
ドラゴンボール異伝 道を極めし男

268: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:07:32.46 ID:ewA6DSA40
それからさらにときは流れた。
出木杉は延期にしていた外宇宙探査へ出発。当初往復15年の予定だったそれは、
セルとの戦いでさらに高まった出木杉の知恵と技術によって、わずか数年に短縮
出木杉は多くの仲間に見送られ、星の海へと旅たった。

出木杉は宇宙の神秘を数多くその目にし、またその謎を解き明かした。
銀河、宇宙、次元、その真理はバラバラのようで根源はひとつ。出木杉は
知を深め、その極みへと着実に近づいていたのだ。

269: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:12:19.66 ID:ewA6DSA40
ときおり交信ができる地球の状況。それもまた出木杉の心を和ませた。
孫夫妻に次男の悟天ができたこと、ちびトランクスがすくすくと成長していること、
クリリンが念願かなって結婚したこと、あいかわらずフラフラしてるヤムチャ、高校に入った
悟飯、地球になじんでいくベジータ。


そしてもっともうれしかったことは、悟空がかつての悟飯すら超え、超サイヤ人3に
覚醒したことだった。自身と同じく、まっすぐに道を進み続けている友がいる。
少年の日誓った二人の夢。それぞれの試練に負けず、逃げず、あきらめず、誇りをもって戦い
続けた。固い信頼と友情が二人にはあった。

270: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:16:58.63 ID:ewA6DSA40
知と武。少年だった二人の男。それぞれの道の頂が、すぐそこに見えていた。

出木杉の宇宙船は通常運航とワープを繰り返して進む。一度通過した座標はデータが
あるため、少ないエネルギーでワープが可能だが、開拓領域へのワープには莫大な
エネルギーを消耗する。つまり戻りは比較的ラクで早いが、進むのは難しいということだ。

もう少しで宇宙の果てへとたどり着く、帰りのエネルギーを考えると先へのワープは
あと一回しかかなわないだろう。だが、出木杉には確信があった。あと一歩、たったの一歩
で己の夢、宇宙の果てへとたどり着く。

だが、運命はそれを許さなかった。

271: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:22:47.10 ID:ewA6DSA40
出木杉はワープ前にあたり、しばらく忙しくて聞いていなかった仲間たちの通信を
確認してみた。声が聞きたかったのだ。

悟「おっす。オラ悟空! 出木杉、げんきか? こっちでは今度、みんなでひさしぶりに
天下一武道会にでることになった。ベジータもオラも悟飯もピッコロもだ
ワクワクすっぞ!!」

クリリン「明日が武道会だ、誰が優勝すると思う? やっぱ悟空かな?」

ピッコロ「出木杉。一応連絡しておく。なにかが起こっている。界王神様がこちらにきている。
いやな予感がする」

ヤム「邪魔はしたくなかったけど、今こっちは大変なことになっている。悟飯とベジータが…
死んだ。魔人ブウというやつの手でな。悟空でも勝てるかどうか…わからない…
俺たちは今神様の神殿にいる」


ブルマ「出木杉クン。戻ってくるわけにはいかないの?」

悟「さっきのブルマのはきにすんな! オラたちだけでなんとかなるさ。今悟天と
トランクスにフュージョン教えてんだ。おまえはおまえのほうをがんばれよ!」

ブルマ「魔人ブウが神殿ザザザツザっみんなころザザッ、ザー」


272: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:26:15.15 ID:ewA6DSA40
通信記録はそこで途絶えていた。地球側の受信機が破壊されたようだ。
カプセルコーポレーションから神殿に移されたそれが。
それがどういう事態を意味するのか、わからない出木杉ではなかった。

新たなる敵の出現、そして敗れた悟飯とベジータ。途絶えた通信、破壊された
神殿、信じがたいことだが、あの屈強な戦士たちの守る地球が、壊滅的
な被害を受けていることは間違いなさそうだった。

それはつまり、敵が非常に強力で、この危機は宇宙的規模であるということだ。

出木杉不在の地球で、事態は風雲、急を告げていた。


だれか読んでるかしら…

273: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:30:18.01 ID:ewA6DSA40
考えなくては、そう思った出木杉にさらなる事態が起こる。
不意に宇宙船内に出現するドア。それが開き、ふたりの人物、いやひとりはロボット
だが、が現れた。

