1:2018/05/03(木) 02:56:57.471
― 山 ―
女(たまには登山も楽しいな……)ザッザッザッ
クマ「……」ガサッ
女(ゲ!?)
女(ク、クマだわ! 死んだフリしなきゃ!)バタンッ
クマ「ん?」
クマ「大変だ! 人が倒れてる!」
女(たまには登山も楽しいな……)ザッザッザッ
クマ「……」ガサッ
女(ゲ!?)
女(ク、クマだわ! 死んだフリしなきゃ!)バタンッ
クマ「ん?」
クマ「大変だ! 人が倒れてる!」
5:2018/05/03(木) 02:59:01.593
クマ「もしもし!」
女「……」
クマ「大丈夫ですか!? 大丈夫ですかぁっ!?」
女(あ~もう、早くどこかに消えなさいよ!)
クマ「返事がない……! どうしよう……! どうすれば息を吹き返すんだ!?」
女(あんたが消えればすぐ息吹き返すっての!)
女「……」
クマ「大丈夫ですか!? 大丈夫ですかぁっ!?」
女(あ~もう、早くどこかに消えなさいよ!)
クマ「返事がない……! どうしよう……! どうすれば息を吹き返すんだ!?」
女(あんたが消えればすぐ息吹き返すっての!)
6:2018/05/03(木) 02:59:11.053 ID:KrwMbWcAr.net
餌かな?
7:2018/05/03(木) 02:59:31.924 ID:h1Iny07sK.net
クマは獲物を仕留めずに踊り食いするからな
9:2018/05/03(木) 02:59:51.731 ID:KrwMbWcAr.net
言葉通じてんなら何も問題ねえじゃねえか
10:2018/05/03(木) 03:00:48.691
クマ「生きてるのかな……」サッ
女「……」ドクッドクッ
クマ「心臓は……動いてる。かなり鼓動が早いぞ!」
女「……」
クマ「呼吸は……してる! しかも鼻呼吸か、素晴らしい! 風邪をひきにくいぞ!」
女(うっさい!)
女「……」ドクッドクッ
クマ「心臓は……動いてる。かなり鼓動が早いぞ!」
女「……」
クマ「呼吸は……してる! しかも鼻呼吸か、素晴らしい! 風邪をひきにくいぞ!」
女(うっさい!)
12:2018/05/03(木) 03:02:48.123
クマ「生きてると分かってホッとしたけど、これからどうしよう?」
クマ「とりあえず、救急車呼ぶか!」サッ
女(こいつ、なんでクマのくせにスマホ持ってんのよ!)
クマ「もしもし! ……救急です! はい、山に人が倒れてまして……」
クマ「えっ、救急車到着まで一時間もかかる!? こりゃくまったな」
女(うぜえ)
クマ「とりあえず、救急車呼ぶか!」サッ
女(こいつ、なんでクマのくせにスマホ持ってんのよ!)
クマ「もしもし! ……救急です! はい、山に人が倒れてまして……」
クマ「えっ、救急車到着まで一時間もかかる!? こりゃくまったな」
女(うぜえ)
13:2018/05/03(木) 03:03:28.512 ID:7K1gbQ+Wr.net
いい熊さんじゃないか
15:2018/05/03(木) 03:05:01.435
クマ「一時間か、どうしよう……」
女「……」
クマ「とりあえず、人工呼吸でもしようか」
女(熊工呼吸だろうが!)
クマ「ん~……」
女(ファーストキスがクマだなんていやぁぁぁぁぁ!!! 絶対くさいいいいいいい!!!)
ブチュッ
女(あっ……)
女(ブレスケアの匂い……クマのくせに……)ンッ…
女「……」
クマ「とりあえず、人工呼吸でもしようか」
女(熊工呼吸だろうが!)
クマ「ん~……」
女(ファーストキスがクマだなんていやぁぁぁぁぁ!!! 絶対くさいいいいいいい!!!)
