しん　「おかえり～」ﾀﾞﾀﾞｯ

みさえ「帰ったらただいまでしょ」

しん　「そうともゆう～」

みさえ「まったく」

しん　「それよりかーちゃん、おつやは？」

みさえ「おやつ！はぁ、冷蔵庫にプリン入ってるわ」

しん　「ほっほ～い」ﾀﾞﾀﾞｯ

　　　　　　　　　　　　ｲｸｿﾞｯ ｱｸｼｮﾝﾋﾞｰﾑ!!!


しん　「プハ～、プリンを食べながら見るアクション仮面は最高ですな～」ｹﾞﾗｹﾞﾗｹﾞﾗ

　　　　　　　　　　　　ﾅﾆｯ!? ｱｸｼｮﾝﾋﾞｰﾑｶﾞｷｶﾅｲ?

しん　「おおっ！？」

　　　　　　　　　　　　　　ﾐ、ﾐﾐｺｸｰﾝ!

しん　「ミミコお姉さん！がんばれアクション仮面！負けるな！」


みさえ「しんのすけー、ちょっと来てー」

　　　　　　　　　　　　　　ｸｿｯ ﾐﾐｺｸﾝ…

しん　「……おぉぉぉおおお」

みさえ「しんのすけー」

しん　「今いそがしいから、あとで～」

～～～２０分後～～～


しん　「ふぅ、今週のアクション仮面も目がはなせなかったぞ」

しん　「まさかアクション仮面が負けそうになるなんて…」

しん　「しかーし！」ﾊﾞｯ

しん　「最後には正義は必ず勝つのだ！」

しん　「ワーハッハッハッハッハッハ！！！」

しん　「ワーハッハッハッハッハッハ！！！」


　　　　　　　　　　　　　　し～ん


しん　「あり？」

しん　「おかしいぞ、いつもならココで」

『しんのすけ！アクション仮面も良いけど、お部屋のお片付けはちゃんとすんでるの！？』

しん　「とか」

『しんちゃーん、ママお買い物行ってくるからひまわりお願いねー』

しん　「ってかーちゃんがｸﾞﾁｸﾞﾁ言うはずなのに…」

しん　「……」

しん　「かーちゃーん！ひまー！！！」


　　　　　　　　　　　　　　し～ん


しん　「二人ともいないぞ…」

しん　「まさか、オラを置いて二人でお出かけしたんだな！」

しん　「なにも言わずにお出かけってことは、きっとデパートで高い買い物
　　　　してるんだぞ」

しん　「オラだってジャイアントチョコビ買ってもらいたいのに！」

しん　「う～～～！帰ってきたらとーちゃんに言いつけてやるぞ！」ﾌﾝｽ


～～～３時間後～～～


しん　「いくら待っても二人とも帰ってこないぞ……」

しん　「かーちゃん……ひま…」

～～～さらに１時間後～～～


しん　「いくらなんでも遅すぎるぞ」

しん　「ハラもへったし…」

しん　「とーちゃんも帰ってこないし」

しん　「……」

しん　「仕方ないから今日はカップ麺でガマンするぞ」

しん　「たしかこの前かーちゃんが…」ｺﾞｿｺﾞｿ

しん　「あったあった」

しん　「ちゃんと覚えてるなんて、さすがオラ！へへ～♪」

しん　「……」

しん　「さっさと食べてテレビでもみるか」

～～～深夜～～～


しん　「結局、かーちゃんもひまも帰ってこなかったぞ」

しん　「とーちゃんも……ついでにシロも」

しん　「いつもなら皆いなくなっても代わりに誰か来るのに…」

しん　「今回はダレも来ない」

しん　「なんか、おかしいぞ…」

しん　「……」

しん　「う、ううん！ダメだダメだ！」

しん　「きっとみんな、明日になればひょっこり帰ってくるに違いないんだぞ！」

しん　「そしたらそしたら！オラ、いっぱいモンク言ってやるんだ」

しん　「うん！今日はもう寝る！明日も早いんだから！」

～～～翌日～～～


しん　「ｚｚｚｚｚｚｚｚ」

しん　「ｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ」

　　　　　　　　ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ

しん　「ｚｚｚｚ…うう～～～ん」

　　　　　　　　ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ

しん　「かーちゃん……目覚ましー」

　　　　　　　　　ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ

しん　「かーちゃん、目覚ましなってるぞー」

　　　　　　　　　ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ

しん　「あーもう！かーちゃん、さっきから目覚ましなってｒ…」ﾊﾞｯ

しん　「…そうだった。かーちゃんまだ帰ってなかったんだ」

　　　　　　　ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ…　ﾋﾟｯ

しん　「……朝か」

しん　「いつもなら遅刻してもかーちゃんに送ってもらえるけど、今日は遅れるわけ
　　　　にはいかないぞ」

しん　「幼稚園行くじゅんびしなくちゃ」ﾀﾞﾀﾞｯ


～～～２０分後～～～


しん　「ふぅ、朝からカップ麺はさすがに苦しいから、チョコビがあって助かった～」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

しん　「けど、これで最後のチョコビか」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

しん　「カップ麺もあと２、３個か」

しん　「かーちゃんが帰ってきたら、もっとヒジョーショクの買い置きは増やすように
　　　　言っとかなきゃ」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

しん　「…っと、そろそろバスの時間だぞ、うoちして行かなきゃ」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