忘れもしない。ドラえもんとのび太くんだった。

ドラ「やっと迎えにこれたよ。三日もかかっちゃった」
のび「ここどこ? 出木杉はどこにいるの? このお兄さんだれ?」

おそらく、二つの世界では時の流れが違うのだろう。
一人だけ青年になった出木杉は、それを悟った。

274: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:32:54.09 ID:ewA6DSA40
ドラ「この人が出木杉くんだよ。長いあいだほんとにごめんね」

のび「ええ!?」

彼らは出木杉が異世界に転送されたことをつきとめ、迎えにきてくれたのだった。

のび「でも大人になっちゃってるし、戻ったらみんなびっくりしない?」

ド「タイム風呂敷で子供に戻ってから戻ればいいさ。さぁ出木杉くん、ぼくらと
帰ろう。この世界には30分くらいしかいれないし、もう二度とこれないんだ。
急ごう」

いきなりの申し出だった。

275: 忍法帖【Lv=4,xxxP】 2011/12/05(月) 19:35:50.64 ID:d7cPxHPo0
>>1
きたか!今からマッハで読むぜ!

277: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:39:41.60 ID:ewA6DSA40
>>275
さんきゅ。レスしてくれるとおれが盛り上がる。これから先の展開には盛り上がり
がほしい。

出「ドラえもんくん、迎えにきてくれてありがとう。でもぼくは戻らない」

ドラ「でも」

のび「ばけものもいるんだよ!! 怖くないの!?」

出「怖いよ。でも、僕は行く」

ドラ「まさか、あの地球にもどるつもりなの?」
出「もどるよ」

静かな、だが力強い言葉。知の勇者と呼ばれ、誇りある人生を貫いた男だけ
に宿る、すごみがそこにはあった。

276: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:37:19.22 ID:ewA6DSA40
出「ドラえもんくん。お願いがある。離れた場所の過去の映像をみる道具が
あればかしてほしい」

ド「え? あるけど。どうしたの?」

すこしのやりとりがあり、ドラえもんのだした道具によって地球の状態をみた。
一部を除いて全滅した人類、敗れた戦士たち、残された希望はゴテンクスのみだが、
その力も不安定。絶望的にも思われた。

のび「ひえー。なんて怖い怪物だ」
ドラ「まにあってよかった。さぁ出木杉くん、はやくタイム風呂敷を」

出木杉は目を閉じ、考えた。
もとの世界に未練がない、とはいえない。父と母、そして初恋の少女。
銀河の果てまでもう少し、その夢。
新しい世界でできたたくさんの仲間。

葛藤をおえ、出木杉は目をあけた。

ふたたび開かれし天才の瞳に映りしは、決意の炎。


279: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:45:21.58 ID:ewA6DSA40
ドラ「わかったよ…。きみはもうオトナで、この世界の人なんだね」

出木杉の気持ちを理解する猫型ロボット

のび「え? なに? なんで!? ぼくわからないよドラえも~ん!」

出「握手だ。のび太くん」
そういって手を差し出す出木杉。とまどいながらもそれを受けるのび太。
出「ちょっとくやしいけど、しずかちゃんのことは頼むよ」
のび「え?」

出「ふたりにまたあえてうれしかった。じゃあ、さよなら」

それだけいうと、二人に背をむけて操縦席に座る出木杉。地球へのワープ
の準備だ。

ドラ「よくみておくんだよ。のび太くん。あの背中を」
の「…どうして?」
ドラ「きみにもああいう背中のオトナになってほしいから」

のび太にはよくわからなかった。だけど出木杉の背中が、たまらなくかっこいいこと
だけはわかった。のび太とてこれまで、魔境、地底、宇宙、海底、過去、未来
雲の王国、さまざま世界で英雄や恐ろしい悪人をみてきた経験がある。

オトナになった出木杉はその誰よりも、強く、かっこよくみえた。

の「…うん。わすれないよ」

そして二人はもとの世界へ。出木杉は地球へと戻った。

281: 名も無き被検体774号+ 2011/12/05(月) 19:46:21.36 ID:fbkWA2jI0
てか悟空は何でフュージョン知ってんだ?
原作ではセル戦後あの世で修行してる時に出会ったメタモル星人から教えてもらったと言ってるがこれだと悟空覚えるキッカケなくね?