ブチュッ
女(あっ……)
女(ブレスケアの匂い……クマのくせに……)ンッ…
16:2018/05/03(木) 03:05:40.769 ID:mKT3uklh0.net
ふさふさしてそう
18:2018/05/03(木) 03:07:18.264
ピーポー… ピーポー…
救急隊員「お待たせしました! 患者はどちらに!?」
クマ「あそこでまだ倒れてます!」
女(やっと来た……やっとこのクマから解放される……)
救急隊員「クマさん、あなたはどうしますか?」
クマ「もちろん、ついていきます!」
女(くんな!)
救急隊員「お待たせしました! 患者はどちらに!?」
クマ「あそこでまだ倒れてます!」
女(やっと来た……やっとこのクマから解放される……)
救急隊員「クマさん、あなたはどうしますか?」
クマ「もちろん、ついていきます!」
女(くんな!)
19:2018/05/03(木) 03:08:49.421 ID:7K1gbQ+Wr.net
ブレスケアw
20:2018/05/03(木) 03:10:33.383
― 病院 ―
女「……」
医者「うーむ……」
ナース「この患者さん、どこも異常はありませんね、先生」
女「当然ですよ!」ガバッ
ナース「きゃっ!? 起き上がった!」
女「だって私、死んだフリしてただけですもん!」
ナース「なーんだ、だったらすぐ退院してもらわなきゃ!」
医者「いや、ちょっと待った」
医者「脳の手術をしよう、今すぐ!」
女「……」
医者「うーむ……」
ナース「この患者さん、どこも異常はありませんね、先生」
女「当然ですよ!」ガバッ
ナース「きゃっ!? 起き上がった!」
女「だって私、死んだフリしてただけですもん!」
ナース「なーんだ、だったらすぐ退院してもらわなきゃ!」
医者「いや、ちょっと待った」
医者「脳の手術をしよう、今すぐ!」
21:2018/05/03(木) 03:13:06.124
女「……ん」
医者「目が覚めたかね」
女「手術は……?」
医者「手術は成功だ」
医者「君の脳には悪性の腫瘍ができていてね」
医者「あれ以上小さいと検査機器では発見できないし、あれ以上大きいと取り除くのが難しくなるという」
医者「絶妙な大きさになっていた」
女「ってことは……」
医者「もし、このタイミングで病院に来てなければ、君の命は危なかったかもしれない」
女「……!」
医者「偶然とはいえ、あのクマに感謝することだ」
女「……はい」
医者「目が覚めたかね」
女「手術は……?」
医者「手術は成功だ」
医者「君の脳には悪性の腫瘍ができていてね」
医者「あれ以上小さいと検査機器では発見できないし、あれ以上大きいと取り除くのが難しくなるという」
医者「絶妙な大きさになっていた」
女「ってことは……」
医者「もし、このタイミングで病院に来てなければ、君の命は危なかったかもしれない」
女「……!」
医者「偶然とはいえ、あのクマに感謝することだ」
女「……はい」
22:2018/05/03(木) 03:15:08.731
クマ「あ、手術は成功だったみたいですね」
女「うん……」
クマ「これで、ボクも安心して山に帰ることができます」
クマ「それじゃ……」
女「待ちなさいよ!」
女「うん……」
クマ「これで、ボクも安心して山に帰ることができます」
クマ「それじゃ……」
女「待ちなさいよ!」
23:2018/05/03(木) 03:18:41.197
女「命を助けられたのに何もしないってのは、なんだかスッキリしないわ」
女「お礼ぐらいさせてよ……」