～～～玄関～～～


しん　「幼稚園についたらみんなにホーコクしてみるか」

しん　「もしかしたらどっかでかーちゃん見かけたとか」

しん　「とーちゃんとシロが何処にいるか知ってるとか、あるかもしれないし」

しん　「先生たちや組長にも相談してみようかな」

しん　「…」

しん　「ま、バスの中でかんがえよ」


しん　「それにしても、バス遅いぞ…」

～～～３０分後～～～


しん　「いくら待ってもバスが来ない」

しん　「おかしい、今日はちゃんと幼稚園ある日なのに」

しん　「もしかしてオラがウoチしてる間にいっちゃった？」

しん　「ううん、チャイムも鳴らなかったんだからそんなハズない」

しん　「どうしちゃったんだ…」

しん　「……」

しん　「けど、来ないものは仕方ないし」

しん　「今日は休んで、家でかーちゃんたちを待ってるか」

～～～昼～～～


しん　「昼まで待ってみたけど、やっぱり帰ってこないぞ」

しん　「それに夕飯もちょっと心細くなってきたし、ちょっと買い物でも
　　　　して来たほうがいいよね」

　　　　　　　　　　　　　　ｺﾞｿｯ　ﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝ

しん　「…３０円か」

しん　「スーパー行く前にマサオくんの家でも寄ってくか」

しん　「あと風間くんとこも」

～～～マサオ宅～～～


しん　「ふぅ、やっと誰かに会えるとなるとワクワクしてきた」

しん　「考えてみたら、オラ昨日帰ってからまだ誰とも喋ってないんだよね」

しん　「ま、一番最初に会うのはオニギリなんですけど（ﾜﾗ」

しん　「ほっほーい♪」


　　　　　　　　　　　　　ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

しん　「…」ﾜｸﾜｸ

しん　「あり？」

　　　　　　　　　　　　　ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

しん　「お～いマサオく～ん！オラだぞ～」

しん　「マサオくんってば～」

　　　　　　　　　　　　　ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

しん　「おかしいな」

　　　　　　　　　　　　　ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

しん　「うぬぬぬぬぬ、こうなたっら」

　　　　　　　　　　　　ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

しん　「む？ドアも閉まってる」

しん　「……うぅ、お出掛け中か。マサオくんのイケズゥ」

しん　「仕方ない。次は風間くんちでも行くか」


～～～風間宅～～～


しん　「そんな訳でやって来たぞ」

しん　「さっきはオニギリいなかったけど今度は大丈夫でしょ」

しん　「でわでわ～」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

しん　「…」ﾜｸﾜｸ

しん　「…」ﾜｸﾜｸ

しん　「へ？」

しん　「ははっ。二回も同じはず…」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

しん　「！？ そ、そんな…風間くんちも、誰もいない？そんなバカな」

しん　「こ、これじゃあまるで、とーちゃんかーちゃんだけじゃなくて……」


しん　「！！！」

しん　「そ、そうだ。マサオくんと風間くんがいないのは、二人とも幼稚園
　　　　に行ってるからだぞ」

しん　「べつに消えたわけじゃ…」

しん　「そうだぞ、ここに来る前に幼稚園に行くべきだったんだぞ」

しん　「幼稚園に行きさえすれば、みんないるハズなんだ…みんな」

しん　「幼稚園に行きさえすれば…」

～～～ふたば幼稚園～～～


しん　「つ、ついた…けっこう遠かったぞ」

しん　「でもここに来ればみんなに会えるんだ…か……ら」


　　　　　　　　　　　　ｶﾞﾗｰﾝ

しん　「は、ははっ」

しん　「あはははははははははははは」

しん　「あははははははははははははははははははははははははは」

しん　「あっははははははははははっはっははっはｇｈ…ｺﾞﾎｯ…ｺﾞﾎｯ!!!」

しん　「う、みん…な」

しん　「ドコ行っちゃったのっ！！！？？？」

しん　「ねぇ！！！！！ねぇってば！！！！！！」

しん　「とーちゃん！かーちゃん！ひまわり！シロ～！！！」

しん　「マサオくん風間くんボーちゃんネネちゃ～ん！！！！」

しん　「よしなが先生まつざか先生、組ちょ～～～～！！！！！」

しん　「ﾊｧ…ﾊｧ…ｾﾞｪ…ﾊｧ」

しん　「とーちゃん！かーちゃん！ひまわり！シロ～！！！」

しん　「マサオくん風間くんボーちゃんネネちゃ～ん！！！！」

しん　「よしなが先生まつざか先生組ちょ～～～～！！！！！」

しん　「みんな～～～～！！！」

しん　「隠れてないで出てこ～～～～～～い！！！」

どうしようマジでつらい

……この後、オラは一人家に帰った。じつを言えばどうやって
家に辿り着いたのかはわからない。
けど、気が付いたら一人、自分ちの玄関にいた。

だからきっと、自分の足で帰ってきたんだと思う。


そんで、帰りついたらそのまま布団でねちゃった。
散々歩き回ってたんだ。仕方ないよね。

もしかしたら、家に着いたらとーちゃんもかーちゃんも帰ってきてる
かとも思ってたんだけど、ダメだったし。

次の日もまた次の日も毎日毎日オラは待ってみたし、探しに出かけたりもした。

けど、やっぱり無駄だった。
この町には、オラ以外誰もいなくなってたんだぞ。

おかげでコンビニやスーパーの商品をタダで手に入れることはできたけど…。

多分ある日、この世が唐突に終わったんだゾ。
そんで、オラだけがなにかの間違いで取り残された…。

…………。

もうあの日、皆が消えてから１年が経った。

疲れた。もう限界。
そろそろオラも消えようと思う。

いつまでココにいても仕方ないから。消えたらきっと、また皆に会えると思うから。

だからオラも消えようと思う。

とーちゃん、かーちゃん、ひまわり、シロ。今会いに行くぞ。待っててね。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fin

鬱エンド

なんだホラーか