支援

284: 名も無き被検体774号+ 2011/12/05(月) 19:52:02.61 ID:ewA6DSA40
>>281
あれ? フュージョンってヤードラット星人じゃなかったっけ?じゃあおれの
勘違いごめん。でも悟空がフュージョン知らないならそのほうが話の展開よかったわ
残念。


静かに歩を進め、悟空にならぶ出木杉。
道着姿の悟空、白衣に短パン(膝たけくらいのショートバンツね)

悟「出木杉、おめぇ…」

出「戻ってきたよ。悟空」

悟「でも、おめぇは」

出「いいんだ。改めて出発するさ。あの敵を倒したら」

悟「…あぁ! おめぇがいれば、百人力だ!!」

出「ぼくのせりふさ。君と僕なら何者にも負けやしない」

282: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:48:15.44 ID:ewA6DSA40
ワープにかかる時間は数十分。地球へ戻り、高性能スカウターを頼りに
現場に直行する出木杉。そこでみたのはさきほどの映像でみたのとはまた
違う形状の魔人ブウの姿(ゴテンクス、悟飯、ピッコロ吸収バージョン)
相対するは孫悟空ただ一人。ワープの間になにがあったのかわからないが、
どうやらゴテンクスはやられてしまったらしい。残された戦士は悟空のみのようだ。


285: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/05(月) 19:56:13.70 ID:ewA6DSA40
しばらく黙ってみていたブウが口を開く。
ブ「なんだそいつは? まったく気を感じないが。それで悟空とともに私
に挑むというのか? 状況がわかっていないの愚かな」

悟「わかってねぇのはおめぇだ!! コイツの強さをな!」
ブ「ほう?」

悟「おめぇだけは絶対にゆるさねぇ」
出「みんなはかならず取り戻す」

悟「オラたちが!」
出「ぼくたちが!」

悟・出「おまえを倒す!!!!」

立ちはだかるは最恐の魔人。
立ち向かうは二人の男。

知と武、二つの道を極め続けたそれぞれの『力』

幾多の強敵を退けつづけた二人の勇者。
その知恵と勇気と力と技を、鍛え上げたすべてを賭けて


全宇宙の存亡をかけた最大の決戦の幕が、あがる。

349: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 18:52:04.07 ID:L9QB/AOG0
そして戦いがはじまった。
裂帛の気合とともに超サイヤ人へ変身し、空中でブウに肉弾戦を挑む悟空。
両者の激突によって巻き起こる爆風と轟音。

出木杉はそれを大地からみる。眉間に手をあて、ただじっと。
これが彼の戦いだった。はげしくぶつかりあう悟空とブウとは対照的にただ立つ。

しかし出木杉の頭脳ははるか高次元で稼動していた。

どうすればいい? どうすればあの魔人を倒せる?
セルのときとは違い、装置の準備はない。宇宙船につんでいた
いくつかのホイポイカプセル(ポイポイじゃないんだね。指摘ありがとう)
が数個あるだけだ。

また、あの魔人はおそらく純粋な生物ともいえないだろう。
バラバラに破壊しても、それで倒せるのかどうか、わからない。

情報がほしい。

352: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:07:56.91 ID:L9QB/AOG0
出「界王神様。ぼくの声が聞こえますか?」

天をあおいでよびかける出木杉。
界「聞こえます。あなたのこともしってます。なにか、手がありますか!?」

出「これから考えます。まず僕にブウのことを教えてください。どう生まれ、
どのような経緯で現在の姿にいたっているか?」

界「え? な、なぜですか?」

出「いいから早く!」

手短にブウのことを伝える界王神。

なるほどね。

上空では悟空が激しい戦いを繰り広げている。出木杉の目では姿を捉えることすら
できないが、吹き荒れる爆風がそれを物語っている。さらに高性能スカウターで
戦況も知ることができる。悟空の数値が減っている。ブウは変わらない。どうやら
押されているようだ。