クマ「というと?」
女「私の自宅に寄っていきなさいよ!」
クマ「いいんですか? ボクはクマですよ?」
女「クマだろうがなんだろうが、命の恩人に変わりないわよ」
クマ「女性の家にお呼ばれするなんて初めてで……こりゃくまったな」
女「それ、なんかイラッとくるからやめて!」
女「お礼ぐらいさせてよ……」
クマ「というと?」
女「私の自宅に寄っていきなさいよ!」
クマ「いいんですか? ボクはクマですよ?」
女「クマだろうがなんだろうが、命の恩人に変わりないわよ」
クマ「女性の家にお呼ばれするなんて初めてで……こりゃくまったな」
女「それ、なんかイラッとくるからやめて!」
24:2018/05/03(木) 03:19:48.908 ID:E596bufIr.net
まさかの展開
25:2018/05/03(木) 03:21:29.481
― 女の自宅 ―
女「これからお料理作るけど……なに食べる?」
クマ「お野菜を頂けたら、と」
女「あんた、ベジタリアンなんだ。他には?」
クマ「デザートにはできればハチミツを……」
女「結構ベタなところもあるのね」
女「これからお料理作るけど……なに食べる?」
クマ「お野菜を頂けたら、と」
女「あんた、ベジタリアンなんだ。他には?」
クマ「デザートにはできればハチミツを……」
女「結構ベタなところもあるのね」
27:2018/05/03(木) 03:22:31.307
クマ「おや、ヤングジャンプがありますね」
女「漫画が分かるんだ」
クマ「ヤングジャンプは山のふもとのコンビニで毎週買ってますよ」
女「私はキングダム目当てで買ってるけど、あんたの好きな漫画は?」
クマ「またベタだといわれそうですが、やっぱりあれですね」
女(ゴールデンカムイか。クマ出てくるもんね)
クマ「スナックバス江です」
女「よりによってそれかよォ!」
女「漫画が分かるんだ」
クマ「ヤングジャンプは山のふもとのコンビニで毎週買ってますよ」
女「私はキングダム目当てで買ってるけど、あんたの好きな漫画は?」
クマ「またベタだといわれそうですが、やっぱりあれですね」
女(ゴールデンカムイか。クマ出てくるもんね)
クマ「スナックバス江です」
女「よりによってそれかよォ!」
28:2018/05/03(木) 03:24:11.767
クマ「それにしても、あの山はかなり険しいというのに、よくあそこまで登れましたね」
女「私、建設現場で働いてるから、体力には自信あるのよ」
クマ「ほう、たくましい」
女「たくましくならなきゃ、やってられなかったのよ。私は一人ぼっちだから」
クマ「あの、ご両親は?」
女「お父さんは仕事人間でいつも家にいなくて、お母さんはそれを支えて死んじゃって」
女「私それに反発して、高校卒業と同時に家出しちゃったの」
クマ「そうだったんですか……苦労なされたんですね」
女「うん……」
クマ「……」
女「……」
女「私、建設現場で働いてるから、体力には自信あるのよ」
クマ「ほう、たくましい」
女「たくましくならなきゃ、やってられなかったのよ。私は一人ぼっちだから」
クマ「あの、ご両親は?」
女「お父さんは仕事人間でいつも家にいなくて、お母さんはそれを支えて死んじゃって」
女「私それに反発して、高校卒業と同時に家出しちゃったの」
クマ「そうだったんですか……苦労なされたんですね」
女「うん……」
クマ「……」
女「……」
29:2018/05/03(木) 03:25:07.022 ID:lN9VZB6h0.net
これ実話?