悟空の超サイヤ人3をもってしてもきびしい戦いのようだった。
それでもここまでもっているのは、パワーに劣るとはいえ、悟空に歴戦の
経験と技があるからだが、それでも、限界は近い。

353: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:10:46.18 ID:L9QB/AOG0
支援と保守をありがとう。時間ちょっときびしいけどなるべく
今日中に最後まで書き終えるようがんばります。

ブウ「ふん!」
悟「ぐわぁっ!!」

吹き飛ばされる。だがすぐに体勢を立て直して立ち向かう。勝機が見えなくても

だがそれでもかまわない。今戦っているのは自分だけじゃない。頼れる仲間がいる。
戦闘に集中する悟空は出木杉をみてもいないが、彼ならではの方法で、戦っているはずだ。

負けない。絶対に負けない。
だから限界を極め続け、闘う。なんどでもだ。

界王神からいざというときのためのポタラももらっているが、
それを使うときは今ではない。

355: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:13:31.19 ID:L9QB/AOG0
あの世でこの戦いを見ている男がいた。己の誇りのために、そして家族のために
自爆して散ったべジータだ。

占いババァ「いいのか? あの場にいかなくて」

ベ「かまわん。あの二人にまかせる。万が一、デキスギがやられるようなことがあれば
オレがいってやる」

ベジータもまた、力以外の「力」の存在を認めていた。


一方さらに思考を進める出木杉はある仮説にたどりついた。

だが、これは危険な賭けだ。そもそも、この賭けに挑むにいたる条件すら、
出木杉は満たしてない。

どうすればいい

356: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:17:32.04 ID:L9QB/AOG0
出木杉もまた、自身の思考活動に没頭していた。すでにスカウターで悟空の状態
を確認することもやめた。

やられはしない、悟空がやられるはずがない。
悟空はいつだって限界を超えてきた。だから信じる。

ぼくにできることは一つだけ、考えることだ。


いくつかの策をおもいついた。だがどれも成功確率は低い。
たとえば宇宙船のワープ機能を利用して外宇宙へ放り出したとして、おそらく
ブウは戻ってくる。ウイルスや毒物での殺害も不可能だろう。

フリーザのときのようにDBを利用するにしても、ブウの「了承」が得られなければ
ヤツの体に危害を加えることができない。

ならばどうする。



答えは決まっていた。

357: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:20:11.85 ID:L9QB/AOG0
危険な賭け? 
それがどうした。この身はただの脆弱な人間。だけど心は違う。幾多の
試練をくぐりぬけてきた。パワーではるかに勝る強敵にも一歩も引かず、
氷のように冷静に、炎のように熱く戦い続けた。

今まで一度だって、膝を屈したことはない。逃げたことはない。けして己の意志
を曲げたことなどない。そしてこれから先もそれは変わらない。

守るべき仲間、進むべき未来、それは誰にも譲れない。

358: 名も無き被検体774号+ 2011/12/09(金) 19:20:27.68 ID:3qSoXydUO
答えがわからねぇ…

361: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:26:09.18 ID:L9QB/AOG0
>>358
実は想定していた倒し方を変更した。ちょっとテクニカルに倒す予定だったけど。
SSの主旨的に変更、勘弁してくれい

出「界王神様、今すぐドラゴンボールの用意を! ナメック星ではすでにあたらしいドラゴンボールがある。
すぐにそれを集めてください!」

出木杉は宇宙の旅の途中、(フリーザに破壊されなかった)ナメック星へも立ち寄っている。

界「え? でもDBでブウを倒すことは」
老界「ばかもん! あれはそう簡単に使っては!」

出「いいから早くしろ!! 悟空がやられたら宇宙が終わるんだぞ!! 説明
している時間はない! ぼくのいうとおりにするんだ! かなえる願いはひとつ
○○だ!」


もはや、うやうやしく話してなどいられない。

こんなことはナッパ戦でヤムチャに「死にたいのか!」と怒鳴ったときいらいだ。

359: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:21:27.54 ID:L9QB/AOG0
そして僕には、誰にも負けない知恵と知識がある。宇宙の多くを理解して、そのすばらしさ
を知っている。それを壊すことがどれほど愚かなことなのか、ほかの誰よりも
深く深くしっている。


この僕が、賭けにまけるはずがない。

363: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:30:23.47 ID:L9QB/AOG0
悟空にも出木杉の言葉は聞こえていた。

悟「へへっ」

ブ「なにがおかしい。死の恐怖で狂ったか」

悟「そんなことねぇさ。どうやるのかオラにはさっぱりわからねぇけど、
おめぇはもうすぐ倒される」

ブ「あのデキスギという男の手でか? 笑わせる」

出木杉は準備を始めた。白衣のポケットから11個のホイポイカプセルを取り出し
セッティングを行う。


出「悟空! 今から4分33秒後に強力なエネルギーの爆発を発生させる! 銀河系
もろともブウを始末する! 地球はDBで戻す! それまでブウをとめてくれ!」

悟空には戦闘力をもたない出木杉が、どうやってその爆発を起こすのかわからなかった。

しかし出木杉がそういうなら、そのためにブウを食い止める。そしてそのときがくれば
瞬間移動で出木杉をつれて離脱だ。

364: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:33:16.66 ID:L9QB/AOG0
出木杉の言葉を受け、その実行のために本気で闘う悟空をみて、ブウにも
あせりが生まれた。

あのデキスギとかいう男、なにかを狙っている。
それがなにかわからない。だが確信めいた雰囲気がある。

そういえばほかの戦士を始末したとき、「出木杉がいれば」と言い残して
倒れたものもいた。

あの男には、なにかがある。パワー以外のなにかが。得体のしれない不気味さが
あった。


以前のブウならきにならなかっただろう。だが、今、ピッコロを吸収したことでブウには
知性があった。その知性が、警鐘をならしていた。

365: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:38:28.64 ID:L9QB/AOG0
ブ「ふん!」

悟空を弾き飛ばすブウ。はるかかなたへ悟空は飛ばされた。
すぐに立ち上がろうとする悟空だった。
だが
界「悟空さん。ここは出木杉さんにまかせてください」

そうした言葉が脳内に響き、悟空は戦況を見守った。

パワーで劣る悟空なら、いつでも殺せる。それよりはまずはあの男だ。
そう考えたブウは出木杉の前におりたった。

ブウ「残念だったな。なにをしようとしていたのか知らんが、おまえはもう死ぬ」

両者には圧倒的な戦闘力の差がある。その差は蟻と獅子よりも大きい。
ブウがそのきになれば、出木杉など一瞬で100回は殺せる。

だが、ブウはそうしない。

この時点で、第一関門は突破だ。

甘いね。ぼくが君なら、うむをいわさず殺す。好奇心か、それとも別の欲求に
基づくものか。いずれにしろ、徹しきれていない。それはぼくが不可解な
存在だからか。それとも、その身に捕らえているピッコロや悟飯の記憶と
知識が無意識に「出木杉」という男を警戒しているからか。


366: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:44:58.33 ID:L9QB/AOG0
出「仕方ない。まだ途中だけど」

両手の五本の指に挟む形で8つのカプセルを取りだす

出「銀河系すべてってわけにはいかないけど、このカプセルにはかなりのエネルギー
がこめられている。ぼくが死ねば自動で発動するよう設定してある」

背中にじっとりと汗をかくのを感じる。だがそれを悟られてはならない。

ブ「わたしを倒せるほどの力には思えんがな」

出「デモンストレーションをしてあげるよ」

少年時代に開発し、ピッコロ大魔王に一撃を加えたエネルギー充填カプセル。

あのころよりはるかにエネルギーの変換効率がよく、またただの爆発ではなく。
レーザー状に照射も可能。いわば人口のかめはめ波だ。

だが、このカプセルは資源の問題でそういくつもつくれはしない。
宇宙へ旅たつ前に、当時最強の力をもっていた。悟飯のエネルギーを入れたもので
実は一個しかもっていない。8個構えたが、うち7個はカラだ。