30:2018/05/03(木) 03:26:05.544 ID:FrNnqq9R0.net
そりゃドキュメンタリーよ
31:2018/05/03(木) 03:27:06.381
女「ねえ、しばらくここにいたら?」
女「女の一人暮らしだし、ボディガードが欲しかったのよね」
クマ「クマでよろしければ……」
女「あ、そうだ! どうせならウチの現場で働いてみない?」
女「仕事がきつくてすぐ辞めちゃう人多いし、ちょうど人手が欲しかったのよ」
クマ「熊手でよろしければ……」
女「うっさい!」
女「女の一人暮らしだし、ボディガードが欲しかったのよね」
クマ「クマでよろしければ……」
女「あ、そうだ! どうせならウチの現場で働いてみない?」
女「仕事がきつくてすぐ辞めちゃう人多いし、ちょうど人手が欲しかったのよ」
クマ「熊手でよろしければ……」
女「うっさい!」
32:2018/05/03(木) 03:28:59.288
― 現場 ―
女「というわけで、今日から彼をお手伝いさせて下さい!」
クマ「クマです。よろしくお願いします」
監督「よ、よろしく……」
同僚「こりゃすごい新人が入ってきたな……」
女「というわけで、今日から彼をお手伝いさせて下さい!」
クマ「クマです。よろしくお願いします」
監督「よ、よろしく……」
同僚「こりゃすごい新人が入ってきたな……」
33:2018/05/03(木) 03:29:09.355 ID:didh2Z2i0.net
熊手ワロタ
34:2018/05/03(木) 03:30:37.753
クマ「よいしょ」ヒョイッ
監督「おおっ、あのでかい鉄パイプを十本もいっぺんに……!」
同僚「すげー! こりゃこのクマがいたら、みんなリストラされちゃうかもな!」
クマ「……」
クマ「あ、あの、やっぱり一本に」ゴトッ
女「遠慮しなくていいから!」
監督「おおっ、あのでかい鉄パイプを十本もいっぺんに……!」
同僚「すげー! こりゃこのクマがいたら、みんなリストラされちゃうかもな!」
クマ「……」
クマ「あ、あの、やっぱり一本に」ゴトッ
女「遠慮しなくていいから!」
36:2018/05/03(木) 03:32:49.506
監督「いやぁ、いい働きっぷりだよ、あんた!」
監督「どうだい、正式に入社しねえか!?」
クマ「いいんですか?」
監督「いやいっそ、俺の代わりに現場監督になってくれ!」
クマ「こりゃくまったな」
女「だから、それやめろって!」
監督「どうだい、正式に入社しねえか!?」
クマ「いいんですか?」
監督「いやいっそ、俺の代わりに現場監督になってくれ!」
クマ「こりゃくまったな」
女「だから、それやめろって!」
38:2018/05/03(木) 03:35:59.306
女とクマの楽しい日々は続いた――
監督「今月分の給料だ!」
クマ「ありがとうございます!」
女「初給料で何買うの?」
クマ「貯金します」
子供「わ~い」キャッキャッ
幼女「クマさんだぁ~」キャッキャッ
クマ「わわっ!」
女「ふふっ、近所の子供からもすっかり人気者ね」
監督「今月分の給料だ!」
クマ「ありがとうございます!」
女「初給料で何買うの?」
クマ「貯金します」
子供「わ~い」キャッキャッ
幼女「クマさんだぁ~」キャッキャッ
クマ「わわっ!」
女「ふふっ、近所の子供からもすっかり人気者ね」
41:2018/05/03(木) 03:38:15.886 ID:OY1TGsjxr.net
堅実やな
42:2018/05/03(木) 03:39:24.547
……
― 役所 ―
役人「ようこそ来てくれました」
マタギ「用件は……なんだ?」
役人「実は……近頃この町にクマが出没しているという情報があるのです」
役人「ろくに事件もないこの町で、クマ退治という大仕事を成し遂げれば、私の出世も間違いなし!」
役人「ぜひともあなたの手で、退治していただきたい!」
マタギ「いいだろう……」
マタギ「久しぶりに俺の猟銃が火を吹く時が来たようだ」ジャキッ
― 役所 ―
役人「ようこそ来てくれました」
マタギ「用件は……なんだ?」
役人「実は……近頃この町にクマが出没しているという情報があるのです」
役人「ろくに事件もないこの町で、クマ退治という大仕事を成し遂げれば、私の出世も間違いなし!」
役人「ぜひともあなたの手で、退治していただきたい!」
マタギ「いいだろう……」
マタギ「久しぶりに俺の猟銃が火を吹く時が来たようだ」ジャキッ
43:2018/05/03(木) 03:41:03.418
スタスタ…
女「今日も疲れたわねー。監督ってば、私達をこき使いすぎよね」
クマ「ですが、あと少しであのビルも完成……」
――ズドンッ!!!
女「今日も疲れたわねー。監督ってば、私達をこき使いすぎよね」
クマ「ですが、あと少しであのビルも完成……」
――ズドンッ!!!