その虎の子の一個を、空に向かって投げ捨て、エネルギーを開放。
超サイヤ人2のエネルギー波が大気圏外へと発射される。

出「みたかい? あれはぼくの持ってるカプセルのなかでももっとも威力が低いものだ。
ぼくはあと7個もってる。うかつに僕を殺すのはやめたほうがいい」

ブウの表情が一瞬だけ曇ったがlすぐに安堵の笑みを浮かべる。

ブ「所詮、その程度か」

370: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:49:04.65 ID:L9QB/AOG0
ブ「なるほど、たしかにそのような道具を作り出し、操るというのは優れた点だ。
ずいぶん頭がキレるようだな。このピッコロというやつよりはるかに上だ。
だが、その程度の力ではわたしにとってはまったく脅威ではない。それどころか」


ブウの頭部の一部がちぎれた。

そのあとおこる出来事を悟空は知っている。
悟「出木杉! 逃げろ! 逃げるんだー!!!」

ちぎれたブウの一部は巨大なアメーバ状に広がり、そして






銀河一の知恵者を、丸呑みにした。

372: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:58:04.73 ID:L9QB/AOG0
立ち尽くす悟空のまえに、さらに形状を変化させたブウが降り立った。

ブウ「どうかな? さきほど前のパワーに究極の頭脳が加わった。すばらしいぞ。
ありとあらゆることを理解できる。もはや、私は究極の存在なった。
さて、遊んでやろう」

ブウの強さは、まさに圧倒的だった。パワーそのものはさきほどよりもむしろ
わずかに落ちていたが、その攻撃は正確無比、また悟空の動きを完璧かつ神速で
予測。あさっての方向に放つエネルギー波は、その後の攻撃を回避した悟空の
急所へと、定まっていたかのように突き刺さる。

まさに最強だった。もはや状況は絶望的に思われた。
悟空はあっというまに追い詰められた。

ブウ「さて、そろそろとどめをさしてやろう」
悟「…」

最大のパワーで星ごと悟空を消滅させるべく、気をたかめる。そして頂点へと高まった。

ブウ「さらばだ。孫悟空」






??「それは無理だよ。君はあと3分44秒後に、死ぬ」


373: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 19:59:21.25 ID:L9QB/AOG0
この声は、まぎれもなくあの青年の声、鋼の意志で知を極め続ける男の声。

悟空はあたりを見渡した。

みあたらない

「ぼくはここだよ。悟空」


375: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 20:05:37.11 ID:L9QB/AOG0
おどろくべきことに、この声の主はブウ、いやさきほどまでブウだった者から
発せられていた。

ブウ「バカな! なぜだ!? なぜ吸収されたものが意識を保てる!?」

表情がブウに戻って叫んだ。

すぐに出木杉の声がおもてに現れる

出「わからないかい? 簡単なことだよ。君よりも、ぼくのほうが遥かに賢くて
意志が強いからさ」

まるで一人二役のように話すブウ。

出「よくよく自分の生い立ちを考えてみるといい。君は最初、もっと純粋で
そして極悪な存在だったそうだね。だけど、太っていて優しい界王神の一人を
吸収したことで、あの丸い姿に変化。すこし穏やかになって、制御可能な存在に
なった。それに君はさっきピッコロを吸収して知性を手に入れた。

これはどういうことか?
セルの吸収とは違って、君のそれは、取り込む対象の人格や知性んも影響を
うけるということさ。そういう宇宙生物を研究したことがあってね。
変化の仕方が似通っていた。性質も97%の確率で同じとの分析も出た。


ところで、
きみはわかっていない。この僕の知性と人格を吸収するということが、
どういうことなのか、をね」

377: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 20:11:24.51 ID:L9QB/AOG0
出「わかるはずだ。宇宙の真理が。そして感じるはずだ。黄金率をはじめとする
宇宙のさまざまな美しさが。それを破壊することが、どれほど邪悪で、そして
死すべき存在であるかということが。

だから君の意志はさらに弱くなった。ぼくが表にでれるほどにね。

さて、邪悪な君はどうしたらいいと思う?」


ブウ「…ぐ…ぐ!」

出「そう、死ぬべきだ」

冷徹な一言を放つ出木杉。
確信があった、自身の意志が、この邪悪な魔人にとりこまれても在り続けると。
鍛え上げた知性が、闇を拒否することを。

出木杉は賭けにかったのだった。


出「悟空。かめはめ波だ。ぼくはこのまま自爆する。同時に君の一撃。
ブウは完璧に消滅する」

悟「でもそれじゃ、おめぇまで、それに吸収されたほかのみんなまで…」

出「手はうってある。ぼくを信じてくれ」


379: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 20:22:06.67 ID:L9QB/AOG0
悟「わかった!」