44:2018/05/03(木) 03:42:01.438 ID:hU9SBTdz0.net
えぇ…
46:2018/05/03(木) 03:43:15.552
シュゥゥゥゥゥ…
女「きゃあっ!?」
クマ「これは……銃弾!?」
マタギ「今のは宣戦布告の一発……」ジャキッ
マタギ「クマよ……。マタギとして、貴様を狩らせてもらう」
役人「フハハハハッ! 町の平和を脅かす侵略グマよ!」
役人「正義の鉄槌を受けるがいい! 我が出世の礎になるがいい!」
女「きゃあっ!?」
クマ「これは……銃弾!?」
マタギ「今のは宣戦布告の一発……」ジャキッ
マタギ「クマよ……。マタギとして、貴様を狩らせてもらう」
役人「フハハハハッ! 町の平和を脅かす侵略グマよ!」
役人「正義の鉄槌を受けるがいい! 我が出世の礎になるがいい!」
47:2018/05/03(木) 03:43:33.550 ID:weHvUb4Q0.net
いやぁあああああああああああぁぁぁ
48:2018/05/03(木) 03:45:07.047
クマ「くっ……!」サッ
マタギ「無駄だ……俺は狙った獲物は絶対外さない」
マタギ「どんなに素早く動こうと、な」
クマ「どうやら……ここまでのようですね。抵抗はしません」
マタギ「なかなか潔いクマだな」
クマ「大暴れして、皆を巻き込む方が嫌ですので」
マタギ「なるほど……ならば一発で楽にしてやろう……」ジャキッ
マタギ「無駄だ……俺は狙った獲物は絶対外さない」
マタギ「どんなに素早く動こうと、な」
クマ「どうやら……ここまでのようですね。抵抗はしません」
マタギ「なかなか潔いクマだな」
クマ「大暴れして、皆を巻き込む方が嫌ですので」
マタギ「なるほど……ならば一発で楽にしてやろう……」ジャキッ
49:2018/05/03(木) 03:46:25.126
女「やめてぇっ!!!」バッ
クマ「あっ!?」
マタギ「――む!?」
クマ「あっ!?」
マタギ「――む!?」
51:2018/05/03(木) 03:48:20.710
女「お願い、このクマを殺さないで!」
女「このクマはとても優しいし、働き者だし、子供にだって人気なの!」
女「なにより……私の命を救ってくれたの!」
役人「知るかボケェ! 山から下りてきたクマは例外なく射殺される運命なんだよォ!」
クマ「そうです。ボクはいつかこうなることを覚悟してきました」
クマ「危ないから、ボクの前からどいて下さい!」
女「嫌っ!」
マタギ「……」
マタギ「!?」
女「このクマはとても優しいし、働き者だし、子供にだって人気なの!」
女「なにより……私の命を救ってくれたの!」
役人「知るかボケェ! 山から下りてきたクマは例外なく射殺される運命なんだよォ!」
クマ「そうです。ボクはいつかこうなることを覚悟してきました」
クマ「危ないから、ボクの前からどいて下さい!」
女「嫌っ!」
マタギ「……」
マタギ「!?」
52:2018/05/03(木) 03:50:28.586
マタギ「お前は……まさか娘か?」
女「あっ、あなた……お父さん!?」
マタギ「家出したお前と……こんなところで会えるとはな」
女「お父さんも相変わらず……狩人として働いてたのね。お父さんらしいや」
マタギ「母さんとお前にはすまないことをした……」
女「ううん、もういいよ……。私も働くことの大変さを学んだし……」
クマ(この二人、父子だったのか……!)
女「あっ、あなた……お父さん!?」
マタギ「家出したお前と……こんなところで会えるとはな」
女「お父さんも相変わらず……狩人として働いてたのね。お父さんらしいや」
マタギ「母さんとお前にはすまないことをした……」
女「ううん、もういいよ……。私も働くことの大変さを学んだし……」
クマ(この二人、父子だったのか……!)
55:2018/05/03(木) 03:52:29.347
女「だけど一つだけワガママ聞いてくれる?」
マタギ「なんだ?」
女「このクマは悪いクマじゃないの! お願い、見逃してあげて!」
マタギ「……」
役人「おい、何をやっている! 早くクマを頃せ!」
役人「クマを駆除すれば私は出世しまくりだし、クマの毛皮は高く売れる! クマ肉は珍味!」
役人「盾になってるその女ごと、害獣をブチ頃せぇぇぇぇぇ!!!」
マタギ「……了解した」スッ
女「お父さん!」
マタギ「なんだ?」
女「このクマは悪いクマじゃないの! お願い、見逃してあげて!」
マタギ「……」
役人「おい、何をやっている! 早くクマを頃せ!」
役人「クマを駆除すれば私は出世しまくりだし、クマの毛皮は高く売れる! クマ肉は珍味!」
役人「盾になってるその女ごと、害獣をブチ頃せぇぇぇぇぇ!!!」
マタギ「……了解した」スッ
女「お父さん!」
57:2018/05/03(木) 03:55:24.888
マタギ「……」ジャキッ
役人「!? ――な、なぜ私に銃口を!?」
マタギ「あのクマとアンタだと……アンタの方がよっぽど獣に見える」
役人「う、ぐっ……! 一理ある!」
役人「くそぉぉぉぉぉぉっ!!!」シュタタタタタッ
マタギ「それに……娘の恩人を撃つことなどできんさ」
女「お父さん……!」
クマ「ありがとうございます……」
役人「!? ――な、なぜ私に銃口を!?」
マタギ「あのクマとアンタだと……アンタの方がよっぽど獣に見える」
役人「う、ぐっ……! 一理ある!」
役人「くそぉぉぉぉぉぉっ!!!」シュタタタタタッ
マタギ「それに……娘の恩人を撃つことなどできんさ」
女「お父さん……!」
クマ「ありがとうございます……」
60:2018/05/03(木) 03:58:05.811
クマ「それにしても、なんて危ないことを!」
クマ「ボクの盾になろうとするなんて、銃弾が発射されてたらどうするんです!」
女「だって私……」
女「あんたのこと、好きになっちゃったんだもの!」
クマ「え……」
女「命をかけて守りたくなるくらい、好きになっちゃったの!」
クマ「そりゃボクだってあなたのこと……しかし、ボクはクマですよ?」
女「クマでもいい!」
クマ「ボクの盾になろうとするなんて、銃弾が発射されてたらどうするんです!」
女「だって私……」
女「あんたのこと、好きになっちゃったんだもの!」
クマ「え……」
女「命をかけて守りたくなるくらい、好きになっちゃったの!」
クマ「そりゃボクだってあなたのこと……しかし、ボクはクマですよ?」
女「クマでもいい!」
63:2018/05/03(木) 04:00:18.144
女「お願い……私とずっと一緒にして! 伴侶として一緒に暮らして!」
クマ「ボクでよろしければ……」
マタギ「フフッ……義理の息子がクマってのも面白いな。お前は立派なマタギにしてやろう!」
クマ「こりゃくまったな」
― END ―
クマ「ボクでよろしければ……」
マタギ「フフッ……義理の息子がクマってのも面白いな。お前は立派なマタギにしてやろう!」
クマ「こりゃくまったな」
― END ―
64:2018/05/03(木) 04:00:41.241 ID:+rqygaFf0.net
ネタしかないのにちょっと王道なのが面白い
66:2018/05/03(木) 04:00:59.776 ID:gctEjVCWa.net
乙
いい話だった
いい話だった
67:2018/05/03(木) 04:01:04.701 ID:5daAnxTW0.net
乙
68:2018/05/03(木) 04:02:27.002 ID:cP9rf2gEr.net
乙
くまったなら仕方ない
くまったなら仕方ない
70:2018/05/03(木) 04:03:04.789 ID:weHvUb4Q0.net
乙
ところどころのテンポのよさが好き
ところどころのテンポのよさが好き
74:2018/05/03(木) 04:05:14.084 ID:Xr/KGyYfK.net
しかし孫の顔は拝めない
75:2018/05/03(木) 04:06:05.117 ID:aiI80H0Rd.net
>>74
そりゃくまったことになったな
そりゃくまったことになったな
79:2018/05/03(木) 04:17:19.869 ID:bmvi9TYnd.net
オチがいい
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