そしてかめはめ波の体勢に入る悟空。
対するブウは自爆へむけて気を高める。

悟「ブウ、おめぇはすげぇよ、よくがんばった。たったひとりで…今度はいいやつに
生まれ変われよ…一対一で勝負してぇ…」


ブ「やめろぉおおおおおお!!」

悟「波ーーーーーっ!!」


全宇宙を壊滅の危機へと追い込んだ最恐の魔人が、こうして破れさった。

その2分後。

悟「手は打ってある、っていってたよな。デキスギのやつ」
界「はい! DBの願いは『ブウにかかわったことで死んだ人間をすべて6分22秒後に
よみがえらせてくれ』というものです。今頃、きっと…

出木杉はあの世、閻魔の門の入り口で、門にもたれかかってたっていた。
どうせすぐに戻るのだ。入り口に入る必要はない。

すこし遅れて、ブウが門にやってきた。魂の状態では、ブウとてなにもできはしない。

同時に、出木杉に神龍からのおよびがかかる。

入り口から立ち去る出木杉、入り口へ向かうブウ。すれ違ったところで出木杉は
声をかけた、振り返らず、背をむけたまま。

出「君はきっと、生まれ変わる。もっと良い存在としてね」

ブ「…」

出「次の人生のために、いい言葉を教えてあげる。覚えていられるかはわからないけどね」

ブ「…なんだ。いってみろ」

幾度となく、出木杉を支えた言葉、人生をかけて証明した言葉。
幾たびも人々を救い、そして悪を討ってきた男が、誇りをもって述べる言葉。

それは魔人の心にも、真実味をおびて聞こえた。

出「人の知恵は、意志は、力だ」


380: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 20:25:55.14 ID:L9QB/AOG0
知と武を極めた二人の男は、こうして全宇宙を救ったのだった。

そのあと、生き返った仲間との再会を喜びあった。

そして、ふたたびときは流れる。

381: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 20:29:23.17 ID:L9QB/AOG0
出木杉はふたたび宇宙の果てへ出発。そして、ついにたどりつき。

無事にもどってきた。

出木杉の帰還に重なり、再び天下一武道会。そこでウーブとであった悟空は
喜び勇んで、ウーブとともに飛び去った。


382: 1 ◆.CYxsOUbcc 2011/12/09(金) 20:36:17.16 ID:L9QB/AOG0
出「君らしいな。悟空。ぼくも、負けてられないな」

その日、出木杉はカプセルコーポレーション社長の座とともに
あらゆる肩書き、地位を放棄。宇宙の果てにたどり着いた天才は知っている。

別の世界があることを、それはひとつだけじゃないかもしれない。

この世界のすべて、別の世界のすべて、それらすべてを知る。

強い意志で、夢を果たす。

出木杉は、翌日、新たな旅に出発することにした。
おおくの女性ファンと、大事な仲間たちに見送られて。


さて、ドラゴンボールと悟空と出木杉の大活劇。いかがだったでしょうか。

ホントはGTまで構想があったんだけど、ごめんなさい。
ちょっと立て込んできて、定期的にかけそうにないので、ここで終了です。

ブウの倒し方も当初の策略めいた感じから変更しました。

「これは、7つの不思議な玉に導かれし強者たちが覇を競う世界を

その知恵と勇気で駆け抜けた、一人の男の物語」

最初にいったのと違うじゃん! とかいわないでください。

あと、読んだ人は最低3人くらいに出木杉くんの魅力を語ってくださると
幸いです。

では、ご愛読いただき、ありがとうございました。


次回作

出木杉「スタンド使い?」
にご期待ください。

さよーならー。



383: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 2011/12/09(金) 20:37:42.53 ID:VNh6Hie/0
おおー

398: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 2011/12/10(土) 06:14:38.34 ID:ecgswymK0
>>1乙!
最初から最後までワクワクして読めたよ
次回作も期待してる

引用元: 出木杉「カプセルコーポレーション?」